第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

国内のエネルギー業界は、2016年4月に電力の小売りが全面自由化され、異業種から多くの事業者が電力小売市場に参入し、セット割料金メニューによる顧客獲得競争が展開されております。また2017年4月には都市ガス小売りも全面自由化され、業種の垣根を越えた合従連衡が進み、新たなイノベーション創出の環境が形成されて参りました。

このような状況を踏まえ、当社は、お客様にエネルギーサービスの新たな利便性を提供することが極めて重要と考え、2016年5月に、東京電力エナジーパートナー株式会社との間で、当社及びグループ子会社3社が2017年4月以降に販売する都市ガスの全量(LNG換算約24万トン/年:お客様32万軒相当)について、同社から卸供給を受ける基本契約を締結いたしました。また、2016年12月には、同契約に加え、主に家庭用に販売する都市ガスについての小口卸基本契約を締結し、都市ガスマーケット参入への条件を整えました。さらに2017年3月には、自由化市場向けのセット割料金メニュー「プレミアム5+プラン」を発表し、お客様への安価なサービス提供を行えるようにするとともに、テレビCMやWeb広告等によるブランディング戦略を開始し認知度向上に努めております。

このように自由化への準備を整え、当社グループは、2017年4月から都市ガス小売市場に参入いたしました。現在、初年度のお客様獲得目標11万軒の達成に向け、当社グループの総力を挙げて営業活動を展開しております。なお、東京電力エナジーパートナー株式会社は2017年7月から都市ガス小売市場に本格参入を予定しており、初年度に両社で当社の既存のお客様32万軒を含め約50万軒相当のお客様への販売を目指しております。

今後は、両社の有するエネルギー事業に関する知見や機能を融合させ、お客様に利便性の高い、かつ効率的なサービスのラインナップ拡充に共同で取り組み、お客様に選ばれる総合エネルギー企業への成長を目指すと共に、都市ガス市場の活性化を目途に、両社が有するガス事業における上流、下流、のノウハウに加え、人工知能やボット、フィンテック、ブロックチェーン、仮想通貨、IoTなどの先進テクノロジーを組み込んだ日本最強のエネルギープラットフォームを構築し、以って地域のエネルギー事業者や異業種から参入される新規事業者の皆様との連携を訴求し協業による新たな地域貢献に邁進して参ります。

また、当社は、2016年9月に、本プラットフォームの構築とお客様の利便性及び業務効率向上を図るためのシステム開発パートナーとして、最先端のICTとAI技術を有し「世界の頭脳」を目指す株式会社メタップスと資本業務提携を締結いたしました。同社との共同開発で、スマホのコミュニケーションツールである「LINE」とAIを組み合わせたLINE BOT(LINEを用いた自動応答の技術)により、申込、契約、情報確認、決済をLINE上で完結することが出来るガス器具販売システムや、お客様のスマホからガス料金等の決済やガス料金口座振替登録を行うWeb決済システムを開発し、運用を開始しております。これらのペーパレスオペレーションによって、お客様のサービス受益ストレスを解消し、迅速で利便性の高いサービスの提供が可能となりました。今後も、お客様の利便性向上のため、フィンテック、ブロックチェーンやIoTなどの活用によるシステム開発を推進して参ります。

なお、当連結会計年度末の当社グループのお客様数は、前連結会計年度末に比べ46千戸増の1,200千戸と順調に増加しております。

当連結会計年度の売上高につきましては、お客様数の順調な伸びに伴いガス販売量は前年同期に比べ増加いたしましたが、LPガス事業、都市ガス事業ともに原料価格が低く推移しガス販売単価が低下したこと等により1,095億3千6百万円(前年同期比4.5%減)となりました。

利益面につきましては、都市ガス小売り全面自由化に向けたテレビCM等の需要開発費用の増加がありましたものの、前年同期に比べ顧客基盤拡大に伴う更なる業務効率化が進み、営業利益は122億1百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益は121億7千6百万円(同7.5%増)と、いずれも6期連続過去最高益を更新いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、卓上コンロ用カセットボンベの製品自主回収に係る費用22億円を特別損失に計上いたしましたため、69億1千3百万円(同2.5%減)と若干の減益となりました。

 

 

当連結会計年度のセグメント別の概況は次のとおりであります。

[LPガス事業]

LPガス事業におきましては、ガス販売量は家庭用がお客様数の順調な伸びに伴い増加したことに加え、業務用も堅調に推移し、前年同期に比べ増加いたしましたが、原料価格の値下がりによる販売単価の値下げがあり、当連結会計年度の売上高は662億5千9百万円と前年同期に比べ8億3千9百万円(前年同期比1.3%減)の減収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、原料価格が低く推移したこと等により82億3千2百万円と前年同期に比べ2億1百万円(前年同期比2.5%増)の増益となりました。

[都市ガス事業]

都市ガス事業におきましては、ガス販売量は家庭用がLPガス事業と同様の理由により増加したことに加え、工業用大口需要の伸びもあり前年同期に比べ増加いたしましたが、天然ガスの販売単価が原料費調整制度により低く推移したため、当連結会計年度の売上高は432億7千6百万円と前年同期に比べ43億1千5百万円(前年同期比9.1%減)の減収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、LPガス事業と同様に原料価格が低く推移いたしましたため、39億5千7百万円と前年同期に比べ1億9千6百万円(前年同期比5.2%増)の増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況   

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、28億3千7百万円減少し313億9千6百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、40億8千7百万円収入が減少し、166億3千万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益が減少したことと、売上債権の減少による収入が減少したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、3億3千万円支出が減少し、107億4千3百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、87億1千7百万円(前連結会計年度は75億6千8百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の純減少額と配当金の支払額を反映したものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは販売を主として行っており、セグメントごとに生産規模及び受注実績を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。

 

(1) 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

前連結会計年度
(27.4.1~28.3.31)

LPガス事業(百万円)

66,259

67,099

都市ガス事業(百万円)

43,276

47,592

合計(百万円)

109,536

114,691

 

 

1) LPガス事業の販売実績

 

区分

当連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

前連結会計年度
(27.4.1~28.3.31)

ガス(百万円)

50,113

51,270

機器、受注工事他(百万円)

16,146

15,828

合計(百万円)

66,259

67,099

 

 

2) 都市ガス事業の販売実績

 

区分

当連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

前連結会計年度
(27.4.1~28.3.31)

ガス(百万円)

34,205

39,116

機器、受注工事他(百万円)

9,070

8,476

合計(百万円)

43,276

47,592

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

2016年4月の電力小売自由化に続き、2017年4月からは都市ガス小売全面自由化がスタートし日本のエネルギー業界は大競争時代に突入致しました。

従来の地域独占・規制によって、事業そのものが保障されていたエネルギー業界の体制は、大きな変革を市場からも消費者からも求められています。当社は、より安価で安全なガスを、より多くのお客様にご使用いただくことを経営方針として、創業以来、家庭用を中心とした直売方式に徹底的に拘り、顧客基盤の拡大に注力して参りました。更にこの大競争時代の到来を想定し、自由化領域であるLPガス事業において、早くからオペレーションシステムのクラウド化に挑戦し、保安、物流を含めた積極的な構造改革に取り組んで参りました。その結果大幅な顧客増の実績をあげると共に、2011年からは自由化先進国の北米・オーストラリアで総合エネルギーの小売事業に取り組み知見を広げるなど、その備えを着実に進めて参りました。

当社は、半世紀以上に亘るエネルギー事業者としての経験と信用を活かし、この大きな変革期をチャンスと捉え、自由化以降のエネルギー小売事業の中心企業となるべく、以下の取組みによりその重要な一役を担って参る所存です。

 

1.日本最強のエネルギープラットフォームの構築

当社は2016年12月に東京電力エナジーパートナー(東電EP)との業務提携を発表致しました。顧客基盤の拡大を企業成長の最重要課題と認識している当社としては、2017年3月末のグループ顧客数120万件に加え、今後は関東の都市ガス1,400万件の商圏が自由化領域となり更なる顧客数増加の好機となります。ガス事業における高い営業力・保安力を強みとする当社と、東電グループによる日本最大のLNG調達力、圧倒的な電力事業のネットワークが連携して、異業種も参加したオープンイノベーションの聖地となるエネルギープラットフォームを構築し、最強の総合エネルギー小売事業を目指すと共に、両社で少子高齢化時代に適応する全く新しい地域サービスの在り方を訴求して参ります。将来的にはこのプラットフォームに、地域のエネルギー事業者が持つ知見・経験、更にITベンチャーの革新的なシステムを加えて更なるシナジー効果を発揮し、これまでの小売販売というB to Cのビジネスモデルに加え、B to Bのビジネスモデルの全国展開や海外事業の挑戦に生かして参ります。

 

2.「ICT」と「ヒトの力」の融合

当社は従前からこの競争市場の中で成長し勝ち残るカギは、「ICT」と「ヒトの力」の融合だと考え、その育成に取り組んで参りました。「ICT」の面では、先んじて業務の全面クラウド化を進め、サービスの高質化と徹底したコスト削減を実現してきました。LINE BOTによるガス器具の販売や口座振替登録をスマートフォンで完結できる利便性の高いサービスの提供などを実現し、今後もフィンテック(金融とITの融合)やAI(人工知能)などを活用したサービスを通じて、更なる付加価値をお客様に提供して参ります。「ヒトの力」の面では、当社は創業時から対面型の営業活動を行い、お客様と「顔の見える関係」を築き上げてきました。インターネットの発展に伴い、小売業者と消費者との接点は急速にバーチャル化され、その流れはこれからも進むと考えられます。だからこそ当社が蓄積してきた「顔の見える関係」は増々大きな価値となって参ります。今後もこの両面の融合を大きな成長の課題として捉え、その育成に注力して参ります。

 

3.働き方改革の実現

上記「ヒトの力」を育成する為にも、優秀且つ多様な人材の確保が企業の継続的な成長には不可欠な要因となります。労働人口の減少が顕在化するなかで、長時間労働の削減・人々が人生を豊かに生きていくと同時に企業の生産性を上げていくことは全ての企業の課題だと言えます。当社はこの問題の解決にはAIを初めとするICTの高質化が必要不可欠だと考えており、管理部門の業務効率化・スマホ端末等を活用したペーパーレス化・業務システムのフルクラウド化等の実現を通じて、新たな顧客サービスを創出し事業価値の差別化を図って参ります。

 

4.コーポレートガバナンスの強化と株主・投資家との対話

当社では、コーポレートガバナンスとは、会社が長期に亘る持続的な企業価値向上を目指して経営戦略や方針を策定し、これらを様々なステークホルダーと公正に協働しながら、企業運営ならびにそれを支える会社組織の構築を進める事と考えています。そのために役員への株式報酬制度(BIP信託)の導入、第三者委員による役員評価制度の導入、各種会議開催による効率的な業務執行及び取締役間の執行監視等を実施して、コーポレートガバナンスの強化を進めて参りました。今後も常に変化する社会情勢に対応すべく、社風である改革精神を強く意識して成長を加速させて参ります。また株主の皆様との対話を重視し、投資家などの面談についてはIR担当取締役を責任者として、代表取締役も含めて国内外で各役員が積極的に対応して参ります。更に当社は東京証券取引所が適用するコーポレートガバナンス・コードについては、積極的な経営を行っていくために有効な指針であると考えています。昨年度から政策保有株式の処分を推進し、13銘柄を処分致しました。今後も本施策を継続し株式の流動性を上げ、企業価値の向上と投資機会の拡充に努めて参ります。

 

株式会社の支配に関する基本方針

1.基本方針

当社グループが企業価値を維持・向上するためには、当社の供給エリアである関東一円の一般家庭に、安全且つ安定的に、より安価にガス体エネルギーを供給し続けるとともに、その特性である快適性、経済性、省エネ性、環境性などを提供することが不可欠であると考えております。そのためには、消費者の生活を支えるライフライン・社会資本ともいうべき、ガス本支管等の既存設備の経年管理に、積極的且つ創造的な再投資に努めて参るとともに、緊急災害時に対応する基幹設計の更なる充実と、新たな供給システムの開発に積極的に取り組むなど、長期的な観点から財務及び事業の方針を決定し、消費者・地域社会をはじめとするステークホルダーズとの信頼関係を構築していかなければなりません。当社取締役会は、このような長期的な観点から当社の財務及び事業の方針を決定することを嫌い、当社がこれまで築き上げてきた地域社会や使用人、協力会社、金融機関等ステークホルダーズとの信頼関係を破壊し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのある株式買付行為を行う者について、当社の方針の決定を支配する者として、適切ではないと考えております。

2.基本方針実現のための取組み

当社は、上記基本方針を実現するための取組みとして、平成18年2月9日開催の取締役会により、企業価値向上プランを導入した後、平成18年6月9日、平成19年6月12日、平成21年6月8日に一部改正をし、平成27年6月25日開催の第61回定時株主総会において継続の承認を得ております。その概要は、以下の通りであります。同プランの全文は当社ホームページにおいて閲覧することができます。

(http://www.nichigas.co.jp/ir/pdf/torikumi.pdf)

Ⅰ.「日本瓦斯グループの経営理念~持続的成長を目指して~」の策定

当社は、中長期的観点から持続的成長を可能とするため、当社経営陣により、あらかじめ経営理念(日本瓦斯グループの経営理念~持続的成長を目指して~)を策定・公表した上で経営を行い、株主の皆様に業績評価をして頂くことが、当社経営陣の経営責任の明確化に資すると考え、当社グループの現在の状況を踏まえ、次のとおりグループ経営理念を策定します。
①地域社会に対する貢献
②企業の持続的成長を目指す
③人的資源の尊重

Ⅱ.経営評価委員会の設置

当社は、上記経営理念の公表と合わせて、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に向けた取り組みについて、外部から客観的な意見を求めてガバナンス機能を強化するため、当社取締役会から独立した外部有識者をメンバーとする経営評価委員会を設置しました。現在委員には、井手秀樹慶應義塾大学商学部教授を委員長として、山田剛志成城大学大学院法学研究科教授、能勢元東京フィナンシャル・アドバイザーズ株式会社代表取締役が就任しております。

Ⅲ.企業価値向上プランの導入

    1.企業価値向上プラン導入の目的-企業価値・株主共同の利益の維持・向上

当社取締役会は、特定の株主グループによる当社発行済株式(当社保有自己株式を除く)の株券等保有割合が20%以上となる買付提案(以下、単に「買付提案」といいます。)又は買付行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買収類型に該当するか否かを判断するためのルール(以下、「企業価値向上プラン」といいます。)を策定し、企業価値・株主共同の利益を毀損する買収類型に該当すると判断した場合には、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上という目的のために、対抗措置として取得条項付新株予約権の無償割当てを行うことといたしました。

   2.当社株式の買付提案及び買付行為への対応方針

     (企業価値向上プランの内容)

(1)企業価値向上プランの対象となる買付者

企業価値向上プランの対象となる買付者は、特定の株主グループによる当社発行済株式(当社保有自己株式を除く)の株券等保有割合が20%以上となる買付提案又は買付行為を行おうとする者(以下、「買付者」といいます。)です。

 

(2)必要情報提供手続

買付者には、当社発行済株式(当社保有自己株式を除く)の株券保有割合が20%以上となる買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます。)を行う前に、当社取締役会に対して、買付提案を行っていただきます。当社取締役会は、買付者の買付提案が具体的に当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するものではないかを判断するために、買付者からの買付提案を受けた後、5営業日以内に、必要情報の提供を要請します。買付者から十分な情報提供がなされた場合又は複数回にわたる情報要請にかかわらず買付者から十分な情報提供がなされなかった場合、当社取締役会は受領した情報を、直ちに独立の外部専門家3名により構成され、別に設置される経営評価委員会に上程します。

(3)経営評価委員会及び取締役会による検討手続

当社取締役会から必要情報の上程を受けた経営評価委員会は、外部専門家の助言を受ける等しながら、買付提案の検討・分析を行い、当社取締役会が買付者から受領した必要情報の上程を受けてから60営業日以内(但し、経営評価委員会は、必要がある場合には、この期間を30営業日に限り延長することができるものとします。)に、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の要否について勧告します。

(4)経営評価委員会による検討・分析事項

経営評価委員会は、以下の事項の該当性につき検討・分析し、いずれかに該当すると判断した場合には、当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告し、いずれにも該当しないと判断した場合には、対抗措置の不発動を勧告します。

①買付者が当社取締役会より複数回にわたる情報提供の要請を受けたにもかかわらず、株主が当社株式を買付者に譲渡するか、保持し続けるかを判断するために十分な情報を提供しない場合であり、且つ当該時点で対抗措置を発動しない場合には当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる。

②濫用的買収者である(以下のいずれかに該当すること)

(ⅰ)買付者が、真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を当社又は当社の関係者に引き取らせる目的で、当社株式の買付提案又は買付行為を行っている(いわゆるグリーンメイラーである)ことが客観的かつ合理的に認められる。

(ⅱ)買付者が、当社の経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該買付者や、そのグループ会社等に移譲させる等、いわゆる焦土化経営を行う目的で、当社株式の買付提案又は買付行為を行っていることが客観的且つ合理的に認められる。

(ⅲ)買付者が、当社の経営を支配した後に、当社の資産を当該買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で当社株式の買付提案又は買付行為を行っていることが客観的且つ合理的に認められる。

(ⅳ)買付者が、当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券等、高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、あるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式の高価売り抜けをする目的で、当社株式の買付提案又は買付行為を行っている場合等、当社を食い物にしようとしていることが客観的且つ合理的に認められる。

(ⅴ)買付者が、二段階での強圧的な買付(最初の買付条件を有利に、二段階目の買付条件を不利に(あるいは明確にしないで)設定するような行為のことをいい、最初の買付行為に応じなければ不利益を被るような状況を作り出し、株主の皆様に売り急がせる買付手法のことをいいます。)を予定して、当社株式の買付提案又は買付行為を行っていることが、客観的且つ合理的に認められる。

③買付後の経営計画又は事業計画が著しく不合理であり、買付者による買付後に当社の企業価値及び株主共同の利益が毀損されることが明らかである。

④(現経営陣の経営計画又は事業計画が、経営評価委員会に上程された場合で)買付後の経営計画又は事業計画が、現経営陣の経営計画又は事業計画(買付者による買付提案に対する代替案を含みます。)と比較して、明白に劣っており、買付者による、買付後に当社の企業価値及び株主共同の利益が毀損されることが明らかである。

 

(5)経営評価委員会による勧告の尊重

当社取締役会は、経営評価委員会の勧告を受け、対抗措置発動の要否を決定します。その判断の際には、経営評価委員会による勧告を最大限尊重いたします。

(6)取締役会の検討内容の開示

当社取締役会は、対抗措置を発動する旨の決議をした場合、速やかに、当該決議をした旨及びその理由を開示いたします。また、対抗措置を発動しない旨の決議をした場合でも、買付提案が当社取締役会の経営計画又は事業計画(買付者による買付提案に対する代替案を含みます。)に劣り、当社の企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に反すると判断した場合には、その旨の意見表明を行い、当社取締役会の経営計画又は事業計画(買付者による買付提案に対する代替案を含みます。)を適切な時期に開示し、株主の皆様のご判断を仰ぎます。

   3.対抗措置の内容

対抗措置として割当てられる取得条項付新株予約権の概要は、以下の通りです。

    (1)新株予約権の割当対象となる株主及びその条件

当社取締役会が対抗措置を発動する旨の決議をした後に開催される取締役会の決議で、決定される割当期日(以下、「割当期日」といいます。)時点における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その保有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。

    (2)取得条項

新株予約権の割当てに関する決議を行う取締役会において、決定される取得条項成就日が到来することを条件として、当社はこの新株予約権を取得し、代わりに当社普通株式3株を限度として交付する。

    (3)取得条件

買付者及び買付者を含む特定の株主グループに属するものが、新株予約権の割当を受けた場合には、当該新株予約権者である買付者及び買付者を含む特定の株主グループに属する者から、その保有する新株予約権を取得し、代わりに当社普通株式を交付することを行わない。

3.基本方針実現のための取組みについての取締役会の判断及びその理由

上記取組みのうち、「Ⅰ.『日本瓦斯グループの経営理念~持続的成長を目指して~』の策定」及び「Ⅱ.経営評価委員会の設置」については、当社事業の特性に基づいて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持・向上することを直接の目的として行われるものであるから、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。また、「Ⅲ.企業価値向上プランの導入」につきましても、以下の理由から、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

  (1)買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足しており、平成20年6月30日に企業価値研究会が公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に適合しております。

   (2)株主意思を重視するものであること

本ルールは、平成18年6月29日開催の第52回定時株主総会において、定款変更議案及び本プランの継続をご了承いただいたことによって、株主の皆様のご信任を得ております。また、今後も、取締役選任議案(企業価値向上プランの継続を支持する取締役の選任をお諮りします。)として、株主の皆様の意思を反映させていくことを予定しております。

   (3)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

経営評価委員会は、有事にも当社取締役会の恣意的行動を厳しく監視するとともに、その判断の概要については、当社ホームページにおいて株主の皆様に情報開示されており、本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

   (4)合理的な客観的要件の設定

本ルールは、合理的且つ客観的な要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

   (5)デットハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、今後も株主総会において、取締役選任議案を通じて株主の皆様の意思を反映させていくことを予定しておりますので、株主総会決議により廃止できない又は時間を要する、いわゆるデットハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではございません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループの基幹事業であるガス事業の収益性は、主として次の要因により左右されます。

①気温・水温の変動によるガス需要への影響

当社グループの売上高の大半を占めている「ガス事業」の性質上、気温・水温の変動がガス需要に影響を及ぼす可能性があります。但し、当社グループは積極的な顧客基盤の拡充政策や、GHPを代表とする空調機器や小型コージェネ機器(エコウィル)、床暖房などの拡販により、これらの影響を最小限にするよう努力をしております。

②自然災害のリスク

当社グループは、地中に埋設された導管網により多くのお客様にガスを供給しております。地震など大規模自然災害が発生した場合に備え、耐震性にすぐれたポリエチレン管による施工を開発当初より積極的に導入してまいりました。更に阪神・淡路大震災の復旧支援時での教訓や新潟中越地震、釧路沖地震、新潟中越沖地震でポリエチレン管への被害事例が見当たらなかった実績により、すべての白ガス管からの入替を地震対策の最大のテーマと定め、入替促進による普及率の向上に邁進しております。また、地震対策マニュアルの作成、毎年実施しております防災訓練により社員の防災意識の高揚やグループ各社間の広域支援体制等の確立などを図り、災害による影響を最小限にとどめるよう対策を講じております。

③ガス原料価格と為替相場の予想以上の大幅な変動

LPガス原料は中近東からの輸入依存が高く、政情悪化で原料が高騰したり、為替レートが円安にふれた場合に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。都市ガス及び簡易ガスの原料価格・為替相場変動による影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映して転嫁することが可能ですが、上限バンドによる制約や反映までのタイムラグにより決算期を越えて影響が発生する可能性があります。

④個人情報の管理について

当社グループが事業を行うために取得・管理しているお客さまの個人情報については適正な保護を重大な責務と認識しております。個人情報保護法その他の関係法令の遵守は従業員及び保安、配送等業務委託先も含め徹底した教育をし、情報管理には万全を期しております。しかし、万が一、外部へ情報漏洩などの事態が発生した場合には、当社グループの信用の失墜や損害賠償責任等の生じる可能性があります。

⑤お客様対応リスク

お客様に対し不適切な対応が発生した場合には、社会的な責任や企業競争力の低下などの損害が発生する場合があります。当社ではお客様相談窓口を設置し、その対応のスピードとお客様の満足内容について全てチェックし、毎月の幹部社員の会議でもさらに確認し、更なるCS(顧客満足)の向上をめざしています。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、LPガス事業のエアゾール及びカセットガス充填において研究開発活動を行っております。取手工場内の研究施設に専任の開発スタッフを配し、医薬部外品・化粧品から自動車及び化学工業への専用製品の開発をはじめ、近年は家庭用、業務用の消臭除菌製品などの生活雑貨消耗品やパソコンのサプライ製品などの文具用品など、より生活に密着した製品テーマに対して付加価値のある製品開発を行っております。

なお、当連結会計年度における、当事業の研究開発費は1千6百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高の状況

顧客基盤の順調な拡大により、ガス販売量が増加しましたが、原料価格の値下がりに伴う販売単価の低下があり、売上高は、前連結会計年度に比べ51億5千5百万円減収の1,095億3千6百万円(前年同期比4.5%減)となりました。

②営業利益の状況

都市ガス小売り全面自由化に向けたテレビCM等の需要開発費用の増加がありましたが、顧客基盤拡大に伴う更なる業務効率化が進み、営業利益は前連結会計年度に比べ3億9千1百万円増益の122億1百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

③経常利益の状況

営業利益の増加により、経常利益は前連結会計年度に比べ8億4千4百万円増益の121億7千6百万円(前年同期比7.5%増)となりました。

④親会社株主に帰属する当期純利益の状況

親会社株主に帰属する当期純利益は、卓上コンロ用カセットボンベの製品自主回収に係る費用22億円を特別損失に計上したため、前連結会計年度に比べ1億7千7百万円減益の69億1千3百万円(前年同期比2.5%減)となり、1株当たり当期純利益は161円93銭となりました。

 

(2) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ28億3千7百万円減少し、313億9千6百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ40億8千7百万円収入が減少し、166億3千万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益が減少したことと、売上債権の減少による収入が減少したこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3億3千万円支出が減少し、107億4千3百万円の支出となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が前連結会計年度に比べ減少したこと等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、87億1千7百万円(前連結会計年度は75億6千8百万円の収入)の支出となりました。これは主に、借入金の減少額と配当金の支払額を反映したものです。

 

(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5千9百万円(0.0%増)増加し、1,391億5千7百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ28億8千5百万円(6.1%減)減少し、441億3千4百万円となりました。主な要因は、ソフトウェア開発への積極的な投資や借入金の返済により現金及び預金が減少したこと等によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ29億4千8百万円(3.2%増)増加し、950億2千2百万円となりました。主な要因は、ソフトウェア開発への投資による無形固定資産の増加と、投資有価証券の取得等による投資その他の資産の増加によるものです。

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ62億6千6百万円(8.0%減)減少し、725億1千5百万円となりました。主な要因は、返済が進んだことにより借入金が減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ63億2千5百万円(10.5%増)増加し、666億4千1百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いによる利益剰余金の増減を反映したものです。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント向上し、47.9%となりました。