第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

国内のエネルギー業界は、2016年に電力の小売が2017年に都市ガスの小売が全面自由化され、異業種からの参入や業界の垣根を越えた連携が進み、セット割料金メニューによる顧客獲得競争が展開されております。

このような大きな転換期を迎える経営環境の中、当社は、以下の課題に取り組み、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

1.東京電力エナジーパートナー社との提携関係強化

当社は、東京電力エナジーパートナー社(以下「東電EP社」)との提携関係を強化し、両社のエネルギー事業を発展させることを目途に、2018年3月に東電EP社から3%の出資を受け入れました。また、同年4月に、同社から取締役候補者として推薦を受けた鈴木紀臣氏を、同氏の電力事業における卓越した実績を高く評価し、取締役候補といたしました。こうした取組は、当社と東電EP社が、従来型の事業形態では自由化競争を勝ち残れないという危機感を共有した表われで、お互いに「自前主義」から決別し、提携関係を更に強化することにより、両社のエネルギー小売事業、および東京エナジーアライアンス株式会社によるエネルギー・プラットフォーム事業の成長を加速させてまいります。

 

2.ユーザーインターフェースの進化

当社では、これまでクラウドを活用した基幹システム「雲の宇宙船」により、業務の効率化と保安の高質化を実現してきました。当社はさらに、急激な人口動態の変化、すなわち、DINKS、高齢者、外国人世帯の増加などに対応すべく、最先端ICTを活用して、「雲の宇宙船」を全てのお客様にとって使いやすいユーザーインターフェースに進化させます。既に当社では、AIを活用したコールセンターを稼働しており、お客様の問い合わせに24時間365日対応できる仕組みを開始しました。また、これに加えて、IoTを通じ、精度の高いエネルギー消費データをリアルタイムで取得・蓄積し、これを分析することでお客様に更に有益な提案を行ってまいります。

 

3.新しい時代に挑戦する人材の育成

めまぐるしく変化する競争環境においては挑戦する姿勢が重要になります。当社は、挑戦する従業員を支援するために、株式報酬制度を導入いたしました。本制度は、優れた業績を残した従業員に当社株式を付与する制度で、従業員のモチベーションを高めると共に、従業員にも当社株式の所有を通じて経営参画意識を持たせることを狙いとしております。

 

4.コーポレートガバナンス改革の推進

2018年3月期においてもコーポレートガバナンス改革を主体的に推し進めました。2018年3月には、金融機関との持合株式を縮減、当社は保有する金融機関の株式売却を進めるとともに、金融機関は当社株式を2,201千株売却しております。これにより、当社の企業経営に対する規律が一層強化されるとともに、当社株式の流動性向上が期待されます。持合株式縮減の取組は今後も継続して進めてまいります。また、経営陣のダイバーシティも推進いたしました。2018年4月に女性初の執行役員が誕生、併せて社外監査役に女性の弁護士を候補者といたしました。当社は、コーポレートガバナンス改革を企業価値向上の重要な柱と認識し、今後も、不退転の決意で改革を行ってまいります。

 

株式会社の支配に関する基本方針

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりましたが、平成29年6月28日開催の第63回定時株主総会において廃止を決議いたしました。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループの基幹事業であるガス事業の収益性は、主として次の要因により左右されます。

①気温・水温の変動によるガス需要への影響

当社グループの売上高の大半を占めている「ガス事業」の性質上、気温・水温の変動がガス需要に影響を及ぼす可能性があります。但し、当社グループは積極的な顧客基盤の拡充政策や、GHPを代表とする空調機器や小型コージェネ機器(エコウィル)、床暖房などの拡販により、これらの影響を最小限にするよう努力をしております。

②自然災害のリスク

当社グループは、地中に埋設された導管網により多くのお客様にガスを供給しております。地震など大規模自然災害が発生した場合に備え、耐震性にすぐれたポリエチレン管による施工を開発当初より積極的に導入してまいりました。更に阪神・淡路大震災の復旧支援時での教訓や新潟中越地震、釧路沖地震、新潟中越沖地震でポリエチレン管への被害事例が見当たらなかった実績により、すべての白ガス管からの入替を地震対策の最大のテーマと定め、入替促進による普及率の向上に邁進しております。また、地震対策マニュアルの作成、毎年実施しております防災訓練により社員の防災意識の高揚やグループ各社間の広域支援体制等の確立などを図り、災害による影響を最小限にとどめるよう対策を講じております。

③ガス原料価格と為替相場の予想以上の大幅な変動

LPガス原料は中近東からの輸入依存が高く、政情悪化で原料が高騰したり、為替レートが円安にふれた場合に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。都市ガス及び簡易ガスの原料価格・為替相場変動による影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映して転嫁することが可能ですが、上限バンドによる制約や反映までのタイムラグにより決算期を越えて影響が発生する可能性があります。

④個人情報の管理について

当社グループが事業を行うために取得・管理しているお客さまの個人情報については適正な保護を重大な責務と認識しております。個人情報保護法その他の関係法令の遵守は従業員及び保安、配送等業務委託先も含め徹底した教育をし、情報管理には万全を期しております。しかし、万が一、外部へ情報漏洩などの事態が発生した場合には、当社グループの信用の失墜や損害賠償責任等の生じる可能性があります。

⑤お客様対応リスク

お客様に対し不適切な対応が発生した場合には、社会的な責任や企業競争力の低下などの損害が発生する場合があります。当社ではお客様相談窓口を設置し、その対応のスピードとお客様の満足内容について全てチェックし、毎月の幹部社員の会議でもさらに確認し、更なるCS(顧客満足)の向上をめざしています。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1)経営成績

国内のエネルギー業界は、2016年4月に電力小売りが、2017年4月には都市ガス小売りが全面自由化され、異業種からの参入やエネルギーの垣根を越えた連携が進み、セット割料金メニューによる顧客獲得競争が展開されております。

このような状況下での業容拡大を目指し、当社グループは、当連結会計年度から、都市ガス原料の卸供給元を、東京電力エナジーパートナー株式会社に変更するとともに、お客様に、より安価なサービス提供を行うセット割料金メニュー「プレミアム5+プラン」を発表し、都市ガス小売自由化市場に参入いたしました。同市場における初年度のお客様獲得目標110千軒の達成に向け、テレビCMやWeb広告等によるブランディング戦略により認知度向上に努めるとともに、「プレミアム5+プラン」の割引対象サービスのラインナップ拡充によりお客様の利便性向上を図り、当社グループの総力を挙げて営業活動を展開いたしました。その結果、当連結会計年度末時点での同市場におけるお客様数は申込ベースで110千軒、獲得ベースで98千軒となりました。

また、当社は、2017年8月に、東京電力エナジーパートナー株式会社と共同出資で、都市ガス事業のプラットフォームを提供する新会社「東京エナジーアライアンス株式会社」を設立し、新規参入を希望する事業者に、都市ガスの卸供給や、託送手続き、保安業務、ガス器具販売・修理、利便性の高い決済機能をはじめとしたガスの基幹業務クラウドシステム等のサービス提供を開始しております。

当社は、資本業務提携先であり最先端のICTとAI技術を有する株式会社メタップスとの共同開発で、お申込みから決済までをLINE上で完結することが出来る「ガス器具販売システム」や、お客様のスマホでガス料金のクレジット決済や口座振替登録が出来る「Web決済システム」を開発し運用しております。

また、当社は、株式会社U-NEXTマーケティングの自動応答サービス(人工知能が音声により会話を直接認識し自動応答する「AIコンシェルジュ」)により、お客様からのお電話によるガス利用開始手続き(開栓のお申込み)受付の自動化を進めており、テスト運用を開始いたしました。これにより、無人で24時間365日の自動受付が可能となります。

今後も、AI等の先進テクノロジーの活用によるシステム開発を推進し、ペーパーレスオペレーションによるお客様のサービス受益ストレスの解消とスピーディで利便性の高いサービスの提供に努めて参ります。

なお、当連結会計年度末の当社グループのお客様数は、前連結会計年度末に比べ137千軒増の1,338千軒と順調に増加しております。

当連結会計年度の売上高につきましては、ガス機器販売の減少とカセットボンベ事業の廃業等で、機器工事他の売上高は減少いたしましたが、ガス売上高が、お客様数の順調な伸びと冬期の気温・水温が低く推移したこと等により、前年同期に比べ増加いたしましたため、1,147億2千5百万円(前年同期比4.7%増)となりました。

利益面につきましては、売上総利益は、LPガス、都市ガスともに原料価格が前年同期に比べ高く推移したものの、増収に伴い増加いたしましたが、自由化市場での需要開発を目的とした広告宣伝費等の増加があり、営業利益は106億8千9百万円(前年同期比12.4%減)、経常利益は110億9千3百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に卓上コンロ用カセットボンベの製品自主回収に係る費用22億円の特別損失が計上されておりますため、77億9千8百万円(同12.8%増)となりました。

 

当連結会計年度のセグメント別の経営成績は次のとおりであります。

[LPガス事業]

LPガス事業におきましては、ガス売上高は、家庭用ガス販売量がお客様数の順調な伸びに伴い増加したことに加え、業務用も堅調に推移し、前年同期に比べ増加いたしましたが、カセットボンベ事業の廃業等で機器工事他の売上高が減少いたしましたため、当連結会計年度の売上高は647億4千8百万円と前年同期に比べ15億1千1百万円(前年同期比2.3%減)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は、機器工事他の利益が減少したことにより80億1千1百万円と前年同期に比べ2億2千1百万円(前年同期比2.7%減)の減益となりました。

[都市ガス事業]

都市ガス事業におきましては、自由化市場でのお客様獲得が順調に推移し、家庭用ガス販売量が前年同期に比べ増加したことに加え、天然ガスの販売単価が原料費調整制度により高く推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は499億7千6百万円と前年同期に比べ66億9千9百万円(前年同期比15.5%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、広告宣伝費等の増加により、26億6千7百万円と前年同期に比べ12億8千9百万円(前年同期比32.6%減)の減益となりました。

 

 

  生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

当社グループは販売を主として行っており、セグメントごとに生産規模及び受注実績を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。

 

 [販売実績]

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(29.4.1~30.3.31)

前連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

LPガス事業(百万円)

64,748

66,259

都市ガス事業(百万円)

49,976

43,276

合計(百万円)

114,725

109,536

 

 

1) LPガス事業の販売実績

 

区分

当連結会計年度
(29.4.1~30.3.31)

前連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

ガス(百万円)

56,543

50,113

機器、受注工事他(百万円)

8,205

16,146

合計(百万円)

64,748

66,259

 

 

2) 都市ガス事業の販売実績

 

区分

当連結会計年度
(29.4.1~30.3.31)

前連結会計年度
(28.4.1~29.3.31)

ガス(百万円)

39,451

34,205

機器、受注工事他(百万円)

10,524

9,070

合計(百万円)

49,976

43,276

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 (2)財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12億3百万円(0.9%減)減少し、1,379億5千3百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ9億1千8百万円(2.1%増)増加し、450億5千2百万円となりました。主な要因は、原料価格の値上がりに伴い商品及び製品が増加したこと等によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ21億2千1百万円(2.2%減)減少し、929億1百万円となりました。主な要因は、減価償却費の計上により有形固定資産と無形固定資産が減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ66億3千7百万円(9.2%減)減少し、658億7千7百万円となりました。主な要因は、返済が進んだことにより借入金が減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ54億3千4百万円(8.2%増)増加し、720億7千6百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払による利益剰余金の増減を反映したものです。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.3ポイント向上し、52.2%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、4千万円増加し314億3千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、10億3千2百万円収入が減少し、155億9千7百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ増加いたしましたが、製品自主回収関連損失引当金の減少やたな卸資産の増加等の支出要因に相殺されたことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、36億8千3百万円支出が減少し、70億5千9百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出と投資有価証券の取得による支出が減少したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、2億6千3百万円支出が減少し、84億5千4百万円となりました。これは主に、借入金の純減少額と配当金の支払額を反映したものです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、上記の(3)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。なお、資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払、借入金の返済等であり、その原資は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社は、LPガス事業のエアゾール及びカセットガス充填において研究開発活動を行っておりましたが、平成29年4月に当該事業を廃業したため、該当事項はありません。