文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念に『「サービス先端企業」として、「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の3点を共通の価値観として浸透させ、競争に打ち勝ち、お客様、株主の皆様、そしてすべての取引先の皆様の期待に添うようにチャレンジを続け社会的責任を果たしてまいります。』を掲げております。
国内においては、ペイメント事業やリース事業、ファイナンス事業など、さまざまなビジネスにおいてグループ各社とのシナジーを強化していく一方、お客様に付加価値の高いサービスを提供するため、多種多様な企業との提携ネットワークの充実を図ってまいります。また、グローバル事業においては、進出国の実態に即した金融ビジネスを提供することで地域の経済発展に寄与することを目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「サービス先端企業」を経営理念に、お客様の利便性を徹底的に追求し、系列や業態などの枠組みを超えた多様な提携パートナーとともに革新的なサービスを創造し続けております。当社グループを取り巻く経営環境は、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響、金融資本市場の変動影響に留意が必要な状況であることに加えて、先進的テクノロジーの活用や異業種参入によって新たな金融サービスが次々と創出されるなど、企業間競争が激しさを増すものと予想されます。
このような状況において当社グループは、『GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ~』を中期経営ビジョンとして掲げ、「Innovative」「Digital」「Global」を基本コンセプトとした、「総合生活サービスグループ」への転換に向けて、グループや提携先と「セゾン・パートナー経済圏」の確立に注力し、グループ企業間の事業シナジーによる他社にはない価値の創造を目指してまいります。加えて、お客様のあらゆる困りごとを、親切に適切に素早く解消することで顧客満足度向上を目指してまいります。また、2021年8月のサステナビリティ推進委員会設置以降、サステナビリティ重要課題の設定、TCFD提言への賛同及びTCFDコンソーシアムへの参画などをしております。今後もグループ全体でさらにサステナビリティ領域の取り組みを深耕させ、今よりもっと便利で豊かな、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、財務の健全性の維持向上を優先課題とし、連結事業利益、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を重要な指標としております。また、信用格付を意識して財務健全性を維持するよう経営してまいります。
・中期経営計画における数値目標 2027年3月期 連結事業利益 1,000億円
・中長期的な経営指標 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 10%超
(4) 事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題
当連結会計年度を終えた時点で、当社グループにおける対処すべき事業上の課題及び諸施策は次のとおりです。
① ペイメント事業の構造改革
金利の上昇による経営環境の変化に加え、競争環境が激化するペイメント事業においては、金利影響のないノンアセットの強化及び集中と選択による資本効率の向上を目指し、DXの推進による組織・オペレーション業務の効率化を進めております。また、市況に合わせたサービス改定や、DX推進によるUIUX改善を強化し、マーケット及び個々のニーズに最適化された金融サービスをグループ一体となって提供することで、お客様の感動体験を追求し、メインカード化を目指してまいります。
② ファイナンス事業の安定的な成長
ファイナンス事業の安定的な成長と事業の多角化を進めており、リース事業は事業者の設備投資計画に合わせてOA通信機器などのファイナンスリースを中心に、厨房機器などのメンテナンス付きリース等を推進しております。信用保証事業においては、地域金融機関と提携しきめ細かな連携体制の構築に努め、フリーローンの信用保証に加え、住宅ローン保証の取り扱いを拡大しております。住宅ローン事業については、「フラット35」のほか銀行代理業として、auじぶん銀行㈱、スルガ銀行㈱の住宅ローン商品の取り扱いをしております。今後も「フラット35」、「セゾンの資産形成ローン」等に加え、新規マーケットへの挑戦を継続することによりさらなる拡大を目指してまいります。
③ グローバル事業のスケールアップ
当社は、グローバル事業をペイメント事業、ファイナンス事業に次ぐ「第三の柱」と位置づけ、インド・東南アジア・ラテンアメリカ地域でレンディング(貸付)事業及びインベストメント(投資)事業を展開しております。
レンディング事業を牽引するインドにおいては、現地のFintech事業者との提携によるシニア資金の提供モデルの拡大に加え、支店の増設や非金融業者との提携の拡大により、自社で直接お客様へ貸付を行うダイレクトレンディングの強化に取り組んでまいりました。今後も引き続きダイレクトレンディングを推進し、着実な債権残高の拡大を図るとともに、リスクコントロールを重視し、各プロダクトのバランスを保ちながら、健全で持続的な成長に取り組んでまいります。加えて、資金調達手段の多様化を進めることで、強固な資金基盤の構築を図るとともに、レバレッジを活かした資本効率の向上や、金利コストにおける競争力強化にも取り組んでまいります。また、ベトナムにおいては債権残高の拡大とともに債権の良質化に努めております。ブラジルとメキシコのレンディング子会社においては、事業開発・組織体制の両面から基盤構築を進めており、現地パートナーとの提携戦略を通じて、今後も一層の投融資実績の拡大を図ってまいります。
インベストメント事業においては、シンガポールにあるSaison Capital Pte. Ltd.及びSaison Crypto Pte. Ltd.を通じて、FintechやB2Bコマース及びWeb3領域等における有望なスタートアップやVCファンドへの投資を行っております。レンディング事業が堅調に推移する一方で、第2四半期には、インベストメント事業において出資先の評価損を計上いたしました。今後もVC市場の動向を注視しつつ、慎重に投資先を見極めながら、長期的な目線をもって投資を継続してまいります。
これら各国での取り組みは、ファイナンシャル・インクルージョンや雇用機会創出といった社会課題に直接貢献し得る事業であり、当社は社会・環境におけるポジティブ・インパクトの創出をグローバル事業のテーマに掲げてまいりました。そうした中で、2023年11月の初回発刊に続き、2025年2月には第2回目となるインパクトレポートを公表し、情報量をさらに充実させるとともに、各国での具体的なインパクト投融資のデータや、融資先とエンドユーザーのストーリーを通じて、当社の取り組みがどのように現地の生活向上や経済発展に貢献しているかを詳しく伝えております。今後も引き続き本レポートの充実化を図るとともに、ファイナンシャル・インクルージョン並びに国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを推進し、世界的な社会課題の解決に貢献してまいります。
④ 与信管理・回収体制強化による債権の健全化及び業務効率化による生産性向上
DX推進によるオペレーション業務の効率化を進め、初期与信・途上与信においては、内外の環境やお客様の状況に応じた適正与信を実施するとともに、モニタリング強化による延滞リスクの抑制を図っております。債権回収においては、お支払い期日までの事前入金訴求によって延滞発生を未然に防止する一方、延滞発生後のお客様に対してはコンタクト及びカウンセリングの強化による、債権保全を行っております。また、不正利用においては、不正検知システムにAI(人工知能)を導入し不正検知の精度向上を図っており、お客様に安心、安全な決済環境を提供するとともに、利便性の高いサービスを提供し顧客満足度の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ステークホルダーの信頼を得ながら、持続的に成長していくために、クレディセゾングループだからこそできる持続可能な社会発展・課題解決への取り組みを推進しております。
(1)クレディセゾングループのサステナビリティ
基本的な考え方
当社グループは、「サービス先端企業」という経営理念のもと、当社独自のノウハウ、経営資源、そして社員一人ひとりの経験を活かし、クレディセゾングループだからこそできる社会の発展・課題解決に向けて、日々の事業を通じて貢献することで、今よりもっと便利で豊かな持続可能な社会をつくってまいります。
ステークホルダーとの価値共創
社会から必要とされる企業であり続けるためには、ステークホルダーから「何を求められているか」を理解し、サービスや企業活動に反映させていくことが重要だと考えます。ステークホルダーからの意見を常に真摯に受け止め、当社グループの企業価値の向上と持続的成長に結び付けてまいります。
① ガバナンス
気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、社員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、2021年8月からは、サステナビリティ戦略に関する活動の方向性を議論し、代表取締役に答申する機関として「サステナビリティ推進委員会」を新たに設置いたしました。
サステナビリティ活動に関する代表取締役の諮問機関となる本委員会は、持続可能な社会の実現に向けて、グループ全体で事業を通じた社会・環境課題解決への取り組みを強化しております。
代表取締役(兼)社長執行役員COOの参画や、社内外、ジェンダー平等、またグローバル視点を持ったメンバーで構成し、多様な意見の交換を図っております。
本委員会には「気候変動戦略推進WG(※1)」「DE&I推進WG」「Social Impact推進WG」(※2)の3つのWGがあり、本委員会と報告・指示関係のもと、定期的にグループ全体を通じたサステナビリティ戦略及び取り組みを代表取締役に答申の上、必要に応じて取締役会に報告しております。
サステナビリティに関する監督責任については取締役会が監督機関を担っており、取締役、執行役員が参画する「ビジネス戦略委員会」でのサステナビリティ戦略提案や、サステナビリティ情報含む国内外の機関投資家との対話状況の報告などを受け、取締役会がサステナビリティに関する目標達成に向けた監督を行っております。
持続可能な経済発展に向けた事業推進・企業活動へ取り組み、それらと当社 DNA を融合し真にユニークな日本発グローバル企業を創出するため、サステナビリティ推進委員長をグローバル事業管掌の取締役(兼)専務執行役員に変更、また、2024年3月には「サステナビリティ推進部」を新設いたしました。
※1 ワーキンググループ(以下同様)
※2 Social Impact推進に関する取り組み(インパクトレポート):
https://saison-international.com/wp-content/uploads/2024/10/Saison-International-impact-report-28Oct-jp.pdf
サステナビリティ推進体制図
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サステナビリティ推進委員会メンバー |
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委員長 |
森 航介 取締役(兼)専務執行役員 |
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委員 |
水野 克己 代表取締役(兼)社長執行役員COO |
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干場 弓子 社外取締役 |
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田畑 隆紀 常務執行役員 |
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安森 一惠 常務執行役員 |
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三坂 直樹 執行役員(兼)経営企画部長 |
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若松 夕香 サステナビリティ推進部長 |
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サステナビリティ推進委員会メンバーのポイント
・委員長は、グローバルな視点から持続可能な経済発展に向けた事業推進・企業活動に取り組むことができる取締役であること
・代表取締役(兼)社長執行役員COOも参画していること
・ブランディング戦略部、経営企画部、戦略人事部、サステナビリティ推進部、グローバル事業部等をはじめとする多様な部門を担当するメンバーであること
・客観的・中立的な立場で意見をいただくために、社外取締役も委員会メンバーであること
・専門分野において助言や提言をいただくために第三者機関にも参画いただくこと
② リスク管理
リスク管理については、「リスク管理委員会」及びリスク統括部を中心として、リスク発生の予防及び顕在化による当社への影響の極小化に努めている他、リスク統括部による各事業部のモニタリング状況につき監査部が独立した立場で定期的に検証を行う等、体制強化を図っております。そのため、「リスク管理規程」「損失の危険の管理に関する規程」及び「危機管理規程」に基づき、社員に対して定期的な社内教育・訓練を行い、リスク管理体制の維持に努めている他、毎月リスク統括部と監査部が情報連携会を開催し連携を強化しております。また、当社グループ内に内在する諸問題又は重大なリスクを伴う統制事項については、グループ戦略部を中心としてグループ各社の業務執行状況を監督するとともに、グループ各社の主管部門と情報共有を行っております。
気候変動リスク、人的資本や人権への対処に関するリスク、グローバルビジネスにおけるESG投資リスクなどサステナビリティを巡るリスクについては、「サステナビリティ推進委員会」を中心としてリスクの極小化と機会獲得に向けた方針・戦略を策定することに加えて、取り組みに関するモニタリング管理を行う体制になっております。
サステナビリティ推進委員会の事務局であるサステナビリティ推進部が中心となり、監査部、経営企画部、戦略人事部やリスク統括部と連携しながら定期的に各種リスク・機会の見直しを実施します。
(2)気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)
世界では、気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しております。
日本国内でも異常気象による大規模自然災害が発生し大きな影響をもたらすなど、気候変動は企業にとって看過できない状況となっております。このような中、気候変動問題をサステナビリティ経営上の重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
当社は、事業における環境負荷の軽減に努めるとともに金融商品などを通じて社会全体の環境負荷軽減にも積極的に取り組んでおります。また、赤城自然園の運営を通じて環境保全活動も推進しております。
TCFD提言に沿った情報開示
当社は、2022年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場である、TCFDコンソーシアムに参画いたしました。また、TCFD提言に基づき、気候変動への対応に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」についての情報開示にも対応いたしました。今後も、TCFD提言及び新たなSSBJ基準を参考に情報開示と気候変動への対応を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスはクレディセゾングループのサステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「
② 戦略
将来の気候変動が当社事業にもたらす影響について、TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、外部環境の変化を予測し分析を実施いたしました。
当社は、事業活動を通じて気候変動の緩和と適応を行いながら持続的成長を目指すことが重要であると認識し、気候変動対応を経営上の重要課題と位置付けております。気候関連リスクの顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、リスク事象を洗い出すことで、当社への影響を特定・評価しております。なお、シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、1.5℃と4℃のシナリオにて定期的に見直しを図っております。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析を行い、評価の見直しと開示情報の拡充を進めてまいります。
<重要度の定義>
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影響の区分 |
純収益に対する 比率 |
金額 |
事業利益に対する比率 |
金額 |
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大 |
10%以上 |
361億円~ |
30%以上 |
215億円~ |
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中 |
5%以上10%未満 |
180~360億円 |
15%以上30%未満 |
107~214億円 |
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小 |
5%未満 |
~179億円 |
15%未満 |
~106億円 |
※2023年度 当社グループ連結経営成績をベースに算出
<時間軸の定義>
短期(現在~2026年)/ 中期(2030年)/ 長期(2050年)
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リスク・ 機会種類 |
リスク・ 機会項目 |
事業インパクト |
事業インパクト指標 |
影響額 |
影響度 |
時間軸 |
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リスク |
移行リスク |
政策・ 法規制 |
温暖化対策税等の引き上げ |
販管費への影響 |
約3.5億円 |
小 |
短期~長期 |
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炭素税導入により建築資材が 高騰し、不動産の取得額が増加 |
収益・資産への影響 |
約16.5億円 |
小 |
短期~長期 |
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建築物省エネ法、ZEB等の対応 |
収益・資産への影響 |
約44.6億円 |
小 |
短期~長期 |
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|
市場 |
エネルギー価格の上昇 |
販管費への影響 |
約2.2億円 |
小 |
短期~長期 |
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|
消費者行動の変化による製品及びサービスに対する需要減少 |
収益・資産への影響 |
約5.2億円 |
小 |
中期~長期 |
|||
|
物理的リスク |
急性 物理的 リスク |
風水害激甚化による建物損壊 |
本社・営業部門・ データセンター等への影響 |
約2.3億円 |
小 |
短期~長期 |
|
|
慢性 物理的 リスク |
気温上昇に伴う農業・水資源・ 健康等への影響に起因する マクロ経済の悪化 |
貸倒コストへの影響 |
約41.4億円 |
小 |
短期~長期 |
||
|
平均気温上昇による熱中症頻発、冷房使用による電力コストの増加 |
販管費への影響 |
約2.2億円 |
小 |
短期~長期 |
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機会 |
エネルギ|源 |
温室効果ガス排出ゼロ |
温室効果ガス排出ゼロの達成による炭素税非課税 |
販管費への影響 |
約3.5億円 |
小 |
短期~長期 |
|
製品及びサ|ビス |
環境配慮型製品及び サービス |
環境配慮型製品及びサービスの 収益増加 |
収益・資産への影響 |
約5.2億円 |
小 |
中期~長期 |
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サステナブル志向の高い会員増加による 営業指標 への影響 |
当社では、日本の2050年カーボンニュートラル目標に向け、企業と個人の共創による脱炭素社会の実現を目指し、㈱DATAFLUCTと提携して2022年6月から日本で初めて、カーボンニュートラル視点のクレジットカード「Saison Card for becoz」の発行を開始しました。 本クレジットカードは、日常生活でのカード利用履歴に基づくCO2排出量を可視化できるほか、カーボンクレジットの購入を通じたオフセットも可能となっており、利用者の環境課題への意識向上を促進します。 本クレジットカードの発行と利用促進によって、サステナブルな意識の高い将来世代による脱炭素社会の実現に向けた行動変容が行われ、CO2排出量が削減されることに加え、クレジットカードの利用による長期的な収益貢献が期待されます。 事業インパクト算出方法について精査中のため、現時点では、収益評価をしておりません。 |
- |
短期~長期 |
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市場 |
サーキュラーエコノミー(循環型経済)の拡大による営業指標への影響 |
社会全体のサーキュラーエコノミー(循環型経済)が進み、持分法適用会社である㈱リ・セゾンを通じたリサイクルビジネス機会の増加が期待されます。 ㈱リ・セゾンでは、OA機器を中心に当社リースアップ物件の引き揚げ、再販、マテリアルリサイクルを通じた再循環・再資源化を行っており、物の残存価値を高く評価し、高効率で循環させることによる新しい二次流通市場を形成しています。マーケット拡大により、取引先の拡大、取扱商品の拡大、拠点拡大等による事業規模の拡大が見込まれます。 事業インパクト算出方法については精査中のため、現時点では、収益評価をしておりません。 |
- |
短期~長期 |
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環境配慮型商品ニーズの拡大による営業指標への影響 |
EV、蓄電池、太陽光発電など、環境に配慮した商品ニーズの拡大を受け、環境配慮型リース商品への参入によるビジネス機会拡大の可能性が期待されます。また、既存商品の省エネ型製品への入れ替えなどの機会拡大が見込まれます。 事業インパクト算出方法については精査中のため、現時点では、収益評価をしておりません。 |
- |
中期~長期 |
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サステナビリティ・リンク・ローンの活用 |
環境問題や社会的課題の解決に向けたサステナビリティ活動に関する目標(SPTs)の達成により、資金調達金利の優遇などのインセンティブが受けられるサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の活用拡大が期待されます。SLL市場は今後も拡大するとみられ、資金調達におけるコスト削減のメリットが期待されます。 事業インパクト算出方法については精査中のため、現時点では、収益評価をしておりません。 |
- |
中期~長期 |
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※2023年度グループ実績をベースに一部限定的な範囲で算出
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理はクレディセゾングループのサステナビリティのリスク管理に組み込まれております。詳細については「
④ 指標と目標
当社は、気候変動に係るリスク並びに機会を測定・管理するため、Scope測定対象とする連結グループ各社のうち、当連結会計年度の純収益の95%超を占める7社にてGHG排出量を測定しております。
GHG排出削減目標については、パリ協定で定める1.5℃目標の水準と整合する内容としてSBTi(Science Based Targets initiative)認定を取得しています。また、算定及びTCFD開示フレームワークに基づく各種取り組みは、㈱ウェイストボックスの協力を得ております。
2023年度Scope1,2,3(カテゴリー2,13)の実績については、排出量データの信頼性担保のため、LRQAリミテッド社による独立した第三者保証を取得しています。
<GHG排出量と削減目標>
※カテゴリー4:該当する活動は他のカテゴリーに計上済み
※カテゴリー8:国内における該当する活動はScope1,2に計上済み
※カテゴリー9,10,14:該当する活動なし
※カテゴリー15:今後算定を検討
2024年度実績は、2025年6月現在計測中です。全てのGHGの合計排出量を計算していますが、当社グループでは僅少発生分を除いたCO2のみをカウントしています。
サステナビリティに関する考え方及び取組についての詳細な開示情報は以下URLから参照ください。
企業サイト内「TCFD提言に沿った情報開示」
https://corporate.saisoncard.co.jp/sustainability/environment/tcfd/
統合レポート
https://corporate.saisoncard.co.jp/ir/integrated_report/
(3)人的資本
① 戦略
当社は創業以来さまざまな困難の中、「人」を価値創造の源泉と捉え、サービス先端企業としてチャレンジを続けてきました。2030年に目指す姿「GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ~」の実現と、「今よりもっと便利で豊かな持続可能な社会」の構築に向けて、日々進化を遂げています。
経営戦略の実現にあたっては、事業戦略と人事戦略の強力な連動が重要であるため、事業成長を人事面から支援する体制へ変革しています。
<クレディセゾンの人事ポリシー>
2024年9月に、“クレディセゾンらしさ”を言語化した「人事ポリシー」を策定しました。
経営戦略の実現に向けて解決すべき課題の中から、緊急度・優先度に加え、人事面における重視事項や社員への向き合い方を明示していくことを、目的としています。
経営陣の社員に対する考え方や、企業として一貫して大切にしてきた価値観を言語化することへの強い想いをもとに、一部の経営陣や管理職ではなく、役職や年齢を問わず多様なメンバーが複数回議論し、作り上げました。
今後はより攻めの姿勢で人事施策を実行していくため、「人事ポリシー」を各種人事施策の判断基準としていきます。2025年4月には、メリハリのある報酬体系を実現するため「賃金」と「評価」に関するポリシーに重点を置き、チャレンジした行動と成果が適切に評価されるよう、評価運用の見直しを実施しました。
<中期人事戦略>
現代は、経営や事業環境が速いスピードで変化し続けています。
進化を続けるクレディセゾングループの構築を目指して、事業戦略と個々の課題を人事戦略の面から解決するために、下記方策でスピード感を持って変化し続けます。
中期人事戦略の軸となる方策は2つあります。「プロフェッショナル人材の創出」と「パフォーマンスを最大化する組織風土醸成」です。
●プロフェッショナル人材の創出
当社は、「新しい価値を創造し続けるプロフェッショナル人材の活躍と挑戦」が、経営戦略実現のための価値創造を牽引するものであるという考えのもと、プロフェッショナル人材を創出するための人事戦略を積極的に展開しています。「挑戦できる制度づくり」に加え、「社員の専門性の向上」 を行い、個の強みを活かす人材マネジメント、適所適材の人材活用の実現を目指して推進しています。
「挑戦できる制度づくり」
社員の自発的な挑戦やキャリア自律を後押しし、当社や関係会社の組織の成果発揮を加速させることを目的に、社内公募制度「オープンチャレンジ」を実施しています。2024年度の公募応募者数は、88名(前年比135.4%)と増加しました。関係会社への公募案件数も20件(前年比200.0%)に増加し、多くの社員が異動を実現させ、関係会社含めた新しいフィールドで挑戦・活躍しています。
また、上記の公募も影響し、関係会社内外への出向者数も506名(前年比107.7%)へと増加しています。
2023年10月には、より積極的なチャレンジを促す風土を醸成するべく、経歴や雇用形態に囚われず、アルバイトを含む全社員が自らの手挙げによる志願をきっかけに管理職(所属長・課長)への登用にチャレンジできる、「チャレンジ型登用制度」を導入しました。2024年度は10名以上の応募があり、3名が希望のポジションを獲得しました。
また、2021年度から毎年開催している、経営戦略の実現に向け幹部がリーダーシップを発揮し、社員とともに新規事業立案を行う「NEXT SAISON」は、2024年度にリニューアルしました。新規事業立案に加え、社内ベンチャープログラム「SWITCH SAISON」、改善改革文化醸成のための「セゾンのカイゼン」の3制度を統合した提案制度にリニューアルし、全社員から同時多発的に提案・意見が飛び交う風土醸成を目指しています。2024年度は25件の提案がありました。
「社員の専門性の向上」
期待役割に応える行動発揮及び自ら学ぶことを習慣化し、社員と会社の成長につながることを期待しています。階層別の研修や、選択型研修などの多様な研修に加え、手を挙げた社員が、自身が持つ専門・得意領域のスキルや知識について自ら講座内容を設計し、講師となって授業を行う「セゾンの学び」も2022年より実施しています。社員個人と会社の持続的な成長に向けて、学び合いによるノウハウ共有が自発的に行われる風土を醸成することを目的に、2024年12月にはリニューアルを行い、通年での講座作成が可能になりました。2022年開講から現在までに38講座を展開し、多くの社員が受講しています。
2024年10月には、社員が当社におけるキャリアオーナーシップを理解して、キャリアオーナーシップの必要性を認識し、キャリアに向き合う意欲や自己実現の意欲が高まることを目的に、「キャリアデザインWEEK」を実施しました。ライフイベントである介護とキャリアについて、専門家による講演などを行い、延べ1,091名が参加しました。
上記のような積極的な人的投資の結果、当社の一人当たりの人材育成投資額は、177.9千円となっています。
また、当社の成長戦略の一つであるグローバル事業においては、現地採用をメインに多様な国籍のメンバーを採用しており、2025年3月末時点で海外拠点の連結子会社において1,500名を超える社員が在籍しています。経営陣についても、現地の優秀な人材を積極的に登用し、現地主導の事業運営を推進しています。また、グループ全体の一体感によるシナジー創出を目的に、メンバー同士の交流の場「SAISON GLOBAL SUMMIT」を2024年5月と2025年2月に実施し、延べ200名を超えるメンバーが集まりました。各海外拠点メンバーを交えた事業内容共有をはじめ、各分野のエキスパートから専門知識を学ぶラーニングセッションや機能別のディスカッション等を通じ、相互理解を深めるとともに多様性を尊重するレジリエントなチーム力を高めました。
●パフォーマンスを最大化する組織風土醸成
個人・チーム・組織がそれぞれ目指す姿を実現することでパフォーマンスが最大化されるという考えのもと、失敗を恐れず挑戦できるための「風土改革・風土醸成の取り組み」を推進しています。
「風土改革・風土醸成の取組」
[多様性を力に変えようWEEKの開催]
「サステナビリティ推進委員会」内にDE&I推進WG(ワーキンググループ)を発足しました。2025年3月には全社イベント「多様性を力に変えようWEEK」を開催し、専門家トークイベントや経営層による座談会など、様々な切り口でDE&Iについて学べるプログラムを実施し、延べ300名が参加しました。
[チャレンジ休職・グッドライフ休暇/休職の導入]
2024年2月より、ライフイベントと仕事を両立させ、自分自身の人生をより豊かにすることを支援することを目的として、自己のスキルアップや成長、復職後のさらなる組織貢献につながるための「チャレンジ休職」を導入しました。これは、1カ月~最長2年間の休職が可能な制度です。
また、積立有給休暇の利用用途範囲を拡大し、不妊治療による通院などの事情について、休暇取得や最長1年間の休職が可能な「グッドライフ休暇/休職」も導入しました。これまでにあわせて11名が取得しています。多様な人材一人ひとりが強みを活かし、誰もが活躍し続けられる企業を目指して今後も制度改定を進めます。
[決算賞与・持株会]
社員全員が業績や株価をより意識し、自身の資産形成にも繋げられるように「決算賞与」と「持株会制度」を導入しており、業績目標への達成意欲やモチベーションの向上を図っています。なお、2023年12月に導入したエンゲージメントサーベイでは、「経営への納得感」の項目で昨年度より3ポイントアップしました。
[HRBP(Human Resource Business Partner)]
2024年度より戦略人事部内に「HRBP(Human Resource Business Partner)」を新たに設けました。事業成長を人事面からサポートすることを目的に、事業部門や関係会社のHRビジネスパートナーとして事業部門と戦略人事部にて年間を通して190回以上の対話を行いました。
[セゾン・レジリエンス]
変化に強い「人」と「組織」を創り出していくために、逆境において力強く組織を牽引する能力(レジリエンス)を重視し、2022年から役員を対象にレジリエンスプログラムを実施しています。役員及び部長職が率先垂範し、身体力・情動力・思考力・精神力の4つの活力を高める習慣を身に付け、組織に波及させることで、社員がよりイキイキと幸せに働き続けられることを目指して活動を行っています。2024年度には、対象範囲を関連会社の役員にまで拡大し、導入以来、累計で40名が本プログラムに参加しています。
② 指標と目標
「多様性」
女性活躍推進においては、当社社員の約7割を占める女性社員が、より発言力のある役割を担い会社に貢献することを当社の重要戦略の一つと捉えています。管理職に占める女性労働者の割合は、2024年度に目標としておりました25.0%を達成しました。引き続き25.0%以上を維持するように推進します。
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項目 |
2024年度目標 |
2024年度実績 |
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25.0% |
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キャリアサポート関連では育児と仕事の両立支援セミナーの実施、希望する時期に復職できるよう企業主導型保育園マッチングサービス「子育てみらいコンシェルジュ」の導入と活用をしています。また、法定基準を上回る育児休業制度を導入するほか、性別に関わらず誰もが積極的に育児参加できる職場風土を目指し、2025年度末までに男性育児休業取得率100.0%を目指して推進しています。
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項目 |
2024年度目標 |
2024年度実績 |
2025年度目標 |
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男性の育児休業取得率 ※休暇含む |
100.0% |
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「育成」
2019年に内製開発チーム「テクノロジーセンター」をゼロから立ち上げ、DXの推進を開始しました。現在は「全社員によるDX」の実現を目指し、デジタル人材の育成にも注力しております。
2024年度までにデジタル人材を1,000名創出するという目標に対し、2024年度末時点での創出数は491名となりました。エンジニアやデータサイエンティストなど、CSDX推進を担う人材の採用および、デジタル技術の実践的な活用力を重視した育成を通じて、内製システムやソフトウェア、ローコードなどを活用した業務効率化が進展しております。
結果として、数値目標には未達となったものの、2019年度から2024年度までの累計で約161万時間の業務時間削減を実現し、デジタル人材の質の向上にもつながりました。
今後も、より実践的かつ戦略的な育成を通じて、質の高いデジタル人材の創出を継続してまいります。
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項目 |
2024年度目標 |
2024年度実績 |
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1,000 |
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(注)上記の②指標と目標は、当社単体における指標及び目標であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境に関するリスク
a.経済環境などの変化による影響
当社グループは、日本のみならず、インド、東南アジア、ラテンアメリカ地域において事業活動を展開しております。これらの地域における経済環境の変動、為替相場の変動、政治・法令諸規制、自然災害、サイバーセキュリティ、人的資源、環境規制等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業を展開している各国のリスク動向を継続的に監視し、適切なリスク管理体制を構築するとともに、柔軟な事業戦略を展開することで、リスクの低減及び持続的な成長の確保に努めております。
また、海外現地法人においては、経済状況や当局規制、法令等の変化について、現地の金融機関や弁護士事務所等と緊密に連携してモニタリングし、専門的知見を活用してリスクを回避・低減しております。
b.他社との競争による影響
ペイメント事業は、規制緩和及び技術の進展に伴い、異業種からの新規参入やコード決済・スマートフォン決済などの決済手段の多様化、競合他社によるポイント活用の顧客囲い込み戦略等により、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループでは、DX・AIを活用した業務の省人化、コスト削減を進めるとともに、富裕層・法人マーケット(SME=Small and Medium Enterprises:中小企業)における会員構造変革、収益基盤の強化、高稼動・高単価の顧客シェア拡大などにより、安定した収益確保とさらなる利益の拡大を目指してまいります。また、競争環境の変化に対応するため、顧客基盤の拡大や新たなサービスの開発を促進しつつ、コスト競争力の強化と業務効率化を図ってまいります。
ファイナンス事業は、不動産を中心としたファイナンス事業を展開しております。かかる不動産ファイナンス市場においては、多数のノンバンクを含む金融機関が参入しており、取引条件やサービス品質等において、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループは、顧客との契約手続における電子契約を導入し、さらなる利便性の向上と業務効率化を図っております。今後は、DXを一層加速させ、顧客及び提携先に対するサービスの高度化・差別化を進めてまいります。
グローバル事業においては、インド・東南アジア・ラテンアメリカ地域でレンディング(貸付)事業及びインベストメント(投資)事業を展開しております。各国における金融規制の変動、為替リスク、経済・政治の不安定性に加え、これらの市場では、現地の銀行、ノンバンク金融会社、フィンテック企業等、海外からのグローバルプレイヤーがアンダーサーブド層を対象とした金融事業を展開しており、当社グループの事業発展に影響を及ぼす可能性があります。
このような競争環境下において、当社グループでは業務プロセスのデジタル化とAIの活用を進め、国ごとの市場特性に応じた柔軟な事業運営を行い、事業の多角化を図り、収益性の向上、資産効率の向上を目指します。また、IHQ(国際統括本部)を主軸として、各国のガバナンス強化を目指し、推進してまいります。これにより、持続的な成長と安定した収益基盤の確立を推進してまいります。
c.各種規制及び法制度の変更による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規則や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制、監督官庁の指針、業界団体による自主規制等の適用を受けております。特に、新興国市場においては、規制の不透明性が高く、法令遵守が事業継続に不可欠となります。各国・各地域の法令諸規制の適用を受ける中で、これらの法令が将来においての改正、解釈の変更、厳格化、あるいは新たな規制の導入によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業界団体や各種専門機関など、幅広い情報源から法令諸規制の制定や改正動向を把握することに努めております。弁護士事務所等と連携し、規制の変更等が発生した場合は、当該変更に則った社内体制、ルール、運用の検討、整備等を行ってまいります。
d.大規模災害発生による影響
当社グループは、国内外の各地域において事業を行っておりますが、これらの地域で地震等の大規模な自然災害が発生し、保有する資産への物理的な損害、社員への人的被害があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備えたBCPを策定しており、定期的に実効性の確認、教育、訓練を実施しております。特に、ペイメント事業については、社会的インフラとして継続したサービス展開が必要であることを踏まえ、オーソリゼーションシステムを関東と関西に分散することでクレジットカードが利用できる環境を整備するなどの対応を実施しております。
また、重要業務を担うプロセシングセンター(東京ユビキタス及び関西ユビキタス)は免震機能を備え、長期停電に備えた非常用電源の設置など災害対策を講じており、今後も継続的に危機管理及びリスク管理に関する各会議体を通じたリスクの棚卸とコントロールを進めてまいります。
e.気候変動による影響
当社グループは、気候変動が地球環境や経済、社会に広範な影響を及ぼす重大な課題であり、持続可能な社会の実現に向けた最優先のテーマの一つとして認識しております。気候変動への適切な対応がなされない場合、規制強化や炭素税導入などによる事業環境の変化(移行リスク)、ならびに異常気象や自然災害等による資産毀損や業務中断(物理的リスク)を通じて、与信コストやオペレーションコストの増加、資産価値の減少、さらには社会的信頼の低下につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを適切に把握・管理し、中長期的なレジリエンスを確保するため、当社グループでは、経営層が関与するサステナビリティ推進委員会の下に気候変動戦略推進ワーキンググループを設置し、グループ横断的な取り組みを進めております。また、TCFD提言に基づき、気候変動への対応に関する開示内容の拡充にも努めております。
(2) 財務面に関するリスク
a.流動性リスク(資金調達に関するリスク)
当社グループの主な資金調達方法は、銀行など金融機関からの借入金のほか、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行など資本市場からの調達になります。調達方法の中には、短期借入金やCPなど調達期間が一年以内のものが相当額あり、また一年以内に返済・償還予定の長期負債もあることから、当社グループ特有の要因(業績悪化や信用格付の格下げなど)や外部要因(経済・金融危機や自然災害など)によって流動性リスクが高まると、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資金調達のうち長期化・固定化を一定割合維持するとともに、コミットメントラインなど流動性補完枠の設定や、社債・債権流動化などによる直接調達の多様化を推進し、流動性リスクの軽減に努めております。
b.市場リスク
当社グループは上場会社・非上場会社の株式、ベンチャー企業投資ファンド、債券、不動産及び不動産ファンドなどへの投資を行っております。これらの投資資産の価格が市場において下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、不動産市場の悪化により、保有不動産の評価額が下落した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。資金調達においては、銀行などの金融機関からの借入れによる間接金融のほか、社債など直接金融を利用しておりますが、その中には変動金利による調達もあり、市場において金利が急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではRCM(リスクキャピタル・マネジメント)やALM(資産及び負債の総合的管理)を導入しており、これらの手法を活用することで、投資の方針や限度額を設けることや調達金利の長期化・固定化を一定割合に維持することで急激な金利上昇に備えることに加え、有価証券やデリバティブ取得時の事前審査、継続的なモニタリングを行っております。さらに、取締役会及びALM委員会において、短期的な視点に加え中長期的な視点から多角的な分析を行い、当社グループが保有する市場リスクを適切にコントロールしております。
c.信用リスク(金融商品の減損(貸倒引当金))
当社グループは、各事業においてさまざまな融資やその他の債権を保有し、また信用保証業務に伴う保証債務を負っております。これには、クレジットカードのショッピング利用債権、リース債権、ファイナンス関連債権などが含まれます。国内外の経済環境等の変化により、多くの顧客において契約条件に従った債権の返済がなされず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、信用リスクに関する管理諸規程に従い、債権内容の継続的健全化を図るとともに、与信限度額、信用情報管理、内部格付けなど与信管理に関する体制を整備し、運営していることに加え、月次で債権管理会議を実施するなど債権状況モニタリング等の与信管理体制を強化しております。これにより、貸出先の状況、担保価値の見積もりに基づいて金額を適切に見積もり、貸倒引当金を適切に計上しております。
なお、当社では信用リスクの低減策の一環として、クレジットカードの入会審査において機械学習モデルを活用した発行審査を導入しております。これにより、過去の取引情報や多様なリスク要因を分析し、より精緻な与信判断を行うことで、リスクの高い申込者の早期識別が可能となり、入会後の不良債権の発生を抑制しております。このような技術活用により、信用リスク管理の高度化と業務効率化を推進し、健全な債権ポートフォリオの維持に努めております。
また、グローバル事業においては、国内同様に海外現地法人各社で信用リスクに関する管理諸規程に従い債権内容の継続的健全化を図るとともに、インドやシンガポールを中心とした各国間での横断的な与信管理に関する体制の整備を進めております。さらに、その結果については、グローバル事業部が分析・確認し、月次でグローバル債権管理会議を実施するなど、各国の債権状況のモニタリングを行っております。
d.利息返還損失引当金
当社グループでは、国内において過去に弁済を受けた利息のうち、利息制限法に定められた上限金利を超過する部分について、顧客から不当利得として返還を請求される可能性があります。このリスクに備え、当社グループは利息返還損失引当金を計上しております。引当金の算定にあたっては、過去の返還実績に加え、将来の経済環境や請求動向、処理単価等の見通しも考慮しております。
ただし、今後、経済状況の大幅な変動や過払い請求件数・処理単価の想定を上回る増加、あるいは、法的規制の動向等により返還請求が想定以上に拡大した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.のれんの減損
当社グループは、連結財務諸表についてIFRS会計基準を適用しております。日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRS会計基準では定期的にのれんの償却が行われないため、将来にわたって減損リスクが残り続けることになり、M&Aなどにより新たなのれんが発生すると、その都度のれんの残高は増加し続け、減損処理を行った際に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、RCMにより投資限度額を設定することで、過度なリスクを取らない仕組みを設けるとともに、投資段階で主管部門及び専任部門による買収価格の妥当性審議を行い、投資後に収支計画の達成に向けたフォローアップ及び経営環境の定期モニタリングを実施しております。
(3) 業務面に関するリスク
当社グループでは、多数の企業や団体との業務提携を通じ、会員獲得やサービス商品販売チャネルの拡大・多角化を行っております。また、提携先の一部と出資関係を結んでおり、当社グループ及び提携先の顧客基盤等を双方で活かした事業展開を行っております。各提携先との事業は、当社グループの重要な事業戦略である一方、提携先の業績悪化や提携先との業務提携の条件変更や提携解消が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存の提携先とのリレーションの強化を行うとともに、多様な業種・業界のパートナーと新規アライアンスを進めることで、特定の提携先に依存することのないビジネスモデルを構築してまいります。
a.システムリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたるオペレーションを実施しており、システム不具合や通信回線障害、または外部委託先の障害、クラウドサービスの不具合等により機能不全が生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。さらに、障害の発生に伴って業務の停止や遅延、顧客対応の混乱が生じた場合、社会的信用の毀損や風評リスクにつながる可能性もあります。
このようなリスクに備え、当社グループは日頃よりシステムの安定稼働の維持に努めるとともに、重要システムのバックアップ確保や、業務継続計画(BCP)に基づいたコンティンジェンシープランを策定し、平常時から対応手順の整備及び定期的な訓練・シミュレーションを実施しております。システムの外部委託先の活用に際しては、社内規定に則りシステム委託先に対しての定期的な評価を実施し、管理の徹底を図っております。さらに、重大なシステム障害が発生した場合には、社内規定に従い危機管理委員会に速やかに報告し、全社を挙げた対応を行います。また、他社におけるインシデント発生事案を参考にした改善の取り組み、継続的なリスク低減を図っております。
b.情報セキュリティリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムを使いカード会員情報等の個人情報を大量に保有しており、近年深刻化するサイバーセキュリティ上の脅威から、システム不具合や通信回線障害等による機能不全が生じた場合だけでなく、個人情報や機密情報などが漏えいする等のリスクがあります。仮に、このようにリスクが顕在化した場合、信用低下や損害賠償等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティリスクへの対応として、経営陣主導のもと、全従業員が主体的に関与し、国際的、または、監督官庁が定めるガイドラインに準拠した対策を講じております。
その中で、情報セキュリティ管理体制を整備し、維持・運営する事と、有事の情報セキュリティインシデント時の対応を迅速かつ適切に行える体制を構築しております。
c.コンプライアンスリスク
法令等による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規制や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制の適用、さらには監督官庁の監督を受けております。また、当社においては、経済安全保障推進法が成立し、重要設備の導入・維持管理等の委託をする際には、国の事前審査に対応する必要があります。今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、経営陣主導のもと、法令諸規制の遵守を徹底するために、コンプライアンス態勢の強化、社員教育の継続的な実施、業務遂行状況のモニタリング等の予防策を講じております。また、内部通報制度を整備し、法令遵守違反、経営者及び社員による不正行為、不祥事、潜在的な利益相反等を早期に発見し、迅速に対応する体制を整えてまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、コンプライアンス遵守に係る社員教育等の承認及び実施状況の報告を行っております。
個人情報の漏えい等による影響
当社グループは、カード会員情報をはじめ、顧客情報や法人情報を含む多様なデータを大量に保有しております。そのため、個人情報の漏えいや不正利用などが生じた場合、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損などにより、当社グループに対する信頼性を著しく低下させ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護法に基づき、個人情報の保護措置を講じるための体制を整備し、情報の適切な取り扱いを行っております。
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対応による影響
国際的に核・ミサイルやテロの脅威が増す中、犯罪者・テロリスト等につながる資金を断つことは、日本及び国際社会にとって重要な課題です。マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下「マネロン対策」という。)が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等、業務停止や制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、マネロン対策が経営の重要な課題と位置付けた上で、国内外の事業活動において法令諸規制を遵守する態勢を整備し、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
訴訟に関するリスク
当社グループが国内外において提供する各種サービスの利用者に対し、システム障害やその他当社グループの責めに帰すべき事由によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては、当社グループにおいて訴訟を提起される可能性、又はその他の請求を受ける可能性があります。
当社グループでは、外部専門家及び監督官庁等との事前相談を通じ、適切なサービスの提供に努めておりますが、訴訟等の結果によっては、賠償金の支払いや、当該サービスの提供ができなくなる可能性など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
d.事務リスク
当社グループは、多種多様なサービスを提供しており、顧客の細かな要望に応えるための事務処理を行っております。ペイメント事業をはじめとする多くの業務において、DX・AIを活用した業務の省人化、業務効率、精度の向上を図っております。一方で、一部のプロセスでは社員による確認作業や手作業が依然として必要であり、これが事務ミスの一因となる場合があります。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼすことがないよう、引き続き体制構築と対策を強化してまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、発生した事務ミスの共有及び改善策の報告を行ってまいります。
当社グループでは、事務取扱マニュアルの制定・更新、事務処理状況の定期的な点検、継続した社員教育の実施及び業務実施状況のモニタリングなど、予防策を講じております。また、財務報告に関わる業務については、「財務報告に係る内部統制管理規程」等を定め、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための態勢を整備するとともに、内部統制の有効性評価の重要性について、評価対象部門担当者への意識付けを行い、その実効性を高めております。さらに、業務プロセスのデジタル化領域のさらなる拡大に向けて、システム部門や関係部門が中心となり、業務プロセスの見直しや改善を推進し、データ処理自動化やワークフローの構築を進めることで、業務の効率化と精度向上に取り組んでおります。
e.人的リスク
当社グループは、顧客に付加価値の高いサービスを提供するとともに、先進的な商品・サービスを開発するために、多様な人材の採用・育成に努めております。当社グループに必要な人材の獲得が困難である場合や、人材の社外流出が生じた場合、業務運営や当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、施策や人材がグループ内の一部の会社に偏ることも、グループ全体の潜在的な力を引き出せない可能性があります。
当社グループでは、多様な人材を確保するため、社員のニーズに応じた働き方を選択できるようテレワークや短日・短時間勤務、副業認可などの制度を用意しております。また当社においては、雇用形態を統一し、すべての社員に公平な機会を提供する一方、スペシャリスト・エキスパート制度など社員それぞれの能力や特徴を活かせる人事制度を採用することで、優秀な人材の確保を行っております。加えて、ライフワークフルネスの実現に向け「自己啓発・自己研鑽」「不妊治療」のために活用できる休暇・休職制度も導入しております。人材育成・キャリア形成の面ではアセスメントプログラム、新規事業提案制度、手挙げ選択式の研修、年代別キャリア形成セミナー、公募による希望に基づいた人員配置など、さまざまな教育・支援制度を整備しております。これにより長期的かつ多角的な育成・キャリア形成に取り組める環境を整え、「挑戦する文化」の醸成を目指しております。また、グループ内での人事交流を推進するなど、シナジーの創出・パフォーマンスの最大化を目指しております。さらには、人事部門に「HRBP(Human Resource Business Partner)」を設置し、事業部門やグループ会社のパートナーとして「人と組織」に関わる課題解決を推進しつつ、事業成長を人事面から伴走型で支援しております。
f.風評リスク
当社グループに関するネガティブな評判や風評が拡散した場合、その内容の真偽にかかわらず、顧客の信頼低下や取引先との関係悪化を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、平時よりステークホルダーとの良好な関係構築に努めるとともに、SNSリスクリテラシーに関する社内研修を実施するなど、風評リスクに対する予防的取り組みを行っております。また、情報の早期把握を目的としたモニタリング体制を整備し、ネガティブ情報の発信源や影響度に応じて、迅速かつ適切な対応を行うことで、風評リスクが事業に与える影響の最小化に努めております。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復が続いております。一方、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、金融資本市場の変動等の影響に十分に留意する必要があります。
当社は「サービス先端企業」を経営理念に、お客様の利便性を徹底的に追求し、系列や業態などの枠組みを超えた多様な提携パートナーとともに革新的なサービスを創造し続けております。当社グループを取り巻く経営環境は、物価上昇の継続、アメリカの政策動向による影響や金融資本市場の変動影響に留意が必要な状況であることに加えて、先進的テクノロジーの活用や異業種参入によって新たな金融サービスが次々と創出されるなど、企業間競争が激しさを増すものと予想されます。このような経営環境の中、当社グループは、『GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ~』を中期経営ビジョンとして掲げ、「Innovative」「Digital」「Global」を基本コンセプトとした、「総合生活サービスグループ」への転換に向けて、グループや提携先と「セゾン・パートナー経済圏」の確立に注力し、グループ企業間の事業シナジーによる他社にはない価値の創造を目指しております。加えて、お客様のあらゆる困りごとを、親切に適切に素早く解消することで顧客満足度向上に努めております。既存事業においては、「ペイメント事業の生産性向上」「ファイナンス事業の健全な成長及び新たな事業領域への進出」「グローバル事業のスケールアップ」を重点方針とする成長戦略を実行し、さらなる成長拡大を図っております。
また、当社は2021年9月に策定したデジタルトランスフォーメーション戦略(CSDX戦略)における取り組みが評価され、2024年6月に日本DX大賞実行委員会が主催する「日本DX大賞 2024」において、「ビジネストランスフォーメーション(BX)部門優秀賞」を受賞いたしました。今後も、デジタルを活用した新たなお客様体験の提供や、内製開発で培ったナレッジを全社へ展開することで全社員によるDXの実現を推進するとともにイノベーションの創出に向けて取り組んでまいります。
さらに、2021年8月のサステナビリティ推進委員会設置以降、サステナビリティ重要課題の設定、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同及びTCFDコンソーシアムへの参画など、グループ全体で事業を通じた社会・環境課題解決への取り組みを強化した結果、当社は、世界最大級の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資の主要指標として採用している「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に2年連続で選定されました。今後も、グループ全体でさらにサステナビリティ領域の取り組みを深耕させ、今よりもっと便利で豊かな、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
(a)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して3,352億90百万円増加し、4兆6,711億43百万円となりました。これは主に、ショッピング取扱高の増加及びレンディング事業拡大に伴う貸付残高増加等により営業債権及びその他の債権が2,711億28百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して3,338億74百万円増加し、3兆9,521億15百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が3,556億3百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末と比較して14億16百万円増加し、7,190億28百万円となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。なお、純収益は収益から原価を控除して算出した指標であり、事業利益は当社グループが定める経常的な事業の業績を測る利益指標です。
当連結会計年度は、「ペイメント事業」「ファイナンス事業」「グローバル事業」「エンタテインメント事業」が伸長した結果、純収益は4,228億18百万円(前期比16.9%増)、事業利益は936億21百万円(前期比30.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は663億97百万円(前期比9.0%減)となりました。
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(単位:百万円) |
(単位:円) |
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純収益 |
事業利益 |
税引前利益 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
基本的1株当たり 当期利益 |
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当連結会計年度 |
422,818 |
93,621 |
92,786 |
66,397 |
423.02 |
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前連結会計年度 |
361,604 |
71,941 |
97,952 |
72,987 |
453.08 |
|
伸び率 |
16.9% |
30.1% |
△5.3% |
△9.0% |
△6.6% |
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりです。
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(単位:百万円) |
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純収益 |
事業利益 |
||||
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前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
伸び率 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
伸び率 |
|
|
ペイメント |
235,237 |
256,014 |
8.8% |
19,270 |
30,328 |
57.4% |
|
リース |
12,544 |
13,346 |
6.4% |
4,355 |
4,110 |
△5.6% |
|
ファイナンス |
58,502 |
69,361 |
18.6% |
28,265 |
38,675 |
36.8% |
|
不動産関連 |
23,942 |
28,295 |
18.2% |
16,407 |
16,273 |
△0.8% |
|
グローバル |
27,208 |
51,520 |
89.4% |
2,478 |
3,384 |
36.6% |
|
エンタテインメント |
6,319 |
6,665 |
5.5% |
1,079 |
1,420 |
31.5% |
|
計 |
363,754 |
425,203 |
16.9% |
71,856 |
94,191 |
31.1% |
|
調整額 |
△2,150 |
△2,385 |
- |
84 |
△570 |
- |
|
連結 |
361,604 |
422,818 |
16.9% |
71,941 |
93,621 |
30.1% |
(注)各セグメントの純収益及び事業利益は、セグメント間取引消去前の数値を記載しております。
<ペイメント事業>
金利や賃金の上昇などの経営環境変化に加え、個別競争から経済圏の競争に変化し、ますます競争環境が激化するペイメント事業においては、ポイント還元といった競争ではなく、他社との差別化として、GOLDカード以上のプレミアム層・法人(個人事業主・SME(Small and Medium Enterprises:中小企業))を中心とした高稼働・高単価の顧客シェアを拡大させ、この領域での存在感を発揮し収益拡大を目指しております。生産性を向上させ筋肉質な体制基盤の構築を目指し、組織・業務のシンプル化及びDXによるオペレーション業務の効率化を実施し、また市況に合わせたサービス改定や、DX推進によるUIUX改善を順次実施しております。マーケット及び個々のニーズに最適化された金融サービスをグループ一体となって提供することで、お客様の感動体験を追求し、メインカード化を引き続き目指してまいります。また、法人領域においては、SMEマーケットに資源を投下し、顧客の資金ニーズに応えるためにグループや提携先企業とも営業連携しながら、ビジネスカードと法人関連商材のクロスセルの取り組みを加速させ、法人マーケットのシェアも拡大してまいります。
<今年度の新たな取り組みの一例>
・2024年4月より、スルガ銀行㈱の中小企業経営者・個人事業主のお客様向けに、ビジネスシーンに役立つ機能やサービスに加え、特別感も享受いただけるクレジットカード「スルガ・セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード」の取扱を開始
・2024年5月、流通企業系グループ「ベイシアグループ」の㈱ベイシア、㈱カインズと提携し、最短5分で入会からバーコード決済までをアプリ完結する提携クレジットカードの発行を発表
・2024年5月より、企業間決済カード「パーチェシングカード」にて、バーチャルカード番号を活用した購買管理機能の提供を開始
・2024年6月、ソニー生命保険㈱と多様化するお客様のニーズにお応えすることを目指し、業務提携に向けた基本合意を締結
・2024年6月より、増加するインバウンドのお客様の決済ニーズに応えるため、ビザ・ワールドワイド・ジャパン㈱と連携し、公共交通機関におけるクレジットカードやデビットカード等のタッチ決済の導入支援を開始
・2024年6月より、今後増加が見込まれる外国人留学生や労働者など日本にお住まいの外国籍のお客様をサポートするためのポータルサイト「SAISON JP Life Assist」を公開
・2024年7月より、お客様に合わせて入力項目を最適化する新しいAIを活用したカード申込フォームの提供を開始。本機能は特許を出願
・2024年9月より、大分空港と湯布院間を運行する空港バス路線「湯布院ライナー」でタッチ決済対応のカード(クレジット、デビット、プリペイド)や、同カードが設定されたスマートフォン等による乗車サービスの実証実験を開始
・2024年10月より、スルガ銀行㈱の個人のお客様を対象に、「スルガ・セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード」「スルガ・セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス®・カード」の取扱を開始
・2024年10月より、1回払い・ボーナス一括払いのご利用分をあとから「分割払い」に変更いただける「あとから分割」をリリース
・2024年11月より、セゾン投信㈱が直接販売にて提供する投資信託のスポット購入時に、永久不滅ポイントを利用できるサービスを開始。また、ポイント投資提供開始に合わせて、スポット購入の最低購入金額を10,000円から5,000円に引き下げ
・2024年11月より、㈱カインズ・㈱くみまちフィンテックと連携しポイント還元率最大3.0%の新クレジットカード「CAINZセゾンカード」の取扱とカインズ初のスマホ決済サービス「CAINZ Pay」の提供を開始
・2024年12月より、クレジットカード業界初の取り組みとして、国内外72施設を運営する㈱星野リゾートの宿泊施設の公式サイト上で永久不滅ポイントを宿泊代として利用することができるサービスを開始
・2024年12月より、大和コネクト証券㈱が提供するポイント投資サービスにおいて、永久不滅ポイントの利用を開始
・2025年1月より、金融機関を通じた全国の中小企業の従業員のエンゲージメント向上の取り組みの一環として、大阪シティ信用金庫における福利厚生サービス「セゾンフクリコ」の紹介業務を開始
・2025年1月より、顧客の嗜好に合わせた情報提供でライフスタイル向上を目指し、富裕層向け広告サービス「ハイエンドライフスタイル提案」の提供を開始
・2025年3月より、全国のTOHOシネマズで毎週木曜日に当社が発行するカード会員様を対象に、映画を1,200円で鑑賞できる「セゾンの木曜日」を開始
※「アメリカン・エキスプレス」は、アメリカン・エキスプレスの登録商標です。㈱クレディセゾンは、アメリカン・エキスプレスのライセンスに基づき使用しています。
上記のような諸施策に取り組んだ結果、当連結会計年度における主要指標は、新規カード会員数は138万人(前期比19.9%減)、カード会員数は2,342万人(前期末比4.9%減)、カードの年間稼動会員数は1,353万人(前期比1.3%減)となりました。また、ショッピング取扱高は5兆9,870億円(前期比5.3%増)、カードキャッシング取扱高は1,542億円(前期比7.1%減)、ショッピングのリボルビング残高は4,905億円(前期末比8.2%増)、カードキャッシング残高は1,926億円(前期末比1.5%増)となりました。
当連結会計年度における純収益は、2,560億14百万円(前期比8.8%増)、事業利益は303億28百万円(前期比57.4%増)となりました。
(A) 取扱高
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
カードショッピング |
5,687,693 |
5,987,041 |
|
カードキャッシング |
165,968 |
154,224 |
|
証書ローン |
2,554 |
2,081 |
|
プロセシング |
3,016,958 |
3,250,704 |
|
ペイメント関連 |
229,431 |
239,563 |
|
ペイメント事業計 |
9,102,607 |
9,633,616 |
(注)上記の区分別取扱高の内容及び範囲、主な手数料等の状況は次のとおりであります。
|
カードショッピング |
取扱高は、当社が発行するクレジットカードによるカード会員のショッピング利用額であります。カードショッピングにより得られる主な手数料〔主要な料率〕は、カード会員がリボルビング払い等を利用した場合の会員(顧客)手数料〔クレジット対象額に対して実質年率9.6%~15.0%〕、加盟店より得られる加盟店手数料〔クレジット対象額の平均料率1.2%〕であります。 |
|
カードキャッシング |
取扱高は、当社グループが発行するクレジットカード又はローン専用カードによるカード会員のキャッシング利用額であります。カードキャッシングにより得られる主な手数料〔主要な料率〕は、利息〔融資額に対して実質年率2.8%~18.0%〕であります。 |
|
証書ローン
|
取扱高は、当社グループがカードキャッシング以外で直接会員又は顧客に金銭を貸付ける取引における融資元本の期中平均残高であります。主な手数料〔主要な料率〕は、利息〔融資額に対して実質年率3.8%~17.4%〕であります。 |
|
プロセシング
|
取扱高は、当社がプロセシング業務を受託している会社のカードによるショッピング及びキャッシング利用額であります。手数料については提携会社より得られる代行手数料等であります。 |
(B) 純収益
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
カードショッピング |
152,143 |
166,054 |
|
カードキャッシング |
25,166 |
25,236 |
|
証書ローン |
344 |
265 |
|
プロセシング |
27,829 |
30,068 |
|
業務代行 |
5,790 |
6,068 |
|
ペイメント関連 |
21,491 |
23,803 |
|
金融収益 |
741 |
2,419 |
|
セグメント間の内部純収益又は振替高 |
1,730 |
2,098 |
|
ペイメント事業計 |
235,237 |
256,014 |
(C) 会員数及び利用者数
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
クレジットカード発行枚数(枚) |
24,628,919 |
23,421,959 |
|
利用者数 |
|
|
|
カードショッピング(人) |
9,076,546 |
8,885,387 |
|
カードキャッシング(人) |
573,888 |
571,698 |
|
証書ローン(人) |
8,219 |
6,111 |
|
プロセシング(件) |
16 |
21 |
|
ペイメント関連(人) |
142,221 |
165,573 |
(注)1 クレジットカード発行枚数は自社カードと提携カードの発行枚数の合計であります。
2 利用者数は主として2024年3月及び2025年3月における顧客に対する請求件数であります。
<リース事業>
事業者の設備投資計画に合わせ、OA通信機器や厨房機器などを中心に営業を推進しております。既存主力販売店への営業活動深耕・関係構築に加え、新たな市場・物件の取扱を開始し、より収益性の高い債権を積む方針へと転換しました。当連結会計年度における取扱高は1,505億円(前期比2.5%増)、純収益は133億46百万円(前期比6.4%増)、一方、貸倒コストが増加した結果、事業利益は41億10百万円(前期比5.6%減)となりました。
(A) 取扱高
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
リース |
146,819 |
150,505 |
(注)上記の区分別取扱高の内容及び範囲、主な手数料等の状況は次のとおりであります。
|
リース |
当社が顧客に事務用機器等を賃貸するファイナンス・リース取引であり、取扱高の範囲はリース契約額であります。主な手数料〔主要な料率〕は、リース契約残高に含まれる利息〔リース契約期間に応じてリース取得価額の1.4%~4.6%〕であります。 |
(B) 純収益
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
リース |
12,542 |
13,344 |
|
金融収益 |
- |
0 |
|
セグメント間の内部純収益又は振替高 |
1 |
1 |
|
リース事業計 |
12,544 |
13,346 |
(C) 利用者数
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
リース(件) |
447,481 |
457,963 |
(注) 利用者数は主として連結会計年度末における残高保有件数であります。
<ファイナンス事業>
信用保証事業、ファイナンス関連事業から構成されております。信用保証事業では、金融機関向け「住宅ローン保証」が好調に推移し、保証商品のラインナップを広げるとともに、地域金融機関等とのきめ細かな連携体制の構築に努めました。その結果、当連結会計年度における保証残高(金融保証負債控除前)は7,460億円(前期末比33.7%増)、提携先数は合計で404先(前期末差増減なし)となりました。
ファイナンス関連事業では、「フラット35」及び「セゾンの資産形成ローン」については従来同様、良質な資産の積み上げに取り組みました。「フラット35」については、長期金利上昇に伴いフラット35市場の融資実行金額が、前期比17.1%減少し、当連結会計年度の実行金額は796億円(前期比33.9%減)、サービシング債権残高等は1兆3,619億円(前期末比0.8%減)となりました。「セゾンの資産形成ローン」については、高年収顧客を中心とした良質な債権の積み上げにより、当連結会計年度の実行金額は1,494億円(前期比50.7%増)、貸出残高は7,302億円(前期末比0.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるファイナンス事業の債権残高は1兆2,536億円(前期末比5.8%増)、当連結会計年度における純収益は693億61百万円(前期比18.6%増)、事業利益は386億75百万円(前期比36.8%増)となりました。
※フラット35市場の動向については、独立行政法人住宅金融支援機構が開示している「[フラット35]の申請戸数等について」を参照しております。
(A) 取扱高
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
信用保証 |
264,015 |
339,206 |
|
ファイナンス関連 |
1,115,979 |
1,181,888 |
|
ファイナンス事業計 |
1,379,995 |
1,521,095 |
(注) 上記の区分別取扱高の内容及び範囲、主な手数料等の状況は次のとおりであります。
|
信用保証 |
提携金融機関が行っている融資に関して、当社グループが顧客の債務を保証する取引であり、取扱高の範囲は保証元本であります。主な手数料〔主要な料率〕は、保証残高に対して得られる保証料〔平均保証料率6.5%〕であります。 |
|
ファイナンス関連 |
当社グループが直接顧客に金銭を貸付ける取引等であり、取扱高の範囲は融資元本の期中平均残高であります。主な手数料〔主要な料率〕は、不動産融資におきましては利息〔融資額に対して実質年率1.5%~15.0%と諸手数料(融資額の3.0%以内)〕であります。 |
(B) 純収益
|
|
|
(単位:百万円) |
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
信用保証 |
19,124 |
22,024 |
|
ファイナンス関連 |
39,377 |
47,337 |
|
ファイナンス事業計 |
58,502 |
69,361 |
(C) 利用者数
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
信用保証(件) |
243,311 |
244,735 |
|
ファイナンス関連(件) |
82,914 |
83,366 |
(注)1 信用保証は連結会計年度末における残高保有件数であります。
2 ファイナンス関連は主として2024年3月及び2025年3月における顧客に対する請求件数であります。
<不動産関連事業>
不動産事業、不動産賃貸事業等から構成されております。当連結会計年度は、堅調な市況を背景に、実需向けの不動産を中心に需要が継続したことにより、純収益は282億95百万円(前期比18.2%増)、一方、前期に計上した不動産信託受益権売却益等の反動減により事業利益は162億73百万円(前期比0.8%減)となりました。
<グローバル事業>
インド・東南アジア・ラテンアメリカ地域にてアンダーサーブド層をメインターゲットとしたレンディング事業及びFintech、Web3領域を中心に有望なスタートアップやVCファンドへの投資を行うインベストメント事業を展開しております。インドのKisetsu Saison Finance(India)Pvt. Ltd.では、中小零細企業向け貸付(ブランチレンディング)や個人向け貸付(エンベデッドファイナンス)を中心に着実に債権残高を拡大させるとともに、与信・リスク管理をさらに強化しつつ、各プロダクトのバランスを保ちながら、引き続き健全で持続的な成長に取り組んでおります。これらの結果、当連結会計年度での債権残高(貸倒引当金控除前)は3,064億円(前期末比42.4%増)となりました。ベトナムのHD SAISON Finance Co., Ltd.においても引き続き債権残高の拡大とともに債権の良質化に努め、またブラジルとメキシコのレンディング子会社においても事業開発・組織体制の両面から基盤構築を進め、現地パートナーとの提携戦略を通じて、着実に投融資実績を積み上げております。
以上の結果、当連結会計年度の純収益は515億20百万円(前期比89.4%増)となりました。レンディング事業が好調に推移した結果、事業利益は33億84百万円(前期比36.6%増)となりました。
<エンタテインメント事業>
アミューズメント事業等から構成されております。地域に支持される健全で安心・快適な店作りに取り組んでおります。当連結会計年度は、純収益は66億65百万円(前期比5.5%増)、新店舗の開設及び既存店舗の見直しにより事業利益は14億20百万円(前期比31.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動に使用したキャッシュ・フローは、2,491億74百万円の支出(前連結会計年度は2,134億4百万円の支出)となりました。
これは主に、税引前利益927億86百万円の計上による収入がある一方で、営業債権及びその他の債権の純増額2,864億81百万円の支出、営業債務及びその他の債務の純減額386億15百万円の支出によるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用したキャッシュ・フローは、152億52百万円の支出(前連結会計年度は857億54百万円の支出)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による632億96百万円の収入及び投資有価証券の売却等による261億74百万円の収入がある一方で、定期預金の預入による522億82百万円の支出、投資不動産の取得による381億15百万円の支出によるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動により得られたキャッシュ・フローは、2,972億51百万円の収入(前連結会計年度は2,466億99百万円の収入)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による2,599億26百万円の支出及び社債の償還による600億円の支出がある一方で、長期借入れによる4,838億62百万円の収入、社債の発行による1,901億32百万円の収入によるものです。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して、306億54百万円増加し、1,393億99百万円となりました。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針並びに見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は「経営成績等の状況の概要」で述べたとおり、純収益は4,228億18百万円(前期比16.9%増)、事業利益は936億21百万円(前期比30.1%増)、税引前利益は927億86百万円(前期比5.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は663億97百万円(前期比9.0%減)となりました。
① 純収益
表1は、純収益の内訳を記載しております。当連結会計年度は、「ペイメント事業」のショッピング取扱高や「ファイナンス事業」の債権残高が堅調に推移したことに加え、「グローバル事業」の海外におけるレンディング事業の貸付残高の拡大等により、純収益は4,228億18百万円(前期比16.9%増)となりました。
表1 連結損益計算書の主要項目
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
ペイメント事業収益 |
232,765 |
251,496 |
8.0 |
|
リース事業収益 |
12,542 |
13,344 |
6.4 |
|
ファイナンス事業利益 |
58,502 |
69,361 |
18.6 |
|
不動産関連事業利益 |
23,522 |
27,999 |
19.0 |
|
グローバル事業収益 |
25,036 |
48,206 |
92.5 |
|
エンタテインメント事業利益 |
6,319 |
6,665 |
5.5 |
|
金融収益 |
2,915 |
5,744 |
97.0 |
|
純収益合計 |
361,604 |
422,818 |
16.9 |
表2は、表1のペイメント事業収益の内訳であります。
表2 ペイメント事業収益の内訳
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
カードショッピング |
152,143 |
166,054 |
9.1 |
|
うち加盟店手数料 |
86,576 |
88,335 |
2.0 |
|
うち顧客手数料 |
54,346 |
64,743 |
19.1 |
|
うち年会費等 |
11,220 |
12,974 |
15.6 |
|
カードキャッシング |
25,166 |
25,236 |
0.3 |
|
証書ローン |
344 |
265 |
△23.0 |
|
プロセシング |
27,829 |
30,068 |
8.0 |
|
業務代行 |
5,790 |
6,068 |
4.8 |
|
ペイメント関連 |
21,491 |
23,803 |
10.8 |
|
ペイメント事業収益合計 |
232,765 |
251,496 |
8.0 |
② 販売費及び一般管理費・金融資産の減損
表3は、販売費及び一般管理費並びに金融資産の減損の内訳を記載したものであります。販売費及び一般管理費・金融資産の減損は、ショッピング取扱高増加による連動費用の増加やグローバル事業の拡大に伴う費用の増加により、3,049億82百万円(前期比8.5%増)となりました。
表3 販売費及び一般管理費・金融資産の減損の内訳
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
貸倒関連費用 |
40,601 |
43,283 |
6.6 |
|
うち金融資産の減損(債権) |
30,176 |
35,579 |
17.9 |
|
うち金融資産の減損(金融保証契約) |
8,108 |
7,704 |
△5.0 |
|
うち利息返還損失引当金繰入額 |
2,315 |
- |
- |
|
貸倒関連費用を除く販売費及び一般管理費 |
240,462 |
261,698 |
8.8 |
|
うち広告宣伝費 |
29,409 |
35,421 |
20.4 |
|
うちポイント引当金繰入額 |
19,106 |
22,021 |
15.3 |
|
うち人件費(従業員給付費用) |
57,171 |
58,887 |
3.0 |
|
うち支払手数料 |
73,956 |
82,597 |
11.7 |
|
販売費及び一般管理費・金融資産の減損合計 |
281,064 |
304,982 |
8.5 |
③ 金融費用
金融費用は、397億70百万円(前期比59.7%増)となりました。
④ 持分法による投資利益
持分法による投資利益は、前期に計上した負ののれん発生益の反動減などの影響より、130億30百万円(前期比55.5%減)となりました。
⑤ その他の収益
その他の収益は、53億4百万円(前期比62.6%減)となりました。
⑥ その他の費用
その他の費用は、42億75百万円(前期比198.2%増)となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は663億97百万円(前期比9.0%減)となりました。
(3) 割賦売掛金の状況及び債権リスクの状況
以下の分析におきましては、連結財務諸表の報告数値に基づく情報(以下「報告ベース」という。)に加え、「貸倒引当金」を直接控除する前の情報(以下「管理ベース」という。)を記載しております。なお、管理ベースの情報は、条件変更が行われた債権及び求償債権について、対象債権から貸倒引当金を控除する前の情報を記載しております。
また、文中で特に断りが無い限り、当該情報は管理ベースの情報であります。これは、事業運営に際して、特に事業の動向を把握する際、控除される債権も含め、一括して捉えることが不可欠であると考えているからであります。
表4は、割賦売掛金残高の内訳を記載したものであり、カッコ書きによって報告ベースの数値を表示しております。当連結会計年度末の割賦売掛金残高は、管理ベースでは3兆3,335億33百万円(前期末比8.4%増)、報告ベースでは3兆2,323億97百万円(前期末比8.3%増)となりました。
表4 割賦売掛金残高の内訳(管理ベース。ただし、カッコ内の数値は報告ベース。)
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|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
ペイメント事業計 |
1,574,028 |
1,662,799 |
5.6 |
|
(1,496,895) |
(1,576,429) |
(5.3) |
|
|
うちカードショッピング |
1,273,885 |
1,360,741 |
6.8 |
|
(参考)リボルビング払い債権 |
453,412 |
490,500 |
8.2 |
|
うちカードキャッシング |
189,741 |
192,615 |
1.5 |
|
うち証書ローン |
3,130 |
2,377 |
△24.0 |
|
うちプロセシング |
106,892 |
106,488 |
△0.4 |
|
うちペイメント関連 |
379 |
576 |
52.1 |
|
リース事業計 |
84,826 |
85,913 |
1.3 |
|
(80,925) |
(81,971) |
(1.3) |
|
|
ファイナンス事業計 |
1,184,750 |
1,253,695 |
5.8 |
|
(1,180,348) |
(1,250,481) |
(5.9) |
|
|
うち信用保証 |
1,609 |
1,824 |
13.4 |
|
うちファイナンス関連 |
1,183,141 |
1,251,870 |
5.8 |
|
不動産関連事業計 |
25 |
28 |
10.0 |
|
(8) |
(9) |
(12.2) |
|
|
グローバル事業計 |
231,274 |
331,097 |
43.2 |
|
(226,762) |
(323,505) |
(42.7) |
|
|
割賦売掛金残高 |
3,074,906 |
3,333,533 |
8.4 |
|
(2,984,939) |
(3,232,397) |
(8.3) |
表5は、営業債権に対する延滞及び引当状況を記載したものであります。
管理ベースの割賦売掛金残高、買取債権及びファイナンス・リース債権残高に偶発負債を加算した残高(以下「営業債権」という。)のうち、3ヶ月以上延滞債権残高は979億13百万円(前期末比21.3%増)となりました。これに対する当連結会計年度末の貸倒引当金残高は、1,088億95百万円(前期末比12.3%増)となりました。これらの結果、3ヶ月以上延滞債権残高に対する充足率は前期末の177.2%から149.2%に低下いたしました。
表5 営業債権に対する延滞及び引当状況
|
|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
営業債権残高 ① |
4,306,328 |
4,888,192 |
13.5 |
|
3ヶ月以上延滞債権残高 ② |
80,695 |
97,913 |
21.3 |
|
②のうち担保相当額 ③ |
25,974 |
24,920 |
△4.1 |
|
貸倒引当金残高 ④ |
96,962 |
108,895 |
12.3 |
|
3ヶ月以上延滞比率(=②÷①) |
1.9% |
2.0% |
- |
|
3ヶ月以上延滞債権に対する充足率 (=④÷(②-③)) |
177.2% |
149.2% |
- |
|
(参考)担保相当額控除後3ヶ月 以上延滞比率(=(②-③)÷①) |
1.3% |
1.5% |
- |
表6は、当社グループの貸倒引当金の動態を記載したものであります。
表6 貸倒引当金の動態
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
伸び率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
期首貸倒引当金残高 |
85,040 |
98,912 |
16.3 |
|
増加 |
37,677 |
43,052 |
14.3 |
|
減少 |
23,804 |
31,918 |
34.1 |
|
期末貸倒引当金残高 |
98,912 |
110,046 |
11.3 |
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 調達政策
当社グループでは資金調達において安定性とコストを重視し、調達手法の多様化を図っております。主な調達方法では、銀行、系統金融機関、生命保険会社、損害保険会社との相対取引のほか、シンジケートローンやコミットメントラインの設定といった間接調達、また社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行等の直接調達に取り組んでおります。当連結会計年度末の連結有利子負債(リース負債166億円を含む)は3兆4,044億円であり、 借入金58.4%、社債20.6%、CP12.8%、営業債権の流動化等8.1%から構成されております。
間接調達については既存取引先とのリレーションを図る一方で、長期の安定的な取引が望める金融機関を対象に、新たな取引先を開拓し調達先の分散化を図るなど、リファイナンスリスクの軽減及びコスト削減に努めております。また、直接調達については社債やCP以外に、当社の信用状況に左右されない債権の流動化など資金調達手法の多様化により、流動性リスクの軽減やコスト削減を図っております。
当社では資本市場から円滑な資金調達を行うため、国内で発行する債券について㈱格付投資情報センター(R&I)から国内無担保社債「A+」、国内CP「a-1」、㈱日本格付研究所(JCR)より国内無担保社債「AA-」、国内CP「J-1+」の債格付けを取得しております。
② 流動性の確保
当社グループの保有する資産のうち69.2%がペイメント事業を中心とした割賦売掛金であり、その回転率も年間平均3回であり、高い流動性を維持しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社個別における営業貸付金の状況は以下のとおりです。
① 貸付金の種別残高内訳
|
|
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
|
|
貸付種別 |
件数 |
残高 |
平均約定金利 |
|||
|
|
構成割合 |
|
構成割合 |
|||
|
消費 者向 |
無担保 (住宅向を除く) |
件 |
% |
百万円 |
% |
% |
|
605,680 |
89.88 |
177,452 |
10.34 |
14.43 |
||
|
有担保 (住宅向を除く) |
32 |
0.00 |
2,786 |
0.16 |
3.04 |
|
|
住宅向 |
67,782 |
10.06 |
940,109 |
54.78 |
2.36 |
|
|
計 |
673,494 |
99.94 |
1,120,347 |
65.28 |
4.27 |
|
|
事業 者向 |
計 |
372 |
0.06 |
595,857 |
34.72 |
1.70 |
|
合計 |
673,866 |
100.00 |
1,716,204 |
100.00 |
3.38 |
|
(注)事業者向貸付残高には、関係会社向け貸付553,946百万円が含まれております。
② 資金調達内訳
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
|
借入先等 |
残高 |
平均調達金利 |
|
|
金融機関等からの借入 |
百万円 |
% |
|
|
1,727,500 |
0.86 |
||
|
関係会社 |
9,020 |
1.77 |
|
|
その他 |
1,347,754 |
0.60 |
|
|
|
社債・CP |
1,125,467 |
0.59 |
|
合計 |
3,084,275 |
0.75 |
|
|
自己資本 |
688,226 |
- |
|
|
|
資本金・出資額 |
75,929 |
- |
(注)当事業年度における貸付金譲渡金額は、96百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
|
|
業種別 |
先数 |
残高 |
||
|
|
構成割合 |
|
構成割合 |
|
|
製造業 |
件 |
% |
百万円 |
% |
|
7 |
0.00 |
3 |
0.00 |
|
|
建設業 |
22 |
0.00 |
15 |
0.00 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
- |
- |
- |
- |
|
運輸・通信業 |
4 |
0.00 |
2 |
0.00 |
|
卸売・小売業、飲食店 |
30 |
0.00 |
24 |
0.00 |
|
金融・保険業 |
7 |
0.00 |
367,176 |
21.39 |
|
不動産業・物品賃貸業 |
40 |
0.01 |
219,759 |
12.80 |
|
サービス業 |
12 |
0.00 |
2,598 |
0.15 |
|
個人 |
664,203 |
99.99 |
1,120,347 |
65.29 |
|
その他 |
25 |
0.00 |
6,277 |
0.37 |
|
合計 |
664,350 |
100.00 |
1,716,204 |
100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
|
受入担保の種類 |
残高 |
構成割合 |
|
|
有価証券 |
百万円 |
% |
|
|
2 |
0.00 |
||
|
|
うち株式 |
2 |
0.00 |
|
債権 |
- |
- |
|
|
|
うち預金 |
- |
- |
|
商品 |
- |
- |
|
|
不動産 |
838,743 |
48.87 |
|
|
財団 |
- |
- |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
計 |
838,746 |
48.87 |
|
|
保証 |
111,294 |
6.49 |
|
|
無担保 |
766,163 |
44.64 |
|
|
合計 |
1,716,204 |
100.00 |
|
⑤ 期間別貸付金残高内訳
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
|
|
期間別 |
件数 |
残高 |
||
|
|
構成割合 |
|
構成割合 |
|
|
1年以下 |
件 |
% |
百万円 |
% |
|
606,256 |
89.97% |
736,597 |
42.92% |
|
|
1年超 5年以下 |
353 |
0.05% |
34,813 |
2.03% |
|
5年超 10年以下 |
260 |
0.04% |
9,776 |
0.57% |
|
10年超 15年以下 |
554 |
0.08% |
2,674 |
0.16% |
|
15年超 20年以下 |
1,126 |
0.17% |
8,096 |
0.47% |
|
20年超 25年以下 |
2,040 |
0.30% |
20,385 |
1.19% |
|
25年超 |
63,277 |
9.39% |
903,860 |
52.66% |
|
合計 |
673,866 |
100.00% |
1,716,204 |
100.00% |
|
1件当たりの平均約定期間 |
2.90年 |
|
|
|
(注)期間は約定期間によっております。
2024年4月1日施行の「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(令和5年12月22日 令和5年内閣府令第81号)第3条第4項の経過措置により、この府令に規定された記載すべき事項のうち、府令の施行前に締結された契約に係るものについては、記載を省略しております。
当社の連結子会社であるKisetsu Saison Finance (India) Pvt. Ltd.(所在地:IndiQube Lexington Tower, 1st Floor Tavarekere Main Road, S G Palya Bengaluru Bangalore KA 560029 IN、代表者:Presha Paragash)は、下記のとおり金銭消費貸借契約の締結をしております。契約に関する内容等は次の通りであります。
|
属性 |
契約締結日 |
借入残高 |
返済期限 |
担保の内容 |
財務条項内容 |
|
インド民営銀行 |
2024年6月10日 |
333.69 |
2027年9月20日 |
現在および将来債権(顧客への貸付債権に対する第一順位かつ同順位の担保権を設定) |
CRAR(リスク加重資産に対する自己資本比率):15%以上等(同種の特約を含む) |
|
2024年6月14日 |
2025年4月11日 |
||||
|
2024年9月20日 |
2027年9月25日 |
||||
|
2027年10月30日 |
|||||
|
2027年11月25日 |
|||||
|
2027年11月27日 |
|||||
|
2028年2月24日 |
|||||
|
2024年9月27日 |
2027年12月27日 |
||||
|
2027年12月30日 |
|||||
|
2028年1月28日 |
|||||
|
2024年11月25日 |
2027年11月27日 |
||||
|
2025年3月25日 |
2028年3月28日 |
||||
|
インド国営銀行 |
2024年5月29日 |
656.52 |
2025年1月27日 |
||
|
2028年3月30日 |
|||||
|
2024年6月13日 |
2028年6月27日 |
||||
|
2028年9月27日 |
|||||
|
2024年6月20日 |
2028年6月30日 |
||||
|
2024年7月18日 |
2027年8月31日 |
||||
|
2024年9月10日 |
2027年9月25日 |
||||
|
2024年9月25日 |
2029年9月30日 |
||||
|
2029年11月30日 |
|||||
|
2024年11月13日 |
2026年12月30日 |
||||
|
2024年12月23日 |
2028年12月27日 |
||||
|
2024年12月30日 |
2028年12月31日 |
||||
|
2025年3月21日 |
2028年3月27日 |
||||
|
2025年3月25日 |
2029年3月27日 |
||||
|
インド小規模銀行 |
2024年12月26日 |
21.88 |
2025年6月25日 |
||
|
インド非銀行金融会社(NBFC) |
2024年8月30日 |
11.38 |
2025年8月30日 |
||
|
外国銀行(シンガポール民営銀行) |
2024年5月15日 |
127.12 |
2027年8月28日 |
||
|
2027年8月27日 |
|||||
|
2025年3月25日 |
2028年3月28日 |
||||
|
外国銀行(日本都市銀行) |
2024年7月4日 |
105.00 |
2025年4月2日 |
||
|
2024年12月26日 |
|||||
|
外国銀行(台湾民営銀行) |
2025年3月25日 |
37.61 |
2028年3月28日 |
||
|
外国銀行(バーレーン/クウェート政府系金融機関) |
2024年6月21日 |
8.75 |
2025年9月24日 |
|
|
|
外国銀行(ドイツ民営銀行) |
2025年3月18日 |
52.50 |
2025年9月23日 |
|
|
該当事項はありません。