第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」を基本理念として、郷土料理の「長崎ちゃんぽん」と「とんかつ」を中心に、親しみやすい「飲食の専門店」を展開してまいりました。素材や味にこだわり、安全・安心・健康で楽しい食事の空間を提供し続けることにより、長期的かつ安定的に企業価値を高める経営を行ってまいります。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、日常の営業活動に加え、財務活動を含めた企業のトータルの収益性を重視する観点から売上高経常利益率を重視するとともに、安定した経営基盤の確立を図るためフリーキャッシュフローの増大を目標に活動しております。売上高経常利益率10%以上という目標を掲げております。

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループでは「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」という基本理念のもと、「全員参加で企業体質を改革しよう」を経営方針のスローガンに掲げております。

  その基本戦略は以下のとおりであります。

 ① 成長戦略 ~ 主力外食事業2業態を中心に次期主力業態開発も視野に入れ国内外の積極的な出店により事業規模を拡大する

   a.「長崎ちゃんぽんリンガーハット」は、「長崎の郷土料理ちゃんぽん・皿うどん」の独自性を活かして全国各地へ展開する。

   b.「とんかつ濵かつ」は、ブランドの知名度向上を進める。

   c.主力2業態ともに、国内市場は直営店とフランチャイズ店の展開を進める。

   d.海外市場は、東アジア・東南アジア地域及びアメリカ合衆国に直営及び現地企業とのアライアンス(提携)で長崎ちゃんぽんを主力にした長崎発のレストラン事業を確立する。

   e.将来の予測される経営環境の変化に対応すべく、次世代に向けた業態開発に注力する。

 ② 高収益化 ~ 売上高FLコスト(売上原価+人件費)比率60%以下の実現

   a.店舖

    ・店舗配置の見直し、メニュー政策及びオペレーション改善等により、1店舗当りの売上高を上げ、人件費率を抑制する。

   b.自社工場生産及び物流体制

    ・東西2ヶ所の自社工場と共に、万一の災害等による生産や物流リスクに備え、京都工場を整備・稼働しトータルの生産性を上げる。

    ・「製造直売業」志向を強化し、自社工場の内製化率を上げ、品質向上とトータル原価の低減を実現する。

   c.本部組織の少数精鋭化

    ・ITと業務標準化、アウトソーシングを活用し、間接業務の改善を図る。

 ③ 財務強化 ~ 国内フランチャイズ及び海外アライアンス(提携)の拡大による投資抑制

   a.直営店の新規出店は、リンガーハットの低投資で出店できるフードコート型を主体とし、投資コストを抑える。

   b.国内におけるフランチャイズ展開を全店舗数の30%を目処に進め、自己投資を抑えることにより財務強化を図る。

 ④ 組織改革と人財育成 ~ 成長を支える人づくりと働き甲斐のあるキャリアプラン

   a.定期的な新卒者採用を実施し、社員の若返りを図る。

   b.管理職定員制、能力主義の強化、本部組織の少数精鋭化等の組織改革・人事制度改革を行い、働き甲斐のあるキャリアプランを明示する。

   c.階層別教育の充実を図り、次世代の経営者育成、海外勤務者育成、店長育成を継続的に行うとともに、店舗調理・店舖接客のスキルアップを図るトレーニングプログラムを充実させる。

   d.業務に必要となる知識や技能を短時間で習得できるように業務の「見える化」(標準化)を推進する。また、常に最善の見直しができるような仕組みを作り、店舗サービスレベルの向上のみならず、各部門の実行力向上に寄与できる体制づくりをおこなう。

   e.女性活躍推進及び女性採用を強化し、女性が個々の能力を発揮して長く活躍できるよう環境を整備する

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 特定事業への依存と売上高の季節変動について

 当社グループは創業以来、飲食店の経営を事業としており、当社グループの主だった事業はこの外食事業であります。したがって、当社グループの業績は、外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。

 また、当社グループの売上高は1年を通して一定ということはなく、季節によって変動する傾向があります。特に5月のゴールデンウィーク、夏休み及び年末年始の売上高が高くなるため、いわゆる「稼ぎ時」に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合、目論見の売上高・利益を達成できなくなる恐れがあります。

(2) 食の安全と衛生管理について

 近年、食品を取り巻く環境においては、野菜の残留農薬問題、BSE問題、異物混入問題、アレルギー物質の表示、輸入食材の安全性の問題などが発生しております。当社グループでは、各原材料メーカーから「食品衛生法」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(通称、JAS法)」「不当景品類及び不当表示防止法(通称、景品表示法)」などの関連諸法規に違反しないことを保証する書面を受領するなど、品質管理については万全の体制で臨んでおります。

 また、当社グループにおいては、ご来店いただくすべてのお客さまに安全な商品を提供するため、保健所の指導で行っている衛生検査に加えて、当社グループ内に独自に食品衛生チェックのできる体制を強化すべく「品質保証チーム」を設置し、策定したクリンリネスマニュアル、指導書に基づき、店舗及び工場内での衛生状態が基準どおり保たれているかどうかを定期的に確認しております。

 衛生面については今後においても十分留意していく方針でありますが、食中毒の発生や食品表示法に関する誤表記など、当社固有の食の安全・安心に関わる問題にのみならず、消費者の食品の安全性に対する関心が高まっていることにより、仕入先における無認可添加物の使用などによる食品製造工程に対する不信、同業他社の衛生管理問題などによる連鎖的風評及び口蹄疫や鳥インフルエンザなどの社会全般的な問題など、各種の衛生上の問題や食の安全に関する問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料の仕入について

 当社グループが、お客さまに提供する商品の食材等は多種多様にわたるため、疫病の発生や天候不順等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、仕入価格が高騰したりする可能性があります。また、お客さまに提供する商品の食材を外部から調達しており、その一部は海外から輸入しております。したがいまして、万が一、輸入制限措置などにより、海外からの食材が輸入できないというような問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、「おいしさ」「安全・安心・健康」を達成するため、平成21年4月に国産米粉を使用したぎょうざの販売、平成21年10月より野菜の全量国産化、平成22年1月よりちゃんぽん麺の小麦国産化、平成25年10月よりぎょうざの主要材料の国産化を開始しております。食材の仕入に当っては、国内農家等との長期契約の締結等により仕入価格及び仕入量の安定化を図っておりますが、災害、天候不順、疫病の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じる、又は仕入価格が高騰する等の事態に発展した場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 敷金・保証金及び建設協力金について

 当社グループでは多店舗展開を念頭に置いていることから、出店に際しては主に、店舗の土地及び建物を賃借する方式で出店しており、出店時に土地建物所有者に対して、敷金・保証金及び建設協力金などとして資金の差入を行っております。

 新規出店の際には対象物件の権利関係などの確認を十分に行ってはおりますが、土地建物所有者である法人、個人が破綻などの状態に陥り、土地などの継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 自然災害や停電等による影響について

 当社グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナスの影響を最小化するために、すべての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っております。しかしながら、生産施設で発生する災害、停電又はその他の中断事項による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。

 また当社グループで使用される食材は、現在静岡、佐賀及び京都地区の工場で加工・製造され、営業店舗へ毎日配送しております。したがいまして、静岡、佐賀及び京都地区で大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループで使用される食材の生産能力が著しく低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報の取り扱いについて

 当社グループでは営業目的の会員情報のほか、株主及び従業員などの個人情報を取り扱っております。

 このような個人情報の保護をはじめ、企業の社会的責任に前向きに対応していくため「CSRチーム」を設置するなど環境の整備を行っておりますが、個人が特定できるすべての情報が含まれるため、今後さらなる情報の洗い出しや、漏洩しない仕組みづくり、漏洩させない風土づくりに相当のコストがかかることが予想されます。

 また、万が一、情報が漏洩し、社会問題になった場合には、行政処分はもとより、顧客の信用を失い、企業イメージが失墜し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 法的規制について

 当社グループが属する外食産業においては、主な法的規制としては「食品衛生法」、「浄化槽法」、「消防法」、「食品リサイクル法」、「改正パートタイム労働法」などがあり、さまざまな法的規制のなかで事業が運営されております。また、当社グループのフランチャイズ・チェーン展開においては、「中小小売商業振興法」及び「独占禁止法」などの規制を受けております。

 パートタイマーの厚生年金適用拡大など、法的規制が変更・強化された場合には、新たな費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 有利子負債について

 当社グループは、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れにより調達しております。今後、有利子負債残高の圧縮等を含め保守的な財務方針で経営に当る方針でありますが、金利に急激な変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 出店について

 当社グループにおいては、今後も必要に応じて当社グループの出店基準に基づき国内外において新規出店を行う方針であります。新規出店計画については基準に合致する用地確保が困難な場合がある他、出店後において立地環境等の多大な変化や計画された店舗収益が確保できない等の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 減損損失及び退店損失について

 当社グループは、平成17年2月期より固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、当社グループの店舗において、外部環境の著しい変化等により収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループにおきましては、当社グループの退店基準に基づき不採算店舗等の退店を実施しております。退店に際し、固定資産除却損及び賃借物件の違約金・転貸費用等が発生する場合、また当該退店に係る損失が見込まれた場合に引当金の計上を行うなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) フランチャイズ・チェーン展開について

 当社グループでは直営店の営業展開の他、フランチャイズ契約に基づくフランチャイズ・チェーン展開を行っております。これらの契約により、当社はフランチャイズ店舗からのロイヤリティ収入等を収受しております。当該フランチャイズ加盟企業の減少や業績の悪化が生じた場合、フランチャイズ・チェーン展開が計画通りに実現できないこと及びロイヤリティ収入が減少すること等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループでは、フランチャイズ加盟企業に対して衛生管理等の店舗運営指導を実施しております。しかし、フランチャイズ加盟企業において当社グループの指導に従ったサービスの提供が行われない場合や衛生管理面の問題が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループではタイ、米国及びその他の海外地域においてフランチャイズ・チェーン展開を図っていく方針でありますが、当社グループの想定どおりに推移する保証はありません。

(12) 人財確保等について

 当社グループでは、新規出店等の業容の拡大に伴い、社員及びパート・アルバイトの採用数の増加及びパート店長制度の充実を図っておりますが、雇用情勢の逼迫、若年層の減少等により、人財の確保及び育成が計画通りに進捗しなかった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(13) インターネット等による風評被害について

 インターネット上において、当社グループ及びその関係者に関連した不適切な書き込みや画像等の公開によって風評被害が発生した場合、その内容の真偽に関わらず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの競合他社等に対する風評被害であっても、外食市場全体の社会的評価や評判が下落するものであれば、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1)経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、企業収益や雇用環境の改善に伴い、緩やかな景気回復基調にあるものの、相次ぐ自然災害の国内経済への影響や、海外の経済情勢の不確実性の高まりもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております

外食産業におきましては、消費者の節約志向に加え、原材料価格の高騰や継続的な採用難・パートアルバイトの
時給の上昇により、厳しい状況が続きました

このような状況の中、当社グループは野菜をはじめとする食材の国産化や新業態店舗の出店などにより、食の「安全・安心・健康」に継続して取り組んでまいりました。また、『全員参加で企業体質を改革しよう』をスローガンに、強固な企業体質づくりとともに、企業価値向上に努めてまいりました

◆『5Sを徹底し、お客さまを増やす』

店舗のQSC(Q=クオリティ・S=サービス・C=クリンリネス)の原点である「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」を意識した店舗運営をすることで、お客さま満足度向上に取り組んでまいりました。この取り組みの結果として、公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会が実施する2018年度「JCSI(日本版顧客満足度指数)」第1回調査の飲食部門にて、リンガーハットが2年連続で顧客満足度1位に選ばれました。また、日経トレンディ2018年6月号の全国200外食チェーン「消費者満足度ランキング」において、とんかつ濵かつが総合満足度1位を獲得しました

◆『改善のスピードを上げてA+B+Cを実現する』

「あらゆる無駄を排除することによって経営効率の向上を図る」という基本的な考え方のもと、A部門(営業・外販)、B部門(生産・購買)、C部門(物流)の各部門が改善を重ね、単独部門での効率化を目指すだけではなく、部門間での連携を強化しながら業務の流れを短縮し、相乗効果を生むことで企業活動体制の効率化に取り組んでまいりました

◆『人財を育成し時間当り採算を向上する』

「売上最大、経費最小、時間最短」という経営原則を基本とした、小集団(チーム)の独立採算制経営管理システムでは、「時間」もコストであるという考え方のもと、「時間当り採算」という重要指標を構成する最大の要素としての「人財」の育成に注力してまいりました

人財育成とフィロソフィー理念の浸透共有を図るため、「フィロソフィーセミナー」を年24回開催し、全社員及びパート・アルバイトリーダーが受講しております。これにより、個々人のフィロソフィーを体現することで、社員個人の生活の充実とともに、当社グループの更なる成長を目指すというモチベーションの向上にもつながっております

また、当連結会計年度中には、平成29年から毎年実施している従業員満足度調査を実施し、従業員の安定的な雇用確保やモチベーションの向上を図るとともに、当社グループ内におけるダイバーシティ(多様な人財の活躍)推進に役立てております。さらに、引き続き優秀なパート・アルバイト社員の店長登用制度を進めるとともに、女性が安心して職場で能力を発揮できる環境を整え、公私ともに充実した人生を支援するため、「リンガーハット ライフワークバランスBOOK」を作成、配布しております

出店政策におきましては、積極的にスクラップアンドビルドを行うとともにお客さまのニーズに寄り添った店舗づくりにも取り組んでおります

「長崎ちゃんぽんリンガーハット」のアッパー業態である「Ringer Hut Premium」やショッピングセンターフードコート内のとんかつ業態であり、商品温度とおいしさにこだわった「とんかつ大學」、長崎の郷土料理である卓袱料理を東京でも味わっていただける「長崎しっぽく浜勝銀座本店」などの出店を含み、計62店舗(うち海外では台湾に1店舗、タイに1店舗、カンボジアに1店舗、ベトナムに1店舗)を新規出店いたしました。

一方で、30店舗を退店した結果、当連結会計年度末では国内で781店舗、海外で17店舗、合計798店舗(うちフランチャイズ店舗222店舗)となり、前連結会計年度末比で32店舗の増加となりました

売上高につきましては、平成30年8月に価格改定を行いましたが、純既存店客数は前連結会計年度比で97.8%となり、純既存店売上高は前連結会計年度比99.3%となりました。さらに、原材料価格の高騰や運賃の上昇に加え、継続的な採用難による人財コストの上昇が続き、作業改善などの改善施策に取り組んでまいりましたが、高騰するコストを売上高の増加で吸収することができませんでした

以上の結果、当連結会計年度の売上高は469億28百万円前連結会計年度2.7%増)、営業利益は23億94百万円(同15.3%減)、経常利益は23億10百万円(同16.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億37百万円(同37.2%減)となりました。

セグメント別の概況は次のとおりであります。

<長崎ちゃんぽん事業>

「長崎ちゃんぽんリンガーハット」では、お客さまにおいしい料理を快適な雰囲気の中で、気持ちよく召し上がっていただけるよう、半期ごとに調理・サービスコンテストを、四半期ごとにクリンリネス向上のための5Sコンテストを開催し、QSCの向上に努めてまいりました。

商品施策としては、季節商品として、春には、あさりの旨みとあおさの香りを感じられる「あさりたっぷり春ちゃんぽん」を、夏には「冷やしちゃんぽん白」と「冷やしまぜめん黒」を、秋冬には定番の牡蠣を焼くことでより旨みが増した「かきちゃんぽん」など、四季を感じていただける商品を発売いたしました。また、テレビ番組の企画から発売された「ぎょうざちゃんぽん」や地域限定の「冷やしつけめん」、「博多ニラもつちゃんぽん」など、お客さまにより喜んでいただける訴求力のある商品提供に努めてまいりました

また、「長崎ちゃんぽんリンガーハット」のアッパー業態である「Ringer Hut Premium」など、お客さまにより楽しんでいただけるような新業態の開発に努めてまいりました。その一方で、店舗近隣のお客さまにも引き続き喜んでご利用いただけるよう、既存店の改装にも力を入れてまいりました。

人財に関しては、都心部店舗を主として外国人のパート・アルバイト採用が増えており、全体の1割を占めています。そのため、10年前より実施している初級・基本コースの外国人勉強会の開催回数を増やし、会社の経営理念の教育及び業務スキルの更なる向上を図っています

新規出店では、国内では福島県に初出店するなどショッピングセンターを中心に49店舗*1、海外ではベトナムに初進出するなど4店舗を出店し、リロケートを含む25店舗を退店した結果、当連結会計年度末の店舗数は、国内で672店舗、海外で15店舗*2の計687店舗(うちフランチャイズ店舗204店舗)となりました。(*1新業態のEVERY BOWLを含む)(*2Sobaya(米国ハワイ州)含む

以上の結果、売上高は362億37百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は17億92百万円(同10.4%減)となりました。

<とんかつ事業>

「とんかつ濵かつ」では、とんかつはシンプルな料理であるからこそ、厳選した「安全・安心」な食材にこだわり、そして「より多くのお客さまにお食事の楽しさを味わっていただくため、おいしいとんかつ料理を、いつでもおなかいっぱい召し上がっていただく」ことに努めてまいりました

商品施策としては、春には、ほのかに香る桜の葉と見た目が鮮やかなめんたいこを挟み込んだ「桜香るミルフィーユかつ」を、夏には季節の味くらべとして「粋」、「鮮」、「涼」をコンセプトにした「梅しそ巻」、「あじふらい」、「清涼おろしかつ」を、秋冬には広島産牡蠣を使用した「かきふらい」など、四季折々を楽しめる季節商品の販売に努めてまいりまし

また、テイクアウト用のお弁当箱を芝浦工業大学デザイン学部監修のもとリニューアルいたしました。新しいお弁当箱は、お渡し30分後でも60℃でサクサクの食感を維持できる保温構造となっており、ご自宅でもお店と同様の品質を味わえるようになっております。今後もお客さまにより一層ご満足いただけるよう、品質の向上に取り組んでまいります。

平成30年11月には、長崎の郷土料理「卓袱」を東京でも食したいという、お客さまの声に応えるべく、東京・銀座に「長崎しっぽく浜勝銀座本店」をオープンいたしました。長崎の郷土料理「卓袱」を広められるよう努めてまいります。

新規出店では、国内に2店舗、新業態のとんかつ大學5店舗を、長崎しっぽく浜勝銀座本店を1店舗出店し、5店舗を退店した結果、当連結会計年度末における店舗数は国内で109店舗、海外で2店舗、合計111店舗(うちフランチャイズ店舗18店舗)となりました。(和食業態の長崎卓袱浜勝、とんかつ大學を含む

以上の結果売上高は104億66百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業利益は3億56百万円(同43.6%減)となりました。

<設備メンテナンス事業>

設備メンテナンス事業は、当社グループ内直営店舗及びフランチャイズ店舗の設備維持メンテナンスに係る工事受注や機器類の保全などが主な事業であり、売上高は20億3百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は2億39百万円(同23.3%増)となりました。

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ45億43百万円減少し、14億31百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は31億51百万円(前連結会計年度比11.5%減)となりました。これは主に、減価償却費16億31百万円があったこと及び税金等調整前当期純利益13億82百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は70億80百万円(同130.4%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出68億43百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は5億83百万円(同83.1%減)となりました。これは主に、長期借入による収入25億30百万円及び自己株式の取得による支出14億25百万円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

 a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

7,564,074

104.7

とんかつ事業

1,383,610

93.5

合計

8,947,685

102.8

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.「設備メンテナンス事業」は、生産設備を有しないため、生産実績はありません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 b.店舗材料及び商品仕入実績

  当連結会計年度の店舗材料及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

2,184,837

99.1

とんかつ事業

1,368,041

99.8

設備メンテナンス事業

117,602

92.9

合計

3,670,482

99.1

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 c.受注状況

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

設備メンテナンス事業

155,770

99.0

合計

155,770

99.0

 (注)1.「設備メンテナンス事業」を除く事業については、店舗の販売予測に基づく生産を行っておりますので、該当事項はありません。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

長崎ちゃんぽん事業

36,237,313

104.2

とんかつ事業

10,466,265

97.9

設備メンテナンス事業

224,968

97.0

合計

46,928,548

102.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、退職給付に係る負債、繰延税金資産及び減損損失の計上など一部将来見積りに基づくものがありますが、これらの見積りは、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画に基づき、「退職給付に係る会計基準」「税効果会計に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準」等に準拠して実施しております。

②当連結会計年度の財政状態の分析・検討内容

a.資産

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ6億11百万円増加し、323億80百万円となりました。これは主に、現金及び預金が45億43百万円減少したこと及び有形固定資産が46億24百万円増加したことによるものであります。

b.負債及び純資産

負債は前連結会計年度末に比べ13億94百万円増加し、132億47百万円となりました。これは主に、長期借入金が14億90百万円増加したことによるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ7億82百万円減少し191億33百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.6ポイント減少し59.1%となりました。これは主に、第三者割当による自己株式の処分14億21百万によるものであります。

 

③当連結会計年度の経営成績の分析・検討内容

a.売上高、売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益

売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「③生産、受注及び販売の状況」に記載したとおりであります。

売上原価は、前連結会計年度に比べ3億16百万円増加し、150億64百万円となりました。これは主に売上高が前連結会計年度比12億45百万円の増収となったことによるものであります。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ13億60百万円増加し、294億69百万円となりました。これは主にパート・アルバイトの時給上昇に伴う人件費の増加と積極的な宣伝活動に伴う広告宣伝費の増加によるものであります。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ4億31百万円減少し、23億94百万円となりました。

b.営業外損益及び経常利益

金融収入(受取利息及び受取配当金)から金融費用(支払利息及び社債利息)を差引いた金融収支は、当連結会計年度は前連結会計年度に比べて5百万円費用が減少し15百万円の費用となりました。これは主に、期中平均有利子負債残高の減少によるものであり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(利払能力:営業キャッシュフロー/利息の支払額)は、99.2倍(前年同期99.9倍)となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ4億71百万円減少し、23億10百万円となりました。

c.特別損益及び当期純損益

特別利益は、87百万円となりました。

これは主に受取補償金が24百万円増加したこと及び投資有価証券売却益が9百万円減少したことによるものであります。

特別損失は、前連結会計年度に比べ2億96百万円増加し、10億15百万円となりました。

これは主に固定資産除却損が2億3百万円増加したことによるものであります。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4億95百万円減少し、8億37百万円となりました。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析・検討内容

当社グループの資金の源泉は、「現金及び現金同等物」と「営業活動によるキャッシュ・フロー」であります。

一方、当社グループの主な運転資金需要は、当社グループ販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費及び店舗オーナーへの支払賃借料等であり、主な設備投資需要は、新規出店、店舗改修及び工場設備投資に係る投資資金であります。

したがいまして、運転資金と設備投資資金については、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。

なお、営業活動及び財務活動により獲得したキャッシュ・フローを有形固定資産の取得に充当しておりますので、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ45億43万円減少し、14億31百万円となりました。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

(1) 研究開発活動の体制

当社グループにおける研究開発活動は「生産技術研究所」、「モデル店舗開発チーム」を設け、それぞれ専任担当者を置いて各チームごとに研究開発活動にあたっております。

また、店舗のメニュー開発は「リンガーハット商品開発チーム」と、「浜勝商品開発チーム」が担当しております。

「生産技術研究所」においては店舗、工場の設備・機器・システムの研究開発と機器の内製化を推進することにより品質の向上とコストダウン及びノウハウの蓄積を担うべく活動しております。

「モデル店舗開発チーム」においては経営目標達成のために、お客さまのニーズにあった「競争力の高い」モデル店舗をつくりあげる企画開発を各業態、関連組織と連携して活動しております。

「商品開発チーム」においては商品戦略を業態別にロードサイド、フードコート、都心ビルインに分け年間商品開発カレンダーに落とし込み、商品コンセプト策定、消費者ニーズ等の調査、試作、役員試食、消費者試食、オペレーション検証と機器開発、自社工場製造ラインテスト、品質保証チームによる食品衛生チェックを経て、販売を決定する体制をとっております。

ちゃんぽん麺、皿うどん用フライ麺、ぎょうざ、チャーハンをはじめ多くの材料を自社工場で生産するシステムをとり「他社との絶対的な商品の差別化」を図っている当社グループでは、「商品開発チーム」は、素材調達を担当する「購買チーム」及び生産・加工を担当する「生産チーム」と連携して商品開発活動を行っております。

また、販売に際しては、店舗オペレーションマニュアルの作成と周知、店舗責任者への教育・訓練を「トレーニングチーム」と連携して行っております。

 

(2) 研究開発活動の方針

「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」という企業ミッションを達成するために、研究開発におきましては「お客さまに喜んで頂ける研究開発活動を推進する」こと、商品開発におきましては「健康的で高品質な商品を手頃な価格で提供する」ことをその活動基本方針としております。国内にせまる少子高齢化対応、国内外の多様化する消費者ニーズ等、時代の変化、販売拠点の変化に対応、あるいは企業側からの積極的新提案ができるよう、業界動向、消費者調査、来店客調査から得られる情報を活動方針に反映させております。

 

(3) 当連結会計年度における研究開発活動

① 長崎ちゃんぽん事業

 a.ちゃんぽん類の開発

春の新たな季節定番商品として「あさりたっぷり春ちゃんぽん」を販売し、夏には定番商品として定着しつつある「冷やしちゃんぽん」をブラッシュアップして提供いたしました。秋には「かきちゃんぽん」の調理方法を大幅に見直し、冬には「角煮ちゃんぽん」「醤油ちゃんぽん」を展開いたしました

 b.新たな店舗展開

平成30年6月に福島県に初出店いたしました。これにより、福井県を除く全国46都道府県に出店したことになります。今後もフードコートを中心に全国への展開を進めてまいります。

また、「女性のお客様が一人でも利用しやすいリンガーハット」をコンセプトに、既存の店舗と具材や商品のラインナップ、内装で差をつけた「RINGERHUT PREMIUM」の出店も拡大しております。都市部や駅前のショッピングモールなどの出店余地が狭まりつつある中で、これまで出店できなかった高級商業施設や高級住宅地への出店を拡大していく方針で進めております

 c.価格改定について

平成30年8月より、一部店舗を除く国内646店舗において価格改定を実施いたしました。平成21年より安全・安心で新鮮な国産野菜を使用しておりましたが、昨今の天候不順により国産野菜の安定した確保が厳しい状況が続いたこと、そして人件費及び物流費の高騰もあり、この度の決断に至りました。今後もリンガーハットでは美味しさを追求し、すべてのお客様に高品質な商品を提供するべく努めてまいります。

 d.食の安全・安心・健康について

食の安全・安心・健康を確保するため、今後も店頭及びホームページにて原産地情報及びアレルギー情報等の開示を積極的に行ってまいります。

また、低糖質市場の広がりに伴い平成31年3月より通常のちゃんぽん麺から糖質を30%オフした「低糖質ちゃんぽんめん」の販売をいたしました。現在は低糖質のフライメンやたんぱく質を強化した商品の開発に取り組んでおります。今後も美味しさにこだわったヘルシーメニューの開発に取り組んでまいります

上記の結果、当連結会計年度中に長崎ちゃんぽん事業の研究開発に投資した金額は、83,932千円であります。

 

② とんかつ事業

 a.とんかつ類の開発

春の定番商品「桜香るミルフィーユかつ」をブラッシュアップし「二種のミルフィーユかつ盛り合わせ膳」「桜香るミルフィーユかつとヒレ膳」「桜香るミルフィーユかつとチキン膳」の3商品を開発し販売しました。

また、夏の商品として「梅しそ巻とヒレ膳」をブラッシュアップするとともに、長崎産の真鯵を使用した「長崎産あじふらいととんかつ膳」夏に向けてさっぱりとした「ロースとヒレの清涼おろしかつ膳」を開発し販売しました。

秋冬の商品として「かきふらいとヒレ膳」の販売、その他のかきを使用した商品として「かきふらいととんかつ膳」「国産海鮮ふらい膳」「かきふらいと塩糀ささみかつ膳」を開発し販売しました。

 b.中食商品の開発

ハレの日需要の商品として三段重のオードブル「絢爛」を開発し販売しました。

また、軽食需要への対応として「濵かつのおいなりさん」を開発し付随する商品として「かつサンドとおいなりさん」「おいなりさんセット」を開発し販売しました

 c.具沢山味噌汁の開発

あさりをふんだんに使用した「貝汁」、具を増量し豚バラを黒豚のバラ肉にブラッシュアップした「国産具材の黒豚豚汁」を開発し販売しました

 d.地域商品の開発

五島うどんを使用した「かつとじうどん」などうどん商品、黒豚のバラ肉を使用した「ゆず塩鍋膳」「チゲ鍋」「黒豚しゃぶしゃぶ」など鍋商品を開発し販売しました。

また、フードコートモデルの「とんかつ大學」用の商品として「じゃがいもととうもろこしのコロッケ」「タルチキ定食」「トマチキ定食」「かつカレー」「大學丼」「いかの塩辛」「エビとヒレかつ定食」「ヒレかつ丼」を開発し販売しました。

 e.その他開発

テイクアウトの拡大販売に向けて温かいまま提供できるよう弁当用の保温材と吸着剤のブラッシュアップをおこない、全店展開しました。

上記の結果、当連結会計年度中にとんかつ事業の研究開発に投資した金額は、48,343千円であります。

 

③ セグメントに区分できない基礎研究開発活動

 生産技術研究チーム

 a.京都工場稼働体制構築(躯体改造・生産ライン)

 b.佐賀工場 第1種指定工場を視野に入れエネルギー管理システム(DCS)構築検討

 c.エネルギー管理や稼働率確保のため新冷凍方式検討(LN2冷凍)液体窒素使った冷凍麺ライン

 d.佐賀第3工場(もやし)稼働体制構築(躯体改造・生産ライン)

 

以上、当連結会計年度中に研究開発活動へ投資した金額の合計は、各セグメントに区分できない費用19,422千円を含め、151,698千円であります。