また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、中国で景気減速がみられたものの、米州、欧州など全体としては穏やかな回復がみられていましたが、終盤にかけての英国における国民投票によるEU離脱の選択や相次ぐテロに対する不安など、先行きに対する不透明感が高まりました。
我が国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、個人消費に弱さがみられるなど各指標の回復は鈍化、あるいは横ばいで推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、「米州ビジネスの収益回復」、「コスト低減への取り組み」及び「新規事業領域におけるビジネスモデルの構築」を最重要課題と位置づけ事業経営に取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年6月30日)における当社グループの経営成績は、売上高は3億8千8百万円増収(前年同期比0.8%増)の484億2千2百万円となったものの、営業利益は複数拠点で仕入コストが為替の影響を大きく受けて増加したことなどにより、3億5千1百万円減益(同46.2%減)の4億9百万円となりました。経常利益(損失)及び親会社株主に帰属する四半期純利益(損失)は、営業利益が減益となったこと、及びポンド安によりイギリス支店で為替差損を計上した影響で、それぞれ17億5千9百万円減益の3億7千9百万円の経常損失、及び14億1千3百万円減益の6億4千万円の親会社株主に帰属する四半期純損失となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 日本
日本は、ゴルフ品販売事業が苦戦したものの、野球品やサッカー、陸上、バドミントンなどの競技スポーツ品販売事業は総じて堅調でした。より生活に身近な製品を販売する非スポーツ品販売事業においては、学校用品やワーキングシューズが好調に推移いたしました。また、自治体の指定管理施設の運営や工事、体育器具の販売を行うスポーツ施設サービス事業も、バスケットゴールなどの体育施設向け用具、競技場改修工事などの完成工事案件が増加したことにより、好調に推移いたしました。
この結果、売上高は16億2千2百万円増収(前年同期比5.5%増)の313億4千3百万円となりました。営業利益は為替変動により粗利益率が1.3ポイント下落したことから、1億6千7百万円減益(同28.2%減)の4億2千4百万円となりました。
② 欧州
欧州は、引き続きランニングシューズやバレーボールやハンドボールといったインドアスポーツシューズの販売が堅調に推移いたしました。新たに市場に投入したテニスシューズも順調な滑り出しを見せています。一方、ゴルフ品はカスタムクラブが好調でしたが、ゴルフ品全体としては売上は前期比微減となりました。商品仕入は主に米ドル建であることから欧州通貨安の影響により仕入原価が上昇し、粗利益率は悪化いたしました。また、イギリス支店では期末ポンド安により大きな為替差損が発生いたしました。
この結果、売上高は1億8千4百万円増収(前年同期比4.9%増)の39億6千1百万円、営業損失は1億7千7百万円減少し、7千6百万円の営業損失となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
英ポンド:155.59円(前年同期 186.02円)、ユーロ(欧州支店):122.39円(前年同期 133.81円)、
ユーロ(子会社):128.80円(前年同期 136.12円)、ノルウェークローネ:13.63円(前年同期 ―円)
③ 米州
米州は、アメリカ市場でのスポーツへの参加者数の減少、大手小売店の倒産など、引き続き厳しい市況が続いております。なかでも前連結会計年度の業績不振の大きな原因となったランニングシューズ市場は在庫過多による激しい価格競争となっており、市場シェアは微増したものの売上高は大きく減少いたしました。また、南米ビジネスは、ブラジルの政治、経済の停滞・悪化が、実売上はもとより、レアル安による為替換算にも影響いたしました。
この結果、売上高は14億9千万円減収(前年同期比16.4%減)の75億7千1百万円、営業損益は5億1千8百万円減益の2億1千6百万円の営業損失となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
米ドル:116.89円(前年同期 119.55円)、カナダドル:85.94円(前年同期 96.85円)
④ アジア・オセアニア
アジア・オセアニアの業績は全般的に順調に推移いたしました。各国通貨が円高に推移し円換算した売上高が目減りする環境のもと、増収を確保いたしました。なかでも設立3年目を迎える韓国の現地法人は、サッカースパイクとゴルフクラブが好調で、売上、利益とも大きく成長しております。
この結果、売上高は7千1百万円増収(前年同期比1.3%増)の55億4千5百万円、営業利益は1億9千4百万円増益(同156.5%増)の3億1千9百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
台湾ドル:3.55円(前年同期 3.80円)、香港ドル:15.05円(前年同期 15.43円)、
中国元:17.85円(前年同期 19.40円)、豪ドル:85.25円(前年同期 93.84円)、
韓国ウォン(100ウォンあたり):9.81円(前年同期 10.85円)、
米ドル(シンガポール):116.89円(前年同期 119.55円)
財政状態の分析は、以下のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ51億9千9百万円減少し、1,647億9千5百万円となりました。現金及び預金が37億5千9百万円増加した一方、受取手形および売掛金が65億7千1百万円減少、商品及び製品が15億7百万円減少、そして投資有価証券が4億2千8百万円減少したことが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ17億4千9百万円減少し、791億5千4百万円となりました。短期借入金が10億9千1百万円増加した一方、支払手形及び買掛金や未払金及び未払費用がそれぞれ24億6千2百万円減少、9億6千2百万円減少したことが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ34億5千万円減少し、856億4千1百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の52.2%から51.8%へと0.4ポイント減少いたしました。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号イ)、この基本方針を実現するための特別の取り組み(同条第3号ロ)を以下のとおり決議しております。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社である当社における「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としてのあり方は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましく、その判断は最終的には当社の株主の意思に委ねられるべきものと考えます。
一方で、スポーツ品の製造・販売やスポーツ施設の運営などの事業をグローバルで展開する当社グループを統括する当社の経営にあたっては、専門的ノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先やスポーツ産業特有の選手・チーム・団体や連盟等のステークホルダーとの間に築かれた関係への理解が不可欠であり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」にこれらに関する十分な理解がなくては、株主価値を毀損する可能性があると考えます。
一段と激化する競争の中で、当社グループはスポーツ市場で「特徴あるブランド」として存在し続けていかなければなりません。
当社のブランド価値の核となるものは、「テクノロジー」「クラフトマンシップ」「品質」といった商品への信頼感であります。その信頼感の醸成のために、商品開発は当社のブランド価値向上の最も重要な要素であります。スポーツ品の研究開発においては、素材の基礎研究から製品化に至るまで多くの開発プロセスを経ており、長期の年月をかけ、その技術やノウハウの蓄積や技術者の育成を行ってまいりました。
また、海外と国内の事業を連動させ、競争優位のビジネスモデルの構築を目指すため、海外生産拠点の最適化を図り、継続的な製品コストの低減を行うとともに、コアとなる生産技術水準を維持・継承することにも努めております。
加えて、当社グループは顧客との情緒的な繋がりを強める企業文化や社風(当社の個性)を生み出す努力を継続してまいりました。従業員教育に努め、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリットを大切にし、アンフェアな行為を許さない企業風土を有しております。また、長年にわたり地域スポーツ団体へのサポートや、指導者育成をはじめとしたスポーツ振興活動を行うなど社会貢献にも積極的に努めております。これらの企業文化や社風は、取引先、消費者、各種競技団体において当社グループと<ミズノ>ブランドに対する信頼感を高めてまいりました。
以上のように、信頼という無形の付加価値がグループの社員と企業文化によって築かれ、ブランド資産となり企業価値の向上に大きな役割を果たしております。
当社では、100年以上にわたり築いてきたこれらの有形無形の財産が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模買付行為を行う者の下においても保全され、中長期的にその価値を向上させられるものでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は大きく毀損されることになると判断いたします。従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合には、そのような大規模買付行為は不適切であると考えます。
②基本方針を実現するための当社の取り組み
当社は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、下記の長期経営方針に沿って企業価値向上の具現化を図っております。
・新100年ブランドの創造
・世界企業ミズノの実現
・誇りある企業文化の育成
創業以来、商品の品質・機能の充実を通してユーザー満足度を高める努力を行ってまいりましたが、次の100年にも通用するブランド創造を第一に掲げました。それにはグループ全体での企業価値の最大化を目指すために国境を越えた連携でグローバル企業を目指し、さらに公正な企業活動のもと、挑戦的で活力のある企業文化を醸成してまいります。
このためにも中長期的に以下のような重点目標を設定し、目標達成に向け経営資源を有効活用して企業価値を向上させていくことといたしております。
<海外市場でのシェア向上>
海外市場におけるマーケティング活動のさらなる強化推進により、すでに評価の高い技術や機能性を強く訴求することが重要と考えております。高いレベルのパフォーマンスを追求するエンドユーザーが対象顧客である「専門店チャネル」を中心に、欧州・米州・アジア・オセアニアをはじめとする海外市場でのブランド認知度の拡大とシェアアップを図ってまいります。
<商品開発力の強化>
ブランド差別化の源泉として、研究開発への人材と資金の投資を積極的に行ってまいります。すぐれた技術力により裏打ちされたスポーツシューズや、新素材の開発・採用に加え多様な機能性を発揮できる縫製技術を駆使するスポーツアパレルの領域は、グローバルでの市場規模が極めて大きく、これからの拡販余地が一層見込まれると考えております。従って、これらのプロダクト領域の開発に経営資源の配分ウエイトを高めてまいります。
<健康関連事業への取組み強化>
日本国内は、少子高齢化が加速するにともないシニア層の人口構成比が増大し、人々の健康への意識が高まりそのための活動の機会が増えると想定されます。日常的なスポーツやトレーニングへの志向に対する需要をしっかり受けとめ、競技スポーツで培った技術やノウハウをベースに、そのような需要に応える商品とサービスを提供してまいります。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
平成18年6月28日開催の第93回定時株主総会において、議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または結果として議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」という。)に関する対応方針が承認され、当社は買収防衛策を導入いたしました。
この買収防衛策は、当社の企業価値、株主共同の利益を確保し向上させることを前提としており、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則に則った具体的なルールであります。
大規模買付行為を受け入れるかどうかの最終判断は当社株主の皆様に委ねられるべきものであり、その判断のため、当社取締役会は大規模買付者からの提供情報に対し、評価・検討の上、取りまとめた意見や必要に応じ代替案を定められた期間内に開示いたします。
また、当社取締役会が敵対的な買収と評価し、社外取締役(監査等委員)及び外部専門家で構成する株主利益評価委員会が対抗措置発動の勧告を行った場合、当社取締役会はその勧告を最大限尊重して対抗措置の発動に関する最終的な意思決定を行います。
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6億3千8百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社グループにとって経営成績に重要な影響を与える事項として、品質とコストの安定が挙げられます。製品の品質保持は、技術と知恵に裏打ちされた生産管理ノウハウに拠るものであり、それを包含したプロダクション機能の強化が重要と考えております。
また、海外の製造拠点におけるコストの上昇は深刻な問題であり、原材料価格の変動や現地労働市場の動向への絶え間ない注視と迅速な対処が求められます。加えて、直接的に輸入仕入コストに影響する為替変動については、適宜ヘッジを実行してコストの平準化に努めております。
さらに、当社グループでは、同じカテゴリーの製品を複数の製造委託先に委託することや、複数の国にわたって製造の拠点を分散させるなど、リスク管理、品質安定及びコスト抑制を常に図っております。
当社グループは、以下の施策により、今後の成長に必要な資金調達能力を保持しております。
短期的な運転資金は、金融機関からの借入により、多様な資金需要に対応しております。設備投資などの長期の資金需要については、調達コストの抑制を図りつつ、取引の安定性を重視して金融機関との間で長期借入契約を締結しております。
また、当社では、グループ各拠点の資金ポジション(過不足状況)を把握し、拠点間の需給の調整や、相互融通による資金マネジメントにより有効活用しております。さらに、主要取引銀行との間で締結している当座借越契約は、万一の資金不足の際の安全弁として、流動性の備えとしております。