第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念を掲げ、次のとおり取り組んでおります。

 

『がんばらない経営』

 無理をして自分の力以上の力を出すことは短期的には可能であっても、終わりのない会社経営には適切ではありません。無理をすれば必ずその反動があります。

 お客様にご満足いただくためにあるべき姿に向かって、正しいことを無理をせず、確実に実行していく経営方針を『がんばらない経営』と表現しております。

 

『1、従業員 2、お取引先 3、お客様 4、株主』

 お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考え、1、従業員 2、お取引先 3、お客様 4、株主の順で大切にしようと考えております。

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(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、下記の通り、重点取組事項及び目標とする経営指標を掲げ、2021年5月6日に公表しました「中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)」において、2024年3月期売上高8,100億円、営業利益490億円、経常利益540億円、親会社株主に帰属する当期純利益340億円の達成に向け取り組んでおります。

 

(重点取組事項)

 既存店売上高は、前年対比100%の水準を維持することを目標とし、加えて出店によるシェアの拡大を図る。

 高付加価値商品の販売強化と、商品開発で利益を確保すると同時に経費をコントロールする。

 

(経営指標)

 連結ROE10%、連結配当性向30%を目指す。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症拡大により、当社を取り巻く経営環境は大きく変化いたしました。2021年3月期は巣ごもり需要、特別定額給付金の支給や郊外に多く立地する当社店舗の相対的優位等により過去最高の増収増益となりました。その後も新型コロナウイルス感染症再拡大による影響が未だ払拭されてはおりませんが、アフターコロナは、郊外立地の相対的優位性が剥落し、特需の反動減が来るのではないかと懸念する見方もあります。しかしながら、当社グループは、巣ごもり需要によって、商品の買い増しや、高付加価値商品への買い替えが発生し、家電需要全体は底上げされたと考えております。当社グループの取り扱う家電品は、衣食住に関わる安定的な生活を確保するために必要な生活必需品であり買い替え需要は決してなくなることはありません。

 国際情勢の悪化による物価上昇、生活費の支出増が引き起こす消費マインド減退への懸念はありますが、家電製品は毎年底堅い買い替え需要に支えられております。特に、家庭での光熱費の上昇により、省エネ性能の高い高付加価値商品に対するお客様の買い替えニーズは高い状況が続くと思われます。

 また、コロナ以前は、ECでの買い物が主流になり、リアル店舗の価値が低下するのではないかと懸念する見方もありました。しかし、コロナ禍を通し、自宅から車で15分圏内に店舗があるという利便性と、リアル店舗でお買い物をすることの楽しさが再認識されたものと考えております。そのため、少子高齢化の中であっても、当社グループはしっかりと買い替え需要をとらえ、シェアアップを図ってまいります。

 

 当社グループは、これらの認識を踏まえ、次のとおり、取り組んでおります。

 

① 家庭用電化製品に特化

 当社グループは家電専門店の「ケーズデンキ」を運営しております。取扱商品を家電品に絞ることによって、ローコスト経営と従業員の専門性の高さを保持しております。また、家電品を試用・体験できる売り場づくりなど、家電専門店ならではの特徴のある店舗作りに取り組んでおります。

 

② 高付加価値商品の販売、プラスワン販売の強化

 当社グループは一人当たり単価を伸ばすことに注力しております。お客様のご要望を伺い、お客様に合ったよりよい商品のご提案をすることで高付加価値商品の販売構成比を上げることに取り組んでおります。また、関連品のお勧めをすることで、お買い上げ点数のアップを図っております。人口減少によって来店客数が減少傾向にある地域もありますが、これらの取り組みにより客単価を上げることでシェアの拡大を図り、着実に成長していくことを目指してまいります。

 

③ 「ケーズデンキあんしんパスポート」アプリ会員の獲得推進

 当社グループの「ケーズデンキあんしんパスポート」会員は4,500万人を超えておりますが、更なる新規会員の獲得及び紙のカードからスマートフォンアプリへの移行に注力しております。このアプリは、会員様へ会員限定クーポンの配信や、WEBチラシの閲覧を容易にすることなどが可能で折込チラシに代わる販売促進策の一つになっております。コロナ禍を機に、チラシの発行部数・折込エリアの見直しを行う反面、アプリでの販促活動は、今後更に重要さを増すものと認識しております。「ケーズデンキあんしんパスポート」アプリ会員はコロナ禍においても新規顧客を伸ばすことができました。これは今まで当社グループを利用したことが無いお客様にもご来店いただけたものと分析しております。新規顧客に対してもケーズデンキファンになっていただけるよう魅力ある店舗づくりに注力してまいります。

 

④ 都市部、空白地帯への出店

 当社グループの出店強化エリアは、人口が多い都市部と未出店地域です。当社グループが認識する“都市部”とは、人が多く住んでいる大都市周辺のベッドタウンを指しております。これらの地域に積極的に出店し、未完成の国内店舗網を構築することにより、ドミナント戦略の効果をより発揮することが可能になります。同時に既存店はスクラップ&ビルドを行い、常に周辺環境に合致した新しい店舗づくりを目指してまいります。2023年3月期は18店舗の出店と1店舗の閉鎖を計画し、更なる業容の拡大を図ってまいります。

 

 

⑤ ECへの取り組み

 当社グループには自社ECサイト(ケーズデンキオンラインショップ)があり、PayPayモール、楽天市場にも出店しております。新型コロナウイルス感染症拡大でECサイトの売上高はコロナ禍以前のおよそ2倍に伸長し、その後も高い水準を保っております。当社グループでは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン等の配達、設置工事を伴う商品はECに適しにくく、小物商品や消耗品がECでの購買に適していると分析しております。それらの商品群に対してはオリジナル商品を投入し、訴求力のある価格でなおかつ利益を確保できる体制を整えてまいります。

 

⑥ 人材の確保

 当社グループは、お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考えています。コロナ禍の中、働く従業員に報いるために2023年3月期についても、定期昇格・昇給に加え、体系是正・格差是正を実施し、給与の引き上げを行ってまいります。また、少子高齢化により労働人口も減少傾向にありますが、人材派遣業を営む当社グループの株式会社ケーズキャリアスタッフにて、能力のあるシニアの再雇用を促進し、安定した労働力を確保してまいります。

 

⑦ コロナ禍での店舗運営

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策といたしましては、出勤前の検温、こまめな手洗い、うがいの徹底、マスク着用、消毒液の設置、レジ及び契約カウンターでの飛沫防止ビニールカーテン設置、定期的な入口開放による店内換気、お客様への積極的なお声がけの自粛、一定の距離を保った接客などに取り組んでまいりました。店舗の運営状況は、2020年3月期末より、新型コロナウイルス感染症対策として継続的に一部店舗での1時間程度の営業時間の短縮を行っております。営業時間については、感染の状況や周辺の生活環境、従業員のワクチン接種に伴う特別休暇等を勘案し、随時柔軟に変更しております。当社は今後とも、お客様、従業員、お取引先様をはじめとする当社と関わる全ての関係者の皆様の健康を守ることを第一に、出来うる限り最大限の新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じてまいります。

 

⑧ 商品供給

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴うアジア諸国をはじめとする都市封鎖(ロックダウン)に伴う工場の閉鎖、輸送コンテナ不足、長引く半導体不足、世界情勢の悪化等により、取引先からの商品供給について一部遅れが出る可能性がありますが、対面販売の強みである接客による臨機応変な対応により、お客様にご満足いただけるご対応ができるよう取り組んでまいります。

 

⑨ ESG経営

 当社グループでは、『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』を企業理念として掲げ、ESG経営に取り組んでおります。2021年6月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、2022年4月1日には、サステナビリティ委員会を発足させました。TCFD提言に沿い、気候関連のリスク・機会を洗い出し、その両面において事業及び財務へ与える影響を分析し、今後の経営戦略に反映してまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 季節的要因について

当社グループは、全ての商品について市場調査、販売動向、景気予測、気候条件等を十分に勘案した上で販売計画を立てておりますが、特にエアコン、石油・ガス・電気暖房機等のいわゆる季節商品は、夏・冬の気候の影響が非常に強い商品であります。他の商品が新機種・新製品の発売等、メーカーの商品開発による売上拡大の要因があるのに対し、季節商品には加えて気候条件という販売側で予測・コントロールが困難な要因が存在しております。

季節商品の動向は、販売時期が一定期間に集中する傾向にあるものの、予測・コントロール不可能な気候条件の変動により左右されるため、今後も気候条件の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 店舗開発及び固定資産の減損会計について

当社グループは、空白地域への出店により国内店舗網の構築を図るとともに、人口密集地域への店舗開発も積極的に行い、家電販売業界において確固たる地位の確立を目指しております。

店舗開発につきましては、商圏状況(商圏世帯数、交通アクセス、競合状況等)に基づいた当社基準により売上及び利益計画、投資等をグループ各社の代表取締役及び店舗開発担当者が出席する会議にて充分に検討し、決定を行っておりますが、知名度の低い未出店エリアへの出店及び地価の高い人口密集地への店舗開発を進めることにより、顧客基盤を構築するまでに時間を要する場合や、1店舗当たりの初期投資額が大きくなる傾向があります。

このような状況において、予想外の新たな競合先の出店や、道路・交通アクセスの変化等により商圏状況に著しい変化があった場合、当初計画と実績に乖離が生じることがあり、全体業績に与える影響の割合が大きくなる可能性があります。

また、事業計画の変更や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ将来キャッシュ・フローが減少した場合、又は「固定資産の減損に係る会計基準」等の変更がある場合は減損損失が計上され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合環境について

 当社グループは、家電量販店に限らず、同様の商品を店舗において取り扱う企業、及びインターネット販売の企業と競合関係にあります。他社との差別化として品揃えや価格競争力のみならず、店舗競争力を高めるため接客やアフターサービス等人材育成の強化に努めるほか、電話注文による対応、自社ECサイトの充実、及びモール型ECサイトへの出店などお客様のご都合に合わせた販売チャネルの拡充を図っておりますが、企業間の競争が更に激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 経済動向について

 当社グループは、日本国内において事業展開しているため、国内の経済政策、景気動向、出店地域の景気や個人消費等の変化が、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

 当社グループは、「大規模小売店舗立地法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に基づく「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」による規制、「不当景品類及び不当表示防止法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「特定家庭用機器再商品化法」等の法的規制を受ける事業を行っております。新たな法令の制定や規制の強化、規制当局による措置その他の法的手続きが行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 自然災害・事故・感染症等について

 当社グループは、自然災害や事故、感染症等からお客様の安全を確保するため、ハザードマップを参考とした店舗開発、店舗の耐震性の強化、手指消毒剤の設置など、防災対策を徹底して行っております。しかしながら、地震・台風等の大規模な自然災害により店舗等が被災した場合や、自然災害、感染症の流行等により店舗の休業や来店客の減少、メーカーからの商品供給不足となった場合には、店舗売上の減少により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報及び機密情報の漏洩について

 当社グループは、あんしんパスポートの発行や、インターネット通販を行っていること等により、個人情報を保有しております。これらの情報については、社内管理体制の整備や、セキュリティシステムの構築等により万全を期しております。しかしながら、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償への対応やお客様の信頼を失うことにより当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 出店に伴う敷金、保証金等の債権について

 当社グループは、出店のため多くの土地・建物を賃借しております。賃借に際しましては契約に基づき敷金・保証金及び長期貸付金の差し入れを行っております。

 担保設定等の保全に努めておりますが、賃貸人の経済状況によっては、その一部若しくは全部が回収できないことにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 組織再編等について

 当社グループは、事業の強化、拡大及び家庭電化製品の販売に特化することを目的として、組織再編やM&A、提携、売却等を行う可能性があります。当該行為に際しては、十分な調査、分析のうえ検討を行いますが、偶発的な問題が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)商品供給について

 当社グループは、お客様に安定的に商品を提供するために日頃より将来を見極め、それに応じた仕入を行っております。しかしながら、長引く半導体不足、感染症拡大等により生産拠点の都市封鎖(ロックダウン)、自然災害等による工場等の損傷や操業停止、輸送コンテナの不足等により、取引先からの商品供給が一時的に滞る、又は遅延する可能性があります。万が一商品カテゴリー全体に深刻かつ長期的な商品不足が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により経済活動が繰り返し制約を受けていることに加え、国際情勢の悪化から、エネルギー価格や原材料価格の上昇も重なり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 こうした状況のもと、当社グループは、正しいことを確実に実行する「がんばらない(=無理をしない)」経営を標榜し、お客様に伝わる「本当の親切」を実行すべく、「現金値引」、「長期無料保証」、「あんしんパスポート」等お客様の立場に立ったサービスを提供し、家電専門店としてお客様の利便性を重視した地域密着の店舗展開、営業活動を行ってまいりました。そのような中、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の徹底を継続し、折込チラシの自粛や一部店舗での営業時間短縮を継続してまいりました。また、第1四半期におきましては、緊急事態宣言下での休業要請を受け、最長で4月25日から5月13日までの期間、大阪府、兵庫県、京都府に立地する全39店舗を臨時休業いたしました。

 出退店状況につきましては、以下に記載の通り直営店15店舗を開設し、直営店1店舗を閉鎖して店舗網の強化・経営の効率化を図ってまいりました。これらにより、2022年3月末の店舗数は533店(直営店529店、FC店4店)となりました。

 以上の結果、売上高は7,472億19百万円(前年同期比94.3%)、営業利益は417億55百万円(前年同期比80.7%)、経常利益は465億45百万円(前年同期比82.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は285億47百万円(前年同期比73.7%)となりました。

 

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

     出店退店の状況

所在地

出店

退店

北海道

平岸店(11月)

 

宮城県

利府店(3月)

 

茨城県

トナリエクレオ店(7月)

 

群馬県

高崎店(11月)

 

埼玉県

 

大宮櫛引店(7月)

岩槻店(3月)

 

千葉県

南柏店(4月)

 

東京都

足立一ツ家店(5月)

 

富山県

富山本店(9月)

 

石川県

加賀店(11月)

 

岐阜県

大垣店(6月)

郡上八幡店(5月)

静岡県

ラフレ初生店(4月)

 

大阪府

堺遠里小野店(2月)

 

島根県

出雲店(1月)

 

福岡県

博多半道橋店(2月)

 

 

また、当連結会計年度における財政状態につきましては次のとおりであります。

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ140億91百万円増加して4,420億53百万円となりました。

これは主に、有形固定資産が55億3百万円減少する一方、商品が134億45百万円、売掛金が28億85百万円、現金及び預金が19億42百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ128億44百万円増加して1,654億26百万円となりました。

これは主に、未払法人税等が80億89百万円、その他流動負債のうち、預り金が31億46百万円及び未払金が30億79百万円減少する一方、短期借入金が184億95百万円、買掛金が48億87百万円増加いたしました。また、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い商品保証引当金が164億83百万円、前受金が80億99百万円及び長期預り金が40億30百万円減少し、契約負債を313億70百万円計上したこと等によるものです。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響長期化等により突発的な資金需要が生じる場合に備え、主要取引銀行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億46百万円増加して2,766億27百万円となりました。

これは主に、自己株式が取得等により189億80百万円増加する一方、利益剰余金が203億40百万円増加したこと等によるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.2%から62.5%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億42百万円増加して299億38百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、242億26百万円の収入(前年同期は565億89百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益418億1百万円、減価償却費143億47百万円、棚卸資産の増加額145億83百万円、法人税等の支払額228億1百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、95億66百万円の支出(前年同期は191億55百万円の支出)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出90億74百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、127億46百万円の支出(前年同期は230億67百万円の支出)となりました。

これは主に、短期借入金の純増額205億円があった一方、自己株式の取得による支出202億48百万円、配当金の支払額92億19百万円等によるものです。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5  経理の状況  1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産について減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、その結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

グループ各社の経営者が出席する会議等にて営業店舗の業績のモニタリングを行っており、その結果を踏まえ、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たり慎重に検討しておりますが、事業計画の変更や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ将来キャッシュ・フローが減少した場合、翌連結会計年度以降に減損損失を認識することになる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。なお、連結損益計算書の主要科目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は次のとおりです。

 

a.売上高

 当連結会計年度の売上高は、7,472億19百万円(前年同期比94.3%)となりました。

 7月及び8月の天候不順や11月及び12月に特に東日本において気温が高めに推移したことでエアコンや暖房商品、冷蔵庫等が低調に推移いたしました。1月以降におきましては寒波が到来し堅調に推移したものの、2020年5月の特別定額給付金の支給や6月及び8月の猛暑で非常に好調であった前連結会計年度を下回る結果となりました。

 

(音響商品)

ご自宅で充実した時間を過ごすため、キーボードや電子ピアノなどの電子楽器や、ヘッドホン等が非常に好調であった2021年3月期に対しては下回りました。

 

(映像商品)

2011年のアナログ停波から11年が経過し、4K8K大型テレビへの買い替えサイクルが到来しており、高付加価値商品の構成比が高まりました。これにより単価の上昇傾向が続いておりますが、2021年3月期に対しては下回りました。

 

(情報機器)

テレワーク、オンライン授業が急速に普及した2021年3月期に対しては下回りました。

 

(家庭電化商品)

食品の鮮度が長く保たれる冷蔵庫や、冷凍食品を保存しておくための冷凍庫、大容量・洗剤自動投入機能が付いたドラム式洗濯機など高付加価値商品への買い替えが好調に推移しましたが、2021年3月期に対しては下回りました。

 

(季節商品)

7月、8月の天候不順、11月、12月気温が高めに推移したことでエアコン及び暖房器具は低調でした。1月以降は寒波が到来し、やや持ち直しの動きがみられました。

 

 商品別販売実績、地域別販売実績及び単位当たり売上高は以下のとおりです。

 

商品別販売実績

品種別名称

直営店売上高

(百万円)

フランチャイズ等売上高

(百万円)

(百万円)

音響商品

16,758

57

16,815

映像商品

 

 

 

テレビ

74,621

287

74,909

ブルーレイ・DVD

13,379

48

13,428

その他

8,280

31

8,311

小計

96,281

368

96,649

情報機器

 

 

 

パソコン・情報機器

50,141

177

50,319

パソコン周辺機器

36,148

113

36,262

携帯電話

63,582

24

63,607

その他

25,657

138

25,796

小計

175,531

453

175,985

家庭電化商品

 

 

 

冷蔵庫

74,001

257

74,259

洗濯機

71,325

236

71,561

クリーナー

27,678

86

27,765

調理家電

51,811

176

51,987

理美容・健康器具

31,724

118

31,842

その他

30,812

110

30,923

小計

287,354

986

288,340

季節商品

 

 

 

エアコン

92,005

292

92,298

その他

27,444

111

27,555

小計

119,449

404

119,854

その他

49,234

339

49,573

合計

744,610

2,608

747,219

(注)1  当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。なお、当該適用にあたっては同基準に定める経過的な取扱いに従っているため、対前期比の記載は省略しております。

2  「フランチャイズ等売上高」は、フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上であります。

3  上記金額にはEC売上高も含まれております。

4  長期無料保証サービスに係る売上4,066百万円は「その他」(直営店売上高)に含まれております。

 

地域別販売実績

地域

売上高

 金額(百万円)

構成比(%)

北海道

44,083

5.9

青森県

17,935

2.4

岩手県

17,163

2.3

宮城県

31,198

4.2

秋田県

11,826

1.6

山形県

15,357

2.1

福島県

21,576

2.9

茨城県

60,357

8.1

栃木県

19,797

2.6

群馬県

18,570

2.5

埼玉県

43,614

5.8

千葉県

62,803

8.4

東京都

29,047

3.9

神奈川県

22,752

3.0

新潟県

24,388

3.3

富山県

6,510

0.9

石川県

8,831

1.2

福井県

4,347

0.6

山梨県

3,380

0.5

長野県

12,946

1.7

岐阜県

11,958

1.6

静岡県

16,577

2.2

愛知県

36,915

4.9

三重県

11,117

1.5

滋賀県

9,529

1.3

京都府

7,600

1.0

大阪府

15,825

2.1

兵庫県

24,894

3.3

奈良県

8,597

1.2

和歌山県

7,942

1.1

鳥取県

1,915

0.3

島根県

327

0.0

岡山県

9,950

1.3

広島県

7,303

1.0

山口県

1,048

0.1

徳島県

11,398

1.5

香川県

14,721

2.0

愛媛県

11,510

1.5

高知県

6,195

0.8

福岡県

10,351

1.4

佐賀県

2,523

0.3

長崎県

3,136

0.4

熊本県

13,477

1.8

大分県

12,175

1.6

宮崎県

1,940

0.3

鹿児島県

11,798

1.6

747,219

100.0

(注)1  当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。なお、当該適用にあたっては同基準に定める経過的な取扱いに従っているため、対前期比の記載は省略しております。

2  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高2,608百万円は、加盟店の本店所在地域の売上高として記載しております。

3  上記金額にはEC売上高も含まれております。

 

単位当たり売上高

 

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

売上高(百万円)

789,590

744,610

1㎡当たり売上高

売場面積(期中平均)  (㎡)

1,901,681

1,940,262

1㎡当たり期間売上高(千円)

415

384

1人当たり売上高

従業員数(期中平均)  (人)

10,280

10,511

1人当たり期間売上高(千円)

76,811

70,841

(注)1  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高(前連結会計年度2,952百万円、当連結会計年度2,608百万円)は含まれておりません。

2  売場面積については、大規模小売店舗立地法による届出売場面積を記載しております。

3  従業員数には、臨時従業員(一般従業員の標準勤務時間数から換算した人数)を含めて表示しております。

 

b.売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、2,110億85百万円(前年同期比91.3%)となりました。

お客様の高付加価値商品への買い替えニーズはあったものの、過去最高益であった前年同期を下回る結果となりました。半導体不足等の影響によりプリンタや電話機、FAXなど一時的に品薄となった商品はございましたが、多くの商品が大幅に供給不足に陥る事態は発生いたしませんでした。

仕入実績の詳細は以下のとおりです。

 

仕入実績

品種別名称

 仕入高(百万円)

音響商品

11,359

映像商品

 

テレビ

60,614

ブルーレイ・DVD

9,516

その他

5,523

小    計

75,654

情報機器

 

パソコン・情報機器

43,641

パソコン周辺機器

24,395

携帯電話

39,649

その他

16,362

小    計

124,049

家庭電化商品

 

冷蔵庫

51,913

洗濯機

49,399

クリーナー

18,609

調理家電

33,783

理美容・健康器具

21,018

その他

21,552

小    計

196,278

季節商品

 

エアコン

64,230

その他

19,908

小    計

84,138

その他

55,540

合    計

547,021

(注)  当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。なお、当該適用にあたっては同基準に定める経過的な取扱いに従っているため、対前期比の記載は省略しております。

 

c.販売費及び一般管理費・営業利益・営業外損益・経常利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,693億29百万円(前年同期比94.4%)となりました。

広告宣伝費は、新型コロナウイルス感染症の影響により継続的に抑制をいたしましたが、折込チラシや開店セール等の大幅な自粛があった前年同期に対しては増加いたしました。人件費は定期昇給等により増加したものの、2021年3月期の第1四半期及び第4四半期に特別手当を支給したこと及び12月に冬季賞与を増額支給したことから前年同期を下回りました。「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、「無料保証引当金繰入額」が計上されなくなったことの影響が大きく、販売費及び一般管理費全体では前年同期を下回る結果となりましたが、売上総利益の減少を補うには至らず、営業利益は417億55百万円(前年同期比80.7%)となりました。

なお、経常利益は465億45百万円(前年同期比82.0%)となりました。

 

d.特別利益・特別損失・税金等調整前当期純利益

特別利益は、助成金収入4億14百万円を計上したこと等により、6億89百万円(前年同期比197.2%)となりました。特別損失は、減損損失32億8百万円を計上したこと等により、54億34百万円(前年同期比236.6%)となりました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は418億1百万円(前年同期比76.3%)となりました。

 

e.法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額・親会社株主に帰属する当期純利益・包括利益

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は145億58百万円(前年同期比78.9%)、法人税等調整額が△13億4百万円(前年同期比54.8%)となったことから、法人税等合計は132億54百万円(前年同期比82.5%)となりました。

以上の結果、当期純利益は285億47百万円(前年同期比73.7%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は285億47百万円(前年同期比73.7%)となり、連結ROEは10.4%となりました。また、包括利益は286億30百万円(前年同期比73.7%)となりました。

 

・当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「気候条件」「店舗開発」等を事業等のリスクとしております。詳細につきましては「第2  事業の状況  2  事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、継続的な企業価値の向上を目指し、未出店エリアへの出店及び既存店舗のスクラップ&ビルドのための設備投資を行っております。こちらの資金需要は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄っております。経常的な運転資金につきましては、銀行借入により賄っております。外部からの資金調達を行う場合には、経済状況を踏まえ選択しうる方法から当社グループにとり最善な方法により実施したいと考えております。また、株主への利益還元を経営の重要課題の一つとし、財務の健全性維持を図りつつ、安定的な配当として連結配当性向30%を目標とし、機動的な自己株式の取得を実行し、資本の効率的運用を進めてまいりたいと考えております。

 

・当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが242億26百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが95億66百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが127億46百万円の支出となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループは、主に仕入計画及び設備投資計画に照らして、銀行借入等により必要な資金を調達しております。来期の設備投資計画につきましては、「第3  設備の状況  3  設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

第39期

第40期

第41期

第42期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

62.1

64.6

64.2

62.5

時価ベースの自己資本比率(%)

54.5

55.9

73.2

54.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.3

0.2

0.2

1.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

47.8

126.5

120.0

55.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。

3.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しています。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

・セグメントの業績は、セグメント情報を記載していないため省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社は、既存の小売店と共存共栄を図ることを基本方針としてフランチャイズ契約を締結しております。契約の要旨は次のとおりであります。

契約の目的

株式会社ケーズホールディングス(甲)は、加盟店(乙)に対して、甲が使用している商号、商標、経営ノウハウを提供し、同一企業イメージのもとに営業を行う権利を与え

、乙はその代償として一定の対価を支払い、甲の指導と援助のもとに継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的とする。

商品の供給

乙の販売する商品は全て甲がこれを供給する。これにより一括大量仕入による仕入単価の低下を図り、相互の利益に資するものとする。

契約期間

本契約の期間は、契約締結日より満5ヶ年とする。ただし、期間終了後、甲乙が協議の上、契約を更新することができる。

本契約の有効期間中といえども、甲及び乙は相手方が本契約に定める事項に違反したときもしくは3ヶ月以前に予告することにより、本契約を解約することができるものとする。

 

(2)当社は、クレジット販売に関して、信販会社と加盟店契約を締結しております。

その主なものは次のとおりであります。

信販会社名

契約締結年月

契約期間

株式会社ジェーシービー

1996年8月

3ヶ月以上の予告期間をもって一方当事者の解約申出まで。

三井住友カード株式会社

2003年3月

イオンクレジットサービス株式会社

2014年11月

(注)  クレジット販売に関する加盟店契約は、信販会社が信用調査の結果、承認した当社の顧客に対する販売代金を顧客に代わって当社に支払い、信販会社はその立替代金を信販会社の責任において回収するものであります。

 

 

5【研究開発活動】

  該当事項はありません。