当連結会計年度において、当社グループは、「米州ビジネスの収益回復」、「コスト低減への取り組み」及び「新規事業領域におけるビジネスモデルの構築」を最重要課題と位置づけ企業価値向上に取り組んでまいりました。
国内事業は概ね堅調に推移したものの、北米ランニングシューズ市況が引き続き極めて厳しい状況であったことや、全世界的なゴルフ品市場の縮小、ポンド下落によるイギリス支店での為替差損の発生、中国製造子会社におけるゴルフ製造事業のリストラ費用の計上など、海外事業は厳しい結果でした。
この結果、売上高は73億5千3百万円減収(前年同期比3.8%減)の1,887億1千8百万円となりました。営業利益は、米州での25億4千4百万円の営業損失が発生したことなどにより、15億2千7百万円減益(同51.4%減)の14億4千4百万円となりました。経常利益は、営業利益の減少などにより、12億4千8百万円減益(同44.9%減)の15億2千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として退職給付信託設定益などを計上した一方、特別損失として事業構造改善費用などを計上したことなどにより、13億7千4百万円減益(同65.9%減)の7億1千万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 日本
日本は、自治体の指定管理施設の運営や建設工事、体育器具を販売するスポーツ施設サービス事業において、指定管理施設の新規受注が好調に推移いたしました。野球やサッカー、競泳などの競技スポーツ品販売事業、ランニングシューズや機能性ウエアなど、より生活に身近な製品を販売するライフスタイル品販売事業の販売は総じて堅調に推移しましたが、外貨建て仕入のコスト増などにより、営業利益は減少いたしました。また、世界的に市場が縮小しているゴルフ品販売事業は引き続き苦戦いたしました。
この結果、売上高は21億2千9百万円増収(前年同期比1.7%増)の1,284億8千2百万円、営業利益は7億5千7百万円減益(同19.4%減)の31億4千2百万円となりました。
② 欧州
欧州は、主力のランニングシューズの販売が、競争激化により伸びが鈍化しつつあるものの、引き続き成長を維持しております。欧州で高い市場シェアを獲得しているハンドボールやバレーボールなどのインドアスポーツシューズも順調に販売を伸ばしております。世界的に市況が冷え込んでいるゴルフ品においても、欧州ではカスタムクラブが好調で現地通貨ベースでは前年並みの売上を確保いたしました。
以上のように、欧州事業の売上は現地通貨ベースでは前年同期比増でしたが、英国ポンド、ユーロなど欧州通貨の大幅な下落により円貨換算では前年同期比減となりました。
利益については、欧州現地通貨の下落によりドル建の仕入コストが上昇し、引き続き厳しい状況が続きました。
この結果、売上高は7億1千8百万円減収(前年同期比4.5%減)の152億7千1百万円、営業損益は、主にアパレル品販売の採算が改善したことから、1億6千万円損失が減少し、2億3百万円の営業損失となりました。
なお、当連結会計年度における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
英ポンド:142.97円(前年同期 180.57円)、ユーロ(欧州支店):119.28円(前年同期 132.26円)、
ユーロ(子会社):121.38円(前年同期 134.62円)、ノルウェー・クローネ:13.08円(前年同期 14.84円)
③ 米州
米州のスポーツ品市場は、大手小売チェーンの経営破綻など前期に引き続き厳しい市況が続いております。
ランニングシューズ市場では、消費者の嗜好がシリアスランニングからカジュアルランニングに移行しつつあり、高機能ランニングシューズは流通過剰となり店頭での値引き販売が常態化いたしました。当社グループにおいても価格競争に陥り、収益を圧迫いたしました。
ゴルフ品や野球品においても、市場の縮小の動きが見られるなか、競合他社との厳しい価格競争が続きました。
また、販売代理店からロイヤルティ収入を得ている南米ビジネスにおいても、ブラジル経済の混迷、米ドルに対するレアル安による為替換算により、収益は前年を下回りました。
この結果、売上高は74億1千万円減収(前年同期比23.5%減)の241億5千9百万円、営業損失は12億2千万円損失が拡大し、25億4千4百万円の営業損失となりました。
なお、当連結会計年度における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
米ドル:110.26円(前年同期 120.97円)、カナダドル:82.96円(前年同期 94.74円)
④ アジア・オセアニア
アジア・オセアニアは、グローバルで苦戦しているゴルフ品販売事業が振るわなかったものの、サッカーシューズが韓国や中国で、ランニングシューズが東南アジアで好調を維持し、売上は堅調に推移いたしました。アジア・オセアニアの売上は各国通貨に対する円高により減収でしたが、現地通貨ベースでは微増となりました。
この結果、売上高は13億5千3百万円減収(前年同期比6.1%減)の208億4百万円、営業利益は3億2千1百万円増益(同42.1%増)の10億8千4百万円となりました。
また、当期に中国の生産拠点においてゴルフ製造事業のリストラを行い、特別損失として事業構造改善費用5億3千5百万円を計上しております。
なお、当連結会計年度におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
台湾ドル:3.41円(前年同期 3.81円)、香港ドル:14.21円(前年同期 15.61円)、
中国元:16.60円(前年同期 19.39円)、豪ドル:81.69円(前年同期 90.97円)、
韓国ウォン(100ウォンあたり):9.47円(前年同期 10.69円)、
米ドル(シンガポール):110.26円(前年同期 120.97円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は144億4千8百万円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは92億2千9百万円の収入となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益30億4百万円、減価償却費の計上29億5千8百万円、売上債権の減少額19億8千6百万円、たな卸資産の減少額49億3千4百万円、支出の主な内訳は退職給付信託設定損益21億6千2百万円、法人税等の支払額19億2千8百万円であります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは11億5千万円の支出となりました。収入の主な内訳は有形固定資産の売却による収入17億3千2百万円、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出14億8千8百万円、無形固定資産の取得による支出8億2千万円、投資有価証券の取得による支出4億1百万円であります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは75億7千2百万円の支出となりました。収入の主な内訳は長期借入れによる収入35億2千2百万円、支出の主な内訳は短期借入金の減少29億7千4百万円、長期借入金の返済による支出66億6千1百万円、配当金の支払額12億6千1百万円であります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|
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金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
日本 |
15,142 |
97.3 |
|
米州 |
2,204 |
87.5 |
|
アジア・オセアニア |
4,791 |
88.8 |
|
合計 |
22,138 |
94.3 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「欧州」の生産実績はありません。
当社グループは見込生産を行っており、その他の事業のうち、スポーツ施設関連の一部のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
日本 |
128,482 |
101.7 |
|
欧州 |
15,271 |
95.5 |
|
米州 |
24,159 |
76.5 |
|
アジア・オセアニア |
20,804 |
93.9 |
|
合計 |
188,718 |
96.2 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
当社グループは、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、中長期の経営方針を定め、それをさらに年度の全社方針に展開し事業推進しております。当社グループは、この経営理念により、スポーツの振興と発展のため積極的に使命と役割を果たし、社会への貢献と企業の発展を目指しております。
また、当社グループは、主たる経営指標としてROA(総資本事業利益率)を採用しております。ROAは収益的成長と財務状態が適正にバランスすることにより向上する指標であり、現時点で中期的な目標を連結ベースで5%以上といたしております。この目標を達成するために、資本の効果的・効率的な投下による収益の最大化を図り、企業価値を増大させていきたいと考えております。
当社グループは、連結業績の立て直しを急務として、下記の項目を経営の重点課題と位置づけ、事業に取り組んでまいります。
① 米州事業の収支改善
近年、北米市場における需給の悪化や南米経済の停滞を受け、滞留在庫の増加や評価額の切り下げを余儀なくされ、商品の回転が悪化し利益率の低下が著しく、厳しい状況が続いております。
マーケティング活動の強化を重点施策に据え、差別化を訴求できる商品・サービスの提供に努めるとともに、経費削減を推し進め収支改善を達成いたしたいと考えます。
② ゴルフビジネスの再建
世界的に見て、既存ユーザーのゴルフ品購入意欲は年々鈍化しております。このような厳しい環境においては、ユーザーベネフィットを第一に、ブランドへの信頼向上に努めてまいります。そのため、世界の各市場特性にマッチしたマーケティング戦略の遂行と、付加価値の高い商品の供給を軸に、再建を果たすべく取り組む所存であります。
③ 経営効率の向上
ここ数年の売上総利益率の低下は、労働分配率の高止まりをまねき、目標としている経営指標(ROA、ROE)の達成を困難にしております。
原価率低減を至上命題ととらえ、すべての事業プロセスを見直し、効率的な経営の実践を図ってまいります。
また、新しいビジネス領域での可能性の発掘や投資の加速、経営資源の配分についても大胆な見直しを行い、過去にとらわれない成長戦略を構築してまいりたいと存じます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号イ)、この基本方針を実現するための特別の取り組み(同条第3号ロ)について決議しております。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社である当社における「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としてのあり方は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましく、その判断は最終的には当社の株主の意思に委ねられるべきものと考えます。
一方で、スポーツ品の製造・販売やスポーツ施設の運営などの事業をグローバルで展開する当社グループを統括する当社の経営にあたっては、専門的ノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先やスポーツ産業特有の選手・チーム・団体や連盟等のステークホルダーとの間に築かれた関係への理解が不可欠であり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」にこれらに関する十分な理解がなくては、株主価値を毀損する可能性があると考えます。
一段と激化する競争の中で、当社グループはスポーツ市場で「特徴あるブランド」として存在し続けていかなければなりません。
当社のブランド価値の核となるものは、「テクノロジー」「クラフトマンシップ」「品質」といった商品への信頼感であります。その信頼感の醸成のために、商品開発は当社のブランド価値向上の最も重要な要素であります。スポーツ品の研究開発においては、素材の基礎研究から製品化に至るまで多くの開発プロセスを経ており、長期の年月をかけ、その技術やノウハウの蓄積や技術者の育成を行ってまいりました。
また、海外と国内の事業を連動させ、競争優位のビジネスモデルの構築を目指すため、海外生産拠点の最適化を図り、継続的な製品コストの低減を行うとともに、コアとなる生産技術水準を維持・継承することにも努めております。
加えて、当社グループは顧客との情緒的な繋がりを強める企業文化や社風(当社の個性)を生み出す努力を継続してまいりました。従業員教育に努め、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリットを大切にし、アンフェアな行為を許さない企業風土を有しております。また、長年にわたり地域スポーツ団体へのサポートや、指導者育成をはじめとしたスポーツ振興活動を行うなど社会貢献にも積極的に努めております。これらの企業文化や社風は、取引先、消費者、各種競技団体において当社グループと<ミズノ>ブランドに対する信頼感を高めてまいりました。
以上のように、信頼という無形の付加価値がグループの社員と企業文化によって築かれ、ブランド資産となり企業価値の向上に大きな役割を果たしております。
当社では、100年以上にわたり築いてきたこれらの有形無形の財産が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模買付行為を行う者の下においても保全され、中長期的にその価値を向上させられるものでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は大きく毀損されることになると判断いたします。従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合には、そのような大規模買付行為は不適切であると考えます。
② 基本方針を実現するための当社の取り組み
当社は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、下記の長期経営方針に沿って企業価値向上の具現化を図っております。
・新100年ブランドの創造
・世界企業ミズノの実現
・誇りある企業文化の育成
創業以来、商品の品質・機能の充実を通してユーザー満足度を高める努力を行ってまいりましたが、次の100年にも通用するブランド創造を第一に掲げました。それにはグループ全体での企業価値の最大化を目指すために国境を越えた連携でグローバル企業を目指し、さらに公正な企業活動のもと、挑戦的で活力のある企業文化を醸成してまいります。
このためにも中長期的に以下のような重点目標を設定し、目標達成に向け経営資源を有効活用して企業価値を向上させていくことといたしております。
<海外市場でのシェア向上>
海外市場におけるマーケティング活動のさらなる強化推進により、すでに評価の高い技術や機能性を強く訴求することが重要と考えております。高いレベルのパフォーマンスを追求するエンドユーザーが対象顧客である「専門店チャネル」を中心に、欧州・米州・アジア・オセアニアをはじめとする海外市場でのブランド認知度の拡大とシェアアップを図ってまいります。
<商品開発力の強化>
ブランド差別化の源泉として、研究開発への人材と資金の投資を積極的に行ってまいります。すぐれた技術力により裏打ちされたスポーツシューズや、新素材の開発・採用に加え多様な機能性を発揮できる縫製技術を駆使するスポーツアパレルの領域は、グローバルでの市場規模が極めて大きく、これからの拡販余地が一層見込まれると考えております。従って、これらのプロダクト領域の開発に経営資源の配分ウエイトを高めてまいります。
<健康関連事業への取組み強化>
日本国内は、少子高齢化が加速するにともないシニア層の人口構成比が増大し、人々の健康への意識が高まりそのための活動の機会が増えると想定されます。日常的なスポーツやトレーニングへの志向に対する需要をしっかり受けとめ、競技スポーツで培った技術やノウハウをベースに、そのような需要に応える商品とサービスを提供してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
平成18年6月28日開催の第93回定時株主総会において、議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または結果として議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」という。)に関する対応方針が承認され、当社は買収防衛策を導入いたしました。
この買収防衛策は、当社の企業価値、株主共同の利益を確保し向上させることを前提としており、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則に則った具体的なルールであります。
大規模買付行為を受け入れるかどうかの最終判断は当社株主の皆様に委ねられるべきものであり、その判断のため、当社取締役会は大規模買付者からの提供情報に対し、評価・検討の上、取りまとめた意見や必要に応じ代替案を定められた期間内に開示いたします。
また、当社取締役会が敵対的な買収と評価し、社外取締役及び外部専門家で構成する株主利益評価委員会が対抗措置発動の勧告を行った場合、当社取締役会はその勧告を最大限尊重して対抗措置の発動に関する最終的な意思決定を行います。
当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識するとともに、リスクの回避やリスクが発生した場合の対処・対応を事前に定めておりますが、業績等に影響を与える事項はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、世界各地域に販売拠点や生産拠点を置くなど積極的に海外進出を推進しております。販売拠点は、欧州、北米、アジア、オーストラリアなどにおいて現地法人及び支店として展開していることに加え、現地の販売代理店を経由して当社製品の販売を行っております。また、中国、インドネシア及びベトナムなどには、スポーツシューズ、スポーツウエア及びゴルフクラブなど当社グループの主力商品を製造している自社工場やOEM委託工場が存在しております。
これらのグローバルな事業展開には、進出先における予測不能な法令・規則の変更が行われたり、テロ・戦争・暴動・ストライキその他の要因による政治的・社会的・経済的混乱などが発生した場合には、当社グループのその後の事業展開が継続できないおそれがあり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各地域で製造・販売等の事業活動を行っておりますが、グループ各拠点の外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けております。グループ各拠点は、為替変動の影響を最小限にとどめるためにリスクヘッジ手段として先物為替予約取引を行っておりますが、予想を大きく上回るなど不測の変動が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社が定めた厳格な品質管理や品質保証に係る規程のもと、製品の生産を行っておりますが、スポーツやアウトドアなどアクティブな状況で使用される製品は、当社基準の想定を上回り破損し、破損によりユーザーや第三者を負傷させたり、器物の損傷を招くなどの潜在的なリスクを有しております。当社グループは、製造物責任保険に加入し、不意の訴訟や賠償要求に備えておりますが、保険で十分にカバーできるという保証はありません。また、万一、リコールが発生した場合には、製品回収・交換・設計変更などによる多大なコスト増大や、ブランドイメージや社会的評価の低下とそれにともなう売上高減少をまねくことになり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが製造・販売する商品に関しては、天然皮革、天然樹脂、木材、金属及び石油製品などを原材料として使用しております。これらの原材料は資源価格の変動リスクにさらされており、不測の資源価格の上昇が発生した場合には、原材料コストの増大によって当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが顧客に対して商品販売やサービス提供を行うに際しては、顧客の情報管理に最大限に注意を払い漏洩しないための情報システム防御を実行しております。しかしながら、第三者等による情報システムへの意図的な侵入が行われたり、様々な原因や理由によって情報システムが停止するなどの問題が予想され、それによって個人を含む顧客情報の漏洩や流出が発生するリスクが存在いたします。万一、このような事態が発生した場合には顧客からの損害賠償請求や信用の失墜により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
地震等の自然災害の発生により、当社グループの販売や生産の拠点が損害を受け、操業の中断や物流の遅延、多額の復旧費用が発生するリスクが存在いたします。たとえ自社の施設や商品等への直接的な損害が限定的であったとしても、取引先や仕入先・製造委託先が被災した場合や消費活動の低迷などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、経営理念と長期経営方針に基づき、グローバル事業戦略に沿った商品開発を基本的なコンセプトとしております。そのためには、スポーツ工学及びスポーツ科学の研究を基盤とした基幹技術や素材の研究・開発を行うことが中核的な活動であり、そのことにより高機能製品の開発が実現されると考えております。同時に製品を実現するための生産技術の開発を進め、それらの技術が蓄積されることによりプロダクション機能の強化が果たされるものと考えております。
現在、研究開発活動の体制は、スポーツ品の製造に関しては、基礎研究・機能研究など広範で中長期的な視点で研究開発を行う当社の研究開発部と各グローバルプロダクト部門(アパレル、フットウエア、イクイップメント)の開発セクションを中心として、MIZUNO USA,INC.の開発部門やミズノテクニクス株式会社の技術部門、セノー株式会社開発本部などもその役割を担って推進しております。基盤技術や素材・製品の研究開発にあたっては、独自の研究に加え、多くの大学の研究室や取引先企業の研究開発部門等とも密接に連携を図り協力関係のもと遂行しております。
また、最近においては長年スポーツで培った技術をスポーツ以外の分野でも活用すべくライフイノベーション分野や産業資材分野への応用展開にも力を入れております。ミズノのスポーツテクノロジー、商品・サービスを通じて健康・快適・安全の領域でより多くの人が生きがいや喜びを感じ幸せに暮らす事に貢献出来るように、またより安全で快適な社会を作ることに貢献できるように研究開発を進めています。ミズノグループでの研究開発に携わる人員はグループ全体で206名であります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は25億5百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、その前提となる様々な要因については、過去の実績、現在の状況及び将来の想定を総合的に勘案し、合理的と考えられる見積りと判断に基づいて適用しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 繰延税金資産
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。
③ 減損会計
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は見積り将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。
④ 有価証券及び投資有価証券の評価
当社は、純投資目的及び長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。即ち、時価のある「その他有価証券」については、期末時価が帳簿価格を30%以上下回った場合に、また、時価のない「その他有価証券」については評価対象となる純資産額が帳簿価格を50%以上下回った場合に減損処理を実施するものであります。従って、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高及び売上総利益
売上高は73億5千3百万円減収(3.8%減)の1,887億1千8百万円となりました。国内事業は概ね堅調に推移したものの、北米ランニングシューズ市況が引き続き極めて厳しい状況であったことや、世界的なゴルフ品市場の縮小が主な要因であります。また、売上総利益率は為替変動の影響により仕入コストが増加した影響もあり前年同期比で1.1ポイント悪化し、売上総利益は49億5千9百万円の減益となりました。
② 販売費及び一般管理費、営業利益及び経常利益
販売費及び一般管理費は34億3千1百万円減少いたしました。
この結果、営業利益は15億2千7百万円減益(51.4%減)の14億4千4百万円となりました。また、営業利益率は前年同期比で0.8ポイント悪化しております。また、営業外損益では2億7千8百万円の増益要因となりました。
この結果、経常利益は営業減益を主因として、12億4千8百万円減益(44.9%減)の15億2千9百万円となりました。
③ 特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、退職給付信託設定益等の影響により15億2千5百万増加いたしました。特別損失は、減損損失や事業構造改善費用の影響等により7億1千9百万円増加いたしました。法人税等は、繰延税金資産の取り崩しによる法人税等調整額の増加を主要因として、9億5千1百万円増加いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は13億7千4百万円減益(65.9%減)の7億1千万円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ141億円減少して1,558億9千5百万円となりました。受取手形及び売掛金が29億1千3百万円、商品及び製品が54億9千9百万円、建物、土地等の有形固定資産合計が32億2千5百万円、投資有価証券が19億5千9百万円、流動、固定の繰延税金資産が15億2千8百万円、それぞれ減少したことが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ135億2千6百万円減少して673億7千7百万円となりました。支払手形及び買掛金が10億6千3百万円、デリバティブ債務が11億2千9百万円、退職給付に係る負債が37億6千9百万円、長短の借入金が合計で67億9千4百万円減少したことが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5億7千3百万円減少して885億1千8百万円となりました。繰延ヘッジ損益が15億6千2百万円、退職給付に係る調整累計額が5億4千7百万円増加した一方、為替換算調整勘定が11億7千3百万円、その他有価証券評価差額金が10億6千5百万円、それぞれ減少したことなどによります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の52.2%からへ56.6%へと4.4ポイント上昇いたしました。