第2 【事業の状況】

 

以下「第2事業の状況」に掲げる営業収益(売上高と営業収入の合計)等については、消費税等を含んでおりません。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による積極的な経済・金融政策により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国や欧州の景気減速に加え、金融市場では円高・株安傾向に転じるなど、先行き不透明な状況にあります。
 小売業界におきましては、雇用・所得環境は改善傾向にあるものの、食品や日用品の相次ぐ値上げなどにより家計の節約志向は根強く、個人消費は力強さに欠ける展開が続きました。
 こうしたなか当社グループは、平成28年3月期を初年度とする中期3ヵ年計画を策定し、「経営の質を向上させ持続的成長を目指す」ことをテーマに掲げ、①当社の強みを最大限発揮、②店舗及び本部の生産性向上、③働き甲斐のある職場作りの3つを経営課題の軸として取り組んでまいりました。
 店舗政策では、当社の特徴の一つである高質業態「フランテ」の強化に取り組み、平成27年9月に八事フランテ(名古屋市天白区)の大型改装を実施するとともに、同年11月に四軒家店(名古屋市守山区)を改築し、郊外型フランテモデルの確立を目指し、四軒家フランテに業態変更いたしました。
 また、新店では新たな小型店フォーマットの確立を目指し、同年8月に陽なたの丘店(愛知県知多郡阿久比町)を新設するとともに、既存店舗の活性化を図るため、白土フランテ館(名古屋市緑区)、一宮フランテ館(愛知県一宮市)などの改装を実施いたしました。
 販売政策では、他社との差別化を図るため、クックパッドの料理レシピを活用したメニュー提案や全国各地の人気商品を集めた物産フェアの開催など、食生活提案型の販促企画を実施するとともに、料理の実演販売を行う“クッキングサポートコーナー”を大型店中心に積極導入し、当期末現在13店舗で展開しております。
 商品政策では、当社の強みとする生鮮食品の強化に取り組み、産地や品質にこだわった“バイヤーいち押し”商品や地域の消費者ニーズに対応した地場商品の拡充を図りました。また、特にデリカ部門では、改装等に合わせて惣菜売場を拡げるとともに、弁当や冷惣菜など品揃えの充実を図りました。
 店舗運営面では、店舗の生産性向上に向けて、基本作業の徹底・教育による作業効率の改善に取り組むとともに、日配品の適正発注システムやセルフレジの導入を進めながら、店内作業の軽減を図りました。
 また、各店舗ではパート社員の感性やアイデアを売場に反映させるために、小集団活動を積極的に行い、好事例を社内ネットで配信し、横展開を図るなど、職場の活性化に取り組みました。

なお、子会社政策において当社は、平成27年9月10日付で日配品・米飯類の製造を行うサンデイリー株式会社の株式を追加取得し、同社を完全子会社化いたしました。
 このような結果、当連結会計年度における経営成績は、当社の既存店売上高は前期比101.4%と伸長いたしましたが、八事フランテ、四軒家フランテの改装・改築による長期休業の影響等により、全店売上高は前期比99.5%にとどまったことから、売上高に営業収入を加えた営業収益は1,003億46百万円(前期比0.5%減)となりました。利益面では、光熱費など設備費の減少等により営業利益は12億39百万円(前期比4.8%増)、経常利益は13億円(前期比7.3%増)、当期純利益は6億88百万円(前期比17.0%増)となり、減収増益決算となりました。
 なお、当連結会計年度より、情報処理手数料の処理方法について会計方針の変更を行っており、遡及処理後の数値で前年同期比較を行っております。(以下、「2販売及び仕入の状況」及び「7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
 また、当社グループは、「小売事業及び小売周辺事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ6億32百万円減少し、34億99百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。
 「営業活動によるキャッシュ・フロー」により得られた資金は、13億51百万円(前年同期は、27億98百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額が6億61百万円であったものの、減価償却費が13億40百万円、税金等調整前当期純利益が9億57百万円であったことによるものです。
 「投資活動によるキャッシュ・フロー」により支出した資金は、6億39百万円(前年同期は、8億27百万円の支出)となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入が8億58百万円であったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が16億21百万円であったことによるものです。
 「財務活動によるキャッシュ・フロー」により支出した資金は、13億45百万円(前年同期は、20億52百万円の支出)となりました。これは主に、有利子負債の返済や配当金の支払いによるものです。

 

 

2 【販売及び仕入の状況】

(1) 販売実績

営業収益の実績

当社グループは単一セグメントであり、営業収益の実績について部門別に記載しております。

部門の名称

前連結会計年度

(自 平成26年3月21日

至 平成27年3月20日)

当連結会計年度

(自 平成27年3月21日

至 平成28年3月20日)

増減

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

増減率
(%)

生鮮食料品

60,956,984

60.4

60,828,166

60.6

△128,818

△0.2

グローサリー

28,233,037

28.0

27,933,545

27.8

△299,492

△1.1

リビング・衣料品

5,712,036

5.7

5,511,700

5.5

△200,336

△3.5

その他

5,959,376

5.9

6,073,240

6.1

113,863

1.9

営業収益合計

100,861,434

100.0

100,346,651

100.0

△514,783

△0.5

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

仕入高の実績

当社グループは単一セグメントであり、仕入高の実績について部門別に記載しております。

部門の名称

前連結会計年度

(自 平成26年3月21日

至 平成27年3月20日)

当連結会計年度

(自 平成27年3月21日

至 平成28年3月20日)

増減

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

増減率
(%)

生鮮食料品

44,353,879

62.6

44,341,039

62.7

△216,989

△0.5

グローサリー

21,736,450

30.7

21,667,941

30.7

△167,658

△0.8

リビング・衣料品

4,288,752

6.1

4,204,769

6.0

△115,725

△2.7

その他

426,992

0.6

454,947

0.6

27,955

6.6

仕入高合計

70,806,074

100.0

70,668,698

100.0

△472,418

△0.7

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く今後の経営環境は、景気動向や社会保障制度など将来の先行き不安を背景とした消費低迷に加え、中長期的には、少子高齢化の進展や業種・業態を越えた販売競争の激化など、厳しい状況が続くものと予想されます。
 こうしたなか当社グループは、平成28年3月期を初年度とする中期3ヵ年計画を策定し、
 ① 東海地区の食品スーパーとして、全店が「お客様支持№1店舗」になる
 ② 従業員が“やりがいと誇り”を持てる会社になる
 ③ 株主、取引先、金融機関から信頼される企業になる
という3つのビジョンを掲げ、その実現に向けて取り組んでまいります。また、目標とする連結経営指標として、中期3ヵ年計画の最終年度である平成30年3月期において、営業収益1,020億円以上、売上高970億円以上、売上高営業利益率1.5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)5.8%以上を目指してまいります。
 中期3ヵ年計画の1年目である平成28年3月期は、店舗における食生活提案型売場の展開や品揃えの改善、店内作業の効率化等で一定の成果が得られたものの、新店や一部の改装店においては当初計画を下回る状況にあるなど、課題も残っております。
 こうした状況を踏まえ、平成29年3月期は、新店開発体制の見直しを図るとともに、営業面では、ポイントカード「グラッチェカード」の会員増加に向けた対策の実行と販売データを活用した売場・品揃えの改善、惣菜を含めた生鮮食品の強化など、販売力強化に向けた取り組みを進めてまいります。
 効率面では、パート社員など採用難への対応を含めて、少人数で運営するための店内作業の効率化や本部業務の見直しを行いながら、生産性向上を図ってまいります。
 人事政策では、女性や若手社員の個性や能力を活かすための人事制度の見直しや人材登用、教育研修制度の充実など、従業員にとって働き甲斐のある職場環境の整備を進めてまいります。
 更に、連結子会社との連携を強化し、グループシナジーを追求するとともに、当社グループにおけるコーポレートガバナンス体制やリスクマネジメントの充実・強化を図りながら、これらの取組課題を確実に実行することによって、経営の「質」を向上させ、“持続的成長”につなげてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、これは有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1) 景気動向等の影響に関するリスク

当社グループは小売業を主要事業として営んでおり、景気や個人消費の動向などに基づき事業計画を立てていますが、経済情勢の変化や異常気象現象等により消費行動の変化が発生した場合、また電力使用の制限や燃料コストの引上げ等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 業界動向及び競争激化に関するリスク

当社グループがドミナントエリアとしている東海地区は、オーバーストアの状況にあります。また、人口減少や少子高齢化の進展など消費市場全体の規模が縮小する中で、競合他社の出店攻勢に加え、コンビニやドラッグストアなど業種・業態を越えた販売競争が激化しています。
 このような状況下、当社グループは競合他社の動向を把握するとともに、より競争力のある店舗作りと差別化を図っていく所存ですが、今後さらに競合他社の出店が加速した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 食品の安全性に関するリスク

当社グループは生鮮食品から加工食品、日配食品など食品中心に広範囲にわたって商品を扱っています。食の安全・安心に対する関心がますます高まる中、食品の衛生管理、品質管理をより強固なものとするために食品衛生に係わる設備の充実、取引先を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様が安全・安心、信頼してお買物いただける店づくりを心掛けています。しかしながら、食中毒事故や商品の信頼性を損なう事件・事故の発生等予期せぬ事態により、お客様の食品に対する不安感から需要が減少した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害・事故に関するリスク

当社グループがドミナントエリアとしている東海地区は、東海地震及び南海トラフ地震に係る地震防災対策推進地域及び津波避難対策特別強化地域に含まれています。台風や風水害及び地震・火災・テロ行為等による予期せぬ災害・事故やシステム障害などが発生した場合に備え、防災や事故対応マニュアルの整備、防災訓練の実施、安否確認システム導入など社内体制を整備し緊急時に備えていますが、従業員の罹災による人的資源の喪失や建物等の固定資産ならびに商品等への影響から、営業活動を一時中断もしくは縮小せざるを得ないような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 法的規制に関するリスク

当社グループの事業活動は、会社法をはじめ、大規模小売店舗立地法、食品衛生法、食品表示法、独占禁止法や環境・リサイクル関連法規、雇用等に係る各種の法令・規制等の適用を受けています。当社グループにおいては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたヤマナカ企業行動憲章に基づき行動しています。しかしながら、今後各種法令・規制の変更に対応するため費用負担が生じた場合、また新たな規制により事業活動が制限された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 保有資産の減損に関するリスク

当社グループは減損会計適用の対象となる事業資産を所有しています。競争の激化や周辺環境の変化により、保有する資産の時価が著しく低下した場合、もしくは店舗の営業損益に悪化が見られ短期間に回復が見られない場合、減損損失が発生し当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 個人情報の保護に関するリスク

当社グループはお客様へのサービス向上のためのポイントカードやクレジットカードの取り扱いを通じお客様の個人情報を、またマイナンバー法に基づき従業員ならびに株主様等の特定個人情報を保有しています。これらの情報管理につきましては個人情報保護に関する法律に基づき社内規程の整備や従業員への教育徹底、また情報システムのセキュリティ対策を行っています。しかしながらこれらの対策にもかかわらず、万一システムのトラブルや犯罪行為により個人情報が流出した場合や不正使用等の事態が発生した場合、社会的信用や企業イメージが低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 訴訟事件の発生に関するリスク

当社グループは仕入業者、不動産賃貸人、その他の取引先と多種多様な契約を締結しており、これらの関係先と良好な関係を構築するよう努めていますが、諸事情によりこれら関係先との間で訴訟が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9) システム障害の発生に関するリスク

当社グループは通信ネットワークやコンピュータシステムを使用し、商品の調達や販売、情報共有や業務の効率化など多岐にわたるオペレーションを実施しています。各種システムは通信回線の二重化、不正侵入防止等の対策を講じていますが、自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、また通信回線や電力供給に支障が出た場合、あるいは不正侵入や従業員の過誤による障害が起き業務の遂行に支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 不正行為に関するリスク

当社グループは経理等の業務について内部牽制を強化するとともに、内部通報制度の周知徹底と不正防止のための社内研修の充実を図っています。また、業務執行部門から独立した組織である内部監査室がモニタリングを実施するなどして不正行為に関するリスク防止に努めていますが、管理体制及びモニタリングの不備やリスクの把握不足、企業風土や従業員の倫理観が欠如し資産横領や会計記録の改ざんなどの不正行為が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 労務コストの上昇に関するリスク

当社グループは組織・人事制度改革、店舗オペレーション改革等を通じて店舗業務の効率化やシステム化推進等により、労務コストの上昇を吸収するべく生産性の向上に取り組んでいます。しかしながら正社員と非正規社員の均等処遇を目指した法改正等により労務コストが一段と上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 人材の確保に関するリスク

当社グループは更なる成長への営業基盤を確立するためには、パートタイマーを含めた優秀な人材の確保が不可欠であると認識し、多種多様な採用手段を用いて優秀な人材の確保に努めています。しかしながら必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、採用環境が更に悪化して人材確保が計画通りに進まなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループで採用する重要な会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、「第2事業の状況 1業績等の概要」で記載のとおり、営業収益は1,003億46百万円、営業利益は12億39百万円、経常利益は13億円、当期純利益は6億88百万円となりました。

営業収益は、既存店売上高が前期比101.4%と伸張いたしましたが、八事フランテ、四軒家フランテの改装・改築による長期休業の影響等により、全店売上高は前期比99.5%にとどまったことから、前連結会計年度と比べ5億14百万円減少し、1,003億46百万円(前期比0.5%減)となりました。

売上原価は、前連結会計年度と比べ2億62百万円減少し、706億6百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、3億8百万円減少し、285億1百万円(前期比1.1%減)となりました。これは、主に光熱費が減少したことによるものであります。

その結果営業利益は、12億39百万円(前期比4.8%増)となりました。

営業外損益につきましては、営業外収益が2億27百万円、営業外費用が1億66百万円となり、経常利益は13億円(前期比7.3%増)となりました。

特別利益1億38百万円の内、主なものは投資有価証券売却益であります。また、特別損失4億81百万円の内、主なものは減損損失3億56百万円であります。

その結果、税金等調整前当期純利益は、9億57百万円となり、法人税等及び少数株主損失を計上後の当期純利益は、6億88百万円(前期比17.0%増)となりました。

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ13億96百万円減少し、402億84百万円となりました。 

流動資産は、有利子負債の返済等により現金及び預金が7億37百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べて10億14百万円減少し、93億3百万円となりました。

固定資産は、差入保証金が3億98百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比べ3億91百万円減少し、309億26百万円となりました。

負債につきましては、有利子負債が8億66百万円、未払法人税等が3億7百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べて15億49百万円減少し、246億89百万円となりました。

純資産は前連結会計年度末に比べ1億52百万円増加し、155億94百万円となりました。これは主に利益剰余金が5億34百万円増加したことと、連結子会社であるサンデイリー株式会社を完全子会社化したことにより、資本剰余金が7億71百万円増加し、少数株主持分が11億5百万円減少したことによるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「1[業績等の概要]」に記載しております。