当期は、中国経済の減速に伴うアジア経済情勢への影響が懸念される中、好調な企業収益や雇用環境の改善を背景に、国内景気は総じて緩やかな回復基調となりました。他方、個人消費については、原材料の高騰等による一部商品の値上がりや所得水準の伸び悩み等が足かせとなり、消費支出や消費者マインドに足踏みが見られる状況となりました。
このような環境の中、当社は増加するインバウンド消費への対応強化に向け、外国語コミュニケーションツールや多言語通訳システム等を設置した免税取扱い店舗を全国のイオン630店舗に拡大したほか、消費者起点となる新たな需要を創造すべく、専門性の高い商品やサービスを提供する新業態「イオンスタイル」や、SM(スーパーマーケット)事業における都市部居住者向けの新業態「都市型SM」等、多様化するライフスタイル・価値観に合わせた業態開発へ注力し、その展開を加速しました。同時に、お客さまの声を軸に新たな基準で企画・開発に取り組むイオンのブランド「トップバリュ」商品の展開をグループ小売各社で広げ、さらに地域密着経営を深耕する方針のもと、地域が起点となる商品・サービスの拡充を図ることで、小売業態を中心とした集客及び収益性の向上に努めました。海外においては、小売の市場規模が拡大を続ける中国や、東南アジア諸国連合経済共同体(AEC)の発足により、一段の経済成長が見込まれる同地域での市場開拓を進め、グループの持続的成長に寄与する事業基盤の強化に努めました。これらの取り組みの結果、当社及び連結子会社295社の連結営業収益は過去最高となる8兆1,767億32百万円(前期比115.5%)となり、連結営業利益は1,769億77百万円(同125.2%)、連結経常利益は1,796億74百万円(同117.8%)と、いずれも昨年を上回る業績となりました。当期純利益につきましては、法人税等及び少数株主利益の増加が主な要因となり、60億8百万円(同14.3%)となりました。
また、当社は絶えず革新し続ける企業集団としてグループ各事業・企業がそれぞれの業界・地域でナンバーワンへと成長し、競争力ある事業・企業が有機的に結合することにより高いシナジーを創出する企業集団へと進化するべく、グループ共通戦略並びに構造改革を引き続き推進しました。
イオン㈱及びイオンモール㈱は平成27年5月、インドネシアの首都ジャカルタの南西部に位置するBSD地区に、当社グループの同国1号店となる地域最大級SC(ショッピングセンター)「イオンモール BSD CITY」を開設しました。その他のアセアン地域においても、平成27年10月、ベトナムの首都ハノイにおける同国3号店「イオンモール Long Bien」を開設したほか、イオンタイランド(AEON(Thailand)CO.,LTD.)が同月、タイのチョンブリ県に初の自社開発コミュニティモールとなる「イオンシラチャ SC」を開設する等、新規市場の開拓や消費の潜在需要を掘り起こす新たな取り組み等に努め、事業基盤を強化しました。
イオンリテール㈱は平成27年3月、東京・埼玉・千葉県下に小型DS(ディスカウントストア)を展開する「アコレ」、及びSCを中心に事業展開する雑貨専門店「R.O.U」をそれぞれ分社化しました。お客さまのライフスタイルの変化やニーズへの迅速な対応を強化する機動的な組織体制のもと、都市部におけるドミナント形成の早期確立を図りました。
ウエルシアホールディングス㈱及び㈱CFSコーポレーションは平成27年9月、㈱CFSコーポレーションを完全子会社とする経営統合を実施しました。超高齢化が進む中、両社が有する調剤事業の強みを活かし、高い将来性が見込まれる調剤分野のシェア獲得に向け、調剤併設店舗の増設を全国各地で進めました。
当社は、多様化する消費者ニーズへの迅速な対応、及び従来以上に地域密着に徹した商品調達や品質向上の実現を目指し、平成27年6月、イオン商品調達㈱の機能をイオンリテール㈱に移管しました。
イオンモール㈱は平成27年11月、㈱ダイエーの子会社で商業施設の開発・管理運営を行う㈱OPAとイオンリテール㈱が有するビブレ・フォーラス事業部との統合により誕生した新生㈱OPAを平成28年3月1日付で完全子会社化することを決定しました。同社は「都市シフト」の一翼を担う企業として既存施設の活性化やビジネスモデルの革新等を図り、魅力ある都市型商業施設づくりを進めます。
㈱光洋及びイオンマーケット㈱は平成27年12月、京阪神地区における地域密着経営を一層推進するべく、同地区で運営する両社の店舗を統合し、平成28年3月1日付で㈱光洋に承継しました。これにより、イオンマーケット㈱は首都圏での事業運営に特化し、高付加価値商品と生鮮・デリカを強化した都市型店舗フォーマットへの革新を図ります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は変更後の区分により作成した情報に基づいて記載しております。
GMS事業は、営業収益2兆8,382億39百万円(前期比105.9%)、営業利益93億90百万円(同80.9%)となりました。
同事業では、イオンリテール㈱、イオン北海道㈱、及びイオン九州㈱が平成27年9月、㈱ダイエーが有するGMS事業の一部38店舗の運営を承継し、国内各地域で「ベストローカル」の実現を目指す新たな体制へ移行しました。
イオンリテール㈱は、革新性ある商品の開発、商品価値を訴求する販促企画の展開、及び新業態「イオンスタイル」を中心とした既存店舗の活性化に取り組み、中でも「イオンスタイル」の早期展開を推し進めることで、店舗の競争力及び収益性を高めました。加えて、地域密着経営のさらなる深耕に向け、商品部を中心とした各カンパニーへの人材配置や権限委譲を強めたほか、品揃えや商品開発、セールスイベント等においても地域を主眼に充実させ、他社との差別化を図るサービスや売場づくりに努めました。11月度の記録的な暖冬影響を受け、同社の当期既存店売上高は対前期比99.7%(内訳は、衣料98.1%、食品100.3%、住居余暇99.3%)となりましたが、直営荒利益率については、売場人員の拡充等の現場力を強化した体制での店舗運営等が奏功し、前期実績を0.3ポイント上回りました。また、既存店販管費については、集客施策の強化に向けた販促活動を積極的に実施したものの、堅実な経費コントロールに努めた結果、対前期比99.4%となりました。
イオン北海道㈱は、地域経済の活性化に寄与する新規出店や既存店舗の活性化、並びに規模の成長が著しいインバウンドやインターネット市場での事業展開を強化しました。また、㈱ダイエーから承継した店舗において、両社の強みを融合した売場づくりを行うとともに、函館市等の未出店地域への事業展開を図り、北海道地域におけるシェアを拡大しました。
イオン九州㈱は、収益力の向上を目指し、九州各県との協働による特産品フェアの開催、同地域の多様な食文化を反映した品揃えの拡充等、地産地消・地産域消への取り組みを推進しました。さらに、地域素材の活用と地元に根付いた九州独自の商品開発を進めるため、同じく九州地域で事業展開するマックスバリュ九州㈱及び㈱レッドキャベツとの間で「九州商品開発部」を新たに発足しました。
SM・DS(ディスカウントストア)事業は、営業収益3兆532億98百万円(前期比120.9%)、営業利益211億57百万円(前期より267億32百万円の増益)となりました。
同事業では、マックスバリュ北海道㈱及びマックスバリュ九州㈱が平成27年9月、㈱ダイエーが有するSM事業の一部21店舗の運営を承継し、国内各地域で「ベストローカル」を推進する新たな体制となりました。
㈱ダイエーは平成27年9月、GMS事業及びSM事業59店舗の運営をグループ各社に承継し、食品への特化と展開地域の首都圏・京阪神地域への集中を図りました。この新体制のもと、都市部居住者向け食品スーパー「都市型SM」や都市型戦略業態「フードスタイルストア」等の新業態の開発並びに展開を進め、早期の業績回復を図りました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱は平成27年3月、㈱マルエツ、㈱カスミ及びマックスバリュ関東㈱の共同持株会社として新たに事業運営を開始しました。3社による共同調達の拡大や共同販促の定期開催、経営効率の改善を図る後方機能の集約等に取り組み、基本方針とする「統合シナジーの創造」の具現化と業績の向上を図りました。また、各社において地域・商圏特性に合わせた品揃えの拡充や店舗の改装・リニューアル等、事業競争力を高める取り組みを推進し、業績を大幅に伸ばしました。
マックスバリュ北海道㈱は平成27年10月、十勝エリアを地盤とする㈱いちまるのSM事業を承継し、北海道エリアでの展開地域を拡大しました。同社は、既存店舗の営業力強化を方針とし、大型改装を含めた8店舗の改装に取り組むとともに、地域密着をさらに深耕する店舗運営の実現に向け、新たに「苫小牧エリア商品部」を設置しました。これらの構造改革に加え、デリカ部門を中心とした品揃えの拡充や曜日市での販売強化、「WAON」会員の拡大キャンペーン等を継続的に推進した結果、客数・客単価は前期を大きく上回り、売上高が前期比113.5%と順調に推移しました。
小型店事業は、営業収益3,769億13百万円(前期比121.5%)、営業利益12億65百万円(同70.6%)となりました。
ミニストップ㈱は、こだわりの原材料を使用したプレミアムシリーズ等の好調によりコールドスイーツ商品が過去最高の販売数を記録したほか、コンビニエンスストア商品では、リニューアルしたチルド弁当を中心に米飯類の販売数を伸ばし、国内の既存店日販昨対は100.6%と堅調に推移しました。
海外では、韓国をはじめ、既事業展開国におけるドミナント出店を進め、当連結会計年度末の海外店舗数を2,840店舗まで拡大しました。
また、韓国ミニストップ(MINISTOP KOREA CO.,LTD.)が、決算日変更に伴い当連結会計年度における会計期間が14ヶ月となったこと、及びたばこ増税の影響により、営業収益を伸ばしました。
ドラッグ・ファーマシー事業は、営業収益5,923億64百万円(前期比231.7%)、営業利益185億89百万円(同264.7%)となりました。
ウエルシアホールディングス㈱は、業種・業態の垣根を越え競争が激しさを増すドラッグ業界において、事業基盤の強化及びスケールメリットの創出を一層進めるべく、関西地区を基盤に事業展開するタキヤ㈱及びシミズ薬品㈱を平成27年3月1日付で完全子会社化しました。また、当社の連結子会社である㈱CFSコーポレーションを平成27年9月1日付で完全子会社化し、商品政策や物流拠点、POSシステム、販促施策等の統合準備を進めました。事業面では、需要が高まる調剤薬局の併設店の増加やカウンセリング営業の強化に加え、「24時間営業店舗」、買物中の高齢者や育児中の方々に憩いの空間を提供するカフェスペース「ウエルカフェ」を新たに導入する等、お客さまニーズや利便性への対応強化に努め、業績を順調に拡大しました。
総合金融事業は、営業収益3,572億52百万円(前期比108.3%)、営業利益550億27百万円(同103.7%)となりました。
イオンフィナンシャルサービス㈱は、カード会員のさらなる獲得に向け、店舗におけるタブレット端末を活用した入会手続きの簡便化や審査プロセスの見直しを行い、カード発行期間の短縮化に努めました。また、公共料金や保険料、また携帯料金の支払い等、クレジットカードの強みを活かせる生活インフラの分野を中心にカード決済の利用促進を図りました。
銀行業においては、各支店において、さらに便利で分かりやすいサービスを提供するべく、タブレット端末やデジタルサイネージ等を活用したペーパレス化の推進、またインターネットバンキングが利用可能となるスペースの拡充を進め、オペレーション効率を向上させました。
電子マネー事業では「WAON」加盟店の拡充に加え、ご利用金額の0.1%相当額を自治体等へ寄付する「ご当地WAON」や、サッカーを通じて地域振興を促進する「サッカー大好きWAON」の発行等、地域に根ざした活動を継続的に実施し、当期末における電子マネー「WAON」の累計発行枚数を約5,608万枚、取扱高を2兆592億円(前年同期比106.9%)と大幅に伸長させました。
海外事業では、香港、タイ、及びマレーシアの海外主要3社を中心に提携企業との共同販促を進め、カード会員数の拡大及び利用促進を図ると同時に、債権管理における重複部門の統合等を実施し、業務効率の改善と体制強化に努めました。
ディベロッパー事業は、営業収益2,721億24百万円(前期比111.2%)、営業利益450億68百万円(同106.5%)となりました。
イオンモール㈱は、国内では、中部国際空港に近接したインバウンド対応強化型SC「イオンモール常滑」を含む5箇所のSC開設及び既存SC12箇所のリニューアルを実施しました。
同社は、社会行事に対応した販促企画の展開や地域密着となるイベント開催等を国内の各既存SCで推し進めたほか、商圏変化に対応した新規テナントの導入や既存テナントのリニューアルを実施し、集客力の向上を図りました。
海外では、中国・アセアン地域で業績が好調に推移する既存SCの集客をさらに高める施策に取り組むとともに、中国で6SC、アセアン地域で2つのSCを新たに開設しました。特に、中国においては、都市開発が進む副都心エリア「武漢経済技術開発区」や、蘇州市経済を牽引する地域「蘇州市高新技術開発区」等、経済成長やモールビジネスの市場拡大が期待される地域での事業展開を進め、ドミナントの形成を図りました。
サービス・専門店事業は、営業収益7,412億65百万円(前期比105.2%)、営業利益263億20百万円(同107.0%)となりました。
イオンディライト㈱は、総合FMS(ファシリティ・マネジメント・サービス)の拡大に向け、病院・介護施設を中心に管理受託数を大幅に増加させたほか、同分野での競争優位性をさらに高めるべく、清掃ロボットの実用化、並びにセンサーや無線通信等の通信技術を活用した設備管理サービスへの取り組みに着手しました。海外においては、中国における中核子会社を中心とした組織再編を実施し、マレーシアでは、清掃事業の強化を目的に地場の有力企業と業務提携を行いました。同社は6期連続の増収及び12期連続の増益と、いずれも過去最高の業績となりました。
㈱イオンファンタジーは平成27年6月、㈱ダイエーの子会社である㈱ファンフィールドと統合し、店舗数及び売上高が業界ナンバーワンの規模となるアミューズメント施設運営企業となりました。当期は、仕入物流体制の改善、社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用等により、既存店における遊戯機械の売上高が好調に推移したほか、店舗の積極的な活性化が奏功し、国内事業の売上高は昨年比121.1%と大幅に伸長しました。また、海外事業における順調な業績推移も下支えとなり、同社は2期連続となる増収増益を達成しました。
㈱ジーフットは、新たなマーケット創造に向け、新業態開発プロジェクトの発足、及びブランド企画部設置等の組織再編を行い、平成27年11月10日、東京証券取引所市場第一部への新規上場とともに名古屋証券取引所における市場第一部への市場替えを実施しました。新業態の確立に向け、ジェンダー別・機能別売場の構築等、消費者視点を軸に店舗の改装を進めました。加えて、収益性を一層高めるため、PB(プライベートブランド)商品や各メーカーとの独自商品の開発促進、商品本位となるプロモーションへの注力による正価販売比率の向上等に取り組み、増収増益となりました。
国際事業は、営業収益4,264億82百万円(前期比112.9%)、営業損失24億49百万円(前期より78億4百万円の減益)となりました。
アセアン地域では、インドネシアの首都ジャカルタ南西部に当社グループ初の同国GMS「イオンBSD CITY店」をはじめ3店舗を開設したほか、ベトナムにおいては平成27年1月、現地でSM企業を運営するFIVIMART社及びCITIMART社との資本・業務提携に合意し、同地域での事業展開を加速しました。
中国では、新たな事業展開エリアとして杭州に1号店を出店する等5店舗を開設し、事業基盤を強化するとともに、収益性の改善に向け、日本で開発した商品の販売や業務の効率化を推し進めました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している売上高、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ776億39百万円減少し、7,005億11百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は431億56百万円(前期比10.8%)となりました。前連結会計年度に比べ3,552億97百万円減少した主な要因は、売上債権の増減額が822億30百万円減少し資金が増加した一方で、銀行業における貸出金の増減額が600億9百万円増加し、前連結会計年度末日が銀行休業日の影響等で仕入債務の増減額が1,727億59百万円、預り金等のその他の資産・負債の増減額が1,728億25百万円それぞれ減少し資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は4,466億12百万円(前期比123.4%)となりました。前連結会計年度に比べ847億74百万円支出が増加した主な要因は、固定資産の取得による支出が828億51百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3,133億44百万円(前期比328.0%)となりました。前連結会計年度に比べて2,178億16百万円増加した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が1,402億61百万円、長期借入れによる収入が1,480億3百万円それぞれ増加し資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出が603億72百万円増加し資金が減少したこと等によるものです。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
GMS事業 | 2,838,239 | 105.9 |
SM・DS事業 | 3,053,298 | 120.9 |
小型店事業 | 376,913 | 121.5 |
ドラッグ・ファーマシー事業 | 592,364 | 231.7 |
総合金融事業 | 357,252 | 108.3 |
ディベロッパー事業 | 272,124 | 111.2 |
サービス・専門店事業 | 741,265 | 105.2 |
国際事業 | 426,482 | 112.9 |
その他事業 | 13,192 | 91.0 |
調整額 | △494,399 | ― |
合計 | 8,176,732 | 115.5 |
(注) 小型店事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計度452,513百万円)は含んでおりません。
当社は「アジア」「都市」「シニア」「デジタル」の「4シフト」をグループ共通戦略に掲げ、経営資源の重点配分を進めてきました。平成28年度は、グループCOOが4シフト推進を統括する新体制のもと、「アジアシフト」「都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」の各推進チームを新設し、より一層4シフトを加速します。
近年、急速な経済成長を遂げている中国、アセアン市場での成長機会を獲得すべく、中国本社・アセアン本社のもと、SCをプラットフォームとして、グループ一体となったマルチフォーマットによる事業展開を推進しています。
既存エリアでの着実な事業成長や新規国・新規エリアへの展開拡大、イオンビッグマレーシア(AEON BIG(M)SDN.BHD)やベトナムのFIVIMART社、CITIMART社のグループ入り等が奏功し、中国、アセアン諸国の営業収益は「アジアシフト」に着手した平成23年からの4年間で約2.5倍となりました。
平成28年度は、ベトナムや中国3エリア(河北省、湖北省、広東省)でSCを開設する等、引き続き事業基盤の強化を図っていきます。
人口増加が予測される都市部での成長機会を獲得すべく都市生活者のニーズに合わせたマルチフォーマットによる出店、事業展開を進めています。
首都圏では、小型店の集中出店に加え、新たにグループ入りしたイオンマーケット㈱、㈱ダイエー、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱、ウエルシアホールディングス㈱の業績等が寄与し、首都圏における営業収益は「都市シフト」を掲げた平成23年からの4年間で約2倍となっています。
平成28年度も引き続き、まいばすけっと、アコレ等の小商圏型店舗の出店を加速するとともに、都市型SC、都市型GMS等の新たなフォーマットを確立させ、首都圏や京阪神、その他都市部での事業基盤の構築を進めていきます。
高齢化の進展により拡大するシニア市場での成長機会を獲得すべく、グループ各事業においてシニア世代のニーズに対応するため新たな事業開発を推進しています。人生で最上の世代である「Grand Generation」に向け、売場・商品・サービス等、店全体を一新させた新業態「G.Gストア」の開発を進めるほか、カルチャー教室、デイケアサービス等、新たな事業分野への参入を図っています。
金融サービス面では、シニア世代のお客さま向けの特典を備えたイオンカード、「WAON」カードの発行を進め、その会員数は1,000万人を超えています。
平成28年度も引き続きこれらの取り組みを着実に進めるとともに、お客さまの年齢や健康状態、ライフスタイルによるセグメンテーションを行い、セグメントごとのニーズにきめ細かく対応した商品・サービスの開発を強化していきます。
IT技術の進展やスマートフォン等情報デバイスの普及に伴い急成長するEコマース市場での成長機会を獲得すべくデジタルシフトを進め、お客さまの利便性向上に努めています。
グループのEコマースサイトを一堂に集めた総合ポータルサイトの構築、同サイト内でのお客さまIDの統合、45都道府県で全域配送を実施しているネットスーパー事業の展開等、数々の施策を実施しています。
平成28年度は、イオンリテール㈱に新たにオムニチャネル推進担当を配置し、これまで構築してきた事業基盤を活用しながら、店舗・オンラインにおけるオムニチャネルの取り組みを一層加速していきます。
当社は、商品を起点とした経営を実現すべく「商品本位の改革」を掲げ、同改革の中心となるイオンのブランド「トップバリュ」の刷新を進めています。
お客さまの健康志向の高まりに対応し、PB商品として国内最大規模の品揃えとなるオーガニック食品の展開を開始しました。また国内PB初となるギリシャヨーグルトの商品化を実現する等、他社に先駆けた革新的な商品開発を図っています。
今後は、お客さまの地域(ふるさと)への愛着・想いに応える地域密着型の商品開発、お客さまの身体・精神両面の健康づくりをサポートする「ヘルス&ウエルネス」分野での商品開発等、さらなる商品改革を進めていきます。
当社は、絶えざる革新による持続的な成長を実現するべく、従業員が有する多様なスキルや能力、価値観を活かして新しい価値を創造する「ダイバーシティ経営」を重要な柱と位置づけています。女性の活躍という点では、「日本一女性が働きやすく、活躍できる会社」「2020年度女性管理職比率50%達成」の目標を掲げ、グループ事業所内保育施設や総合学童保育施設の開校、管理職のダイバーシティに関する意識を高める教育プログラムの充実等を進めています。今後もグループ一体となってダイバーシティ経営を推進していきます。
イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献など様々な価値を包含し形成されているものです。
これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。
当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を平成27年5月27日開催の第90期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。
これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者らの概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うことなどの買収ルールの遵守を要請します。
当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測されるなど、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行などの対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。
株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。
なお、この買収防衛策の有効期間は平成30年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。
大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。
従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
当社グループの事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではありませんのでご留意下さい。
当社グループは、主に日本国内において事業を営んでおり売上高ベースの国内シェアも高いため、その収益は日本の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、日本の小売業界は、個人消費の落ち込み、全般的な価格デフレ、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。
今後は、消費税の増税及び医療費や社会保険料の負担の増加に加え、電力価格等の上昇により、日本経済及び個人消費に悪影響が及ぶ可能性があります。
これらにより、日本の個人消費がさらに悪化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、低価格を武器としたディスカウントストア、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業等の店舗を有しない企業とも競合しております。これら競合他社は、資金・人材・店舗用地・商品・サービスの調達力、事業運営の効率性、マーケティングまたは顧客の嗜好の変化への対応力等において当社グループより優れている可能性があります。このような小売業界の競争の激化により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの売上は、季節的変動による影響を受けます。当社グループは、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
平成29年4月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。平成26年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には個人消費が一時的に落ち込みました。税率引き上げ前の駆け込み需要と通算すると大きな影響はなかったものの、今後消費税率が引き上げられた場合にも、同様に個人消費が一時的に落ち込む可能性があり、これにより当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの小売事業やディベロッパー事業においては不動産の取得又は賃借を行うため、不動産価格が上昇した場合、不動産の取得又は賃借に係る費用が増加することになります。また、当社グループは、不動産の転貸も行っておりますが、当社グループが負担すべき賃料の増額分を、テナントから受領する賃料収入によって賄うことができなくなる可能性もあります。
また、不動産関係法の改正や会計基準の変更による不動産保有リスクの上昇が、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題の一つと考えており、そのために様々な活動を行っております。食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、鳥インフルエンザ、残留農薬、アレルギー物質の表示、食品偽装、異物混入等の問題により近年さらに高まっています。当社グループは、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社グループが提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、当社グループの取引先における商品の製造過程や店舗等での販売時点において異物混入等が発生し、当社グループの複数の店舗で当該商品の販売自粛等の措置をとる場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、今後の労働法改正等種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害及び予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設の営業活動が制限され、当社グループ従業員に対し賃金の一部もしくは全部を補償する場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(都市計画法及び建築基準法)
床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社グループは地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社グループの店舗開設に制限が課される可能性があり、当社グループの成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。
(大規模小売店舗立地法)
大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が建設される周辺地域の生活環境を保持することを目的としており、当社グループの既存店舗及び開設予定店舗は、原則として同法の適用対象となります。同法の適用により、当初の計画通りに店舗の新規開設や既存店舗の増改築及び業態変更等を行うことができなくなる可能性があります。
当社グループは、平成26年度から新中期3ヵ年経営計画を策定し、平成32年に向けた飛躍的成長を実現するための第2フェーズと位置付け、大きな環境変化に適応していくためのグループ共通戦略として、「アジア」「大都市」「シニア」「デジタル」の「4シフト」の加速及び「商品本位の改革」の推進を行い、成長領域においてグループ一体となった事業展開を推し進めております。当社グループは成長戦略の一環として他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。しかしながら、以下を含む様々な要因により、期待する成果を達成できない可能性があります。
・新規出店や買収のために必要な資金を調達できないこと
・当社グループが希望する地域に希望する条件で、新規出店場所や適当な買収対象会社を見つけ出すことができないこと
・買収物件または海外事業を既存事業と統合することができず、当社グループの仕入、流通、販売促進、財務、管理、情報技術及びバックオフィス機能を十分に活用することができないこと
・事業の拡大やシステムの活用を進めるために必要な有能なスタッフの雇用を維持できず、また、かかる人材を育成できないこと
・ショッピングセンターその他の小売店舗の開発を適切な時期に適切な投資または費用で実施し、または、かかる小売店舗において優良テナントを確保することができないこと
・買収に先立ち被買収企業における、財務、税務または法務等に係る問題点を発見することができず、買収後にかかる問題点を解決することができないこと
・買収後において、当社グループが提供する商品及びサービスにつき一貫した品質水準を維持できないこと
・買収後において、被買収企業に対し当社グループの内部統制を適切かつ有効に適用することができないこと
以上のような要因により、当社グループの成長戦略が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、PB商品の開発を積極的に行っております。PB商品の中心である「トップバリュ」については、衣・食・住にわたり商品を提供しており、供給を含めた年間販売額は7,637億円に達しております。開発にあたっては、厳しい基準を設けて入念な品質管理を実施しておりますが、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客さまからの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、ITを積極的に活用して、仕入・流通ネットワークの整備に取り組み、全国をカバーする自社の流通網を構築してまいりました。今後も当社のグループ会社にも広くかかる流通網を有効活用させ、当社グループ全体の仕入・物流コストの低減を目指していく所存です。しかしながら、当該ネットワークが当社グループ会社各社の仕入・物流と整合的でない等の理由により、かかる戦略が達成できない可能性があります。また、当該ネットワークには、輸送の遅れ、コンピュータウィルス、地震その他の自然災害、ストライキ、供給不足、人為的な誤り等、様々な要因により障害が発生する可能性があります。これらの要因により仕入・流通ネットワークに継続的な障害が生じた場合、商品の破損・腐敗、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、決済・ポイント機能の停止、データの消失、顧客や供給業者からの信頼の低下、保守・修繕費用等の負担等による影響を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれん等多額の固定資産を保有しています。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社グループの店舗に係る減損損失額は、平成27年2月期は459億33百万円、平成28年2月期は442億82百万円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。
また、当社グループは、グループの拡大に伴い、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、今後も当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内で販売する商品の一定程度を海外から輸入しており、また連結営業収益の一部はアジア等の海外の店舗から生じます。海外において、経済成長の鈍化、個人消費の停滞、不安定な政治・経済情勢、法律や政策の変更、テロ活動、伝染病の発生等の事項が発生した場合、または海外取引もしくは海外事業に伴う物流、品質管理、課税等に問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に中国に関しては、当社グループは相当程度の商品を輸入しており、今後も中国において当社グループの日本国内におけるビジネスモデルをパッケージとして導入していく方針です。中国の法制度は生成途中であり、中国政府は外資規制等産業規制について広範な裁量を有しております。また、規制内容またはその運用・解釈の重大な変更が頻繁に行われる可能性があります。加えて、反日感情による暴動、不買運動等が発生した場合、当社グループの中国における事業展開に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの事業の成否は、当社代表執行役社長岡田元也及びその他の幹部経営陣の能力に相当程度依存しております。これらの幹部経営陣による役務の提供が享受しえない場合や、今後、現在の幹部経営陣に匹敵する能力と経験のある人材を確保することができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設では防火対策を重点的に取り組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
その他、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの供給業者もしくは仕入・流通ネットワークに影響する何らかの事象が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成28年2月期末時点において、連結子会社295社(うち株式公開をしている会社は24社)及び持分法適用関連会社33社を有しております。当社はこれらの会社に対して、グループとしての全体最適を求める一方で、高度に経営上の独立性を認めているため、これらの会社による各事業活動を効果的に調整できない、或いは、グループとしての事業活動を一体的に調整することが困難となる可能性があります。当社グループには、株式公開をしている会社及び当社が少数株主である会社が多数存在しており、これらの会社は当社からの独立性が高いため、当社グループがこれらの子会社及び関連会社に対して効果的に統治することが困難となる可能性があります。このリスクは当社グループ会社数の増加に伴い高くなると予測されます。当社が、当社グループの子会社及び関連会社に対して適切なガバナンスを及ぼすことができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性、並びに当社グループの財務報告の信頼性が失われる可能性があります。
当社グループは、平成28年2月期末時点において2兆1,708億円の銀行借入金、社債、新株予約権付社債、コマーシャル・ペーパー及びリース債務等の残高があります。当社グループは銀行借入金等の削減に向けた様々な取り組みを行っていますが、当社グループの成長戦略に伴い、銀行借入金等がさらに増加する可能性もあります。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成28年2月期末時点において、128社の連結子会社を海外に有しております。当社連結財務諸表において海外子会社の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは主に日本国内で営業を行っておりますが、海外においても取引を行っており、同様に為替相場変動の影響を受けます。為替相場が異常な変動をした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは成長戦略等のために資金を調達する必要があります。当社グループは常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えています。また、取引金融機関とは常に良好な関係を構築・維持しています。
しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社グループの信用力の低下、当社グループの事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。これらの要因により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
平成28年2月期末現在、当社グループの退職給付債務は1,884億3百万円、年金資産の評価額は1,689億46百万円、未積立退職給付債務は194億56百万円であり、当期における退職給付費用は155億66百万円でした。当社グループの年金資産を構成する金融商品価格の下落は、年金資産の評価額及びその運用収益の減少を招く可能性があります。また、当社グループが、退職給付債務や退職給付費用を算出する際には、割引率や長期期待運用収益率等多くの想定数値を採用します。想定数値の評価に変化が生じた場合、未積立退職給付債務が増加する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績は悪影響を受けることとなります。
当社グループにおいて総合金融事業を営む連結子会社は、国内においては銀行法・割賦販売法・保険業法・貸金業法・サービサー法・金融商品取引法等の適用、及び金融当局の監督を受けております。また、海外における事業活動についても、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに、金融当局の監督を受けております。
銀行事業を行う㈱イオン銀行及び同社の親会社であり銀行持株会社であるイオンフィナンシャルサービス㈱グループは、銀行法に基づく自己資本比率規制が適用されております。同社グループは自己資本管理に関する体制を構築しておりますが、同社グループまたは㈱イオン銀行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から営業の全部または一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。
総合金融事業を営む連結子会社が取り扱う全ての融資商品の実質年率は、法令上の上限金利以下としておりますが、国内において過去に弁済を受けた上限金利超過部分の利息は顧客より返還を請求される場合があります。当社グループは、当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上しておりますが、当該返還請求が予想以上に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの法令諸規則等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務や業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の価値が下落した場合、保有する有価証券等の減損または評価損が発生もしくは拡大し、当社グループの財政状況及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主として総合金融事業において保有する個人向けの貸出金等の資産について、自己査定・償却引当基準を設け、貸倒引当金を計上しております。しかし、想定以上に与信関連費用や不良債権残高が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの総合金融事業はクレジットカード事業や銀行業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、または規制緩和の進展等に応じて新たな事業領域への進出や各種業務提携等を実施しております。当社グループは、これらに伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しておりますが、想定を超えるリスクが顕在化した場合、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの総合金融事業は当社グループの小売事業の規模に連動して拡大する傾向にあり、当社グループ内のシナジーを大きく享受しておりますが、小売事業を拡大することができない場合、金融サービス事業の成長が抑制される可能性があります。
当社グループは、総合金融事業の顧客のほか、当社グループが営むその他の事業の顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社グループは、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にする等、万全の処置を講じておりますが、当社グループの顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内外で登録済の商標、意匠その他の知的財産権を保有しております。当社グループは、これらの知的財産権の保全に対し確実に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社は、特定株主(個人及び法人を問いません。)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為、または結果として特定株主の議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付行為に対するルールを設けております。同ルールは、大量株式取得者は当社取締役会に対して大量株式取得に先立ち、大量株式取得者自身について及び今後の計画等について必要かつ十分な情報を提供しなければならず、取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ、対象取得者は大量株式取得を開始することができるというものです。大量株式取得者が本ルールを遵守しない場合は、当社取締役会は、社外取締役全員並びに外部の弁護士及び学識者で構成される独立委員会の意見を最大限尊重し、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として新株予約権の発行等の、当社取締役会が適当と判断した法的対抗措置を執ることができます。かかる買収防衛策については一般に、株主にとって利益となり得る株式取得の申し入れを阻害する可能性があるという考え方もあります。また、当社のかかる買収防衛策が、当社の企業価値を損なう敵対的買収に対する防衛として、法的に有効かつ効果的であるという保証はありません。
当社グループは、平成28年2月期末において8,111億28百万円(簿価)の土地を所有しております。土壌汚染対策法に基づき、土地の所有者等は、所有地の土壌が有害物質により汚染されていた場合、その知不知に関わらず汚染状況に関する調査・報告及び汚染の除去等の措置を講ずることを所有者として命じられることがあります。また、当社グループが所有する土地に未確認の環境上の問題が発見された場合、当該土地の価値が下落し、これを除去するために多額の費用負担を強いられる可能性がある場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
当連結会計年度の業績は、「1「業績の概要」」で述べたとおり、営業収益は前期と比べて1兆981億55百万円(15.5%)増加し、過去最高となる8兆1,767億32百万円となりました。
GMS事業では、イオンリテール㈱、イオン北海道㈱、及びイオン九州㈱が平成27年9月、㈱ダイエーが有するGMS事業の一部38店舗の運営を承継し、国内各地域で「ベストローカル」の実現を目指す新たな体制へ移行しました。革新性ある商品の開発、商品価値を訴求する販促企画の展開、及び新業態「イオンスタイル」を中心とした既存店舗の活性化に取り組み、また、地域密着経営のさらなる深耕に向けた施策も推進した結果、GMS事業の営業収益は前期と比べ5.9%増加しました。SM・DS事業では、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱が平成27年3月、㈱マルエツ、㈱カスミ及びマックスバリュ関東㈱の共同持株会社として新たに事業運営を開始し、3社による共同調達の拡大や共同販促の定期開催、経営効率の改善を図る後方機能の集約等に取り組みました。また、各社において地域・商圏特性に合わせた品揃えの拡充や店舗の改装・リニューアル等、事業競争力を高める取り組みを推進した結果、業績を大幅に伸ばし、SM・DS事業の営業収益は前期と比べ20.9%増加しました。小型店事業では、ミニストップ㈱においてコールドスイーツ商品や米飯類の販売が好調であったことなどにより、小型店事業の営業収益は前期と比べ21.5%増加しました。ドラッグ・ファーマシー事業では、当社が平成26年11月27日に株式を取得し連結子会社化したウエルシアホールディングス㈱が、当期において当社の連結子会社であるタキヤ㈱、シミズ薬品㈱及び㈱CFSコーポレーションを完全子会社化し、商品政策や物流拠点、POSシステム、販促施策等の統合準備を進めました。その結果、ドラッグ・ファーマシー事業の営業収益は前期と比べ131.7%増加となりました。総合金融事業では、タブレット端末を活用したカード発行期間の短縮化、公共料金の支払い等カード決済の利用促進、「WAON」加盟店の拡充などに努めた結果、総合金融事業の営業収益は前期と比べ8.3%増加しました。ディベロッパー事業では、イオンモール㈱が国内では、中部国際空港に近接したインバウンド対応強化型SC「イオンモール常滑」を含む5箇所のSC開設及び既存SC12箇所のリニューアルを実施した結果、ディベロッパー事業の営業収益は前期と比べ11.2%増加となりました。サービス・専門店事業では、イオンディライト㈱が総合FMS(ファシリティ・マネジメント・サービス)の拡大に向け、病院・介護施設を中心に管理受託数を大幅に増加させたことなどにより、サービス・専門店事業の営業収益は前期と比べ5.2%増加となりました。国際事業では、インドネシアの首都ジャカルタ南西部に当社グループ初の同国GMS「イオンBSD CITY店」をはじめ3店舗を開設したほか、ベトナムにおいては平成27年1月、現地でSM企業を運営するFIVIMART社及びCITIMART社との資本・業務提携に合意し、同地域での事業展開を加速しました。中国においても、新たな事業展開エリアとして杭州に1号店を出店する等5店舗を開設し、事業基盤を強化した結果、国際事業の営業収益は前期と比べ12.9%増加となりました。
営業原価は、新規連結会社の影響などもあり、前期と比べて7,459億4百万円(16.4%)増加し、5兆2,983億34百万円となりました。
販売費及び一般管理費においても、堅実な経費コントロールに努めたものの、新規連結会社の影響などにより前期と比べて3,166億42百万円(13.3%)増加し、2兆7,014億20百万円となりました。
上記の結果、営業利益は前期と比べて356億9百万円(25.2%)増加し、1,769億77百万円となりました。
GMS事業では、前期と比べて22億17百万円(19.1%)の減益となり、93億90百万円の営業利益となりました。SM・DS事業の営業利益は前期と比べて267億32百万円増加の211億57百万円、小型店事業の営業利益は前期と比べて5億27百万円(29.4%)減少の12億65百万円、ドラッグ・ファーマシー事業の営業利益は前期と比べて115億66百万円(164.7%)増加の185億89百万円、総合金融事業の営業利益は前期と比べて19億68百万円(3.7%)増加の550億27百万円、ディベロッパー事業の営業利益は前期と比べて27億62百万円(6.5%)増加の450億68百万円、サービス・専門店事業の営業利益は前期と比べて17億22百万円(7.0%)増加の263億20百万円、国際事業の営業損失は前期と比べて78億4百万円減益の24億49百万円となりました。
営業外収益及び営業外費用では、持分法による投資利益が46億77百万円減少したこと等により、営業外収益が60億40百万円減少し、営業外費用が24億4百万円増加しました。
この結果、経常利益は前期と比べて271億64百万円(17.8%)増加し、1,796億74百万円となりました。
特別利益及び特別損失では、固定資産売却益が48億65百万円増加した一方、事業再構築費用が34億94百万円発生したこと等により、前期と比べて特別利益が77億73百万円(13.8%)増加し640億35百万円、特別損失が105億73百万円(16.6%)増加し744億84百万円となりました。
また、法人税等が429億42百万円、少数株主利益が174億83百万円それぞれ増加した結果、当期純利益は、前期と比べて360億61百万円(85.7%)減少し、60億8百万円となりました。
総資産は、前期末と比べて3,660億71百万円(4.7%)増加し、8兆2,258億74百万円となりました。
主な内訳としては、銀行業における貸出金が1,897億16百万円、㈱カスミ及びその子会社を連結子会社化したこと等により有形固定資産が1,482億13百万円、主に金融子会社が保有する有価証券が435億47百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債合計は、前期末より3,765億77百万円(6.3%)増加し、6兆4,063億99百万円となりました。増加の主な要因は、前連結会計年度末日が銀行休業日の影響等により支払手形及び買掛金が540億44百万円、預り金等の流動負債その他が650億75百万円減少したものの、有利子負債が3,257億67百万円、銀行業における預金が1,795億65百万円増加したこと等によるものです。
純資産合計は前期末から105億5百万円(0.6%)減少し、1兆8,194億74百万円となりました。減少の主な要因は、SM再編に伴う株式移転等により少数株主持分が539億37百万円増加したものの、退職給付信託の一部返還等により退職給付に係る調整累計額が206億1百万円、利益剰余金が208億19百万円、為替換算調整勘定が159億36百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1「業績等の概要」」に記載しております。