第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「社会から信頼される企業であること。清く、正しく、美しく、事業を行うこと。」を社是とし、事業の発展と社員の幸福を一致させるべく活動し、お客様、取引先及び株主が、ともに満足を得られる経営を行い、社会に貢献することを基本理念としております。この社会的使命の達成に向けて不断の努力を続けるとともに、事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進し、企業価値の最大化を目指してまいります。

 

(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

我が国の経済の先行きにつきましては、米中の貿易摩擦に代表される通商問題や、異常気象・自然災害などに加え、2020年1月に発生した新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて、経済全体の大幅な悪化が懸念されます。小売業界におきましては、緊急事態宣言による外出の自粛や商業施設の営業時間変更により、消費活動が低下しており、先行きに対する不透明感は一層強まっております。通販業界におきましては、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められているなか、食品や衛生用品などの生活必需品や室内娯楽品の需要が広がる一方で、それ以外の商品に対する消費マインドの変化が一部みられるなど、一様な状況ではありません。また、物流や販売促進にかかる費用が上昇している上、企業間の競争が激化しており、引き続き厳しい環境が予想されますが、消費者のライフスタイルや購買行動の変化により、EC市場はさらに拡大していくものと考えております。

中長期的には、経済のグローバル化の進行に伴い、各国・地域の経済政策や国際的な貿易摩擦、地球温暖化による気候の変化及び新型コロナウイルスの感染拡大のような異常事態等が世界経済に与える影響は、我が国の経済にも波及し、その影響力は拡大するものと思われます。また、テクノロジーの進化や生活様式の変化は、消費者の購買行動に大きな変化をもたらすことが予想されます。我が国におきましては、少子高齢化や人口減少といった構造的な問題を抱えております。この問題は当面解消することができないものであり、これにより我が国における消費マーケットは大きく変化することになります。

そのような状況のもと、当社グループとしては、宅配クライシス、天候不順、消費税率引上げ、今回の新型コロナウイルスの感染拡大等の外的要因及び競合を含めたマーケット環境の変化等により生じる、経営環境の変化、消費者のライフスタイルや消費マインドの変化への対応力を上げることが重要だと認識しております。

上記のような変化が激しい小売業界のなかで、マーケットに対して新たな価値を提供し続け、企業として生き続けるために当社がたどり着いたグループの姿がDMC(Direct Marketing Conglomerate)複合通販企業体となります。DMC複合通販企業とは、モノ、コト、サービス、ソリューションといった様々な提供価値を持つ企業が集まっており、ビジネスモデルにおいても、BtoC、BtoBtoC、BtoBと多様な形態を有する企業グループです。単なる集合体ではなく、すべての企業がダイレクトマーケティング(DM)を基軸とした集合体という希な存在であることに加え、独自性の高い組織団体(生活協同組合)での事業展開や、グループ内に通販を展開する企業と通販に必要なソリューションメニューを提供する企業が存在するなど、特異性をもった企業の集合体となっています。

当社グループが約80年の事業運営で培った知見・ノウハウ・機能をコアとして、DMという中核機能を持った企業が、それぞれのノウハウやケイパビリティを融合させ、シナジーを発揮することで、マーケット環境や顧客ニーズ変化への対応力を高めることができ、新たな提供価値の創造が可能となります。また、これらの課題認識を正確に行い、中期経営計画に反映し、当社グループが確立した2大経営管理手法である「STEP(Small Teams Earn Profit)経営」、「SMS(Scroll Mission Standard)経営」を基に事業経営することにより、計画達成の確度を上げ、DMC複合通販企業体のさらなる進化をめざしております。

 

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中期経営計画 「みらい(2020年度~2022年度)」

定量目標

(単位:百万円)

 

2020年3月期

(実績)

2021年3月期

(予想)

2022年3月期

(目標)

2023年3月期

(目標)

売上高

(成長率)

72,634

75,000

(+3.3%)

80,000

(+6.7%)

85,000

(+6.3%)

営業利益

(営業利益率)

2,145

(3.0%)

1,900

(2.5%)

2,200

(2.8%)

2,600

(3.1%)

経常利益

(経常利益率)

2,296

(3.2%)

2,000

(2.7%)

2,300

(2.9%)

2,700

(3.2%)

親会社株主に帰属する当期純利益

(親会社株主に帰属する当期純利益率)

703

(1.0%)

1,400

(1.9%)

1,600

(2.0%)

2,000

(2.4%)

ROE

(自己資本利益率)

3.3%

6.5%

7.0%

8.0%

 

定性目標

収益力のあるDMC複合通販企業戦略の推進

 2020年度

(2021年3月期)

収益力のあるDMC複合通販企業(第一次)の完成

・通販事業は、既存ビジネスの収益最大化と「Solution Vendor Business(SVB)」推進による成長

・ソリューション事業は、「SLCみらい」稼働を機にさらなる営業拡大

・eコマース事業は、新ビジネスモデルに挑戦し、収益力を高める

・健粧品事業は、顧客基盤の強化を図り、事業成長の芽を見出す

~2022年度

(2023年3月期)

DMC複合通販企業の再成長戦略の推進

・通販事業のさらなる効率化、高収益化

・ソリューション事業の成長軌道を確保し、中核事業に進化

・各事業の持続成長を支える新たなビジネスモデル構築

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営指標として、売上高成長率、売上高経常利益率、ROEを重視しております。2023年3月期には、売上高850億円、経常利益27億円(売上高経常利益率3.2%)、ROE8.0%の達成をめざしております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)国内における消費マーケットの変化

当社グループは、日本国内における営業活動からの売上が大部分を占めております。日本国内における少子高齢化の進行、テクノロジーの進化に伴う消費者の購買行動の変化、景気変動、自然災害、感染症の拡大等により、国内の消費マーケットが当社の想定を超える規模・スピードで変化した場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループは、DMC複合通販企業戦略として、モノ、コト、サービス、ソリューション等、様々な商品・サービスを取り扱うとともに、ビジネスモデルにおいても、BtoC、BtoBtoC、BtoBと多様な形態を有しております。すべてがダイレクトマーケティングを基軸とした企業の集合体であるため、それぞれの企業のノウハウ、ケイパビリティを効果的に融合することができ、シナジーを発揮する等、マーケット環境や顧客ニーズの変化への対応力を高めております。

 

(2)景気の下振れによる不況

日本における将来の景気減退又は経済減速等の経済不振は、女性用アパレル、雑貨、化粧品・健康食品、旅行等の当社グループが取り扱う商品・サービスに対する購買力や需要に影響を与える可能性があります。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気の後退に至っておりますが、今後も、様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループは、各種のコスト削減策を実施することにより収益基盤を強化しております。あわせて、グループの2大経営管理手法である「STEP経営」、「SMS経営」により、早期に業績変動の原因を捉え、迅速に対応策を検討・実施する等リスクの最小化に努めております。

 

(3)地政学的な紛争リスク

当社グループで取り扱う商材は、主に海外で生産しております。貿易摩擦や当該地域における紛争等により、当該国・地域からの仕入れが困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、海外生産拠点の分散化、仕入先との連携強化を図るとともに、主要な海外生産拠点において海外現地法人を設立し、生産管理体制の強化等を行うことにより、リスクの最小化に努めております。

 

(4)新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク

当社グループは、複数の事業拠点、物流施設等を使用し事業運営をしております。新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックや大規模な自然災害等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループでは、事業復旧の早期化・省力化を図るため、事業運営機能やオフィスの分散化、物流拠点の多拠点化を実施しております。また、有事の際には拠点別管理方針の発信により、テレワーク等勤務体制の変更、従業員の行動基準の策定、異常事態発生時の対応マニュアル発動等、BCPの策定や事業リスクの最小化に向けた施策を推進します。

 

(5)主要取引先との営業取引への依存

当社グループは、通販事業セグメントにおいて、日本生活協同組合連合会及び個別の生活協同組合等との営業取引を行っており、生活協同組合全体としての営業取引額は、当社グループの営業取引額全体の48.3%に至っております。予期せぬ事象等により、日本生活協同組合連合会あるいは個別の生活協同組合等との取引に支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループでは、DMC複合通販企業戦略として、通販事業の収益拡大はもとより、今後の成長ドライバーであるソリューション事業の事業拡大・収益力の強化を図るとともに、eコマース事業、健粧品事業の事業成長にも注力しております。中期経営計画で策定した各種戦略・重点施策を着実に推進し、確固たる収益の柱を複数構築することを含め、事業ポートフォリオの強化を図っております。

 

(6)法規制

当社グループは、衣料品・生活雑貨・化粧品・健康食品等の製造並びに販売、通販ビジネスのソリューション事業、旅行の企画・催行事業をしております。各事業は特定商取引に関する法律、割賦販売法、個人情報の保護に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、消費者保護法、製造物責任法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、食品衛生法、倉庫業法、旅行業法等々、多数の法的規制を受けております。万一、何らかの理由により関連法令等の規制が遵守できず、監督官庁から処分を受けた場合や、これらの法的規制の大幅な変更があった場合等には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、グループ内に内部統制委員会を設置しております。内部統制委員会では、重点テーマの一つを、リスクマネジメント活動の強化として、各種法令への順守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。

 

(7)個人情報保護関連

当社グループでは、個人情報を取り扱う場合があり、各事業を通じて取得又はお預かりしている個人情報については、各部門に個人情報保護のための担当者を設置し、情報システムのハード面・ソフト面を含め、外部からの不正アクセス及びウイルス感染等への対策を講じております。しかしながら、万一、当社グループの保有する個人情報の不正利用その他不測の事態により個人情報が漏洩した場合、当社グループの信用の失墜に繋がり、今後の営業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償請求等、事後対応等に関するコストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります

 

(8)システムリスク

当社グループの業務は、基幹システムを導入し、業務運営を行っております。また、個々のサービスレベルの向上を目的としたシステムの改修や変更、機器の入替等を継続的に行っております。不正アクセス、大規模停電、予期せぬトラブルが発生し、復旧等に時間を要した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、大手モール運営会社におけるシステム障害等によるモール閉鎖等、インターネット上の販売環境に何らかの障害が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、データのバックアップ、システムのクラウド化を含め、不測の事態による事業停止からの早期復旧に関して根本的な対策を講じております。また、外部の専門機関から基幹システム及びグループインフラの情報セキュリティに対する外部評価を受けており、一定の水準を満たしていることを確認しております。

 

(9)企業買収

当社グループは、DMC複合通販企業戦略の推進のため、事業ポートフォリオの強化に向けた企業買収を実施してまいりました。今後は、各事業セグメントやグループの機能強化に向けた企業買収を実施する予定です。当社グループでは、企業買収にあたり、対象となる企業の資産内容や事業状況について、必要かつ十分なデューデリジェンス(適正価値精査)を実施しておりますが、買収対象会社において、事業環境や競合状況の変化等に伴い、当社グループが期待する利益成長やシナジーが目論みどおりに実現できず、予期しない債務又は追加投入資金等が発生する可能性があります。このため、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社では、買収前の外部評価を含むデューデリジェンス、取締役会での複数回の審議の実施、買収後のDMC複合通販企業戦略等の共有、物流等のグループインフラ活用、グループ情報の共有等によるPMIの促進を行い、当社グループが期待する利益成長やシナジーが発現するように取り組んでおります。

 

(10)減損会計適用の影響

当社グループは企業買収等により取得したのれんをはじめ、事業用の設備、不動産等の様々な無形固定資産・有形固定資産を所有しております。こうした資産が、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になる等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(11)在庫のリスク

当社グループは、異常気象や天候不順、海外の法改正を含めたマーケットの急激な環境変化等により、当社グループの想定を上回る需要の変動があった場合、仕入商品が不稼働在庫となり、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、暖冬等、昨今の異常気象を考慮に入れたマーチャンダイジング、雑貨等の季節性が比較的低い商品展開の拡大、仕入先との連携強化による生産リードタイムの短縮、受注予測システムによる受注精度の向上等の対策を推進しております。

 

(12)販促に関するコストの変動

当社グループの通販事業においては、カタログ用紙や商品の梱包資材の材料として紙を使用しております。今後、用紙市況のさらなる環境変化等によりカタログ用紙や梱包資材のコストの増加が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、国内外の複数の調達先との取引関係を強化することで、常に最適かつ安定的な資材調達が出来る体制を構築しております。

 

(13)物流コストの上昇及び配送制限

当社グループでは、配送パートナーの協力のもと最適な配送網を構築しております。しかしながら、原油価格の高騰による物流コストの上昇やeコマースの普及に伴う配送ドライバーの人手不足問題等により、お客様からのご注文量の増加に対応した配送網の構築が間に合わない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(14)人材の確保におけるリスク

当社グループでは、DMC複合通販企業戦略を支えるのは人材であると認識しており、新卒採用活動の強化のほか、中途採用やカムバック採用等、採用制度の改定を行っております。また、技能実習制度による外国人材の積極的な活用等、安定的な人材確保にグループ全体で努めております。

また、当社グループでは、物流業務が事業運営上、重要な役割を担っております。この業務は、物流倉庫内の労働集約型業務ですが、サービス品質及び効率の観点から、多くの質の高い人材を長期的に確保していくことが重要であります。少子高齢化による人手不足等によりこれらの必要な人材が確保できない場合には、サービス品質の低下、業務効率の悪化により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(15)商品の安全性

当社グループの提供する商品において、危険物の混入や化粧品・健康食品商材への有害物質のコンタミネーション等、商品の品質に重大な瑕疵や不備その他予期せぬ重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの信頼低下により、財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、独自の品質基準を設け商品の品質向上に取り組むとともに、関連法規の遵守に努めております。また、商品の不良等による万が一の重大なトラブルの発生に備え、賠償責任保険へ加入しリスクの低減を図っております。

 

(16)重大な事故等による影響

当社グループの旅行事業におけるバス旅行ツアーや訪日客向け旅行ツアー等において、重大な事故が発生した場合、当社グループの信用の失墜に繋がり、今後の営業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが主催・運営に関与していない他社のツアー等において、大規模な事故が発生した場合においても、旅行需要全体が低迷することにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(17)為替レートの変動

当社グループの通販事業及びeコマース事業で取り扱う商品等の輸入は、外貨建てとなっております。そのため、生産国及び海外仕入先における通貨価値の上昇は、生産国における製造と調達コストを押し上げる可能性があります。為替相場の変動リスクを軽減するため為替予約によるヘッジを行っておりますが、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、堅調な企業業績や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、通商問題の長期化等、不確実な海外情勢に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、先行きに対する不透明感が一層強まってまいりました。

小売業界におきましては、2019年10月施行の消費税率引上げや相次ぐ天候不順・自然災害の影響、新型コロナウイルス感染拡大による自粛要請により、消費活動が急速に落ち込んでおります。通販業界におきましては、ライフスタイル及び消費動向の変化に伴いECを中心としたビジネスモデルが拡大しており、業態を超えた競争の激化や差別化、物流コストの上昇など、厳しい経営環境が続いております。

このような事業環境のなか、当社グループは、「収益力のあるDMC(Direct Marketing Conglomerate)複合通販企業戦略の推進」の方針のもと、「個別事業の収益力のさらなる向上」及び「事業ポートフォリオの強化」に取り組み、通販事業においては収益力の向上、eコマース事業においてはM&Aによる新規子会社の早期黒字化を実現いたしました。一方で、物流センター新設に向けた先行投資や、2019年9月の連結子会社ののれんの減損処理など、事業基盤及び財務基盤の整備を進め、来期以降の成長に向けた足場固めを完了いたしました。

以上の結果、連結会計年度の経営成績は、売上高72,634百万円(前年同期比2.1%増)となりました。利益面におきましては、営業利益2,145百万円(同26.4%増)、経常利益2,296百万円(同62.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益703百万円(同11.5%増)となり前年同期比、増収増益の結果となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

なお、セグメント別の売上高は連結相殺消去後の数値を、セグメント利益又は損失は、連結相殺消去前の数値を記載しております。

 

通販事業

通販事業におきましては、DMC複合通販企業戦略を支える収益力のさらなる強化を方針に掲げ、当社の創業80周年記念の特別企画やお客様の声を生かした商品開発など、価値ある商品づくりに努めてまいりました。また、ターゲットをより明確にしたライフスタイル提案型の売り場の展開を強化し、お客様のニーズにお応えしております。このほか、既存の商材に加え、海外ブランドバッグや化粧品といった当社グループの資産を生かした新たな商材の販売にも取り組んでまいりました。あわせて、商品調達方法の見直しや在庫の適正化を推進することで、原価率の低減にも努めてまいりました。

以上の結果、売上高は35,546百万円(同4.1%増)となり、セグメント利益は2,424百万円(同25.5%増)となりました。

 

eコマース事業

eコマース事業におきましては、カテゴリーNo.1戦略の推進とオリジナル商品企画の強化を方針とし、アウトドア・フィッシング用品のECサイト『ナチュラム』におけるオリジナルブランド『Hilander(ハイランダー)』をはじめ、お客様の生活スタイルに着目したオリジナル家具など、独自の魅力ある商品の企画・開発を推進してまいりました。また、外部ECモールへの新規出店を進めるなど、お客様との接点を拡大し、販売を強化しております。2019年3月に子会社化した株式会社ミヨシにおける防災用品の販売も好調に推移いたしました。一部商材において、2019年10月施行の消費税率引上げの影響を受けたものの、セグメント全体として成長を続けております。

以上の結果、売上高は18,724百万円(同0.7%増)となり、セグメント利益は461百万円(同162.3%増)となりました。

 

健粧品事業

健粧品事業におきましては、投資育成事業として位置付け、収益構造の確立に向けた事業モデルの転換及び事業基盤の整備を進めてまいりました。マーケット環境の変化を受け、卸事業をはじめとする販売が計画どおりに進まなかった一方で、不稼働在庫の処分などの経営改革を行うことで負の遺産を一掃し、次年度の収益化に向けた足場固めを完了させました。

以上の結果、売上高は3,394百万円(同25.9%減)となり、セグメント損失は1,122百万円(前年同期はセグメント損失631百万円)となりました。

 

ソリューション事業

ソリューション事業におきましては、複合的なソリューションサービスの提供による高付加価値ビジネスへの転換を図り、既存サービスの強化や、決済代行サービス及びメディア(デジタルマーケティング)事業における新しいサービスメニューの開発に取り組んでまいりました。また、全国通販3PL戦略として、約60億円の投資となる茨城県つくばみらい市の物流センター(SLCみらい)新設や、関西物流拠点(SLC関西)の拡充など、全国を網羅する物流ネットワークを構築し、これにあわせ、新規顧客の開拓にも注力してまいりました。

以上の結果、売上高は14,226百万円(前年同期比10.2%増)となり、セグメント利益は361百万円(同35.0%減)となりました。

 

旅行事業

旅行事業におきましては、事業ポートフォリオを見直し、主力であるバスツアーの事業再構築に取り組むとともに、増加が見込まれる訪日外国人をターゲットとしたツアーの取扱いの拡大に向け、グループや提携先などを活用した販路の開拓に取り組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大等の影響を大きく受けました。

以上の結果売上高は704百万円(同22.1%減となり、セグメント損失は117百万円(前年同期はセグメント損失144百万円)となりました。

 

海外事業

海外事業におきましては、中国やASEAN市場において、当社グループのノウハウや実績を生かし、日本製商品の販売や訪日外国人旅行者向けのサービスの提供といったビジネスモデルの構築をめざし、現地での市場調査や営業活動を進めてまいりました。

以上の結果売上高は28百万円前年同期比10.5%増)となり、セグメント損失は57百万円前年同期はセグメント損失473百万円)となりました。

 

グループ管轄事業

グループ管轄事業におきましては、当社グループの物流オペレーションや自社保有物流施設等の不動産賃貸を行っております。

以上の結果売上高は百万円(前年同期比0.1%増)となり、セグメント利益は196百万円(同229.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、税金等調整前当期純利益1,454百万円(前年同期比1.2%増)となり、有形固定資産の取得や法人税等の支払額の増加により、前連結会計年度末に比べ644百万円減少し、当連結会計年度末には4,828百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,573百万円(同236.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,780百万円(同24.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は433百万円(前年同期は1,617百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払いなどによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、カタログ及びインターネットを媒体とする通信販売業を主たる事業としているため、生産及び受注の状況に替えて仕入実績を記載しております。

 

a.仕入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

通販事業(百万円)

18,920

0.5

eコマース事業(百万円)

14,157

5.7

健粧品事業(百万円)

1,001

△29.8

ソリューション事業(百万円)

1,329

26.5

海外事業(百万円)

123

0.1

合計(百万円)

35,531

2.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。

 

b.販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

通販事業(百万円)

35,546

4.1

eコマース事業(百万円)

18,724

0.7

健粧品事業(百万円)

3,394

△25.9

ソリューション事業(百万円)

14,226

10.2

旅行事業(百万円)

704

△22.1

海外事業(百万円)

28

10.5

グループ管轄事業(百万円)

7

0.1

合計(百万円)

72,634

2.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

コープデリ生活協同組合連合会

8,531

12.0

9,181

12.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,480百万円増加し、72,634百万円(前年同期比2.1%増)となりました。これは主に、通販事業における創業80周年記念企画商品のヒットや非アパレル商材の取扱いの拡大及びソリューション事業における決済代行サービスやメディア(デジタルマーケティング)事業の伸長などによるものであります。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、通販事業が48.9%、eコマース事業が25.8%、健粧品事業が4.7%、ソリューション事業が19.6%、旅行事業が1.0%、海外事業が0.0%、グループ管轄事業が0.0%となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ609百万円増加し、25,845百万円(同2.4%増)となりました。また、売上総利益率は、主に通販事業における商品調達方法の見直しや在庫の適正化の推進により、前連結会計年度に比べ0.1ポイント増加し、35.6%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、健粧品事業における販促活動の効率化をはじめとする広告宣伝費の削減を推進する一方で、ソリューション事業における物流拠点の拡大に向けた営業費用の増加等により、前連結会計年度に比べ161百万円増加し、23,699百万円(同0.7%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ447百万円増加し、2,145百万円(同26.4%増)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、198百万円(同8.9%増)となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ417百万円減少し、47百万円(同89.8%減)となりました。

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ881百万円増加し、2,296百万円(同62.3%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益の計上はありません(前年同期は152百万円)。

特別損失は、連結子会社である株式会社キナリ及び株式会社もしもののれん等の減損損失を計上したことにより、前連結会計年度に比べ710百万円増加し、842百万円(前年同期比540.7%増)となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ72百万円増加し、703百万円(同11.5%増)となりました。

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、43,270百万円となり、前連結会計年度末に比べ902百万円増加しました。これは主に茨城県つくばみらい市の物流センター(SLCみらい)新設に伴う建設仮勘定の増加によるものであります。

(負債)

負債は21,808百万円となり、前連結会計年度末に比べ596百万円増加しました。これは主に未払金の増加によるものであります。

(純資産)

純資産は21,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ305百万円増加し、自己資本比率は49.6%(前連結会計年度末は49.9%)となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

2020年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりです。

売上高は、計画比2,365百万円減(3.2%減)となりました。これは主に、化粧品・健康食品商材の苦戦及び一部商材において2019年10月施行の消費税率引上げや新型コロナウイルス感染拡大等の外的要因を受けたことによるものです。経常利益は、売上原価の低減や販促費のコントロールに努めた結果、計画比296百万円増(14.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社キナリ及び株式会社もしもののれんの減損損失を計上したことにより計画比596百万円減(45.9%減)となりました。

ROEは、計画比2.8ポイント減の3.3%となりました。

指標

2020年3月期

(計画)

2020年3月期

(実績)

2020年3月期

(計画比)

売上高

75,000百万円

72,634百万円

2,365百万円減 (3.2%減)

経常利益

2,000百万円

2,296百万円

296百万円増(14.8%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

1,300百万円

703百万円

596百万円減(45.9%減)

ROE

(自己資本利益率)

6.1%

3.3%

2.8ポイント減

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。

また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。

当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,481百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,828百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の金額は、32百万円であります。

これは、ソリューション事業における通販システムパッケージのリニューアルに伴う研究開発によるものです。