当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期におきましても、新型コロナウイルス感染症の世界的流行は収束の兆しが見えず、長期化の様相を呈しています。経済活動においては持ち直しの動きが一部において見えつつも、世界的な景気減速が懸念されております。一方で、リモート学習や在宅勤務の浸透等、最近のニューノーマルと言われる生活様式の変化は、我が国のデジタルトランスフォーメーション(DX)をこれまでになく加速させました。我々は今、歴史的な大転換期の渦中におり、エネルギー業界も、かつてないスピードで事業の再定義が求められています。一人暮らしの高齢者世帯の増加、地域社会の多様化など社会構造が変化する中で、従来のコンサバティブで横並びのサービスから、新たなイノベーションによる、安全で、安価で、利便性が高く、受益者ストレスのないサービスの提供が強く求められ、新たな社会課題を反映したサービスの提供が始まりつつあります。エネルギー自由化とは、新たなイノベーションの創出とそのメリットを社会が享受するための挑戦であると当社は考えています。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業経営におけるESG、SDGs重視という全世界的な潮流をより確かなものとしました。当社は、従来より、テクノロジーで地域社会の課題を解決し、中長期的な企業価値の向上を目指す方針であり、ESG,SDGs対応に積極的に取り組んで参りました。無人検針を実現し、検針数値をビッグデータに変える「スペース蛍」、ビジネスの概念を競争から共創にパラダイムシフトする「夢の絆・川崎」などのDXの取り組みは、来たるデータドリブン社会を想定し、様々なビッグデータをセキュアに担保する事がデータ民主化を進める大前提との認識で、様々な事業者の個別データを規格統一し、セキュリティーを高度に確保した統合データ基盤や、データの価値創造のためのシェアリングエコノミー基盤への、ブロックチェーンやエストニアの暗号化認証システムXロード、デジタル通貨のアクセスログの高度なチェックシステム等が実装出来たからこその挑戦であります。この事で、SDGs16の全ての人に平和と公正を実現し、SDGs17のパートナーシップで目標の実現をという共創社会の実現を目指すものであります。圧倒的な社会課題の変化に対して、次の時代のあるべき姿を再定義し、働き方や消費者サイドとのプライベートコミュニティーのあるべき姿創出のため、さらに努力をして参ります。社会の共有物であるイノベーションを個社の利益の為に使うのではなく、エネルギー業界全体で競業・協業にかかわらず共有連携し、自前主義から脱却して得たコストを地域社会に還元します。ICTの取り組みの成果を他事業者との差別化に使用するのではなく、むしろ他事業者との共創のために共用することで地域社会に対し貢献し、企業としても持続的成長のスピードを速めようと考えています。
「夢の絆・川崎」は、貯蔵タンクのガス残量、ガスボンベ在庫本数、ガス充填機の稼働状況をリアルタイムに把握する技術や、RFID、自動認証技術等によりガスボンベの配送経路や位置情報をリアルタイムに把握する技術を実装した世界最大級のLPガス充填基地であり、21年3月期中に完成予定です。「夢の絆・川崎」は、今後開始するLPG託送(充填、配送、検針等)の重要な機能として、マイクロサービス化して、他事業者に提供されます。サービス利用者にとっては、マイクロサービス化により、充填・配送等の仕組を持たずとも必要な機能だけを利用することが可能となり、LPガス事業に参入することが容易となるもので、これまでにない収益モデルです。
また「夢の絆・川崎」は、「スペース蛍」と共にIoTデータの収集ポイントでもあり、収集したデータはビッグデータ収集統合基盤「ニチガスストリーム」に連携されます。「ニチガスストリーム」とは、株式会社ソラコムとの共同開発成果物であり、個別データの暗号化や暗号化認証システム、ブロックチェーン技術等により構成されています。これらのDXを支える最先端テクノロジーに対する投資は、当社グループにおいて最も重要なイノベーションの創出源であり、トップラインを拡大させ、企業価値の持続的成長を支えるものと考えております。当第2四半期において、当社グループは株式会社Bassetと不正検知システムを共同開発致しました。株式会社Bassetが持つブロックチェーン分析によるコンプライアンス技術を活用したことにより、金融事業で用いられている不正検出エンジンと同レベルのメカニズムによる情報管理体制の安全性強化に成功いたしました。この開発は、取引のトレーサビリティと透明性を高めるものであり、「スペース蛍」によるデータ提供サービスやLPG託送事業の利用者となるLPガス小売業者に対し、非常に透明性の高い情報提供を可能とするものとなります。
当社は、保守的なインフラ業界において、常にデジタル活用でビジネスの基軸を根本的に変革し、新たな社会システムの構築に挑戦しようとしております。エネルギー事業の概念を根本的に再定義し、新たな社会貢献のためのプラットフォームを創り出す、この挑戦の起点は正にこの時期をおいて他にはないと確信しております。
事業革新とデジタル化推進の下、主力のLPガス事業については、当第2四半期においても最優先事業として位置づけ、経営資源を投入致しました。新型コロナウイルス感染症拡大による対面営業の制限は緩和され、現在は「ポストコロナ」時代のニーズに則し、デジタルを活用した非対面での営業活動も積極的に展開しております。また、事業売買の動向が非常に活発になっており、この動きを捉えた営業活動は、顧客数の増加という形で着実に結実しております。自由化後の都市ガス事業は、自由化の進捗を鑑み、その収益性を踏まえて成長させていく事業であると位置づけています。また、電力事業においては、その商品性に合ったファミリー層を中心に顧客数を伸ばしながら、収益も伴った形で順調に事業拡大を遂げております。当該電力小売事業は、ガスとのセット販売によって顧客に利便性を提供しながら契約期間を伸長させ、顧客当たりの収入を高める有力な商品としても機能しております。
さらに、東電と共同設立したプラットフォーム事業で、新しいイノベーションテックを活用し、地域の行政サービスとのデジタル連携の取り組みも、すでに一部市町村でスタートしており、次なる大義実現に向けて挑戦を続けて参ります。
定量面に関しましては、売上総利益は29,744百万円と前年同期比1,454百万円(5.1%)の増益、営業利益も3,745百万円と同535百万円(16.7%)の増益、そして、親会社株主に帰属する四半期純利益も2,421百万円と同407百万円(20.2%)の増益と、各利益段階で増益の決算となりました。
売上総利益の増加は、家庭用ガス販売量の増加、LPガス原料価格の低下によるマージンの良化、電気事業及びプラットフォーム事業の拡大によるものです。また、 営業利益の増加は、オペレーション費用を抑え、販管費を計画内に適切にコントロールしたことによるものです。
当期間のセグメント別の概況は次のとおりであります。
[LPガス事業] (附帯事業としてLP機器・工事の他、電気事業・プラットフォーム事業等を含む)
LPガス事業セグメントの売上総利益は、LPガス事業による売上総利益が17,973百万円(前年同期比587百万円増)、附帯事業による売上総利益が2,056百万円(同626百万円増)となりました。
LPガス事業による売上総利益の増加は、お客様数の増加及び巣ごもり需要による家庭用ガスの販売量増大(前年同期比5.9%増)とLPガス原料価格の低下によるものです。LPガス事業の営業活動は新型コロナウィルス感染拡大により活動を自粛しておりましたが、現在では感染対策を講じた上で、通常通りの営業体制に戻り、堅調なお客様数の増加に繋がっております。営業活動の自粛期間中は、商圏買収に注力し、結果として、お客様増加数は、年間計画40千件に対して、当期間の6か月間で26千件の実績を残しております。
また、附帯事業による売上総利益の増加は、電気売上の増加(前年同期比424百万円増)とプラットフォーム事業の拡大(同137百万円増)によるものです。電気事業におきましては、既存のガス利用のお客様を中心にセット販売でお客様を59千件増やし、この結果、ガスのお客様における電気セット率は前期末6.4%から9.9%に上昇しております。
[都市ガス事業] (附帯事業として都市ガス機器・工事等を含む)
都市ガス事業セグメントの売上総利益は、都市ガス事業による売上総利益が9,159百万円(前年同期比183百万増)、附帯事業による売上総利益が555百万円(同55百万円増)となりました。
都市ガス事業による売上総利益の増加は、家庭用ガスの販売量増大(前年同期比6.2%増)によるもので、収益性を意識しながら新規契約を積み上げ、お客様数は13千件増加しております。
(2)財政状態の状況
資本効率を重視する当社は、堅調な業績を背景に成長投資と株主還元を両立させながら、総資産及び自己資本比率を適正水準にコントロールしております。
第2四半期末の資産の部は、132,756百万円と前期末から235百万円(0.2%増)増加いたしました。
総資産の増加は、季節的要因により受取手形及び売掛金、商品及び製品が減少いたしましたが、夢の絆の建設にかかわる一部代金の支払い、スペース蛍の据付、商圏買収の投資により固定資産が増加したためです。
また、第2四半期末の負債の部は、64,323百万円と前期末から157百万円(0.2%増)増加、純資産の部は、68,432百万円と前期末から77万円(0.1%増)増加いたしました。負債の部の増加は、季節的要因により支払手形及び買掛金、未払法人税等が減少いたしましたが、長期借入金を増加させたためです。また、純資産の部の増加は、親株主に帰属する四半期純利益等の増加が、「役員報酬BIP信託」のための自己株式の取得、配当の支払い等の減少を上回ったためです。
自己資本比率は51.5%となり、コロナ禍においても十分安定した財務体質を維持しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
第2四半期末における現金及び現金同等物は、17,920百万円と前期末から1,391百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュフローは、4,344百万円の収入(前年同期比68百万円減少)となりました。税金等調整前四半期純利益の増加(同593百万円増加)及び季節的要因による売上債権、棚卸資産の減少により営業活動によるキャッシュフローは増加しましたが、法人税等の支払の増加により前年と同程度の営業活動によるキャッシュフローとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュフローは、7,394百万円の支出(前年同期比2,284百万円増加)となりました。増加の主な要因は、「夢の絆・川崎」等の有形固定資産投資の増加(同2,733百万円増加)及び商圏買収(のれん)の増加(同891百万円増加)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュフローは、4,415百万円の収入(前年同期5,753百万円支出)となりました。収入の要因は長期借入金の増加によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。