第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループは、当連結会計年度において、「コスト上昇への歯止め」及び「非スポーツ分野でのビジネスモデル構築」を最重要課題と位置づけ事業経営に取り組んでまいりました。

このような状況のもと、当社グループ全体の売上は、主力分野であるフットウエア商品は米州市場で苦戦したものの、グループ全体としてはランニングシューズを中心に売上は堅調に推移いたしました。また、アパレル商品も増収となりました。ゴルフビジネスは世界的な市場の低迷が続く中、ブランド力のあるアイアンを中心にシェアを確保いたしました。また、指定管理施設運営や体育施設用器具販売などスポーツ施設サービス事業は引き続き成長しており売上を伸ばしました。

この結果、売上高は89億9千5百万円増収(前年同期比4.8%増)の1,960億7千2百万円となったものの、営業利益は仕入コストにおいて全般的に為替変動の影響を大きく受け、売上総利益率が1.1ポイント低下したことなどにより、20億8千万円減益(同41.2%減)の29億7千1百万円となりました。経常利益は営業減益の影響で、24億3千1百万円減益(同46.7%減)の27億7千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益の計上等もあり経常利益から減益額が縮小し、12億5千7百万円減益(同37.6%減)の20億8千5百万円となりました。

 

セグメント(地域別)の業績は以下のとおりであります。

①日本

日本は、スポーツ品販売事業においてサッカーやラケットスポーツなど競技スポーツ分野の売上が好調に推移いたしました。健康スポーツ分野では、秋冬向けウエアの売上は暖冬の影響を受け不調でしたが、ランニングやウォーキング、トレーニングなどのシューズビジネスが好調で前年並みの売上を確保いたしました。ゴルフビジネスはアイアンの新製品の投入や新規チャネルの開拓、大手チェーンストア向けオリジナルウエアの販売などにより売上は順調に推移いたしました。スポーツ施設サービス事業においては、指定管理施設運営ビジネスの売上が伸張したほか、セノーグループが進める体育施設向け用具ビジネスが売上、利益とも順調に伸ばしました。一方で野球、ソフトボールなどダイアモンドスポーツ分野は少子化などの影響により苦戦いたしました。

この結果、売上高は38億6千4百万円増収(前年同期比3.2%増)の1,263億5千2百万円、営業利益は9億5千1百万円増益(同32.3%増)の38億9千9百万円となりました。

 

②欧州

欧州は、ランニング関連品やハンドボールやバレーボールなどインドアスポーツシューズの販売が堅調に推移いたしました。また、ゴルフビジネスにおいても新製品のウッドやアイアンが堅調でした。

この結果、売上高は為替変動の影響により、6千2百万円減収(前年同期比0.4%減)の159億9千万円となりました。また、営業損益は為替の変動を受け仕入コストが増加したほか、販売管理費の増加などもあり12億2千万円減益の3億6千4百万円の営業損失となりました。

なお、当連結会計年度における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。

英ポンド:180.57円(前年同期 176.77円)、ユーロ(欧州支店):132.26円(前年同期 138.65円)、
  ユーロ(子会社):134.62円(前年同期 140.67円)、ノルウェー・クローネ:14.84円(前年同期 ―)

 

③米州

米州は、ランニングシューズビジネスにおいて販売促進活動を強化し、市民ランナー層へのミズノブランドの訴求に注力いたしましたが、北米のランニングシューズ市場の供給過剰傾向の中、苦戦いたしました。また、南米ブラジルでのシューズビジネスも、不安定な経済状況の影響を受け不調でした。一方、バレーボール品、野球品などのチームスポーツビジネスは堅調に推移いたしました。また、ゴルフビジネスでは、特にアイアンの機能性と技術力の高さがユーザーに支持され、市場シェアを着実に確保いたしました。

この結果、売上高は19億9千2百万円増収(前年同期比6.7%増)の315億7千万円、営業損益は14億8千9百万円減益の13億2千3百万円の営業損失となりました。

なお、当連結会計年度における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。

米ドル:120.97円(前年同期 106.36円)、カナダドル:94.74円(前年同期 96.22円)

 

④アジア・オセアニア

アジア・オセアニアは、継続的に好調を維持している台湾や、独自のマーケティング政策を進める韓国などが順調に推移いたしました。また、2年目を迎えたシンガポールのビジネスは安定しつつあり、オーストラリアも堅調でした。一方、中国は年度初めに販売子会社と生産子会社を合併させ、また、不採算店舗を整理するなど経営の効率化とコストダウンを目指した結果、減収となったものの利益率は改善されました。しかしながら中国経済の成長率鈍化の影響は大きく、引き続き厳しい結果となりました。

この結果、売上高は32億1百万円増収(前年同期比16.9%増)の221億5千8百万円、営業利益はマーケティング費用の増加など経費率の悪化もあり、3億7千1百万円減益(同32.7%減)の7億6千3百万円となりました。

なお、当連結会計年度におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。

台湾ドル:3.81円(前年同期 3.51円)、香港ドル:15.61円(前年同期 13.73円)、  中国元:19.39円(前年同期 17.29円)、豪ドル:90.97円(前年同期 95.34円)、  韓国ウォン(100ウォンあたり):10.69円(前年同期 10.09円)、 米ドル(シンガポール):120.97円(前年同期 106.36円)

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は141億7千6百万円となりました。当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りとなります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動によるキャッシュ・フローは17億4千2百万円の収入となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益34億4千6百万円、減価償却費の計上30億7千5百万円、売上債権の減少額28億8千4百万円、支出の主な内訳はたな卸資産の増加額51億6千5百万円、法人税等の支払額11億9千6百万円となります。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動によるキャッシュ・フローは21億5千7百万円の支出となりました。収入の主な内訳は投資有価証券の売却による収入14億3千3百万円、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出22億7千4百万円、無形固定資産の取得による支出7億5千6百万円、事業譲受による支出5億4千1百万円となります。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動によるキャッシュ・フローは42億8百万円の支出となりました。収入の主な内訳は短期借入金の増加額11億6千2百万円、長期借入れによる収入12億6千9百万円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出52億2千1百万円、配当金の支払額12億5千7百万円となります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

日本

15,558

128.3

米州

2,518

102.1

アジア・オセアニア

5,393

104.0

合計

23,470

118.6

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「欧州」の生産実績はありません。

 

(2) 受注状況

当社グループは見込生産を行っており、その他の事業のうち、スポーツ施設関連の一部のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

日本

126,252

103.1

欧州

15,990

99.6

米州

31,570

106.7

アジア・オセアニア

22,258

117.1

合計

196,072

104.8

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

3 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、持続的成長と企業価値向上のため、下記の項目を直面する経営課題と位置づけ、これらの解消のため対処してまいります。

 

(1) 米州ビジネスの収益回復

米州の事業環境は、流通市場における供給過剰が深刻な状態となり、チェーン展開する大規模な小売業者の廉価販売により価格競争が激化し、利益率が下げ止まらない悪循環が続いております。
 このような厳しい状況の中、ブランドの信頼維持を第一に考えて薄利多売を戒め、販売チャネルと投入商品の厳選を行うことで、在庫と経費の圧縮を進め、利益率回復に努めたいと考えます。

 

(2) コストダウンへの取り組み

当社グループの製品コストは、生産各国における労務人件費の上昇、原材料価格の上昇、決済通貨の変動などの要因により安定しない状況にあります。
 これらの要因への取り組みといたしましては、生産拠点の分散化を進める一方で、生産能力や品質を安定維持することに主眼を置き、それらのウエイトバランスを取ることに努めてまいります。また、原材料に関しましても、素材の新規開発に加え、供給先の開拓と多様化を図ってまいります。
 さらに、決済通貨の変動に対しては、需要予測の精度を上げ、生産・納期管理の厳格化により、決済金額と時期を精緻に把握することによって、ヘッジの実効性を向上させていきたいと考えております。

 

(3) 新規事業領域におけるビジネスモデルの構築

市場競争が激化する中、他社との差別化を図って収益力の源泉を多様化することは、強固な経営基盤を確立するために重要な要素となります。
 当社グループでは、燃料電池自動車の水素貯蔵タンク用素材を製造・供給するなど、スポーツ品生産の技術の蓄積を基盤として、新たな分野への製品開発に発展させていきたいと考えております。このように、産業分野における需要を見い出し、製品開発と安定供給により、成長に寄与できるよう、新たな事業領域でのビジネスモデルの構築を目指してまいります。

 

(4) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号イ)、この基本方針を実現するための特別の取り組み(同条第3号ロ)について決議しております。

 

①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

当社取締役会は、公開会社である当社における「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としてのあり方は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましく、その判断は最終的には当社の株主の意思に委ねられるべきものと考えます。
 一方で、スポーツ品の製造・販売やスポーツ施設の運営などの事業をグローバルで展開する当社グループを統括する当社の経営にあたっては、専門的ノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先やスポーツ産業特有の選手・チーム・団体や連盟等のステークホルダーとの間に築かれた関係への理解が不可欠であり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」にこれらに関する十分な理解がなくては、株主価値を毀損する可能性があると考えます。

一段と激化する競争の中で、当社グループはスポーツ市場で「特徴あるブランド」として存在し続けていかなければなりません。
 当社のブランド価値の核となるものは、「テクノロジー」「クラフトマンシップ」「品質」といった商品への信頼感であります。その信頼感の醸成のために、商品開発は当社のブランド価値向上の最も重要な要素であります。スポーツ品の研究開発においては、素材の基礎研究から製品化に至るまで多くの開発プロセスを経ており、長期の年月をかけ、その技術やノウハウの蓄積や技術者の育成を行ってまいりました。

 

また、海外と国内の事業を連動させ、競争優位のビジネスモデルの構築を目指すため、海外生産拠点の最適化を図り、継続的な製品コストの低減を行うとともに、コアとなる生産技術水準を維持・継承することにも努めております。

加えて、当社グループは顧客との情緒的な繋がりを強める企業文化や社風(当社の個性)を生み出す努力を継続してまいりました。従業員教育に努め、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリットを大切にし、アンフェアな行為を許さない企業風土を有しております。また、長年にわたり地域スポーツ団体へのサポートや、指導者育成をはじめとしたスポーツ振興活動を行うなど社会貢献にも積極的に努めております。これらの企業文化や社風は、取引先、消費者、各種競技団体において当社グループと<ミズノ>ブランドに対する信頼感を高めてまいりました。

以上のように、信頼という無形の付加価値がグループの社員と企業文化によって築かれ、ブランド資産となり企業価値の向上に大きな役割を果たしております。
 当社では、100年以上にわたり築いてきたこれらの有形無形の財産が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模買付行為を行う者の下においても保全され、中長期的にその価値を向上させられるものでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は大きく毀損されることになると判断いたします。従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合には、そのような大規模買付行為は不適切であると考えます。

 

②基本方針を実現するための当社の取り組み

当社は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、下記の長期経営方針に沿って企業価値向上の具現化を図っております。

・新100年ブランドの創造
 ・世界企業ミズノの実現
 ・誇りある企業文化の育成

創業以来、商品の品質・機能の充実を通してユーザー満足度を高める努力を行ってまいりましたが、次の100年にも通用するブランド創造を第一に掲げました。それにはグループ全体での企業価値の最大化を目指すために国境を越えた連携でグローバル企業を目指し、さらに公正な企業活動のもと、挑戦的で活力のある企業文化を醸成してまいります。

このためにも中長期的に以下のような重点目標を設定し、目標達成に向け経営資源を有効活用して企業価値を向上させていくことといたしております。

 

<海外市場でのシェア向上>

海外市場におけるマーケティング活動のさらなる強化推進により、すでに評価の高い技術や機能性を強く訴求することが重要と考えております。高いレベルのパフォーマンスを追求するエンドユーザーが対象顧客である「専門店チャネル」を中心に、欧州・米州・アジア・オセアニアをはじめとする海外市場でのブランド認知度の拡大とシェアアップを図ってまいります。

 

<商品開発力の強化>

ブランド差別化の源泉として、研究開発への人材と資金の投資を積極的に行ってまいります。すぐれた技術力により裏打ちされたスポーツシューズや、新素材の開発・採用に加え多様な機能性を発揮できる縫製技術を駆使するスポーツアパレルの領域は、グローバルでの市場規模が極めて大きく、これからの拡販余地が一層見込まれると考えております。従って、これらのプロダクト領域の開発に経営資源の配分ウエイトを高めてまいります。

 

<健康関連事業への取組み強化>

日本国内は、少子高齢化が加速するにともないシニア層の人口構成比が増大し、人々の健康への意識が高まりそのための活動の機会が増えると想定されます。日常的なスポーツやトレーニングへの志向に対する需要をしっかり受けとめ、競技スポーツで培った技術やノウハウをベースに、そのような需要に応える商品とサービスを提供してまいります。

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

平成18年6月28日開催の第93回定時株主総会において、議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または結果として議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」という。)に関する対応方針が承認され、当社は買収防衛策を導入いたしました。
 この買収防衛策は、当社の企業価値、株主共同の利益を確保し向上させることを前提としており、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則に則った具体的なルールであります。
 大規模買付行為を受け入れるかどうかの最終判断は当社株主の皆様に委ねられるべきものであり、その判断のため、当社取締役会は大規模買付者からの提供情報に対し、評価・検討の上、取りまとめた意見や必要に応じ代替案を定められた期間内に開示いたします。
 また、当社取締役会が敵対的な買収と評価し、社外監査役及び外部専門家で構成する株主利益評価委員会が対抗措置発動の勧告を行った場合、当社取締役会はその勧告を最大限尊重して対抗措置の発動に関する最終的な意思決定を行います。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識するとともに、リスクの回避やリスクが発生した場合の対処・対応を事前に定めておりますが、業績等に影響を与える事項はこれらに限定されるものではありません。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) グローバルな事業展開において潜在するリスク

当社グループは、世界各地域に販売拠点や生産拠点を置くなど積極的に海外進出を推進しております。販売拠点は、欧州、北米、アジア、オーストラリアなどにおいて現地法人及び支店として展開していることに加え、現地の販売代理店を経由して当社製品の販売を行っております。また、中国、インドネシア及びベトナムなどには、スポーツシューズ、スポーツウエア及びゴルフクラブなど当社グループの主力商品を製造している自社工場やOEM委託工場が存在しております。
 これらのグローバルな事業展開には、進出先における予測不能な法令・規則の変更が行われたり、テロ・戦争・暴動・ストライキその他の要因による政治的・社会的・経済的混乱などが発生した場合には、当社グループのその後の事業展開が継続できないおそれがあり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループは、世界各地域で製造・販売等の事業活動を行っておりますが、グループ各拠点の外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けております。グループ各拠点は、為替変動の影響を最小限にとどめるためにリスクヘッジ手段として先物為替予約取引を行っておりますが、予想を大きく上回るなど不測の変動が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の欠陥

当社グループは、当社が定めた厳格な品質管理や品質保証に係る規程のもと、製品の生産を行っておりますが、スポーツやアウトドアなどアクティブな状況で使用される製品は、当社基準の想定を上回り破損し、破損によりユーザーや第三者を負傷させたり、器物の損傷を招くなどの潜在的なリスクを有しております。当社グループは、製造物責任保険に加入し、不意の訴訟や賠償要求に備えておりますが、保険で十分にカバーできるという保証はありません。また、万一、リコールが発生した場合には、製品回収・交換・設計変更などによる多大なコスト増大や、ブランドイメージや社会的評価の低下とそれにともなう売上高減少を招くことになり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 原材料価格の高騰

当社グループが製造・販売する商品に関しては、天然皮革、天然樹脂、木材、金属及び石油製品などを原材料として使用しております。これらの原材料は資源価格の変動リスクにさらされており、不測の資源価格の上昇が発生した場合には、原材料コストの増大によって当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループが、顧客に対して商品販売やサービス提供を行うに際しては、顧客の情報管理に最大限に注意を払い漏洩しないための情報システム防御を実行しております。しかしながら、第三者等による情報システムへの意図的な侵入が行われたり、様々な原因や理由によって情報システムが停止するなどの問題が予想され、それによって個人を含む顧客情報の漏洩や流出が発生するリスクが存在いたします。万一、このような事態が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や信用の失墜により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 地震等の自然災害

地震等の自然災害の発生により、当社グループの販売や生産の拠点が損害を受け、操業の中断や物流の遅延、多額の復旧費用が発生するリスクが存在いたします。たとえ自社の施設や商品等への直接的な損害が限定的であったとしても、取引先や仕入先・製造委託先が被災した場合や消費活動の低迷などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、経営理念と長期経営方針に基づき、グローバル事業戦略に沿った商品開発を基本的なコンセプトとしております。そのためには、スポーツ工学及びスポーツ科学の研究を基盤とした基幹技術や素材の研究・開発を行うことが中核的な活動であり、そのことにより高機能製品の開発が実現されると考えております。同時に製品を実現するための生産技術の開発を進め、それらの技術が蓄積されることによりプロダクション機能の強化が果たされるものと考えております。

現在、研究開発活動の体制は、スポーツ品の製造に関しては、基礎研究・機能研究など広範で中長期的な視点で研究開発を行う当社の研究開発部と各グローバルプロダクト部門(アパレル、フットウエア、イクイップメント)の開発セクションを中心として、MIZUNO USA,INC.の開発部門やミズノテクニクス株式会社の技術部門、セノー株式会社開発本部などもその役割を担って推進しております。基盤技術や素材・製品の研究開発にあたっては、独自の研究に加え、多くの大学の研究室や取引先企業の研究開発部門等とも密接に連携を図り協力関係のもと遂行しております。

また、最近においては長年スポーツで培った技術をスポーツ以外の分野でも活用すべくライフイノベーション分野や産業資材分野への応用展開にも力を入れております。ミズノのスポーツテクノロジー、商品・サービスを通じて健康・快適・安全の領域でより多くの人が生きがいや喜びを感じ幸せに暮らす事に貢献出来るように、またより安全で快適な社会を作ることに貢献できるように研究開発を進めています。ミズノグループでの研究開発に携わる人員はグループ全体で226名であります。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は30億3千7百万円であります。

 

 

 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、その前提となる様々な要因については、過去の実績、現在の状況及び将来の想定を総合的に勘案し、合理的と考えられる見積りと判断に基づいて適用しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

①繰延税金資産

繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

②退職給付債務

当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
 割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。

 

③減損会計

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
 回収可能価額は見積り将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。

 

 

④有価証券及び投資有価証券の評価

当社は、純投資目的及び長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。即ち、時価のある「その他有価証券」については、期末時価が帳簿価格を30%以上下回った場合に、また、時価のない「その他有価証券」については評価対象となる純資産額が帳簿価格を50%以上下回った場合に減損処理を実施するものであります。従って、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高及び売上総利益

売上高は89億9千5百万円増収(4.8%増)の1,960億7千2百万円となりました。ランニングシューズの売上が堅調に推移したこと及び指定管理施設運営や体育施設用器具販売などスポーツ施設サービス事業の成長が主な要因であります。また、売上総利益率は為替変動の影響により仕入コストが増加した影響もあり前年同期比で1.1ポイント悪化いたしましたが、売上総利益は13億7千1百万円の増益となりました。

 

②販売費及び一般管理費、営業利益及び経常利益

販売費及び一般管理費は34億5千1百万円増加いたしました。全体として為替の影響が大きいものの、主な要因は米州における営業費用が増加したことや新規連結子会社が3社増加したことによります。

この結果、営業利益は20億8千万円減益(41.2%減)の29億7千1百万円となりました。また、営業利益率は前年同期比で1.2ポイント悪化しております。

 営業外損益では受取利息の減少、為替差損の増加の影響により、3億5千1百万円の減益要因となりました。

 この結果、経常利益は営業減益を主因として、24億3千1百万円減益(46.7%減)の27億7千8百万円となりました。

 

③特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、投資有価証券の売却の影響により10億1千4百万円増加いたしました。特別損失は、減損損失や損害賠償金の影響により3億8百万円増加いたしました。法人税等は、税金等調整前当期純利益の減少などを主要因として、4億7千6百万円減少いたしました。
 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は12億5千7百万円減益(37.6%減)の20億8千5百万円を計上いたしました。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ43億9千9百万円減少して1,699億9千5百万円となりました。現金及び預金が48億1千2百万円、受取手形及び売掛金が29億9千6百万円、投資有価証券が21億6千9百万円、その他流動資産がデリバティブ債権の減少を主として15億1百万円それぞれ減少し、商品及び製品が44億9千7百万円、流動、固定の繰延税金資産が20億4百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。
  負債は、前連結会計年度末に比べ5億8千2百万円減少して809億3百万円となりました。退職給付に係る負債が12億6千2百万円増加しましたが、長短の借入金が合計で26億8千8百万円減少いたしました。
  純資産は、前連結会計年度末に比べ38億1千7百万円減少して890億9千1百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を20億8千5百万円計上したものの、繰延ヘッジ損益が22億3千1百万円、その他有価証券評価差額金が10億7千万円、退職給付に係る調整累計額が10億9千9百万円、それぞれ減少したことなどによります。
 これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の53.1%からへ52.2%へと0.9ポイント低下いたしました。

 

(4) 資金の源泉及び流動性について

主な内容は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

なお、当企業グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

平成24年3月期

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率

59.3

54.5

52.4

53.1

52.2

時価ベースの自己資本比率

43.8

34.3

43.8

45.2

38.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

7.1

14.2

12.2

6.2

19.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

7.5

5.8

7.2

14.3

4.7

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 * 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

 * 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

* キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(5) 今後の経営戦略

当社グループは、目標とする主たる経営指標としてROA(総資本事業利益率)を掲げております。ROAは、収益的成長と財務状態が適正にバランスすることにより向上する指標であり、現時点で中期的な目標として連結ベースで5%以上の早期実現を目指しております。目標達成には、資本の効率的な投下による収益の最大化を図ることが不可欠と考えます。また、長期的には、ブランド価値の向上とグローバル市場での成長をめざして事業活動を行うことで、企業価値向上につなげたいと考えております。