第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

2023年8月期より開始した抜本的な経営スキームの改革により黒字を達成したものの、改革は始まったばかりであり、黒字体質への早期転換に向けた取組をさらに進めていく必要があると考えております。

今後におきましても、全社的な既存店舗の再編、グループシナジー効果を活用した各種施策の実行、金・地金買取の強化を継続的に推進するとともに、藤沢店では2023年6月にオープンしたヤマダデンキとの相乗効果を狙った企画の強化、横須賀店では現在進行中である地下1階リニューアルなどにより、収益の拡大に努めてまいります。外商部門におきましては、引き続き高収益商材の販売強化や新規顧客(法人・個人)へのアプローチ強化に注力してまいります。

このほか、調達コストの低減、基幹業務の抜本的な見直し等を通じて「ローコストオペレーション」の推進を更に推し進め、コスト削減をはかってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティを巡る取組が、リスク減少と収益機会獲得につながる重要な経営課題であると認識し、経営理念である『百貨店事業を核として、「人々に安心と潤いのある生活の提案を行う生活文化企業」をめざし、永い間培ってきた信用を命として、「地域のお客様に最も支持される百貨店」を目指す』という考えのもと、地域のお客様とともに歩み、地域に根差した経営活動を通じて、社会の持続可能な発展への貢献と企業価値の向上を目指すことを基本方針とし、この方針に基づき、社会・環境問題などに対して事業活動を通じて適切な対応を行うべく取り組んでおります。

推進にあたっては、業務執行部門長以上の役職者が出席する定例ミーティングにおいて、各業務執行部門長が担当する範囲のサステナビリティ関連の提案、執行状況の報告を行い、出席者全員で協議検討しております。

 

(2)戦略

当社グループは、社員一人一人が働きがいを感じ成長することがグループ全体の発展に繋がり、「持続可能な社会への貢献」と「企業価値の向上」の両立を実現することができるという考えから、これを人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組方針とし、全ての従業員が成長できる機会を提供し、社員一人一人が「笑顔を絶やさず」「積極的に行動し」「あらゆることに興味を持って」「専門知識を深め」「若々しい感性で」「進んでいく」といったさいか屋スピリッツにふさわしい人材を育成して参ります。

当社グループでは、性別や年齢、国籍や職歴で分け隔てることなく従業員が安心して働け、成長できる環境づくりを目指し、中核人材の登用等にあたってはその能力・成果に応じた人事評価を行うとともに、女性管理職につきましては、女性活躍促進法に基づく女性管理職(課長級以上)割合30%以上を維持することを目標としており、2023年8月末現在の女性管理職割合は20.0%となっております。

 

(3)リスク管理

各業務執行部門長が、担当する範囲のサステナビリティ関連のリスクを識別・評価し、リスク管理委員会に報告、出席者全員で網羅的に協議検討しております。本会議には常勤の監査等委員である取締役及び内部監査室長が出席し、コンプライアンス面での確認も行われております。

 

 (4)指標及び目標

上記「(2)戦略」において記載した人的資本・多様性に関する指標及び目標については以下のとおりです。

指標

目標

当期実績

女性管理職割合

30%以上

20.0%(2023年8月31日現在)

 

 

3 【事業等のリスク】

1.災害リスク

 当社グループは、川崎、横須賀、藤沢というほぼ同一地域内において店舗展開していることから、自然災害や事故等により、店舗運営に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 特に火災や地震等により災害が発生した場合には、被害者への損害賠償や建物および保管商品・保有資産等への甚大な被害が生じ、これらが当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

2.環境リスク

 当社グループは、百貨店業を展開しておりますが、気候状況、景気動向や消費者動向等の経済状況、疾病や騒乱等の社会状況、又、同一商圏内における同業・異業種参入による競争状況等により、当社グループの業績や財務状況に大きな影響が及ぶことが考えられます。

 

3.製品リスク

 当社グループは、百貨店業において衣料品、身回品、雑貨、食料品をはじめとした各種商品、サービスの販売を行っております。これらの事業展開をする上で、欠陥商品の販売や食中毒が発生した場合には、製造物責任による損害賠償の発生、公的規制による営業停止、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。

 

4.公的規制リスク

 当社グループは、事業展開する上で、大規模小売店舗立地法や独占禁止法、下請法、労働法等各種法規制や省エネ法等の環境・リサイクル関連などに関する法令等に十分留意した営業活動を行っておりますが、違反行為が発生した場合には、公的な営業規制を受けるだけでなく、関連費用の増加、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。

 

5.顧客情報流出リスク

 当社グループは、顧客等の数多くの個人情報を保有していることから、社内管理規程の策定や管理組織の編成、情報管理責任者の設置、社内研修による個人情報の利用・管理方法の徹底を行っております。しかしながら、犯罪や事故により個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償や付帯費用負担の発生、社会的信用の失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶことが考えられます。

 

  6.システムリスク

 当社グループが事業展開するための各種コンピューターシステムは、外部委託先のデータセンターで集中管理しております。当該データセンターでは、耐震設計、通信回線の二重化、自家発電装置、不正侵入防止等の各種安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信回線の遮断などが発生した場合には、これらが当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

7.株式の希薄化リスク

 当社は、2010年3月31日に総数1,483,036株のA種優先株式を発行しており、2022年3月25日に株式会社横浜銀行より株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスに譲渡されました。当該A種優先株式には2014年3月1日以降普通株式への転換請求権が付与されております。将来において、A種優先株式の普通株式への転換が行われた場合には、当社普通株式の既存持分の希薄化、また株価形成に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

8.契約の変更・解約によるリスク

 当社グループは、一部の不動産を賃借することにより事業展開している他、テナント運営管理業務を受託しております。これらの賃貸借契約や業務受託契約について、変更や解約等が行われた場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

9.感染症発生の影響

 国内外で発生する可能性のある感染症等は百貨店業にとって消費行動を控えたり、消費者心理を冷やしたりと、最も懸念すべきリスクであります。これらのリスクが発生した場合、消費者の需要の縮小や、サプライチェーンの分断による商品調達の遅れ、在宅勤務やシフト勤務など従業員の勤務体制の制約、臨時休業や営業時間短縮などを招くことで、当社グループの事業活動に大きな支障を来たし、業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

第84期連結会計年度より8期連続で計上し続けた多額な赤字経営を解消すべく、今年度より抜本的な経営スキーム改革による黒字体質への早期転換を目指しており、その将来投資として事業構造改善費用を計上したものの、それを上回る事業利益を叩き出し、9期ぶりの黒字転換となりました。

第1四半期に開催した「創業150年記念感謝還元祭」、第2四半期に開催した「大幅改装のための改装売りつくしセール」が売上高増に寄与。第3四半期は、大型家電量販店であるヤマダデンキ開店に向けた改装工事(既存店舗の再編含む)の影響で藤沢店の売上高が減少したものの、第4四半期以降、6月2日のヤマダデンキ開店にて増加した入店客数により、百貨店ゾーンとの相乗効果が得られたことに加え、賃料収入が拡大いたしました。また、通期を通して行ってきた金・地金買取の好調に加え、グループのシナジー効果を活用した販売促進企画(健康食品の通販広告を神奈川新聞に掲載する等)や、各お取引先様との取引条件改定交渉を実施する等、様々な取組みにより抜本的な経営スキームの改革が進んでおります。

以上の結果、当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は5,204百万円(前年12か月(2021年9月1日~2022年8月31日)対比109.9%)、営業利益144百万円(前年12か月(同)対比343百万円の営業利益の改善)、経常利益132百万円(前年12か月(同)対比358百万円の経常利益の改善)、親会社株主に帰属する当期純利益9百万円(前年12か月(同)対比280百万円の親会社株主に帰属する当期純利益の改善)となり、通期での黒字化を実現しました。

 

セグメントの業績については、当社グループは百貨店業の単一セグメントのため、記載しておりません。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、1,784百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、367百万円の収入(前連結会計年度は101百万円の収入)となりました。主な収入項目は、減価償却費336百万円、主な支出項目は、事業構造改善支出116百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、135百万円の支出(前連結会計年度は28百万円の支出)となりました。主な支出項目は、長期前払費用の取得による支出93百万円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは3百万円の支出(前連結会計年度は1百万円の支出)となりました。主な支出項目は、リース債務の返済による支出3百万円等によるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 当社グループは、百貨店業の単一セグメントであり、生産及び受注については該当事項はありません。

 

(2) 販売の状況

当社グループは、百貨店業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売の状況は次のとおりであります。

連結売上高の内訳

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年増減対比

 

自 2022年3月1日

至 2022年8月31日

自 2022年9月1日

至 2023年8月31日

 

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

前年増減額

(千円)

前年対比

(%)

㈱さいか屋

2,413,099

94.9

5,199,692

95.7

アルファトレンド㈱

127,553

5.0

229,850

4.2

㈱さいか屋友の会

1,360

0.1

1,610

0.0

小  計

2,542,013

100.0

5,431,152

100.0

内部売上高の消去

△125,473

△226,477

合  計

2,416,540

5,204,675

 

 

店別売上高(単体)

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

当事業年度

前年増減対比

 

自 2022年3月1日

至 2022年8月31日

自 2022年9月1日

至 2023年8月31日

 

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

前年増減額

(千円)

前年対比

(%)

藤沢店

1,184,951

57.2

2,445,712

55.8

横須賀店

603,783

29.2

1,350,541

30.8

川崎店

281,806

13.6

582,952

13.3

小  計

2,070,540

100.0

4,379,206

100.0

テナント及び手数料収入

342,558

820,486

合  計

2,413,099

5,199,692

 

(注) 当社は、2022年8月期より決算期を2月末日から8月31日に変更し、当社グループの決算期を8月31日に統一しております。決算期変更の経過期間である前連結会計年度は、2022年3月1日から2022年8月31日までの6ヶ月間の変則決算となっております。このため、対前年増減額及び前年対比は記載しておりません。
 
 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この連結財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(固定資産の減損処理)

当社グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準に基づき、当社は原則として資産グループの単位ごとに、遊休資産等については個別資産ごとに判定を行っております。これらの資産グループの回収可能額が帳簿価額を下回った場合、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損計上いたします。なお、回収可能価額については、資産のグループの単位ごとに将来のキャッシュ・フローまたは鑑定評価による正味売却価額などを基礎として評価しております。

減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当社は、2022年5月24日の第90回定時株主総会の決議により、事業年度を従来の2月末日から8月末日に変更いたしました。

これにより、前第91期事業年度が2022年3月1日から2022年8月31日までの6ヵ月となったため、当連結会計年度の業績に関する前期比増減の記載は前半12ヶ月対比となっております。

この結果、当連結会計年度の連結業績に関しましては、売上高は5,204百万円(前年12か月(2021年9月1日から2022年8月31日)対比109.9%)、営業利益144百万円(前年12か月(同)対比343百万円の営業利益の改善)、経常利益132百万円(前年12か月(同)対比358百万円の経常利益の改善)、親会社株主に帰属する当期純利益9百万円(前年12か月(同)対比280百万円の親会社株主に帰属する当期純利益の改善)となり、通期での黒字化を実現しました。

 

②  売上高の状況

当社創業150年を記念して行った「還元祭」「プレミアムランチ&ディナーショー」、また外商のお客様を対象としました「名匠会」が多くのお客様からご好評をいただき、上期は前年を上回る売上高を計上しました。下期については、大型家電量販店であるヤマダデンキ開店に向けた改装(既存店舗の再編含む)で一部売り場面積を縮小したため、売上高は減少したものの、通期を通して行ってきた金地金買取が好調に推移、テナント収入の増加もあり、売上高は堅調に推移しました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は対前年12か月(2021年9月1日~2022年8月31日)対比で109.9%となり、9期ぶりの黒字化を達成することができました

 

 

③  販売費及び一般管理費の状況

藤沢店大型テナント出店による百貨店事業売上面積の縮小で、店舗管理コストを低減、さらに従前より継続して行っているローコストオペレーションが着実に進み、売上高経費率が8.5ポイント改善しました。(65.7%⇒57.2%)

④  営業外損益の状況

営業外収益の主なものは、受取配当2百万円であり、営業外費用の主なものは、支払利息26百万円等であります。

⑤  特別損益の状況

特別損失の主なものは、事業構造改善費用であります。

 

(3) 財政状態に関する分析

当連結会計年度末の財政状態に関しましては、総資産については、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し12,153百万円となりました。
 負債については、前連結会計年度末に比べ6百万円増加し11,576百万円となりました。
 純資産については、前連結会計年度末に比べ5百万円減少し576百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローに関する分析

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(業績等の概要)(2) キャッシュ・フローの状況 をご覧ください。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。