当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況
資本効率を重視する当社は、堅調な業績を背景に成長投資と株主還元を両立させながら、総資産及び自己資本比率を適正水準にコントロールしております。
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、ハブ充填基地「夢の絆・川崎」の建設投資により増加しましたが、配当及び自己株取得による株主還元により現預金を減少させ、前期末から1,912百万円(1.3%減)減少した139,355百万円となりました。
また、負債の部は、「夢の絆・川崎」の工事未払金により、前期末から2,731百万円(3.8%増)増大した74,934百万円に、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益が計上された一方、自己株式の取得及び配当の支払いにより減少し、前期末から4,644百万円(6.7%減)減少した64,420百万円となりました。
その結果、自己資本比率は46.2%となり計画通りに安定した財務体質を維持しております。
(2)経営成績の状況
国を挙げてデジタル化に取り組む大きな変化の年。エネルギー業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)のユースケースの山と言われています。ICTの破壊的進化を背景に経済のバーチャル化が進み、多様化する地域社会に対するサービスの再定義を前提に、サブスクリプションなどの新たなサービスが次々生まれています。事業競争の中心は、ITを駆使した新たな地域コミュニティーの組成に及び、その進化は規制の存在意義にまで影響を及ぼし、国家の規制による監視から、ブロックチェーンなどに代表される、公正で改ざんのできない公共監視体制に移行する過渡期とも言われています。エネルギー自由化は正にこの試金石であり、コンサバティブで横並びのサービスから、新たなイノベーションによる、安全で、安価で、利便性が高く、受益者ストレスのないサービスとして提供され始めています。
当社グループは、このような現状認識のもと、知的無形資産であるシステム開発に投資のプライオリティーをおいてきました。この無形資産への投資から生み出されたサービスが、オペレーションシステム「雲の宇宙船」のマイクロサービス化による事業連携基盤の構築や、本年2月より導入を開始するオフラインのガスメータをリチウム電池一個でオンライン化するハイブリッド型NCU「スペース蛍」です。スペース蛍は、電池交換を10年間不要としながら、世界130カ国、240の通信キャリアと連携し、これまで“人”により行われていたガス使用量の確認作業(検針)を、遠隔で、自動的に1時間に1回行うことを可能にします。また、緊急時の遠隔によるガス栓の遮断、ガスの微小漏洩警告等の保安情報もリアルタイム監視が可能になるなど、安全面からもお客様に利便性の向上を提供するサービスです。当社グループは、本年2月から14か月間で「スペース蛍」をLPガスすべてのお客様(約88万世帯)に設置し、逐次、当社グループの導管で都市ガスを供給しているお客様(約41万世帯)にも導入を開始する予定です。合わせて、他のガス事業者の皆様にも、スペース蛍をデータ通信サービスと統合する形で、サブスクリプションにより提供を進めてまいります。
また、スペース蛍を、株式会社ソラコムと共同開発したビッグデータ収集統合基盤「ニチガスストリーム」と連携させ、様々なデータ規格を世界標準のフォーマットに統一したうえで、エストニアの暗号化認証技術X-ROADやブロックチェーンにより、個人データをセキュアし、改ざんから守り、匿名性を確保しつつ、他の事業者と連携して新たな事業価値を共創してまいります。このIT基盤は、様々なプレイヤーがエネルギー市場に参加することを可能とし、シェアリングエコノミーによるオープンイノベーションの創出に繋がってまいります。
併せて、本年完成予定の世界最大級のハブ充填基地「夢の絆・川崎」においても、貯蔵タンクのガス残量・ボンベ在庫本数・ガス充填機の稼働状況をリアルタイムに把握する技術や、RFIDや自動認証等により車両や容器、人など、トレーサビリティの位置情報等をリアルタイムに把握するDXの実装を進めております。こうした取組により、LPG物流の全てをリアルタイムにコネクトすることで、「予測」に基づいてきたLPG物流の概念を「実績」に基づく姿に進化させ、「生産」と「消費」をリアルタイムで管理するLPGデジタルトランスフォーメーションを構築いたします。
当社グループは最先端テクノロジーへの取り組みが、トップラインの拡大、企業価値の持続的成長を決定づけるという考えのもと、ICT技術によるイノベーションの創出に取り組み続けております。今年から、「スペース蛍」、「夢の絆・川崎」に代表される、当社グループのICTへの取組が、完成から実装、そして他社との共有へとステージを進めていく段階に移ってまいります。これまでにないサービスを社会に提供しながら、企業としても持続的成長のスピードを速めてまいります。
一方で、事業の革新とデジタル化を進めてまいりました主力事業であるLPガスの再定義、この取組は顧客純増数の増加という形で、その成果が表れ始めております。自由化後の都市ガス事業においては、自由化後の進捗を踏まえ、プライオリティーを再設定し、具体的な戦術を組み上げ、一層の成長に向けて邁進しております。また、昨年末より開始した電力事業は、その商品性に合ったファミリー層を中心に堅調に顧客層を伸ばし、12月末時点で顧客基盤、事業利益ともに想定内で推移しております。ガスとのセット販売で顧客に利便性を提供しながら、解約率を低め、顧客あたりの収入を高める有力な商品として育ちつつあります。
今後は、他の事業者と協業連携し、多様化する地域社会に貢献すべく、更なる事業価値の革新に努めてまいります。
定量面に関しましては、当社グループのお客様数を前年同期末に比べ118千世帯順調に増大させ、1,569千世帯とお客様基盤を広げております。
当第3四半期連結累計期間の売上総利益につきましては、顧客数の増加に加え、前年より寒い気候を背景としたガス販売量の増加、LPガス原料価格の低下によるマージンの良化、電気事業及びプラットフォーム事業の貢献等により43,655百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
また、販管費を適切にコントロールし、社内計画よりも支出をおさえた結果、営業利益は5,519百万円(前年同期比95.6%増)、経常利益は5,062百万円(同152.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,235百万円(同227.1%増)となり、大幅な増収増益となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
①LPガス事業(附帯事業としてLP機器・工事の他、電気事業・プラットフォーム事業等を含む。)
主力事業であるLPガス事業は、事業革新とデジタル化を進めてきた結果、獲得数増加、解約数減少、またM&Aも進み、お客様数を前年同期末に比べ36千件純増させました。LPガス売上総利益は、LPガス原料価格が前期に比べ低く推移したためマージンが良化し、26,427百万円と前年同期に比べ1,859百万円(前年同期比7.6%増)増加しております。
また、電気のお客様も順調に伸ばし、前年同期末に比べ74千件純増させました。プラットフォーム事業においても利用企業の顧客拡大により売上をのばし、附帯事業の売上総利益は2,257百万円と前年同期に比べ983百万円(前年同期比77.2%増)増加しております。
②都市ガス事業
都市ガス事業におきましては、既存のガスのお客様に電気とのセット販売をすすめ、他社への切替を防ぐとともに、新規契約を積み上げることによりお客様数を82千件純増させました。また、お客様への新規加入割引サービスを中止をする等の収支管理を徹底した結果、売上総利益は14,970百万円と前年同期に比べ1,613百万円(前年同期比12.1%増)増加しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当社は、獲得した資金を持続的な企業価値向上のために必要な投資へ振り向けながら、資本効率の見地も踏まえつつ、安定した財務基盤を確保の上、株主に還元をしております。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,815百万円減少し、10,378百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前四半期純利益が増加(前年同期比2,777百万円増加)した一方、決済のタイミングが影響して売上債権の増加(前年同期比1,468百万円増加、マイナスの影響)となり、前年同期比1,137百万円増加となる6,155百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュフローは、LPガス事業の効率的な配送を支えるデポや充填基地等の投資に加え、パイプラインの入替等もすすめ有形固定資産投資に4,981百万円(前年同期は川崎の土地の取得等の支出があったため、18,779百万円支出が減少)、IT投資及びM&A等の無形固定資産投資に2,410百万円(前年同期比1,502百万円支出が増加)支出し、7,558百万円の支出(前年同期比17,223百万円減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得や配当の株主還元による支出を前年同期比5,078百万円増加させ、借入による収入を2,776百万円減少させた結果、前年同期比7,801百万円減少の6,457百万円の支出となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。