第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 (1)業績

当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、政府による経済政策や雇用・所得環境の改善を背景に、総じて個人消費の持ち直しが見受けられ、緩やかな回復基調で推移しました。一方、インバウンド(訪日外国人)による消費拡大の鈍化や、中国をはじめとする新興国景気減速など、依然として不透明な状況が続いております。

外食産業におきましても、原材料価格の高騰や人財コストの上昇に加え、食の安全・安心だけでなく、より付加価値のある商品づくりが求められているなど、食の多様化による業種間の競合は一層厳しさを増しております。

このような状況の中、当社グループは野菜をはじめとする食材の国産化によって、食の「安全・安心・健康」に地道に取り組み続け、『全員参加で企業体質を改革しよう』をスローガンに、強固な企業体質づくりとともに、企業価値向上に努めてまいりました。

◆『5Sを磨きこみお客さまを増やす』

店舗のQSC(Q=クオリティ・S=サービス・C=クリンリネス)の原点である「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5S活動は、5年目に入り、各店舗においても5S活動をブラッシュアップすることこそが、お客さまの満足度を向上する唯一の手段である、という認識がしっかりと定着しております。

当連結会計年度からは、併せて従業員満足度の測定も開始し、従業員満足度と顧客満足度の両立によって、来店客数の増加を目指す取り組みも行ってまいりました。

◆『改善のスピードを上げてA+B+Cを実現する』

「あらゆる無駄を排除することによって経営効率の向上を図る」という基本的な考え方のもと、A部門(営業・外販)、B部門(生産・購買)、C部門(物流)の各部門が改善につぐ改善を重ね、単独部門での効率化を目指すだけではなく、部門間での連携を強化しながら、業務の流れを短縮し、改善に相乗効果を生むことで、企業活動のスリム化に取り組んでまいりました。

◆『人財を育成し時間当り採算を向上する』

「売上最大、経費最小、時間最短」という経営原則を基本とした、小集団(チーム)の独立採算制経営管理システムでは、「時間」もコストであるという考え方のもと、「時間当りの採算」という重要指標を構成する最大の要素としての「人財」の育成に注力してまいりました。

人財育成とフィロソフィー理念の浸透共有を図る「フィロソフィーセミナー」は、当連結会計年度中にグループ全社員参加の2巡目、全日程72回のセミナーが終了いたしました。これにより、個々人のフィロソフィーを体現することで、社員個人の生活の充実とともに、当社グループのさらなる成長を目指すというモチベーションの向上にもつながっております。

また当社グループ内におけるダイバーシティ(多様な人財の活躍)推進策として、引き続き優秀なパート・アルバイト社員の店長登用制度を進めるとともに、女性が安心して職場で能力を発揮できる環境を整えてまいりました。さらに、女性活躍推進だけにとどまらず、「生活と仕事の調和」を目指すライフワークバランスという視点で、公私ともに充実した人生を支援する取り組みも始めております。

出店政策におきましては、高知県への初進出により、出店地域を45都道府県まで拡大し、計59店舗(内、海外ではインドネシアに1店舗)を新規出店いたしました。

一方で、不採算店やリロケートにより15店舗を退店した結果、当連結会計年度末では国内で743店舗、海外で12店舗、合計755店舗(内、フランチャイズ店舗214店舗)となり、前連結会計年度比で44店舗の増加となりました

売上高につきましては、前連結会計年度中より導入を再開した「国産きくらげ」などの品質アップに伴う価格改定を、当連結会計年度中に全国規模で完了し、純既存店客数は前連結会計年度比で99.8%と、価格改定の影響を最小限で抑えることができ、純既存店売上高は前連結会計年度比101.8%となりました

以上の結果、当連結会計年度の売上高は438億44百万円前連結会計年度6.6%増)、営業利益は32億84百万円(同15.9%増)、経常利益は31億58百万円(同17.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億20百万円(同27.4%増)と、3期連続で過去最高の売上高と利益額を更新することができました。

 

 

 

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

<長崎ちゃんぽん事業>

「長崎ちゃんぽんリンガーハット」では、岡山県・鳥取県以西の西日本エリアの店舗から提供を開始していた希少な「国産きくらげ」を、関西・中京、そして東日本と提供範囲を広げ、国内全ての店舗にて提供できる体制となりました。これに合わせて新商品の「きくらげたっぷり塩ちゃんぽん」の発売も開始いたしました。

メニュー施策としては、値ごろ感のある500円台メニュー第2弾として「まぜ辛めん®」や、季節商品としては、夏には紅白2種類の「冷やしちゃんぽん」、秋には黄金味噌と白銀魚介2種類の「海鮮ちゃんぽん」、冬には国産白菜をたっぷり使った「白菜たっぷりちゃんぽん」を発売するなど、四季を通じて、お客さまにより喜んでいただける訴求力のある商品提供に努めてまいりました。(®登録商標第5900144号)

また、ぎょうざ専門店の「GYOZA LABO」や、「バル(Barのスペイン語読み)」スタイルの店舗など、お客さまに楽しんでいただけるよう努めてまいりました。

さらに、調理・サービスの質の向上を図るため、調理コンテスト・サービスコンテストを開催し、お客さま満足度向上に取り組んでまいりました。

新規出店では、国内ではショッピングセンターを中心に56店舗、海外では初進出となるインドネシアに1店舗を出店し、リロケートを含む13店舗を退店した結果、当連結会計年度末の店舗数は、国内で634店舗、海外で10店舗の計644店舗(うちフランチャイズ店舗196店舗)となりました。

以上の結果、売上高は331億45百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は26億58百万円(同38.3%増)と、増収増益となりました。

<とんかつ事業>

「とんかつ濵かつ」では、とんかつはシンプルな料理であるからこそ、厳選した「安全・安心」な食材にこだわり、そして「より多くのお客さまにお食事の楽しさを味わっていただくため、おいしいとんかつ料理を、いつでもおなかいっぱい召し上がっていただく」ことに努めてまいりました。

商品施策としては、「梅しそ巻」や「かきふらい」などの季節商品に加え、お客さまの『もう1品』のご要望にお応えした「おかわりかつ」といったサービスの充実にも取り組んでまいりました。

また、毎日手作りの自家製デザートとお飲み物をお楽しみいただけるデザートビュッフェ導入店も11店舗まで拡大、さらに高級感を演出する新しい什器への切り替えやお盆提供方式への変更など、お客さまによりおいしく感じていただく取り組みを実施いたしました。

さらに、濵かつにおいて初めてとなる調理コンテストを開催し、より高品質な商品の提供を競うことで、お客さま満足度の向上に取り組んでまいりました。

新規出店では、国内に2店舗を出店し、2店舗を退店した結果、当連結会計年度末における店舗数は国内で109店舗*、海外で2店舗、合計111店舗(うちフランチャイズ店舗18店舗)となりました。(*和食業態の長崎卓袱浜勝を含む)

以上の結果売上高は104億59百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は5億16百万円(同34.6%減)と、増収減益となりました。

<設備メンテナンス事業>

設備メンテナンス事業は、当社グループ内直営店舗及びフランチャイズ店舗の設備維持メンテナンスに係る工事受注や機器類の保全などが主な事業であり、売上高は17億66百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は1億59百万円(同16.9%増)と、増収増益なりました。

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ71億95百万円増加し、89億6百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は35億44百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。これは主に、法人税等の支払額12億8百万円があったものの、税金等調整前当期純利益26億52百万円や減価償却費14億45百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は16億14百万円(同13.5%減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入10億29百万円があったものの、設備投資による支出23億57百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は52億76百万円(前連結会計年度は14億91百万円の資金支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出16億7百万円や自己株式の取得による支出11億93百万円があったものの、株式の発行による収入78億29百万円があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

6,954,226

106.5

とんかつ事業

1,520,123

100.9

合計

8,474,350

105.4

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.「設備メンテナンス事業」は、生産設備を有しないため、生産実績はありません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)店舗材料及び商品仕入実績

当連結会計年度の店舗材料及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

1,834,113

108.9

とんかつ事業

1,295,609

115.1

設備メンテナンス事業

137,497

159.2

合計

3,267,219

112.8

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

設備メンテナンス事業

168,385

161.7

合計

168,385

161.7

 (注)1.「設備メンテナンス事業」を除く事業については、店舗の販売予測に基づく生産を行っておりますので、該当事項はありません。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

33,145,749

108.2

とんかつ事業

10,459,433

101.5

設備メンテナンス事業

239,551

130.2

合計

43,844,733

106.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 国内外食市場におきましては、人口減少に伴う人財不足や消費環境の変化、インバウンドに対応した店舗づくりなど、さまざまな外部要因に端を発する課題解決が求められると同時に、食の安全・安心への関心がより一層高まってきております。

 このような環境の下、当社グループでは引き続き『全員参加で企業体質を改革しよう』というスローガンと、3つの経営戦略方針を継続してまいります。

◆5Sを磨きこみお客さまを増やす

◆改善のスピードを上げてA+B+Cを実現する

◆人財を育成し時間当り採算を向上する

 さらに、従業員の一人ひとりが経営者意識を持ちながら、当社グループ全体の企業体質を「改革」していくための労働環境づくりと、従業員満足度の向上を課題として掲げています。

◆「働き方改革」~環境改善で働きやすい企業に~

 企業の根幹を成す「人財」育成のために、より即応力のある労働環境改善「働き方改革」を推進してまいります。

<営業時間短縮>

 特に深夜時間帯の営業時間短縮やオーダーストップ時間の設定を進めることで、従業員の安定雇用やモチベーション向上を図り、お客さまへのより質の高いサービス提供につなげてまいります。

<65歳定年>

 正社員を対象に60歳定年を65歳に延長し、定年延長後も延長以前と同等の賃金・賞与基準とすることで、シニア社員能力を最大限に活かすと同時に、従業員満足度の向上につなげてまいります

<若年社員の離職防止>

 特に若年社員の離職は、働く環境にも起因するものと真摯にとらえ、直属の上司とは別に、相談や助言を気軽に求めることができる「メンター制度」を推進し、若年社員の将来性を高め、貴重な人財の定着率向上を目指します。

<女性活躍推進>

 社員の多様性を活かすダイバーシティのひとつとして、女性活躍推進に取り組んでおりますが、より具体的な推進策として女性店長の登用を推進し、正社員のみならず、女性比率が多いパート・アルバイト従業員から、パート店長への育成や登用を積極的に進めてまいります。

 また、新年度においては特に既存店舗の改修や工場設備への投資、借入金の返済を進めることで、収益力と財務基盤の強化を図ってまいります。

 以上により第54期連結業績の見通しは、売上高450億円、営業利益33億7千万円、経常利益32億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益16億8千万円をそれぞれ見込んでおります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 特定事業への依存と売上高の季節変動について

 当社グループは創業以来、飲食店の経営を事業としており、当社グループの主だった事業はこの外食事業であります。したがって、当社グループの業績は、外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。

 また、当社グループの売上高は1年を通して一定ということはなく、季節によって変動する傾向があります。特に5月のゴールデンウィーク、夏休み及び年末年始の売上高が高くなるため、いわゆる「稼ぎ時」に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合、目論見の売上高・利益を達成できなくなる恐れがあります。

(2) 食の安全と衛生管理について

 近年、食品を取り巻く環境においては、野菜の残留農薬問題、BSE問題、異物混入問題、輸入食材の安全性の問題などが発生しております。当社グループでは、各原材料メーカーから「食品衛生法」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(通称、JAS法)」「不当景品類及び不当表示防止法(通称、景品表示法)」などの関連諸法規に違反しないことを保証する書面を受領するなど、品質管理については万全の体制で臨んでおります。

 また、当社グループにおいては、ご来店いただくすべてのお客さまに安全な商品を提供するため、保健所の指導で行っている衛生検査に加えて、当社グループ内に独自に食品衛生チェックのできる体制を強化すべく「品質保証チーム」を設置し、策定したクリンリネスマニュアル、指導書に基づき、店舗及び工場内での衛生状態が基準どおり保たれているかどうかを定期的に確認しております。

 衛生面については、今後においても十分留意していく方針でありますが、食中毒の発生など、当社固有の衛生問題にのみならず、消費者の食品の安全性に対する関心が高まっていることにより、仕入先における無認可添加物の使用などによる食品製造工程に対する不信、同業他社の衛生管理問題などによる連鎖的風評及び口蹄疫や鳥インフルエンザなどの社会全般的な問題など、各種の衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料の仕入について

 当社グループが、お客さまに提供する商品の食材等は多種多様にわたるため、疫病の発生や天候不順等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、仕入価格が高騰したりする可能性があります。また、お客さまに提供する商品の食材を外部から調達しており、その一部は海外から輸入しております。したがいまして、万が一、輸入制限措置などにより、海外からの食材が輸入できないというような問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、「おいしさ」「安全・安心」を達成するため、平成21年4月に国産米粉を使用したぎょうざの販売、平成21年10月より野菜の全量国産化、平成22年1月よりちゃんぽん麺の小麦国産化、平成25年10月よりぎょうざの主要材料の国産化を開始しております。食材の仕入に当っては、国内農家等との長期契約の締結等により仕入価格及び仕入量の安定化を図っておりますが、災害、天候不順、疫病の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じる、又は仕入価格が高騰する等の事態に発展した場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 敷金・保証金及び建設協力金について

 当社グループでは多店舗展開を念頭に置いていることから、出店に際しては主に、店舗の土地及び建物を賃借する方式で出店しており、出店時に土地建物所有者に対して、敷金・保証金及び建設協力金などとして資金の差入を行っております。

 新規出店の際には対象物件の権利関係などの確認を十分に行ってはおりますが、土地建物所有者である法人、個人が破綻などの状態に陥り、土地などの継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 自然災害や停電等による影響について

 当社グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナスの影響を最小化するために、すべての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っております。しかしながら、生産施設で発生する災害、停電又はその他の中断事項による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。

 また当社グループで使用される食材は、現在静岡及び佐賀地区の工場で加工・製造され、営業店舗へ毎日配送しております。したがいまして、静岡及び佐賀地区で大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループで使用される食材の生産能力が著しく低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報の取り扱いについて

 当社グループでは営業目的の会員情報のほか、株主及び従業員などの個人情報を取り扱っております。

 このような個人情報の保護をはじめ、企業の社会的責任に前向きに対応していくため「CSRチーム」を設置するなど環境の整備を行っておりますが、個人が特定できるすべての情報が含まれるため、今後さらなる情報の洗い出しや、漏洩しない仕組みづくり、漏洩させない風土づくりに相当のコストがかかることが予想されます。

 また、万が一、情報が漏洩し、社会問題になった場合には、行政処分はもとより、顧客の信用を失い、企業イメージが失墜し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 法的規制について

 当社グループが属する外食産業においては、主な法的規制としては「食品衛生法」、「浄化槽法」、「消防法」、「食品リサイクル法」、「改正パートタイム労働法」などがあり、さまざまな法的規制のなかで事業が運営されております。また、当社グループのフランチャイズ・チェーン展開においては、「中小小売商業振興法」及び「独占禁止法」などの規制を受けております。

 パートタイマーの厚生年金適用拡大など、法的規制が変更・強化された場合には、新たな費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 有利子負債について

 当社グループは、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れにより調達しております。今後、有利子負債残高の圧縮等を含め保守的な財務方針で経営に当る方針でありますが、金利に変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 出店について

 当社グループにおいては、今後も必要に応じて当社グループの出店基準に基づき国内外において新規出店を行う方針であります。新規出店計画については基準に合致する用地確保が困難な場合がある他、出店後において立地環境等の多大な変化や計画された店舗収益が確保できない等の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 減損損失及び退店損失について

 当社グループは、平成17年2月期より固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、当社グループの店舗において、外部環境の著しい変化等により収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループにおきましては、当社グループの退店基準に基づき不採算店舗等の退店を実施しております。退店に際し、固定資産除却損及び賃借物件の違約金・転貸費用等が発生する場合、また当該退店に係る損失が見込まれた場合に引当金の計上を行うなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) フランチャイズ・チェーン展開について

 当社グループでは直営店の営業展開の他、フランチャイズ契約に基づくフランチャイズ・チェーン展開を行っております。これらの契約により、当社はフランチャイズ店舗からのロイヤリティ収入等を収受しております。当該フランチャイズ加盟企業の減少や業績の悪化が生じた場合、フランチャイズ・チェーン展開が計画通りに実現できないこと及びロイヤリティ収入が減少すること等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループでは、フランチャイズ加盟企業に対して衛生管理等の店舗運営指導を実施しております。しかし、フランチャイズ加盟企業において当社グループの指導に従ったサービスの提供が行われない場合や衛生管理面の問題が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループではタイ、米国、台湾及びその他の海外地域においてフランチャイズ・チェーン展開を図っていく方針でありますが、当社グループの想定どおりに推移する保証はありません。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

(1) 研究開発活動の体制

当社グループにおける研究開発活動は「生産技術研究チーム」、「モデル店舗開発チーム」を設け、それぞれ専任担当者を置いて各チームごとに研究開発活動にあたっております。

また、店舗のメニュー開発は「リンガーハット商品開発チーム」と、「浜勝商品開発チーム」が担当しております。

「生産技術研究チーム」においては店舗、工場の設備・機器・システムの研究開発と機器の内製化を推進することにより品質の向上とコストダウン及びノウハウの蓄積を担うべく活動しております。

「モデル店舗開発チーム」においては経営目標達成のために、お客さまのニーズにあった「競争力の高い」モデル店舗をつくりあげる企画開発を各業態、関連組織と連携して活動しております。

「商品開発チーム」においては商品戦略を業態別にロードサイド、フードコート、都心ビルインに分け年間商品開発カレンダーに落とし込み、商品コンセプト策定、消費者ニーズ等の調査、試作、役員試食、消費者試食、オペレーション検証と機器開発、自社工場製造ラインテスト、品質保証チームによる食品衛生チェックを経て、販売を決定する体制をとっております。

ちゃんぽん麺、皿うどん用フライ麺、ぎょうざ、チャーハンをはじめ多くの材料を自社工場で生産するシステムをとり「他社との絶対的な商品の差別化」を図っている当社グループでは、「商品開発チーム」は、素材調達を担当する「購買チーム」及び生産・加工を担当する「生産チーム」と連携して商品開発活動を行っております。

また、販売に際しては、店舗オペレーションマニュアルの作成と周知、店舗責任者への教育・訓練を「トレーニングチーム」と連携して行っております。

 

(2) 研究開発活動の方針

「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」という企業ミッションを達成するために、研究開発におきましては「お客さまに喜んで頂ける研究開発活動を推進する」こと、商品開発におきましては「健康的で高品質な商品を手頃な価格で提供する」ことをその活動基本方針としております。国内にせまる少子高齢化対応、国内外の多様化する消費者ニーズ等、時代の変化、販売拠点の変化に対応、あるいは企業側からの積極的新提案ができるよう、業界動向、消費者調査、来店客調査から得られる情報を活動方針に反映させております。

 

(3) 当連結会計年度における研究開発活動

① 長崎ちゃんぽん事業

(イ)ちゃんぽん類の開発

春より新500円シリーズで「まぜ辛めん」を発売し、3年目を迎える「冷やしちゃんぽん」をブラッシュアップして提供しました。

秋には「海鮮かきちゃんぽん」を販売し、同時に「夕食シリーズ」の鍋・ふかひれメニューを充実させ郊外型の店舗110店舗で展開いたしました。

また、ちゃんぽんスープを更に美味しく進化させ、テストを繰り返しています

(ロ)サイドメニューの開発

おつまみ用として「ちゃんぽん串」を一部店舗で販売し好評なご意見を頂戴しております。
新たな取り組みとしては「鶏てん」に力を入れ開発及び販売を実施しております。

(ハ)モデル店舗の開発

平成28年6月より、MYちゃんぽん店舗である葛飾新宿店を出店しました。当初はレギュラーちゃんぽんをメニューから外していましたが、満足度向上のために平成29年2月にはフルメニューも加えたMYちゃんぽんの形式に変更しています。またMYちゃんぽんの仕組みをより判りやすく、ゆっくり注文できるように、同年4月に出店しました宮崎大塚店ではタブレットオーダーシステムを導入しています

平成28年7月には、ごはんと味噌汁、手作り惣菜を合わせた定食タイプの「おかず屋」を開発し、リンガーハットイオンモール直方店につぎ関東エリアでの市場性の検証として、おかず屋2号店である南砂町SUNAMO店を出店しています。

既存店舗では「焼きぎょうざ」として40年以上内製化でこだわり提供している「ぎょうざ」に関して、お客さまの要望に応えるべく、平成28年4月より大型ショッピングセンターセブンパークアリオ柏店の食品物販店エリアに「生ぎょうざ」製造直売所を専門店として出店し、同年10月には町田鶴川店を出店しました。

また、採用しているアーム型AIロボットの導入コストを抑えるべくロボットの開発に着手し、単なるぎょうざピッキングロボット機能だけではなく、工場、店舗の将来的な労働力不足を見越したロボット開発に試金石にしていく先行テストを繰り返しています

 

(ニ)食の安全・安心について

食の安全・安心を確保する為、今後も店頭及びホームページにて原産地情報及びアレルギー情報等の開示を積極的に行います。

また、健康志向及びカロリー制限、塩分制限等があるお客様に安心して食べていただける「減塩ちゃんぽん」及び海藻めんを使用しカロリーを抑えた「海藻めんと豆乳のヘルシーちゃんぽん」等のヘルシーメニューの開発を行っております。

上記の結果、当連結会計年度中に長崎ちゃんぽん事業の研究開発に投資した金額は、96,476千円であります。

 

② とんかつ事業

(イ)とんかつ類の開発

季節定番のブラッシュアップを行い、「桜香るミルフィーユかつ」「梅しそ巻とヒレ膳」「かきふらいとヒレ膳」を販売しました。また、夏の商品としてわさびを使用し夏のわさびおろし膳を販売しました

(ロ)モデル店舗の開発

新店1店舗(葛飾新宿店)をデザートビュッフェ販売店舗としてオープンしました

今後の人員不足への対応としておかわりコーナーを4店舗(熊本新空港通り店、福岡大池店、西所沢店、小金井公園店)に設置しました。

また、テーブルオーダー、自動つり銭機、ウエイティングシステムを1店舗(小金井公園店)に設置し、テイクアウトの販売拡大に向けて惣菜コーナーのショーケースを1店舗(西所沢店)に設置しました。

(ハ)その他開発

テイクアウトの拡大販売に向けてお渡し後も30分温かいまま提供できるよう新型弁当箱の開発をいたしました

上記の結果、当連結会計年度中にとんかつ事業の研究開発に投資した金額は、61,856千円であります。

 

③ セグメントに区分できない基礎研究開発活動

 生産技術研究チーム

(イ)GYOZA LABO ロボットの開発、デザイン及び製作

(ロ)GYOZA LABO ぎょうざ具解凍機の新規構造への取り組み

(ハ)冷凍麺解凍機の新規構造への取り組み

 営業戦略リテールチーム

リンガーハット及び濵かつにて、店内物販を活性化させる活動を行っております。

物販ブランドまるりの立ち上げを行い、平成28年度は一部郊外店舗にてオリジナル物販ブランド「まるり」より、オリジナルカステラ、オリジナルかりんとう、長崎の銘菓等の販売を開始致しました。

同時に工場内製品等の物販商品化を進める事で、更なるバリエーションを増やす活動を行っております。

 

以上、当連結会計年度中に研究開発活動へ投資した金額の合計は、各セグメントに区分できない費用63,094千円を含め、221,427千円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、退職給付に係る負債、繰延税金資産及び減損損失の計上など一部将来見積りに基づくものがありますが、これらの見積りは、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画に基づき、「退職給付に係る会計基準」「税効果会計に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準」等に準拠して実施しております。

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ73億64百万円増加し、331億92百万円となりました。これは主に、現金及び預金が新株の発行等により71億95百万円増加したことや、未収入金が1億円増加したことによるものであります。

② 負債及び純資産

負債は前連結会計年度末に比べ4億71百万円減少し、141億87百万円となりました。これは主に、社債が2億56百万円減少したこと、短期借入金が1億90百万円減少したこと及び長期借入金が4億7百万円減少したことによるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ78億35百万円増加し、190億5百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ14.1ポイント増加し、57.3%となりました。これは主に、新株式の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ39億36百万円増加したことによるものであります。

 

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益

売上高につきましては、「1 業績等の概要 (1) 業績」及び「2 生産、受注及び販売の状況」に記載したとおりであります。

売上原価は、前連結会計年度に比べ9億64百万円増加し、138億55百万円となりました。これは主に売上高が前連結会計年度比27億15百万円の増収となったことによるものであります。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ13億1百万円増加し、267億5百万円となりました。これは主にパート・アルバイトの時給上昇に伴う人件費の増加と店舗数増加に伴う賃借料の増加によるものであります。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ4億49百万円増加し、32億84百万円となりました。

② 営業外損益及び経常利益

金融収入(受取利息及び受取配当金)から金融費用(支払利息及び社債利息)を差引いた金融収支は、当連結会計年度は前連結会計年度に比べて7百万円費用が減少し37百万円の費用となりました。これは主に、期中の有利子負債の減少によるものであり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(利払能力:営業キャッシュフロー/利息の支払額)は、60.3倍(前年同期47.6倍)となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ4億77百万円増加し、31億58百万円となりました。

③ 特別損益及び当期純損益

特別利益は、前連結会計年度に比べ1億59百万円増加し、2億28百万円となりました。

これは主に投資有価証券売却益を2億1百万円計上したことによるものであります。

特別損失は、前連結会計年度に比べ3億87百万円増加し、7億34百万円となりました。

これは主に減損損失が3億43百万円増加したことによるものであります。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億48百万円増加し、16億20百万円となりました。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金の源泉は、「現金及び現金同等物」と「営業活動によるキャッシュ・フロー」であります。
 一方、当社グループの主な運転資金需要は、当社グループ販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費及び店舗オーナーへの支払賃借料等であり、主な設備投資需要は、新規出店、店舗改修及び工場設備投資に係る投資資金であります。

したがいまして、運転資金と設備投資資金については、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。

なお、営業活動及び投資活動により獲得したキャッシュ・フローを借入金の圧縮に充当しております。なお、当連結会計年度においては、新株の発行による収入78億29百万円があったため、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ71億95百万円増加し、89億6百万円となりました。