第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループの事業活動は影響を受けており、引き続き今後の動向を注視してまいります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日(2020年12月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により引き続き厳しい状況が継続する中、大きく制限されていた社会経済活動のレベルが段階的に引き上げられ、また、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが見られました。世界経済は、アメリカや中国においては景気に持ち直しの動きが見られましたが、欧州では感染の再拡大の影響により経済活動が抑制され、依然厳しい状況が続きました。

このような状況の中、当社グループは、個人消費の大幅な落ち込みやスポーツイベント・競技大会の開催中止や延期、直営店や運営施設の休業等の影響により大幅な減収となりました。損益も、仕入や経費の抑制に努めたものの大幅な減益となりました。

これらの結果、当社グループの経営成績は、売上高は159億6千6百万円減収(前年同期比13.0%減)の1,067億3千5百万円となりました。営業利益は、29億4千6百万円減益(前年同期比67.0%減)の14億4千8百万円となりました。経常利益は、18億5百万円減益(前年同期比40.5%減)の26億4千8百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、12億7千2百万円減益(前年同期比39.6%減)の19億3千7百万円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

① 日本

 日本は、新型コロナウイルス感染症対策の需要に応えたマウスカバーや、企業ユニフォーム等を展開するワークビジネスが好調でした。一方、主力である、野球やゴルフ、サッカーなどのスポーツ品販売事業は、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などによる個人消費の落ち込みや、スポーツイベント・競技大会の開催中止や延期などにより大幅な減収となりました。これまで堅調に推移していた自治体の指定管理施設の運営や工事、体育器具の販売を行うスポーツ施設サービス事業においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により運営施設が休館となったことなどにより減収となりました。

 この結果、売上高は104億2千3百万円減収(前年同期比12.6%減)の725億9千1百万円、営業利益は16億4千万円減益(前年同期比82.1%減)の3億5千7百万円となりました。

 

② 欧州

欧州も新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。各国でロックダウンや夜間外出禁止などの措置が取られており厳しい状況が続いています。そのような状況において、クラブを中心にゴルフ品販売は好調でしたが、主力のランニングシューズの他、ほぼ全ての商品群で減収となりました。

この結果、売上高は12億5千9百万円減収(前年同期比11.1%減)の101億2千6百万円、営業損失は2億2千3百万円(前年同期は2億8千万円の営業利益)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
  英ポンド:135.86円(前年同期 138.33円)、ユーロ(欧州支店):122.29円(前年同期 121.46円)、
 ユーロ(子会社):121.25円(前年同期 122.83円)、ノルウェークローネ:11.35円(前年同期 12.55円) 

 

③ 米州

米州も新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、当第3四半期連結会計期間より景気は回復基調となりました。ゴルフ品やランニングシューズなどのパーソナルのスポーツ用品の販売は回復しつつあり、減収となったものの減収額は縮小しました。なお、米国の事務所移転による固定資産売却益5億6千4百万円を特別利益に計上しています。

この結果、売上高は15億3千8百万円減収(前年同期比10.1%減)の137億6百万円、営業利益は3億7千2百万円減益(前年同期比35.2%減)の6億8千5百万円となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
  米ドル:107.46円(前年同期 109.39円)、カナダドル:79.56円(前年同期 82.17円)

 

④ アジア・オセアニア

アジア・オセアニアは、特に韓国が新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。各国通貨の下落もあり、足元ではゴルフクラブの販売が回復しているものの減収となりました。

この結果、売上高は27億4千4百万円減収(前年同期比21.0%減)の103億1千2百万円、営業利益は3億3千1百万円減益(前年同期比34.3%減)の6億3千6百万円となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
 台湾ドル:3.61円(前年同期 3.53円)、香港ドル:13.85円(前年同期 13.96円)、
 中国元:15.33円(前年同期 15.95円)、豪ドル:73.15円(前年同期 76.36円)、
 韓国ウォン(100ウォンあたり):8.98円(前年同期 9.45円)、
 米ドル(シンガポール):107.46円(前年同期 109.39円)

 

 

財政状態の分析は、以下のとおりであります。

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ48億5千6百万円減少し、1,495億2千1百万円となりました。受取手形及び売掛金が96億1千8百万円減少した一方、現金及び預金が38億1千7百万円、商品及び製品が3億9千9百万円、それぞれ増加したことが主な要因です。

負債は、前連結会計年度末に比べ52億1千万円減少して499億1千1百万円となりました。支払手形及び買掛金が50億9千5百万円、未払金及び未払費用が23億9千4百万円それぞれ減少した一方、長短借入金が22億5千7百万円増加したことが主な要因です。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3億5千4百万円増加して996億9百万円となりました。利益剰余金が6億6千万円、その他有価証券評価差額金が4億3千8百万円それぞれ増加した一方、繰延ヘッジ損益が5億4千5百万円減少したことが主な要因です。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の64.1%から66.4%へと2.3ポイント増加いたしました。

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)の(新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)をご参照ください。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

なお、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号イ)、この基本方針を実現するための特別の取り組み(同条第3号ロ)を以下のとおり決議しております。

 

 

イ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

当社取締役会は、公開会社である当社における「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としてのあり方は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましく、その判断は最終的には当社の株主の意思に委ねられるべきものと考えます。

一方で、スポーツ品の製造・販売やスポーツ施設の運営などの事業をグローバルで展開する当社グループを統括する当社の経営にあたっては、専門的ノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先やスポーツ産業特有の選手・チーム・団体や連盟等のステークホルダーとの間に築かれた関係への理解が不可欠であり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」にこれらに関する十分な理解がなくては、株主価値を毀損する可能性があると考えます。

一段と激化する競争の中で、当社グループはスポーツ市場で「特徴あるブランド」として存在し続けていかなければなりません。

当社のブランド価値の核となるものは、「テクノロジー」「クラフトマンシップ」「品質」といった商品への信頼感であります。その信頼感の醸成のために、商品開発は当社のブランド価値向上の最も重要な要素であります。スポーツ品の研究開発においては、素材の基礎研究から製品化に至るまで多くの開発プロセスを経ており、長期の年月をかけ、その技術やノウハウの蓄積や技術者の育成を行ってまいりました。

また、海外と国内の事業を連動させ、競争優位のビジネスモデルの構築を目指すため、海外生産拠点の最適化を図り、継続的な製品コストの低減を行うとともに、コアとなる生産技術水準を維持・継承することにも努めております。

加えて、当社グループは顧客との情緒的な繋がりを強める企業文化や社風(当社の個性)を生み出す努力を継続してまいりました。従業員教育に努め、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリットを大切にし、アンフェアな行為を許さない企業風土を有しております。また、長年にわたり地域スポーツ団体へのサポートや、指導者育成をはじめとしたスポーツ振興活動を行うなど社会貢献にも積極的に努めております。これらの企業文化や社風は、取引先、消費者、各種競技団体において当社グループと<ミズノ>ブランドに対する信頼感を高めてまいりました。

以上のように、信頼という無形の付加価値がグループの社員と企業文化によって築かれ、ブランド資産となり企業価値の向上に大きな役割を果たしております。
 当社では、100年以上にわたり築いてきたこれらの有形無形の財産が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することとなる大規模買付行為を行う者の下においても保全され、中長期的にその価値を向上させられるものでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は大きく毀損されることになると判断いたします。従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合には、そのような大規模買付行為は不適切であると考えます。

 

ロ.基本方針を実現するための当社の取り組み

当社は、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、下記の長期経営方針に沿って企業価値向上の具現化を図っております。

・未来へ続くブランドの共創

・世界企業ミズノの実現

・誇りある企業文化の育成

創業以来、商品の品質・機能の充実を通してユーザー満足度を高める努力を行ってまいりましたが、スポーツの力で持続可能な社会を実現することを原動力として、全社員の手で、すべての顧客やステークホルダーと共にミズノブランドを創り上げてまいります。そのためには、グループ全体での企業価値の最大化を目的に国境を越えた連携でグローバル企業を目指し、さらに公正な企業活動のもと、挑戦的で活力のある企業文化を醸成してまいります。また、中長期的に以下のような重点目標を設定し、目標達成に向け経営資源を有効活用して企業価値を向上させていくことといたしております。

 

<海外市場でのシェア向上>

海外市場におけるマーケティング活動のさらなる強化推進により、すでに評価の高い技術や機能性を強く訴求することが重要と考えています。高いレベルのパフォーマンスを追求するエンドユーザーが対象顧客である「専門店チャネル」を中心に、欧州・米州・アジア・オセアニアをはじめとする海外市場でのブランド認知度の拡大とシェアアップを図ってまいります。

 

<商品開発力の強化>

ブランド差別化の源泉として、研究開発への人材と資金の投資を積極的に行ってまいります。すぐれた技術力により裏打ちされたスポーツシューズや、新素材の開発・採用に加え多様な機能性を発揮できる縫製技術を駆使するスポーツアパレルの領域は、グローバルでの市場規模が極めて大きく、これからの拡販余地が一層見込まれると考えております。従って、これらのプロダクト領域の開発に経営資源の配分ウエイトを高めてまいります。

 

<健康関連事業への取組み強化>

日本国内は、少子高齢化が加速するにともないシニア層の人口構成比が増大し、人々の健康への意識が高まり、そのための活動の機会が増えると想定されます。日常的なスポーツやトレーニングへの志向に対する需要をしっかり受けとめ、競技スポーツで培った技術やノウハウをベースに、そのような需要に応える商品とサービスを提供してまいります。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は19億2千3百万円であります。
 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループにとって経営成績に重要な影響を与える事項として、品質とコストの安定が挙げられます。製品の品質保持は、技術と知恵に裏打ちされた生産管理ノウハウに拠るものであり、それを包含したプロダクション機能の強化が重要と考えております。
 また、海外の製造拠点におけるコストの上昇は深刻な問題であり、原材料価格の変動や現地労働市場の動向への絶え間ない注視と迅速な対処が求められます。加えて、直接的に輸入仕入コストに影響する為替変動については、適宜ヘッジを実行してコストの平準化に努めております。
 さらに、当社グループでは、同じカテゴリーの製品を複数の製造委託先に委託することや、複数の国にわたって製造の拠点を分散させるなど、リスク管理、品質安定及びコスト抑制を常に図っております。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、以下の施策により、今後の成長に必要な資金調達能力を保持しております。
 短期的な運転資金は、金融機関からの借入により、多様な資金需要に対応しております。設備投資などの長期の資金需要については、調達コストの抑制を図りつつ、取引の安定性を重視して金融機関との間で長期借入契約を締結しております。
 また、当社では、グループ各拠点の資金ポジション(過不足状況)を把握し、拠点間の需給の調整や、相互融通による資金マネジメントにより有効活用しております。さらに、主要取引銀行との間で締結している当座借越契約は、万一の資金不足の際の安全弁として、流動性の備えとしております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、現状の認識に基づいて将来の予測を行い、最良最善と判断するマーケティング戦略を具現化し、製販はじめグループ総合力の強化を図っております。特に販売政策を推し進めるにあたっては、国内・海外を問わず、市場への商品供給に最適な生産体制を構築することが重要と考えております。加えて、収益性の高いチャネルやエリアに対して効果的な経営資源の集中を行うため、投資バランスについて精緻な検討を進めることを経営方針に含めて実践しております。  

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。