第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念を掲げ、次の通り取り組んでおります。

 

『がんばらない経営』

 無理をして自分の力以上の力を出すことは短期的には可能であっても、終わりのない会社経営には適切ではありません。無理をすれば必ずその反動があります。

 お客様にご満足いただくためにあるべき姿に向かって、正しいことを無理をせず、確実に実行していく経営方針を『がんばらない経営』と表現しております。

 

『1、従業員 2、お取引先 3、お客様 4、株主』

 お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考え、1、従業員 2、お取引先 3、お客様 4、株主の順で大切にしようと考えております。

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(2) 目標とする経営指標

 当社は、2019年5月に発表した「5ヶ年中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)」において、2024年3月期に売上高8,000億円、営業利益450億円、経常利益500億円、当期純利益320億円、ROE10%、配当性向30%を目指すことを掲げ、下記を重点取組事項としております。

 

(売上高)

 既存店前年比100%をベースとし、年間20店舗を出店することで年平均成長率3%を目指す。

 

(営業利益)

 高付加価値商品の販売強化と、商品開発で利益を確保すると同時に経費をコントロールすることで年平均成長率6.6%を目指す。

 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 現在新型コロナウイルス感染症の拡大により、将来に対する先行き不安や景気の悪化により消費者心理が冷え込む可能性もありますが、当社グループの取り扱う家電品は、衣食住に関わる安定的な生活を確保するために必要な生活必需品であり、底堅い買い替え需要に支えられております。依然として根強い節約傾向は続いておりますが、付加価値を得られる商品への買い替え需要は高い状況です。2020年3月期末に504店舗を有する当社グループには、全国に4,100万人を超える「ケーズデンキあんしんパスポート」会員がおり、おかげさまでお客様より高い顧客満足度評価をいただいております。

 一方で、日本全体の人口は減少しており、家電需要全体は縮小傾向にあります。また、ECでの買い物が主流になり、リアル店舗の価値が低下するのではないかと懸念する見方もあります。そのような中、当社では次の通り取り組んでおります。

 

① 家庭用電化製品に特化

 当社グループが運営する「ケーズデンキ」は、大型の家電専門店として、家電品を専門に取り扱っております。家電品に絞ることによって、ローコスト経営と従業員の専門性の高さを保持しております。また、家電品を試用・体験できる売り場づくりなど、家電専門店ならではの特徴ある店舗作りに取り組んでおります。当社は、IoT、AI家電など最先端家電を実際に家庭で使用するイメージ空間に集合展示した「つながる家電」体験コーナーの開設に注力しており、今後も順次設置店舗を拡大してまいります。

 

② 付加価値商品の販売、プラスワン販売の強化

 当社グループは一人当たり単価を伸ばすことに注力しております。お客様のご要望を伺い、お客様に合ったよりよい商品のご提案をすることで高付加価値商品の販売構成比を上げることに取り組んでおります。また、関連品のお勧めをすることで、お買い上げ点数のアップを図っております。人口減少によって来店客数が減少傾向にある地域もありますが、これらの取り組みにより客単価を上げることでシェアの拡大を図り、着実に成長していくことを目指してまいります。

 

③ 『ケーズデンキあんしんパスポート』アプリ会員の獲得推進

 当社グループの『ケーズデンキあんしんパスポート』会員は4,100万人を超えておりますが、更なる新規会員の獲得及び紙カードからスマートフォンアプリへの移行に力を入れております。アプリでは、会員様へ会員限定クーポンの配信や、WEBチラシの閲覧を容易にすることなどが可能であり、折込チラシに代わる販売促進策の1つになります。現在アプリ会員数はおよそ340万人となっており、今後とも会員数の増加を図ってまいります。

 

④ 都市部、空白地帯への出店

 当社グループの出店強化エリアは、人口が多い都市部と未出店地域です。これらの地域に積極的に出店し未完成の国内店舗網を構築することにより、ドミナント戦略の効果をより発揮することが可能になります。同時に既存店はスクラップ&ビルドを行い、常に周辺環境に合致した新しい店舗作りを目指してまいります。

 2021年3月期は27店舗の出店と4店舗の閉鎖を計画し、業容の拡大を図ってまいります。

 

⑤ ECへの取り組み

 当社グループには自社ECサイト(ケーズデンキオンラインショップ)があり、PayPayモールにも出店しておりますが、2020年3月に楽天市場へも出店いたしました。当社グループは、ECはお買い物の手段の一つとして位置づけ、店舗へ来店するのが困難な方へも間口を広げております。

 当社グループでは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン等の配達設置を伴う商品はECには適しにくく、小物商品や消耗品がECでの購買に適していると分析しております。それらの商品群に対してはオリジナル商品を投入し、訴求力のある価格でなおかつ利益を確保できる体制を整えてまいります。

 

⑥ 人材の確保

 少子高齢化により労働人口も減少傾向にありますが、2018年11月に子会社のケーズキャリアスタッフにて、人材派遣事業を開始いたしました。当社グループは能力のあるシニアの再雇用を促進し、安定した労働力を確保してまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 季節的要因について

当社グループは、全ての商品について市場調査、販売動向、景気予測、気候条件等を十分に勘案した上で販売計画を立てておりますが、特にエアコン、石油・ガス・電気暖房機等のいわゆる季節商品は、夏・冬の気候の影響が非常に強い商品であります。他の商品が新機種・新製品の発売等、メーカーの商品開発による売上拡大の要因があるのに対し、季節商品には加えて気候条件という販売側で予測・コントロールが困難な要因が存在しております。

季節商品の動向は、販売時期が一定期間に集中する傾向にあるものの、予測・コントロール不可能な気候条件の変動により左右されるため、今後も気候条件の変動が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 店舗開発及び固定資産の減損会計について

当社グループは、顧客から支持される集客力のある大規模店舗の開発を積極的に行い、家電販売業界において確固たる地位の確立を目指しております。

店舗開発につきましては、商圏状況(商圏世帯数、交通アクセス、競合状況等)に基づいた当社基準により売上及び利益計画、投資等をグループ各社の代表取締役及び店舗開発担当者が出席する会議にて充分に検討し、決定を行っておりますが、店舗の大型化を進めることにより、一店舗に係る売上及び利益計画が大きくなってきたため、予想外の新たな競合先の出店や、道路・交通アクセスの変化等、商圏状況に著しい変化等があり、当初計画と実績に乖離が出た場合、全体業績に与える影響の割合が大きくなる可能性があります。

また、店舗の収益性の低下に伴い減損処理が必要となった場合、または「固定資産の減損に係る会計基準」等の変更がある場合は減損損失が計上され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合環境について

 当社グループは、家電量販店に限らず、同様の商品を店舗において取り扱う企業、及びインターネット販売の企業と競合関係にあります。他社との差別化として品揃えや価格競争力のみならず、店舗競争力を高めるため接客やアフターサービス等人材育成の強化に努めるほか、電話注文による対応、自社ECサイトの充実、及びモール型ECサイトへの出店などお客様のご都合に合わせた販売チャネルの拡充を図っておりますが、企業間の競争が更に激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 経済動向について

 当社グループは、日本国内において事業展開しているため、国内の経済政策、景気動向、出店地域の景気や個人消費等の変化が、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

 当社グループは、「大規模小売店舗立地法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に基づく「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」による規制、「不当景品類及び不当表示防止法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「特定家庭用機器再商品化法」等の法的規制を受ける事業を行っております。新たな法令の制定や規制の強化、規制当局による措置その他の法的手続きが行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 自然災害・事故・感染症等について

 当社グループは、自然災害や事故、感染症等からお客様の安全を確保するため、ハザードマップを参考とした店舗開発、店舗の耐震性の強化、手指消毒剤の設置など、防災対策を徹底して行っております。しかしながら、地震・台風等の大規模な自然災害により店舗等が被災した場合や、自然災害、感染症の流行等により店舗の休業や来店客の減少、メーカーからの商品供給不足となった場合には、店舗売上の減少により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症が世界的な感染拡大となったことを受け、当社グループは影響の長期化に備えるため借入により手元資金の充実を図っております。

 提出日現在において店舗の営業時間の短縮等はあるものの、当該感染症による当社グループの業績に与える影響は軽微であります。

(7) 個人情報及び機密情報の漏洩について

 当社グループは、あんしんパスポートの発行や、インターネット通販を行っていること等により、個人情報を保有しております。これらの情報については、社内管理体制の整備や、セキュリティシステムの構築等により万全を期しております。しかしながら、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償への対応やお客様の信頼を失うことにより当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 出店に伴う敷金、保証金等の債権について

 当社グループは、出店のため多くの土地・建物を賃借しております。賃借に際しましては契約に基づき敷金・保証金及び長期貸付金の差し入れを行っております。

 担保設定等の保全に努めておりますが、賃貸人の経済状況によっては、その一部若しくは全部が回収できないことにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 組織再編等について

 当社グループは、事業の強化、拡大及び家庭電化製品の販売に特化することを目的として、組織再編やM&A、提携、売却等を行う可能性があります。当該行為に際しては、十分な調査、分析のうえ検討を行いますが、偶発的な問題が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、緩やかな回復基調が続いていたものの、足元の景気は新型コロナウイルスの影響により急速に悪化しており、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。当社グループは、正しいことを確実に実行する「がんばらない(=無理をしない)」経営を標榜し、お客様に伝わる「本当の親切」を実行すべく、「現金値引」、「長期無料保証」、「あんしんパスポート」などお客様の立場に立ったサービスを提供し、引き続き家電専門店としてお客様の利便性を重視した地域密着の店舗展開、営業活動を行ってまいりました。その一つとして、2019年4月24日より、AndroidTV機能を搭載したテレビ向け当社公式アプリ「ケーズデンキおうちでショッピング」の提供を開始し、ご自宅のテレビでチラシの閲覧や商品の購入を気軽に楽しめるようになりました。

また、上場企業としての社会的責任を果たす為、環境問題への取り組み、お取引先各社との良好な関係の継続、コンプライアンスの徹底、労働環境の改善、ワーク・ライフ・バランスの向上などさらなる企業価値の向上に努めてまいりました。

その成果として、2019年4月19日付で(公財)日本環境協会エコマーク事務局からケーズデンキ全店(FC店を除く)がエコマーク認定を受けました。さらに当社の取り組みが評価されて11月20日付でエコマークアワード2019の優秀賞を受賞いたしました。

出退店状況につきましては、以下に記載の通り直営店18店を開設し、直営店12店を閉鎖して店舗網の強化・経営の効率化を図ってまいりました。これらにより、当連結会計年度末の店舗数は504店(直営店500店、FC店4店)となりました(そのほかに携帯電話専門店があります)。

以上の結果、売上高は7,082億22百万円(前年同期比102.8%)、営業利益は329億89百万円(前年同期比100.8%)、経常利益は370億40百万円(前年同期比96.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は215億25百万円(前年同期比90.4%)となりました。

 

    出店退店の状況

所在地

出店

退店

北海道

帯広音更店(11月)

岩見沢店(8月)

岩手県

北上店(4月)

 

山形県

 

鶴岡店(1月)

福島県

いわき鹿島店(7月)

小名浜店(7月)

栃木県

宇都宮鶴田店(3月)

 

埼玉県

北本店(1月)

新座店(10月)

千葉県

松戸八柱店(4月)

柏店(9月)

千葉みつわ台店(10月)

千葉古市場店(2月)

東京都

イオンタウン稲城長沼店(12月)

多摩東寺方店(3月)

 

新潟県

笹口店(4月)

十日町店(2月)

十日町店(2月)

愛知県

刈谷店(4月)

 

三重県

 

みえ朝日店(1月)

大阪府

アクロスプラザ八尾店(4月)

カナートモール和泉府中店(4月)

枚方店(2月)

兵庫県

尼崎浜田店(11月)

ジェームス山店(4月)

奈良県

 

橿原店(1月)

広島県

広島本店(2月)

 

福岡県

水巻店(10月)

 

熊本県

嘉島店(4月)

 

宮崎県

延岡店(5月)

 

 

また、当連結会計年度における財政状態につきましては次のとおりであります。

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比206億43百万円減少して3,895億12百万円となりました。

主な要因は、流動資産が172億86百万円減少して1,735億35百万円になりました。これは、現金及び預金が30億77百万円増加する一方、商品が148億34百万円、売掛金が62億5百万円減少したこと等によるものです。

また、固定資産が33億57百万円減少して2,159億76百万円になりました。これは、繰延税金資産が10億15百万円増加する一方、有形固定資産が21億20百万円、長期貸付金が11億22百万円、敷金及び保証金が7億81百万円減少したこと等によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比172億82百万円減少して1,370億91百万円となりました。

主な要因は、流動負債が170億17百万円減少して922億7百万円になりました。これは、前受金が18億84百万円増加する一方、短期借入金が152億58百万円、買掛金が39億89百万円減少したこと等によるものです。

また、固定負債は2億65百万円減少して448億84百万円になりました。これは、商品保証引当金が18億93百万円増加する一方、長期借入金が26億20百万円減少したこと等によるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比33億61百万円減少して2,524億21百万円となりました。

これは、利益剰余金が147億34百万円増加したものの、自己株式の取得により179億45百万円減少したこと等によるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の62.1%から64.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比30億77百万円増加し136億29百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、600億16百万円の収入(前年同期は252億6百万円の収入)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益328億70百万円に加え減価償却費139億54百万円、減損損失40億22百万円および売上債権の減少額62億5百万円、たな卸資産の減少額143億82百万円などで資金を得た一方、仕入債務の減少額39億51百万円および法人税等の支払額124億50百万円などを支出したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、116億7百万円の支出(前年同期は72億92百万円の支出)となりました。

主な要因は、貸付金の回収による収入23億51百万円などで資金を得た一方、新規出店に伴い有形固定資産の取得による支出122億62百万円などを支出したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、453億30百万円の支出(前年同期は165億74百万円の支出)となりました。

主な要因は、短期借入金の純減額152億円、長期借入金の返済による支出26億78百万円およびリース債務の返済による支出25億34百万円、配当金の支払額67億94百万円並びに自己株式の取得による支出187億80百万円などを支出したこと等によるものです。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響については、期末日以降連結財務諸表作成時までに入手可能であった4月以降の店舗売上等の実績を考慮し、当期末の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。

この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については、「第5  経理の状況  1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。なお、連結損益計算書の主要科目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は次のとおりです。

 

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、7,082億22百万円(前年同期比102.8%)となりました。長梅雨、台風や水害および暖冬などの天候不順、消費税増税後の需要反動減によるマイナス要因はあったものの、消費税増税前の駆け込み需要が大きなプラス要因となり、売上高全体としては前年同期を上回る結果となりました。出退店状況につきましては、店直営店18店を開設し、直営店12店を閉鎖して、都市部、空白地帯への出店をすすめてまいりました。中でも、2020年2月27日にオープンした広島本店は、広島県下初の広島中心部への出店となりました。2020年3月には、新型コロナウイルス感染症対策として政府より休校要請や外出自粛要請が発出される中、店舗の営業時間を通常より短縮するなどの対策を行いましたが、当連結会計年度の売上高に与える影響は軽微なものに留まりました。

商品別販売実績、地域別販売実績および単位当たり売上高は以下のとおりです。

 

商品別販売実績

品種別名称

 直営店売上高

(百万円)

 前期比

(%)

 フランチャイズ等売上高

(百万円)

 前期比

(%)

 計

(百万円)

 前期比

(%)

音響商品

16,196

98.7

57

98.9

16,253

98.7

映像商品

 

 

 

 

 

 

テレビ

66,690

120.5

265

112.6

66,956

120.5

ブルーレイ・DVD

15,134

98.6

71

96.4

15,206

98.6

その他

9,231

89.4

31

83.7

9,262

89.4

小計

91,056

112.4

368

106.0

91,425

112.4

情報機器

 

 

 

 

 

 

パソコン・情報機器

49,213

130.3

186

127.3

49,400

130.3

パソコン周辺機器

34,922

93.3

124

88.1

35,046

93.3

携帯電話

62,787

89.3

29

107.6

62,817

89.3

その他

30,133

92.9

169

94.3

30,302

929.9

小計

177,056

99.5

510

103.1

177,566

99.5

家庭電化商品

 

 

 

 

 

 

冷蔵庫

71,671

110.0

247

97.5

71,919

109.9

洗濯機

61,042

108.9

224

106.4

61,266

108.9

クリーナー

24,238

99.2

83

98.5

24,321

99.2

調理家電

45,375

99.9

178

97.4

45,554

99.9

理美容・健康器具

28,068

99.4

139

109.7

28,208

99.5

その他

27,168

100.1

90

89.5

27,258

100.0

小計

257,565

104.5

963

100.3

258,529

104.5

季節商品

 

 

 

 

 

 

エアコン

95,382

102.1

323

92.7

95,705

102.1

その他

23,648

88.7

105

87.3

23,753

88.7

小計

119,030

99.1

428

91.3

119,458

99.1

その他

44,650

100.3

338

98.1

44,989

100.3

合計

705,555

102.8

2,666

99.7

708,222

102.8

(注)1  「フランチャイズ等売上高」は、フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上であります。

2  上記金額には消費税等は含まれておりません。

(音響商品)

音響商品に含まれるデジタルオーディオプレーヤーがスマートフォンに代用されることにより、構成比が減少しております。

 

(映像商品)

テレビは、2011年アナログ停波時の購買からの買い替えサイクルが到来し、大型の4K8K内蔵/対応の機種が好調に推移いたしました。

 

(情報機器)

パソコンは、2020年1月のWindows7サポート終了に伴う買い替え需要が発生し、SSD搭載のモダンPCへの買い替えが好調に推移しました。3月には新型コロナウイルスの影響でのテレワーク需要が発生し、パソコン本体及びパソコン周辺機器の売上が伸長いたしました。

携帯電話は、通信事業通信法改正前の駆け込み需要がありましたが、法改正後はその反動減と買い替えサイクルの長期化が発生いたしました。

 

(家庭電化商品)

冷蔵庫・洗濯機は、消費税増税前の駆け込み需要で大きく伸長いたしました。食品の鮮度が長く保たれる冷蔵庫や、大容量・洗剤自動投入機能が付いた洗濯機など高付加価値商品が好調に推移いたしました。

クリーナー、調理家電、理美容・健康器具については、爆発的なヒット商品に恵まれないことなどから、ほぼ前年同期の水準に留まりました。

 

(季節商品)

7月の記録的な長梅雨、10月の台風・大雨、暖冬と天候不順が続いたため、扇風機や石油・電気暖房などは低調でした。エアコンについては、天候不順の影響を受けたものの、消費税増税前の駆け込み需要によりわずかに前年同期を上回りました。

 

地域別販売実績

地域

売上高

 金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

北海道

41,289

5.8

103.7

青森県

17,599

2.5

103.2

岩手県

17,168

2.4

103.9

宮城県

30,344

4.3

100.6

秋田県

11,873

1.7

103.2

山形県

14,459

2.0

102.1

福島県

21,994

3.1

104.1

茨城県

61,856

8.7

102.0

栃木県

19,181

2.7

100.8

群馬県

17,854

2.5

102.3

埼玉県

41,438

5.9

102.9

千葉県

63,304

8.9

104.9

東京都

28,153

4.0

97.8

神奈川県

21,749

3.1

112.6

新潟県

23,325

3.3

104.4

富山県

4,734

0.7

101.7

石川県

8,245

1.2

101.9

福井県

3,862

0.5

103.5

山梨県

3,842

0.5

99.8

長野県

10,686

1.5

101.6

岐阜県

11,794

1.7

99.9

静岡県

16,338

2.3

99.5

愛知県

35,299

5.0

104.2

三重県

10,804

1.5

98.5

滋賀県

8,902

1.3

99.2

京都府

7,346

1.0

98.4

大阪府

13,996

2.0

108.9

兵庫県

21,910

3.1

100.5

奈良県

8,920

1.3

98.8

和歌山県

7,530

1.1

98.8

鳥取県

531

0.1

95.9

岡山県

9,282

1.3

103.2

広島県

4,088

0.6

119.7

徳島県

10,542

1.5

101.7

香川県

14,393

2.0

101.9

愛媛県

11,347

1.6

100.9

高知県

5,843

0.8

105.0

福岡県

7,395

1.0

103.5

佐賀県

2,299

0.3

99.8

熊本県

12,900

1.8

105.2

大分県

11,306

1.6

100.7

宮崎県

1,791

0.3

166.7

鹿児島県

10,700

1.5

99.9

708,222

100

102.8

(注)1  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高2,666百万円は、加盟店の本店所在地域の売上高として記載しております。

2  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

単位当たり売上高

 

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

売上高(百万円)

686,449

705,555

1㎡当たり売上高

売場面積(期中平均)  (㎡)

1,843,386

1,863,873

1㎡当たり期間売上高(千円)

372

379

1人当たり売上高

従業員数(期中平均)  (人)

9,697

9,974

1人当たり期間売上高(千円)

70,791

70,738

(注)1  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高(前連結会計年度2,675百万円、当連結会計年度2,666百万円)は含まれておりません。

2  売場面積については、大規模小売店舗立地法による届出売場面積を記載しております。

3  従業員数には、臨時従業員(一般従業員の標準勤務時間数から換算した人数)を含めて表示しております。

4  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、1,998億88百万円(前年同期比103.1%)となりました。

新型コロナウイルス感染拡大で取引先の商品供給が不安定になり仕入高が前年同期よりも減少したことで仕入高に応じたインセンティブが減少しましたが、引き続き高付加価値商品が販売されました。

仕入実績の詳細は以下の通りです。

 

仕入実績

品種別名称

 仕入高(百万円)

前期比(%)

音響商品

10,132

98.0

映像商品

 

 

テレビ

48,913

111.1

ブルーレイ・DVD

12,781

100.7

その他

5,751

84.9

小    計

67,445

106.2

情報機器

 

 

パソコン・情報機器

38,960

116.6

パソコン周辺機器

23,389

89.0

携帯電話

40,128

80.2

その他

19,946

92.5

小    計

122,425

93.2

家庭電化商品

 

 

冷蔵庫

46,549

97.7

洗濯機

40,015

101.0

クリーナー

15,771

92.7

調理家電

28,804

92.8

理美容・健康器具

17,430

97.5

その他

17,123

97.4

小    計

165,695

97.0

季節商品

 

 

エアコン

60,824

98.0

その他

17,351

90.1

小    計

78,175

96.1

その他

49,624

103.4

合    計

493,499

97.7

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

c.販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,668億99百万円(前年同期比103.6%)となりました。

人件費は、定期昇給、給与体系是正、初任給引き上げなどで前年を上回りました。これは、従業員を大切にする当社の考えに基づくものです。

広告宣伝費は、地域の状況に合わせてチラシのサイズ、枚数を見直したことおよび新型コロナウイルスの影響で新設店の販促を自粛したことなどにより減少しました。

無料保証引当金繰入額は、長期無料保証の対象商品の販売が増加したことにより前年を上回りました。これは、高付加価値商品の販売が堅調であったことによるものです。

以上の結果、販売費及び一般管理費は前年を上回りましたが、計画通りとなりました。

 

d.営業利益・経常利益

営業利益は329億89百万円(前年同期比100.8%)となり、わずかに前年を上回りました。

一方、新型コロナウイルスの影響により、仕入高が前年同期より減少したことで、営業外収益の仕入割引も減少しました。また、自己株式取得手数料が3億4百万円発生したことなどもあり、経常利益は370億40百万円(前年同期比96.1%)となりました。

 

e.特別利益・特別損失・税金等調整前当期純利益

特別利益は、新株予約権戻入益2億76百万円を計上したこと等により、3億88百万円(前年同期比71.0%)となりました。また、特別損失は減損損失40億22百万円を計上したこと等により、45億58百万円(前年同期比102.7%)となりました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は328億70百万円(前年同期比94.9%)となりました。

 

f.法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額・非支配株主に帰属する当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益・包括利益

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は123億57百万円(前年同期比100.5%)、法人税等調整額が△10億12百万円(前年同期比69.3%)となったことから、法人税等合計は113億44百万円(前年同期比104.7%)となりました。

以上の結果、当期純利益は215億25百万円(前年同期比90.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は215億25百万円(前年同期比90.4%)となりました。また、包括利益は215億11百万円(前年同期比90.8%)となりました。

 

・当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「気候条件」「店舗開発」等を事業等のリスクとしております。詳細につきましては「第2  事業の状況  2  事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

   当社グループは、継続的な企業価値の向上を目指し、未出店エリアへの出店及び既存店舗のスクラップ&ビルドのための設備投資を行っております。こちらの資金需要は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄っております。経常的な運転資金につきましては、銀行借入により賄っております。外部からの資金調達を行う場合には、経済状況を踏まえ選択しうる方法から当社グループにとり最善な方法により実施したいと考えております。なお、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化に備えるため、2020年4月下旬において、400億円の銀行借入を実行し手元資金の充実を図っております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な後発事象」をご参照ください。また、株主への利益還元を経営の重要課題の一つとし、財務の健全性維持を図りつつ、安定的な配当として連結配当性向30%を目標とし、機動的な自己株式の取得を実行し、資本の効率的運用を進めてまいりたいと考えております。

 

・当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが600億16百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが116億7百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが453億30百万円の支出となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループは、主に仕入計画及び設備投資計画に照らして、銀行借入等により必要な資金を調達しております。来期の設備投資計画につきましては、「第3  設備の状況  3  設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

第37期

第38期

第39期

第40期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

48.9

59.8

62.1

64.6

時価ベースの自己資本比率(%)

50.6

83.7

54.5

55.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.9

0.9

1.3

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

41.9

64.4

47.8

126.5

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。

3.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しています。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

・セグメントの業績は、セグメント情報を記載していないため省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社は、既存の小売店と共存共栄を図ることを基本方針としてフランチャイズ契約を締結しております。契約の要旨は次のとおりであります。

契約の目的

株式会社ケーズホールディングス(甲)は、加盟店(乙)に対して、甲が使用している商号、商標、経営ノウハウを提供し、同一企業イメージのもとに営業を行う権利を与え

、乙はその代償として一定の対価を支払い、甲の指導と援助のもとに継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的とする。

商品の供給

乙の販売する商品はすべて甲がこれを供給する。これにより一括大量仕入による仕入単価の低下を図り、相互の利益に資するものとする。

契約期間

本契約の期間は、契約締結日より満5ヶ年とする。ただし、期間終了後、甲乙が協議の上、契約を更新することができる。

本契約の有効期間中といえども、甲及び乙は相手方が本契約に定める事項に違反したときもしくは3ヶ月以前に予告することにより、本契約を解約することができるものとする。

 

(2)当社は、クレジット販売に関して、信販会社と加盟店契約を締結しております。

その主なものは次のとおりであります。

信販会社名

契約締結年月

契約期間

株式会社ジェーシービー

1996年8月

3ヶ月以上の予告期間をもって一方当事者の解約申出まで。

三井住友カード株式会社

2003年3月

イオンクレジットサービス株式会社

2014年11月

(注)  クレジット販売に関する加盟店契約は、信販会社が信用調査の結果、承認した当社の顧客に対する販売代金を顧客に代わって当社に支払い、信販会社はその立替代金を信販会社の責任において回収するものであります。

 

 

5【研究開発活動】

  該当事項はありません。