当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、一部地域に対する緊急事態宣言の再発出等により、経済の先行き不透明な状況が継続しております。一方で、国内のワクチン接種状況が進展するなど、経済活動の回復への道筋も徐々に見え始めて来ました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は経済活動の制約となっておりますが、当社では、これを生活様式や社会構造、産業構造がドラスティックに変化する起点と捉え、このパラダイムシフトを背景とした地域社会の新たな課題を把握し、迅速に事業を再定義することが持続的成長のために必要不可欠であると考えております。
当社は、大きく変わりゆく事業環境の中で、ガスと電気のセット販売という総合エネルギー事業化を、企業としての稼ぐ力と社会課題解決の融合を図る取り組み「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」の中核として位置づけました。その上で、70年にわたり訴求し続けたガス事業の高質化、効率化(CO2削減)を強みに、エネルギー事業の概念を大きく組み替える挑戦を続けています。この事は今を否定し、革新的テクノロジーが関わる5年後の社会の在るべき姿を想定し、バックキャスティングで取り組むべきリスクと向き合う事を意味します。
複雑化する社会課題への新たなソリューションを提供し続け、地域社会に必要とされる会社であることは、持続的な企業価値創出の前提です。当社は、パートナーシップによる「共創」でESGに取り組み、経済性と社会性を両立させ、中長期的な企業価値の向上を目指すというサステナビリティの方針を掲げています。この方針の下、投下資本利益率(ROIC)を強く意識して、効率性の高い資産にバランスシートを組み替えています。また、オープンイノベーションによるデジタル化でCO2排出量の削減や働き方改革といった新たな社会課題の解決を図りながら、株主パフォーマンス(ROE)の更なる向上にも努めています。当社のマテリアリティ(重要な課題)である脱炭素社会への対応については、1)当社のDX実装によるLPG託送システム(エネルギー託送)を他社にシェアリングし、業界全体のCO2排出量を約50%削減すること、2)グリーン電源の調達、自動車のEV化推進、高効率なハイブリット給湯器の普及促進等により、顧客世帯あたりのCO2排出量を約50%削減することを2030年の目標として設定しています。そして2050年までの目標として、CO2ネットゼロ達成に向けた具体的取り組みも、地域社会と連携し同時に進めて参ります。
当社は、グループで供給を行っている都市ガスの顧客に対して、当年度から自動検針、保安監視端末「スペース蛍」の設置を開始しました。2022年12月までに約40万件の設置を完了させる予定です。LPガスの顧客約90万件への設置は既に終えており、来年末には、合計で130万件の顧客に対してスペース蛍の設置を完了することになります。
スペース蛍とは、ガスメーターをオンライン化し、ガス使用量、保安状態のリアルタイム計測を可能にするIoT装置です。スペース蛍で取得した1時間ごとのガス使用量データ、保安データのほか、配送実績データ、顧客情報・配送員の出勤情報等を解析することで、当社は、従来の予測に基づくボンベ配送(半数交換)から、実績と使用状況に応じたリアル配送(全数交換)に進化させることに成功し、今年6月から試験導入しています。今秋には全供給エリアに展開予定であります。顧客への配送頻度を半減させることで、コスト負担と環境負荷双方を50%低減いたします。
全数交換という最適配送計画を算出する仕組みは、「ニチガスツイン on DL」という現実世界を仮想空間に再現するデジタルツイン技術が支えています。これは、ガスの消費量や自動認証技術で取得された車輌、人、容器等のリアルデータを、サイバー空間上でリアルタイムに自動収集し、AI がディープ・ラーニングによって成長しながら分析・処理する技術です。当社は、配送、容器管理、メーター管理、検針、保安業務といったエネルギー事業関連サービスを、データのプライバシーを強固に保護した上で、プラットフォームとして他事業者に提供するエネルギーシステムサービスを開始いたします。ニチガスツイン on DLは、その際の共創環境のベースシステムとなります。エネルギー託送サービスの提供、つまり、DX実装による他事業者との協業は、業務効率化によるコスト削減、人的リソース確保や働き方改革等のイノベーションの果実を、当社と他事業者で共有することであり、株主利益とESGの両立をエネルギー業界で目指すものであります。
このような取り組みの下、ガス事業については、当期においても最優先事業として位置づけ、資産の収益性を高めながら経営資源を投入しております。ニューノーマル時代に入り、非対面でのバーチャル営業も積極的に展開し、営業活動でもデジタルを活用した次世代のコミュニケーションシステムを進めています。また電力事業も同じく最優先のコア事業と位置付け、顧客基盤の拡大においては、その商品性に合ったファミリー層を中心に、ガスとセットで顧客数を伸ばしながら、収益も伴った形で堅調な成長を遂げています。当社は、カーボンニュートラルの実現やDXの実装に向けた取り組みが進展する過程において、電力需要量が急速に増大すると考えております。こういった将来の経営環境の変化の中でも持続的に成長できる企業であり続けるため、当社の強みである東京電力グループとのパートナーシップを活かし、ガス事業だけでなく電気事業も重点戦略分野として適切に経営資源を配分して参ります。電力事業の成長促進にも力を注ぎ、ガス事業とのシナジーを訴求し、さらに異業種とのシェアリングエコノミーを構成する事は、高度に変化し続ける地域社会のデジタル化、効率化や、受益者ストレスの解消に資する大きな挑戦であります。当社はこの様な環境変化と真摯に向き合う事で自らに変革を促し、常に変わり続け、更なる企業価値の創造に邁進してまいります。
当第2四半期累計期間におきまして、売上高は65,410百万円(前年同期比6.4%増)、売上総利益は29,231百万円(同1.7%減)、営業利益は2,322百万円(同38.0%減)、経常利益は2,342百万円(同40.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,448百万円(同1.1%増)となりました。
前期と比較して、売上が1,416百万円、売上総利益・営業利益・経常利益が733百万円減少した大きな理由は、主力ビジネスのLPガス、及び電力事業において、「収益認識に関する会計基準等」を当期首から適用したことによるものであります。同基準の適用により、収益認識基準が「検針日基準」から「期末日基準」に変更され、第2四半期累計期間の収益対象期間は4~9月検針期間(3月上旬~9月上旬)から4月1日~9月末日となりました。結果、ガス・電気使用量が多い3月中旬から3月末日までの売上は、当第2四半期累計期間の売上から除かれ、3月中旬から3月末日の期間と比較して使用量が少ない9月中旬から9月末日の売上が計上されておりますため、当第2四半期累計期間の売上・利益は前期と比較して減少しております。 詳細については、「第4 経理の状況 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照下さい。
当期間のセグメント別の概況は次のとおりであります。
[LPガス事業] (附帯事業としてLP機器・工事の他、プラットフォーム事業等を含む)
LPガス事業セグメントは、LPガス事業による売上が26,423百万円(前年同期比1,409百万円増)、売上総利益が17,236百万円(前年同期比737百万円減)、附帯事業による売上が4,883百万円(前年同期比451百万円減)、売上総利益が1,667百万円(同160百万円増)となりました。
LPガス事業による売上総利益の減少は、収益認識に関する会計基準による影響787百万円減が主要因であり、同基準適用前のLPガス事業による売上総利益は前期と比較して50百万円増加しております。
当第2四半期連結累計期間は、前年同期と比べ、暖かな気温、高い原料価格と厳しい環境ではありましたが、業務用のガス販売量が回復基調となったこと、第1四半期から適用した価格改定により売上総利益を確保いたしました。営業につきましても、緊急事態宣言下で外部パートナーの営業がペースダウンいたしましたが、若手社員向け営業研修等、自社社員の営業力強化に向けた取り組みを実施し、お客様数を前年同期末から3万件積み重ね、93万5千件といたしました。
附帯事業による売上総利益の増加は、新都市ガスプラットフォーム事業の他、アライアンス企業への保安、電気小売のプラットフォーム収益や、ガス器具のB to Bデジタルオーダーシステムである「タノミマスター」の収益等、各プラットフォーム事業の拡大によるものです。
[電気事業]
電気事業セグメントの売上は10,365百万円(前年同期比4,338百万円)、売上総利益は1,175百万円(前年同期比626百万円増)となりました。
電気事業による売上、売上総利益の増加は、既存のガス利用のお客様を中心にセット販売で順調に顧客を積み重ねていることによるものです。電気のセット率は前期末13.7%から当四半期末15.5%に上昇、お客様数は前年同期末より10万件増加の25万8千件となりました。
なお、既存のガスとセットでご契約頂いたお客様に対する割引額については、前期まで電気事業セグメントのみで負担していましたが、収益認識に関する会計基準の適用により、今期からLP及び都市ガスにも負担させております。収益認識期間の変更もあわせ、収益認識会計基準により、売上総利益が105百万円増加しております。
[都市ガス事業] (附帯事業として都市ガス機器・工事等を含む)
都市ガス事業セグメントは、都市ガス事業による売上は21,244百万円(前年同期比832百万円)、売上総利益が8,657百万円(前年同期比501百万円減)、附帯事業による売上は2,492百万円(前年同期比543百万円)、売上総利益が494百万円(同60百万円減)となりました。
都市ガス事業による売上及び売上総利益の減少は、前期と比較して暖かな気温による家庭用ガスの販売量の減少、及び原料の上昇基調を要因としたスライドタイムラグのマイナス影響によるものであります。
なお、都市ガス事業については、ガス事業会計規則に則り、前期同様、収益認識を「検針日基準」で実施しております。収益認識会計基準による影響は、電気とのセット割引を今期から新たに負担したこと分による50百万円の減少のみとなります。
(2)財政状態の状況
当社は、株主資本の収益率、すなわちROEを高めることを目的として、まずは、資産の収益性を高めるべく、新たに投下資本利益率(ROIC)をKPIとして設定し、その向上に努めております。具体的には、収益性の高い資産(LPガスとIT)に集中して資本を投下しながら、一方で低収益資産を売却する等をしてバランスシートの中身を入れ替え、総資産規模を膨らますことなく資産の収益力を向上させております。
第2四半期末の資産の部は、140,701百万円と前期末580百万円増(0.4%増)とほぼ同規模を保っております。同期間の資産の主要な増加は、都市ガスの自動検針を可能とするスペース蛍の設置を、リース資産として1,454百万円計上したことによるものです。ソラコム社との協業で生まれたガスメーターをオンライン化する仕組みであるスペース蛍は、既にほぼ全ての当社のLPガス顧客に設置が完了、ガス使用量のリアルタイム把握がスタートしております。当期より都市ガス顧客にも対象を広げ、2022年12月末には設置を完了させる予定です。
同期末の負債の部は、73,033百万円と前期末から2,254百万円増加(3.2%増)、内、有利子負債は46,282百万円と前期末から4,771百万円増やしております。純資産の部は、67,668百万円と前期末から1,674百万円(2.4%減)減少。純資産の部が減少した主な要因は配当2,468百万円、自己株式の取得3,548百万円と株主還元を進めたためです。デッドエクイティレシオは0.7倍、株主資本比率は48.1%と、ROEを高めるために、財務基盤の安定性を確保しながらも、適切にレバレッジを活用しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末とほぼ同額の13,045百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュフローは、8,276百万円の収入(前年同期比3,932百万円増加)となりました。増加の要因は、法人税等の支払いの減少(前年同期比2,482百万円減少)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュフローは、4,658百万円の支出(前年同期比 △2,735百万円減少)となりました。前期は「夢の絆・川崎」等の有形固定資産投資や、M&A等の無形固定資産投資をいたしましたが、当期は戦略的保有目的の有価証券投資を実施いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュフローは、2,984百万円の支出(前年同期4,415百万円の収入)となりました。支出の要因は自己株式の取得、配当金の支払によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。