文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「地域のすべての方々の食生活をより豊かに、より楽しく」を長期ビジョンに掲げております。「お客さまに価格以上の価値を提供し続ける」、「働く全員が仕事に誇りを持ち、生活を楽しめる会社にする」、「無駄をなくし、生産性の高い独自のモデルを構築する」、「すべての関係者と協力しながら社会課題の解決に貢献する」、これらを実現することで持続的な成長を図ってまいります。
当社グループは、スーパーマーケットを営む単一セグメントであり、当社とディスカウント業態の2つの業態で構成されております。単一セグメントでありながら、異なるビジネスモデルを持つグループ各社が自律的な成長を果たすことで、グループでの商圏シェアの向上を図ってまいります。
(当社)
「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」づくりを進めております。当社は、小商圏高頻度来店型の食品スーパーマーケットであることから、地域ごとに異なるニーズに対してきめ細かく対応し、店舗の近くにお住まいのすべてのお客さまにご満足いただけるよう、「チェーンとしての個店経営」「全員参加の商売」「徹底した現場主義」を運営方針としております。
また、当社の強みは、「商品力」と「販売力」であり、名物商品の「おはぎ」、プライベートブランド商品の開発など、当社でしか購入できない商品の開発に取り組むとともに、店舗における旬・主力商品の提案、クッキングサポートの展開、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の活用など販売力強化にも取り組んでおります。
(注)「ミールソリューション」とは、お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。
「価格コンシャス」とは、お客さまが買いやすい値段、値頃(ねごろ)を常に意識して価格設定を行うこと。
「FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)」とは、ロイヤルカスタマーの維持拡大を図るための販売促進に関するマーケティング政策のことで、ポイントカード等でお客さまの購買データを分析して、個々のお客さまに最も適した商品・サービスを提供すること。
(ディスカウント業態)
エイヴイでは、主に広域のお客さまの「まとめ買い」ニーズに対応するために、圧倒的な品揃えと低価格を実現することで、競合他社との差別化を図っております。具体的には、プロセスセンターの活用、自社でのシステム開発、効率的な店舗オペレーションによる運用などのノウハウを積み重ね、徹底的に「ローコストオペレーション」を追求しています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、国内外のマクロ経済の先行きが極めて不透明な状況です。当社グループにおいては、消費者の「節約志向」が強まり、「消費の二極化」と言われる状況が加速することを想定して、グループ全体で「価格対応」に注力してまいります。特に、次期には、2021年2月1日付で設立した連結子会社「株式会社フーコット」の新規出店を計画しております。
「500店舗、売上高1兆円」を長期の数値目標としております。
また、「売上高経常利益率4%以上」を継続的に確保することで、各ステークホルダーに対する適切な還元や持続的な成長を実現するための成長投資が可能になると考えております。
当社は、「生活者の日常の消費生活をより豊かにすることによって地域文化の向上・発展に寄与する」を経営理念に掲げており、地域の皆さまの食を中心とした日常生活の楽しさや豊かさに役立つことが当社の「存在意義」だと考えております。
当社の経営方針である「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」を実現することで、地域の皆さまに対して、当社の店舗に買い物に行くことで、健康で幸せな生活を送ることができる、食に関する様々な悩みが解決される、人とのつながりや豊かな暮らしについて学ぶ機会があるという価値を提供し、持続的な成長を図ってまいります。
(5) 第10次中期経営計画の概要(2022年3月期~2024年3月期)
当社は、「『ヤオコーウェイ』の確立」をメインテーマに掲げた、当連結会計年度末を終期とする第9次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)に取り組んでまいりました。数値目標は達成しましたが、デリカ・生鮮センターの活用などチェーンの基盤づくりは進んだものの、個店での販売力や商品開発力などの観点では、同業他社との「差」が付いている状態ではないと総括しております。
次期より、「『2割強い店づくり』の実現」をテーマに掲げた第10次中期経営計画がスタートします。オンライン取引を含めて、食品マーケットにおける業界垣根を越えた厳しい競争が見込まれますが、まずはこの3年間で同業他社との競争からは抜け出すべく、以下重点施策に取り組んでまいります。
①価格対応
・ 子育て世代の支持するカテゴリー・商品強化
・ EDLPとチラシ政策のエリア対応
②個店の販売力強化
・ 地区担当部長の経営力、店長の店舗運営力向上
・ 全員参加の商売で単品販売力10倍
・ お客さま目線での魅力ある売場づくり
③独自の商品開発・開拓
・ 生鮮の強化、圧倒的な支持につながる商品開発・開拓
・ デリカ・生鮮センターの更なる活用とSPAへの踏み込み
・ グロッサリーにおける独自商品開発
④生産性の向上
・ EDLPを活かした、自動発注システム導入の効果最大化
・ 熊谷デリカ・生鮮センター(PC機能)の活用
・ サポートセンター(本社)のスリム化、物流効率化
(注)「ヤオコーウェイ」とは、経営理念・経営方針をベースとし、ヤオコーの普遍的な価値観や考え方、それに基づく売場づくり・オペレーション・教育・利益確保を具現化する体系のこと。
少子高齢化に伴うマーケットの縮小が想定されますが、過疎化が進む地方や欧米諸国などと比較しても、当社グループの出店エリアでのシェアは依然低く、グループ各社が各々の強みを磨き、自律的な成長を果たしていくことで、まだまだ成長の余地はあると考えております。同時に、都心部への人口集中も想定されますが、当社では「成城店」を開設して、都市型小型店の実証実験を行っております。
② 労働力不足
従業員ひとりひとりが「働き甲斐」を持てる企業集団を目指してまいります。特に当社においては、店舗作業の「カイゼン」の取組みと同時に、業務効率化を目的としたIT・機器の導入、店舗作業の省力化を目的としたデリカ・生鮮センターの積極活用など積極的な設備投資も継続しております。
③ 新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う景気後退や雇用不安などは、先述の通り、「消費の二極化」と言われる消費行動が懸念される一方で、新規出店の用地や人材の確保などの観点からは、当社グループにとって、プラスの要因になるとも考えております。
なお、当社グループが運営する商業施設においては、引き続き、テナントの撤退、賃料減額などの影響が出る可能性があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
少子高齢化に伴いマーケットの縮小が見込まれる一方で、国内外のマクロ経済の先行きが極めて不透明な中で、「消費の二極化」と言われる状況が加速する可能性があります。当社は、旬・主力商品の価格対応、節約志向の強いヤングファミリー層向けの商品開発など「価格コンシャス強化」に取り組む一方で、2017年4月、ディスカウント業態であるエイヴイが連結子会社となり、次期には、新規に設立しましたフーコットの新規出店を計画しておりますが、こうした消費動向の変化の対応に遅れた場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、スーパーマーケット、GMS、ドラッグストア、コンビニエンスストア、特定の食領域に特化した専門店や店舗を有しないEコマースなどとも競合関係にあります。また、当社グループは、国内需要に依存したスーパーマーケットを展開する単一のセグメントであります。グループ各社が自律的な成長を果たせず、当社グループの競争力が強化できない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開するスーパーマーケットは労働集約産業である一方で、生産年齢人口が大きく減少していくことが予想されております。労働環境の改善、勤務制度の整備、教育やインセンティブプランの設定などを通じた「働き甲斐」の向上への取組み、ダイバーシティや「健康経営」の推進など人材確保に向けた様々な取組みを行っておりますが、これらが計画通りに進まない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、社会保障費の増大、最低賃金の引き上げなどにより、中長期に渡って従業員に関する費用が増加していくことが見込まれます。「カイゼン」やITシステムや各種センターを活用した店舗作業削減などの施策に取り組んでおりますが、これら施策が進捗通りに進まない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
デジタルデバイスが浸透したことにより、日本国内においても耐久消費財を中心にECをはじめとするオンライン取引が大きく伸長しております。当社においては、今後も、ネットスーパーを拡大させる計画であり、基幹システムの刷新など情報システム分野での設備投資は積極的に行っております。当社グループの成長に寄与するテクノロジーについては、設備投資や外部企業との連携などにより積極的に取り込んでいく計画ではありますが、想定以上にテクノロジーが大きく進展した場合などについては、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、季節的な商品販売動向に基づいて、販売計画を立てておりますが、想定外の気候的な変動により、売上の減少や過剰在庫を招くなど、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
環境問題に対しては、当社は、マイバック運動、食品ロスの軽減、リサイクル、節電や再生エネルギーの活用など積極的に取り組んでおります。特にプラスチックによる海洋汚染に国際的な関心が高まっており、レジ袋やトレーほかプラスチック削減などこれらの問題に適切な対応をすべく取り組んでおりますが、対処が遅れたり解決できない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは生鮮食品からドライ・加工食品、日配食品など食品中心に広範囲にわたって商品を扱っております。食品の安全性・衛生管理については、お客さまに安心してお買い物いただけるよう、トレーサビリティ(商品履歴の管理)、成分表示、衛生管理等を徹底し、品質管理及び商品の表示に関する担当組織の強化を図り、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し、安全で衛生的な店づくりを心がけておりますが、食中毒や食品事故等が発生した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼすほか、社会的信用・ブランドイメージが大きく毀損する可能性があります。
当社グループは、自社で展開するスーパーマーケットをメインに、ドラッグストア、生活雑貨や衣料品を取り扱う企業などをテナントとして誘致して、住宅地又はロードサイドなど、日常生活圏に立地している生活密着型の商業施設を運営しております。商業施設の中では景気変動の影響は小さいと想定しておりますが、景気後退に伴うテナントの撤退、賃料減額などにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、店舗に係る有形固定資産やのれんなど多額の固定資産を保有しております。出店判断時点での売上予測と売上実績が大きく乖離するなど、店舗の収益性が低下することで各店舗の帳簿価額が回収できない場合については、減損処理を行っております。2020年3月期は771百万円、2021年3月期は528百万円の減損損失を計上しており、当社グループは蓋然性の高い出店計画・投資計画を立てるべく取り組んでおりますが、今後も減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、店舗を含め多数の事業拠点を有しております。各拠点では自然災害や感染症などに対する防災や事業継続性の確保に努めております。しかしながら、想定をはるかに超えた状況が発生し、事業拠点に物理的な損害が生じた場合、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらには人的被害が発生した場合などには当社グループの財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に対しては、「地域のライフラインとして可能な限り通常どおり営業を継続すること」を基本方針とし、原則として休業や営業時間の短縮などは行っておりません。
業績面においては、「外出自粛」や生活様式の変化の影響を受け、「巣ごもり需要」が発生した結果、お客さまの買い上げ点数が大きく増加している状況ですが、景気後退や雇用不安などを主因とする「生活防衛意識」の高まりから、先述の通り、「消費の二極化」と言われる状況が加速される可能性もあります。
運営面においては、店内一部設備の使用中止、惣菜・ベーカリー部門のバラ売り販売中止、お客さま用アルコール消毒液の設置、ソーシャルディスタンスの実施などに取組み、安全対策としては、社員の健康チェックの実施、手洗い及びアルコール消毒の徹底、マスク着用、レジ部門での透明フィルムの設置などの対応を実施してまいりました。今後におきましても、お客さまと従業員の感染を防ぐことを第一に考え、新型コロナウイルス感染症の感染状況を考慮しながら、適宜、対策を行う計画です。
(10) システムトラブル
当社グループは、通信ネットワークやコンピューターシステムを使用し、商品の調達や発注・販売など多岐にわたるオペレーションを実施しております。システムの運用・管理には万全を期しておりますが、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、コンピューターウィルスの不正侵入又は従業員の過誤等によるシステム障害が発生した場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーにつきましては、既にホームページ等でお知らせしております通り、3月24日に一部の個人情報の漏洩が判明し、原因追及とシステム改修のため、ヤオコーネットスーパー、ヤオコーネットクラブ、ヤオコーアプリ(一部サービス)を停止しております。お客さまをはじめ皆さまには大変なご心配とご迷惑をおかけする事態に至りましたことを深くお詫びいたします。
内部統制室、情報システム部による社内調査を進めた結果、個人情報の漏洩の範囲が一部に留まることが確認されていることから、本件に起因して、当社グループの事業、財務状況及び業績に多大な影響を及ぼす可能性はないと判断しております。
当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ24,609百万円増加し、269,121百万円となりました。これは主に、現金及び預金、新規出店・既存店の改装等に係る投資により有形固定資産が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ12,021百万円増加し、152,495百万円となりました。これは主に、借入金及び流動負債のその他に含まれている未払金が増加したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12,588百万円増加し、116,625百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したためであります。
当社グループは、新規出店や既存店売上高の増加に伴う売上高増加に対して、販売費及び一般管理費増加の抑制に努めた結果、当連結会計年度における売上高は487,189百万円(前期比10.2%増)、営業利益は22,458百万円(同13.0%増)、経常利益は22,211百万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,593百万円(同17.1%増)となりました。なお、当連結会計年度は第9次中期経営計画の最終年度となりますが、数値目標(売上高:4,550億円、経常利益:180億円)は達成しております。
次期より、「『2割強い店づくり』の実現」をテーマに掲げた第10次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)がスタートします。グループ全体で「価格対応」に注力することで、売上高5,156億円、経常利益238億円の達成に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,741百万円増加し、32,080百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、得られた資金は26,896百万円(前期比2,322百万円減)となりました。これは主に、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費を計上したことによるものであります。
投資活動の結果、使用した資金は23,345百万円(前期比1,353百万円増)となりました。これは主に、新規出店・既存店改装に係る投資による支出があったことによるものであります。
財務活動の結果、得られた資金は4,191百万円(前期比2,772百万円増)となりました。これは主に、長期借入金の借入によるものであります。
当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、部門別に販売及び仕入の状況を記載しております。
(注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。
(注)1 上記の金額は、実際仕入額によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当期は第9次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)の最終年度にあたります。
当社グループは「『豊かで楽しい食生活』を提案するグループとして、圧倒的なNo.1になること」を掲げ、企業価値の創造と持続的な成長に向け取組んでまいりました。
当社は、「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、第9次中期経営計画においては、「『ヤオコーウェイ』の確立」をメインテーマに、「『チェーン』を強くする構造改革」、「商圏内シェアアップ(1km商圏シェアアップ)」を優先課題とし、「商品・販売戦略」、「運営戦略」、「育成戦略」、「出店・成長戦略」の4つの戦略に対して、各々のアクションプランを実行しました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外のマクロ経済活動は大きく低迷しました。しかしながら、当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して、「地域のライフラインとして可能な限り通常どおり営業を継続すること」を基本方針として取り組み、「外出自粛」や生活様式の変化の影響を受け、「巣ごもり需要」が発生した結果、お客さまの買い上げ点数が大きく増加しました。
[商品・販売戦略]
商品面につきましては、当社の独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力いたしました。「Yes!YAOKO」などプライベートブランドについては、新規商品をリリースしました。
販売面につきましては、頻度品を中心とする価格政策を見直すなどEDLP(常時低価格施策)を拡充し、「価格コンシャス」を強力に推進しました。また、当期は創業130周年に該当し、販売促進面では記念企画を実施するとともに、カテゴリー割引の期間延長など店舗での混雑緩和のため、販促企画の見直しを実施しております。
[運営戦略]
デリカ・生鮮センターを積極的に活用することで、店舗の生産性向上と「製造小売り」としての利益創出を両立させることができました。
店舗の什器など省力化を目的とした投資を行うとともに、サポートセンター(本社)における業務削減を進めた結果、来期の出店計画などを踏まえ、一部の社員を店舗勤務に配置転換しました。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、当社の店舗営業では、店内一部設備の使用中止、惣菜・ベーカリー部門のバラ売り販売中止、お客さま用アルコール消毒液の設置、ソーシャルディスタンスの実施などに取り組んでおります。安全対策としては、社員の健康チェックの実施、手洗い及びアルコール消毒の徹底、マスク着用、レジ部門での透明フィルムの設置などの対応を実施しております。このような状況のもと、社員が心と体を休められるよう、創業以来初めて、日曜日(9月13日)と1月3日は、一部の店舗を除き臨時休業いたしました。
[育成戦略]
カイゼンと並行して、働き方に対する意識改革、労働環境を改善する取組みを継続いたしました。特に、改正労働基準法の施行に対応した、休暇を取得しやすい勤務制度の整備・活用、「同一労働同一賃金」への対応を進めました。
当社は社員の健康増進に向けた取組みを継続しており、3年連続して「健康経営優良法人2021(ホワイト500)」の認定を受けました。
[出店・成長戦略]
新規出店として、6月に所沢有楽町店(埼玉県所沢市)、7月に桶川上日出谷店(埼玉県桶川市)、まるひろ南浦和店(埼玉県さいたま市)、11月に古河大堤店(茨城県古河市)、3月に蕨錦町店(埼玉県蕨市)を開設し、経営資源の効率化の観点から9月末で2店舗を閉店しております。
既存店の活性化策としまして、従来の計画から4店舗を追加し、3月末までに10店舗の大型改装を実施しました。このうち、所沢北原店の大型改装については、大型店の新しいモデルを確立すべく、社内でプロジェクトチームを設置して取り組んできました。なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一部の新規出店・改装実施の時期に影響が出ております。
店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーにつきましては、既にホームページ等でお知らせしておりますが、3月24日に一部の個人情報の漏洩が判明し、原因究明とシステム改修のため、ヤオコーネットスーパー、ヤオコーネットクラブ、ヤオコーアプリ(一部サービス)を停止しております。再開時期につきましては、7月末頃を想定しております。お客さまをはじめ皆さまには大変なご心配とご迷惑をおかけする事態に至りましたことを深くお詫びいたします。
当社グループの株式会社エイヴイでは、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取組みを鋭意進めております。当社グループは、引き続き当社とエイヴイそれぞれの長所・強みを活かしながら、グループ全体で商圏シェアを高めてまいります。
2021年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で181店舗(ヤオコー169店舗、エイヴイ12店舗)となっております。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は487,189百万円(前期比10.2%増)、営業利益は22,458百万円(同13.0%増)、経常利益は22,211百万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,593百万円(同17.1%増)となりました。
ロ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループの目標とする経営指標につきましては、「売上高経常利益率4%以上」の継続的な確保を目指しております。
上記「イ 経営成績の分析」に記載しております戦略課題に取り組んだ結果、新規出店及び既存店売上高の増加により、当連結会計年度における売上高は487,189百万円(前期比10.2%増)となりました。利益面につきましては、売上高の増加を主因とした売上総利益及び営業収入の増加に対して、人件費や配送費、地代家賃などは増加したものの、水道光熱費、広告宣伝費は減少するなど、経費の伸びを抑制できた結果、営業利益は22,458百万円(前期比13.0%増)となりました。
結果として、当連結会計年度における売上高経常利益率は4.6%となり、当社グループが目標とする経営指標を達成することが出来ました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「外出自粛」や生活様式の変化の影響を受け、「巣ごもり需要」が発生した結果、お客さまの買い上げ点数が大きく増加しており、当社の既存店売上高の昨年比は109.1%と大きく上昇しました。エイヴイについても同様の傾向となっております。
なお、次期においては、新型コロナウイルス感染症を主因とする社会・経済環境の変化に伴い、業績予想の修正などを行う可能性はありますが、グループ全体で「価格対応」に注力し、第10次中期経営計画に掲げた施策について、着実に取り組んでまいります。
当社グループは、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入及び社債の発行により必要資金を調達しており、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び店舗運営費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要に対応しております。
当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出できたことに加え、将来の投資を見据えた長期借入金による資金調達を行った結果、十分な流動性を確保しているものと考えております。当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と厳しい競争環境を勝ち抜くための成長投資を継続していく計画であります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績、現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ 固定資産の減損
当社グループは、店舗に係る有形固定資産をはじめとする多額の固定資産を保有しており、店舗の収益性が低下するなど、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損処理を行っております。回収可能価額の評価にあたっては、資産グループの時価や割引後将来キャッシュ・フロー等様々な仮定を用いて合理的に見積りを行っておりますが、今後、地価等の大幅な下落や店舗を取り巻く競争環境の激化等、想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ロ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の計上にあたっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後、課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
ハ 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
ニ 資産除去債務の計上
当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載の通りであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。