文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、永遠に変わることのない商売の原点としての社是「誠実」、そしてブランドステートメントとして“Joy of Design”を掲げ、経営の基本方針としております。
当社グループは、不透明かつ急激な変化を伴う環境下で、改めて長期的なビジョンを明確にした上での改革の遂行と持続的な成長を目指すべく、Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]及び、そのファーストステップとして、3ヵ年の中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]を以下のとおり策定しております。
■Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]
[2030年に目指すビジョン]
サンゲツグループは“スペースクリエーション企業”へ
[長期ビジョン達成へのアプローチ]
●経営の基本
・デザイン経営
デザインによるブランド価値の向上と事業転換
●経営・事業の基盤
・多様性のある専門人材
現場力と多様性ある専門人材が活躍する組織
・事業関連データの連携と活用
DATAによる事業の効率化と転換
●主要機能
・サービス売りへの完全転換
サービスを付加価値の源泉とする事業
●事業エリア
・環太平洋地域
環太平洋地域各国での強固な事業とグローバルな展開
●目指す企業像
・内装企業からスペースクリエ―ション企業へ
デザイン・人材・DATA・サービスによるグローバルなスペースクリエーション企業
これらのアプローチによるビジョンの達成を通じ、私たちは、次の社会的価値の実現を目指します。
[サンゲツグループが実現を目指す社会的価値]
サンゲツグループは、
|
Inclusive |
(みんなで) |
:平等で健康的なインクルーシブな社会の実現 |
|
Sustainable |
(いつまでも) |
:地球環境を守るサステイナブルな社会の実現 |
|
Enjoyable |
(楽しさあふれる) |
:より豊かでエンジョイアブルな社会の実現 |
社会の実現に貢献します。
■中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ] ※D.C.=Design & Creation
1.基幹事業の質的成長による収益の拡大
<インテリアセグメント>
(1)デザイン力の発展的強化と戦略的調達の推進
(2)サービス機能の拡充と高度化
(3)代理店との協業深化と営業体制の強化
<エクステリアセグメント>
(4)エクステリア事業の質的・地理的拡大
2.基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化
<海外セグメント>
海外各国における
(1)強固な経営基盤の構築
(2)最適モデルの追求と徹底した現地化
(3)ブランディングとプロダクトポートフォリオの強化
<スペースクリエーションセグメント>
(4)専門能力拡充によるスペースクリエーション事業の展開
3.経営・事業基盤の強化
(1)業務執行の能力強化と効率化
(2)DATAの高度活用体制の整備
4.社会的価値の実現
|
(1)地球環境 |
:地球環境への負荷低減 |
|
(2)人的資本 |
:多様な人材が活躍する組織 |
|
(3)社会資本 |
:サプライチェーンの安心・安全・魅力の向上 |
|
|
コミュニティ参画 |
|
(4)ガバナンス |
:コーポレートガバナンスの強化 |
当社は以上の施策のもと、インテリアを通じたデザインするよろこび“Joy of Design”を提供し、社会に貢献し続ける企業を目指してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]及び、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]において定量目標(KPI)を以下のとおり定めています。
■Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]定量目標
|
2030年3月期 |
連結売上高 |
2,250 億円 |
|
|
|
連結営業利益 |
185 億円 |
|
■中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]定量目標
(1)経済的価値
2023年3月期目標
|
・連結売上高 |
1,720 億円 |
|
|
・連結営業利益 |
120 億円 |
|
|
・連結純利益 |
85 億円 |
|
|
・ROE |
9.0% |
|
|
・ROIC |
9.0% |
|
・CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル) 65日
(2)社会的価値
2023年3月期目標
①地球環境
事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減
|
1)GHG排出量(Scope1&2) |
: |
30.0% 削減 |
(2018年度比)※2031年3月期目標 |
|
2)エネルギー使用量 |
: |
4.0% 削減 |
(2018年度比) |
|
3)廃棄物総廃棄量 |
: |
4.0% 削減 |
(2018年度比) |
|
4)リサイクル率 |
: |
83.0% 以上 |
|
②人的資本
1)社員の健康と能力開発
・特定保健指導実施率、がん検診受診率、有所見率、メタボ率の改善
・非喫煙率:80.0% 以上
2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
|
・女性管理職比率 |
:20.0% 以上 |
|
・障がい者雇用率 |
: 4.0% 以上 |
③社会資本
コミュニティへの参画
|
・児童養護施設リフォームでのスペースクリエーション |
:年間30件 |
|
・社員の積極的な参加 マッチングギフト |
:7,000 S-mile |
(3)資本政策
資本政策
・自己資本を900~950億円の範囲で維持する。
・3年間の総額で総還元性向を略100%とする。
・自己株式取得および配当に関しては、安定増配を念頭に、
新型コロナウイルス感染症の業績に与える影響を見極め都度決定する。
資本配分政策
・未定としていた資本配分に関して、3年間の業績見通しが明確になり、2021年5月に決定。
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]期間中の資本配分政策
|
資金創出・調達 |
|
|
資金配分 |
|
|
2020年3月末 保有現金同等物 ※ |
368億円 |
|
成長投資 ※ |
200~260億円 |
|
+ |
|
+ |
||
|
3年間の営業キャッシュ・フロー |
280~300億円 |
= |
株主還元 |
170~190億円 |
|
+ |
|
+ |
||
|
3年間の借入金 |
△50~100億円 |
|
2023年3月末 期末現金 |
250~300億円 |
|
※現預金と株式以外の有価証券 |
|
※M&A、マイナー投資(アライアンス強化)、設備投資(物流・DXなど) |
||
(3)経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが主に事業を展開している建設業界(主にインテリア業界)は、商品が決定するまで、一般施主からプロユーザーまで多数の顧客(決定権者)が存在し、住宅から非住宅まで多様な市場で構成されています。例えばオフィスビルの建設が計画された場合、事業主とその業務を請負った設計事務所、ゼネコン、内装仕上事業者など、多層な決定権者が携わり、それぞれに対するきめ細かい営業活動が必要となります。また、インテリア市場は天井から壁面・床と、多種多様な内装材料を小ロットから取扱う必要のある非常に多種多様で複層的・複合的な市場です。このような業界構造は非効率であるゆえに、利益を創出するためには、デザイン、品質、在庫、配送、提案力などを通じ、それぞれの顧客との信頼関係を構築することで、シェアを獲得し規模を確保することが必要不可欠です。当社は1953年の株式会社山月堂商店設立当初から、トータルインテリアの考えに基づく商品バリエーションの拡充や、全国を網羅するジャストインタイムの物流体制構築を行い、これらの施策が奏功し、長期にわたって安定的な業績を継続してまいりました。
しかしながら、今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の継続による経済・生産活動の停滞やその他予測困難なリスクにより、厳しい経営環境が継続することが予想されます。当社事業に関連の深い建設市場においても、国内外での建築需要の低迷により市場の完全な回復には依然時間を要するものと思われます。一方、世界的な商品市況の高騰により塩ビ・可塑剤等の原料価格が上昇しており、内装材料価格への転嫁の動きも活発となっております。
このような状況の中、当社グループは、前述「⑴経営方針」に掲げるSangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]及び、そのファーストステップである3ヵ年の中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]を着実に実行することにより、商品販売だけでなく、配送力、コーディネーション力、きめ細やかな人的対応力といった既存のサービスをより強化し、内装材の販売から「スペースクリエーション企業」への進化を図ります。そのために、デジタルトランスフォーメーションの推進や人材活用を進め、社会的価値や環境的価値を含む、より広い分野での企業価値の創造に努めるとともに、定量目標の達成を目指してまいります。
現状、経営環境は極めて先行き不透明ではありますが、当社グループでは足元の状況に充分留意しつつ、ニューノーマルな世界に対応する施策を実行してまいります。
その他の対処すべき課題
1)2016年11月に買収したKoroseal Interior Products Holdings,Inc.においては、当初計画に比して収益が低迷しており、同社収益向上のため、経営体制の強化、商品力の向上、販売数量の増大、新規設備のスタートによるコスト競争力強化等の収益改善策を着実に進めてまいります。また、2017年12月に買収したGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.においては、マーケットの変化への対応の遅れによる収益低迷への対策として、資本構造の改善と各国のマネジメント体制の構築を行い、更にベトナム進出など積極的な販売力拡大を進めてまいります。
2)特定の仕入先からの壁装材において品質問題が発生しており、お客様相談室を設置の上、当該仕入先と連携しつつ、当該商品の施工先住居、施設等に対する補修対策を継続的に実施してまいります。この補修に係る費用は仕入先によって全額負担されており、当社において損失は計上されておりません。
3)新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化により、市場が大きく混乱し、売上の減少を招くとともに、先行きの見通しが困難となっております。この影響はさらに長引くことが予想されているとともに、感染症沈静化後の市場分野は大きく変容する可能性が高く、その様な変化に対し、着実に対処する必要があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
(リスクの内容)
当社グループは壁装材・床材・カーテン・椅子生地等のインテリア商品の企画・販売及び壁紙の製造を行うインテリアセグメント、門扉・フェンス・テラス等のエクステリア商品の販売及び施工を行うエクステリアセグメント、米国での壁紙製造及び北米・中国・東南アジアの環太平洋地域においてインテリア商品の販売を行う海外セグメント、設計・デザイン提案から内装・建築施工を行うスペースクリエーションセグメントにて事業を展開しております。これらの事業は建設需要に左右されるため、国の経済全体の景気動向や政府の住宅に関する政策、税制の変更、及び人口減少などに伴う、住宅・非住宅の新築着工数の大幅な減少、景気の大幅な後退によるコントラクト市場の減少等により、ビジネス機会を損失するリスクが存在します。
(リスク対策)
事業基盤である国内市場において、新築着工数は減少する事が想定され、営業面では成長が見込めるリフォーム・リニューアル市場へ経営資源を投入するとともに、調達面ではメーカーからの安定的な供給と中長期目線での商品開発を行えるよう製造部門へ経営資源を投入することにより、リスクの回避に努めております。
(2) 仕入価格の変動について
(リスクの内容)
当社グループの取扱商品は、石油化学製品、アルミ、ガラス等を原料とするものが多く、原油、鉱産物価格の高騰などにより商品仕入価格に極端な変動がある場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
主要原材料の価格推移を常時観察し、材料調達における複数購買化や生産量の調整、また販売面では競合他社の動きも見つつ適切に売価へ反映させるなど、サプライチェーン全体でのリスクマネジメントを行っております。
(3) 商品の供給について
(リスクの内容)
当社グループでは、取扱商品のうち主力商品である壁装材や床材について、商品サンプルを掲載した見本帳を配布することで、営業及び販売活動を行っております。見本帳掲載商品の企画開発は自社で行っておりますが、一部の商品を除き、製造は外部仕入先のメーカーが行い、商品の供給を受けております。見本帳有効期間内は安定供給を維持することが強く求められる業界であるため、生産トラブル、原材料調達等の予期せぬ要因によって商品の供給が中断した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、2021年3月31日をもって51%の株式を取得し子会社化した株式会社ウェーブロックインテリアは、国内最大手の壁紙メーカーであります。今後当社が壁装事業を拡大する上で、競争力強化、量的確保のみならず、製販一貫体制の確立による事業の効率化を通じ、更なる発展が可能になるものと位置付けておりますが、工場の安定稼働と商品の安定供給を維持することはグループ全体で取り組むべき課題と認識し、対処してまいります。
(リスク対策)
メーカーから商品を安定的に調達できるよう、仕入の前段階ではメーカーの工場内の実査や適正な製造工程の確認を行い、万が一調達が困難な状況に陥った際のバックアップ体制として、主要商品については十分な在庫の確保、代替となる商品の準備等、有事に備えた環境整備を行っております。また、当社からお客様への持続的な商品供給の継続については、入荷から受注・出荷に至るまで、あらゆる場面で関連するシステム連携の強化に加え、各地区の在庫拠点であるロジスティクスセンターの安定稼働の阻害が想定されるリスクに対して、対処すべき行動計画の検証を定期的に行い、対応策の有効性の確認と改善を図っております。
(4) 知的財産について
(リスクの内容)
当社グループでは、「“Joy of Design” 私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します」をブランド理念として、「新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこび」を提供し得る、デザイン性と機能性に優れた商品開発に努めておりますが、類似した商品が他社に製造されるおそれがあります。
また、第三者より知的財産権を侵害しているという主張を受け、訴訟が提起された場合には、係争費用や損害賠償等の損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
リスクの低減を図るため、下記のような様々な取り組みを行っております。
・当社ブランド及び商品につき出願を行う等、知的財産権の保護と管理に努めております。
・競合他社の知財情報、出願内容の概要につき、常にモニタリングを行い、社内で情報を共有しております。
・外部の専門家である弁理士と緊密に連携し、直ちに相談できる体制をとっております。
(5) 法的規制について
(リスクの内容)
予期せぬ法令等の改正があった場合、事業を展開していく上で、製造物責任、知的財産、環境、労務など様々な法的規制の適用を受けている当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
内外の法規制を常時観察して法対応が行えるようにしております。また、コンプライアンスの遵守を企業にとっての最低必要条件と位置付け、管理体制を構築し、社員教育の強化に努めるなどの体制をとっております。
(6) 自然災害について
(リスクの内容)
商品開発、製造、調達、ロジスティクス、販売、サービスに係る当社グループの施設は、国内全域、海外(北米、中国、東南アジア各国)に点在しており、地震・洪水・暴風雨・大雪等の自然災害に伴うインフラの停止、建物・設備の損壊、故障による混乱状態に陥り、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
当社グループでは、自然災害による事業活動への影響を最小限にとどめるため、災害発生時の事業継続計画書(BCP)を策定しております。非常時の初期対応、報告方法、対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れる仕組みを構築し、定期的な訓練や設備の点検を行っております。また毎年、災害の状況に合わせて事業継続計画を見直しております。これらの他、商品の安定的な調達と供給を実行するため、仕入先などのサプライチェーンや当社グループの各地の事業拠点の被災時に、代替拠点での商品調達・配送が可能な体制を構築しております。
(7) 気候変動について
(リスクの内容)
世界的な気候変動に対するGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関し、低炭素経済実現への規制等に起因するリスクは、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
当社は、2020年5月にSangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を発表し、経済的価値に関する定量目標だけでなく、当社グループが実現を目指す社会的価値を「Inclusive(みんなで)、Sustainable(いつまでも)、Enjoyable(楽しさあふれる)社会の実現」と定義しました。そのなかで、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現を目指すべく、2030年度の事業活動(Scope1&2)におけるGHG排出量の削減目標を30%減(2018年度比、当社単体)としましたが、2021年5月の決算・経営戦略説明会において、2030年度の目標を、当社単体ではカーボンニュートラル(排出ゼロ)とし、グループ全体では50~55%の削減をレンジとして検討に入ることを発表し、より高い目標にチャレンジいたします。
(8) 情報セキュリティについて
(リスクの内容)
当社グループは、事業活動を通じ、個人情報を含む様々な機密情報を適切に管理するため、多くの投資を行っております。また、こうしたシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じております。しかしながら、外部からのコンピュータウイルスやハッキングの被害、ホストコンピュータ・ネットワーク機器の障害、ソフトウェアの不備等によるシステム障害、災害によるシステムの一部損壊による業務停止、情報の外部漏洩等の事態が発生するおそれがあり、これらの予期せぬトラブルの発生に伴い、社会的信頼を損なうとともに多額の費用負担が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
・サーバー、ネットワーク機器のクラウド及びデータセンターを利用しております。
・セキュリティ対策ソフトや不正侵入検知・監視サービスを導入しております。
・情報セキュリティに関する社員の教育(個人情報を含む機密情報保護と情報管理の重要性)や訓練を定期的に実施しております。
・重要なシステム機器については二重化しております。
・サイバーセキュリティ損害保険に加入しております。
(9) 与信管理について
(リスクの内容)
当社グループは、景気後退等の様々な要因により重要な取引先が破綻した場合、債権の貸倒れによる損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
下記の取り組みを実施し、与信管理に対する強化を図り、貸倒れによる損失回避に努めております。
・重要な取引先の業況ヒアリング、財務諸表の定期的な把握
・与信不安先に対する会計上の貸倒引当金の設定
・債権保全策として取引信用保険の付保
・取引先に対する、1月・7月締日を基準とした残高確認の実施
(10) 海外事業活動について
(リスクの内容)
当社グループは、北米、中国、東南アジア各国を中心に事業を展開しております。感染症の蔓延、政情不安、経済動向の不確実性、宗教・文化・商習慣の相違、戦争・内戦、テロ、投資・海外送金・輸出入規制等により、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
また、当社グループでは、海外における製品の販売等の事業活動において外貨建の取引をしており、連結財務諸表作成にあたって海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場に急激な変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
なお、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っております。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
(リスク対策)
・当社グループでは、平時より政治的又は経済的な障害となりうる問題に関する情報の収集や、不測の事態に対するBCPの策定など、グループ内で有事に備えた環境整備を行っております。
・当該事業活動にあたり、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、為替変動リスクの軽減に努めております。
・当社グループでは投資後の事業を管理する体制を整備しております。
(11) 新型コロナウイルス感染症パンデミックの発生について
(リスクの内容)
新型コロナウイルス感染症パンデミックが発生し、一時的に事業活動を停止または制限せざるを得ない状況になった場合、当社グループの経営成績や財務状況等に大きな影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
当社グループでは、こうしたリスクに備え、経営成績、財務状況への影響を最小限に抑えること、また、建築物の最終仕上げ材である当社商品(内装仕上げ材)を、品切れ無く受注、出荷、納品業務を継続することが企業責任であり、これらが実行できるよう以下の取り組みを行っています。
・社長執行役員を本部長とする新型コロナウイルス対策本部の設置
・安否確認サービスを利用した毎朝の社員の健康状態と出社状況の確認
・積極的な在宅勤務(テレワーク)推進による出社比率の削減、また万が一感染者が発症しても部門全体が業務停止とならないよう、出社した社員は分散勤務体制を実施し、手指消毒、うがい、マスク着用、飛沫防止パネルの設置などによる感染防止と事業継続の両立を実施
・不要不急の国内・海外出張や会議、会合等は禁止とし、社員食堂は席数を減らし黙食を徹底、社内外で人との接触を可能な限り低減
・ショールームの営業時間短縮や休業、来場者の抑制を行う一方、オンラインコンサルテーションやバーチャルショールームを導入
・新商品をご案内するイベントの休止やWEB化
・社員同士の社内外会食やレクリエーションを禁止する一方、Web懇親会を推奨しコミュニケーションの活性化を促進
・マスクや消毒液をグループで手当てし、グループ内での感染防止に努めるとともに、得意先や医療機関への寄付を行う
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が続く中、当社グループでは政府・自治体など行政からの指示を遵守した上で、社員・家族の安全・健康を最優先に確保しつつも、関係取引先との連携協業により、建築物の最終仕上げ材である当社商品(内装仕上げ材)の供給を滞らせないという使命を全うするよう、引き続き、事業活動の継続(BCP)を図ってまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は158,826百万円であり、前連結会計年度末に比べ5,274百万円減少しております。流動資産は89,469百万円と前連結会計年度末に比べ11,121百万円減少しましたが、これは主に借入金の返済による現金及び預金の減少、売上減少による売上債権の減少によるものです。固定資産は69,356百万円と前連結会計年度末に比べ5,847百万円増加しましたが、これは主に関西ロジスティクスセンター移転による有形固定資産の増加によるものです。
負債合計は65,165百万円であり、前連結会計年度末に比べ4,717百万円減少しております。これは主に借入金の減少によるものです。
純資産合計は93,660百万円であり、前連結会計年度末に比べ556百万円減少しております。
これらにより当社グループの流動比率は204.3%、自己資本比率は58.8%となり、その他の要素も含め、健全な財政状態を維持しております。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大と長期化、これに伴う経済活動の停滞により、厳しい状況が継続しました。2020年5月末の緊急事態宣言解除後には、経済活動の再開により、輸出や生産の一部に持ち直しの動きが見られたものの、年末から感染症が再拡大したことにより、1月には再度緊急事態宣言が発出されるなど、先行きの不透明感が高まっています。
当社事業に関連の深い建設市場におきましては、テレワークの普及や在宅時間の増加による郊外戸建て住宅への転居需要や巣ごもり需要、ウィズコロナもふまえた働き方改革に伴う需要が一部で見られたものの、消費マインドの低下や経済停滞の懸念から総じて市場は縮小し、特に非住宅分野では厳しい環境となりました。
このような市場環境のもと、当社グループは、お客様及び従業員の安全を第一とした感染症防止策を講じつつ、商品の安定供給を維持するとともに、オンラインによる商品セミナーの開催やインテリアコーディネートに関するコンサルテーションを行うなど、積極的な営業活動に努めました。さらに、抗ウイルス商品の拡充といった、新たな需要に応える事業活動にも取り組みました。また、厳しい状況下でも持続的な成長を図るべく、2020年5月に発表した中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づく施策の実行を進めました。2021年1月には省人化・省力化を実現した新たな物流拠点「関西ロジスティクスセンター」を移転・開設したほか、3月に社会的価値の実現に向けた取組みとして「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」を開設し、環境負荷低減を推進しております。また、同月に長期安定的な商品調達力強化として、国内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアの株式を取得しました。さらに、海外事業においては東南アジアにおける経営体制と営業拠点の再構築を進めました。これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高145,316百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益6,701百万円(同27.7%減)、経常利益7,042百万円(同28.5%減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期には米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.関連ののれん及び無形資産の減損を行っていたことにより、4,780百万円(同233.8%増)と大幅な増加となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを以下のとおり4区分に変更し、前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(インテリアセグメント)
壁装事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により市場動向が低調に推移する中、第4四半期連結会計期間には、一部で賃貸住宅や住宅リフォーム市場の需要の高まりが見られたことから、住宅向け壁紙の見本帳「リザーブ1000」と「リフォームセレクション」が売上を牽引しました。また、ガラスフィルム見本帳「CLEAS」の売上が引き続き好調に推移したほか、安心・安全へのニーズの高まりから、抗ウイルス商品も堅調に売上を伸ばしました。しかしながら全体としては、新設住宅着工戸数の減少や、ホテルや商業施設を中心とした市場の縮小も影響し、壁装材の売上高は55,814百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
床材事業では、住宅・非住宅分野で幅広く使用できる「フロアタイル」の売上が堅調に推移したほか、2020年9月に発刊したクッションフロア見本帳「Hフロア」の市場浸透が進みました。また、2020年11月に発刊した各種施設用フロア見本帳「Sフロア」は抗ウイルス商品を中心とした一部の商品で力強い動きを見せ、厳しい市場環境の中でも評価を得ました。また、オフィス改修市場においては、求めやすい価格帯ながらデザイン性の高いカーペットタイル「NT-350シリーズ」や「NT-700シリーズ」の採用が進みました。しかしながら、依然として市場環境は十分な回復に至っておらず、床材の売上高は41,271百万円(同7.8%減)となりました。
ファブリック事業では、住宅市場においては、カーテン見本帳「AC」が売上を牽引したほか、椅子生地見本帳「UP」や9月に発刊した各種施設向けカーテン見本帳「コントラクトカーテン」が市場に浸透し、好調に推移しました。特に、抗ウイルス・抗菌機能を持つカーテンにおいては、従来の医療・福祉施設だけでなく公共・教育施設にも使用されるなど、採用の幅が広がりました。しかしながら、市場のデフレ化や販促イベントを含む営業活動の自粛・縮小の影響により、カーテンと椅子生地をあわせたファブリックの売上高は7,816百万円(同7.7%減)となりました。
これらのほか、施工費や接着剤等を含むその他の売上6,892百万円(同20.2%減)を加え、インテリアセグメントにおける売上高は111,794百万円(同8.4%減)、営業利益は7,082百万円(同24.1%減)となりました。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、市場全体の低迷が続く中、公共工事をはじめとする非住宅物件の減少に加え、フェンス、門扉、カーポートといった住宅関連の主力商材の売上が低迷しました。その一方、巣ごもり需要の拡大により、ポストや物置、ウッドデッキ等の販売が堅調に推移したほか、ホームセンターやEC販売店を通じた売上が大きく伸長しました。また、中期経営計画に基づく施策である施工力強化の一環として、既存分野の工事能力強化に加えて、外構や土木工事といったより幅広い工事が対応可能なアライアンス先の開拓に努めました。
この結果、エクステリアセグメントの売上高は14,626百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益は417百万円(同35.1%減)となりました。
(海外セグメント)
海外セグメントでは、海外関係会社の2020年1月から12月までの実績を、当連結会計年度の業績に算入しております。
北米市場を担うKoroseal Interior Products Holdings,Inc.においては、新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴うロックダウンの影響により、厳しい状況が継続しました。こうした中、感染防止に配慮した屋外での営業PR活動等を実施し、営業機会の損失の低減に努めたほか、新規壁紙生産設備の稼働による生産性の向上や人員体制の見直しによるコスト低減にも努めました。また、サンゲツの粘着剤付化粧フィルム「リアテック」においては、従来からの営業活動が奏功し、工期の短縮化やコスト削減、環境への配慮といったニーズを捉えたことから、売上が伸長しました。
中国市場を担う山月堂(上海)装飾有限公司においては、中国経済や建設市場全体が回復傾向にある中で、営業活動の再開・積極化に努めました。この結果、特に10月以降においては、オフィス物件等への壁装材・床材の納品が順調に進み、売上が伸長しました。また、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.との中国における協業を行い、中国事業再編及び新組織体制構築に向けた準備を進めました。
東南アジア市場を担うGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.においては、各国で状況が異なるものの、経済活動の停滞により、主要マーケットであるホスピタリティ市場への影響が大きく、建設工事の中止や延期等が多く発生しました。このような状況下で、2020年に新設したベトナム、タイの現地法人における営業体制の整備を進めたほか、各国のニーズに合わせた見本帳の開発を行うなど、各国の市場に合わせた拠点・経営体制の構築を進めました。
これらの結果、海外セグメントにおける売上高は15,034百万円(前年同期比24.1%減)、営業損失は985百万円(前年同期は営業損失932百万円)となりました。
(スペースクリエーションセグメント)
第1四半期連結会計期間より新たなセグメントに加わったスペースクリエーションセグメントは、内装仕上工事業を担うフェアトーン株式会社と、当社のスペースクリエーション事業部で構成しています。
フェアトーン株式会社においては、非住宅の新築内装仕上事業への新型コロナウイルス感染症の影響が限定的であったほか、顧客との関係強化やサンゲツとの連携した営業活動も奏功し、ほぼ計画通りの進捗となりました。一方、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたホテル・オフィス案件を中心とした改修工事事業においては、特に2度目の緊急事態宣言の発出以降、工事量が減少し厳しい状況となる中、サンゲツとの連携による新規顧客及び受注工事の獲得に努めました。当社のスペースクリエーション事業部においてもこの影響を受け、オフィス改修工事の中止、延期等が発生しました。その一方、ホテルからオフィスへのコンバージョン物件の発生や、働き方改革を踏まえたテナント改修工事といった新しいニーズも発生しており、こうした需要に対応し得る人材やアライアンスの強化に努めました。
これらの結果、スペースクリエーションセグメントの売上高は5,239百万円(前年同期比25.9%増)、営業利益は201百万円(同8.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,798百万円減少し、25,124百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,694百万円(前年同期は13,804百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益による収入6,963百万円及び売上債権の減少による収入3,102百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,599百万円(前年同期は5,016百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,149百万円、有価証券の新規取得と償還との差額収入3,827百万円及び連結範囲の変更を伴う株式取得による支出2,157百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,836百万円(前年同期は5,476百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れと返済との差額支出6,545百万円及び配当金の支払額3,471百万円などによるものです。
④仕入及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
インテリア |
(百万円) |
72,524 |
90.2 |
|
エクステリア |
(百万円) |
12,544 |
90.8 |
|
海外 |
(百万円) |
8,751 |
70.9 |
|
スペースクリエーション |
(百万円) |
4,277 |
122.7 |
|
調整額 |
(百万円) |
△1,374 |
- |
|
合計 |
(百万円) |
96,724 |
88.6 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
インテリア |
(百万円) |
111,794 |
91.6 |
|
エクステリア |
(百万円) |
14,626 |
90.9 |
|
海外 |
(百万円) |
15,034 |
75.9 |
|
スペースクリエーション |
(百万円) |
5,239 |
125.9 |
|
調整額 |
(百万円) |
△1,378 |
- |
|
合計 |
(百万円) |
145,316 |
90.1 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「⑴経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内市場は金額ベースで9.5%から10%程度縮小したと推定しております。当連結会計年度におけるインテリアセグメントの売上高は前年同期と比較して8.4%の減少であり、市場に比べて減少幅を抑えることができたと捉えています。3事業とも減収となったものの、壁装事業及び床材事業では数量シェアが上昇、一方でファブリック事業では主力の新見本帳の発刊が無かったことも影響し、シェアが低下したと見込んでおります。
販売費及び一般管理費においても、新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響しました。活動制限に伴う営業費用の減少、配送費用など売上高に連動する変動費の減少に加え、その他のコスト削減にも取り組みました。一方で、新関西ロジスティクスセンターの稼働開始など、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づいた基幹事業の体制強化のための施策は着実に実施しており、販売費及び一般管理費の減少幅は、売上高に比べて小さいものとなりました。
インテリアセグメントの課題は、基幹事業としての収益拡大であります。国内外の建築家やデザイン会社との共同開発によるデザイン力の強化、量産壁紙における競争力強化を中心とした戦略的調達の推進、配送等のサービス機能の拡充と高度化を図り、質的成長を通じた収益力強化を進めてまいります。また、壁装材や床材に使用される塩ビ・可塑剤・ナイロン等の原材料価格上昇による仕入価格への影響、近年のさまざまな成長投資による物流関連費用などの増加が発生しており、収益改善のための販売価格戦略も検討してまいります。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、特に公共工事をはじめとする非住宅の需要が大幅に減少し、減収減益という結果になりました。一方で、巣ごもり需要によるEC販売店やホームセンター向けの売上は好調を維持しており、今後も伸長する分野と見込んでおります。中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づく施策は着実に実施しており、引き続き既存事業の基盤強化と事業領域の拡大に取り組み、事業の質的・地理的拡大を進めてまいります。また、エクステリアとインテリアをあわせた空間提案や営業活動を進めるなど、グループ内での協業をより一層強化してまいります。
(海外セグメント)
北米市場においては、2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け米国のKoroseal Interior Products Holdings,Inc.の売上高が大きく落ち込んだものの、新しい壁紙製造設備稼働によるスクラップ率の改善や人員削減等によるコストダウンを図り、大幅な営業損失の拡大を阻止しております。米国経済の回復により、主力とする米国の非住宅市場は今後大幅に改善すると予想されておりますが、内装工事の需要に至るまでには時間を要すると見込んでおります。同社の重要な課題は、損益分岐点を下げることと認識しております。商品力及びデザイン力の向上による自社製造壁紙の販売数量増加、販売と商品開発が有効に機能する営業体制の強化などに取り組み、収益の改善を進めてまいります。
中国・東南アジア市場においては、山月堂(上海)装飾有限公司の売上高が新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んだものの、中国経済の急速な回復により、第4四半期連結会計期間には売上高が前年度を上回るまで伸長しました。一方、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.では、東南アジア各国で新型コロナウイルス感染症の影響差はあるものの、東南アジア地域全体として経済活動の停滞の影響を大きく受けた結果、営業損失が大幅に拡大しました。特に主力とするホスピタリティ市場の回復は見通せず、厳しい状況が続いております。一方で、中国・東南アジア市場においては、資本関係や事業体制の見直しによる事業基盤の強化を進めております。2021年1月にGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.の株式の追加取得により同社を完全子会社化し、2月に同じく同社の子会社である香港の星暉材料有限公司を当社直接の子会社に変更しており、2021年度も引き続き事業体制の再編に取り組む方針です。
海外セグメントは、セグメント利益のマイナスが続いております。各国市場に応じた事業体制の構築とプロダクトポートフォリオの強化を図り、次世代事業として収益化実現に取り組んでまいります。
(スペースクリエーションセグメント)
フェアトーン株式会社では、ホテル・オフィスをはじめとする総合内装改修工事の減少はあったものの、当社の施工関連業務を移行したこと、また事業領域を拡大したことで、売上高・利益面ともに前年度を上回る結果となりました。当社のスペースクリエーション事業部では、将来の事業拡大に向けて、デザイン力・施工力の強化や専門人員の採用等、事業基盤の整備を優先しており、現時点ではコストが先行しております。
スペースクリエーションセグメントは、当社グループがスペースクリエーション企業を目指す上で重要な位置付けであります。今後、専門能力拡充による事業の展開を進めるべく、専門人材の採用、アライアンス強化による体制整備を行い、積極的にグループ内協業を行うことで、次世代事業としての成長を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは9,694百万円となり、前年同期から4,109百万円減少しました。新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は避けられなかったものの、過去及び現中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における各施策を通じた収益力の強化により、著しいキャッシュ・フローの落ち込みを回避する体制を構築できていたと認識しております。また、新型コロナウイルス感染症による一時的な要因も含まれているものの、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]の定量目標として掲げるCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮により、運転資金が減少したことも寄与しています。
投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、新型コロナウイルス感染症による各市場への影響はあるものの、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]で掲げた基本方針に基づく施策は着実に実行することとしており、将来の収益拡大に向けて必要な投資を実施しました。インテリアセグメントにおける重要な投資として、戦略的調達の推進を目的に国内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアの株式を取得し、連結子会社としました。また、従来の2拠点を統合した関西ロジスティクスセンターを新設し、最新設備による自動化・省人化・省力化を実現するとともに、配送サービスの機能向上に繋げました。
財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、資本政策に基づく安定増配及び自己株式取得を概ね計画通り実施しました。
当社グループは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に換金性の高い金融資産を加えた資金を、現金及び現金同等物として認識しております。現金及び現金同等物をベースに、営業キャッシュ・フローの獲得による資金創出及び借入による外部資金調達で得られた資金を財源とし、様々な成長投資及び資本政策を通じた株主還元に使用しております。また、手許資金と有利子負債のバランスを維持するため、ネットキャッシュ残高にも留意しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、ネットキャッシュの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月31日) |
当連結会計年度 (2021年3月31日) |
|
(1)連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物 |
29,922 |
25,124 |
|
(2)預入期間が3ヶ月を超える定期預金 |
834 |
595 |
|
(3)有価証券 |
4,125 |
300 |
|
(4)投資有価証券(株式除く) |
1,934 |
1,921 |
|
現金及び現金同等物 残高 |
36,816 |
27,941 |
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月31日) |
当連結会計年度 (2021年3月31日) |
|
(1)現金及び現金同等物 |
36,816 |
27,941 |
|
(2)短期借入金 |
△1,457 |
△1,169 |
|
(3)1年内返済予定の長期借入金 |
△11,383 |
△6,092 |
|
(4)長期借入金 |
△7,638 |
△8,660 |
|
ネットキャッシュ 残高 |
16,337 |
12,018 |
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における3年間の資本配分の計画は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑵経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を見据え、将来の事業拡大に向け必要な成長投資及び資本政策に基づく株主還元は着実に実施する方針であります。原資となる資金については収益拡大による営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、成長投資における資金需要に応じて外部借入を柔軟に活用します。
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた見直しにより、当社グループは、緊急時の必要資金として想定する現金及び現金同等物を25,000~30,000百万円の金額内で当面維持する方針としました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物27,941百万円については、安全性並びに流動性を確保しつつ、想定する必要資金の金額内で維持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果や将来の見込みは見積り特有の不確実性により、見積りと差異が生じる可能性があります。
当連結会計年度において、当社グループが重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定として認識しているものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 ⑴財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損に係る見積り)
米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.及びSangetsu USA,Inc.は米国会計基準に準拠して財務諸表を作成しており、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、当社グループの連結決算手続上、当該財務諸表を利用しております。当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不能となる兆候がある場合、減損テストを行っております。
a.有形固定資産及び償却無形資産
有形固定資産については、減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行っております。減損の兆候判定において、資産の価格や使用方法、会社の経営成績等の定性的な要素を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施しております。減損テストでは有形固定資産及び償却無形資産の公正価値と帳簿価額を比較しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主に営業キャッシュ・フローからDCF法を用いて、公正価値を見積っております。営業キャッシュ・フローの見積期間は、主要な資産の償却残存期間を加重平均した年数を採用しております。
b.非償却無形資産
非償却無形資産に関する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
公正価値計算のための割引率には、税引後の加重平均資本コスト(WACC)の水準を考慮して設定しております。WACCは決算日現在の米国における実効税率、国債や社債利回り等を勘案して算定しております。米国内外の経済状況や金融・資本市場、国際情勢に予期せぬ変化が生じた場合、割引率が著しく変動する可能性があります。
(3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における定量目標(KPI)として、2023年3月期のROE9.0%とともに、連結売上高1,720億円、連結営業利益120億円、連結純利益85億円、ROIC9.0%、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)65日の達成を目指します。基幹事業の質的成長による収益の拡大と基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化により成長を実現することを基本方針とし、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度におけるROEは5.1%となりました(前年同期比3.6ポイント上昇)。前連結会計年度における一時的な減損処理の解消により、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期と比較して233.8%増加し、ROEは大幅に回復しました。しかしながら、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]の定量目標9.0%とは依然として差があり、売上高当期純利益率及び総資産回転率の更なる改善が重要な課題であると認識しております。
当社は、2021年2月10日開催の臨時取締役会において、株式会社ウェーブロックインテリアの株式をウェーブロックホールディングス株式会社(以下、「ウェーブロックホールディングス」)より取得、子会社とすることを決定し、同日付でウェーブロックホールディングスとの間で本件株式譲渡に係る株式譲渡契約を締結しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは「インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与する」ことを企業使命としています。研究開発活動については、ブランド理念“Joy of Design”の実現を目指し、単にインテリア素材を提供するだけではなく、人々がそのインテリア素材を使い、デザインし、その空間で楽しみ、安らぎを得られる、豊かな生活文化の創造に寄与し得る商品開発に取り組んでいます。
品質については、生産ラインの品質管理体制を強化するために、品質管理技術室を設置し、独自の評価項目に沿って仕入先を多面的に評価し、品質改善を働きかけることで品質管理を徹底しています。商品開発の各段階においては、検証体制プロセスとして「デザインレビュー」を整備し、商品開発を担うインテリア事業本部各事業部と、品質管理技術室をはじめとする関係部局が連携して審議を重ね、品質の担保に努めています。
また、商品開発力・調達力の強化として、主力メーカーとのアライアンス強化に取り組んでおり、2021年3月には国内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアを子会社化したほか、海外子会社と連携した商品開発活動や海外有力メーカーとの取引強化に向けた取り組みを進めています。
これらの結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、壁装材、床材、カーテン等、合わせて約12,000点の商品をサンゲツブランドで企画開発・販売し、毎年、主要見本帳約30冊のおよそ3分の1を更改に向けて開発しています。商品開発においては、最新のインテリアトレンドを捉えるために、国内外への市場調査を強化するとともに、第一線で活躍する外部のデザイン顧問からも情報収集を進め、「市場起点」での商品開発・研究活動を行っております。
当連結会計年度においては、世界的な建築家である隈研吾氏との共同開発による壁紙と床材のコレクション「カゲトヒカリ」や、イギリスを代表する老舗インテリアメーカーSanderson Design Groupと共同で立ち上げた、壁紙とファブリックのオリジナルブランド「ENGLISH DESIGN AGENCY(EDA)」など、エレメントの枠を越え、社外プロフェッショナルの目線を取り入れた、デザイン(意匠)性の高い商品開発を行うとともに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「より衛生的で安心・安全な空間づくり」のニーズに応える抗ウイルス商品の拡充に取り組みました。
これらの結果、インテリアセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は
(壁装事業)
壁装事業では、2020年6月に発刊した壁紙見本帳「リザーブ1000」において、「個性と洗練」をコンセプトに、上質なデザインを持つ商品をラインアップした「process#100(プロセスワンハンドレッド)」に加え、プロダクトデザインからインテリアデザインまで、幅広く手掛けるデザイナー小林幹也氏とのコラボレーション企画「ATTRACTIVE MOMENT」を収録しました。さらに、2017年から継続開催し、今回で4回目となる「サンゲツ壁紙デザインアワード2020」において、ブランド理念“Joy of Design”をテーマに新しい発想のデザインやアイデアを幅広く募集しました。国内外からコンセプト、デザインが作りこまれた多くの作品が集まり、壁紙の新しい可能性を広げる活動となりました。
(床材事業)
床材事業では、2020年11月に発刊した各種施設向けフロア見本帳「Sフロア」において、ニーズの高まる抗ウイルス機能を持つ商品を多数収録しました。抗ウイルス商品においては、これまでの医療・福祉施設だけでなく、官公庁・教育施設でも採用が拡大しており、継続的な商品の拡充に取り組んでおります。
また、2020年10月に発刊したカーペット見本帳「ロールカーペット総合 コントラクト&ホーム」に収録のラグカーペット「泡雪」、並びに2020年11月に発刊した見本帳「ノンスキッド」に収録の「ジオブレス」は、2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。
(ファブリック事業)
ファブリック事業では、2020年9月に医療や福祉、公共施設などの各種施設向けのカーテン見本帳「コントラクトカーテン」を発刊しました。SDGsの達成に貢献する環境に配慮した商品を拡充したほか、各種施設に幅広く対応する機能性や豊富なデザイン、カラーを収録し、医療施設を中心としたニーズに応えました。また、2021年3月に発刊した「ENGLISH DESIGN AGENCY(EDA)」では、Sanderson Design Groupの所有する貴重なデザインアーカイブをもとに、英国人アーティストの感性を、日本の緻密で繊細な技術で表現し、サンゲツオリジナルブランドとして展開しました。
(エクステリアセグメント)
研究開発活動は行っておりません。
(海外セグメント)
海外セグメントにおいては、北米市場では、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が、顧客のニーズに基づく製品開発活動を行っております。開発プロセスにおいては、デザイン開発部署が、多様なアイデアを市場動向やトレンド、品質といった多角的な視点から検証・評価を重ね、製品開発を行っております。当連結会計年度においては、2019年に導入した新たな壁紙生産設備の本格稼働により、生産技術の可能性を広げただけでなく、生産効率性と品質の向上を実現しました。
中国市場では、山月堂(上海)装飾有限公司が、中国のインテリア市場のトレンドにあわせ、当社商品より抜粋したオリジナル見本帳を作成するなど、地域に密着した細やかな開発活動を行っております。
東南アジア市場では、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.が、各国で共通した見本帳と、各国の市場やニーズに特化した見本帳の二軸での営業活動を行うため、より効果的で機動的な商品ラインアップへの取り組みを進めました。
これらの結果、海外セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(スペースクリエーションセグメント)
研究開発活動は行っておりません。