第2 【事業の状況】

 

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2020年3月1日~11月30日)の連結業績は、営業収益が6兆3,925億38百万円(対前年同期比0.1%増)、営業利益が681億11百万円(同33.9%減)、経常利益が589億97百万円(同36.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は625億90百万円(前年同期より562億47百万円の減益)となりましたが、当第3四半期連結会計期間(2020年9月1日~11月30日)における営業収益は過去最高だった前年同期実績を上回り、営業利益につきましても過去最高を更新しました。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内外で緊急事態宣言等の行動規制が敷かれ、第1四半期連結会計期間中の業績に大きな影響がありましたが、以降徐々に回復し、第2四半期連結会計期間には増収に転じ、利益の減少幅も縮小しました。当第3四半期連結会計期間は、SM(スーパーマーケット)事業とヘルス&ウエルネス事業が好調を維持したことに加え、GMS(総合スーパー)事業と総合金融事業が損益改善へと転じました。加えて、大ヒット映画の集客効果も後押しとなり、ディベロッパー事業とサービス・専門店事業の業績も大きく改善したことで、当第3四半期連結会計期間の業績は営業収益、営業利益ともに前述の通り過去最高となり、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も、当第3四半期連結会計期間は前年を上回りました。

 

<グループ共通戦略>

・ 当社は、本年6月に制定した防疫対策の基準等を示した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」を11月に改定しました。この改定では、施設内での飛沫感染防止の観点から施設内換気と空気浄化の設備導入に関する対策を加えるとともに、従業員からの施設内感染を撲滅する仕組み、また発生後の二次感染の防止策に関する項目等を追加しました。本プロトコルは、防疫対策を一時的な取り組みではなく継続的に実行していくことで、防疫が生活の一部となる社会を実現し、お客さま及び従業員の健康と生活を守り、お客さまとともに地域社会の安全・安心な生活を守ることを目的にしています。今後もさまざまな防疫の取り組みを組み合わせることで、感染リスクの削減をはかり、安全・安心な売場環境や職場環境の構築を進めます。

・ 生産時に排出される温室効果ガスや必要な穀物、水の量等、地球に与える負荷が少ない植物性たんぱく質を中心に、さまざまな植物性原料に置きかえた植物置きかえ食品「Vegetive(ベジティブ)」シリーズを、全国の「イオン」「イオンスタイル」等約2,000店舗にて10月より本格展開を開始しました。本シリーズは、牛乳のかわりに豆乳を乳酸菌で発酵させた豆乳ヨーグルトや、お肉のかわりに大豆原料をつかった大豆ハンバーグ等、健康や環境に配慮し、植物由来の食品を積極的に取り入れたいというお客さまの声にお応えしています。

・ 2018年に締結した国内6地域におけるSM事業の経営統合に関する基本合意に基づき、2019年度は中国・四国地域と東海・中部地域で経営統合を実施し、2020年度は北海道地域、東北地域、近畿地域、九州地域で実施することで、全ての地域での経営統合が完了しました。具体的には、3月に北海道でイオン北海道㈱とマックスバリュ北海道㈱が、東北地域でマックスバリュ東北㈱とイオンリテール㈱東北カンパニーが経営統合しました。近畿地域では㈱ダイエーが㈱光洋を子会社化し、9月には九州地域でイオン九州㈱、マックスバリュ九州㈱、イオンストア九州㈱が経営統合しました。なお、中国・四国地域においては、マックスバリュ西日本㈱が2019年3月に子会社化した㈱マルナカ及び㈱山陽マルナカを2021年3月に合併する契約を10月に締結し、さらなる再編を推し進めました。各地域の統合会社は、ローカル志向、低価格志向、健康志向等の食の多様化やさらなる安全・安心意識の高まり、Eコマースやコンビニエンスストア等との食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応し、最も地域に貢献する企業を目指します。

・ 9月、ミニストップ㈱はこれまでの加盟店と本部のフランチャイズ契約の内容を抜本的に見直し、新たに「ミニストップパートナーシップ契約」として2021年9月より運用を開始することを発表しました。加盟店と共に働き、一緒に努力をすることで得られた事業利益を共に分け合うことが真のパートナーシップであるとの考えに基づき経費負担構造・利益配分構造を変革し、加盟店が廃棄や人件費等の店舗営業経費を負担する従来のフランチャイズ契約から事業利益を加盟店と本部とで配分する契約に変更します。同社は、今後も時代や環境の変化への対応を進めるとともに新しい時代の要請に積極的に応え、コンビニエンスストア事業の新たなビジネスモデルを創造し、企業の社会的責任を果たしていきます。

・ 10月、当社はディスカウントストア事業(以下、DS事業)を担う㈱ビッグ・エーとアコレ㈱を2021年3月に経営統合することを発表しました。両社の経営統合は、新型コロナウイルスの感染拡大による新しい生活様式の常態化と働き方の変化、節約志向の高まり、価格競争の激化等、経営環境の変化に対応するために、首都圏における小型DS事業のドミナンスを加速し、新たな成長戦略を築くことを目的にしています。お客さまに支持される圧倒的な価格を実現するために、商品仕入の集約、物流の統合、物流と連動したローコストオペレーションの水平展開、本部機能の集約等、ローコスト経営の実現に取り組みます。

・ 当社はグループ事業構造の改革を方針に掲げ、グループ企業の戦略的整理・統廃合を推進しています。その一環として、4月に当社が保有する㈱ツヴァイの株式全てを売却した他、5月にはタルボットジャパン㈱が運営する事業を終了しました。また、10月にはクレアーズ日本㈱が運営する事業を終了し、同じく10月に「ザ・ボディショップ」を国内で展開する㈱イオンフォレストの保有全株式を売却しました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。 

なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

① GMS事業

GMS事業は、営業収益2兆2,556億34百万円(対前年同期比99.1%)、営業損失は426億89百万円(前年同期より245億62百万円の減益)となりました。

イオンリテール㈱は、コロナ禍で生まれた需要の取り込みを継続して推進しました。店舗開発としては、11月に「心もカラダも健康に。豊かな暮らしに密着したお店」をコンセプトとし、新しい生活様式に対応したイオンスタイルふじみ野(埼玉県)をグランドオープンしました。商品面では、テレワークに適した高脚こたつや防寒小物、お家の鍋をより楽しめる2色鍋等、イエナカ需要に対応した「ホームコーディ」の秋冬シリーズの売上が好調に推移しました。加えて、スポーツ関連商品を提供する「スポージアム」を全国展開し、ヨガマット等のイエナカフィットネス商品やジョギング・ウォーキング関連商品の売場を拡大したことで、当カテゴリーの既存店売上高前年比が3割強伸長しました。また、感染症拡大の影響による生活防衛意識の拡大に応え、11月初旬より食品や日用消耗品等の生活必需品、最大約700品目を「生活応援特価!」として展開しました。今年5年目になるブラックフライデーセールは、密を避けるため10日間に延長するとともに ご予約販売会とECセールを先行して実施しました。また、外出・外食自粛の中で自宅がレストランに思えるような質の高い商品をお値打ち価格で提供するため、また、需要が落ち込む生産者への支援策として、まぐろ、真鯛、黒毛和牛を含めた各地の生鮮食品を拡販しました。これらの取り組みの結果、期間中の売上は好調に推移しました。サービス面では、需要が急増したネットスーパーにおいて、専用カウンターやロッカー、駐車場での受け取り等、店舗で受け取れるサービスの実施店舗を当第3四半期連結会計期間末で196店舗に拡大し、受け取り方法の多様化を進めました。同じくコロナ禍において高まった非接触、非対面のニーズにも対応したお客さま自身がスマホで商品をスキャンして専用レジで会計する「どこでもレジ レジゴー」の導入店舗は、当第3四半期連結会計期間末時点で20店舗になりました。イオンスタイル有明ガーデン(東京都)では、リアルとデジタルを融合したニューコンビネーションのモデル店舗として、「どこでもレジ レジゴー」のセキュリティゲートや商品棚に動画配信できる「ビデオレール」を活用したデジタル販促、カメラとAI技術を活用した年齢認証といった、新たな顧客接点の創造や楽しく快適な買物環境の提供等、デジタル技術を活用したさまざまな取り組みの実証実験を10月より開始しました。これらの取り組みに加え、経費コントロールや在庫削減等の経営効率の改善を積極的に推進した結果、当第3四半期連結会計期間の営業損益は前年同期に対して改善に転じました。

イオン北海道㈱は3月にマックスバリュ北海道㈱と経営統合し新生イオン北海道としてスタートしました。食のSPA化を推進するため設置した食品商品開発部による産地開発や商品開発に取り組み、「真ほっけ焼きほぐし」「道南レッドコロッケ」等、地域ならではの商品を当第3四半期連結累計期間計で約650品目を開発しました。「イオン道産デー」、「国内フェア」では、ご自宅で旅行気分を味わえるような地域ならではの商品を取り揃えた他、感染拡大の影響でさまざまな困難に直面している北海道の食材の魅力をメディアとも連携して地域の皆さまに伝えることで、地元の「食」を応援しました。これらの取り組みに加え、コロナ禍における内食関連商品の需要の高まりにも対応し、食品部門の売上は好調に推移しました。また、コロナ禍における新しい健康維持の提案としてインドアサイクリング商品の取り扱い店舗を拡大する等、自転車関連商品の販売を強化した結果、当カテゴリーの売上も伸長しました。インターネット販売においては、コロナ禍におけるネットスーパーの需要の高まりに対応したことに加え、約1,500品目の化粧品・コスメ用品を取り揃えたネットショップを9月に開設した他、最大約170品目のおもちゃを取り揃えた期間限定のネットショップを開設する等の販売強化に努め、インターネット販売事業の売上は前年同期に対して約1.5倍となりました。これらの取り組みと経営統合により、同社の業績は増収増益となりました。

 

② SM事業 

SM事業は、営業収益2兆4,749億11百万円(対前年同期比103.0%)、営業利益は361億29百万円(前年同期より315億97百万円の増益)となりました。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスグループにおいては、店舗における感染防止対策を徹底し、地域の生活インフラとしての責務を果たせるようさまざまな施策に取り組みました。デジタル化の取り組みとしては、お客さまが会計の際にレジに並ぶことなく、ご自身のスマートフォンで簡単で安心、スムーズなお買物が可能となる決済機能「Scan&Go Ignica」を㈱カスミで拡大した他、㈱マルエツとマックスバリュ関東㈱にも導入しました。加えて、スマートフォンでご注文いただいた商品を店頭やエリア内の指定配送先でお受け取りいただける「オンラインデリバリー」の展開を推進しました。また、AIデジタルサイネージを活用した広告配信・マーケティングサービス「イグニカ(ignica)サイネージサービス」の展開を拡大しました。商品面においては、プライベートブランド商品「eatime」の開発を強化し、当第3四半期連結会計期間末における取り扱い商品数は、合計104品目となりました。経費面においては、フルセルフレジ・セミセルフレジの導入や生産性向上の取り組み、本部と店舗の人員配置の見直し等を進めました。

マックスバリュ東海㈱は、マックスバリュ中部㈱との経営統合1周年を迎えた9月1日より「統合1周年祭」を開催し、経営統合による規模の拡大を活かした1周年記念のオリジナル商品、増量商品、特価商品を取り揃えお客さまをお迎えしました。また、地域で親しまれるじもの商品の展開拡大と地域との連携のさらなる強化をはかるべく、「三重県ありがとう」「愛知県ありがとう」キャンペーンを開始しました。各県にゆかりのある商品の販売を通じて地産地消の推進をはかるとともに、環境事業や健康促進等の活動に役立てていただくため、売上の一部を各県に寄付金として贈呈します。サービス面では、多様化するお客さまの消費動向への対応として、ネットスーパーの配送拠点を増やしたことに加え、マックスバリュ岡崎美合店(愛知県)では、ご注文いただいた商品を店舗レジカウンターで受け取れるサービスと、車に乗ったままドライブスルー方式で受け取れるサービスを開始しました。また、9月にはマックスバリュ御器所店(愛知県)、11月にはマックスバリュ一社店(愛知県)にて、フードデリバリープラットフォーム「Uber Eats」を利用した商品配達サービスを試験導入しました。

 

③ ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益7,160億26百万円(対前年同期比110.4%)、営業利益317億44百万円(同139.8%)となりました。

ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けつつ、感染防止策や衛生管理を講じながら営業を継続し商品供給及びサービスの提供に努めました。外出自粛やテレワーク等による化粧品メイク需要の減少等の影響がありましたが、感染症予防対策商品や食品等の需要増により物販の売上は好調に推移しました。調剤については、薬価改定の影響に加えて、コロナ禍の外出自粛により、受診抑制による処方箋枚数の減少、長期処方の増加による処方箋単価の上昇等の影響がありましたが、調剤併設店舗の増加(当第3四半期連結会計期間末で前期末対比153店舗純増の1,595店舗)により堅調な売上を維持しました。販管費については、人時コントロールによる店舗人時数管理の徹底や自動発注の推進による店舗業務の効率化等、人件費を中心に適正化に努めました。また、積極的な出店とM&Aにより、当第3四半期連結会計期間末の同社グループの店舗数は2,202店舗となり、これらの取り組みの結果、同社の連結業績は増収増益となりました。

 

④ 総合金融事業 

総合金融事業は、営業収益3,612億62百万円(対前年同期比102.4%)、営業利益261億27百万円(同65.9%)となりました。

イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、AFS)は、生活に密着した食品や日用品等を取り扱うイオングループの小売業やECチャネル、公共交通機関等の大手優良企業との提携を強みとする同社ならではの顧客基盤を活用し、さらには従前から取り組んでいたデジタル化や事業の効率化、テレワーク等による従業員の働き方改革等に取り組み、コロナ禍においても事業継続を可能とする体制を強化しました。

㈱イオン銀行においては、非対面・非接触及び店舗滞在時間の最小化の取り組みとして、テレビ相談・手続き窓口の増設や、オンライン予約システム、オンラインでの金融相談サービスの拡充をはかりました。また、住宅ローンについては、Webからの申込みや電話や郵送を活用してお客さまが自宅で契約まで完結できる取り組みを推進しました。さらに、土日祝日を含めた審査対応や営業強化により、コロナ禍においても申込み獲得件数及び貸出金残高が増加しました。

本年はイオンカード発行開始から20周年を迎え、11月からイオンカード20周年キャンペーンを実施し、顧客基盤の拡大並びに取扱高の拡大に注力しました。カードショッピングについては、ガソリンやETC等の自動車関連、公共交通機関、旅行関連の利用に引き続き影響が残るものの、取扱高全体に占める構成比の高いイオングループを始めとする食品スーパーやドラッグストア等に加えて、ホームセンターや家電量販店等での取扱高が好調に推移し、当第3四半期連結累計期間の取扱高は前年同期とほぼ同水準にまで回復しました。

AFSの国際事業では、タイにおいても、活動規制の影響により百貨店や旅行代理店におけるカードショッピング取扱高が低調なものの、食品や日用消耗品等の生活必需品は伸長しました。また、大手ECチャネルとの共同キャンペーン等を実施し、取扱高は回復傾向となりました。カードキャッシングや個人ローンについては、返済余力のあるお客さまの与信枠の拡大や休眠会員向けの利用促進キャンペーンを推進しました。マレーシアでは9月中旬までにオートローンを除く全ての商品において厳格化していた審査基準を前年同期と同水準に戻しており、各種取扱高は回復傾向となっています。

 

⑤ ディベロッパー事業

ディベロッパー事業は、営業収益2,367億54百万円(対前年同期比85.8%)、営業利益239億98百万円(同54.8%)となりました。

イオンモール㈱の国内事業においては、4月に緊急事態宣言下で全国164施設全てを臨時休業しましたが、5月末には全施設の営業を再開しました。営業再開にあたっては、出入口へのAIによる検温器設置、外気取り込み量増加によるモール館内の換気機能強化等、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施しました。また、新しい生活様式に合致したエンターテインメントとして、ドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を実施した他、6月にイオンモールアプリを全面リニューアルし、来店時間のピーク分散やアイドルタイムでの飲食店利用等、お客さまの行動変容にあわせたサービスを提供することで専門店事業をサポートしました。また、11 月に行った「イオンモール ブラックフライデー」では、例年実施するセール企画に加え、ライブコマースやイオンモールアプリで参加いただける抽選会等、リアル・オンラインの両チャネルを活用した企画を実施しました。リニューアルについては、8モールで実施した他、イオンモール高崎(群馬県)、イオンモール高知(高知県)の増床リニューアルを実施しました。

中国では、2月中旬に全21モール中、最大11モールを臨時休業しましたが、段階的に営業を再開し、4月には全てのモールの専門店営業を再開しました。3月から動画配信とネット通販を融合した新たな販売手法であるライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、オンライン販売や飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激策に対応した施策を推進しました。また政府指示により休業を継続していたシネマについても、8月初旬には全モールで営業を再開し、これらの取り組みの結果、同社の中国事業は当第3四半期連結会計期間において前年同期と比べ増収増益となりました。ベトナムにおいては、政府の規制により3月下旬から4モールの専門店営業を臨時休業していましたが、4月下旬には全てのモールでの営業を再開しました。7月より感染が再拡大し一時的に影響を受けましたが、厳格なウイルス封じ込め対策により、9月から11月の既存4モールの専門店売上は前年同月を上回る水準となりました。

 

⑥ サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益4,747億27百万円(対前年同期比84.8%)、営業損失147億33百万円(前年同期より172億53百万円の減益)となりました。

イオンディライト㈱は、日本、中国、アセアンを跨いだ新型コロナウイルスの対策本部を2月初旬に立ち上げ、イオングループ各店舗に向けては、業務用マスク、手袋、アルコール、アクリルパーテーションといった衛生資材を継続的に提供してきました。加えて、防疫対策を組み入れたファシリティマネジメントの新たな基準づくりの一環として、接触感染防止や施設内の換気を強化するためのさまざまな施策の検証を行うとともに、科学的根拠に基づき衛生的な環境を実現する新たな清掃手法「ニュースタンダードクリーニング(以下、NSC)」を確立し、9月よりサービスの提供を開始しました。NSCの提供にあたり、これまで病院向けに提供してきた、感染制御を組み入れた衛生清掃サービスにより培ってきた知見や、感染制御学における最新の研究動向を踏まえた独自の教育プログラムを作成し、この専門教育を履修した清掃スタッフがNSCを実施しています。当第3四半期連結会計期間末でNSCの担い手は1,100 名となり、サービス提供の基盤拡大に努めました。

衣料・雑貨専門店の㈱コックスは、コロナ禍での巣ごもり需要への対応として、新たにリラクシングウェアやルームウェアの品揃えを行いました。また、マスクが必需品となった新たな生活様式が定着するなかで、マスクをファッションの一部と捉え、機能性にファッション性を追求したマスクを6月より販売開始しました。9月にはファッションマスク専門店Mask.comを東京駅八重洲地下街に期間限定で出店し、その後、有楽町、新宿、羽田空港、名古屋にも期間限定店舗として出店し、これらの取り組みによるマスク関連商品の拡販が売上を牽引しました。また、マスク販売を通じて認知度が大きく向上した同社の公式オンラインストアを10月にリニューアルし、今まで以上に見やすく、買いやすく、便利なサイトに生まれ変わりました。これらの取り組みによりネット通販の売上は前年同期比210.8%となり、コロナ禍にも拘わらず同社の当第3四半期連結累計期間の売上高がほぼ前年水準を確保し、営業増益を達成する原動力となりました。

 

⑦  国際事業(連結対象期間は主として1月から9月)

国際事業は、営業収益3,162億97百万円(対前年同期比96.6%)、営業利益32億21百万円(同55.3%)となりました。

イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、春節商戦を早期に取り組んだことが功を奏し、1月の売上は前年を大きく上回りましたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い事業活動に影響を受けました。そのような状況下において、お客さまがオンラインで注文した商品を店舗駐車場でお渡しするドライブスルー型の受け渡しサービスや、お客さまのお買物を代行するパーソナルショッパー、シニアのお客さまを対象に注文商品を配達するバイク便等、新たな取り組みを推進しました。

イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、社会行事への対応を継続的に強化しており、年間最大商戦のひとつであるテト(ベトナム旧正月)商戦では重点商品の売込みに取り組み、特に衣料ではアオザイ、食品ではギフト及び生鮮食品を中心とした旧正月関連商材の売上が好調に推移しました。新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウンが敷かれた4月は最も売上に影響が出ましたが、その後、消費喚起施策として実施した「生活サポートセール」では大型ディスカウント企画等が好調に推移し、7月の売上は前年同期を上回る水準まで回復しました。8月、新型コロナウイルスの第二波の影響を受け、一時的に客数が落ち込みましたが、9月は食品を中心に客数が徐々に回復し、「中秋の名月」セールスでは前年を大きく上回る売上となりました。

中国においては、1年で最も売上規模の大きい春節のピークに合わせた販促を実施したこと等により、春節期間の売上高は前年比105.0%と好調に推移しました。春節後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衣料、住居余暇商品の売上が減少しましたが、家庭での食事機会が増えたことやグロサリー商品のまとめ買い等により、食品の売上が大きく伸長しました。その後感染が抑えられたことで4月、5月の売上は前年度を上回りましたが、ネット通販へのさらなるシフトや、まとめ買いの急速な拡大等、お客さまの買い物行動の変化や、6月に入っての一部地域での感染再拡大等の影響を受けました。お客さまのそれらの行動変容に対応し、イオンアプリのサービスを中国全店で導入し、リアル店舗を持つ強みを生かした情報提供やサービス提供を推進した他、セルフレジの導入を大幅に拡大しました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末から2,252億20百万円増加し、11兆2,879億6百万円(前期末比102.0%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、主に金融子会社等を中心に、現金及び預金が2,230億68百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が830億85百万円、有価証券が1,241億93百万円、銀行業における貸出金が2,637億67百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

負債は、前連結会計年度末から3,258億99百万円増加し、9兆5,393億6百万円(同103.5%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が612億65百万円、コマーシャル・ペーパーが604億90百万円それぞれ減少した一方で、銀行業における預金が1,257億98百万円、短期借入金が2,036億45百万円それぞれ増加したことに加え、新規連結会社の影響等により保険契約準備金が977億14百万円増加したこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末から1,006億78百万円減少し、1兆7,485億99百万円(同94.6%)となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容及びその実現に資する取り組みの概要

イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献等様々な価値を包含し形成されているものです。

これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。

②  不適切な支配の防止のための取り組みの概要

当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を2018年5月23日開催の第93期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。

これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者らの概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うこと等の買収ルールの遵守を要請します。

当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測される等、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行等の対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。

株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。

なお、この買収防衛策の有効期間は2021年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。

③  上記②の取り組みについての基本方針等との整合性に係る取締役会の判断

大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。

従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。
 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。