第2 【事業の状況】

 

以下「第2事業の状況」に掲げる営業収益(売上高と営業収入の合計)等については、消費税等を含んでおりません。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
 食品小売業界におきましては、個人消費は、一部に持ち直しの兆しが見られるものの、実質所得が伸び悩むなか、消費者の節約志向は根強く、消費は力強さに欠ける展開が続きました。
 こうしたなか当社グループは、「経営の質を向上させ持続的成長を目指す」ことを目標とする中期3ヵ年計画を推進し、当該計画の最終年度である当期は、“カスタマーファースト”を営業方針に掲げ、特に販売力の強化に徹底的に取り組んでまいりました。
 販売政策では、平成29年2月の創業95周年を機に、日頃の感謝を込めた“大グラッチェ祭”をロングラン企画として開催し、創業記念商品の販売や電子マネープレゼントキャンペーン、観劇会ご招待など創業記念特別企画を積極的に実施いたしました。また、特売商品の価格訴求強化に加え、ポイント5倍デーなどポイントカード「グラッチェカード・グラッチェプラスカード」を活用した販売促進策を積極的に展開するとともに、火曜2品10%割引、日曜朝市など新たな販売企画を実施し、集客力の向上を図りました。
 商品政策では、当社の強みとする生鮮食品の強化に取り組みました。特に農産部門では地場野菜コーナーやカットフルーツコーナーの拡大、デリカ部門では連結子会社であるサンデイリー株式会社の米飯工場を活用することで品揃えの強化を図りました。また、昨今の消費者ニーズに対応し、簡便化・健康・おつまみなどをテーマにした品揃えの充実・強化に取り組みました。
 店舗運営面では、店舗の生産性向上に向けて、基本作業の徹底・教育による作業効率の改善やセルフ精算レジの導入によるレジの混雑緩和とレジ作業の軽減を図りました。また、お客様へのおすすめ商品や売場での展開方法など、店舗毎に綿密に販売計画を立て、売場づくりの工夫と発注精度の向上に取り組みました。
 店舗政策では、平成29年12月に滝ノ水店(名古屋市緑区)を新設いたしました。また、11月に東海店(愛知県東海市)を建て替えによりリニューアルオープンするとともに、既存店活性化のため、松原店(名古屋市中区)など4店舗の改装を実施いたしました。一方で、経営の効率化と収益性の改善を図るため、岐阜フランテ館など3店舗を閉店いたしました。
 このような結果、当連結会計年度における経営成績は、販売強化策により既存店売上高が前年比100.8%と伸長し、閉店による売上減少要因をカバーしたことから、売上高に営業収入を加えた営業収益は1,001億6百万円(前期比0.2%増)と増収を確保することができました。利益面では、特売商品の価格訴求強化や創業95周年記念の販売促進策を積極的に展開したことによる粗利益率の低下及び広告宣伝費の増加などにより、営業利益は1億12百万円(前期比82.1%減)、経常利益は2億23百万円(前期比69.0%減)となりました。特別利益として投資有価証券売却益10億11百万円、特別損失として一部店舗の減損損失など8億48百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は86百万円(前期比82.1%減)となり、増収減益決算となりました。

なお、当社グループは、「小売事業及び小売周辺事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ99百万円減少し、31億84百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。
 「営業活動によるキャッシュ・フロー」により得られた資金は、9億52百万円(前年同期は、16億69百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券売却益が10億11百万円であったものの、減価償却費が13億93百万円、減損損失が8億5百万円であったことによるものです。
 「投資活動によるキャッシュ・フロー」により支出した資金は、2億28百万円(前年同期は、8億56百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が9億66百万円であったものの、有形固定資産の取得による支出が12億51百万円であったことによるものです。
 「財務活動によるキャッシュ・フロー」により支出した資金は、8億23百万円(前年同期は、10億29百万円の支出)となりました。これは主に、有利子負債の返済や配当金の支払いによるものです。

 

 

2 【販売及び仕入の状況】

(1) 販売実績

営業収益の実績

当社グループは単一セグメントであり、営業収益の実績について部門別に記載しております。

部門の名称

前連結会計年度

(自 平成28年3月21日

至 平成29年3月20日)

当連結会計年度

(自 平成29年3月21日

至 平成30年3月20日)

増減

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

増減率
(%)

生鮮食料品

60,725

60.8

61,202

61.1

477

0.8

グローサリー

27,634

27.7

27,470

27.4

△163

△0.6

リビング・衣料品

5,384

5.4

5,247

5.3

△136

△2.5

その他

6,127

6.1

6,186

6.2

58

1.0

営業収益合計

99,871

100.0

100,106

100.0

235

0.2

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

仕入高の実績

当社グループは単一セグメントであり、仕入高の実績について部門別に記載しております。

部門の名称

前連結会計年度

(自 平成28年3月21日

至 平成29年3月20日)

当連結会計年度

(自 平成29年3月21日

至 平成30年3月20日)

増減

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

増減率
(%)

生鮮食料品

44,430

63.0

45,430

63.7

1,000

2.2

グローサリー

21,523

30.5

21,452

30.1

△71

△0.3

リビング・衣料品

4,050

5.8

3,972

5.6

△77

△1.9

その他

485

0.7

474

0.6

△11

△2.4

仕入高合計

70,490

100.0

71,329

100.0

839

1.2

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く状況は、不透明な今後の景気動向や年金・介護など社会保障制度に対する先行き不安を背景に消費者の節約志向が継続するなか、コンビニエンスストアやドラッグストアに加え、ネット通販等の普及など業種・業態を越えた販売競争は益々激化しております。また、人手不足により人件費や物流費などのコストが上昇するなど、厳しい経営環境が続くことが予想されます。
 こうした状況のなか当社は、平成31年3月期を初年度とする新中期3ヵ年計画を策定し、2022年(平成34年)の創業100周年に向けて「笑顔あふれる食品スーパーマーケットを極め、東海地区№1の誇れる企業を目指す」というビジョンの実現と持続的成長に向けた収益構造改革に、全社を挙げて取り組んでまいります。
 当該3ヵ年計画では、(1)カスタマーファーストの深化、(2)従業員が成長し、活躍できる環境・仕組整備、(3)持続的な成長を支える基盤整備の3つを経営方針に掲げ、販売改革、人材育成改革、コミュニケーション改革など結果を出すための環境整備を進めてまいります。
 前中期3ヵ年計画では、当社の強みである生鮮食品及び高質業態「フランテ」の強化については、お客様からの支持が高まるなど一定の成果が得られたものの、生産性向上の取り組みについては多くの課題が残っております。こうした状況を踏まえ、新中期3ヵ年計画では、店舗の生産性を飛躍的に向上させ、収益性を大幅に高めることによって持続的成長基盤の確立を図るべく、(1)店舗の大幅収益拡大、(2)店舗及び本部の生産性向上を主要課題として取り組んでまいります。
 収益拡大策の取り組みでは、店舗を規模や業態などそれぞれの特性に合わせてグルーピングし、グループ戦略に基づき店舗毎に個店戦略を策定するとともに、地域特性や競合状況に合わせてグループを越えたエリア戦略を策定することによって、戦略的な販促・売価政策を実施してまいります。また、店舗毎に課題の進捗状況に合わせて次の課題を設定するステージ戦略に基づき実行施策を推進してまいります。
 生産性向上の取り組みでは、店舗毎に適正人員基準を設定し、作業オペレーションの効率化を強力に推進するとともに、従業員のレベルアップを図るための教育・研修制度の充実・強化を図ってまいります。また、本部では、業務効率化による組織の簡素化・少人数化を進めてまいります。
 これらの取組課題を着実に実行し成果を上げるために、平成30年6月から執行役員制度を導入し、実行計画の推進体制を強化してまいります。また、連結子会社との連携を強化し、グループシナジーを高めるとともに、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制やリスクマネジメントの充実・強化を図ることによって“持続的成長”を実現してまいります。
 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、これは有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1)景気動向等の影響に関するリスク

当社グループは小売業を主要事業として営んでおり、景気や個人消費の動向などに基づき事業計画を立てていますが、経済情勢の変化や異常気象現象等により消費行動の変化が発生した場合、また電力使用の制限や燃料コストの引上げ等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)業界動向及び競争激化に関するリスク

当社グループがドミナントエリアとしている東海地区は、オーバーストアの状況にあります。また、人口減少や少子高齢化の進展など消費市場全体の規模が縮小する中で、競合他社の出店攻勢に加え、コンビニやドラッグストアなど業種・業態を越えた販売競争が激化しています。さらに、お客様の生活スタイルや購買行動及び嗜好変化への対応としてネットスーパーなど販売チャネルの多様化も進んでいます。

このような状況下、当社グループは競合他社の動向を把握するとともに、より競争力のある店舗作りと差別化を図っていく所存ですが、今後さらに競合他社の出店及び参入が加速した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)食品の安全性に関するリスク

当社グループは生鮮食品から加工食品、日配食品など食品中心に広範囲にわたって商品を扱っています。食の安全・安心に対する関心がますます高まる中、食品の衛生管理、品質管理をより強固なものとするために食品衛生に係わる設備の充実、取引先を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様が安全・安心、信頼してお買物いただける店づくりを心掛けています。しかしながら、食中毒事故や商品の信頼性を損なう事件・事故の発生等予期せぬ事態により、お客様の食品に対する不安感から需要が減少した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害・事故に関するリスク                   

当社グループがドミナントエリアとしている東海地区は、東海地震及び南海トラフ地震に係る地震防災対策推進地域及び津波避難対策特別強化地域に含まれています。台風や風水害及び地震・火災・テロ行為等による予期せぬ災害・事故やシステム障害などが発生した場合に備え、防災や事故対応マニュアルの整備、防災訓練の実施、安否確認システム導入など社内体制を整備し緊急時に備えていますが、従業員の罹災による人的資源の喪失や建物等の固定資産ならびに商品等への影響から、営業活動を一時中断もしくは縮小せざるを得ないような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制に関するリスク

当社グループの事業活動は、会社法をはじめ、大規模小売店舗立地法、食品衛生法、食品表示法、独占禁止法や環境・リサイクル関連法規、雇用等に係る各種の法令・規制等の適用を受けています。当社グループにおいては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたヤマナカ企業行動憲章に基づき行動しています。しかしながら、今後各種法令・規制の変更に対応するため費用負担が生じた場合、また新たな規制により事業活動が制限された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)保有資産の減損に関するリスク

当社グループは減損会計適用の対象となる事業資産を所有しています。競争の激化や周辺環境の変化により、保有する資産の時価が著しく低下した場合、もしくは店舗の営業損益に悪化が見られ短期間に回復が見られない場合、減損損失が発生し当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)個人情報の保護に関するリスク

当社グループはお客様へのサービス向上のためのポイントカードやクレジットカードの取り扱いを通じお客様の個人情報を、またマイナンバー法に基づき従業員ならびに株主様等の特定個人情報を保有しています。これらの情報管理につきましては個人情報保護に関する法律に基づき社内規程の整備や従業員への教育徹底、また情報システムのセキュリティ対策を行っています。しかしながらこれらの対策にもかかわらず、万一システムのトラブルや犯罪行為により個人情報が流出した場合や不正使用等の事態が発生した場合、社会的信用や企業イメージが低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)訴訟事件の発生に関するリスク

当社グループは仕入業者、不動産賃貸人、その他の取引先と多種多様な契約を締結しており、これらの関係先と良好な関係を構築するよう努めていますが、諸事情によりこれら関係先との間で訴訟が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)システム障害の発生に関するリスク

当社グループは通信ネットワークやコンピュータシステムを使用し、商品の調達や販売、情報共有や業務の効率化など多岐にわたるオペレーションを実施しています。各種システムは通信回線の二重化、不正侵入防止等の対策を講じていますが、自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、また通信回線や電力供給に支障が出た場合、あるいは不正侵入や従業員の過誤による障害が起き業務の遂行に支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)不正行為に関するリスク

当社グループは経理等の業務について内部牽制を強化するとともに、内部通報制度の周知徹底と不正防止のための社内研修の充実を図っています。また、業務執行部門から独立した組織である内部監査室がモニタリングを実施するなどして不正行為に関するリスク防止に努めていますが、管理体制及びモニタリングの不備やリスクの把握不足、企業風土や従業員の倫理観が欠如し資産横領や会計記録の改ざんなどの不正行為が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。     

(11)労務コストの上昇に関するリスク

当社グループは組織・人事制度改革、店舗オペレーション改革等を通じて店舗業務の効率化やシステム化推進等により、労務コストの上昇を吸収するべく生産性の向上に取り組んでいます。しかしながら正社員と非正規社員の均等処遇を目指した法改正等により労務コストが一段と上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。   

(12)人材の確保に関するリスク

当社グループは更なる成長への営業基盤を確立するためには、パートタイマーを含めた優秀な人材の確保が不可欠であると認識し、多種多様な採用手段を用いて優秀な人材の確保に努めています。しかしながら必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、採用環境が更に悪化して人材確保が計画通りに進まなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループで採用する重要な会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、「第2事業の状況 1業績等の概要」で記載のとおり、営業収益は1,001億6百万円、営業利益は1億12百万円、経常利益は2億23百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は86百万円となりました。

営業収益は、既存店売上高が前年比100.8%と伸長し、閉店による売上減少要因をカバーしたことから、前連結会計年度と比べ2億35百万円増加し、1,001億6百万円(前期比0.2%増)となりました。

売上原価は、前連結会計年度と比べ7億52百万円増加し、712億57百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、2百万円減少し、287億37百万円(前期比0.0%減)となりました。

その結果、営業利益は、1億12百万円(前期比82.1%減)となりました。

営業外損益につきましては、営業外収益が2億44百万円、営業外費用が1億33百万円となり、経常利益は2億23百万円(前期比69.0%減)となりました。

特別利益につきましては、投資有価証券売却益が10億11百万円であります。また、特別損失8億48百万円の内、主なものは減損損失8億5百万円であります。

その結果、税金等調整前当期純利益は、3億86百万円となり、法人税等を計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は、86百万円(前期比82.1%減)となりました。

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて18億27百万円減少し、380億6百万円となりました。 

流動資産は、主にその他に含まれる未収入金が1億55百万円、1年内回収予定の差入保証金が1億25百万円増加したことから、前連結会計年度末と比べて3億41百万円増加し、94億48百万円となりました。

固定資産は、主に投資有価証券が7億83百万円、有形固定資産が7億38百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比べて21億71百万円減少し、285億8百万円となりました。

負債につきましては、主に有利子負債が3億89百万円、退職給付に係る負債が2億26百万円、繰延税金負債が2億10百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比べて12億62百万円減少し、225億15百万円となりました。

純資産は前連結会計年度末と比べて5億64百万円減少し、154億90百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が5億31百万円減少したことによるものです。

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「1[業績等の概要]」に記載しております。