文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
近年、お客さまの嗜好やニーズは、健康志向や低価格志向に加え、地球環境、地域社会に配慮したエシカル消費への関心が高まるなど、ますます多様化するとともに、Eコマース事業を主とする企業の存在感が一層強まり、競争も激しさを増しています。
このような環境のなか、当社グループは、“絶えず革新し続ける企業集団”として、お客さまの変化にいち早く対応するため、2020年に向けたイオングループ中期経営方針(2018年~2020年)において、変革の方向性として掲げた「リージョナルシフト」「デジタルシフト」「アジアシフト」と、それらを支える「投資のシフト」を推進し、それぞれの地域と領域においてナンバーワン企業を目指して革新を続けてまいります。
リージョナルシフトについては、フレッシュ、ローカル、ナチュラル、オーガニックといったお客さまニーズの変化や、異業種・異業態による競争環境の激化に加え、人手不足など労働環境の変化に対応するため、全国の6エリアでスーパーマーケット事業の経営統合を進めています。
経営統合により、各地域の事業会社が、店舗、物流、商品開発、デジタルへの投資が可能となり、従来のスーパーマーケットのビジネスモデルを根本から変革し、地域に最も貢献するスーパーマーケット事業を目指してまいります。また、継続的な成長をすることで、各地域でNO.1の市場シェアを獲得してまいります。
デジタルシフトについては、首都圏における全く新しいネットスーパーや、全国の地場商品を取り扱うマーケットプレイスの構築など、Eコマースビジネスの強化に加え、グループ企業が保有する顧客データ、決済、ITシステムなどの共通基盤を活用したイオン独自のプラットフォームを構築し、新たな収益源の獲得を目指すとともに、お客さまへの新たな価値提供や利便性向上、業務の生産性向上に取り組んでまいります。
また、これまで行ってきたEC企業の米国Boxedや、ドイツSIGNA Sports United GmbHへの出資に加え、ITベンチャー企業への投資や先進企業との連携を継続し、最先端テクノロジー、ノウハウの獲得を進め、デジタルシフトをさらに加速してまいります。
アジアシフトについては、デジタル化や、お客さまニーズのボーダーレス化など、アジア全域で進んでいる急速なマーケット変化に対応するため、中国・アセアン各国でのさらなる成長の加速に加え、日本同様にGMSフォーマットの確立や、Eコマースなどのデジタルシフトを推進するとともに、域内において自由に商品を流通できる環境を整備してまいります。さらに、各国の優秀な人材の育成や交流を行うことによるグローバル人材の質的向上に取り組んでまいります。
また、ベトナムなど、特に高い成長が予想されるエリアに経営資源を集中投下することにより、早期に海外での事業の比率を営業収益、営業利益で50%とすることを目指してまいります。
上記3つのシフトの実行スピードを加速するため、2019年度は、新たに3名の代表執行役副社長をそれぞれのシフトに配置するとともに、プラットフォームの強化として、新たに物流とICTの担当を配置し、権限移譲を進め責任を明確化することにより、スピード感を持って経営課題の解決と経営目標を達成する組織体制といたします。
当社は、社会の変化や消費者ニーズの多様化に対応できる企業を目指し、従業員一人ひとりの価値観や考え方の違いを尊重し、多様な人材が活躍できるダイバーシティ経営を推進しています。
創業以来、人材こそが最大の経営資源であるとの信念に基づき、多様な人材が健康で能力を発揮できるようにグループ内のベストプラクティスの共有や管理職の意識改革の推進、事業所内保育施設の拡大等に継続的に取り組んでいます。こうした取り組みが評価され、2019年2月には3年連続で「健康経営優良法人2019(ホワイト500)」の認定を受けたほか、2019年3月には、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に2年連続で選定されました。
イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献など様々な価値を包含し形成されているものです。
これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。
当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を2018年5月23日開催の第93期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。
これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者の概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うこと等の買収ルールの遵守を要請します。
当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測されるなど、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行などの対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。
株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。
なお、この買収防衛策の有効期間は2021年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。
大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。
従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
当社グループの事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではありませんのでご留意下さい。
(1) 当社グループに共通するリスク
当社グループは、主に日本国内において事業を営んでおり売上高ベースの国内シェアも高いため、その収益は日本の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、日本の小売業界は、個人消費の落ち込み、全般的な価格デフレ、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。
今後は、消費税の増税及び医療費や社会保険料の負担の増加に加え、電力価格等の上昇により、日本経済及び個人消費に悪影響が及ぶ可能性があります。
これらにより、日本の個人消費がさらに悪化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、低価格を武器としたディスカウントストア、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業等の店舗を有しない企業とも競合しております。これら競合他社は、資金・人材・店舗用地・商品・サービスの調達力、事業運営の効率性、マーケティングまたは顧客の嗜好の変化への対応力等において当社グループより優れている可能性があります。このような小売業界の競争の激化により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの売上は、季節的変動による影響を受けます。当社グループは、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設では防火対策を重点的に取り組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
その他、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの供給業者もしくは仕入・流通ネットワークに影響する何らかの事象が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、2019年2月期末時点において、連結子会社293社(うち株式公開をしている会社は24社)及び持分法適用関連会社29社を有しております。当社はこれらの会社に対して、グループとしての全体最適を求める一方で、高度に経営上の独立性を認めているため、これらの会社による各事業活動を効果的に調整できない、或いは、グループとしての事業活動を一体的に調整することが困難となる可能性があります。当社グループには、株式公開をしている会社及び当社が少数株主である会社が多数存在しており、これらの会社は当社からの独立性が高いため、当社グループがこれらの子会社及び関連会社に対して効果的に統治することが困難となる可能性があります。このリスクは当社グループ会社数の増加に伴い高くなると予測されます。当社が、当社グループの子会社及び関連会社に対して適切なガバナンスを及ぼすことができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性、並びに当社グループの財務報告の信頼性が失われる可能性があります。
当社グループは、グループ各社がそれぞれの分野・地域でナンバーワンへと成長するため、既存の事業モデルの革新をはかるとともに、新しい成長モデルを確立してまいります。当社グループは成長戦略の一環として他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。しかしながら、以下を含む様々な要因により、期待する成果を達成できない可能性があります。
・新規出店や買収のために必要な資金を調達できないこと
・当社グループが希望する地域に希望する条件で、新規出店場所や適当な買収対象会社を見つけ出すことができないこと
・買収物件または海外事業を既存事業と統合することができず、当社グループの仕入、流通、販売促進、財務、管理、情報技術及びバックオフィス機能を十分に活用することができないこと
・事業の拡大やシステムの活用を進めるために必要な有能なスタッフの雇用を維持できず、また、かかる人材を育成できないこと
・ショッピングセンターその他の小売店舗の開発を適切な時期に適切な投資または費用で実施し、または、かかる小売店舗において優良テナントを確保することができないこと
・買収に先立ち被買収企業における、財務、税務または法務等に係る問題点を発見することができず、買収後にかかる問題点を解決することができないこと
・買収後において、当社グループが提供する商品及びサービスにつき一貫した品質水準を維持できないこと
・買収後において、被買収企業に対し当社グループの内部統制を適切かつ有効に適用することができないこと
以上のような要因により、当社グループの成長戦略が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合金融事業の顧客のほか、当社グループが営むその他の事業の顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社グループは、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にする等、万全の処置を講じておりますが、当社グループの顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内外で登録済の商標等の知的財産権を保有しております。当社グループは、これらの知的財産権の保全に対し確実に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、最低賃金の引き上げ、今後の労働法改正等種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害及び予期せぬ事故、広域での感染症等が発生し、店舗・施設の営業活動が制限され、当社グループ従業員に対し賃金の一部もしくは全部を補償する場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります
当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれん等多額の固定資産を保有しています。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社グループの店舗に係る減損損失額は、2018年2月期は480億円、2019年2月期は623億31百万円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。
また、当社グループは、グループの拡大に伴い、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、今後も当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2019年2月期末現在、当社グループの退職給付債務は1,906億60百万円、年金資産の評価額は1,819億1百万円、未積立退職給付債務は87億59百万円であり、当期における退職給付費用は158億20百万円でした。当社グループの年金資産を構成する金融商品価格の下落は、年金資産の評価額及びその運用収益の減少を招く可能性があります。また、当社グループが、退職給付債務や退職給付費用を算出する際には、割引率や長期期待運用収益率等多くの想定数値を採用します。想定数値の評価に変化が生じた場合、未積立退職給付債務が増加する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績は悪影響を受けることとなります。
(2) 商品、店舗運営に関するリスク
当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題の一つと考えており、そのために様々な活動を行っております。食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、鳥インフルエンザ、残留農薬、アレルギー物質の表示、食品偽装、異物混入等の問題により近年さらに高まっています。当社グループは、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社グループが提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、当社グループの取引先における商品の製造過程や店舗等での販売時点において異物混入等が発生し、当社グループの複数の店舗で当該商品の販売自粛等の措置をとる場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、PB商品の開発を積極的に行っております。PB商品の中心である「トップバリュ」については、衣・食・住にわたり商品を提供しており、供給を含めた年間販売額は7,755億円に達しております。開発にあたっては、厳しい基準を設けて入念な品質管理を実施しておりますが、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客さまからの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、ITを積極的に活用して、仕入・流通ネットワークの整備に取り組み、全国をカバーする自社の流通網を構築してまいりました。今後も当社のグループ会社にも広くかかる流通網を有効活用させ、当社グループ全体の仕入・物流コストの低減を目指していく所存です。しかしながら、当該ネットワークが当社グループ会社各社の仕入・物流と整合的でない等の理由により、かかる戦略が達成できない可能性があります。また、当該ネットワークには、輸送の遅れ、コンピュータウィルス、地震その他の自然災害、ストライキ、供給不足、人為的な誤り等、様々な要因により障害が発生する可能性があります。これらの要因により仕入・流通ネットワークに継続的な障害が生じた場合、商品の破損・腐敗、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、決済・ポイント機能の停止、データの消失、顧客や供給業者からの信頼の低下、保守・修繕費用等の負担等による影響を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(都市計画法及び建築基準法)
床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社グループは地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社グループの店舗開設に制限が課される可能性があり、当社グループの成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。
(大規模小売店舗立地法)
大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が建設される周辺地域の生活環境を保持することを目的としており、当社グループの既存店舗及び開設予定店舗は、原則として同法の適用対象となります。同法の適用により、当初の計画通りに店舗の新規開設や既存店舗の増改築及び業態変更等を行うことができなくなる可能性があります。
当社グループの小売事業やディベロッパー事業においては不動産の取得又は賃借を行うため、不動産価格が上昇した場合、不動産の取得又は賃借に係る費用が増加することになります。また、当社グループは、不動産の転貸も行っておりますが、当社グループが負担すべき賃料の増額分を、テナントから受領する賃料収入によって賄うことができなくなる可能性もあります。
また、不動産関係法の改正や会計基準の変更による不動産保有リスクの上昇が、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2019年2月期末において8,908億57百万円(簿価)の土地を所有しております。土壌汚染対策法に基づき、土地の所有者等は、所有地の土壌が有害物質により汚染されていた場合、その知不知に関わらず汚染状況に関する調査・報告及び汚染の除去等の措置を講ずることを所有者として命じられることがあります。
また、当社グループが所有する土地に未確認の環境上の問題が発見された場合、当該土地の価値が下落し、これを除去するために多額の費用負担を強いられる可能性がある場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内で販売する商品の一定程度を海外から輸入しており、また連結営業収益の一部はアジア等の海外の店舗から生じます。海外において、経済成長の鈍化、個人消費の停滞、不安定な政治・経済情勢、法律や政策の変更、テロ活動、伝染病の発生等の事項が発生した場合、または海外取引もしくは海外事業に伴う物流、品質管理、課税等に問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に中国に関しては、当社グループは相当程度の商品を輸入しており、今後も中国において当社グループの日本国内におけるビジネスモデルをパッケージとして導入していく方針です。中国の法制度は生成途中であり、中国政府は外資規制等産業規制について広範な裁量を有しております。また、規制内容またはその運用・解釈の重大な変更が頻繁に行われる可能性があります。加えて、反日感情による暴動、不買運動等が発生した場合、当社グループの中国における事業展開に悪影響が及ぶ可能性があります。
2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には個人消費が一時的に落ち込みました。税率引き上げ前の駆け込み需要と通算すると大きな影響はなかったものの、今後消費税率が引き上げられた場合にも、同様に個人消費が一時的に落ち込む可能性があり、これにより当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(3) 総合金融事業に関するリスク
当社グループにおいて総合金融事業を営む連結子会社は、国内においては銀行法・割賦販売法・保険業法・貸金業法・サービサー法・金融商品取引法等の適用、及び金融当局の監督を受けております。また、海外における事業活動についても、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに、金融当局の監督を受けております。
銀行法に基づく自己資本比率規制が適用されている一部連結子会社は、自己資本管理に関する体制を構築しておりますが、自己資本比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から営業の全部または一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。
総合金融事業を営む連結子会社が取り扱う全ての融資商品の実質年率は、法令上の上限金利以下としておりますが、国内において過去に弁済を受けた上限金利超過部分の利息は顧客より返還を請求される場合があります。当社グループは、当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上しておりますが、当該返還請求が予想以上に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの法令諸規則等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務や業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の価値が下落した場合、保有する有価証券等の減損または評価損が発生もしくは拡大し、当社グループの財政状況及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主として総合金融事業において保有する個人向けの貸出金等の資産について、自己査定・償却引当基準を設け、貸倒引当金を計上しております。しかし、想定以上に与信関連費用や不良債権残高が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの総合金融事業はクレジットカード事業や銀行業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、または規制緩和の進展等に応じて新たな事業領域への進出や各種業務提携等を実施しております。当社グループは、これらに伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しておりますが、想定を超えるリスクが顕在化した場合、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの総合金融事業は当社グループの小売事業の規模に連動して拡大する傾向にあり、当社グループ内のシナジーを大きく享受しておりますが、小売事業を拡大することができない場合、金融サービス事業の成長が抑制される可能性があります。
(4) 財務に関するリスク
当社グループは、2019年2月期末時点において2兆5,525億円の銀行借入金、社債、新株予約権付社債、コマーシャル・ペーパー及びリース債務等の残高があります。当社グループは銀行借入金等の削減に向けた様々な取り組みを行っていますが、当社グループの成長戦略に伴い、銀行借入金等がさらに増加する可能性もあります。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、2019年2月期末時点において、133社の連結子会社を海外に有しております。当社連結財務諸表において海外子会社の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは主に日本国内で営業を行っておりますが、海外においても取引を行っており、同様に為替相場変動の影響を受けます。為替相場が異常な変動をした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは成長戦略等のために資金を調達する必要があります。当社グループは常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えています。また、取引金融機関とは常に良好な関係を構築・維持しています。
しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社グループの信用力の低下、当社グループの事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。これらの要因により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2018年3月1日~2019年2月28日)の連結業績は、営業収益、営業利益、経常利益のいずれもが過去最高を更新しました。セグメント別営業利益につきましては、夏季の集中豪雨や台風、冬季の暖冬等の天候不順により国内小売の業績に影響が出たものの、総合金融事業並びにディベロッパー事業の海外業績、海外の小売事業である国際事業の業績が着実に改善し、連結業績へ寄与しました。
営業収益は、前期と比べて1,282億3百万円(1.5%)増加し8兆5,182億15百万円と過去最高となりました。営業原価は、商品機能会社の活用による調達コストの削減に努めたものの、新規連結会社の影響もあり、前期と比べて710億50百万円(1.3%)増加し5兆4,277億34百万円となりました。販売費及び一般管理費においても、堅実な経費コントロールに努めたものの、子会社の業容拡大等により前期と比べて551億68百万円(2.0%)増加し2兆8,782億24百万円となりました。上記の結果、営業利益は前期と比べて19億83百万円(0.9%)増加し2,122億56百万円と過去最高となりました。営業外収益は前期より3億58百万円(1.3%)減少し277億48百万円に、営業外費用は2億79百万円(1.1%)増加し248億87百万円となりました。この結果、経常利益は前期と比べて13億45百万円(0.6%)増加し2,151億17百万円と過去最高となりました。特別利益及び特別損失では、当期において災害等による受取保険金が89億35百万、災害損失が72億22百万円それぞれ計上されたほか、店舗等固定資産に係る減損損失が前期より143億92百万円増加したこと等により、特別利益は前期より114億82百万円(42.2%)増加し386億69百万円に、特別損失は前期より133億38百万円(18.4%)増加し857億3百万円となりました。また、法人税等が40億94百万円(5.4%)増加し、非支配株主に帰属する当期純利益が37億20百万円(5.4%)減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益が前期と比べ8億84百万円(3.6%)減少し、236億37百万円となりました。
・ 当社はグループの成長と社会の発展を両立させるサステナブル経営における取り組みとして「イオン 脱炭素ビジョン2050」を2018年3月に発表し、すべてのステークホルダーの皆さまとともに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めることを宣言しました。さらに、10月には「イオンの人権基本方針」についてお取引先さま等当社の事業活動に関わる全てのステークホルダーを対象とする内容に改訂しました。これらの取り組みを掲載した統合報告書「AEON REPORT 2018」は、環境に関する取り組みの目標と実績等が分かりやすく的確にまとめられていると評価をいただき、「第22回環境コミュニケーション大賞 環境報告書部門」の最高賞のひとつである「地球温暖化対策報告大賞(環境大臣賞)」 を受賞しました。
・ 10月、イオングループ中期経営計画に基づき、国内6地域においてSM事業の経営統合に関する基本合意書を締結しました。他地域に先行し中国・四国地域において経営統合を実施するマックスバリュ西日本㈱、㈱マルナカ及び㈱山陽マルナカは、12月に株式交換契約を締結し2019年3月1日から経営統合した新体制としてスタートしております。各地域で誕生する統合会社は、低価格志向、健康志向、ローカル志向等の食の嗜好の多様化や時短ニーズの高まり、ボーダレス化した食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応した、最も地域に貢献する企業を目指します。
・ 10月、㈱フジと資本業務提携契約を締結しました。人々のくらしと地域社会への貢献という点において共通の理念を持つ両社は、相互の経営資源を最大限に活用し連携することにより、中国・四国地域のオリジナルプライベートブランド商品の共同開発やショッピングセンター、総合スーパーの活性化に向けた取り組み等、さまざまな分野でシナジーを追求します。この提携の推進により、継続的に地域のお客さまに支持され、また地域の発展に寄与し続け、延いては従業員が誇りをもって働き続けられる「中国・四国エリアでNO.1の事業連合体」を目指します。
・ 当社は、GLOBALG.A.P.を取得した農場でつくられた農産物であることを示す、 GLOBALG.A.P.Numberラベル(以下、GGNラベル)付き商品の展開を、10月よりアジアで初めて開始しました。GLOBALG.A.P.は、環境や労働安全への配慮を含む、食の安全と持続可能な生産管理を実施する農場の国際認証です。GGNラベル付き商品の展開により、国際水準の農業生産工程管理に取り組む農場で生産した農産物を店頭で簡単に選んでいただくことができるようになりました。また、全国のオーガニック農産物生産者とのパートナーシップの強化に取り組み、お客さまにお求めやすい価格でかつ鮮度のよい商品をお届けする仕組みを構築し、「持続可能な調達2020年目標」で掲げるオーガニック農産物の売上構成比5%の達成を目指していきます。環境と人にやさしいプライベートブランド商品である「トップバリュ グリーンアイ」について、健康やエコに関心の高いナチュラル志向のお客さまの変化に対応すべく、2016年11月より「オーガニック」「ナチュラル」「フリーフロム」の3つのラインに再構築し商品開発に取り組んでおり、その品揃えは、2019年2月末現在、「オーガニック」約220品目、「ナチュラル」約150品目、「フリーフロム」約105品目まで拡大しています。
・ 12月、欧州NO.1のスポーツECプラットフォームを展開するSIGNA Sports United GmbH(以下SSU社)への出資を発表しました。SSU社は、自転車の組立・自動化された物流システムのほか、独自のソフトウェアでAI(人工知能)を活用した最適な価格設定のノウハウや、ウエアのパーソナルカスタマイズ等による高い顧客提案力を有しています。この出資により、SSU社が有するノウハウを幅広い分野で活用するとともに、SSU社スポーツECのビジネスモデル、並びにECノウハウを積極的に活用し「デジタルシフト」を加速してまいります。
・ 1月、日欧EPAが発効するのに先立ち「日欧EPA発効記念先取りセール」をグループ約420店舗で実施しました。グループの酒類専門輸入商社であるコルドンヴェール㈱を活用したグループ共同仕入れによるスケールメリットを活かし、2月からは実施店舗をグループ約3,000店舗に拡大し、欧州ワイン一斉値下げを実施しました。先取りセール実施の効果もあり、開始から1カ月間における欧州ワインの販売点数が前期比約1.8倍となりお客さまから大きな支持をいただきました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。また、「ドラッグ・ファーマシー事業」は「ヘルス&ウエルネス事業」に名称変更しました。
GMS(総合スーパー)事業は、営業収益3兆806億30百万円(前期比100.0%)、営業利益は115億15百万円(同102.3%)となりました。
イオンリテール㈱は、当連結会計年度において8店舗を新規出店しました。3月にオープンした「イオンスタイル座間」(神奈川県)は、仕事や子育てに忙しい若いファミリー世帯が多い地域であることに着目し、お好みの惣菜や弁当を気軽に楽しむことができるイートインスペースを充実させました。さらにイオンのオンラインショップで注文した商品を店舗で受け取ることができるサービスを開始する等、お客さまのくらしに寄り添った利便性の高いサービスを提供しています。なお、イオンのオンラインショップで注文・決済した商品を店舗で受け取れる「店舗受取りサービス」は11月より本格展開を開始し、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」約400店舗にてサービスを提供しています。9月にオープンした「イオンスタイル仙台卸町」(宮城県) は、宮城県で初となるベビー・キッズの専門店「KIDS REPUBLIC(キッズリパブリック)」を中心に、お子さまと一緒に遊べるスペースもご用意し、お子さまやママ友との“やすらぎのひととき”を楽しめる施設となっています。11月にはイオンの子育て応援アプリ「キッズリパブリックアプリ」にて、産婦人科医や助産師に妊婦が感じる悩みごとを相談できるアプリ会員向けサービス「産婦人科オンライン for キッズリパブリック」を開始し、店舗だけでなくアプリ、オンラインショップを通じて、子育てファミリーに必要な商品・サービスの提供機会を拡大しました。一方で、既存店は29店舗で活性化を実施しました。11月初旬に「イオンスタイル」に転換したイオンスタイル板橋(東京都)は食関連の強化に加え、「キッズリパブリック」「グラムビューティーク」「ホームコーディ」「iC(アイシー)」といった大型専門店売場を導入しました。
イオン北海道㈱は、8月の記録的な低温、降雪の遅れ等天候不順に加え、9月に発生した北海道胆振東部地震以降の消費マインド低迷等により、特に第3四半期連結会計期間の衣料部門の売上に大きな影響がありました。しかしながら、食品部門は8期連続で増収し、商圏ごとの品揃え等きめ細かい改善をした小型スーパーのまいばすけっと事業、スマートフォン対応や店舗受取等お客さまへの利便性を高める新たなサービスに取り組んだインターネット販売事業の売上は堅調に推移し、また、第4四半期連結会計期間には衣料部門の売上高が好転したこともあり、前年売上高となるまでに回復いたしました。
SM(スーパーマーケット)事業は、営業収益3兆2,350億64百万円(前期比99.8%)、営業利益は251億95百万円(同82.0%)となりました。
マックスバリュ北海道㈱においては、2店舗の新規出店と6店舗の大型改装を実施しました。新規出店では、都市部における限られた敷地でお客さまが買い回りし易い店内設備や売場の配置を行い、商圏の特性やお客さまのニーズに対応して簡便、即食、健康を意識した商品やこだわり商品の品揃えを充実いたしました。また、イートインスペースを併設し多くのお客さまにご利用いただいております。商品・営業面では、野菜の鮮度向上の取り組みとして、地元で採れた「今朝採れ野菜」の販売や商品を限定して産地から直接自社センターに入れ店舗に納品する物流の変更を実施しました。
マックスバリュ九州㈱においては、6店舗の新規出店に加え、15店舗の活性化、3店舗での陳列商品の大幅入替を実施し、お客さまニーズの変化に対応した商品構成や品揃えの見直しを実施しました。また、8月には旬鮮工房(福岡水産パックセンター)を開設し福岡都市部の小型6店舗へ刺身や寿司、切り身等の商品供給を開始、店内作業の軽減や人時不足を解消し、ローコストオペレーション及び店舗収益力の向上を図りました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱及び同社連結子会社は、一部商品部門の仕入統合を継続するとともに、共同企画商品や共同調達を拡大し、さらにICT部門におけるシステムコスト削減のほか、資材等の共同調達や電気料契約の見直しによるコスト削減と、総労働時間に着目した人件費抑制の取り組みを推進しました。㈱マルエツでは、仕入構造の見直し及び仕入販売計画の精度向上を図り荒利益率の改善を進めるとともに、省力化施策として「セミセルフレジ」を198店舗へ拡大、「電子棚札」を都心店24店舗に導入しました。また、食のデリカ化への対応として旬の生鮮素材を活用した「生鮮デリカ」を46店舗へ拡大しました。㈱カスミでは、お客さまの利便性向上をはかるため3月よりイオンの電子マネー「WAON」の決済サービスを導入し、さらに10月にオープンしたカスミ筑波大学店(茨城県)において完全キャッシュレス店舗の実験を開始しました。
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益7,939億62百万円(前期比111.7%)、営業利益262億69百万円(同100.9%)となりました。
ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、既存店舗の活性化等ドラッグ&調剤・カウンセリング・深夜営業・介護を4つの柱とする「ウエルシアモデル」の積極的な推進、お客さまへの安心の提供と利便性向上を目的とした24時間営業店舗の拡大(2月末現在203店舗)、調剤併設店舗の増加(2月末現在1,287店舗)による調剤売上の伸長等により、既存店の売上高が好調に推移しました。また、健康をキーワードにした商品開発や利便性強化を目的とした弁当・惣菜の販売、収納代行サービスの拡大、ネットショッピングにご利用いただけるプリペイド式カードの販売、宅配便ロッカーの設置、決済手段の多様化への対応等を積極的に行いました。
店舗展開については、東北・近畿を重点出店エリアとし、同社グループ全体で128店舗を出店するとともに、子会社化した㈱一本堂、㈱MASAYAの店舗等を加え、当連結会計年度末の店舗数は1,878店舗となりました。
総合金融事業は、営業収益4,365億65百万円(前期比107.0%)、営業利益708億39百万円(同101.5%)となりました。
イオンフィナンシャルサービス㈱の国内事業では、当期の重点施策である若年層を中心とした新規顧客層の獲得を目的とし、第3四半期連結会計期間においてイオンカード(SKE48)や、イオンカードセレクト(ミニオンズ)等、各種新規カードを発行しました。また、イオンの小売店舗でのポイント販促等営業施策を強化したほか、大手旅行代理店等との協業を進める等、収益基盤の拡大に努め、有効会員数並びにショッピング取扱高が拡大しました。
貸出金、資産運用商品残高等アセットについても着実に積み上がりました。特に、住宅ローンについては、首都圏における住宅ローン需要の取り込みを主な目的とし、東京八重洲店を開設したほか、継続して競争力のある特別金利プランを提供したこと等が収益拡大に寄与しました。また、資産運用商品についてもⅰDeCo、つみたてNISAのほか、新サービスの外貨預金積立等、積立型商品の取扱数が伸長しました。加えて、お取引内容に応じて預金金利の優遇等を受けられるポイントプログラムを開始し、ロイヤリティの向上を図りました。
中期経営計画に掲げるシステム(IT)投資については、クレジットカードの磁気不良をATMにて復元する日本初のサービスを導入しました。これによりコールセンターの受電件数が減少し、業務効率化に繋がりました。また、資産管理が可能な家計簿アプリの開発に加えて、ATMにスマートフォンをかざすだけで一部のお取引が可能なアプリの提供を開始する等、スマートフォンアプリを通じたサービスを拡充し、お客さまの利便性向上に取り組みました。
同社の国際事業においても、各国において新規顧客層の獲得に努めたほか、コストコントロールを着実に進めたこと等により収益、利益ともに好調に推移しました。香港、タイ、マレーシアの現地上場会社では、中・高所得者層を対象とした新規カードを発行しました。2017年7月にフィリピンにおいて中・低所得者層向けに開始したIoTデバイスを活用したオートローン事業では、ローン利用者が着実に拡大したことから、同国にてサービス対象車両を拡充したほか、第3四半期連結会計期間にインドネシアにおいても同様のサービスを開始しました。
ディベロッパー事業は、営業収益3,602億59百万円(前期比107.3%)、営業利益555億90百万円(同107.9%)となりました。
イオンモール㈱は、当連結会計年度おいて、国内では2モールの増床、6モールのリニューアルを実施し、新フォーマットのTHE OUTLETS HIROSHIMA(ジ アウトレット広島)(広島県)を含む4モールをオープンしました。11月にオープンしたイオンモール津南(三重県)は、1978年に開業し2016年に閉店した「イオン津南ショッピングセンター サンバレー」を建て替え、規模を拡大し再オープンしました。お客さまの利便性向上のため、イベント広場に270インチの大型LEDビジョンを設置し、館内約60面にデジタルサイネージを設置する等、最新のデジタルコンテンツを導入しています。また、国内における消費需要の喚起を目的として、11月23日から25日の3日間に「イオンモール ブラックフライデー」を全国のイオンモールで実施しました。本企画は今回で3年目を迎えたことでお客さまの認知度が高まり、本年も目玉商品を期間限定価格で取り揃えるほかさまざまな企画実施により集客拡大を図った結果、期間中の来店客数、売上ともに前年を上回り好調に推移しました。
今後の成長ドライバーとして位置付けている海外事業では、当連結会計年度においてイオンモール煙台金沙灘(中国 山東省煙台市)、イオンモールセンソックシティ(カンボジア プノンペン都)、イオンモール広州金沙(中国 広東省広州市)の3モールをオープンしました。11月にオープンしたイオンモール広州金沙は、公共交通機関や住宅開発の進行に伴い人口増加が期待できるエリアに立地しています。広州市1号店のイオンモール広州番禺広場(中国 広東省広州市)、佛山市1号店のイオンモール佛山大瀝(中国 広東省佛山市)とともに、広東エリアにおけるドミナント形成を強化していきます。また、既存モールにおいては、前連結会計年度までにオープンしたアセアンの全7モールで黒字化を達成し、中国でも同17モール中10モールで黒字化しました。イオンモールの海外事業における営業収益は446億17百万円(前期比136.8%)と伸長し、営業利益は5億46百万円と黒字転換しました。
サービス・専門店事業は、営業収益7,685億48百万円(前期比101.2%)、営業利益197億62百万円(同90.1%)となりました。
イオンディライト㈱は、10月、「イオンディライト ビジョン2025」を策定し、アジアにおいて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指すことを宣言しました。「安全・安心」に対する取り組みでは、日本各地で発生した地震や豪雨、台風に際し、発災直後より「対策本部」を設置し、建物の復旧工事や臨時清掃の実施、資材の納入等のサービス提供を通じて被災地の早期復旧に取り組みました。「人手不足」に対する取り組みでは、サービスを提供する施設内外から得られたデータを収集・蓄積し、AIにより分析することで、それぞれのお客さまが抱える課題に最適なソリューションを提供するイオンディライトプラットフォームの構築に着手しました。「環境」に対する取り組みでは、地域社会に必要なエネルギー供給から施設管理の省エネオペレーションまでを含めたエネルギーマネジメントサービスを早期に確立するため、電力を使った新たなビジネスの創出に着手しました。
また、海外では、中国事業の更なる拡大を目的に、10月に現地中核事業会社2社を持分追加取得により完全子会社化しました。さらにアセアンでは、12月にインドネシアで事業を展開する清掃会社の株式90%を取得しました。今後、事業領域を拡大しアセアン事業を牽引するファシリティマネジメント企業へと成長させていきます。
㈱イオンファンタジーは、国内外において新規出店、新規事業開発と並行して既存店の活性化と不採算店の閉店を推進しました。国内事業においては、11店舗の新規出店と22店舗の閉店、43店舗の活性化と増床を実施しました。3月からスタートした新規事業のオンラインクレーンゲーム「モーリーオンライン」は、同社限定のオリジナル景品等が人気を博し計画を上回る売上を達成し初年度より黒字化となりました。同社のアセアン事業においては、当連結会計年度に35店舗の新規出店と16店舗の閉店を実施し、同社の中国事業においても33店舗の新規出店、16店舗の閉店、26店舗の活性化を実施しました。
国際事業は、営業収益4,375億67百万円(前期比104.5%)、営業利益34億14百万円(前期より31億81百万円の増益)となりました。
マレーシアでは、6月から6%の物品・サービス税が廃止され、廃止後の売上が大きく伸張しました。一方で9月から売上・サービス税が導入されたため、9月からの買い控えへの対策として価格凍結セールを実施し、イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)においては昨年を上回る売上となりました。12月にはイオンビッグマレーシア(AEON BIG(M)SDN.BHD.)が今後のモデルタイプとなる実験店舗としてクアラルンプール市内に新店をオープンしました。またアセアン地域各国のGMS店舗において11月第4金曜日にブラックフライデーセールを実施し、順調に売上を伸ばしました。
イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、既存店売上高が前期比109.7%と伸長しました。衣料部門では現地のニーズに合わせた差別化となる自社開発商品の展開拡大を推進し、前期比113.9%、食品では「安心・安全・高品質な商品」への購買行動が増えていることに対応し生鮮食品の強化を図り、水産前期比121.9%、畜産同117.2%、農産同113.6%と伸長し、食品部門で前期比114.4%と全体を牽引しました。
中国においては、1月から2月にかけての寒波が冬物衣料の売上増加に寄与したことや、春節商戦に対する早期対応が奏功したこと、加えて曜日市を軸に52週マーチャンダイジングの取り組みを行い、食品の売上が好調だったこと等により増収、損益改善となりました。イオンストアーズ香港(AEON STORES(HONG KONG)CO.,LTD.)においては2016年にイオンスタイルへ全面活性化した旗艦店のイオンコーンヒル店、イオンワンポア店等が好調で同社業績を牽引しました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度444,459百万円)は含んでおりません。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて5,969億24百万円増加し、10兆496億80百万円(前期比106.3%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、主として金融子会社が保有する有価証券が2,197億90百万円、金融子会社の割賦売掛金を中心に受取手形及び売掛金が1,695億13百万円、銀行業における貸出金が1,456億71百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて6,382億97百万円増加し、8兆1,743億16百万円(前期比108.5%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が4,357億63百万円、有利子負債が2,082億8百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比べて413億72百万円減少し、1兆8,753億64百万円(前期比97.8%)となりました。前期末からの減少の主な要因は、その他有価証券評価差額金が303億9百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より555億33百万円減少し、8,144億79百万円(前期比93.6%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は4,698億74百万円(前期比101.3%)となりました。前期に比べ59億62百万円増加した主な要因は、その他の資産・負債の増減額が1,262億20百万円、銀行業における預金の増減額が728億円減少し資金が減少した一方で、銀行業における貸出金の増減額が2,053億73百万円減少し資金が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は6,624億16百万円(前期比154.8%)となりました。前期に比べ2,345億61百万円支出が増加した主な要因は、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が3,785億8百万円増加した一方で、銀行業における有価証券の取得による支出が5,914億97百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は1,437億92百万円(前期比502.0%)となりました。前期に比べ1,151億51百万円増加した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が555億61百万円、社債の発行による収入が303億73百万円増加したこと等によるものです。
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、新規出店に伴う有形固定資産の取得等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、金融機関からの借入れ、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等、資金調達の多様化を図っております。
特記事項はありません。
特記事項はありません。