第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年3月1日~平成29年2月28日)の当社及び連結子会社296社の連結業績は増収増益となりました。営業収益は過去最高となる8兆2,101億45百万円(前期比100.4%)、営業利益は1,847億39百万円(同104.4%)、経常利益は1,873億51百万円(前期比104.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、112億55百万円(同187.3%)となりました。セグメント別営業利益につきましては、お客さまのニーズやライフスタイルの変化に対応して過年度より事業ポートフォリオの多様化を推進してきたことが奏功し、8事業中6事業(SM・DS(スーパーマーケット・ディスカウントストア)事業、総合金融事業、ドラッグ・ファーマシー事業、サービス・専門店事業、小型店事業、ディベロッパー事業)が増益となり、連結業績に寄与しました。

 

<グループ共通戦略の推進>

・  6月から、現金でのお買物にも対応する共通ポイント「WAON POINT」サービスを開始しました。これまでイオングループ各社で運営していた会員組織を順次新サービスに統合しており、「WAON POINTカード」稼働人数は、8月末時点で3,000万人を突破しました。「WAON POINT」は、加盟店でのお買物以外にも、ウォーキング等の健康増進活動や環境保全活動でポイントを貯めることができます。今後は、寄付等の社会貢献活動でのポイント利用や地域との連携も推進し、社会性、公共性に優れた地域社会の基盤となる共通ポイントサービスを目指します。

・  フランスを中心に欧州にて冷凍食品専門の小型SM事業を展開するPicard Surgelés SAS社(本社所在地:フランス・パリ)と、6月、日本における「Picard(ピカール)」の本格展開について合意し、新会社「イオンサヴール㈱」を設立しました。日本初の冷凍食品専門SMとして、11月23日にオープンした第1号店「Picard青山骨董通り店」を含め3店舗をオープンしました。「365日、いつでも誰でもおいしさ溢れる食卓を」というコンセプトの元、冷凍技術を最大限に活かしたおいしくかつ美しい商品が、お客さまからご支持をいただいています。

・  6月に、フランスを基点に欧州にてオーガニック小型SM「Bio c’ Bon(ビオセボン)」を展開するMarne & Finance Europe社(本社所在地:ベルギー・ブリュッセル)と合弁会社「ビオセボン・ジャポン㈱」を設立し、12月9日に日本1号店となる「Bio c’Bon麻布十番店」をオープンしました。オーガニック食品を気軽にお試しいただけるように対面キッチンのデリコーナーを設置し、出来立ての惣菜やサンドイッチを提供する等、オーガニックのあるくらしを積極的に提案しお客さまからご支持をいただいています。

・  アジアシフトを推進する中、成長著しいミャンマー市場においてSM事業、専門店事業や不動産事業等を営むCreation Myanmar Group of Companies Limited(以下、CMGC社)と合弁会社「イオンオレンジ㈱(AEON Orange Co.,Ltd.)」を設立し、8月、CMGC社傘下のHypermart社から14店舗を譲り受けて事業を開始しました。9月30日には、最大都市ヤンゴンに、新会社として1号店となる「イオンオレンジ North Okkalapa店」をオープンしました。

・  地域の皆さまや行政、企業等さまざまなメンバーと一体となった地域発展の新しい枠組み「地域エコシステム」の構築に取り組んでいます。その一環として、11月17日より千葉市花見川区こてはし台地区において、日頃のお買物に不便を感じている皆さまに向けて「移動販売車」の運行を開始しました。千葉北警察署と「地域の安全確保に関する協定」も締結し、お買物支援だけでなく、安全で安心な地域社会の実現に貢献していきます。

・  11月に、お客さまからのヘルス&ウエルネス商品へのご要望の高まりを受け、からだと環境にやさしい「トップバリュグリーンアイ」のリブランディングを実施しました。お客さまの声を元に、加工食品を中心に添加物・原材料のうち、109種類に配慮した商品22品目を発売しました。さらに、食物アレルギーをお持ちのお客さま向けに特定原材料7品目を使用しない「やさしごはん」12種類を発売しました。本商品は、通常は個食タイプが多いアレルギー配慮商品を、「食事は、家族全員同じものを食べたい」というお客さまの声を元に、ファミリータイプの容量での品揃えを実現しました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①  GMS事業

GMS(総合スーパー)事業は、SM・DS事業に属する㈱ダイエーからの店舗承継の影響もあり営業収益は3兆122億63百万円(前期比106.1%)、営業利益は24億81百万円(同26.4%)となりましたが、イオンリテール㈱、イオン北海道㈱、イオン九州㈱、㈱サンデー等の主要企業は着実に損益改善しました。
 イオンリテール㈱は、お客さまのライフスタイルやニーズの変化に対応した売場づくりや、お客さまへの新しい提案を積極的に進めました。働く女性や共働き世帯への応援として食品エリアで夜6時~9時に「まいにち夜市」を実施しました。さらに、販促として平成28年11月25日~27日の3日間で国内大手総合小売業としては初となる「ブラックフライデー」を実施し、同期間中の既存店売上高は対前年同曜日比で115%以上、特に衣料が同130%以上と大きく伸長しました。8~9月の記録的な台風襲来等の天候不順もあり、当期の既存店売上高は前期比97.7%(内訳は衣料 95.9%、食品 98.7%、住居余暇96.9%)となったものの、当期における荒利益率は、前期より取り組んでいる商品改革・売場改革の浸透により改善トレンドが継続し、前期実績を0.8ポイント上回り、既存店販管費は前期比98.5%となり、結果、当期の営業損益は前期と比較し35億57百万円改善し、増収増益となりました。
 イオン北海道㈱は、㈱ダイエーから承継した店舗の強化等を実施しました。特に大型活性化として、札幌麻生店、東札幌店、新さっぽろ店と地下鉄駅直結の都市型店舗のお客さまに合わせた新たな売場づくりに取り組みました。結果、これらの活性化及び専門店化効果もあり、承継前売上高を含めた承継事業の売上高前期比が105.0%となり、承継店舗の成長が業績の改善に大きく貢献しました。承継事業の営業利益につきましても、承継時における黒字化計画を1年前倒し、当期で達成しました。

 

②  SM・DS事業

SM・DS事業の営業収益は、2兆8,902億32百万円(前期比94.7%)となりましたが、SM・DS事業に属する㈱ダイエーからGMS事業各社へ店舗承継をした影響を除けば増収となりました。営業利益は312億88百万円(同147.9%)となりました。
 展開地域を首都圏・京阪神地域に集中し、食品への特化を図る㈱ダイエーは、当期で12店舗の活性化を実施し、都市圏のお客さまのご支持を着実に集めています。また、売場における管理レベルの向上による売価変更の削減等により、既存店の荒利益率が対前期差0.8ポイント改善しました。本社経費削減や生産性改善等の構造改革にも取り組み、営業損益が大幅に改善しました。
 ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱(U.S.M.H)は、同社連結子会社である3社の共同調達による商品の原価低減、店舗資材・什器等のコスト削減を継続して行い、グループシナジーの創出に努めました。さらに、3社共同の販促を実施し、来店客数増加を図りました。同社連結子会社の㈱カスミは、10月、千葉県佐倉市の佐倉流通センター内に精肉加工センターを開設し、物流の効率化と精肉商品の生産能力拡張を図ることで今後の店舗数拡大に対応をしました。
 マックスバリュ東海㈱は、農産の産地から店舗までの納品リードタイムの短縮や、水産における地場のお取引先さまからの仕入ルートの確立等、鮮度にこだわった取り組みを強化しました。また、地元素材を使用した新商品の開発や地物商品コーナーの拡大等、地域密着経営のさらなる深耕拡大を図り、増収増益となりました。

 

③  小型店事業

小型店事業は、営業収益3,787億3百万円(前期比100.5%)、営業利益27億76百万円(同219.4%)となりました。
 ミニストップ㈱は、店舗数の増加及びチルド弁当、調理パン等の日配品の強化による売上の牽引により、営業収益は前年を上回りました。一方、新規出店数の増加及び積極的な既存店改装等による販管費の増加により営業利益は前年を下回りました。韓国ミニストップ㈱(MINISTOP KOREA CO.,LTD.)の営業収益は、前期の会計期間が14カ月だったこと、及び為替レートの影響もあり前年を下回りました。
 まいばすけっと㈱は増収増益となりました。生鮮、デリカの取り扱いを強化するとともに、売場レイアウトの改善、サービス、接客技術等の教育を推進しました。また、グループ物流網の活用等、グループシナジーの創出も継続して推し進め、収益力向上に努めました。

 

④  ドラッグ・ファーマシー事業

ドラッグ・ファーマシー事業は、営業収益6,236億31百万円(前期比105.3%)、営業利益220億53百万円(同118.6%)となりました。
 ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、既存店改装等により「ウエルシアモデル」を積極的に推進しました。調剤併設率の向上や、お客さまの利便性向上を目的とした24時間営業店舗の推進等の施策に取り組み、調剤売上の伸長等により既存店売上が好調に推移しました。また、同社連結子会社である㈱B.B.ONはビューティー・調剤・ヘルスを融合し、健康的な美しさをカラダの内外共にサポートする新しいスタイルの都市型ドラッグストアを東京・日本橋、京都・河原町に出店する等、新たな取り組みも積極的に推進しました。さらに、事業の効率化を目的として、9月1日付でウエルシア薬局㈱が㈱CFSコーポレーションを吸収合併しました。

 

⑤  総合金融事業

総合金融事業は、営業収益3,720億46百万円(前期比104.1%)、営業利益619億4百万円(同112.5%)となりました。
 イオンフィナンシャルサービス㈱は、業務効率の改善に向けたグローバルでのデジタル化の推進、商品・サービスの利便性の向上、バランスシートの効率化による収益性の改善に取り組みました。また、新たな取り組みとして、お客さまの日々の生活の中で、商品・サービスをより便利にご利用いただくために、フィンテックを活用し新たなサービス創出を目的としたコンテスト「AEON Financial Service Innovation 2016」を開催しました。クレジット事業では、イオングループの対象店舗にてイオンカードをご利用の際、ときめきポイントを2倍付与する取り組みやお客さまがご利用になられたイオンカードのご利用金額、イオン銀行口座情報を一括して確認可能なスマートフォン向けアプリ「イオンウォレット」の告知を強化しました。銀行業では、営業ネットワークの拡大に向けて、イオンモール長久手(愛知県)に店舗を開設し銀行店舗数は134店舗となりました。また、住宅ローンについて競争力のある特別金利プランのご提供に加え、住宅ローンの契約者さまにイオングループでのお買物が毎日5%割引となる特典を備えた「イオンセレクトクラブ」のプロモーション強化を継続的に推進、無担保ローンについては、教育ローン等の目的別ローンにおいて、キャンペーンを実施するとともに、インターネットでの告知強化に努めました。加えて、店頭でのお取引をよりスピーディーに対応するため、テレビ電話を通じて各種取引を行う「セルフ端末」をイオンレイクタウン店に設置しました。海外事業では、イオンカード会員の拡大に向けて提携先と連携したプロモーション活動やお客さまのサービス向上及びローコストオペレーションによる生産性の向上を目的に、タブレット端末やデジタルサイネージの設置等、店舗の改装に取り組みました。フィービジネス等では、電子マネー事業において生活に密着した商品・サービスを提供する企業を中心にWAON加盟店の開発強化に取り組みました。これらの結果、電子マネー「WAON」の累計発行枚数は、約6,400万枚、取扱高は2兆824億円(同101.1%)となりました。

 

 

⑥ ディベロッパー事業

ディベロッパー事業は、営業収益3,159億40百万円(前期比116.1%)、営業利益468億51百万円(同104.0%)となりました。
 イオンモール㈱は、当期末において国内6箇所のSC(ショッピングセンター)を開設、2SCの増床を含めた20箇所の既存SCのリニューアルを行いました。
 国内では、イオンカードや電子マネー「WAON」を活用したグループ共通の販促やお客さま参加型のイベントを実施したことで、テナント売上が好調に推移しました。また、平成28年3月に同社連結子会社となった㈱OPAは、従来のファッション中心から、ライフスタイルを提案する業態への転換を推進しました。今後の成長ドライバーと位置付けている海外事業においては、ベトナム、中国・河北省でSCをオープンするとともに、既存の17SCのうち10SCが黒字化を達成し、海外事業の損益が改善しました。その結果、当連結会計年度において増収増益を達成しました。
 

⑦ サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益7,656億69百万円(前期比103.3%)、営業利益263億93百万円(同100.3%)となりました。
 イオンディライト㈱は、ファシリティに関するアウトソーシング業務全般を統合し管理・運営する統合的なファシリティマネジメント(IFM)サービスの提供を開始しました。また、従来病院を主要顧客として提供拡大してきた衛生清掃の他用途施設への積極的な営業活動を進めた結果、衛生環境に対する要求水準の高い外資系IT企業の研究所、クリーンルームやオフィス等へサービスの提供を開始しました。これらを含めたさまざまな取り組みの結果、当連結会計年度は増収増益となりました。
 ㈱イオンファンタジーは、国内事業において、平成27年9月から好調に推移している遊戯機械売上が引き続き好調に継続しています。商品売上も平成28年9月に既存店売上高が31カ月ぶりにプラスに転じ、その後も順調に推移した結果、下期の対同期比が7.3%増となりました。また、平成27年6月に合併した㈱ファンフィールド店舗の遊戯機械を積極的な入替により魅力を向上させるとともに「モーリーファンタジー」及び「PALO」ブランドへの変更を全店完了し、旧ファンフィールド店舗の既存店売上高は7月から前年を上回って推移しました。また、海外事業の営業利益は前期から引き続き黒字となり、その結果、増収増益となりました。
 

⑧ 国際事業(連結対象期間は主として1月から12月)

国際事業は、営業収益3,983億95百万円(前期比93.4%)、営業損失54億1百万円(前期末より29億52百万円の減益)となりました。
 イオンマレーシア(AEON CO.(M) BHD.)は、3月にマレーシア国内最大級のイオンモール旗艦店となる「イオンモール シャーアラム」をセランゴール州の州都シャーアラムに開設しました。5月には新規マーケット開拓を目指し、マレー半島東海岸地域における同社1号店「イオンモール コタバル」をオープンし、地域のお客さまから大きなご支持をいただいています。さらに、アセアン地域においては、イオンベトナム(AEON VIETNAM CO., LTD.)及びイオンカンボジア(AEON CAMBODIA CO., LTD.)の営業損益が当連結会計年度にて黒字転換を達成しました。
 中国事業では、イオンストアーズ香港(AEON STORES(HONG KONG)CO.,LTD.)の旗艦店の全面活性化を行い、海外初のイオンスタイルとして7月に「イオンスタイル コーンヒル」、9月に「イオンスタイル ワンポア」をリニューアルオープンしました。また、中国本土においては既存店の収益が改善基調にあり、引き続き中国における事業基盤の強化と収益性の改善に努めました。

 

なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,015億88百万円増加し、8,020億99百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は2,948億93百万円(前期比683.3%)となりました。前連結会計年度に比べ2,517億36百万円増加した主な要因は、売上債権の増減額が638億79百万円、銀行業における貸出金の増減額が635億67百万円それぞれ増加し資金が減少した一方で、銀行業における預金の増減額が2,029億88百万円、仕入債務の増減額が674億8百万円、減価償却費等の非資金性費用等を除いた税金等調整前当期純利益が561億69百万円それぞれ増加し資金が増加したこと等によるものです。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は2,677億10百万円(前期比59.9%)となりました。前連結会計年度に比べ1,789億1百万円支出が減少した主な要因は、銀行業における有価証券の取得による支出が1,493億2百万円増加した一方で、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が2,544億24百万円、固定資産の売却による収入が1,043億68百万円増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は814億50百万円(前期比26.0%)となりました。前連結会計年度に比べ2,318億94百万円減少した主な要因は、社債の発行による収入が368億43百万円増加した一方で、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が1,997億86百万円、長期借入れによる収入が904億65百万円減少したこと等によるものです。

 

 

2 【販売の状況】

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

GMS事業

3,012,263

106.1

SM・DS事業

2,890,232

94.7

小型店事業

378,703

100.5

ドラッグ・ファーマシー事業

623,631

105.3

総合金融事業

372,046

104.1

ディベロッパー事業

315,940

116.1

サービス・専門店事業

765,669

103.3

国際事業

398,395

93.4

その他事業

18,125

137.4

調整額

△564,863

合計

8,210,145

100.4

 

(注) 小型店事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度437,752百万円)は含んでおりません。

 

 

3  【対処すべき課題】

近年、お客さまのライフスタイルや価値観は、情報やテクノロジー・技術革新がもたらす快適さや便利さによって大きく変化し、加速度的に多様化が進んでいます。そして、この大きく変化する社会的な潮流への対応を、技術革新やデジタル化によっていち早く推進する企業がより高い成長を実現しています。

 

(1) 成長市場への取り組み

① グループ事業構造の改革

これまで当社が培ってきた事業ポートフォリオについて、それぞれがより高い収益性を発揮するべく、環境変化に適合する体制へ革新するとともに、新たな成長分野での事業拡大を図ります。
 GMS事業、SM事業を中核とする小売事業は、コスト構造の改革を進めることで生産性および成長性を高めます。食品分野については、地域を軸とした強化を進める体制を構築する一方、衣料や住居余暇、H&BC(ヘルス&ビューティーケア)といった商品分野については、より一層の専門性の向上を目指し、品揃えや製造における体制強化を進めます。また、グループ共通で取り組む「アジア」「都市」「シニア」「デジタル」の4つの成長領域へのシフトを通じ、シニア向け「G.Gストア」「G.Gモール」の開発や都市在住のお客さまの利便性を高める小型店開発等お客さまニーズにお応えする業態への革新と収益成長の両立を実現してまいります。さらに、家計におけるサービス支出の拡大を捉え、サービスと物販との組み合わせに取り組み、同分野における収益拡大を推進します。同時に、グループ企業間の事業領域および機能の重複並びに分散の解消・整理を進め、グループの生産性および効率性を高めます。
 

② 事業基盤の刷新

現在、PB(プライベートブランド)や、物流、ITといった事業基盤は、競合他社との差別化およびコスト競争力の源泉となっています。当社は、将来の企業競争力の根幹となるこれらの事業基盤の刷新を図っていきます。

PBでは、お客さまのニーズを先取りし、新しい価値を持つ商品の開発を進め、需要を創造することで、グループの営業力とコスト競争力をより一層高めます。また、物流、商品企画・開発、営業活動等の経営・事業活動における生産性並びに効率性を高めるためIT基盤の刷新を進めます。

 

③ 組織体制の改革

各分野・各地域におけるナンバーワン企業から成る真のナンバーワングループを実現するため、組織体制の改革を行います。具体的には、事業並びに現場力を強化するため、経営資源を事業・地域へ再配分し、当社は純粋持株会社として、グループ横断的な経営機能への特化を図ります。また、改革を推進する事業担当には、執行役を配置し、明確な責任体制のもと、改革・成長戦略を加速してまいります。

 

(2) 人材の活躍・ダイバーシティの推進

当社は「コーポレートガバナンス基本方針」において、お客さまに対する価値創造を担う従業員を最大の経営資源と位置付け、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、多様な価値観を活かした革新ある経営を実践するため、グループをあげてダイバーシティ経営を推進しています。グループ内ダイバーシティ表彰制度“ダイ満足”アワードによるベストプラクティスの共有や、管理職の意識改革の推進、グループの事業所内保育施設「イオンゆめみらい保育園」の設置拡大等に取り組みました。このような取り組みが評価され、女性活躍推進に関する取り組みが優良な事業主に対して厚生労働大臣から与えられる「えるぼし」最高位の3段階目と、従業員の仕事と家庭の両立支援の取り組みが優良な企業に与えられる「プラチナくるみん」の認定を取得しました。また、LGBT(性的マイノリティ)に関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定するLGBTに関する取り組みを評価するPRIDE指標で「シルバー」を受賞しました。さらに、従業員の健康づくりが企業活動の要であるという考えのもと推進する健康経営が評価され、当期は、経済産業省と日本健康会議が共同で優良な健康経営を実践する企業を顕彰する「健康経営優良法人(ホワイト500)」制度の初年度認定を受けました。

 

 

(3) 会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容及びその実現に資する取り組みの概要

イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献など様々な価値を包含し形成されているものです。

これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。

② 不適切な支配の防止のための取り組みの概要

当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を平成27年5月27日開催の第90期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。

これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者らの概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うことなどの買収ルールの遵守を要請します。 

当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測されるなど、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行などの対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。

株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。

なお、この買収防衛策の有効期間は平成30年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。

③ 上記②の取り組みについての基本方針等との整合性に係る取締役会の判断

大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。

従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1) 小売業界における持続的な低迷又はさらなる悪化のリスク

当社グループは、主に日本国内において事業を営んでおり売上高ベースの国内シェアも高いため、その収益は日本の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、日本の小売業界は、個人消費の落ち込み、全般的な価格デフレ、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。

今後は、消費税の増税及び医療費や社会保険料の負担の増加に加え、電力価格等の上昇により、日本経済及び個人消費に悪影響が及ぶ可能性があります。

これらにより、日本の個人消費がさらに悪化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) 競争激化に関するリスク

当社グループは、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、低価格を武器としたディスカウントストア、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業等の店舗を有しない企業とも競合しております。これら競合他社は、資金・人材・店舗用地・商品・サービスの調達力、事業運営の効率性、マーケティングまたは顧客の嗜好の変化への対応力等において当社グループより優れている可能性があります。このような小売業界の競争の激化により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 天候不順に関するリスク

当社グループの売上は、季節的変動による影響を受けます。当社グループは、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 消費税率の引き上げに伴うリスク

平成31年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。平成26年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には個人消費が一時的に落ち込みました。税率引き上げ前の駆け込み需要と通算すると大きな影響はなかったものの、今後消費税率が引き上げられた場合にも、同様に個人消費が一時的に落ち込む可能性があり、これにより当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 不動産価格等の上昇に伴うリスク

当社グループの小売事業やディベロッパー事業においては不動産の取得又は賃借を行うため、不動産価格が上昇した場合、不動産の取得又は賃借に係る費用が増加することになります。また、当社グループは、不動産の転貸も行っておりますが、当社グループが負担すべき賃料の増額分を、テナントから受領する賃料収入によって賄うことができなくなる可能性もあります。

また、不動産関係法の改正や会計基準の変更による不動産保有リスクの上昇が、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 食品の安全性及び品質の水準低下に伴うリスク

当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題の一つと考えており、そのために様々な活動を行っております。食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、鳥インフルエンザ、残留農薬、アレルギー物質の表示、食品偽装、異物混入等の問題により近年さらに高まっています。当社グループは、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社グループが提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、当社グループの取引先における商品の製造過程や店舗等での販売時点において異物混入等が発生し、当社グループの複数の店舗で当該商品の販売自粛等の措置をとる場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 人件費等の増加等に関するリスク

当社グループは、厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、最低賃金の引き上げ、今後の労働法改正等種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。

また、当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害及び予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設の営業活動が制限され、当社グループ従業員に対し賃金の一部もしくは全部を補償する場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 都市計画法、建築基準法及び大規模小売店舗立地法に関するリスク

(都市計画法及び建築基準法)

床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社グループは地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社グループの店舗開設に制限が課される可能性があり、当社グループの成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。

(大規模小売店舗立地法)

大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が建設される周辺地域の生活環境を保持することを目的としており、当社グループの既存店舗及び開設予定店舗は、原則として同法の適用対象となります。同法の適用により、当初の計画通りに店舗の新規開設や既存店舗の増改築及び業態変更等を行うことができなくなる可能性があります。

 

(9)成長戦略の停滞に関するリスク

当社グループは、グループ各社がそれぞれの分野・地域でナンバーワンへと成長するため、既存の事業モデルの革新を図るとともに、新しい成長モデルを確立してまいります。当社グループは成長戦略の一環として他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。しかしながら、以下を含む様々な要因により、期待する成果を達成できない可能性があります。

・新規出店や買収のために必要な資金を調達できないこと

・当社グループが希望する地域に希望する条件で、新規出店場所や適当な買収対象会社を見つけ出すことができないこと

・買収物件または海外事業を既存事業と統合することができず、当社グループの仕入、流通、販売促進、財務、管理、情報技術及びバックオフィス機能を十分に活用することができないこと

・事業の拡大やシステムの活用を進めるために必要な有能なスタッフの雇用を維持できず、また、かかる人材を育成できないこと

・ショッピングセンターその他の小売店舗の開発を適切な時期に適切な投資または費用で実施し、または、かかる小売店舗において優良テナントを確保することができないこと

 

・買収に先立ち被買収企業における、財務、税務または法務等に係る問題点を発見することができず、買収後にかかる問題点を解決することができないこと

・買収後において、当社グループが提供する商品及びサービスにつき一貫した品質水準を維持できないこと

・買収後において、被買収企業に対し当社グループの内部統制を適切かつ有効に適用することができないこと

以上のような要因により、当社グループの成長戦略が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)プライベートブランド(PB)商品に関するリスク

当社グループは、PB商品の開発を積極的に行っております。PB商品の中心である「トップバリュ」については、衣・食・住にわたり商品を提供しており、供給を含めた年間販売額は7,156億円に達しております。開発にあたっては、厳しい基準を設けて入念な品質管理を実施しておりますが、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客さまからの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(11)仕入・流通ネットワークの障害に関するリスク

当社グループは、ITを積極的に活用して、仕入・流通ネットワークの整備に取り組み、全国をカバーする自社の流通網を構築してまいりました。今後も当社のグループ会社にも広くかかる流通網を有効活用させ、当社グループ全体の仕入・物流コストの低減を目指していく所存です。しかしながら、当該ネットワークが当社グループ会社各社の仕入・物流と整合的でない等の理由により、かかる戦略が達成できない可能性があります。また、当該ネットワークには、輸送の遅れ、コンピュータウィルス、地震その他の自然災害、ストライキ、供給不足、人為的な誤り等、様々な要因により障害が発生する可能性があります。これらの要因により仕入・流通ネットワークに継続的な障害が生じた場合、商品の破損・腐敗、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、決済・ポイント機能の停止、データの消失、顧客や供給業者からの信頼の低下、保守・修繕費用等の負担等による影響を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)減損に関するリスク

当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれん等多額の固定資産を保有しています。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社グループの店舗に係る減損損失額は、平成28年2月期は442億82百万円、平成29年2月期は431億76百万円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。

また、当社グループは、グループの拡大に伴い、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、今後も当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)海外取引及び海外事業に関するリスク

当社グループは、国内で販売する商品の一定程度を海外から輸入しており、また連結営業収益の一部はアジア等の海外の店舗から生じます。海外において、経済成長の鈍化、個人消費の停滞、不安定な政治・経済情勢、法律や政策の変更、テロ活動、伝染病の発生等の事項が発生した場合、または海外取引もしくは海外事業に伴う物流、品質管理、課税等に問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

特に中国に関しては、当社グループは相当程度の商品を輸入しており、今後も中国において当社グループの日本国内におけるビジネスモデルをパッケージとして導入していく方針です。中国の法制度は生成途中であり、中国政府は外資規制等産業規制について広範な裁量を有しております。また、規制内容またはその運用・解釈の重大な変更が頻繁に行われる可能性があります。加えて、反日感情による暴動、不買運動等が発生した場合、当社グループの中国における事業展開に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(14)経営陣その他重要な役職員への依存に関するリスク

当社グループの事業の成否は、当社代表執行役社長岡田元也及びその他の幹部経営陣の能力に相当程度依存しております。これらの幹部経営陣による役務の提供が享受しえない場合や、今後、現在の幹部経営陣に匹敵する能力と経験のある人材を確保することができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(15)地震や台風等の災害、テロ活動等に関するリスク

当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

また、当社グループの店舗・施設では防火対策を重点的に取り組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

当社グループの店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

その他、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの供給業者もしくは仕入・流通ネットワークに影響する何らかの事象が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(16)グループ会社の事業活動を効果的に活用することができないリスク

当社グループは、平成29年2月期末時点において、連結子会社296社(うち株式公開をしている会社は24社)及び持分法適用関連会社32社を有しております。当社はこれらの会社に対して、グループとしての全体最適を求める一方で、高度に経営上の独立性を認めているため、これらの会社による各事業活動を効果的に調整できない、或いは、グループとしての事業活動を一体的に調整することが困難となる可能性があります。当社グループには、株式公開をしている会社及び当社が少数株主である会社が多数存在しており、これらの会社は当社からの独立性が高いため、当社グループがこれらの子会社及び関連会社に対して効果的に統治することが困難となる可能性があります。このリスクは当社グループ会社数の増加に伴い高くなると予測されます。当社が、当社グループの子会社及び関連会社に対して適切なガバナンスを及ぼすことができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性、並びに当社グループの財務報告の信頼性が失われる可能性があります。

 

(17)金利変動に関するリスク

当社グループは、平成29年2月期末時点において2兆2,570億円の銀行借入金、社債、新株予約権付社債、コマーシャル・ペーパー及びリース債務等の残高があります。当社グループは銀行借入金等の削減に向けた様々な取り組みを行っていますが、当社グループの成長戦略に伴い、銀行借入金等がさらに増加する可能性もあります。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(18)為替変動に関するリスク

当社グループは、平成29年2月期末時点において、131社の連結子会社を海外に有しております。当社連結財務諸表において海外子会社の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは主に日本国内で営業を行っておりますが、海外においても取引を行っており、同様に為替相場変動の影響を受けます。為替相場が異常な変動をした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(19)資金調達に関するリスク

当社グループは成長戦略等のために資金を調達する必要があります。当社グループは常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えています。また、取引金融機関とは常に良好な関係を構築・維持しています。

しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社グループの信用力の低下、当社グループの事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。これらの要因により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(20)退職給付債務に関するリスク

平成29年2月期末現在、当社グループの退職給付債務は1,839億78百万円、年金資産の評価額は1,689億36百万円、未積立退職給付債務は150億41百万円であり、当期における退職給付費用は167億83百万円でした。当社グループの年金資産を構成する金融商品価格の下落は、年金資産の評価額及びその運用収益の減少を招く可能性があります。また、当社グループが、退職給付債務や退職給付費用を算出する際には、割引率や長期期待運用収益率等多くの想定数値を採用します。想定数値の評価に変化が生じた場合、未積立退職給付債務が増加する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績は悪影響を受けることとなります。

 

(21)総合金融事業における法的規制に関するリスク

当社グループにおいて総合金融事業を営む連結子会社は、国内においては銀行法・割賦販売法・保険業法・貸金業法・サービサー法・金融商品取引法等の適用、及び金融当局の監督を受けております。また、海外における事業活動についても、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに、金融当局の監督を受けております。

銀行事業を行う㈱イオン銀行及び同社の親会社であり銀行持株会社であるイオンフィナンシャルサービス㈱グループは、銀行法に基づく自己資本比率規制が適用されております。同社グループは自己資本管理に関する体制を構築しておりますが、同社グループまたは㈱イオン銀行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から営業の全部または一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。

総合金融事業を営む連結子会社が取り扱う全ての融資商品の実質年率は、法令上の上限金利以下としておりますが、国内において過去に弁済を受けた上限金利超過部分の利息は顧客より返還を請求される場合があります。当社グループは、当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上しておりますが、当該返還請求が予想以上に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらの法令諸規則等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務や業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)保有資産等の価格変動等に関するリスク

当社グループは市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の価値が下落した場合、保有する有価証券等の減損または評価損が発生もしくは拡大し、当社グループの財政状況及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(23)貸倒れに関するリスク

当社グループは、主として総合金融事業において保有する個人向けの貸出金等の資産について、自己査定・償却引当基準を設け、貸倒引当金を計上しております。しかし、想定以上に与信関連費用や不良債権残高が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(24)総合金融事業の成長に関するリスク

当社グループの総合金融事業はクレジットカード事業や銀行業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、または規制緩和の進展等に応じて新たな事業領域への進出や各種業務提携等を実施しております。当社グループは、これらに伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しておりますが、想定を超えるリスクが顕在化した場合、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの総合金融事業は当社グループの小売事業の規模に連動して拡大する傾向にあり、当社グループ内のシナジーを大きく享受しておりますが、小売事業を拡大することができない場合、金融サービス事業の成長が抑制される可能性があります。

 

(25)顧客情報の漏洩に関するリスク

当社グループは、総合金融事業の顧客のほか、当社グループが営むその他の事業の顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社グループは、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にする等、万全の処置を講じておりますが、当社グループの顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(26)知的財産権に関するリスク

当社グループは、国内外で登録済の商標、意匠その他の知的財産権を保有しております。当社グループは、これらの知的財産権の保全に対し確実に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(27)敵対的買収防衛策に関するリスク

当社は、特定株主(個人及び法人を問いません。)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為、または結果として特定株主の議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付行為に対するルールを設けております。同ルールは、大量株式取得者は当社取締役会に対して大量株式取得に先立ち、大量株式取得者自身について及び今後の計画等について必要かつ十分な情報を提供しなければならず、取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ、対象取得者は大量株式取得を開始することができるというものです。大量株式取得者が本ルールを遵守しない場合は、当社取締役会は、社外取締役全員並びに外部の弁護士及び学識者で構成される独立委員会の意見を最大限尊重し、当社株主全体の利益を守ることを目的として新株予約権の発行等の、当社取締役会が適当と判断した法的対抗措置を執ることができます。かかる買収防衛策については一般に、株主にとって利益となり得る株式取得の申し入れを阻害する可能性があるという考え方もあります。また、当社のかかる買収防衛策が、当社の企業価値を損なう敵対的買収に対する防衛として、法的に有効かつ効果的であるという保証はありません。

 

(28)不動産施設に係る環境問題に関するリスク

当社グループは、平成29年2月期末において8,048億84百万円(簿価)の土地を所有しております。土壌汚染対策法に基づき、土地の所有者等は、所有地の土壌が有害物質により汚染されていた場合、その知不知に関わらず汚染状況に関する調査・報告及び汚染の除去等の措置を講ずることを所有者として命じられることがあります。また、当社グループが所有する土地に未確認の環境上の問題が発見された場合、当該土地の価値が下落し、これを除去するために多額の費用負担を強いられる可能性がある場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績 

当連結会計年度の業績は、「1「業績の概要」」で述べたとおり、営業収益は前期と比べて334億12百万円(0.4%)増加し、過去最高となる8兆2,101億45百万円となりました。

GMS事業は、お客さまのライフスタイルやニーズの変化に対応した売場づくり、働く女性や共働き世帯への応援として食品エリアで夜6時~9時に「まいにち夜市」や国内大手総合小売業としては初となる「ブラックフライデー」を実施する等の商品改革・売場改革の浸透への取り組み、また㈱ダイエーから承継した店舗の活性化を図った結果、GMS事業の営業収益は前期に比べて6.1%増加しました。SM・DS事業ではユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱(U.S.M.H)が、同社連結子会社である3社のグループシナジー創出に向けて3社共同の販促等の施策で来店客数増加に努めましたが、今期は㈱ダイエーからGMS事業各社の店舗承継の影響によりSM・DS事業の営業収益は前期と比べ5.3%減少しました。小型店事業ではミニストップ㈱において店舗数の増加及びチルド弁当、調理パン等の日配品の強化による売上の牽引により、小型店事業の営業収益は前期と比べ0.5%増加しました。ドラッグ・ファーマシー事業では、ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社が、既存店改装等により「ウエルシアモデル」を積極的に推進し、調剤併設率の向上、24時間営業店舗の推進、ビューティー・調剤・ヘルスを融合した都市型ドラッグストアの出店等の施策に努めました。その結果、ドラッグ・ファーマシー事業の営業収益は前期と比べ5.3%増加となりました。総合金融事業では,フィンテックを活用し新たなサービス創出を目的としたコンテストの開催やイオンカードのご利用金額、イオン銀行口座情報を一括して確認可能なスマートフォン向けアプリ「イオンウォレット」の告知の強化、WAON加盟店の開発強化などに努めた結果、総合金融事業の営業収益は前期と比べ4.1%増加となりました。ディベロッパー事業では、イオンモール㈱が、当連結会計年度において国内6箇所のSC(ショッピングセンター)を開設、2SCの増床を含めた20箇所の既存SCのリニューアルを実施した結果、ディベロッパー事業の営業収益は前期と比べ16.1%増加となりました。サービス・専門店事業では、ファシリティに関するアウトソーシング業務全般を統合し管理・運営する統合的なファシリティマネジメント(IFM)サービスの提供を開始し、また従来病院を主要顧客として提供拡大してきた衛生清掃の他用途施設への積極的な営業活動を進めた結果、サービス・専門店事業の営業収益は前期と比べ3.3%増加となりました。国際事業ではイオンマレーシア(AEON CO.(M) BHD.)は、平成28年3月にマレーシア国内最大級のイオンモール旗艦店となる「イオンモール シャーアラム」をセランゴール州の州都シャーアラムに開設しました。平成28年5月には新規マーケット開拓を目指し、マレー半島東海岸地域における同社1号店「イオンモール コタバル」をオープンしました。中国事業では、イオンストアーズ香港(AEON STORES(HONG KONG)CO.,LTD.)の旗艦店の全面活性化を行い、海外初のイオンスタイルとして平成28年7月に「イオンスタイル コーンヒル」、平成28年9月に「イオンスタイル ワンポア」をリニューアルオープンしましたが、為替換算の影響もあり国際事業の営業収益は前期と比べ6.6%減少となりました。

営業原価は、商品機能会社の活用による調達コストの削減に努めたことにより、前期と比べて238億64百万円(0.5%)減少し、5兆2,744億69百万円となりました。

販売費及び一般管理費においても、堅実な経費コントロールに努めたものの、子会社の業容拡大などにより前期と比べて495億15百万円(1.8%)増加し、2兆7,509億35百万円となりました。

上記の結果、営業利益は前期と比べて77億62百万円(4.4%)増加し、1,847億39百万円となりました。

GMS事業では、前期と比べて69億9百万円(73.6%)の減益となり、24億81百万円の営業利益となりました。SM・DS事業の営業利益は前期と比べて101億31百万円増加の312億88百万円、小型店事業の営業利益は前期と比べて15億11百万円(119.4%)増加の27億76百万円、ドラッグ・ファーマシー事業の営業利益は前期と比べて34億63百万円(18.6%)増加の220億53百万円、総合金融事業の営業利益は前期と比べて68億76百万円(12.5%)増加の619億4百万円、ディベロッパー事業の営業利益は前期と比べて17億83百万円(4%)増加の468億51百万円、サービス・専門店事業の営業利益は前期と比べて73百万円(0.3%)増加の263億93百万円、国際事業の営業損失は前期と比べて29億52百万円減益の54億1百万円となりました。

営業外収益及び営業外費用では、差入保証金回収益が15億12百万円増加したこと等により営業外収益が5億61百万円増加し、営業外費用は6億46百万円増加しました。

 

この結果、経常利益は前期と比べて76億77百万円(4.3%)増加し、1,873億51百万円となりました。

特別利益及び特別損失では、前期において退職給付信託返還益136億3百万円、子会社株式売却益75億70百万円、段階取得に係る差益が76億98百万円の計上があったこと等により、前期と比べて特別利益が297億24百万円(46.4%)減少し343億10百万円となり、特別損失は21億61百万円(2.9%)減少し723億22百万円となりました。

また、法人税等が347億82百万円減少し、非支配株主に帰属する当期純利益が96億49百万円増加した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べて52億46百万円(87.3%)増加し、112億55百万円となりました。

 

(2) 財政状態

総資産は、前期末と比べて5,249億81百万円(6.4%)増加し、8兆7,508億56百万円となりました。
主な内訳としては、銀行業における貸出金が2,527億66百万円、現金及び預金が1,066億57百万円並びに金融子会社の割賦売掛金を中心に受取手形及び売掛金が925億81百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

負債合計は、前期末より4,820億46百万円(7.5%)増加し、6兆8,884億45百万円となりました。増加の主な要因は、銀行業における預金が3,825億54百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が739億61百万円増加したこと等によるものです。

純資産合計は前期末から429億35百万円(2.4%)増加し、1兆8,624億10百万円となりました。増加の主な要因は、増加の主な要因は、為替換算調整勘定が114億72百万円減少したものの、金融子会社等の非支配株主持分が535億8百万円増加したこと等によるものです。

キャッシュ・フローの状況につきましては、「1「業績等の概要」」に記載しております。