当連結会計年度のわが国経済は、企業収益や雇用情勢は改善傾向にあり、個人消費につきましては、実質賃金が伸びていないことから、足踏み状態ではありますが、総じてみれば底堅い動きとなっており、景気は緩やかな回復基調が続いています。しかしながら、アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国経済をはじめとした、アジア新興国や資源国等の景気の下振れ等、わが国景気を下押しするリスクもあります。又、こうしたなかで、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況にあります。
百貨店業界におきましては、4月以降の売上高が、7ヶ月連続で前年同月比プラスを確保する等、平成26年の消費増税の反動からは回復の傾向が見られましたが、この冬は暖冬の影響から衣料品が振るわず、年度後半にかけては厳しい状況になりました。又、依然大都市の百貨店を中心にインバウンド効果等を背景に化粧品や美術・宝飾・貴金属が好調に推移し業績を伸ばしておりますが、一方、多くの地方・郊外の百貨店は一進一退の状況が続いており、地域によって業績に差が出ています。
このような状況の下、当社におきましては、今年度から2年間の新中期経営計画を策定し、「百貨店事業の強化」、「関連事業及び新規事業への取り組み」、「財務体質の強化」、「人材育成の強化と組織風土の改革」の4つの主要課題に対応するための施策実行に全社を挙げて取り組んでまいりました。
当連結会計年度における営業の状況につきましては、期初の3月の売上高は、平成26年4月の消費増税前の駆け込み需要による大幅増の反動から前年同月比で大幅にマイナスとなったものの、4月、5月は、消費増税直後の買い控えによる大幅減の反動や川崎店閉店セールが好調に推移したことにより前年同月比で大幅にプラスとなりました。しかしながら、6月以降は、川崎店閉店による規模縮小により、売上高は前年同月比で大きく減少いたしました。
このような経営環境の変化を踏まえ、当連結会計年度において実施した営業施策といたしましては、「百貨店事業の強化」のため、3月から横須賀店のリモデルに着手し、6月に大型テナントの「洋服のサカゼン」を導入し、リモデルを完了いたしました。川崎店につきましては、6月3日から、川崎駅東口の川崎日航ホテル3階にサテライト型店舗を出店し、旧川崎店から引き続き川崎地区のお客様との接点を確保する体制を構築し、お中元、お歳暮や学生服の受注におきましては、当初の予定を上回る受注を頂いております。藤沢店につきましては、6月に地階食料品フロアに製菓材料の「富澤商店」、9月には6階リビング用品・インテリアフロアにキッチンのトータルライフショップ「金山新吉」を導入した他、洋雑貨店等の新規ショップを導入し、地元色を強化したフロアに刷新いたしました。又、11月には7階におきましてギフトラッピングの新ショップをオープンした他、期間限定で「東急ハンズトラックマーケット」を開催し、藤沢店のご来店客数は、前年を上回る推移となりました。この他、外商担当者を全社で増員し、更なる営業体制の強化を行いました。又、「関連事業及び新規事業への取り組み」として、新たに担当部長2名を経営企画部に配置する等、積極的に取り組むための体制を強化いたしました。
この他、「財務体質の強化」として、ローコストオペレーションを更に推進するため、各種経費の削減に努めるとともに、費用配分の見直しを含めた効果的な経費運用に取り組んだ他、「人材育成の強化と組織風土の改革」として、外部コンサルタントを活用し、人材育成に係わる制度を見直し、新たな人材育成制度の再構築をスタートいたしました。
以上のような施策を積極的に展開しましたが、川崎店閉店による規模縮小の影響や、前年は町田ジョルナの固定資産譲渡益があったこと等により減収減益となり、売上高は264億6千1百万円(前連結会計年度比75.1%)、営業利益は3億9千4百万円(前連結会計年度比72.3%)、経常利益は3億2千9百万円(前連結会計年度比82.0%)となりました。又、藤沢店の固定資産の減損損失を計上した事により45億7千8百万円の当期純損失(前連結会計年度は30億5千9百万円の当期純利益)となりました。
セグメントの業績については、当社グループは百貨店業の単一セグメントのため、記載しておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億3千3百万円減少し、13億3千2百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億9千9百万円の支出(前連結会計年度は16億6千7百万円の収入)となりました。主な増加項目は、減損損失50億6千7百万円及び減価償却費6億5千万円等によるものであり、主な減少項目は、税金等調整前当期純損失47億5千7百万円及び仕入債務の減少額11億7百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9千8百万円の支出(前連結会計年度は54億5千1百万円の収入)となりました。主な増加項目は、差入保証金の回収による収入4億3千1百万円等であり、主な減少項目は、有形固定資産の取得による支出2億8千3百万円及び長期前払費用の取得による支出2億7千4百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億3千6百万円の支出(前連結会計年度比50億9千3百万円の支出の減少)となりました。主な減少項目は、長期借入金の純減少額3億8千7百万円等によるものであります。
(1) 当社グループは、百貨店業の単一セグメントであり、生産及び受注については該当事項はありません。
当社グループは、百貨店業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売の状況は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前連結会計年度比 |
百貨店業 | 26,461,157 | 75.1 |
(注) 1 連結会社間取引については、相殺消去しております。
(注) 2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
わが国の経済情勢の先行きを展望いたしますと、企業収益や雇用情勢は改善傾向にあることから、今後も緩やかに回復していくことが期待されます。しかしながら、中国経済をはじめとした、アジア新興国や資源国の景気の下振れ等、景気を下押しするリスクもあり、予断を許さない状況となっています。
当社を取り巻く環境につきましても、依然として近隣商業施設や商圏間の競争は激しく、又、商圏内人口の減少や高齢化等もあり、営業環境は厳しさを増しております。
このような状況に加え、地方・郊外型の百貨店の業績は一進一退の状況が続いている他、個人消費の先行きも不透明であることから、当社におきましては、売上減少に歯止めをかけ収益力向上を図るための営業施策の策定及び実行が喫緊の課題となっております。
又、財務面においても、今後の借入金返済計画を確実に履行するため、ローコストオペレーションを継続し、安定したキャッシュフローを確保するとともに、自己資本の充実を図り、財務基盤を強化する必要があります。
以上のような経営環境の先行きと課題を踏まえ、以下の課題に取り組んでまいります。
① 百貨店事業の強化
藤沢店・横須賀店の2店舗において、平成28年2月期に導入した新規テナントや既存の大型テナントと協調しながら、販売計画を見直すとともに媒体戦略を強化し、商圏のお客様の来店促進と店舗売上高の向上を図る他、川崎地区のお客様との関係強化を図るため、川崎店の外商担当を増員する他、各店の外商部門の体制を見直し営業活動の強化を図ります。
② 関連事業および新規事業への取り組み
川崎店(サテライト型店舗)、町田ジョルナ店(店舗運営管理業務受託)の運営を引き続き展開し、収益力の向上を図る他、百貨店運営のノウハウを活用した関連事業や新規事業を積極的に展開してまいります。
③ 財務体質の強化
経営の安定化を確実なものとするためには、今後も、全社において経費削減等によるローコストオペレーションの継続と、百貨店事業を核とした収益力の向上により自己資本の充実を図ります。
④ 人材育成の強化と組織風土の改革
当社グループの安定的な事業運営と今後の成長を実現させるため、引き続き外部コンサルタントの活用等を含めた人材育成に関する投資を行うとともに、女性・若手社員の登用等を積極的に行い、全社一体となって当社グループの成長を推進する組織風土の醸成に取り組んでまいります。
1.災害リスク
当社グループは、川崎、横須賀、藤沢、町田というほぼ同一地域内において店舗展開していることから、自然災害や事故等により、店舗運営に大きな影響が及ぶ可能性があります。
特に火災や地震等により災害が発生した場合には、被害者への損害賠償や建物および保管商品・保有資産等への甚大な被害が生じ、これらが当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。
2.環境リスク
当社グループは、百貨店業を展開しておりますが、気候状況、景気動向や消費者動向等の経済状況、疾病や騒乱等の社会状況、又、同一商圏内における同業・異業種参入による競争状況等により、当社グループの業績や財務状況に大きな影響が及ぶことが考えられます。
3.製品リスク
当社グループは、百貨店業において衣料品、身回品、雑貨、食料品をはじめとした各種商品、サービスの販売を行っております。これらの事業展開をする上で、欠陥商品の販売や食中毒が発生した場合には、製造物責任による損害賠償の発生、公的規制による営業停止、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。
4.公的規制リスク
当社グループは、事業展開する上で、大規模小売店舗立地法や独占禁止法、下請法、労働法等各種法規制や省エネ法等の環境・リサイクル関連などに関する法令等に十分留意した営業活動を行っておりますが、違反行為が発生した場合には、公的な営業規制を受けるだけでなく、関連費用の増加、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。
5.顧客情報流出リスク
当社グループは、顧客等の数多くの個人情報を保有していることから、社内管理規程の策定や管理組織の編成、情報管理責任者の設置、社内研修による個人情報の利用・管理方法の徹底を行っております。しかしながら、犯罪や事故により個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償や付帯費用負担の発生、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。
6.システムリスク
当社グループが事業展開するための各種コンピューターシステムは、外部委託先のデータセンターで集中管理しております。当該データセンターでは、耐震設計、通信回線の二重化、自家発電装置、不正侵入防止等の各種安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信回線の遮断などが発生した場合には、これらが当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。
7.株式の希薄化リスク
当社は、平成22年3月31日に、株式会社横浜銀行を割当て先とする総数1,483,036株のA種優先株式を発行しており、当該A種優先株式には平成26年3月1日以降普通株式への転換請求権が付与されております。将来において、A種優先株式の普通株式への転換が行われた場合には、当社普通株式の既存持分の希薄化、また株価形成に悪影響が及ぶ可能性があります。
8.契約の変更・解約によるリスク
当社グループは、一部の不動産を賃借することにより事業展開している他、テナント運営管理業務を受託しております。これらの賃貸借契約や業務受託契約について、変更や解約等が行われた場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
9. 中期経営計画について
当社グループは、平成29年2月末日までを期間とした中期経営計画を策定しましたが、計画初年度の数値目標を達成することが出来なかったため、次期(平成29年2月期)計画の数値目標を修正いたしました。
修正後の数値目標が達成できない場合には、金融機関からの金融支援の維持に悪影響が及ぶ可能性があります。
以上に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は当連結会計年度末における貸借対照表を構成する数値、及び当連結会計年度における損益計算書を構成する数値、並びに連結財務諸表の表示等に影響を与える会計方針の選択や見積り等に対して可能な限り正確な見積りと合理的かつ適正な評価を行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
当連結会計年度の経営成績の概要として、売上高は264億6千1百万円と前連結会計年度に比べ87億6千2百万円の減収となりました。営業利益は3億9千4百万円と前連結会計年度に比べ1億5千万円の減益、経常利益は3億2千9百万円と前連結会計年度に比べ7千2百万円の減益、当期純損失は45億7千8百万円(前連結会計年度は30億5千9百万円の当期純利益)となりました。
② 売上高の状況
当社グループの連結売上高は264億6千1百万円となりました。当連結会計年度は、業績等の概要に記載のとおり「百貨店事業の強化」、「関連事業及び新規事業への取り組み」、「財務体質の強化」、「人材育成の強化と組織風土の改革」の4つの主要課題に対応するための施策実行に全社を挙げて取り組んでまいりましたが、川崎店閉店による規模縮小等により、売上高は前連結会計年度に比べ87億6千2百万円の減収となりました。
③ 販売費及び一般管理費の状況
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、ローコストオペレーションを更に推進するため、各種経費の削減に努めるとともに、費用配分の見直しを含めた効果的な経費運用に取り組んだ他、規模縮小等の影響もあり、18億9千4百万円減少し52億1千万円となりました。
④ 営業外損益の状況
営業外収益の主なものは、補助金収入6千万円等であり、営業外費用の主なものは、支払利息1億4千8百万円等であります。
⑤ 特別損益の状況
特別損失の主なものは、減損損失50億6千7百万円等であります。
(3) 財政状態に関する分析
当連結会計年度の財政状態は、資産合計が137億9千2百万円となり前連結会計年度に比べ79億7千7百万円の減少となりました。主な要因としましては、減損損失および旧川崎店閉店等による現金及び預金並びに商品等の減少に伴う固定資産・流動資産の減少によるものであります。
負債合計は119億3千1百万円となり、前連結会計年度に比べ34億2千1百万円の減少となりました。減少の主な要因としましては、旧川崎店閉店等による買掛金等の減少及び借入金の約定弁済等に伴う長期借入金の減少等によるものであります。
純資産合計は18億6千1百万円となり、前連結会計年度に比べ45億5千6百万円の減少となりました。減少の主な要因といたしましては、固定資産の減損損失による特別損失の計上等に伴う利益剰余金の減少によるものであります。
(4) キャッシュ・フローに関する分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億3千3百万円減少し13億3千2百万円となりました。これは旧川崎店閉店の影響等による営業活動によるキャッシュ・フロー8億9千9百万円の支出及び、投資活動によるキャッシュ・フロー9千8百万円の支出並びに、長期借入金の返済等による財務活動によるキャッシュ・フロー5億3千6百万円の支出等によるものであります。