当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、経済活動の活性化が進み、雇用・個人消費の改善等により景気は緩やかな回復基調を示す一方で、米国の関税引き上げによる影響が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が継続しております。当社が属する食品スーパーマーケット業界においては、食品価格の上昇に伴う消費マインド低迷の影響を受けるとともに、人件費・配送費用等のコスト負担の増加、業種・業態を超えた競争環境の激化といった経営課題の継続など、予断を許さない状況にあります。
このような中、当社グループはブランドメッセージである「想いを形に、『おいしい』でつながる。」を具現化すべく、中期経営計画(2024~2026年度)で掲げた3つの基本戦略「事業構造の変革」「テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造」「サステナビリティ経営の推進」に取り組んでおります。
[国内事業]
事業構造の変革におきましては、店舗力の強化として、節約志向の高まりに対応すべく「安さ実感 家計応援」商品を通じた価格訴求の強化、イオンのトータルアプリ「iAEON」を通じたお買い得情報の提供に努めました。また、イオンでの新「AEONPay」のサービス開始と連動し、毎月10日の「スーパーマックスデー」とあわせてAEONPayの決済を利用した際の「WAONPOINT」を基本の10倍付与としたほか、リテールメディアの導入により、効果的なプロモーション活動を展開しました。加えて、お買い得な価格で高品質な商品を提供する「トップバリュ」や、食べきり・使いきりに適した小容量商品を拡販したほか、時間帯に応じた品揃えや出来たて商品の訴求といった基本の徹底、デリカ・冷凍食品・インストアベーカリーなど成長カテゴリー商品の品揃え拡大に取り組みました。商品面では、「じもの」(注釈1参照)の拡大に向け、地元のお取引先さまとの共同開発商品を販売したほか、じもの商品の発掘・育成の場として「じもの商品大商談会」をリアルとオンラインで開催しました。「ちゃんとごはん」(注釈2参照)については、地域とのつながりを深め、より豊かな食生活をサポートする「ちゃんとごはんSTUDIO」を活用し、店舗やSNSを通じた情報発信や料理教室を開催したほか、健康キャンペーンや学生との共同開発弁当の販売に取り組みました。また、米の供給不足に対し、随意契約で調達した政府備蓄米を販売しました。店舗展開では、7月にマックスバリュエクスプレス御器所2丁目店(名古屋市昭和区)を新規開設したほか、同月にマックスバリュエクスプレス浜松早出店(浜松市中央区)を改装し、小容量商品の拡販やイートインコーナーの新設に加え、日用品や雑貨の100円均一コーナーを導入しました。また、同店を含む既存店舗の改装を計7店舗にて実施し、じものコーナーの充実やデリカ・インストアベーカリーの出来たて商品の訴求、冷凍ケース入替による冷凍食品売場の刷新・品揃え拡大に取り組みました。新たな顧客接点の創出では、地域のお買物の利便性向上と地域活性化に貢献するため、移動スーパーを新たに6台稼働し累計40台へと拡大しました。また、ネットショップにおけるごちそうメニューなどの予約販売の強化、ネットスーパーの販促強化、無人店舗「Maxマート」の新規開設を進めるとともに、Uber Eatsを利用した配達サービスを拡大しました。
テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造におきましては、生産性の改善によるサービスレベル向上を目的に、電子棚札を新たに58店舗導入し累計243店舗へ拡大したほか、セルフレジの増設を進めました。また、発注業務の精度向上と負担軽減に向け、既に農産部門で導入している日本気象協会が提供する気象データを用いた自動発注支援システムを新たに畜産部門にも拡大しました。
サステナビリティ経営の推進におきましては、2024年4月に開示した当社の「サステナビリティ基本方針」に基づき、これまで以上に地域社会への貢献度を高めつつ、持続的な企業価値向上を目指した取り組みを進めております。環境保全・社会貢献活動では、地域の活動支援を目的に「ご当地WAON」の利用金額の一部を各自治体に寄付したほか、キャンペーン対象商品の売上の一部を地域の保全活動に役立てる「ありがとうキャンペーン」を実施しました。また、被災地域の復興支援に向け大船渡山林火災・ミャンマー大地震に対する緊急支援募金を実施したほか、地域のライフライン整備に向け防災協定の締結を積極的に進めております。加えて、地域とのつながりを深めるべくお買物支援や見守り活動に関する協定締結を進めたほか、地域福祉の向上や食品ロス削減に向け全店で「フードドライブ」を実施しております。ダイバーシティ推進の取り組みでは、女性副店長を対象としたフォローアップ研修を実施したほか、多様な人材が活躍できる環境を整備すべく「短時間正社員制度」を導入しました。また、従業員満足度を高めるべく3期連続で大幅な賃上げを実施しました。
これらの取り組みの結果、当中間連結会計期間における全店売上高の前年同期比は102.9%、既存店売上高では101.7%となりました。なお、同対比に用いた数値には、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等は適用しておりません。
[連結子会社]
国内にて惣菜や米飯等を製造・加工するデリカ食品株式会社におきましては、地産域消の拡大に向けたじもの食材を使用した商品の開発・販売に取り組んだほか、商品改廃と教育体制の整備に努めました。
中国事業であるイオンマックスバリュ(広州)商業有限公司におきましては、収益獲得に向けた販促強化や商品力の強化、デジタル化の推進等による経営の改善に努めましたが、今後の当社グループの事業運営全般の見通しを総合的かつ慎重に検討した結果、当該連結子会社の解散を決議しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の成績は、営業収益1,925億24百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益58億41百万円(同6.9%減)、経常利益59億71百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は、清算業務を進めている連結子会社イオンマックスバリュ(広州)商業有限公司に対する出資金評価損等に税効果を認識したことなどにより、56億63百万円(同40.4%増)となりました。
(注釈1)じもの・・・当社では、地元で長年親しまれている商品や地元企業さまが生産する商品など、
それぞれの地域に根ざした商品をじものと呼び、これら商品の販売活動を通じて、地域の
活性化を応援しております。
(注釈2)ちゃんとごはん・・・当社では、お客さまに健康でいきいきとした生活を送っていただくため、
バランスの良い食事、すなわち“ちゃんとごはんを食べる”ことを知っていただく機会として、
健康的な食生活のご提案や食事バランスを考慮したお弁当や惣菜の紹介などに取り組んでおり、
このような取り組みの総称をちゃんとごはんと呼んでおります。
② 財政状態
(ア)資産
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比し、168億56百万円増加し、1,522億77百万円となりました。これは現金及び預金の増加38億22百万円、関係会社預け金の増加45億円、流動資産その他(主に未収入金)の増加63億44百万円などによるものであります。
(イ)負債
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比し、134億39百万円増加し、604億12百万円となりました。これは買掛金の増加91億99百万円、未払法人税等の増加12億34百万円などによるものであります。(ウ)純資産
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比し、34億17百万円増加し、918億65百万円となりました。これは親会社株主に帰属する中間純利益の計上56億63百万円、剰余金の配当による減少23億90百万円などによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し83億21百万円増加し、457億92百万円となりました。
当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動キャッシュ・フローの合計をフリー・キャッシュ・フローとして定義しており、重要な資金の調達源として位置づけております。当中間連結会計期間にて獲得したフリー・キャッシュ・フローは108億60百万円(前年同期は34億33百万円 )となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、141億62百万円(前年同期は87億37百万円の収入)となりました。これは税金等調整前中間純利益61億78百万円、減価償却費27億87百万円、仕入債務の増加額92億22百万円、その他流動資産の増加額63億13百万円、その他流動負債の増加額24億13百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、33億2百万円(前年同期は53億3百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出33億7百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、25億43百万円(前年同期は20億83百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額23億90百万円、リース債務の返済による支出1億51百万円などによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。