当社グループは、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、中長期の経営方針を定め、それをさらに年度の全社方針に展開し事業推進しております。当社グループは、この経営理念により、スポーツの振興と発展のため積極的に使命と役割を果たし、社会への貢献と企業の発展を目指しております。
また、当社グループは、主たる経営指標としてROA(総資産事業利益率)を採用しております。ROAは収益的成長と財務状態が適正にバランスすることにより向上する指標であり、現時点で中期的な目標を連結ベースで7%以上といたしております。この目標を達成するために、資産の効果的・効率的な投下による収益の最大化を図り、企業価値を増大させていきたいと考えております。
当社グループは、持続的成長と企業価値向上のため、下記のとおり経営の重点課題に取り組んでまいります。
国内市場におきましては、少子高齢化によるスポーツ競技人口の減少や競争激化により、既存販売チャネルでの売上は、卓球やバドミントンなどの一部商品群を除き減少傾向にあります。そのような環境のもと、当社では2019年4月1日付で次のような組織変更を実施しました。
①国内営業をスポーツ営業本部とライフスタイル営業本部の2本部制に。
②ライフスタイルスポーツ事業部を再編し、ライフ&ヘルス事業部及びワークビジネス事業部を新設。
これらの組織変更により、それぞれの役割を明確化し、また成長の期待できる健康・一般生活者やワークビジネス向けの商品及び市場の開発を進めることにより、売上の拡大を図ってまいります。
海外市場におきましては、引き続きランニングシューズを中心としたフットウエアの売上が苦戦いたしました。今後は、ランニングシューズの売上回復を目指し、欧米をはじめとした成熟市場と中国・東南アジアのような成長市場といったそれぞれの市場特性に応じた商品企画や販売戦略をより徹底して遂行してまいります。
また、目標とする経営指標(ROA、ROE)のより一層の向上を目指し、今後も原価低減に向けた取り組みを継続するとともに、経営資源の配分の見直しを行い、上述のライフ&ヘルス事業、ワークビジネス事業に加え、カーボン事業やスポーツ施設サービス事業(コトビジネス)といった新しい事業領域への投資を加速させることにより、新たな成長戦略を構築してまいります。
また、当社グループは、社会からの期待や懸念、また、当社グループ事業が環境や社会に与える影響を踏まえて、CSR・サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の特定を行い、製造サプライヤーにおける環境・社会影響への低減、子どもの体力・運動能力の向上やシルバー世代の健康寿命の延伸、ダイバーシティなどを重要課題として定め、取り組みを進めております。
当社グループの経営理念「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」は、単に良質なスポーツ品の提供のみならず、スポーツの楽しさを一人でも多くの人々に届け「フェアプレー、フレンドシップ、ファイティング・スピリット」というスポーツの宿す精神を一人でも多くの人々に体験してもらうこと、また、社会が直面する課題に対しスポーツの持つ可能性を最大限に活かしたソリューションを関係機関と協力して提供すること、そして、それらの活動を通じて、一人ひとりが輝ける豊かでサステナブルな社会の実現に貢献することを包含しております。
この取り組みの一環として、2018年9月に当社は、ベトナム社会主義共和国の教育訓練省と「ミズノ・ヘキサスロン運動プログラム導入と定着に関する協力覚書」を締結しました。
「ミズノ・ヘキサスロン」とは、運動が苦手な子どもでも楽しくスポーツの基本動作を習得できる運動遊びメニューと運動能力測定を組み合わせた当社が開発した運動プログラムであります。
ベトナム初等義務教育の新学習指導要領にミズノ・ヘキサスロン運動プログラムが、正式に導入されることを目指し、2015年から活動を続けておりましたが、一連の活動に対し、2018年9月に、経済産業省を主務官庁とするニュービジネス協議会主催の「第6回グローバル大賞(経済産業大臣賞)国際アントレプレナー賞」を受賞するなど一定の評価を得ております。
今後も、日本だけではなく、海外の国や地域に根差したグローバルなスポーツ振興活動を積極的に推進してまいります。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号イ)、この基本方針を実現するための特別の取り組み(同条第3号ロ)について決議しております。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社である当社における「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としてのあり方は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましく、その判断は最終的には当社の株主の意思に委ねられるべきものと考えます。
一方で、スポーツ品の製造・販売やスポーツ施設の運営などの事業をグローバルで展開する当社グループを統括する当社の経営にあたっては、専門的ノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先やスポーツ産業特有の選手・チーム・団体や連盟等のステークホルダーとの間に築かれた関係への理解が不可欠であり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」にこれらに関する十分な理解がなくては、株主価値を毀損する可能性があると考えます。
一段と激化する競争の中で、当社グループはスポーツ市場で「特徴あるブランド」として存在し続けていかなければなりません。
当社のブランド価値の核となるものは、「テクノロジー」「クラフトマンシップ」「品質」といった商品への信頼感であります。その信頼感の醸成のために、商品開発は当社のブランド価値向上の最も重要な要素であります。スポーツ品の研究開発においては、素材の基礎研究から製品化に至るまで多くの開発プロセスを経ており、長期の年月をかけ、その技術やノウハウの蓄積や技術者の育成を行ってまいりました。
また、海外と国内の事業を連動させ、競争優位のビジネスモデルの構築を目指すため、海外生産拠点の最適化を図り、継続的な製品コストの低減を行うとともに、コアとなる生産技術水準を維持・継承することにも努めております。
加えて、当社グループは顧客との情緒的な繋がりを強める企業文化や社風(当社の個性)を生み出す努力を継続してまいりました。従業員教育に努め、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリットを大切にし、アンフェアな行為を許さない企業風土を有しております。また、長年にわたり地域スポーツ団体へのサポートや、指導者育成をはじめとしたスポーツ振興活動を行うなど社会貢献にも積極的に努めております。これらの企業文化や社風は、取引先、消費者、各種競技団体において当社グループと<ミズノ>ブランドに対する信頼感を高めてまいりました。
以上のように、信頼という無形の付加価値がグループの社員と企業文化によって築かれ、ブランド資産となり企業価値の向上に大きな役割を果たしております。
当社では、100年以上にわたり築いてきたこれらの有形無形の財産が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模買付行為を行う者の下においても保全され、中長期的にその価値を向上させられるものでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は大きく毀損されることになると判断いたします。従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合には、そのような大規模買付行為は不適切であると考えます。
② 基本方針を実現するための当社の取り組み
当社は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、下記の長期経営方針に沿って企業価値向上の具現化を図っております。
・新100年ブランドの創造
・世界企業ミズノの実現
・誇りある企業文化の育成
創業以来、商品の品質・機能の充実を通してユーザー満足度を高める努力を行ってまいりましたが、次の100年にも通用するブランド創造を第一に掲げました。それにはグループ全体での企業価値の最大化を目指すために国境を越えた連携でグローバル企業を目指し、さらに公正な企業活動のもと、挑戦的で活力のある企業文化を醸成してまいります。
このためにも中長期的に以下のような重点目標を設定し、目標達成に向け経営資源を有効活用して企業価値を向上させていくことといたしております。
<海外市場でのシェア向上>
海外市場におけるマーケティング活動のさらなる強化推進により、すでに評価の高い技術や機能性を強く訴求することが重要と考えております。高いレベルのパフォーマンスを追求するエンドユーザーが対象顧客である「専門店チャネル」を中心に、欧州・米州・アジア・オセアニアをはじめとする海外市場でのブランド認知度の拡大とシェアアップを図ってまいります。
<商品開発力の強化>
ブランド差別化の源泉として、研究開発への人材と資金の投資を積極的に行ってまいります。すぐれた技術力により裏打ちされたスポーツシューズや、新素材の開発・採用に加え多様な機能性を発揮できる縫製技術を駆使するスポーツアパレルの領域は、グローバルでの市場規模が極めて大きく、これからの拡販余地が一層見込まれると考えております。従って、これらのプロダクト領域の開発に経営資源の配分ウエイトを高めてまいります。
<健康関連事業への取組み強化>
日本国内は、少子高齢化が加速するにともないシニア層の人口構成比が増大し、人々の健康への意識が高まりそのための活動の機会が増えると想定されます。日常的なスポーツやトレーニングへの志向に対する需要をしっかり受けとめ、競技スポーツで培った技術やノウハウをベースに、そのような需要に応える商品とサービスを提供してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2006年6月28日開催の第93回定時株主総会において株主の皆様の承認をいただき、当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を導入し、以降、同方針を継続更新してまいりました。本方針の有効期間は、2019年6月20日開催の第106回定時株主総会終了後、最初に開催される取締役会の終了時点までであることから、かねてより本方針の継続の是非について検討してまいりましたが、2019年2月8日開催の取締役会において、この有効期間の満了をもって本方針は継続せず、廃止することを決議いたしました。
なお、当社は、本方針の有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。また、本方針の廃止後も、当社株式の大規模な買付行為を行おうとする者に対しては、大規模な買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識するとともに、リスクの回避やリスクが発生した場合の対処・対応を事前に定めておりますが、業績等に影響を与える事項はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、世界各地域に販売拠点や生産拠点を置くなど積極的に海外進出を推進しております。販売拠点は、欧州、北米、アジア、オーストラリアなどにおいて現地法人及び支店として展開していることに加え、現地の販売代理店を経由して当社製品の販売を行っております。また、中国、インドネシア及びベトナムなどには、スポーツシューズ、スポーツウエア及びゴルフクラブなど当社グループの主力商品を製造している自社工場やOEM委託工場が存在しております。
これらのグローバルな事業展開には、進出先における予測不能な法令・規則の変更が行われたり、テロ・戦争・暴動・ストライキその他の要因による政治的・社会的・経済的混乱などが発生した場合には、当社グループのその後の事業展開が継続できないおそれがあり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各地域で製造・販売等の事業活動を行っておりますが、グループ各拠点の外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けております。グループ各拠点は、為替変動の影響を最小限にとどめるためにリスクヘッジ手段として先物為替予約取引を行っておりますが、予想を大きく上回るなど不測の変動が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社が定めた厳格な品質管理や品質保証に係る規程のもと、製品の生産を行っておりますが、スポーツやアウトドアなどアクティブな状況で使用される製品は、当社基準の想定を上回り破損し、破損によりユーザーや第三者を負傷させたり、器物の損傷を招くなどの潜在的なリスクを有しております。当社グループは、製造物責任保険に加入し、不意の訴訟や賠償要求に備えておりますが、保険で十分にカバーできるという保証はありません。また、万一、リコールが発生した場合には、製品回収・交換・設計変更などによる多大なコスト増大や、ブランドイメージや社会的評価の低下とそれにともなう売上高減少をまねくことになり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが製造・販売する商品に関しては、天然皮革、天然樹脂、木材、金属及び石油製品などを原材料として使用しております。これらの原材料は資源価格の変動リスクにさらされており、不測の資源価格の上昇が発生した場合には、原材料コストの増大によって当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが顧客に対して商品販売やサービス提供を行うに際しては、顧客の情報管理に最大限に注意を払い漏洩しないための情報システム防御を実行しております。しかしながら、第三者等による情報システムへの意図的な侵入が行われたり、様々な原因や理由によって情報システムが停止するなどの問題が予想され、それによって個人を含む顧客情報の漏洩や流出が発生するリスクが存在いたします。万一、このような事態が発生した場合には顧客からの損害賠償請求や信用の失墜により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
地震等の自然災害の発生により、当社グループの販売や生産の拠点が損害を受け、操業の中断や物流の遅延、多額の復旧費用が発生するリスクが存在いたします。たとえ自社の施設や商品等への直接的な損害が限定的であったとしても、取引先や仕入先・製造委託先が被災した場合や消費活動の低迷などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、自然災害による悪影響や輸出の持ち直しの動きに足踏みがみられたものの、設備投資の増加や改善が続く雇用情勢、個人消費の持ち直しなどにより穏やかな回復が続きました。海外経済においては、米国の通商政策や金利政策、英国のEU離脱問題や中国経済の減速などのリスクが懸念されつつも、好調な米国をはじめ先進国を中心に堅調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、売上総利益率の改善は進んだものの、売上は市場の縮小が顕在化したランニングシューズを中心にグローバルで苦戦いたしました。また、主力である国内市場において、スポーツ競技人口の減少や競争激化により既存販売チャネルでの売上が減少し、スポーツ用品販売事業は苦戦いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は72億9千万円減収(前年同期比3.9%減)の1,781億8百万円となりました。営業利益は、売上総利益率の上昇や経費削減効果があったものの減収による売上総利益の減少を補えず、4億2千万円減益(前年同期比5.2%減)の76億2千3百万円となりました。経常利益は、営業利益の減少や為替差損の計上などにより3億8千9百万円減益(前年同期比4.8%減)の77億1千7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、11億2千6百万円増益(前年同期比23.1%増)の60億5百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 日本
日本は、競技スポーツ品販売事業は、ワールドカップの開催年で盛り上がりをみせたサッカースパイクや、日本人選手の活躍や新リーグの発足などにより注目度が向上した卓球、バドミントンの商品群などが販売を伸ばしましたが、ソフトテニスなどの商品は競技人口の減少などにより販売は苦戦し、事業全体としては売上高は微減となりました。野球品販売事業も同様に競技人口は減少しており売上高は微減となりましたが、利益率は改善し増益を確保しました。ライフスタイル品販売事業は、市場に参入して間もないワークシューズ、ワークアパレルは好調を維持しましたが、ランニングブームが落ち着いたランニングシューズ、他社との競合が激しいウォーキングシューズ、暖冬により不振だった冬物アパレルなどの販売が苦戦しました。ゴルフ品販売事業は、競技人口の減少やブランド価値維持の販売施策により売上高は減少しましたが、売上総利益率は高水準を維持しております。自治体の指定管理施設の運営や工事、体育器具の販売を行うスポーツ施設サービス事業は、体育館等の耐震工事は一巡したものの施設運営受託件数の増加により売上高を伸ばしました。
この結果、売上高は47億9千6百万円減収(前年同期比3.7%減)の1,245億4千2百万円、営業利益は15億7千4百万円減益(前年同期比21.4%減)の57億7千6百万円となりました。
b 欧州
欧州は、各国代表チームとサプライヤー契約を結んでいるハンドボール、バレーボールなどのインドアスポーツシューズの販売が好調でした。また、苦戦が続いていたランニングシューズの販売が回復したことなどにより増収となりました。また、売上総利益率が各商品で大きく向上し、増益となりました。
この結果、売上高は8億2千万円増収(前年同期比5.7%増)の151億3千4百万円、営業利益は3億3千6百万円となりました。(前期は6千4百万円の営業損失)
なお、当連結会計年度における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
英ポンド:145.63円(前年同期147.23円)、ユーロ(欧州支店):128.41円(前年同期129.44円)
ユーロ(子会社):130.36円(前年同期126.84円)、ノルウェークローネ:13.52円(前年同期13.59円)
c 米州
米州は、利益率重視の良質な売上確保に向けた取り組みもあり野球グラブやランニングシューズを中心に減収となりましたが、売上総利益率は改善しました。加えて、前期に実施した事業構造改革の成果により経費効率も改善され大幅な増益となり、黒字転換を実現しました。
この結果、売上高は28億6千4百万円減収(前年同期比13.8%減)の179億5千1百万円となったものの、営業利益は1億5千9百万円となりました。(前期は2億9百万円の営業損失)
なお、当連結会計年度における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
米ドル:110.53円(前年同期112.35円)、カナダドル:85.23円(前年同期86.50円)
d アジア・オセアニア
アジア・オセアニアは、韓国が競技スポーツ品を中心に好調に推移したものの、主に中国と台湾でランニングシューズが苦戦し減収となりましたが、売上総利益率の改善により増益となりました。なお、苦戦が続いていた中国市場のリテイル事業において、2019年1月よりライセンス契約に基づく当社グループ外の現地企業による当社製品の販売を開始しております。これに併せて事業構造改革を実施し、関連費用を特別損失に5億1千5百万円計上しております。
この結果、売上高は4億5千万円減収(前年同期比2.2%減)の204億7千9百万円、営業利益は2億3千3百万円増益(前年同期比23.5%増)の12億2千6百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
台湾ドル:3.67円(前年同期3.69円)、香港ドル:14.11円(前年同期14.42円)
中国元:16.69円(前年同期16.62円)、豪ドル:82.55円(前年同期86.04円)
韓国ウォン(100ウォンあたり):10.06円(前年同期9.96円)
米ドル(シンガポール):110.53円(前年同期112.35円)
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8億4千6百万円減少して1,555億9千3百万円となりました。商品及び製品が10億5千9百万円増加した一方、現金及び預金が4億4千9百万円、受取手形及び売掛金が23億8百万円、それぞれ減少したことが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ51億9千8百万円減少して591億8千7百万円となりました。支払手形及び買掛金が5億1千5百万円、未払法人税等が19億4千7百万円、長期借入金が25億5千5百万円、それぞれ減少したことが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ43億5千1百万円増加して964億5百万円となりました。その他有価証券評価差額金が4億9千8百万円減少した一方、繰延ヘッジ損益が5億3千6百万円、利益剰余金が47億3千9百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.6%から61.7%へと3.1ポイント増加いたしました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は155億2千7百万円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りとなります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは40億4千8百万円の収入となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益66億5千6百万円、減価償却費の計上25億3千6百万円、売上債権の減少額18億5千5百万円、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額14億6千9百万円、法人税等の支払額25億6千9百万円となります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは19億1千7百万円の支出となりました。収入の主な内訳は有形固定資産の売却による収入3億5千6百万円、投資有価証券の売却による収入10億4百万円、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出21億6千9百万円、無形固定資産の取得による支出7億6千6百万円となります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは24億2千6百万円の支出となりました。収入の主な内訳は長期借入れによる収入20億円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出45億4千4百万円、配当金の支払額12億6千3百万円となります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「欧州」の生産実績はありません。
当社グループは見込生産を行っており、その他の事業のうち、スポーツ施設関連の一部のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、その前提となる様々な要因については、過去の実績、現在の状況及び将来の想定を総合的に勘案し、合理的と考えられる見積りと判断に基づいて適用しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a 繰延税金資産
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。
b 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。
c 減損会計
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は見積り将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。
d 有価証券及び投資有価証券の評価
当社は、純投資目的及び長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。即ち、時価のある「その他有価証券」については、期末時価が帳簿価格を30%以上下回った場合に、また、時価のない「その他有価証券」については評価対象となる純資産額が帳簿価格を50%以上下回った場合に減損処理を実施するものであります。従って、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ROA(総資産事業利益率)とROE(自己資本当期純利益率)を目標とする経営指標と位置付けておりますが、収益的成長と財務状態が適正にバランスすることにより向上するROAを特に重要な経営指標として目標値を設定しております。現時点で中期的な目標とするROAを連結ベースで7%以上といたしております。当連結会計年度におけるROAは5.1%(前年同期比0.2ポイント悪化)であり、目標を達成するために、引き続き資産の効果的・効率的な投下による収益の最大化を図り、企業価値を増大させていきたいと考えております。
a 売上高及び売上総利益
売上高は72億9千万円減収(前年同期比3.9%減)の1,781億8百万円となりました。国内事業は概ね堅調に推移したものの、北米ランニングシューズ市況が引き続き厳しい状況であったことが主な要因であります。売上総利益率は生産、仕入コスト削減の取り組みの成果及び為替変動の影響により前年同期比で0.7ポイント改善しましたが、売上総利益は17億4千万円の減益となりました。
b 販売費及び一般管理費、営業利益及び経常利益
販売費及び一般管理費は13億1千9百万円減少したものの、売上総利益の減益を補いきれず営業利益は4億2千万円減益(前年同期比5.2%減)の76億2千3百万円となりました。
この結果、経常利益は営業利益の減益を主因として、3億8千9百万円減益(前年同期比4.8%減)の77億1千7百万円となりました。
c 特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、3千3百万円減少いたしました。特別損失は、減損損失や事業構造改善費用の影響等により7億4千6百万円増加いたしました。法人税等は、22億9千8百万円減少いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11億2千6百万円増益(前年同期比23.1%増)の60億5百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、商品、原材料等の購入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及び維持更新等を目的とした設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金並びに金融機関からの借入による調達を基本としております。
当連結会計年度におきましては、営業活動により40億4千8百万円の資金を獲得しました。一方、既存設備等の維持更新を主な目的に有形無形固定資産の取得に21億6千9百万円支出したことなどにより、投資活動として19億1千7百万円を支出しました。また、借入金の減少に45億4千4百万円、配当金の支払いに12億6千3百万円を支出したことなどにより、財務活動として24億2千6百万円を支出しました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は155億2千7百万円となっております。
(1)ライセンス付与契約
(注)ロイヤリティとして売上高の2%程度を受け取っております。
当社グループの研究開発活動は、経営理念と長期経営方針に基づき、グローバル事業戦略に沿った商品開発を基本的なコンセプトとしております。そのためには、スポーツ工学及びスポーツ科学の研究を基盤とした基幹技術や素材の研究・開発を行うことが中核的な活動であり、そのことにより高機能製品の開発が実現されると考えております。同時に製品を実現するための生産技術の開発を進め、それらの技術が蓄積されることによりプロダクション機能の強化が果たされるものと考えております。
現在、研究開発活動の体制は、スポーツ品の製造に関しては、基礎研究・機能研究など広範で中長期的な視点で研究開発を行う当社の研究開発部と各グローバルプロダクト部門(アパレル、フットウエア、イクイップメント)の開発セクションを中心として、MIZUNO USA,INC.の開発部門やミズノテクニクス株式会社の技術部門、セノー株式会社開発本部などもその役割を担って推進しております。基盤技術や素材・製品の研究開発にあたっては、独自の研究に加え、多くの大学の研究室や取引先企業の研究開発部門等とも密接に連携を図り協力関係のもと遂行しております。
また、最近においては長年スポーツで培った技術をスポーツ以外の分野でも活用すべくライフイノベーション分野や産業資材分野への応用展開にも力を入れております。ミズノのスポーツテクノロジー、商品・サービスを通じて健康・快適・安全の領域でより多くの人が生きがいや喜びを感じ幸せに暮らす事に貢献出来るように、またより安全で快適な社会を作ることに貢献できるように研究開発を進めています。ミズノグループでの研究開発に携わる人員はグループ全体で223名であります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は