第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

国内のエネルギー業界は、電力及び都市ガスの小売市場全面自由化により、異業種からの参入やエネルギーの垣根を越えた連携が進み、市場競争が激化しています。

このような大きな転換期を迎える事業環境の中、当社は、以下の課題に取り組み、企業の持続的成長を目指すとともに、地域社会の大きな変化に対応した新たなイノベーションを実装し、受益者ストレスがなく利便性の高いサービスの構築を進めてまいります。

 

1.LPガス事業を中心とした成長の確保

当社は、自由化市場であるLPガス小売市場で一人一人のお客様からの支持を積み重ね、事業基盤を構築してまい りました。今後もこの取り組みを強化し、コア事業であるLPガス事業の顧客基盤拡大を最優先に成長を訴求してまいります。コア事業の成長を加速させるためにも、2018年11月より販売を開始しました電気とガスのセット割料金メニュー「でガ割」、2017年4月に参入しました新都市ガス事業の取組も推進し、総合エネルギー事業者として成長を目指してまいります。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実装したシェアリングエコノミー経済圏やデータ共有のためのシステム対応を強力に推し進めてまいります。

 

2.デジタル技術による新たな事業基盤の創出

当社では、これまで当社の業務の効率化と保安の高質化をけん引してきた基幹クラウドシステム「雲の宇宙船」をレガシーシステムと位置付け、システムの再構築を進めております。この成果の一つとして当社は、「雲の宇宙船」の各機能を個別API化して提供するサービス「データ・道の駅」の運用を開始いたしました。「データ・道の駅」の活用により、ユーザー企業は自社の顧客管理システムを再構築することなく、「雲の宇宙船」の機能の中から必要なものだけを利用できるようになりました。競合、協業に関わらず他の事業者とのシステム連携が進む中で、個別データの暗号化や、暗号化認証システム、ブロックチェーン技術の取り込みなどDXへの取り組みを強化してまいります。また、LPガスの配送に最先端デジタル技術を実装することにより、「LPG託送」という新たな概念を構築し、都市ガス、電力を含めた将来のエネルギー託送の概念構築にも挑戦してまいります。さらに、シェアリングエコノミー時代に即した新サービスとして「LPG託送」サービスを他の事業者に提供することにより、業界の新たな事業環境の構築を目指してまいります。

 

3.組織改革の推進

当社では、取締役会の構成の見直しを含めた組織改革を進めてまいります。これにより、取締役会の監督機能及び執行役員による業務執行機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの徹底を目指してまいります。また、グループ全体での人的リソースのリバランスを徹底し、エネルギー事業を中心とした成長を促進するための組織改革に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループの基幹事業であるガス事業の収益性は、主として次の要因により左右されます。

①気温・水温の変動によるガス需要への影響

当社グループの売上高の大半を占めている「ガス事業」の性質上、気温・水温の変動がガス需要に影響を及ぼす可能性があります。但し、当社グループは積極的な顧客基盤の拡充政策や、GHPを代表とする空調機器や小型コージェネ機器(エコウィル)、床暖房などの拡販により、これらの影響を最小限にするよう努力をしております。

②自然災害のリスク

当社グループは、地中に埋設された導管網により多くのお客様にガスを供給しております。地震など大規模自然災害が発生した場合に備え、耐震性にすぐれたポリエチレン管による施工を開発当初より積極的に導入してまいりました。更に阪神・淡路大震災の復旧支援時での教訓や新潟中越地震、釧路沖地震、新潟中越沖地震でポリエチレン管への被害事例が見当たらなかった実績により、すべての白ガス管からの入替を地震対策の最大のテーマと定め、入替促進による普及率の向上に邁進しております。また、地震対策マニュアルの作成、毎年実施しております防災訓練により社員の防災意識の高揚やグループ各社間の広域支援体制等の確立などを図り、災害による影響を最小限にとどめるよう対策を講じております。

③ガス原料価格と為替相場の予想以上の大幅な変動

LPガス原料は中近東からの輸入依存が高く、政情悪化で原料が高騰したり、為替レートが円安にふれた場合に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。都市ガス及び簡易ガスの原料価格・為替相場変動による影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映して転嫁することが可能ですが、上限バンドによる制約や反映までのタイムラグにより決算期を越えて影響が発生する可能性があります。

④個人情報の管理について

当社グループが事業を行うために取得・管理しているお客さまの個人情報については適正な保護を重大な責務と認識しております。個人情報保護法その他の関係法令の遵守は従業員及び保安、配送等業務委託先も含め徹底した教育をし、情報管理には万全を期しております。しかし、万が一、外部へ情報漏洩などの事態が発生した場合には、当社グループの信用の失墜や損害賠償責任等の生じる可能性があります。

⑤お客様対応リスク

お客様に対し不適切な対応が発生した場合には、社会的な責任や企業競争力の低下などの損害が発生する場合があります。当社ではお客様相談窓口を設置し、その対応のスピードとお客様の満足内容について全てチェックし、毎月の幹部社員の会議でもさらに確認し、更なるCS(顧客満足)の向上をめざしています。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の分析については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前会計年度との比較・分析を行っております。

 (1)経営成績

国内のエネルギー業界は、2016年4月に電力小売りが、2017年4月には都市ガス小売りが全面自由化され、異業種からの参入やエネルギーの垣根を越えた連携が進み、セット割料金メニューによる消費者への提案活動が一層活発化しております。

当社グループは、このような状況下での業容拡大を目指し、テレビCMやWeb広告等を通じたブランディング戦略により認知度向上に努めるとともに、お客様に利便性の高いサービスを提供するセット割料金メニュー「プレミアム5+プラン」のラインナップを拡充するなど、グループの総力を挙げて営業活動を展開しております。

2018年11月には、資本業務提携先である東京電力エナジーパートナー株式会社の協力を得て、業界最安値を目指す電気とガスのセット割料金メニュー「でガ割」を発表し、東京電力エリアで電気の小売事業をスタートいたしました。さらに2019年3月には、静岡県の中部電力エリア(静岡県の富士川以西)において、同メニューによるLPガスと電気のセット販売を開始し、お客様数の増加に注力しております。今後も、より多くのお客様のご支持を得られるような魅力的な料金メニューや付加価値サービスの開発に注力して参ります。

 

当社グループの主軸であるLPガス事業の順調な顧客基盤拡大への対応と今後の事業連携を見据え、新たな大型LPガス充填ハブ基地「夢の絆・川崎(仮称)」の建設を計画し、用地として神奈川県川崎市に28,900坪の土地を取得いたしました。

2020年度に完成予定の同ハブ基地は、最新のICTIoT技術を組み込み、LPガスの受入、ガスの協同充填、トレーラーへの積載等の、完全デジタルトランスフォーメーションによる、世界初の完全無人オペレーションの実現を目指しております。加えて、ICタグや画像認証技術等を活用したガスボンベのトレーサビリティを実現し、リアルタイムでの配送経路や容器管理の「見える化」、センサー技術を活用した基地構内におけるトレーラー・ローリー等の自動オペレーションを目指します。

これらエネルギープラットフォーム事業を支える様々なビックデータの連携と、収集した多くのデータをAIで静的・動的に解析し、お客様毎の異なるニーズや多様化する地域社会の動態に対応した新たなサービス開発に応用するシステム「ニチガス・ストリーム」を株式会社ソラコムと協働で構築いたしました。現在、同システムを実装し、収集データの選別と利用方法の検討を進めております。

当社グループは最先端テクノロジーの取り込みこそが、今後の労働生産性向上によるトップライン拡大や、企業価値向上を決定づけるという確信のもと、ICT技術によるイノベーションの創出に取り組み続けて参ります。

定量面に関しましては、当連結会計年度末の当社グループのお客様数は、前連結会計年度末に比べ157千世帯増の1,496千世帯と順調に増加しております。

当連結会計年度の売上高につきましては、期初からの例年にない高気温の影響を受けましたものの、自由化市場でのお客様数の順調な伸びに伴い、ガス売上高が前年同期に比べ増加したこと等により122,577百万円(前年同期比6.8%増)となりました。

利益面につきましては、原料価格の上昇に加え、営業力強化のための人員増に伴う労務費の増加等があり、営業利益は8,927百万円(前年同期比16.5%減)、経常利益は、持分法による投資損失の計上等により7,375百万円(同33.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,328百万円(同44.5%減)となりました。

 

当連結会計年度のセグメント別の経営成績は次のとおりであります。

[LPガス事業]

LPガス事業におきましては、ガス販売量は期初からの高気温の影響を受け減少いたしましたが、原料価格の値上がりに伴う販売価格の上昇等により、当連結会計年度の売上高は67,442百万円と前年同期に比べ2,693百万円(前年同期比4.2%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、人員増に伴う労務費の増加等により、6,888百万円と前年同期に比べ1,122百万円(前年同期比14.0%減)の減益となりました。

[都市ガス事業]

都市ガス事業におきましては、ガス販売量が、自由化市場でのお客様数の順調な伸びに伴い前年同期に比べ増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は55,135百万円と前年同期に比べ5,158百万円(前年同期比10.3%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、原料価格が高く推移したことに加え、営業費の増加があり、2,029百万円と前年同期に比べ638百万円(前年同期比23.9%減)の減益となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

当社グループは販売を主として行っており、セグメントごとに生産規模及び受注実績を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。

 

 [販売実績]

 

セグメントの名称

前連結会計年度
(2017.4.1~2018.3.31)

当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)

LPガス事業(百万円)

64,748

67,442

都市ガス事業(百万円)

49,976

55,135

合計(百万円)

114,725

122,577

 

 

 

1) LPガス事業の販売実績

 

区分

前連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

当連結会計年度

(2018.4.1~2019.3.31)

ガス(百万円)

56,543

56,824

機器、受注工事他(百万円)

8,205

10,617

合計(百万円)

64,748

67,442

 

 

2) 都市ガス事業の販売実績

 

区分

前連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

当連結会計年度

(2018.4.1~2019.3.31)

ガス(百万円)

39,451

47,226

機器、受注工事他(百万円)

10,524

7,909

合計(百万円)

49,976

55,135

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,314百万円(2.4%増)増加し、141,267百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ12,451百万円(27.9%減)減少し、32,198百万円となりました。主な要因は、川崎の工場用地及び投資不動産の取得により現金及び預金が減少したこと等によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ15,765百万円(16.9%増)増加し、109,069百万円となりました。主な要因は、川崎の工場用地及び投資不動産の取得に伴い有形固定資産と投資その他の資産が増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ6,325百万円(9.6%増)増加し、72,203百万円となりました。主な要因は、設備投資資金の調達に伴い借入金が増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3,011百万円(4.2%減)減少し、69,064百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払による利益剰余金の増減及び自己株式の取得(株主資本の減少)を反映したものです。また、自己株式5,588千株を消却いたしました。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.3ポイント低下し、48.9%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、13,243百万円減少し18,193百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、446百万円収入が減少し、15,151百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ減少し、たな卸資産の減少額等の収入要因が相殺されたことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、19,786百万円支出が増加し、26,846百万円となりました。主な要因は、川崎の工場用地及び投資不動産の取得により、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、6,884百万円支出が減少し、1,570百万円となりました。これは主に、借入金の増加額と自己株式の取得による支出を反映したものです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、上記の(3)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。なお、資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払、借入金の返済等であり、その原資は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。