当連結会計年度(平成29年3月1日~平成30年2月28日)の当社及び連結子会社291社の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益が117.9%増益の245億22百万円となりました。営業収益が過去最高となる8兆3,900億12百万円(前期比102.2%)、営業利益も13.8%増益の2,102億73百万円となり、過去最高を更新しました。収益構造改革に取り組むGMS(総合スーパー)事業は、荒利益率の改善と経費の効率運用を推進し、すべてのセグメントの中で最大の損益改善となりました。国際事業は展開各国におけるお客さまニーズへの対応を強化したことで営業黒字化を果たしました。引き続き総合金融事業、ディベロッパー事業並びにドラッグ・ファーマシー事業が利益の柱として着実に伸長したことに加え、SM(スーパーマーケット)事業では当第4四半期連結会計期間には増益に転じました。経常利益についても14.1%増益の2,137億72百万円と過去最高を更新し、すべての利益において「イオングループ中期経営計画」初年度の利益計画を達成しました。
・ 平成30年2月期を初年度とする「イオングループ中期経営計画」において、主要な取り組みとして「既存事業の収益構造改革」並びに「新たな成長に向けたグループ構造改革」を掲げました。また、12月には平成32年に向けた中期経営方針を発表し、リージョナルシフト、デジタルシフト、アジアシフトとそれらに連動する投資のシフトというグループの変革の方向性を打ち出しました。具体的には、お客さまの食に対するニーズの変化やデジタル化に対応するため、各地域での市場シェアNo.1を目指し、エリア毎にグループのSM事業とGMSの食品部門の統合並びに再編を進めます。衣料品、住居余暇等の部門については、専門会社として分社化し、より専門性を高めることでGMS事業のさらなる成長を図ります。さらに、グループ営業利益に占めるアジア比率を23%に引き上げるほか、これまで店舗中心であった投資を、IT、物流、デジタルに傾斜配分することで、グループにおけるデジタル売上比率を12%に引き上げてまいります。
・ 6月、ハノイ市人民委員会(ベトナム)と、大型ショッピングモール開発や小売、金融・サービス等の事業展開を通じた同市の経済活性化と地域の一層の発展に向けて、「ハノイ市における投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しました。11月には、インドネシア国家輸出発展局と「インドネシア製品の販売促進協力に関する包括的覚書」を締結しました。イオンのグローバルな物流網と小売ネットワークを活用し、今後需要の拡大が見込まれるハラル認証商品等の展開強化に向けた包括的な協力体制を構築してまいります。
・ 1月、「トップバリュ」において、食パンや食器用洗剤等、毎日の生活に必要な商品100品目を値下げしました。平成28年11月以降これまでに「トップバリュ」263品目の値下げを実施しており、イオングループのスケールメリット最大化、生産・物流の効率化や国内外のベストソースからの原料調達等のさらなる企業努力を重ねて合理的にコストを削減したことで、値下げ対象商品を拡大しました。結果、グループ全体における「トップバリュ」売上実績は、7,271億円(前期比101.6%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。
GMS事業は、営業収益3兆842億78百万円(前期比100.6%)、営業利益は105億36百万円(前期より118億58百万円の増益)となりました。
イオンリテール㈱は、当連結会計年度において9店舗を出店しました。9月にオープンした「イオンスタイル豊田」(愛知県)は、地域密着型店舗として、九州出身者が多い地域特性を考慮した食品の品揃えの充実を図るとともに、若いファミリー世帯が多い地域であることに着目してママと子どもに優しいフードコート「まいまいキッチン」やベビーパーキングを設置する等の取り組みを進めた結果、年間を通じて売上、利益ともに計画を上回る実績をあげています。11月には、新店では初となるG.G(グランド・ジェネレーション)店舗として「イオンスタイル検見川浜」(千葉県)を出店しました。G.Gとは、シニアに代わる世代の考え方で、豊かな知識と経験のもと、若々しく年齢を重ね、人生を楽しまれている年長の方々を表し、同店では、健康をテーマにした商品・サービスを幅広く提案しています。特にサービス面においては「コミュニティ」をテーマに、ラジオ体操を行うイベントスペースやG.G対応のフィットネスクラブを設置したことに加え、くらしのお役に立ち、困りごとを解決する「暮らしのパートナー」サービスを導入しご好評をいただいています。このような付加価値のある商品、サービスの提供に加え、お客さまの節約志向にお応えする価格の実現にも努めるとともに、51店舗で既存店舗の活性化を推進しました。結果、既存店舗のお客さま一人あたり買上点数は前期比で101.1%(曜日調整後)と改善し、「トップバリュ」の売上伸長等による荒利益率の改善に加え、販促費用の効率化等、経費削減の取り組みが奏功し、当連結会計年度の営業損益は前期差で34億30百万円改善しました。
イオン北海道㈱は、「地域に合わせた店づくりの推進」を掲げ、「イオン道産デー」や各種国内フェア等季節を味わう旬の食材や全国各地域で支持されている人気商品の提案に取り組んだ食品部門、並びに専門店化により強化してきたヘルス&ビューティケアやフラワー&ガーデンの売上が伸長しました。加えて、まいばすけっと事業やネットスーパー事業も前期比で2桁成長し、売上高が過去最高(前期比101.2%)を更新しました。さらに、売上総利益率の3期連続の改善や販管費の抑制等により、各段階利益のいずれにおいても過去最高となりました。
SM事業は、営業収益3兆2,409億78百万円(前期比100.7%)、営業利益は307億22百万円(同91.2%)となりました。農産品の相場安や10月の台風による既存店売上高への影響、社会保険適用拡大等に伴う人件費の増加や電気代の単価上昇等、厳しい環境が続きましたが、地域のお客さまのニーズに対応した継続的な取り組みと生産性の改善を進めたことで当第4四半期連結会計期間には増益に転じました。
展開地域を首都圏・京阪神地域に集中し、食品への特化を図る㈱ダイエーは、業態・商品・構造改革を推進しました。15店舗で活性化を行ったことに加え、毎日お買い得な「えっ!安い値!」や週間販売強化商品を積極的に展開しました。食品加工センターの活用拡大等による店舗作業負担の軽減や販促費の効率的運用等の取り組みによる経費削減も推進し、平成28年2月期以降3期連続の営業損益改善となりました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱は、同社が中期経営計画で掲げる商品改革・ICT改革・コスト構造改革・物流改革を推し進めました。同社連結子会社の㈱マルエツでは、省力化施策としてセミセルフレジを189店舗へ拡大させるとともに、効率的な店舗オペレーションの構築に向けトータルLSP(作業割当)システムを全店に導入しました。
マックスバリュ西日本㈱は、店舗でのデジタル化を進める施策の一環として、セルフスキャンシステム「マイピ」を1月に導入しました。店舗で貸し出しする専用端末により、お客さまが購入商品をスキャンし、精算機に読み込ませるだけで素早く会計が完了する新しいお買物スタイルを提案しています。お客さまの利便性向上と店舗業務の効率化を図り、レジ混雑の緩和にもつなげてまいります。
ドラッグ・ファーマシー事業は、営業収益6,963億92百万円(前期比111.7%)、営業利益277億円(同125.6%)となりました。
ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、既存店舗の活性化等により、「ドラッグ&調剤」、「深夜営業」、「カウンセリング」、そして「介護」を4つの柱とする「ウエルシアモデル」を積極的に推進しました。その結果、調剤併設店舗の増加(2月末現在1,160店舗 シンガポール2店舗含む)による調剤売上の伸長、お客さまへの安心の提供と利便性向上を目的とした24時間営業店舗の拡大等により、既存店売上高が好調に推移しました。また、健康をキーワードにした商品開発や即食需要に対応した弁当・総菜の販売、地域協働の場として設置を推進しているフリースペース「ウエルカフェ」の拡大等、地域に密着した経営を積極的に行いました。3月1日には、シンガポールにWELCIA-BHG(SINGAPORE)PTE.LTD.を設立し、11月に1号店を、12月に2号店を開店しました。9月1日には、東北地方を地盤とする㈱丸大サクラヰ薬局の株式を取得して子会社化し、当連結会計年度末の店舗数は1,693店舗(海外含む)となりました。
総合金融事業は、営業収益4,080億92百万円(前期比109.7%)、営業利益697億66百万円(同112.7%)となりました。
イオンフィナンシャルサービス㈱の国内事業では、イオングループ内及び外部加盟店での利用拡大や若年層の会員開拓を目的に、外部企業や人気キャラクターとのコラボレーションによる新規カードの発行を開始し、協業先と連携したプロモーション活動を継続的に実施しました。さらに、ロボット技術によるカード入会受付の実験開始や、金融機関として初めて、生体認証だけで銀行取引が可能となるシステムを導入する等、新技術を活用したビジネスモデルの変革を進めました。開業10周年を迎えた㈱イオン銀行では、国内営業基盤の強化を進め、銀行店舗数は138店舗となりました。また、「イオン銀行iDeCo」の取り扱いや「つみたてNISA」の受付を新たに開始しました。加えて10月1日付で、これまでイオンクレジットサービス㈱が銀行代理店として営んできたインストアブランチの運営を㈱イオン銀行へ承継し、全店を㈱イオン銀行の直営店とすることで、資産形成サービスをシームレスに提供できる体制を整備しました。
香港では、イオン店舗でのお買物について常時ポイント2倍とするゴールド会員向け特典の開始や人気キャラクターとのコラボレーションによる新規カードの発行等、取扱高及び会員数の拡大に努めました。タイでは、小売大手他社との提携カードの発行を開始し、提携先と連携したプロモーション活動を推進しました。また、クレジットカードの新規制への対応を進めるとともに、審査の厳格化等による貸倒コストの抑制に努めました。マレーシアでは、タブレット端末やデジタルサイネージを活用したペーパーレス化を引き続き推進しました。フィリピンにおいては、新たなIoTデバイスを活用したタクシー向けオートローン事業を開始したほか、同様の新技術を活用した取り組みをカンボジアへ展開する等、お客さまへのサービス向上を図りました。
ディベロッパー事業は、営業収益3,356億64百万円(前期比106.2%)、営業利益515億42百万円(同110.0%)となりました。
イオンモール㈱は、既存モールの増床・リニューアルを積極的に推進しており、国内においては、当連結会計年度に2モールの増床、12モールのリニューアルを行いました。「オペラ de イオンモール」や「モールウォーキング」等「ハピネスモール」の取り組みによるシニア層を含めた新たな顧客層の取り込みや、ローカライゼーションの推進を目的とした営業施策が奏功し、来店客数・専門店売上とも前年同期を上回り、好調に推移しました。当連結会計年度においては「イオンモール新小松」(石川県)や「イオンモール松本」(長野県)等5モールを開設しました。今後の成長ドライバーとして位置付けている海外事業では、前連結会計年度までにオープンした19モール中14モールが黒字化し、海外事業全体での黒字化が視野に入ってきました。
また、都市型ファッションビルを展開する㈱OPAでは、3月に4年ぶりの新店となる「水戸オーパ」(茨城県)を、10月には新生OPAの旗艦店となる「高崎オーパ」(群馬県)を開設するとともに、前期末に営業終了した秋田フォーラスを「秋田オーパ」(秋田県)としてリニューアルオープンしました。
結果、イオンモール㈱の当連結会計年度における業績は、営業収益及びすべての利益において過去最高となりました。
サービス・専門店事業は、営業収益7,742億37百万円(前期比101.1%)、営業利益202億61百万円(同 76.8%)となりました。
イオンディライト㈱は、国内外で新規顧客の開拓に取り組むとともに、資産価値向上の観点から既存顧客への提案を強化しました。また、ファシリティマネジメントの自動化や効率化を目的に、各種設備の遠隔監視や自動制御化をはじめ、IoTやAIといったテクノロジーの活用に向けた実証並びに研究開発を進めました。
㈱イオンファンタジーは、国内において、既存店における遊戯機械売上が平成27年9月から30カ月連続で前年同期を上回り好調に推移しました。オリジナル景品の導入拡大や、昨年より積極的に取り組んでいるWeb販促が功を奏し、クレーンゲーム部門が売上の増加に大きく寄与しました。また、当連結会計年度は8店舗の出店に加え、42店舗の活性化を行い、活性化店舗の売上高は前期比115.0%と着実に伸長しました。海外事業においては、中国で44店舗、アセアンで34店舗を出店しました。中国では、アプリ会員システムの会員数が順調に増加し、増収増益となりました。アセアンでは、既存店売上高が好調に推移し、黒字化を達成しました。結果、当連結会計年度における業績は、売上高及びすべての利益において過去最高となりました。
国際事業は、営業収益4,188億84百万円(前期比105.1%)、営業利益2億32百万円(前期より56億34百万円の増益)となりました。
イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、9月、ジョホール州に新店をオープンしました。生鮮コーナーにはキッチンスタジオを併設し、輸入食材等を扱うコーナーを設置する等、新しいライフスタイルの提案に努めました。また、お客さまの美と健康に関する日々のお悩み解決をお手伝いするソリューションストアを目指して展開を進めるドラッグストア「AEON Wellness」の店舗数は、これまでに50店舗を超えました。既存店舗の活性化や、商品・売場改革の推進、社会行事への取り組み強化等による荒利益率の改善が業績に寄与しました。
イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、社会行事への対応に注力し、ブラックフライデーやクリスマスでの新たな商品提案が売上拡大につながりました。生鮮食品へのお客さまのご支持が年々高まっている中で、8月に開始したベトナム初となる日本産の梨の販売や、自社開発商品の展開拡大等が新たな需要創造に貢献しました。衣料においてもお客さまのライフスタイルの変化や新たなニーズに応えた売場・商品・サービスの提供に努め、若年層を中心に新規顧客を開拓しました。加えてショッピングセンター運営では、新たなテナントの導入を積極的に進めました。これらの取り組みが奏功し、大幅な増収増益となりました。
中国においては、広東イオン(GUANGDONG AEON TEEM CO.,LTD.)が12月に新店をオープンし、イオングループの中国(香港含む)におけるGMS店舗は55店舗となりました。前期に不振店舗を閉鎖し、基幹店舗の活性化等、既存店舗に経営資源を集中した青島イオン(青島永旺東泰商業有限公司)が黒字転換を果たしたのをはじめ、中国本土全体の業績も大幅な改善となりました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ679億13百万円増加し、8,700億13百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は4,639億11百万円(前期比157.3%)となりました。前連結会計年度に比べ1,690億18百万円増加した主な要因は、銀行業における貸出金の増減額が908億26百万円増加し資金が減少した一方で、銀行業における預金の増減額が1,260億10百万円、その他の資産・負債の増減額が966億57百万円増加し資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は4,278億54百万円(前期比159.8%)となりました。前連結会計年度に比べ1,601億43百万円支出が増加した主な要因は、固定資産の取得による支出が546億60百万円減少した一方で、固定資産の売却による収入が1,069億21百万円、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が776億6百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は286億41百万円(前期比35.2%)となりました。前連結会計年度に比べ528億9百万円減少した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が573億26百万円増加し資金が増加した一方で、社債の発行による収入が628億81百万円減少、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が328億74百万円増加し資金が減少したこと等によるものです。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
GMS事業 |
3,084,278 |
100.6 |
|
SM事業 |
3,240,978 |
100.7 |
|
ドラッグ・ファーマシー事業 |
696,392 |
111.7 |
|
総合金融事業 |
408,092 |
109.7 |
|
ディベロッパー事業 |
335,664 |
106.2 |
|
サービス・専門店事業 |
774,237 |
101.1 |
|
国際事業 |
418,884 |
105.1 |
|
その他事業 |
10,813 |
152.0 |
|
調整額 |
△579,330 |
― |
|
合計 |
8,390,012 |
102.2 |
(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度448,792百万円)は含んでおりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
近年、人口動態の変化、さらにはITをはじめとする技術革新により、これまでの常識では考えられなかったスピードで、非常に大きな環境変化が生じています。また、「モノ」から「コト」への支出の変化や、健康・予防意識の高まり、さらなる低価格志向等、お客さまのニーズも変化しており、小売業を取り巻く環境は激変しています。
このような環境の中、当社グループは、“絶えず革新し続ける企業集団”として、将来起こりうる様々な変化を予測し、グローバルトップ企業に伍する売上規模と利益水準を実現するグループを目指してまいります。そのために、平成32年に向けて、それぞれの地域と事業においてNo.1企業へと革新を図るとともに、デジタル分野とアジア地域に資源を大幅に配分することで、持続的な成長と収益性の向上を実現してまいります。
当社グループは、食を取り巻く環境変化に対応し、お客さまのより豊かな生活を実現するため、健康志向や低価格志向の高まりに対応したプライベートブランドの強化や食のSPA化に取り組んでまいります。また、グループの中核であるSM事業とGMS事業の食品分野を再編・統合し、規模を確保することで、地域に密着し、より鮮度の高い商品の安定供給、地域食材の開発、物件開発、物流・プロセスセンターの整備等を推進し、圧倒的な差別化を図ってまいります。
また、現在グループ各社にある4,000億円規模のディスカウントストアの統合を進めます。
独自商品の開発や商品数の絞り込みや物流の効率化により、圧倒的な低価格を実現し、新たなディスカウントストアモデルを確立します。
GMS事業の食品については地域分社化、衣料や住居余暇、H&BC(ヘルス&ビューティーケア)については、商販一体型の専門会社として分社化を進め、それぞれの専門領域でNo.1を目指してまいります。食品については、地域毎の特色を活かし、強い食品売場を構築します。衣料については、成長が見込まれる分野に資源を集中させ、SPAを確立します。住居余暇については、イオンのホームファッションブランド「HOME COORDY」を中核とし、機能性やデザイン性に優れたプライベートブランドの開発を進めます。H&BCについては、当社グループの事業規模を活かし、独自商品の開発や共同商品調達を行い、サービスレベルと収益性の向上を図ります。加えて、食とH&BC、飲食を組み合わせた新しい食中心の3,000㎡規模の新業態を出店し、GMS事業の成長を実現してまいります。
Eコマース事業のさらなる強化のため、当社グループ企業をはじめ、テナント企業や地域の生産者や販売者が出品できるマーケットプレイスを構築し、地域の名産品やプライベートブランドをオンラインだけではなく店舗でも販売し、地域とともに成長できるモデルを目指します。また、お客さまの利便性向上のため、店舗での受け取りやレジレス化等店舗のデジタル化も推進します。ネットスーパーについては、専任の責任者を配置し、注文・配達時間の短縮、グループ全店舗での受け取り等、利便性のさらなる向上を図り、新たな事業モデルを確立してまいります。
前記の改革を実現するために、IT・物流等の事業基盤を刷新します。SM事業とGMS事業の食品分野を再編するにあたり、事業別に収益を最大化してきたIT・物流・サプライチェーンマネジメント基盤を地域単位で見直し、食のSPA化、よりフレッシュな商品の提供、Eコマースでリアル店舗とオンラインをシームレスにつなぐ体制を構築します。さらにはアジア域内でお客さまが求める商品を自在に、グローバルに供給できる体制を構築し、競争力をより一層高めます。
また、事業基盤の構築に加え、プライベートブランドの拡大、Eコマースや店舗のデジタル化等のデジタル分野において、3カ年で5,000億円の投資を行い、食品改革・デジタル改革の早期の完遂を目指します。
当社は、お客さまに対する価値創造を担う従業員を最大の経営資源と位置付け、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、多様な価値観を活かした革新ある経営を実践するため、グループをあげてダイバーシティ経営を推進しています。グループ内のベストプラクティスの共有や、組織の業績成果を出しつつ自身と部下のワークライフバランスを考える管理職の育成、事業所内保育施設の増設等に努めました。また、これまでの女性活躍推進に加え、障がい者や外国籍人材、LGBT(性的マイノリティ)に対象を拡大し、全従業員がダイバーシティの実態を「知る」、社内制度や働く環境が「変わる」、事業へと「拡げる」を目標とした3カ年の取り組みをスタートしました。なお、こうした取り組みの結果、平成30年3月には、経済産業省と東京証券取引所より、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に選定されました。
イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献など様々な価値を包含し形成されているものです。
これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。
当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を平成30年5月23日開催の第93期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。
これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者らの概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うことなどの買収ルールの遵守を要請します。
当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測されるなど、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行などの対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。
株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。
なお、この買収防衛策の有効期間は平成33年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。
大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。
従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
当社グループの事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではありませんのでご留意下さい。
(1) 当社グループに共通するリスク
当社グループは、主に日本国内において事業を営んでおり売上高ベースの国内シェアも高いため、その収益は日本の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、日本の小売業界は、個人消費の落ち込み、全般的な価格デフレ、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。
今後は、消費税の増税及び医療費や社会保険料の負担の増加に加え、電力価格等の上昇により、日本経済及び個人消費に悪影響が及ぶ可能性があります。
これらにより、日本の個人消費がさらに悪化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、低価格を武器としたディスカウントストア、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業等の店舗を有しない企業とも競合しております。これら競合他社は、資金・人材・店舗用地・商品・サービスの調達力、事業運営の効率性、マーケティングまたは顧客の嗜好の変化への対応力等において当社グループより優れている可能性があります。このような小売業界の競争の激化により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの売上は、季節的変動による影響を受けます。当社グループは、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設では防火対策を重点的に取り組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
その他、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの供給業者もしくは仕入・流通ネットワークに影響する何らかの事象が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの事業の成否は、当社代表執行役社長岡田元也及びその他の幹部経営陣の能力に相当程度依存しております。これらの幹部経営陣による役務の提供が享受しえない場合や、今後、現在の幹部経営陣に匹敵する能力と経験のある人材を確保することができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成30年2月期末時点において、連結子会社291社(うち株式公開をしている会社は24社)及び持分法適用関連会社31社を有しております。当社はこれらの会社に対して、グループとしての全体最適を求める一方で、高度に経営上の独立性を認めているため、これらの会社による各事業活動を効果的に調整できない、或いは、グループとしての事業活動を一体的に調整することが困難となる可能性があります。当社グループには、株式公開をしている会社及び当社が少数株主である会社が多数存在しており、これらの会社は当社からの独立性が高いため、当社グループがこれらの子会社及び関連会社に対して効果的に統治することが困難となる可能性があります。このリスクは当社グループ会社数の増加に伴い高くなると予測されます。当社が、当社グループの子会社及び関連会社に対して適切なガバナンスを及ぼすことができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性、並びに当社グループの財務報告の信頼性が失われる可能性があります。
当社グループは、グループ各社がそれぞれの分野・地域でナンバーワンへと成長するため、既存の事業モデルの革新を図るとともに、新しい成長モデルを確立してまいります。当社グループは成長戦略の一環として他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。しかしながら、以下を含む様々な要因により、期待する成果を達成できない可能性があります。
・新規出店や買収のために必要な資金を調達できないこと
・当社グループが希望する地域に希望する条件で、新規出店場所や適当な買収対象会社を見つけ出すことができないこと
・買収物件または海外事業を既存事業と統合することができず、当社グループの仕入、流通、販売促進、財務、管理、情報技術及びバックオフィス機能を十分に活用することができないこと
・事業の拡大やシステムの活用を進めるために必要な有能なスタッフの雇用を維持できず、また、かかる人材を育成できないこと
・ショッピングセンターその他の小売店舗の開発を適切な時期に適切な投資または費用で実施し、または、かかる小売店舗において優良テナントを確保することができないこと
・買収に先立ち被買収企業における、財務、税務または法務等に係る問題点を発見することができず、買収後にかかる問題点を解決することができないこと
・買収後において、当社グループが提供する商品及びサービスにつき一貫した品質水準を維持できないこと
・買収後において、被買収企業に対し当社グループの内部統制を適切かつ有効に適用することができないこと
以上のような要因により、当社グループの成長戦略が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合金融事業の顧客のほか、当社グループが営むその他の事業の顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社グループは、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にする等、万全の処置を講じておりますが、当社グループの顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内外で登録済の商標等の知的財産権を保有しております。当社グループは、これらの知的財産権の保全に対し確実に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、最低賃金の引き上げ、今後の労働法改正等種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害及び予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設の営業活動が制限され、当社グループ従業員に対し賃金の一部もしくは全部を補償する場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれん等多額の固定資産を保有しています。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社グループの店舗に係る減損損失額は、平成29年2月期は431億76百万円、平成30年2月期は480億円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。
また、当社グループは、グループの拡大に伴い、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、今後も当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
平成30年2月期末現在、当社グループの退職給付債務は1,899億52百万円、年金資産の評価額は1,805億19百万円、未積立退職給付債務は94億33百万円であり、当期における退職給付費用は163億54百万円でした。当社グループの年金資産を構成する金融商品価格の下落は、年金資産の評価額及びその運用収益の減少を招く可能性があります。また、当社グループが、退職給付債務や退職給付費用を算出する際には、割引率や長期期待運用収益率等多くの想定数値を採用します。想定数値の評価に変化が生じた場合、未積立退職給付債務が増加する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績は悪影響を受けることとなります。
(2) 商品、店舗運営に関するリスク
当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題の一つと考えており、そのために様々な活動を行っております。食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、鳥インフルエンザ、残留農薬、アレルギー物質の表示、食品偽装、異物混入等の問題により近年さらに高まっています。当社グループは、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社グループが提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、当社グループの取引先における商品の製造過程や店舗等での販売時点において異物混入等が発生し、当社グループの複数の店舗で当該商品の販売自粛等の措置をとる場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、PB商品の開発を積極的に行っております。PB商品の中心である「トップバリュ」については、衣・食・住にわたり商品を提供しており、供給を含めた年間販売額は7,271億円に達しております。開発にあたっては、厳しい基準を設けて入念な品質管理を実施しておりますが、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客さまからの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、ITを積極的に活用して、仕入・流通ネットワークの整備に取り組み、全国をカバーする自社の流通網を構築してまいりました。今後も当社のグループ会社にも広くかかる流通網を有効活用させ、当社グループ全体の仕入・物流コストの低減を目指していく所存です。しかしながら、当該ネットワークが当社グループ会社各社の仕入・物流と整合的でない等の理由により、かかる戦略が達成できない可能性があります。また、当該ネットワークには、輸送の遅れ、コンピュータウィルス、地震その他の自然災害、ストライキ、供給不足、人為的な誤り等、様々な要因により障害が発生する可能性があります。これらの要因により仕入・流通ネットワークに継続的な障害が生じた場合、商品の破損・腐敗、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、決済・ポイント機能の停止、データの消失、顧客や供給業者からの信頼の低下、保守・修繕費用等の負担等による影響を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(都市計画法及び建築基準法)
床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社グループは地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社グループの店舗開設に制限が課される可能性があり、当社グループの成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。
(大規模小売店舗立地法)
大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が建設される周辺地域の生活環境を保持することを目的としており、当社グループの既存店舗及び開設予定店舗は、原則として同法の適用対象となります。同法の適用により、当初の計画通りに店舗の新規開設や既存店舗の増改築及び業態変更等を行うことができなくなる可能性があります。
当社グループの小売事業やディベロッパー事業においては不動産の取得又は賃借を行うため、不動産価格が上昇した場合、不動産の取得又は賃借に係る費用が増加することになります。また、当社グループは、不動産の転貸も行っておりますが、当社グループが負担すべき賃料の増額分を、テナントから受領する賃料収入によって賄うことができなくなる可能性もあります。
また、不動産関係法の改正や会計基準の変更による不動産保有リスクの上昇が、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、平成30年2月期末において8,283億26百万円(簿価)の土地を所有しております。土壌汚染対策法に基づき、土地の所有者等は、所有地の土壌が有害物質により汚染されていた場合、その知不知に関わらず汚染状況に関する調査・報告及び汚染の除去等の措置を講ずることを所有者として命じられることがあります。
また、当社グループが所有する土地に未確認の環境上の問題が発見された場合、当該土地の価値が下落し、これを除去するために多額の費用負担を強いられる可能性がある場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内で販売する商品の一定程度を海外から輸入しており、また連結営業収益の一部はアジア等の海外の店舗から生じます。海外において、経済成長の鈍化、個人消費の停滞、不安定な政治・経済情勢、法律や政策の変更、テロ活動、伝染病の発生等の事項が発生した場合、または海外取引もしくは海外事業に伴う物流、品質管理、課税等に問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に中国に関しては、当社グループは相当程度の商品を輸入しており、今後も中国において当社グループの日本国内におけるビジネスモデルをパッケージとして導入していく方針です。中国の法制度は生成途中であり、中国政府は外資規制等産業規制について広範な裁量を有しております。また、規制内容またはその運用・解釈の重大な変更が頻繁に行われる可能性があります。加えて、反日感情による暴動、不買運動等が発生した場合、当社グループの中国における事業展開に悪影響が及ぶ可能性があります。
平成31年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。平成26年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には個人消費が一時的に落ち込みました。税率引き上げ前の駆け込み需要と通算すると大きな影響はなかったものの、今後消費税率が引き上げられた場合にも、同様に個人消費が一時的に落ち込む可能性があり、これにより当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(3) 総合金融事業に関するリスク
当社グループにおいて総合金融事業を営む連結子会社は、国内においては銀行法・割賦販売法・保険業法・貸金業法・サービサー法・金融商品取引法等の適用、及び金融当局の監督を受けております。また、海外における事業活動についても、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに、金融当局の監督を受けております。
銀行事業を行う㈱イオン銀行及び同社の親会社であり銀行持株会社であるイオンフィナンシャルサービス㈱グループは、銀行法に基づく自己資本比率規制が適用されております。同社グループは自己資本管理に関する体制を構築しておりますが、同社グループまたは㈱イオン銀行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から営業の全部または一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。
総合金融事業を営む連結子会社が取り扱う全ての融資商品の実質年率は、法令上の上限金利以下としておりますが、国内において過去に弁済を受けた上限金利超過部分の利息は顧客より返還を請求される場合があります。当社グループは、当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上しておりますが、当該返還請求が予想以上に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの法令諸規則等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務や業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の価値が下落した場合、保有する有価証券等の減損または評価損が発生もしくは拡大し、当社グループの財政状況及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主として総合金融事業において保有する個人向けの貸出金等の資産について、自己査定・償却引当基準を設け、貸倒引当金を計上しております。しかし、想定以上に与信関連費用や不良債権残高が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの総合金融事業はクレジットカード事業や銀行業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、または規制緩和の進展等に応じて新たな事業領域への進出や各種業務提携等を実施しております。当社グループは、これらに伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しておりますが、想定を超えるリスクが顕在化した場合、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの総合金融事業は当社グループの小売事業の規模に連動して拡大する傾向にあり、当社グループ内のシナジーを大きく享受しておりますが、小売事業を拡大することができない場合、金融サービス事業の成長が抑制される可能性があります。
(4) 財務に関するリスク
当社グループは、平成30年2月期末時点において2兆3,443億円の銀行借入金、社債、新株予約権付社債、コマーシャル・ペーパー及びリース債務等の残高があります。当社グループは銀行借入金等の削減に向けた様々な取り組みを行っていますが、当社グループの成長戦略に伴い、銀行借入金等がさらに増加する可能性もあります。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成30年2月期末時点において、133社の連結子会社を海外に有しております。当社連結財務諸表において海外子会社の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは主に日本国内で営業を行っておりますが、海外においても取引を行っており、同様に為替相場変動の影響を受けます。為替相場が異常な変動をした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは成長戦略等のために資金を調達する必要があります。当社グループは常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えています。また、取引金融機関とは常に良好な関係を構築・維持しています。
しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社グループの信用力の低下、当社グループの事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。これらの要因により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
当連結会計年度の業績は、「1「業績等の概要」」で述べたとおり、営業収益は前期と比べて1,798億67百万円(2.2%)増加し、過去最高となる8兆3,900億12百万円となりました。
GMS事業は、イオンリテール㈱において、地域特性を考慮した地域密着型店舗やグランド・ジェネレーション店舗の出店により付加価値のある商品、サービスの提供に加え、お客さまの節約志向にお応えする価格の実現にも努めるとともに、51店舗で既存店舗の活性化を行った結果、GMS事業の営業収益は前期に比べて0.6%増加となりました。SM事業ではユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱が、同社が中期経営計画で掲げる商品改革・ICT改革・コスト構造改革・物流改革を推進し、特に同社連結子会社の㈱マルエツでは、省力化施策としてセミセルフレジを189店舗へ拡大させるとともに、効率的な店舗オペレーションの構築に向けトータルLSP(作業割当)システムを全店に導入する等の施策に努めた結果、SM事業の営業収益は前期と比べ0.7%増加となりました。ドラッグ・ファーマシー事業では、ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、既存店舗の活性化等により、「ドラッグ&調剤」、「深夜営業」、「カウンセリング」、そして「介護」を4つの柱とする「ウエルシアモデル」を積極的に推進し、また、健康をキーワードにした商品開発や即食需要に対応した弁当・総菜の販売、地域協働の場として設置を推進しているフリースペース「ウエルカフェ」の拡大等の施策に努めた結果、ドラッグ・ファーマシー事業の営業収益は前期と比べ11.7%増加となりました。総合金融事業では,イオングループ内及び外部加盟店での利用拡大や若年層の会員開拓を目的に、外部企業や人気キャラクターとのコラボレーションによる新規カードの発行を開始し、協業先と連携したプロモーション活動を継続的に実施し、さらに、ロボット技術によるカード入会受付の実験開始や、金融機関として初めて、生体認証だけで銀行取引が可能となるシステムを導入する等、新技術を活用したビジネスモデルの変革に努めた結果、総合金融事業の営業収益は前期と比べ9.7%増加となりました。ディベロッパー事業では、イオンモール㈱が、当連結会計年度において国内5箇所のモールを開設、2モールの増床を含めた12箇所の既存モールのリニューアルを実施した結果、ディベロッパー事業の営業収益は前期と比べ6.2%増加となりました。サービス・専門店事業では、イオンディライト㈱は、国内外で新規顧客の開拓に取り組むとともに、資産価値向上の観点から既存顧客への提案を強化し、㈱イオンファンタジーは、オリジナル景品の導入拡大や、昨年より積極的に取り組んでいるWeb販促が功を奏し、クレーンゲーム部門が売上の増加に大きく寄与した結果、サービス・専門店事業の営業収益は前期と比べ1.1%増加となりました。国際事業ではイオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、平成29年9月、ジョホール州に新店をオープンし、生鮮コーナーにはキッチンスタジオの併設、輸入食材等を扱うコーナーを設置する等、新しいライフスタイルの提案に努め、イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、社会行事への対応に注力し、ブラックフライデーやクリスマスでの新たな商品提案や衣料においてもお客さまのライフスタイルの変化や新たなニーズに応えた売場・商品・サービスの提供に努めました。中国事業では、新店の開店や基幹店舗の活性化等の施策に努めた結果、国際事業の営業収益は前期と比べ5.1%増加となりました。
営業原価は、商品機能会社の活用による調達コストの削減に努めたものの、新規連結会社の影響などもあり、前期と比べて822億14百万円(1.6%)増加し、5兆3,566億83百万円となりました。
販売費及び一般管理費においても、堅実な経費コントロールに努めたものの、子会社の業容拡大などにより前期と比べて721億20百万円(2.6%)増加し、2兆8,230億56百万円となりました。
上記の結果、営業利益は前期と比べて255億33百万円(13.8%)増加し、2,102億73百万円となりました。
GMS事業では、前期と比べて118億58百万円増加の105億36百万円の営業利益となりました。SM事業の営業利益は前期と比べて29億66百万円(8.8%)減少の307億22百万円、ドラッグ・ファーマシー事業の営業利益は前期と比べて56億46百万円(25.6%)増加の277億円、総合金融事業の営業利益は前期と比べて78億61百万円(12.7%)増加の697億66百万円、ディベロッパー事業の営業利益は前期と比べて46億91百万円(10.0%)増加の515億42百万円、サービス・専門店事業の営業利益は前期と比べて61億31百万円(23.2%)減少の202億61百万円、国際事業の営業利益は前期と比べて56億34百万円増益の2億32百万円となりました。
営業外収益及び営業外費用では、持分法による投資利益が38億39百万円増加したこと等により営業外収益が18億51百万円増加し、営業外費用は9億64百万円増加しました。
この結果、経常利益は前期と比べて264億20百万円(14.1%)増加し、2,137億72百万円となりました。
特別利益及び特別損失では、前期において固定資産売却益263億42百万円の計上があったこと等により、前期と比べて特別利益が71億23百万円(20.8%)減少し271億86百万円となり、特別損失は41百万円(0.1%)増加し723億64百万円となりました。
また、法人税等が21億17百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純利益が38億70百万円増加した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べて132億67百万円(117.9%)増加し、245億22百万円となりました。
総資産は、前期末と比べて7,018億99百万円(8.0%)増加し、9兆4,527億56百万円となりました。
主な内訳としては、銀行業における貸出金が3,495億39百万円、金融子会社の割賦売掛金を中心に受取手形及び売掛金が1,046億14百万円及び現金及び預金が753億39百万円増加したことに加え、固定資産では新規SCのオープン等により有形固定資産が953億33百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債合計は、前期末より6,475億73百万円(9.4%)増加し、7兆5,360億19百万円となりました。増加の主な要因は、銀行業における預金が5,085億64百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が443億75百万円及びコマーシャル・ペーパーが375億50百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産合計は前期末から543億26百万円(2.9%)増加し、1兆9,167億37百万円となりました。増加の主な要因は、非支配株主持分が340億45百万円、その他有価証券評価差額金が252億61百万円増加したこと等によるものです。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1「業績等の概要」」に記載しております。