第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀の金融緩和により企業収益や個人消費、雇用・所得環境の改善など景気は緩やかな回復基調で推移しました。その一方で、原油価格の下落、事業年度末にかけた急速な円高傾向、海外経済の動向など依然先行きは不透明な状況で推移しました。

 外食業界におきましては、期初の株高などによる消費マインドの改善から個人消費の持ち直しがみられたものの、円安などの影響から原材料価格の上昇や人材の不足、異業種との競争など依然として厳しい経営環境で推移しました。

 このような経営環境の中で当社は、2店舗の新規出店、1店舗の改築、1店舗の改装、2店舗の業態転換(鈴のれんからじゃんじゃん亭、穂の里)、6店舗の退店を実施し、その結果、当事業年度末の店舗数は165店舗(前事業年度末比4店舗減少)となりました。

 営業面では、旬の食材による料理や接客サービスの充実に努めるとともに、春の歓送迎会、GW、夏休み、忘年会などの季節毎のイベントを中心に販売促進活動を実施した結果、客数が微減となったものの、客単価が上昇し、売上高は前事業年度と比べ1.7%の増加となりました。

 費用面では、円安、天候不順などによる食材の値上がりや、労働需給の逼迫による採用費が増加する一方、原油価格の下落などにより光熱費が減少いたしました。

 この結果、当事業年度の売上高は441億61百万円(前事業年度比1.7%増加)、営業利益は5億2百万円(同114.2%増加)、経常利益は4億97百万円(同80.3%増加)となりました。また、特別損失として、固定資産除却損36百万円、減損損失6億52百万円、合計6億88百万円(前事業年度は6億60百万円)を計上しました。

 以上の結果、当期純損失は3億88百万円(前事業年度は当期純損失6億1百万円)となりました。1株当たり当期純損失は15.03円(前事業年度は1株当たり当期純損失23.27円)となりました。

 

 当事業年度におけるセグメント別の概況については、当社の事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。

 

木曽路部門

 しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」部門は、1店舗の新規出店、1店舗の改築により、当事業年度末の店舗数は119店舗(前事業年度末比1店舗増加)となりました。

 営業面では、春の歓送迎会、GW、夏休み、忘年会などの季節毎のイベントや恒例の「和牛しゃぶしゃぶ祭り」を実施するとともに「松茸」「鮑」「ふぐ」など付加価値の高い旬のメニューの充実に努めました。その結果、売上高は370億72百万円(前事業年度比 2.0%増加)となりました。

 

素材屋部門

 居酒屋の「素材屋」部門は、関西地区4店舗すべての退店により、当事業年度末店舗数は14店舗(同4店舗減少)となりました。

 営業面では、旬のメニューの充実や焼酎のお値打ち販売、平日限定フェアの実施並びに季節毎の宴会獲得により来店客数の増加に努めましたが、店舗の減少等により、売上高は25億97百万円(同 5.0%減少)となりました。

 

じゃんじゃん亭部門

 焼肉の「じゃんじゃん亭」部門は、1店舗の新規出店、1店舗の改装、1店舗の業態転換により、当事業年度末店舗数は10店舗(同2店舗増加)となりました。

 営業面では、全店で食べ放題メニューの拡販、タッチパネルによる利便性の向上及びスピード提供に取組むとともに、法人や学生のイベントに合わせた予約獲得活動を実施しました。その結果、売上高は15億97百万円(同 55.0%増加)となりました。

 

とりかく部門

 鶏料理の「とりかく」部門は、店舗の異動はなく、当事業年度末店舗数は10店舗であります。

 営業面では、歓送迎会、忘年会など宴会メニューをより充実させ、また、こだわりの旬の一品提供などを行いましたが、売上高は10億60百万円(同 0.0%減少)となりました。

 

鈴のれん部門

 和食レストランの「鈴のれん」部門は、2店舗の退店、2店舗の業態転換(じゃんじゃん亭、穂の里)、当事業年度末店舗数は鈴のれん5店舗(同4店舗減少)、穂の里1店舗(同1店舗増加)となりました。

 営業面では、季節のメニューや宴会メニューなどの料理とともに接客サービスの充実に努めましたが、当事業年度中の退店及び業態転換が響き、売上高は10億49百万円(同 26.4%減少)となりました。

 

ウノ部門

 ワイン食堂の「ウノ」部門は、店舗の異動はなく、当事業年度末店舗数は6店舗であります。

 営業面では、豊富な種類のワインを取り揃え、また、季節ごとのフェアの実施やパーティーコースの充実などに努めましたが、売上高は7億3百万円(同 4.8%減少)となりました。

 なお、5店舗の撤退及び業態転換を決定しております。

 

その他部門

 その他部門は、外販(しぐれ煮、胡麻だれ類)、不動産賃貸等であります。

 その売上高は81百万円(同 2.9%減少)であります。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度のキャッシュ・フローは、営業活動から得られたキャッシュ・フローは、14億46百万円の流入超過(前事業年度比90百万円の減少)となりました。主な内容は、減価償却費12億31百万円、減損損失6億52百万円、仕入債務の増加額1億3百万円などに対し、未払消費税等の支出3億71百万円及び税引前当期純損失1億88百万円などであります。

 投資活動に使用されたキャッシュ・フローは11億19百万円の流出超過(同 4億76百万円の増加)となりました。主な内容は、店舗などの有形固定資産の取得による支出7億49百万円、投資有価証券の取得による支出4億円であります。

 財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、4億78百万円の流出超過(同 24百万円の減少)となりました。主な内容は、リース債務の返済による支出85百万円と配当金の支払額3億61百万円であります。

 以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ1億50百万円減少し、134億3百万円となりました。

 

2【販売及び仕入の状況】

(1)販売実績

   当社の事業は飲食店としての事業がほとんどを占める単一セグメントであります。当事業年度における販売実績の内訳を部門別・地域別に示すと次のとおりであります。

① 部門別販売実績

部門別

当事業年度

(自 平成27年 4月 1日

至 平成28年 3月31日)

前事業年度比(%)

木曽路(百万円)

37,072

102.0

素材屋(百万円)

2,597

95.0

じゃんじゃん亭(百万円)

1,597

155.0

とりかく(百万円)

1,060

100.0

鈴のれん(百万円)

1,049

73.6

ウノ(百万円)

703

95.2

その他(百万円)

81

97.1

合計(百万円)

44,161

101.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

 

② 地域別販売実績

地域別

当事業年度

(自 平成27年 4月 1日

至 平成28年 3月31日)

前事業年度比(%)

愛知県(百万円)

12,598

105.6

岐阜県(百万円)

848

103.6

三重県(百万円)

731

95.0

静岡県(百万円)

356

103.1

東京都(百万円)

12,093

99.4

神奈川県(百万円)

3,027

100.8

埼玉県(百万円)

3,196

98.7

千葉県(百万円)

1,347

100.0

茨城県(百万円)

271

92.5

群馬県(百万円)

282

103.5

栃木県(百万円)

266

104.4

奈良県(百万円)

264

101.0

和歌山県(百万円)

253

102.2

大阪府(百万円)

5,488

97.8

兵庫県(百万円)

2,153

101.8

福岡県(百万円)

980

131.6

合計(百万円)

44,161

101.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

項目別

当事業年度

(自 平成27年 4月 1日

至 平成28年 3月31日)

前事業年度比(%)

原材料

肉類(百万円)

3,892

112.1

 

野菜類(百万円)

1,512

102.6

 

魚介類(百万円)

2,888

99.7

 

調理済加工食品(百万円)

2,467

102.7

 

飲料(百万円)

1,750

99.4

 

米・パン類(百万円)

517

98.0

 

乳製品(百万円)

185

105.5

小計(百万円)

13,214

104.0

商品

店頭商品(百万円)

172

98.0

合計(百万円)

13,387

103.9

 (注)1.店頭商品とは菓子類及び胡麻だれ等であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 外食企業を取り巻く経営環境は、少子・高齢化を背景とした人口減少による市場規模の縮小や労働力不足、原材料やエネルギーコストの上昇、食の安全性確保や環境保護など様々なリスクへの対応が必要となり、また、消費者の食意識が成熟することにより嗜好やニーズの多様化が一層進み、価値指向、健康指向、安全指向は一段と強まっています。

 このような環境変化のなか、会社業績の回復・進展と企業価値の向上を追求するため次のような課題に取り組んでいきます。

 第一は、「経営基盤の強化」であります。コンプライアンスの徹底に向け、教育体制の整備や確実な衛生管理による食の安全・安心の提供とともに厳正な内部監査を実施してまいります。また、組織活性化に向け、働く環境の改善や営業部・管理部の連携強化に取り組みます。

 第二は、「営業基盤の強化」であります。経営理念の実践や木曽路行動憲章を再確認することで規律礼節・誠実さを重んじる企業風土を築き上げていきます。また、多様化するお客様のニーズにお応えするために料理の品質や接客サービス力を向上させ、確実な衛生安全の確保はもとより、マニュアルを超えて、ひとり一人のお客様に美味しい料理と適正なサービスを提供できるように取り組みます。

 第三は、「収益基盤の強化」であります。木曽路部門の業績回復を最重要課題として改革を推進し、変化する経営環境に適合したビジネスモデルを常に模索し、強固な収益基盤の構築を目指します。また、外食市場の縮小傾向が続く中で成長を遂げるため、新規出店、業態のブラッシュアップとともに商品・業態・技術の開発・展開に積極的に取り組みます。

 

4【事業等のリスク】

  (1)業績の季節変動について

 当社の主力商品である「しゃぶしゃぶ」の需要は、年末・年始を含めた冬季に高まるため、当社の売上高及び営業利益は下半期に片寄る傾向があります。

 最近5年間の状況は下表のとおりです。

 

売上高

営業利益

上半期

下半期

通 期

上半期

下半期

通 期

平成24年3月期(百万円)

19,771

24,378

44,150

△921

2,173

1,251

構成比(%)

44.8

55.2

100.0

100.0

平成25年3月期(百万円)

20,586

24,805

45,391

△847

2,343

1,496

構成比(%)

45.4

54.6

100.0

100.0

平成26年3月期(百万円)

20,335

25,386

45,721

△773

2,164

1,390

構成比(%)

44.5

55.5

100.0

100.0

平成27年3月期(百万円)

20,219

23,211

43,430

△999

1,233

234

構成比(%)

46.6

53.4

100.0

100.0

平成28年3月期(百万円)

19,741

24,420

44,161

△1,041

1,543

502

構成比(%)

44.7

55.3

100.0

100.0

 (注)今後につきましても、下半期依存型の傾向は続くことが考えられます。

 

    (2)原材料の調達について

当社の原材料仕入額において、肉類、野菜、魚介類が50%以上を占めています。異常気象や大規模災害、安全性問題の発生等により、これらの食材の調達が広範囲かつ長期にわたり阻害された場合には、当社業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

   (3) 主力商品への依存

当社の主力商品である「しゃぶしゃぶ」の売上が予期せぬ事情によって著しく減少した場合には、他商品の売
上で補うことが困難になる可能性があります。

 

     (4) 出店用地の確保

当社はチェーンレストランとして計画的な出店により業容の拡大を図っていますが、競合状況の変化や土地所有者の都合などにより適切な出店用地を確保できない場合には、出店計画の進捗が遅れ、当社の成長性に影響を及ぼす可能性があります。

 

     (5) 個人情報の管理

当社は多数の顧客情報を有しており、その管理に万全を期していますが、予期せぬ事情によって情報流出や不正使用等が発生した場合には、その対応のために多額の費用が発生する可能性があります。

 

     (6) 品質問題

当社は食品の安全性の観点から、最適な品質を確保すべく社内体制を整備・運営していますが、予期せぬ事情によって食品事故等の問題が発生する可能性は否定できません。

 

     (7) 食品の安全性問題

食品の安全性確保については社内体制を整備・運営していますが、社会的な食品安全性問題が発生した場合には、顧客の外食需要が抑制され、来店客の減少等、業績が影響を受ける可能性があります。

 

     (8) 立地環境の変化

当社は、店舗を最小単位として固定資産をグルーピングしていますが、店舗の立地環境が大きく変化し、その結果、店舗の業績が悪化し投下資金の回収が困難になる場合には、減損損失又は店舗撤退に伴う固定資産除却損が発生する可能性があります。

 

     (9) 大規模災害

当社の店舗網は、関東・東海・関西・北九州の大都市圏に集中していますが、これらの地域で巨大地震等の大規模災害が発生した場合には、当社業績が大きく影響を受ける可能性があります。

 

なお、文中の将来に関する事項の判断につきましては、有価証券報告書提出日現在においてなされたものであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)当事業年度の経営成績の分析

 当社の当事業年度の経営成績は、「1 業績等の概要(1)業績」に記載したとおりであります。

 売上高に関しましては、旬の食材による料理や接客サービスの充実に努めるとともに、春の歓送迎会、GW、夏休み、忘年会などの季節毎のイベントを中心に販売促進活動を実施した結果、客数が微減となったものの、客単価が上昇し、売上高の伸び率は1.7%(既存店は0.8%)の増加となりました。

 売上高原価率は、一部の食材の値上がりやメニュー政策により、前事業年度に比べ0.8%増加の32.7%となりました。

 売上高営業利益率は、前事業年度に比べ0.6ポイント増加の1.1%となりました。これは、売上高原価率が0.8ポイント上昇したものの、水道光熱費等の減少により変動比率が0.9ポイント低下、売上高の伸び率が1.7%となったことなどによるものであります。経常利益は、営業利益の増加により前事業年度に比べ2億21百万円の増益となり、売上高経常利益率は、前事業年度に比べ0.5ポイント上昇の1.1%となりました。

 

(2)当事業年度の財政状態の分析

 当事業年度の財政状態は、次のとおりであります。

 当事業年度末の総資産は376億14百万円で前事業年度末比5億98百万円の減少となりました。これは主に、固定資産5億87百万円の減少で、保証金の回収や減価償却、除却、減損処理などによる固定資産の減少額が店舗等の設備投資額を上回ったことによるものであります。

 一方、負債は、89億54百万円で前事業年度末比2億64百万円の増加となりました。これは、未払消費税が減少する一方で未払法人税等が増加したことによるものであります。また、当事業年度末の純資産は286億59百万円で前事業年度末比8億62百万円の減少となりました。主な要因は、当期純損失3億88百万円(減少)、剰余金の配当3億61百万円(減少)、投資有価証券評価差額金1億10百万円(減少)であります。

 以上の結果、当事業年度末の自己資本比率は76.2%(前事業年度末は77.3%)、1株当たり純資産は1,109.30円(同1,142.64円)となりました。

 

(3)当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりであります。

 当事業年度の現金及び現金同等物は1億50百万円の減少となりました。これは、営業活動によって得られたキャッシュ・フローが、法人税等の支払が減少する一方で税率差額による消費税等の支払が増加したことなどにより、前事業年度に比べ90百万円減少の14億46百万円の流入超過、投資活動により使用されたキャッシュ・フローが、投資有価証券の取得による支出などがあり、前事業年度に比べ4億76百万円増加の11億19百万円の流出超過となりました。また、財務活動により使用されたキャッシュ・フローが、前事業年度に比べ24百万円減少の4億78百万円の流出超過となったことによるものであります。

 

(4)経営者の問題認識と今後の方針

 次期の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が見込まれる一方で、原油安と円高、海外経済の減速などから国内消費、企業収益への影響懸念が残り、依然として不透明な状況が続くと予想されます。

 このような経営環境の中で、当社は、コンプライアンスの徹底とともに経営理念の周知と実践、教育と働く環境の改善を行い、顧客満足と従業員満足の向上により来店客数と売上高の増加を図ります。また、旗艦部門である木曽路部門の改革推進とビジネスモデルの再構築による既存店の業績回復に努め収益基盤の強化に取組みます。