第2 【事業の状況】

 

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2021年3月1日~11月30日)の連結業績は、営業収益が6兆4,505億67百万円(対前年同期比0.9%増)となり、9カ月累計として12期連続で増収し、過去最高を更新しました。営業利益は892億45百万円(同31.0%増)、経常利益838億89百万円(同42.2%増)と、いずれも大幅な増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失についても89億56百万円(前年同期より536億34百万円の改善)と、500億円を超える大幅改善となりました。

当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)変異株の急激な拡大により緊急事態宣言等の活動規制が9月末まで断続的かつ長期化したこと、それに伴い消費マインドの冷え込みが続いたこと等、当初の想定を上回る厳しい外部環境となりました。そのような中、継続する内食需要への対応を強化したSM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業、調剤併設型のドラッグストアの展開を加速するヘルス&ウエルネス事業、審査・回収体制を強化し債権の良質化が進んだ総合金融事業は、コロナが拡大する前の2020年2月期の第3四半期連結累計期間を上回るセグメント利益を計上しました。GMS(総合スーパー)事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業はコロナの影響を受けたものの、イオンのプライベートブランドであるトップバリュの販売強化やオンライン販売の充実、ブラックフライデーセール等の需要喚起施策、コスト構造改革等、急速に変化するお客さまニーズへの迅速な対応や成長の基盤づくりを推進し、前年同期比で損益改善しました。

 

<グループ共通戦略>

・ 当社を取り巻く経営環境は、人口動態の変化や気候変動に伴うお客さまの行動変化、また、デジタル技術のあらゆる生活への浸透、環境・健康意識の高まり、競争環境の構造的な変化等に加え、コロナの拡大によりお客さまの行動・意識・価値観が大きく変容したことで、従来から起きていた社会変化のスピードが、より一層加速しています。このような環境変化をグループの飛躍的成長を遂げるための好機と捉え、2030年に向けた持続的成長への移行を目指し、イオングループ中期経営計画(2021~2025年度)(以下、新中期経営計画)を策定しました。新中期経営計画では、これまで取り組んできたリージョナル、デジタル、アジアとそれらを支える投資の4つのシフトを更に加速するとともに、2025年以降の持続可能な成長を実現する事業基盤の構築に向け、グループ共通戦略として「5つの変革(デジタルシフトの加速と進化、サプライチェーン発想での独自価値の創造、新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化、イオン生活圏の創造、アジアシフトの更なる加速)」を掲げました。既存の事業モデルの革新をはかり、新たな成長モデルを確立するとともに、収益性を高め、生み出した経営資源を新たな成長領域へ集中的に投下することで、グループ一体となって新しい成長機会を獲得していきます。

新中期経営計画についてはhttps://www.aeon.info/ir/policy/strategy/ をご参照ください。

・ 9月、生活防衛意識の高まりを受け、お客さまの生活を応援するためトップバリュの食料品(生鮮食品、米、惣菜、酒、ギフト、企画品等の一部仕様を変更する商品を除く)の価格を、12月31日までを据え置きとし、値上げしないことを宣言しました。今回の価格凍結宣言は、イオンに脈々と受け継がれる流通コストの削減や消費者代位機能の向上によりお客さまが必要とする商品やサービスをお値打ち価格で提供し、お客さまの生活の豊かさに貢献することがイオンの社会的な使命であるとの考えに基づいています。宣言以降11月までの期間、キャノーラ油やマヨネーズ等のトップバリュ主要単品の売上高が前年同期比で3割強伸長し、お客さまのご支持をいただいています。昨今の原材料の高騰や天候不順の影響により食料品の値上げが相次ぐ中、物流の効率化や国内外のベストソースからの原料調達、一括仕入れ等のさまざまな施策を通じて合理的なコスト削減と安定供給に努めており、12月には生活用品を加えたトップバリュ商品約5,000品目を対象に、2022年3月末まで価格の据え置きを継続することを発表しました。

・ 9月、お客さまの更なる利便性向上とグループ共通デジタル基盤の整備のため、9月11日以降のイオンカード支払いで付与されるときめきポイントをWAON POINTに変更しました。今回のポイント制度の変更により、イオンのポイントはWAON POINTに共通化され、イオンカードのご利用でもWAON POINTがたまるようになり、たまったポイントが1ポイント単位でお買物時にご利用いただけるようになる等、お客さまにとって、たまりやすい、わかりやすい、便利なポイントに進化しました。また、同じく9月に、お客さまのライフスタイルに合った利便性と満足度の高いサービスの提供、店舗とデジタルが融合されたシームレスな体験を提供することを目的に、グループ全体の共通のタッチポイントとなるイオンのトータルアプリ「iAEON(アイイオン)」によるサービスを開始しました。「iAEON」では、WAON POINTの利用・付与・照会・交換ができるほか、モバイルWAONやコード決済「AEON Pay」での支払い、お気に入りの店舗のキャンペーン情報が確認できる等、グループ各社が提供するさまざまなサービスをまとめて1つのアプリで利用することが可能になりました。お客さまの更なる利便性向上に向け、登録可能店舗の拡大、支払手段の拡充やグループ各社が提供するアプリ・サービスとの連携等、機能を随時追加・更新してグループ全体の共通のタッチポイントとして進化させていく予定です。

・ 9月、㈱フジ(以下、フジ)、マックスバリュ西日本㈱(以下、MV西日本)及び当社は、地域の共創の一翼を担い得る企業体へと進化することを目的として、2024年3月のフジとMV西日本の合併について基本合意しました。12月には、合併に先立ち、フジとMV西日本が当社の連結子会社となる共同持株会社を設立し経営統合するための諸契約を締結しました。2018年10月の資本業務提携を契機に「中国・四国エリアでNo.1の事業連合体」を目指すべく各社が掲げる理念の実現と企業価値向上に取り組むとともに、相互に情報交換・課題認識の共有をはかってきました。しかしながら、コロナの拡大により消費者のライフスタイルの変化に拍車がかかる中、地域環境の変化や競争の激化に対応し、持続的なお客さまの豊かなくらしづくりと地域における社会的な問題の解決についてスピードを上げて問題解決に取り組むためには、各社の関係をより一層深化させることが必要と判断し今回の経営統合の決定に至りました。経営統合後の新体制においては、公正で透明性の高いガバナンス体制を確立し、柔軟かつ革新力あふれる企業風土づくりを推進するとともに、相乗効果を発揮し、商品、物流・プロセスセンター等の最適化やデジタルテクノロジーの活用によるコスト削減と新たなビジネスモデルの創造を目指します。

・ 10月、㈱キャンドゥ(以下、キャンドゥ)を連結子会社化することを目的として、キャンドゥの普通株式を金融商品取引法による公開買付けにて取得することを発表し、2022年1月5日付で当社の連結子会社となりました。キャンドゥは、生活必需品を提供し、低価格と品質、商品デザイン力の高さからお客さまに強いご支持を受けています。当社の既存事業にとってキャンドゥからの商品の提供や小型店舗から大型店舗までさまざまな形態での出店等、多様な取り組みが可能であり、リアル店舗における業態の更なる進化を考えるうえで、均一価格雑貨業態との組み合わせは親和性が非常に高く、ラインロビングにより大きな事業拡大やシナジー効果が創出可能と考えています。今後、両社が保有する事業・経営ノウハウを共有することにより、効率的な事業運営を行い、ビジネスモデルの強化をはかっていきます。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。 

なお、第1四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

① GMS事業

GMS事業は、営業収益2兆4,353億5百万円(対前年同期比97.7%)、営業損失291億59百万円(前年同期より103億91百万円の改善)となりました。

イオンリテール㈱では、お客さまの生活防衛意識の高まりに対応すべく価格凍結したトップバリュの拡販や継続する内食需要を捉える取り組みを強化した食品の売上高が引き続き好調に推移し、既存店の食品月次売上高は前年実績を14カ月連続で上回りました。緊急事態宣言が解除後の10月、11月においては、非食品部門を含む既存店売上高は2カ月連続で前年、前々年の実績を上回り、改善基調となりました。11月19日から10日間に渡り開催した「イオン ブラックフライデー」では、地域の特性やくらしにあわせたお買い得企画や商品を過去最大規模でご用意する等、店舗、オンラインの両面で取り組みを強化したことで、期間中の既存店売上高は前年実績を上回りました。緊急事態宣言解除後の外出需要に対応して企画を強化した衣料品が前年同期間の売上実績から約2割伸長、うちトラベル部門は3割強伸びました。化粧品からくらしの品、ファッション、ベビー・キッズ商品等を幅広く取り扱う「イオンスタイル オンライン」は、取扱商品を前年の約2倍に拡大し期間中売上高が前年同期比238%と大きく伸長しました。また、コロナ下で需要が拡大したネットスーパーは、午前便の拡充や配送枠数の拡大を進めたほか、最長10日先の配送便を予約できる「先取り配送便」を開始する等、利便性強化に取り組み、前年同期比約2割の売上伸長となりました。構造改革においては、マーチャンダイジング・サイクルの精度改善に努め、当第3四半期連結会計期間末の在庫高は、期首比、前年同期比で大幅に削減しました。更にデリカ部門で導入を進めている、販売実績や天候・客数等の環境条件をAIが学習し簡単な操作で割引時に適切な価格を設定できる「AI カカク」等の導入や品揃えの見直し等も奏功し、売価変更高の削減が進みました。これらの取り組みの結果、当第3四半期連結累計期間の売上総利益率は前年実績を上回りました。

イオン九州㈱では、デジタル技術を活用して、コロナ下で大きく変化したライフスタイルに対応したサービスの拡大に取り組みました。同社のオンラインショップ「イオン九州オンライン」をリニューアルし、スマートフォン・ユーザー向けサイト環境の最適化をはかるとともに、家庭で各地のおいしいものを食べたいというニーズの高まりに対応した、九州各地の「じもの」を全国にお届けする「九州のいいもの うまいもの」の拡充に加え、通勤通学、健康増進用としてニーズが高まる自転車、今後回復が見込まれる旅行の需要に対応したキャリーケース・バッグのオンラインにおける品揃えを強化しました。また、夏・冬ギフト、おせち、クリスマスケーキ等のオンラインでの承りを強化した結果、ECサイトにおける売上高は、前年同期に比べ約1.5倍となりました。加えて、「イオン九州公式アプリ」は累計ダウンロード数が11月末時点で75万件を超える規模となりました。今後、「iAEON」との連携を進め、更なる利便性向上に努めます。

 

② SM事業・DS事業 

SM事業は営業収益1兆8,885億88百万円(対前年同期比98.8%)、営業利益164億41百万円(同54.7%)となりました。DS事業は営業収益2,911億26百万円(対前年同期比97.3%)、営業利益13億7百万円(同44.5%)となりました。

マックスバリュ東海㈱では、根強い節約志向や相次ぐ食品値上げ等、消費者の生活防衛意識への高まりに対応すべく、食べきり・使い切りを意識した小容量の品揃えの徹底、同社専用アプリからの割引クーポンの配信、価格凍結を宣言したトップバリュの展開強化に取り組みました。また、地域で親しまれる「じもの」商品の拡充や地域食材を活用した商品開発に継続して取り組んだほか、各地の自治体や学生との協働による健康を意識した惣菜や弁当の商品開発を行う等、地域に根差した活動にも取り組みました。加えて、活性化店舗や新設店舗を中心にキャッシュレスセルフレジの導入拡大を進め店舗業務の効率化をはかりました。また、既存店舗の建て替えにより11月に新規開設したマックスバリュ裾野店(静岡県)では、コロナ下で急速に拡大するネット購買への需要に対応するため、新規開設と同時に同店を拠点とするネットスーパーを開始しました。これにより同社におけるネットスーパーの拠点は23カ所となりました。

マックスバリュ西日本㈱では、商品面の取り組みとして、依然として続く巣ごもり消費や内食需要へ対応すべく、デリカの新商品開発や人気商品のリニューアルを継続して行いました。水産部門では店内で調理した焼き魚や煮魚、お寿司等を展開する「お魚工房」の導入を拡大し、11月末時点には累計243店舗での展開となりました。また、中国・四国エリア、兵庫県の10県に渡り営業をしている同社の強みを活かし、10月には兵庫県内27店舗で「高知県フェア」を実施し、普段なかなか味わうことのできない高知県の秋の味覚や太平洋の豊富な食材を販売しました。デジタル化の取り組みでは、コロナ下でお客さまから「買い物は早く済ませたい」「レジに並ばず素早く会計を済ませたい」等のご要望を受け、お客さまが店舗で貸出する専用端末機にて商品をスキャンし専用精算機でお会計をするセルフスキャンレジの導入を順次拡大し、11月末時点で累計10店舗での展開となりました。

当社はDS事業の確立と成長に向けて、グループ内でのDS事業の再編を推進しています。3月には、首都圏における小型のDS事業のドミナンスを加速し新たな成長戦略を築くことを目的に、㈱ビッグ・エーとアコレ㈱が経営統合しました。加えて6月には、2019年にマックスバリュ東海㈱とマックスバリュ中部㈱が保有するDS事業を承継したイオンビッグ㈱が、マックスバリュ長野㈱と合併し、DS事業の更なる再編と強化をはかりました。

 

③ ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益7,601億56百万円(対前年同期比106.2%)、営業利益289億60百万円(同91.2%)となりました。

ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社では、当第3四半期連結累計期間において、調剤併設店舗数の増加(11月末1,797店舗)等により処方箋受付枚数が引き続き増加し、当第3四半期連結累計期間の調剤売上高前年同期比は115.1%と大きく伸長しました。物販売上(化粧品、家庭用雑貨、食品、医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品、その他の各部門)も、新規出店や地域ドラッグストア企業のグループ化等の成長戦略が奏功し、同期間の前年売上高を上回りました。また、生産性改善の取り組みとして、店舗人時数の適正化に向け管理の徹底や自動発注等の推進により店舗業務の効率化を推し進めるとともに薬剤師の適正配置をはかる等、人件費を中心に適正化をはかりました。3月には同社の連結子会社であるウエルシア薬局㈱を存続会社として、愛媛県を中心に四国エリアで調剤事業を展開する同社完全子会社の㈱ネオファルマー及び㈱サミットを吸収合併し、事業の効率化を進めました。また、当第3四半期連結累計期間において、同社グループ全体で115店舗出店し、当第3四半期連結会計期間末日現在の店舗数は2,312店舗となりました。10月21日にオープンしたウエルシア イオンタウン幕張西店(千葉県)では、調剤における新たな顧客体験をコンセプトに調剤ロボット、お薬受け取りロッカー等、最新機器の導入により業務効率や患者さまの利便性の向上に取り組みました。なお、ウエルシアホールディングス㈱は、7月に締結した資本業務提携に関する基本合意書に基づき、広島県を中心に132店舗を展開する㈱ププレひまわりを2021年12月1日付で子会社化しました。

 

④ 総合金融事業 

総合金融事業は、営業収益3,502億16百万円(対前年同期比96.9%)、営業利益465億19百万円(同178.0%)となりました。

イオンフィナンシャルサービス㈱は国内及び海外において、オンラインサービスの拡充、新規事業の創出、グループ共通ポイントを活用した経済圏の構築等、中長期的な成長に向けた投資を進めるとともに、前年度から継続して審査の精緻化や債権回収体制の強化に努めました。

イオン銀行住宅ローンにおいて、Webからのお申込みや電話、郵送を活用し、お客さまがご自宅で契約を完結できる取り組みを推進しました。また、競争力のある金利プランやご契約者限定のイオングループでのお買い物特典の継続的な訴求により、居住用住宅ローン貸出金残高は期首比で伸長しました。

イオンカードについては、Web限定のカード新規入会・ご利用キャンペーンに加え、ポイント制度変更による利便性向上について訴求を強化した結果、国内のカード有効会員数は期首比で48万人増加しました。カードショッピングについては、コロナの影響を受けた業態での利用が徐々に回復したことや、売上が好調なイオンのネットスーパーや宅配サービス業者との利用キャンペーン等の販促施策の実施により、当第3四半期連結累計期間の取扱高がコロナ前の水準を上回り、同期間としては過去最高となりました。また、9月には「iAEON」へコード決済機能「AEON Pay」を導入し、更に10月には電子マネー「WAON」のApple Payサービスを開始する等、イオングループのキャッシュレス化を一層推進しました。

イオン・アリアンツ生命保険㈱において、11月、お客さまの未病・予防・健康増進のニーズに対応した健康増進型の終身医療保険「元気パスポート」の販売を開始しました。また、健康増進活動を行うことでイオングループ等の健康関連商品やクーポンに交換できる専用アプリ「ウエルネスパレット」のサービスを同時に開始し、イオングループが有する販売チャネルや商品、データ等の強みを発揮しお客さまに新たな価値を提供するクロスセルの取り組みを推進しました。

タイにおいては、ECサイトや食品宅配の提携先との販促企画を実施する等、カードショッピング取扱高が当第3四半期連結会計期間で前年同期比1.8%増と回復傾向で推移しました。また、所得水準が比較的高く返済実績が良好な優良会員に対する利用枠の引上げ等に取り組んだことで、個人ローンの取扱高は当第3四半期連結会計期間の前年同期比が13.4%増と大きく伸長しました。

マレーシアにおいては、家電やバイクの割賦販売、ローンの審査申込みのオンライン化等、非対面での対応を強化しました。バイクローンについては、メーカーの新モデル発売に伴う金利優遇キャンペーンや加盟店に向けたインセンティブキャンペーンの実施に加え、活動制限緩和後のツーリング需要拡大に伴う大型バイクの取扱高の増加等により、マレー圏における個品割賦の取扱高は前年同期の実績を上回りました。また、審査基準の精緻化や債権回収体制の確保や、外部委託の利用による延滞債権回収の効率化等が奏功し、継続した営業債権の良質化がはかられ貸倒関連費用が減少しました。

 

⑤ ディベロッパー事業

ディベロッパー事業は、営業収益2,704億34百万円(対前年同期比114.2%)、営業利益283億91百万円(同118.3%)となりました。

イオンモール㈱では、国内において9月末まで緊急事態宣言が断続的に実施された中、クーポン配信や、モール内の目的のお店までのナビ機能等、お客さまの利便性向上のためのサービスを組み込んだ「イオンモールアプリ」のダウンロード会員数が、3月末時点の約330万人から11月末時点の約612万人と倍増に近い水準にまで増加しました。10月には会員向けのロイヤリティ企画を実施する等、認知度向上に向けたイベントも実施し、会員数の増加を来店頻度の向上に繋げる施策を推進しました。また、当第3四半期連結累計期間中、4モールを新規オープン、1モールを増床リニューアルオープンしました。10月にオープンしたイオンモール Nagoya Noritake Garden(愛知県)では、開放的で居心地の良い外部ゾーンに対するお客さまのニーズが高まる中、1階から3階までの食のゾーン全てを緑豊かな屋外に面する配置とし、屋外席やテラス席を設け、自然環境と四季を感じられる憩いの空間を設けました。また、最新医療設備を取り揃えた大型クリニックとともに、健康をテーマにさまざまな機能を持つ店舗を集約したヘルス&ウエルネスゾーンを形成し、お客さまだけでなく近隣のオフィスワーカーにも健康的な生活習慣を提案することで来店動機創出をはかっています。

同社中国事業においては、海外への移動制限が継続され、中国国内での消費需要が高い中、急速に変化するお客さまのライフスタイルに対応した専門店や施設の展開を推進し、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上高は前年同期比147.2%(対象21モール)、2020年2月期同期比105.7%(対象19モール)と伸長しました。新規モールについては、5月にイオンモール広州新塘(広東省)をオープンし、当第3四半期連結会計期間末時点において22モール体制となりました。これらの取り組みの結果、同社中国事業は前年同期比、コロナの影響を受けていない2020年2月期同期比ともに増収増益となりました。また、アセアン事業においては、展開各国においてコロナの影響を受けましたが、最重点出店エリアであるベトナムでは、今後の新規出店用地の確保に向けて11月までに同国内の4つの省との間で「ショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結し、地方政府との連携強化をはかりました。

同社は、社会課題の解決と環境配慮を目的に、同社初となるサステナビリティ・リンク・ボンドとしての社債を11月に200億円発行しました。同社債は、脱炭素社会の実現に向けたサステナビリティファイナンスの取り組みとして、あらかじめ定めたサステナビリティ目標を達成するか否かで変化する条件での発行としており、目標達成に向けて今後もESGの取り組みを更に拡充していきます。

 

⑥ サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益5,114億51百万円(対前年同期比107.9%)、営業損失41億10百万円(前年同期より106億15百万円の改善)となりました。

イオンディライト㈱では、従来の常駐型個別管理の品質を担保しながら設備管理の専門性を活かしたサービスを効率的に提供していくための新たな施設管理モデルであるエリア管理への変革を推進しました。11月末現在、全国計133施設で省人化を実現し、該当する顧客施設におけるサービス品質の向上とオペレーションコストの削減に取り組みました。また、省人化に伴い114名の設備管理の専門人材を新規受託物件や営業、工事部門に再配置することで、修繕工事や省エネ機器の更新工事の提案を積極化する等、更なるサービスの提供拡大に努めました。同社がアジア最大の成長エリアと位置付ける中国では、4月に設立した統括会社永旺永楽(中国)物業服務有限公司のもと、中核となる事業会社において、重点ターゲットとする中高級ショッピングセンターや病院・養老院、再開発エリアでの受託拡大に注力し、堅調に事業を拡大しました。

㈱イオンファンタジーの国内事業において、緊急事態宣言解除後の10月、11月の売上高は、コロナが拡大する前の2020年2月期の同月売上高に近い水準まで回復しました。人気キャラクターの同社限定景品をはじめとした売れ筋景品の集中展開や大手お菓子メーカーとのコラボ景品の展開を強化したプライズ部門の当第3四半期連結会計期間における既存店売上高は、2020年2月期同期比104.9%と伸長しました。新規事業のオンラインクレーンゲーム「モーリーオンライン」も好調に推移し、当第3四半期連結累計期間売上高は、前年同期比154.7%と大幅な増加となりました。同社の中国事業においては、9月以降も各地でコロナによるクラスター感染が発生しましたが、防疫対策を講じたうえで、新学期大運動会や中秋節、ハロウィンをテーマとした販促イベント等の施策を積極的に推進した結果、当第3四半期連結会計期間売上高は2020年2月期同期比96.6%とほぼコロナ前水準を確保しました。また、同社のアセアン事業においては、8月時点ではほぼ全店舗が臨時休業の状況でしたが、11月末時点でも休業店舗があるものの順次営業を再開し、全ての子会社が店舗の営業を再開しました。

㈱ジーフットは、商品・売場改革や在庫適正化、不採算店舗の閉鎖等の収益性改善施策に取り組んできましたが、コロナ拡大により棄損した自己資本を補い、かつ、事業構造改革を推進し、コロナの影響に耐え得る財務体質構築及び事業再生・成長軌道回帰のため、10月、同社は当社に対して第三者割当増資の引受けを要請しました。その後の両社間での協議・交渉の結果、12月、同社が第三者割当により発行するA種種類株式を当社が引き受けることについて合意しました。

 

⑦  国際事業(連結対象期間は主として1月から9月)

国際事業は、営業収益3,024億81百万円(対前年同期比95.6%)、営業利益7億21百万円(同22.4%)となりました。

イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)においては、コロナの感染再拡大により、衣料・住居余暇関連の売場が閉鎖になる等の影響を受けました。このような環境下において、食品の品揃えの見直し、生鮮及び冷凍食品の売場を拡大する等、内食需要の高まりへの対応を強化しました。また、オンライン強化の一環で、8月に機能的な画面設計やパーソナライズ機能等を有するBOXEDのECプラットフォームを活用したネットスーパーを開始しました。イオンビッグマレーシア(AEON BIG (M) SDN BHD.)においても、コロナの感染再拡大の影響を受ける中、お客さまが求められる生鮮や加工食品等の必需品の品揃えの見直し・強化をはかり、当第3四半期連結会計期間の食品部門の売上高は前年実績を上回りました。

イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)においても、数カ月に渡り継続したロックダウンの影響を受けましたが、移動販売やコロナ下で来店できないお客さまへの注文販売等に取り組み、食品の当第3四半期連結累計期間の売上高は前年実績を上回りました。また、11月にイオンベトナム第1号店を改装オープンしたほか、ハノイ市での食品スーパー新店の準備を進めました。

中国においては、各地でのコロナ感染者の増加を受け、政府がコロナ封じ込めに向けて活動制限を強化したことに伴い、広東・華南エリアでは臨時休業等の影響がありました。一方で、コロナが最初に拡大した武漢市で事業を展開するイオン湖北(AEON (HUBEI) CO.,LTD.)の当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比で約1.2倍の回復となりました。中国のネットスーパーにおいては、ネット販売でのニーズが高いカテゴリーを重点とした販売促進に取り組むとともに、受注から配送までの時間を1時間で完了する取り組みを強化した結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比162.5%と伸長し、食品内の売上構成比が約10%となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末から1,657億86百万円増加し、11兆6,470億54百万円(前期末比101.4%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が1,548億75百万円、銀行業における貸出金が1,371億67百万円、有形固定資産が920億7百万円増加した一方で、現金及び預金が2,042億16百万円減少したこと等によるものです。

負債は、前連結会計年度末から1,554億28百万円増加し、9兆8,809億20百万円(同101.6%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、短期借入金が1,096億44百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が637億47百万円、コマーシャル・ペーパーが547億52百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が561億60百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が134億19百万円減少したこと等によるものです。

 純資産は、前連結会計年度末から103億57百万円増加し、1兆7,661億34百万円(同100.6%)となりました。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(1) 経営統合に関する基本合意書の締結

当社の持分法適用関連会社である㈱フジ(以下、「フジ」という。)、当社の連結子会社であるマックスバリュ西日本㈱(以下、「MV西日本」という。)及び当社は、フジとMV西日本が経営統合し、当社の連結子会社となる基本合意書を2021年9月1日に締結いたしました。

なお、本基本合意書に基づき、フジ、MV西日本及び当社は、2021年12月6日付で、経営統合契約書、株式交換契約書及び吸収分割契約書を締結いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)1.経営統合契約書、株式交換契約書及び吸収分割契約書の締結」に記載しております。

 

 

(2) ㈱キャンドゥ株式の公開買付け等

当社は、2021年10月14日、連結子会社化を目的として、㈱キャンドゥ(以下、「キャンドゥ」という。)の普通株式を金融商品取引法による公開買付け(以下、「第一回公開買付け」という。)及びその後に予定された一連の取引(以下、第一回公開買付け及びその後に予定された一連の取引を「本取引」という。)により取得することを決定し、同日付で、キャンドゥの代表取締役社長であり主要株主かつ筆頭株主である城戸一弥氏(所有株式数3,110,000株、所有割合19.48%)及び城戸一弥氏の実母である城戸恵子氏(所有株式数 1,627,300株、所有割合10.19%。以下、城戸一弥氏及び城戸恵子氏を総称して「応募株主」という。)との間で、公開買付応募契約書及び株式譲渡契約書を締結いたしました。その概要は以下のとおりです。

なお、第一回公開買付けは2021年11月24日をもって終了し、当第3四半期連結会計期間末において、キャンドゥは当社の持分法適用関連会社となっております。

 

① 第一回公開買付けの目的

本取引は、下記④に記載の株式譲渡契約と合わせて、当社が直接又は間接的に所有するキャンドゥ株式の所有割合を51%以上とし、キャンドゥを当社の連結子会社化すること及び株主の皆さまにもキャンドゥ株式の売却の機会を提供することを目的とするものであります。
 

② キャンドゥの概要

(2021年11月30日現在)

名称

株式会社キャンドゥ

所在地

東京都新宿区北新宿二丁目21番1号

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 城戸 一弥

事業内容

日用雑貨及び加工食品を直営店舗にて販売する小売業並びにフランチャイジー等への卸売業

資本金

3,028百万円

総資産(連結)

28,044百万円

売上高(連結)

73,130百万円

 

(注) 上記の金額は、監査証明を受けておりません。

 

③ 第一回公開買付けの概要

買付け等を行う株券等の種類

普通株式

届出当初の買付け等の期間

2021年10月15日(金曜日)から2021年11月24日(水曜日)まで(27営業日)

買付け等の価格

普通株式1株につき、金2,700円

買付け等を行った株券等の数

5,936,100株

買付け等後における株券等所有割合

37.18%

買付代金

16,027百万円

資金調達の方法

自己資金を充当

 

 

 

④ 第一回公開買付けに係る重要な合意に関する事項

 ・ 公開買付応募契約

第一回公開買付けに関連して、当社は、2021年10月14日付で、応募株主との間で、城戸一弥氏が所有するキャンドゥ株式3,110,000株の一部である1,513,700株(所有割合9.48%)及び城戸恵子氏が所有するキャンドゥ株式の全て1,627,300株(所有割合10.19%)について第一回公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約書を締結しました。第一回公開買付けは2021年11月24日に終了しておりますが、応募株券等の数の合計が買付予定数の上限を超えたため、あん分比例の方式により株券等の買付け等を行いました。その結果、当該契約に基づく第一回公開買付けへの応募により、城戸一弥氏より1,374,400株、城戸恵子氏より1,477,600株のキャンドゥ株式の買付けをいたしました。

 

 ・ 株式譲渡契約

当社は、本取引の一環として、応募株主との間で、2021年10月14日に、応募株主がその発行済株式の全てを所有する資産管理会社であって、キャンドゥの主要株主かつ第2位株主である㈱ケイコーポレーション(所有株式数2,205,600株、所有割合13.82%)に関し、応募株主との間で、第一回公開買付けが成立した場合に、当社が、応募予定株主からケイコーポレーション株式を現金対価により譲り受ける旨の株式譲渡契約書(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結いたしました。

 

なお、本株式譲渡契約に基づくケイコーポレーション株式の譲渡は2022年1月5日に完了し、2021年11月30日から2021年12月27日を買付け等の期間としたキャンドゥ株式の公開買付けによる追加取得と合わせて、本報告書提出日現在において、キャンドゥ及びケイコーポレーションは当社の連結子会社となっております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)2.㈱キャンドゥ株式の追加取得等」に記載しております。