当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当中間連結会計期間(2025年3月1日~2025年8月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善がみられる中で、景気は緩やかな回復傾向で推移いたしました。しかしながら、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクや物価上昇の継続が消費マインドに及ぼす影響など、懸念材料も多く、先行き不透明な状況が続いております。
当中間連結会計期間における当社グループの業績につきましては、売上高は10,510百万円(前年同期比96.2%)、営業利益は207百万円(前年同期比47.8%)、経常利益は150百万円(前年同期比81.3%)、親会社株主に帰属する中間純利益は147百万円(前年同期比73.0%)となりました。
なお、百貨店業の代理人取引を総額に置き換えた場合の売上高は、25,438百万円(前年同期比97.0%)であります。
引き続き当社グループは、先行き不透明な経済情勢におきましても、これまで取り組んでまいりました事業構造改革をより一層定着・発展させ、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めておりません。
①百貨店業
百貨店業界におきましては、大都市部の基幹百貨店を中心とした高付加価値消費やインバウンド需要が減速するなど、百貨店を取り巻く環境は厳しい状況の中、インバウンド需要の小さい地方都市ならびに郊外立地の百貨店においても、総じて厳しい商況が続いております。
こうした状況の中、当社グループにおきましては、地域唯一の百貨店として、地域経済・社会の発展に貢献することを中長期的に目指す姿と定め、資産価値向上に取り組む「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2025年度~2027年度)」を策定し、推進いたしております。
本店におきましては、百貨店らしさの追求を普遍的な基本方針と位置付けたうえで、デジタル推進をはじめ、商品・サービス力強化の取り組みを推し進めております。
本年は、創業90年の節目を迎える年となり、これまで井筒屋を支えていただいた地域のお客様に、年間を通して様々な形で、感謝の気持ちを伝えてまいります。
デジタル推進といたしまして、4月に導入1周年を迎えた「井筒屋アプリ」は、登録会員数も計画を上回って進捗しており、今後もお客様の利便性向上を図るとともに効果的な営業施策を実施してまいります。
サービス力強化といたしましては、友の会カードについて、積立を継続いただけるお客様用に自動チャージシステムを導入いたしました。ご来店不要でお持ちの井筒屋友の会カードに自動で全額がチャージされるようになり、お客様に大変喜ばれております。
商品力強化といたしましては、本館3階に、女性誌販売部数№1雑誌「ハルメク」で販売している商品を取り扱う「ハルメク おみせ」が新規オープンいたしました。50代以上の女性のために開発したオリジナルファッションアイテムやコスメなど様々な商品を展開しており、お客様に大変ご好評いただいております。
本館6階では、タオル売場をリニューアルオープンいたしました。タオルからナイトウェアまで日常における上質な心地よさをトータルで提案する売場を構築し、商品展開の幅が広がっております。
催事・イベントに関しましても、「北海道物産展」や「文具の博覧会」などの人気催事に加え、初企画として、井筒屋創業90周年記念特別企画「大北陸展」「関西グルメフェア」「大九州展」を開催し、連日多くのお客様で賑わいました。
また、小倉井筒屋創業90周年のプロモーションテーマ「もっと、思いがけない百貨店へ。」を体現するイベントの一つとして、小倉井筒屋の本館と新館の間のクロスロードと隣接する船場広場におきまして、「井筒屋モーターフェスティバル」を初開催。普段なかなか見ることのない憧れの輸入車の競演に、お子様から大人まで楽しんでいただけたイベントとなりました。
新館9階パステルホールでは、「燃える闘魂アントニオ猪木展」を開催し、猪木氏の貴重な品々の展示やレジェンドレスラー達によるトークショーも実施され、プロレスファンをはじめ、多くのお客様にご来場いただきました。
サテライトショップにおきましては、3月6日に「中津ショップ」がゆめタウン中津内で移設・リニューアルオープンいたしました。
山口店におきましては、引き続き本店と商品供給における連携強化に努めております。主に、本店で取扱いのあるラグジュアリーブランドの販売会や本店特選会へのご招待など送客を図ることで売上の拡充に努めております。送客強化として、「小倉井筒屋バスツアー」を初開催。山口・宇部・周南地区のお客様をバス送迎し、ゆっくりお買物を楽しんでいただきました。
また、6月に「周南ショップ」が「徳山デッキ」1階へ移転オープンいたしました。駅からのアクセスも良く、お客様から大変ご好評いただいております。
当中間連結会計期間の業績につきましては、天候不順による来店客数の減少や高額品の伸び悩みなどにより、売上高は10,493百万円(前年同期比96.2%)となりました。利益につきましては、アプリ・SNS等を活用した効果的な販売促進など経費の効率的な運用をおこないましたが、人的資本投資をはじめとする販管費の増加により、営業利益は226百万円(前年同期比50.3%)となりました。
②友の会事業
友の会事業におきましては、売上高は17百万円(前年同期比93.1%)、営業利益は34百万円(前年同期比138.5%)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて633百万円減少し、43,861百万円となりました。これは主に有形固定資産や現金及び預金等が減少したことによるものであります。総資産のうち流動資産は7,026百万円、固定資産は36,835百万円であります。固定資産の主な内容は、有形固定資産32,294百万円、無形固定資産619百万円、投資その他の資産3,920百万円であります。
②負債
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて543百万円減少し、32,030百万円となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。うち、流動負債は24,905百万円、固定負債は7,124百万円であります。負債の主な内容は、借入金13,175百万円、支払手形及び買掛金4,121百万円、契約負債3,943百万円、再評価に係る繰延税金負債3,358百万円であります。
③純資産
当中間連結会計期間末における純資産は、主に親会社株主に帰属する中間純利益を計上したものの自己株式の取得や実効税率変更により土地再評価差額金が減少したため前連結会計年度末に比べて89百万円減少し、11,831百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて187百万円減少し、 2,574百万円となりました。
当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、982百万円の資金収入となりました(前中間連結会計期間は832百万円の資金収入)。
これは主として減価償却費や税金等調整前中間純利益の計上等によるものであります。
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、264百万円の資金支出となりました(前中間連結会計期間は396百万円の資金支出)。
これは主として有形固定資産の取得による支出によるものであります。
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、905百万円の資金支出となりました(前中間連結会計期間は819百万円の資金支出)。
これは主として有利子負債の返済によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因
「1 事業等のリスク」に記載しております。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性について基本的な考え方に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。