第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調で推移いたしましたが、年度末にかけては新興国の景気減速や円高の進行などにより景気停滞感が強まりました。また、個人消費にも力強さが見られない状況で推移しており、先行きは不透明な状況が継続しております。
 このような環境のなかで、当社グループは各事業において下記のような諸施策を実施した結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,885億94百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益177億89百万円(前年同期比6.5%減)、経常利益176億27百万円(前年同期比6.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益97億11百万円(前年同期比4.7%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。

(ファッション事業)
 AOKIでは、「プレミアムウォッシュスーツ」等の機能性商品やお好みのデザインに仕立てられる「パーソナルオーダースーツ」の提案の強化及びビジカジ(ビジネス&カジュアル)スタイルのニーズの高まりに対応し、秋冬よりORIHICA(オリヒカ)とコラボレーションしたセットアップスーツを展開いたしました。また、就活生に向けた「究極の就活スーツ」を発売するとともに、年々顧客層が広がっている女性のお客様に向けた「楽・らく・キレイ」シリーズを展開するなど、レディス商品の更なる拡充を図りました。営業面では、「あなたのスタイリストAOKI」の浸透とスタイリング接客により客単価が上昇いたしました。店舗面では、イトーヨーカドーへの初出店を含め12店舗を新規出店する一方、移転等により2店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は567店舗(前期末557店舗)となりました。
 ORIHICAは、昨年の10月に初のテレビCMを開始し新たなお客様への訴求を図りました。また、ビジネススタイルの多様化に対応したジャケット・パンツスタイルの「THE 3rd SUITS(サードスーツ)」を展開し、20代から40代のビジネスマンを中心にご好評をいただきました。店舗面では、12店舗を新規出店する一方、営業効率改善のため9店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は144店舗(前期末141店舗)となりました。
 これらの結果、新規出店効果や客単価の上昇及びORIHICAが堅調に推移したこと等により、売上高は1,140億15百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は夏のビジネススタイルの変化や暖冬の影響等により既存店が苦戦し98億18百万円(前年同期比8.9%減)となりました。

(アニヴェルセル・ブライダル事業)
 ゲストハウスウエディングスタイルの挙式披露宴施設を展開しているアニヴェルセル株式会社は、施設の活性化として「アニヴェルセル 表参道」の1階エントランスホールをはじめ、6施設のリニュ-アルを実施いたしました。また、オリジナルジュエリー及びベビーリングの販売並びにオリジナルティアラのレンタル及びプロポーズプランを強化いたしました。
 これらの結果、組単価は維持できたものの施行組数の減少等により、売上高は293億21百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は35億91百万円(前年同期比14.6%減)となりました。

(カラオケルーム運営事業)
 株式会社ヴァリックのカラオケルーム運営事業は、期間限定メニューの強化及び法人企業や団体のニーズに合わせたパーティーコースの提案を強化するとともに、有名アーティストや人気キャラクターとのコラボレーションキャンペーンを実施し来店促進を図りました。また、世界初となる最新映画をカラオケルームで鑑賞できるプライベートシネマ「シネカラ」のサービスをスタートいたしました。店舗面では、駅前を中心に8店舗を新規出店するとともに大阪地区の7店舗を譲り受けた一方、1店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は、183店舗(前期末169店舗)となりました。
 これらの結果、売上高は182億40百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益はリニューアル費用等が増加し14億89百万円(前年同期比13.0%減)となりました。

 

(複合カフェ運営事業)
 株式会社ヴァリックの複合カフェ運営事業は、期間限定メニューの強化及び各種タイアップキャンペーンや快活アプリの導入など様々なサービスの充実により来店促進を図りました。設備面では、アミューズメントコンテンツの拡充や女性専用エリアの拡大を目的として18店舗のリニューアルを行い既存店の活性化に注力いたしました。店舗面では、初の女性専用店舗や駅前出店を含め36店舗を積極的に新規出店する一方、1店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は295店舗(前期末260店舗)となりました。
 これらの結果、新規出店効果と既存店が引き続き好調に推移したことにより、売上高は270億54百万円(前年同期比19.1%増)、営業利益は22億91百万円(前年同期比26.8%増)と増収増益になりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

18,685百万円

12,610百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△16,324

△6,969

財務活動によるキャッシュ・フロー

4,245

△7,306

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

6,606

△1,665

現金及び現金同等物の期首残高

22,619

29,226

現金及び現金同等物の期末残高

29,226

27,560

 

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の減少等により、前連結会計年度末と比べ16億65百万円減少し、275億60百万円となりました。
 営業活動により得られた資金は、126億10百万円(前年同期と比べ60億75百万円減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が153億39百万円及び減価償却費が76億77百万円となった一方、法人税等の支払額及び還付額の純支出額が71億9百万円となったことによるものです。
 投資活動により使用した資金は、69億69百万円(前年同期と比べ93億55百万円減少)となりました。これは主に、設備投資のための有形固定資産の取得57億77百万円、敷金及び保証金の差入10億89百万円によるものです。
 財務活動により使用した資金は、73億6百万円(前年同期は42億45百万円の収入)となりました。これは主に、設備資金のための長期借入れを50億円実施した一方、長期借入金の約定返済44億50百万円、リース債務の返済18億99百万円、自己株式の取得23億15百万円及び配当金の支払い34億39百万円実施したことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産、受注実績

当社グループは、主に小売事業を展開しておりますので、生産、受注実績については、記載しておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

仕入高
(百万円)

前年同期比
(%)

ファッション事業

 

 

 重衣料

(スーツ、フォーマル他)

17,234

94.1

 中衣料

(ジャケット、スラックス)

3,937

97.2

 軽衣料

(シャツ、ネクタイ、ベルト
カジュアルウェア他)

13,583

91.1

 レディス

(ジャケット、スカート他)

7,736

114.8

 その他

(補正代等)

3,049

101.0

ファッション事業計

45,542

96.8

 アニヴェルセル・
 ブライダル事業

(ブライダル関連のサービス等
の提供)

20,143

95.4

 カラオケルーム
運営事業

(カラオケルームの運営)

14,844

106.4

 複合カフェ
運営事業

(複合カフェの運営)

22,197

118.7

合計

102,727

101.9

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

売上高
(百万円)

前年同期比
(%)

ファッション事業

 

 

 重衣料

(スーツ、フォーマル他)

48,743

99.8

 中衣料

(ジャケット、スラックス)

8,810

97.5

 軽衣料

(シャツ、ネクタイ、ベルト
カジュアルウェア他)

34,502

99.9

 レディス

(ジャケット、スカート他)

18,688

109.2

 その他

(補正代等)

3,265

103.9

ファッション事業計

114,010

101.2

 アニヴェルセル・
 ブライダル事業

(ブライダル関連のサービス等
の提供)

29,291

94.8

 カラオケルーム
運営事業

(カラオケルームの運営)

18,238

104.1

 複合カフェ運
営事業

(複合カフェの運営)

27,053

119.1

合計

188,594

102.6

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

次期におきましては、雇用や所得環境の改善及び政府の各種政策を背景に景気は緩やかな回復基調で推移するものと思われますが、海外経済や為替、消費税率引き上げの動向など、先行きは予断を許さない状況が続くものと思われます。このような環境のなかで、当社グループは時代の変化に伴う消費者ニーズの多様化に対応した諸施策を実施し、機動的、効率的な経営を推進するとともに、新規出店の継続と既存店の活性化に積極的に取り組み、事業基盤の強化に努めてまいります。
 ファッション事業のAOKIは、中期的な成長を見据えた積極的な改装投資の実施とスタイリスト制度の深耕により既存店の活性化に注力するとともに、多様化する消費者ニーズへの対応を的確に行い、お客様満足を追求してまいります。ORIHICAは、商品力や営業力の強化を継続するとともに、業務効率の向上により収益力を更に強化してまいります。新規出店は、ファッション事業で13店舗を予定しております。
 アニヴェルセル・ブライダル事業は、各施設の強みやコンセプトを明確に訴求し、アニヴェルセルのブランド力向上を図るとともに、業務の改善や施設のリニューアル等により、営業効率の改善を図ります。
 カラオケルーム運営事業は、期間限定メニューやパーティーコースの強化、各種コラボレーションキャンペーンの実施及び積極的なリニューアルによる既存店の活性化に注力するとともに、年間9店舗の新規出店を予定しています。
 複合カフェ運営事業は、多彩なコンテンツの拡充と各種メニューの強化に注力し、業態の進化を図るとともに、女性専用エリアの拡大及び駅前への出店を中心に44店舗の積極的な新規出店を行い、ドミナント化を推進してまいります。

 以上の諸施策を的確に実施し、業績の向上に全力を上げて邁進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 

(1) 経済状況について

当社グループの特にファッション事業は、国内の経済状況、個人消費の動向により業績に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(2) 当社の店舗展開について

① 当社グループは、主にチェーンストア方式で直営の店舗展開を行っており、当連結会計年度末において、1,203店舗を展開しております。

出店が計画どおり行えない場合には、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

② 当社グループは、主に地域での知名度の向上、広告宣伝費の効率化、管理コストの抑制等を目的にドミナント出店(一定の地域に集中的に出店する)戦略をとっております。現在の店舗展開は、関東、中部、近畿が中心となっており、今後も同地域及び新たな地域への出店を行っていく方針ですが、立地の確保ができない場合や店舗間の距離が近すぎて自社競合が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人財の確保及び育成について

当社グループについて、ファッション事業ではお客様のご要望に応じて適切なコーディネートを提案できる販売員育成のための「スタイリスト制度」を、その他事業についても独自の教育プログラムを運用するなど、お客様に対する接客サービスを重視しております。
 事業の拡大のためには新規出店等による市場シェアの拡大が重要となりますが、人財の確保や教育が十分に行われない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 個人情報の管理について

当社グループは、店頭販売等において個人情報を取得し、ダイレクトメール等に利用しております。個人情報の管理については、コンプライアンスマニュアルの策定、法令遵守に向けた管理者の制限などにより十分な対策をとっておりますが、個人情報の流出が発生した場合には、信用力の低下による売上高の減少等の悪影響がでる可能性があります。

 

(5) 経営成績の季節的変動について

当社グループの売上高は、特にファッション事業において季節的変動があり、夏季の第2四半期(7月から9月)が減少する一方、就活需要、新入学や入社需要にあたる第4四半期(1月から3月)が増加し、営業利益は著しく変動する傾向があります。

 

(6) 生産地域について

ファッション事業の商品の多くは、中国などのアジア諸国において生産し商社等から仕入れております。このため、生産諸国の政治や経済、法制度等の著しい変動や大規模な自然災害の発生などにより、商品調達や原価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) アニヴェルセル・ブライダル事業の市場環境等について

全国の婚姻件数は緩やかに減少する傾向にあるなか、ゲストハウスウエディングのシェアは横這いから低下傾向となっており、他業態からの参入などもあり競争は激化しております。今後、ブライダル市場の縮小や競争激化、挙式披露宴スタイルの急激な変化などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 食の安全性について

アニヴェルセル・ブライダル事業では挙式披露宴、カラオケルーム運営事業及び複合カフェ運営事業では飲食を提供しており、食品衛生法の規制を受けております。各事業の衛生管理については、社内マニュアルの徹底、内部監査や外部企業によるチェック等万全を期しておりますが、食中毒の発生や重大な品質トラブルが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定の取引先への依存について

カラオケルーム運営事業において、カラオケ機器の仕入先を株式会社エクシング及び株式会社第一興商の2社に依存しております。両社との取引関係は良好ですが、今後これらの企業との契約条件の変更や契約が解除された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 減損会計について

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、当連結会計年度に減損損失を19億17百万円計上しております。今後も立地環境の変化等により損益が継続してマイナスとなる営業店舗及び転貸店舗等が発生し減損が認識された場合には、減損損失の計上により業績への影響を受ける可能性があります。

 

(11) 大規模災害による影響について

当社グループの国内拠点は、特に関東地区においてドミナント化されており、この地区において大規模災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を受ける可能性があります。

 

 以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものです。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億96百万円増加し、2,303億63百万円となりました。
 流動資産は、現金及び預金が設備投資等により16億65百万円減少した一方、売掛金及びたな卸資産が新規出店等によりそれぞれ4億45百万円及び13億58百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ1億29百万円増加いたしました。固定資産は、有形固定資産が減価償却等により4億62百万円減少した一方、繰延税金資産が6億66百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ67百万円増加いたしました。
 流動負債は、買掛金が仕入高の減少等により18億45百万円、未払金が未払消費税の減少等により16億18百万円及び未払法人税等が11億19百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ51億48百万円減少いたしました。固定負債は、設備投資のための長期借入金が9億50百万円及び退職給付に係る負債が4億70百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ20億円94百万円増加いたしました。
 純資産の部は、資本剰余金が自己株式の取得及び消却により9億23百万円減少した一方、自己株式が13億91百万円並びに利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益及び剰余金の配当の結果62億70百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ32億51百万円増加しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」といいます。)と比べ47億88百万円(2.6%)増加し、1,885億94百万円となりました。この主なものは、ファッション事業で24店舗(AOKI12店舗、ORIHICA12店舗)、カラオケルーム運営事業で15店舗(7店舗の譲受け含む)及び複合カフェ運営事業で36店舗の新規出店によるものです。

売上原価は、前期と比べ44億4百万円(4.5%)増加し、1,014億24百万円となりました。この主なものは、売上高と同様に新規出店等による増加及びファッション事業における仕入原価の上昇によるものです。

販売費及び一般管理費は、前期と比べ16億22百万円(2.4%)増加し、693億80百万円となりました。この主なものは、新規出店に伴う費用が増加したことによるものです。

これらの結果、営業利益は複合カフェ運営事業が増加となった一方、その他の事業が減少したことで、前期と比べ12億38百万円(6.5%)減少し177億89百万円となりました。

営業外収益は、前期と比べ17百万円(1.5%)増加し、営業外費用は、主に固定資産除却損が増加したことにより65百万円(5.1%)増加いたしました。

これらの結果、経常利益は前期と比べ12億86百万円(6.8%)減少し、176億27百万円となっております。

特別利益は、投資有価証券売却益が68百万円発生し、特別損失は訴訟和解金が発生したこと等により、前期と比べ4億14百万円(21.3%)増加いたしました。

これらにより、税金等調整前当期純利益は16億32百万円(9.6%)減少し、153億39百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ4億73百万円(4.7%)減少し、97億11百万円となりました。

なお、セグメント別の売上高、セグメント利益(営業利益)の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。