第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・パーパス(存在意義)

 当社グループは『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念をパーパスとして掲げ、次のとおり取り組んでおります。

 

『がんばらない経営』

 無理をして自分の力以上の力を出すことは短期的には可能であっても、終わりのない会社経営には適切ではありません。無理をすれば必ずその反動があります。

 お客様にご満足いただくためにあるべき姿に向かって、正しいことを無理をせず、確実に実行していく経営方針を『がんばらない経営』と表現しております。

 

『1.従業員 2.お取引先 3.お客様 4.株主』

 お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考え、1.従業員 2.お取引先 3.お客様 4.株主の順で大切にしようと考えております。

0102010_001.png

(2) 目標とする経営指標

 当社グループはマテリアリティ(重要課題)を特定したうえでESG経営に取組み、「中期経営計画2027」を掲げ、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を推進しております。

 

(ケーズデンキのマテリアリティ)

 当社グループのマテリアリティ(重要課題)は何であるかについて話し合い、企業価値及びステークホルダーに与えると思われる影響の洗い出しを行いました。その後、取締役会において当社グループにおけるマテリアリティを以下のとおり特定いたしました。

分類

ESG軸

重要課題

具体的取組み内容

専門性

 

家電に特化し専門性に更に磨きをかける

 

新規出店でシェア拡大を図る

家電に特化した専門性に更に磨きをかける

ドミナント出店により販管費率を抑制する

配送設置・工事業者のスキルアップ

リアル店舗

買い物の楽しさを再認識できる売場づくり

従業員の商品知識と接客スキルの向上、高付加価値商品の提案

人口減少でもシェアを拡大する

人口減少

高齢化

高齢者にも買いやすい店舗づくり、サービスの工夫

ECへの対応

パソコン教室等の教育分野の拡大

社会変革

社会

(Social)

従業員を大切にし、人的資本経営を目指す

優れた人材・労働力の確保、離職者の抑制、女性活躍推進

地域雇用の創出

多様な働き方への対応

従業員・取引先・サプライヤーとの人権に対する考え方の共有

気候変動

自然災害

感染症

環境

(Environment)

安定した店舗運営と持続可能な社会の実現への貢献

災害対策

気候変動リスク・機会分析及び炭素排出量の分析と目標設定

省エネ型店舗設計

省エネ商品の販売促進

感染症対策

法令

倫理

企業統治

(Governance)

法令の遵守とガバナンスの強化

法令の遵守

取締役会監督機能の強化

 

 

(「中期経営計画2027」2025年3月期~2027年3月期 3か年計画)

 中長期的にROE10%を目指す中において、中期経営計画最終年度である2027年3月期にはROE8%の実現を目指し、取り組んでまいります。

 

①基本方針

既存店効率の再点検及び接客力強化により中長期的な成長につなげる地盤固めを図る

 

②取組み事項骨子

1.家電に特化し安定した利益創出を目指す

2.DXにより業務効率化と売上拡大を目指す

3.資本効率の向上を図り企業価値を高める

 

③株主還元

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、安定配当を目指し、業績に裏付けられた成果配分を行うことを方針としております。

当社は今後とも、機動的な資本政策を遂行し、株主還元の充実に積極的に努めてまいります。

 

株主還元方針

・総還元性向80%を目標とする

・連結配当性向40%を目標とし、年間1株当たり配当額は44円を下限とする

 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 2021年3月期はコロナ禍での巣ごもり需要により過去最高益となりましたが、2022年3月期以降3年間は、巣ごもり需要の反動減、都心回帰、コト消費の活況、物価高による家電買い替えサイクルの長期化等により減収減益となり、PBRについても1倍を下回る状況が続きました。

 しかしながら、当社グループの取り扱う家電製品は衣食住に関わる安定的な生活を確保するために必要な生活必需品であり、壊れたら買い替える底堅い買い替え需要に支えられております。

 これらの状況を踏まえ、2025年3月期以降の3年間は中長期的な成長につなげるための大切な地盤固めの期間であると位置づけ、「がんばらない経営」の経営方針のもと「中期経営計画2027」に取り組むとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を推進してまいります。

 

 当社グループは、これらの認識を踏まえ、次のとおり、取り組んでおります。

 

①効率の再点検と改装による既存店の収益性改善並びにスクラップ&ビルドによるドミナント出店の推進を図る

 ・人員配置、営業時間の再点検を実施

 ・中期経営計画期間中で累計20店舗の出店、年間30店舗の改装を目指す

 

②人的資本への投資により労働生産性の向上を図る

 ・高付加価値商品販売で一人当たり売上高と粗利額の増を目指す

 ・人的資本への投資 オンライン研修の強化、家電製品アドバイザー取得者増により販売スキルと専門性の向上を図る

 

③販管費率の抑制を図る

 ・デジタル販促(あんしんパスポートアプリ、LINEチラシ、SNS広告等)を有効活用し広告宣伝費の伸びの抑制を図る

 ・店舗屋上への太陽光発電システムの設置により電気の安定供給と水道光熱費の削減を図る

 

④オンラインショップ及びあんしんパスポートアプリの利便性向上と売上拡大を図る

 ・ユーザーインターフェイスの利便性向上、店頭受け取り強化、発送拠点の集約による効率化

 ・「中期経営計画2027」最終年度でオンラインショップ売上高倍増を目指す(2024年3月期実績比)

 ・あんしんパスポートアプリの機能追加による利便性向上を目指す

 

⑤店舗業務の効率化を図る

 ・業務端末の活用による従業員の業務負荷軽減と接客時間の拡大

 ・POSレジと業務端末の柔軟なデバイス選択による機材のコストダウンを目指す

 ・POSレジ操作の簡素化による業務負荷の軽減と人為的ミスの低減を図る

 

⑥社内システム入替により基盤強化と本社業務効率化を図る

 ・安定性と継続性の高いシステム構築、ECシステムの刷新と基盤強化

 ・本社バックオフィス業務の効率化

 

⑦利益率及び効率性の向上を図る

 ・家電に特化し安定した利益創出を目指す、DXにより業務効率化と売上拡大を目指す

 

⑧自己資本の圧縮を図る

 ・機動的な自社株買いと必要に応じた負債調達を実施し財務レバレッジを向上させる

 

⑨株主資本コストの低減を図る

 ・充実した情報開示とIRを通し、投資家の皆様とのエンゲージメントの深化に繋げる

 ・役員報酬の一部にESGへの取組評価を導入し非財務情報の開示の充実化と企業価値向上との連動を図る

 

⑩ESG経営

 ・『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念をパーパスとして掲げ、サステナビリティ推進本部を中心にグループ横断で経営課題に取組み、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指す

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは正しいことを無理せず、確実に実行していくという経営方針「がんばらない経営」や「従業員を大切にする」という考え方がサステナビリティの根幹となると考えております。

 そのような考えのもと、様々なサステナビリティ課題にグループ全体で取り組むため、サステナビリティに関する情報の共有、及び対応方針の検討、並びに取締役会において決定された対応方針の推進、進捗状況のモニタリングを目的とした「サステナビリティ委員会」を設置し、当該事業年度においては6回開催しております。

 参加者は当社取締役、及びグループ各社の代表取締役社長、並びに当社各本部長とし、委員長はサステナビリティの取組みに関する責任者と位置付けております。

 この委員会において検討された結果は取締役会に報告され、取締役会はサステナビリティ関連の対応方針を決定しております。

 また、取締役会はサステナビリティ委員会から対応や進捗状況などの報告を受け、サステナビリティ関連の取組みを監督しております。

 当該事業年度におけるサステナビリティ委員会から取締役会の報告は6回行われております。

 

(2)リスク管理

 当社グループはリスク管理プロセスにおいて、グループ全体を横断したマネジメント体制を構築し、サステナビリティ関連課題についても全社的なリスクとして統合及び管理を行っております。

 当社グループのサステナビリティ関連リスク管理プロセスには、取締役会、サステナビリティ委員会、各部門・グループ各社、経営企画室、人事部、人材開発部、CSR部が携わっております。

 サステナビリティ関連マネジメント体制におけるそれぞれの役割は以下のとおりです。

会議体・部署

役割

取締役会

サステナビリティ関連課題に対して最終的な対応方針を決定し、推進・進捗状況をサステナビリティ委員会より報告を受け、監督する。

サステナビリティ委員会

サステナビリティ関連課題に対してグループ全体での情報共有、及び対応方針検討・取組みを推進し、取締役会に提案・報告する。

各部門・グループ各社

CSR部・人材開発部に所管するサステナビリティ関連リスク・機会に関する情報を提供、各本部長・グループ各社社長がサステナビリティ委員会に参加し、情報共有するとともに、対応方針に基づき対応を実行する。

経営企画室

CSR部・人材開発部から報告されたサステナビリティ関連リスクを全体リスクに統合する。

人事部・人材開発部

人的資本関連対応推進部署。グループ各社の管理部門と連携して人的資本関連リスク・機会の特定や対応戦略を検討し、経営企画室へ報告する。

CSR部

気候関連対応推進部署。各部門・グループ各社と連携して気候関連リスク・機会の特定・影響度評価等を行い経営企画室へ報告する。

また人的資本関連においては、人事部・人材開発部のリスク・機会の特定・影響評価等への支援を行う。

 

 当社グループのサステナビリティ関連マネジメント体制及びリスク管理プロセスにつきましては、始めにCSR部・人事部・人材開発部が「TCFD提言」、「人的資本可視化指針(内閣官房)」等を参照し、担当するサステナビリティ関連リスク及び機会を抽出します。続いて抽出したリスク・機会をもとに各部門やグループ各社と連携して顕在化の状況や影響度・対応状況のヒアリングを行うとともに、関連する指標のデータを収集し、全てのリスク及び機会を特定します。

 この結果はリスク全般の管理部門である経営企画室に報告され、この段階においてサステナビリティ関連リスク及び機会は全体リスク管理に統合されます。

 統合された情報は、経営企画室よりサステナビリティ委員会に報告され、グループ全体での情報の共有、及び対応方針の検討、並びに取組みの推進が行われます。

 サステナビリティ委員会での議論は取締役会へ報告され、それを受けて取締役会が最終的な対応方針を決定し、推進・進捗状況のモニタリングを行うサステナビリティ委員会を監督しております。

 以上のようなプロセスを経て、当社グループはサステナビリティ関連リスク及び機会の特定、評価、対応、モニタリングを実施しております。

 なお、2025年3月19日の取締役会において、今後、自然資本関連の依存・影響・リスク・機会分析についても同プロセスにおいて取組みを行っていくことを決定いたしました。

 

(当社グループのサステナビリティ関連マネジメント体制・リスク管理プロセス)

0102010_002.png

 

(3)戦略

 前述のガバナンス並びにリスク管理プロセスにより、当社グループは、①人的資本、②気候変動を重要なサステナビリティ課題であると認識し、以下のように取り組んでおります。

①人的資本

 当社グループは、「お客様を大切にするためには、まず会社が従業員を大切にしなければそのことは実現しない」という考え方のもと、人的資本経営に取り組んでおり、リスク管理プロセスにより、リスク・機会を以下のように認識しております。

 

(当社グループが特定した人的資本関連リスク・機会)

リスク・機会

当社グループのリスク・機会の概要

リスク

・必要な人員の質や量を確保できないことによる店舗運営上の障害や販売機会の喪失

・従業員のコンプライアンス違反による当社グループへの信頼の失墜

・従業員のモラル低下によるハラスメント発生による心身への悪影響

機会

・スキルアップ機会の提供による販売意欲の増加

・働き甲斐の提供によるモチベーションの増加、生産性の向上

・コンプライアンスやモラル教育による、より良い職場環境の提供・エンゲージメントの向上

・多様な人材の登用によるイノベーションの想起

 

当社グループは、認識したリスクに対応し機会を実現するため、「人材の確保」「多様な人材の登用」「スキルアップ」「ワークエンゲージメント向上」の4つを人材戦略として取り組んでおります。

人材戦略

取組み

人材の確保

当社グループは、離職率が2.3%と低い水準にあり、採用後は定着率が高いことから、人材確保に当たっては、採用が重要かつ課題であると考えております。当社グループは「中期経営計画2027」において20店舗の出店を予定しており、この出店における円滑な店舗運営や将来の要員確保のため、中期経営計画期間中に新卒・中途を合わせて550名の正規社員採用を行うことを目標としております。また、女性管理職の割合を30%とすることを視野において、女性の採用を上記の30%以上とすることも目標としております(2024年度実績30.7%)。

多様な人材の登用

当社グループは、年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などにとらわれず多様な人々が楽しく働き活躍できるよう努めています。特に重点的に女性活躍の推進に取り組んでおり、現在の目標として、女性管理職の割合を「中期経営計画2027」の期間中に5%以上とすることに取り組んでいます。この目標は管理職に次ぐ役職にある女性正規社員の30%が昇格することにより達成されるものであり、重点的に当該社員へのスキルアップ・キャリアアップ支援を行ってまいります。

スキルアップ

当社グループは、店頭での接客を最も重視しており、お客様に「本当の親切」を提供するため、商品知識の習得やお客様の要望をよく聞き、それに合ったより良い商品を提案できる能力を身に付けることが必要と考えております。そのため、現場における育成(OJT)をベースとして、eラーニングによる販売スキル向上や“家電製品アドバイザー資格”等の販売に活動できる資格取得を支援する取組みを行っております。特に“家電製品アドバイザー資格”の取得は重視しており、全従業員の3名に1名は取得すること(取得率33%)を目標に取り組んでおります。(2024年度実績:5,171名 取得率32.3%)

また入社から管理職までキャリアアップのタイミングで階層別研修を実施しており、キャリアアップに伴う動機付けを行うとともに必要な知識・スキルを習得できるようにしております。

ワーク

エンゲージメント向上

ワークエンゲージメントは近年注目されている概念ですが、「従業員を一番に大切にする(お客様へ本当の親切を提供するためには、まず従業員が楽しく生き生きと働ける環境が必要である)」ことを創業以来の方針とする当社グループにとっては、自然に行われていた取組みです。

ワークエンゲージメントは労働生産性と相関関係にあるとされており、ワークエンゲージメントを更に向上させることにより、「中期経営計画2027」の重点施策である労働生産性の向上に繋がるものと考えております。

課題は、ワークエンゲージメントの「活力」のリカバリー(回復)に関連する指標である有給休暇取得率であり、目標を70%とする協定を2025年3月に労働組合と締結し、労使協力して取り組んでおります。

なお、離職率等、関連するとされている指標から、当社グループのワークエンゲージメントはある程度高い水準にあるものと考えておりますが、今後は定量的に分析することも行ってまいります。

 

②気候変動

 当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして認識しており、リスク管理プロセスにより以下のように時間枠を短期、中期、長期にわたって規定し、リスク・機会を特定・評価しております。

 

短期

中期

長期

2023~2026年

2026~2030年

2030~2050年

 

 この時間枠においてTCFD提言に基づいてリスク・機会の検討を行い特定しました。また、その影響を複数の気候関連シナリオのパラメータを参照することにより、定量的にも把握しています。参照したシナリオは以下のようになっており、移行リスクの場合は温度上昇の小さい方が、物理的リスクの場合は温度上昇の大きい方がより影響度が大きくなるため、影響度を過小評価しないよう移行リスクに関しては1.5℃シナリオを、物理的リスクに関しては、4℃シナリオを用いております。

 

想定する温度上昇

引用したシナリオ

1.5℃

NZE2050(Net Zero Emissions by 2050)シナリオ

※IEA(国際エネルギー機関)WEO(World Energy Outlook) 2024より引用

4℃

RCP(Representative Concentration Pathways)8.5

※IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次報告書より引用

 

 

(当社グループが特定した主な気候関連リスク・機会)

リスク・機会の種類

当社グループのリスク・機会の概要

時間枠

(注)

影響度

短期

中期

長期

リスク

移行

リスク

政策と法

炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加

 

市場

環境配慮型商品の需要増加等、市場の変化への対応の遅れによる成長機会の喪失

評判

気候変動への対応・開示が不十分であることによるレピュテーション低下

物理的

リスク

急性

地球温暖化に伴う風水害の激甚化による店舗への直接的損害や物流ルートへの影響による売上減少

慢性

地球温暖化に伴う猛暑日の増加によるエネルギーコストの増加並びに熱中症等、従業員の健康への悪影響による生産性低下

機会

資源効率

輸送の効率化(輸送網の集約、車両の他社との共同等)によるコスト削減及び排出量削減。

市場

環境配慮型商品や災害対策商品の需要増加等、市場の変化への適切な対応による売上増加

(注) 各リスク・機会が顕在化する時間枠を示しております。

 

(気候関連リスクへの対応)

 特に大きなリスクとして認識しておりますのが、移行リスク「炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加」であり、IEA(国際エネルギー機関)のWEO(World Energy Outlook)2024を用いたシナリオ分析の結果、2030年には約25億円以上のコスト増のリスクがあると認識しております。

 当社グループはこのリスクに対応するため、2024年3月21日のケーズホールディングス取締役会にて2050年度にScope1(燃料の使用に伴う排出量)、Scope2(他者から供給された電気・熱の使用に伴う排出量)をカーボンニュートラル、その中間目標として2030年度までに2013年度比でScope1+2の50%削減を目指すことを定めております。

 これまで省エネ・効率化に成果を上げてきた照明のLED化やBEMS導入などを継続するとともに再生可能エネルギーの導入を促進し、排出量削減の取組みを進めてまいります。

 また、物理的リスクについては、風水害の激甚化による店舗の直接的損害の防止・軽減のため、出店に当たっては、水災リスクを確認し、それにより止水板等の災害対策設備の設置やGL(地盤面の高さ)やFL(床面の高さ)を上げるといった対策を行っております。

 

(機会への対応)

 「環境配慮型商品の需要増加等」が、リスクと機会の双方に記載があるように、リスクは適切な対応を行うことにより機会の獲得に繋がると当社グループは考えております。

 省エネ型製品をはじめとした環境配慮型製品の普及促進は、家電製品を販売する企業にとって家庭部門の排出量削減に貢献する社会的責任であるとともに、市場の変化に対応し、高付加価値商品の販売につながる機会でもあります。

 当社グループは気候関連のリスクに対して積極的に取組み、成長機会の獲得を目指します。

 

(4)指標及び目標

 前述の戦略に記載の通り、重要なサステナビリティ課題である①人的資本、②気候変動に対して以下のように指標・目標を定めております。

①人的資本

 当社グループは人材戦略の「人材の確保」「多様な人材の登用」「スキルアップ」「ワークエンゲージメント向上」それぞれに指標を設定し、特に重点事項(◎)に対しては目標を定めて取り組んでおります。

人材戦略

指標

実績

目標

2023年度

2024年度

2024~2026年度

人材の確保

正規社員採用者数

279

271

550(注)1

正規社員採用女性比率

33.7

30.3

毎年30%以上

平均勤続年数)(注)2

15.4

16.3

離職率)(注)2

2.1

2.3

多様な人材の

登用

女性管理職比率)(注)3

4.0

4.8

5.0

女性育休取得率

100

100

男性育休取得率

64.6

74.3

障がい者雇用率

3.2

3.2

スキルアップ

家電製品アドバイザー資格保有者

4,950

5,171

家電製品アドバイザー資格保有者比率

30.7

32.3

33.0

研修受講者数

5,383

5,255

研修回数

534

436

ワークエンゲージメント向上

有給休暇取得率)(注)2

60.7

58.1

70.0

1ヶ月当たり平均残業時間時間)(注)2

4.6

4.4

健康診断受診率

97.3

97.7

ストレスチェック受検率

92.3

94.6

重大な労働災害(注)4 発生件数

0

0

(注)1 2024.4~2027.3採用(非正規社員からの登用含む)

   2 正規社員のみ 当該項目以外は連結、全従業員

   3 課長代理及び副店長以上

   4 安全衛生規則第84条の定めに基づく

 

 国が示している目標を達成している等、高い水準にある指標についてはその水準を維持することとし、注力すべき重点事項、改善すべき課題に対しては、目標を設定して取り組むこととしています。

 

 

②気候変動

 当社グループは、気候変動に関する指標として、移行リスク「炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加」と関連性の高いScope1、Scope2を用いております。

 前述の戦略に記載の通り、2050年度にScope1+2のカーボンニュートラル、その中間目標として2013年度比でScope1+2の50%削減を目指すことを定めております。

 

(当社グループの気候関連リスク・機会の管理に用いる目標)

指標

目標年度

目標

温室効果ガス

排出量

(Scope1+2)

2050年度

(Scope1+2)カーボンニュートラル

2030年度

(Scope1+2)50%削減(2013年度比)を目指す

 

(基準年度実績及び目標排出量)

指標

基準年度

目標年度

2013年度

2030年度

2050年度

Scope1+2排出量(t-CO2)

148,787

74,393

カーボンニュートラル

 

(近年の実績)

指標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1+2排出量(t-CO2)

158,028

145,288

137,900

134,711

 

(2023年度実績における目標進捗状況)

Scope1+2排出量(t-CO2)

削減量

(t-CO2)

削減率(%)

2030年度目標進捗率(%)

2023年度

基準年度

134,711

148,787

14,076

9.5

18.9

 

 なお、当社グループは開示する実績の信頼性を向上させるため、Scope1、Scope2について2022年度実績より一般財団法人日本品質保証機構(JQA)による第三者検証を実施し、保証を受けております(検証基準:ISO14064-3に準拠 保証水準:限定的保証水準)。2024年度実績については検証実施中であり、『統合報告書2025』にて開示予定です。

 また、Scope3(サプライチェーン全体の排出量)については、2021年度から算定を開始しております。

 算定の結果は『統合報告書』にて開示しておりますが、2023年度の実績では、15あるカテゴリのうち、「11.販売した製品の使用」及び「1.購入した製品・サービス」の2つのカテゴリの構成比が全体の98%を占めておりました。

 特にカテゴリ11の影響度が極めて高いことから、当社グループのScope3削減にあたっては、より省エネ性能の高い商品の販売構成比を高めることが有効であり、特にカテゴリ11内で最も構成比の高いエアコンにおいての取組みが重要と考えております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 季節的要因について

 当社グループは、全ての商品について市場調査、販売動向、景気予測、気候条件等を十分に勘案した上で販売計画を立てておりますが、特にエアコン、石油・ガス・電気暖房機等のいわゆる季節商品は、夏・冬の気候の影響が非常に強い商品であります。他の商品が新機種・新製品の発売等、メーカーの商品開発による売上拡大の要因があるのに対し、季節商品には加えて気候条件という販売側で予測・コントロールが困難な要因が存在しております。

 季節商品の動向は、販売時期が一定期間に集中する傾向にあるものの、予測・コントロール不可能な気候条件の変動により左右されるため、今後も気候条件の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 店舗開発及び固定資産の減損会計について

 当社グループは、空白地域への出店により国内店舗網の構築を図るとともに、人口密集地域への店舗開発も積極的に行い、家電販売業界において確固たる地位の確立を目指しております。

 店舗開発につきましては、商圏状況(商圏世帯数、交通アクセス、競合状況等)に基づいた当社基準により売上及び利益計画、投資等をグループ各社の代表取締役及び店舗開発担当者が出席する会議にて充分に検討し、決定を行っておりますが、知名度の低い未出店エリアへの出店及び地価の高い人口密集地への店舗開発を進めることにより、顧客基盤を構築するまでに時間を要する場合や、1店舗当たりの初期投資額が大きくなる傾向があります。

 このような状況において、予想外の新たな競合先の出店や、道路・交通アクセスの変化等により商圏状況に著しい変化があった場合、当初計画と実績に乖離が生じることがあり、全体業績に与える影響の割合が大きくなる可能性があります。

 また、固定資産の減損会計の会計処理に使用した見積りや仮定は、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、見積りや仮定の見直しが必要となった場合は減損損失が計上され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合環境について

 当社グループは、家電量販店に限らず、同様の商品を店舗において取り扱う企業、及びインターネット販売の企業と競合関係にあります。他社との差別化として品揃えや価格競争力のみならず、店舗競争力を高めるため接客やアフターサービス等人材育成の強化に努めるほか、電話注文による対応、自社ECサイトの充実、及びモール型ECサイトへの出店などお客様のご都合に合わせた販売チャネルの拡充を図っておりますが、企業間の競争が更に激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 経済動向について

 当社グループは、日本国内において事業展開しているため、国内の経済政策、景気動向、出店地域の景気や個人消費等の変化が、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

 当社グループは、「大規模小売店舗立地法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に基づく「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」による規制、「不当景品類及び不当表示防止法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「特定家庭用機器再商品化法」等の法的規制を受ける事業を行っております。新たな法令の制定や規制の強化、規制当局による措置その他の法的手続きが行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 自然災害・事故・感染症等について

 当社グループは、自然災害や事故、感染症等からお客様の安全を確保するため、ハザードマップを参考とした店舗開発、店舗の耐震性の強化、手指消毒剤の設置など、防災対策を徹底して行っております。しかしながら、地震・台風等の大規模な自然災害により店舗等が被災した場合や、自然災害、感染症の流行等により店舗の休業や来店客の減少、メーカーからの商品供給不足となった場合には、店舗売上の減少により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報及び機密情報の漏洩について

 当社グループは、あんしんパスポートの発行や、インターネット通販を行っていること等により、個人情報を保有しております。これらの情報については、社内管理体制の整備や、セキュリティシステムの構築等により万全を期しております。しかしながら、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償への対応やお客様の信頼を失うことにより当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 出店に伴う敷金、保証金等の債権について

 当社グループは、出店のため多くの土地・建物を賃借しております。賃借に際しましては契約に基づき敷金・保証金及び長期貸付金の差し入れを行っております。

 担保設定等の保全に努めておりますが、賃貸人の経済状況によっては、その一部若しくは全部が回収できないことにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 組織再編等について

 当社グループは、事業の強化、拡大及び家庭電化製品の販売に特化することを目的として、組織再編やM&A、提携、売却等を行う可能性があります。当該行為に際しては、十分な調査、分析のうえ検討を行いますが、偶発的な問題が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 商品供給について

 当社グループは、お客様に安定的に商品を提供するために日頃より将来を見極め、それに応じた仕入を行っております。しかしながら、自然災害や感染症拡大等による工場等の損傷や操業停止及び生産拠点の都市封鎖、物流網の停滞等により、取引先からの商品供給が一時的に滞る、又は遅延する可能性があります。万が一商品カテゴリー全体に深刻かつ長期的な商品不足が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進み、一部で足踏みが残るものの、緩やかに回復しております。一方で資源価格や原材料価格の高騰、並びに為替変動による物価上昇等の影響で先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 こうした状況のもと、当社グループは、正しいことを確実に実行する「がんばらない(=無理をしない)」経営を標榜し、お客様に伝わる「本当の親切」を実行すべく、「現金値引」、「長期無料保証」、「あんしんパスポ-トアプリ」などお客様の立場に立ったサービスを提供し、家電専門店としてお客様の利便性を重視した地域密着の店舗展開、営業活動を行ってまいりました。当社グループでは、“人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。”を企業理念及びパーパスと定め、更なるサステナビリティ経営に取り組んでおります。

 また、当社グループでは「中期経営計画2027」において“既存店効率の再点検及び接客力強化により中長期的な成長につなげる地盤固めを図る”を基本方針として掲げ、達成に向けての取組みを進めております。

 出退店状況につきましては、以下に記載のとおり直営店8店舗を開設し、直営店8店舗を閉鎖して経営の効率化を図ってまいりました。これらにより、2025年3月末の店舗数は556店(直営店552店、FC店4店)となりました。

 以上の結果、売上高は7,380億19百万円(前年同期比102.7%)、営業利益は217億81百万円(前年同期比116.3%)、経常利益は259億10百万円(前年同期比112.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億25百万円(前年同期比129.1%)となりました。

 

     出店退店の状況

所在地

出店

退店

北海道

千歳店(11月)

帯広店(3月)

 

宮城県

 

加賀野店(3月)

茨城県

日立北店(5月)

(旧)日立北店(5月)

東京都

 

多摩東寺方店(9月)

神奈川県

横浜師岡店(12月)

 

新潟県

 

女池インター本店(1月)

長野県

松本本店(5月)

 

愛知県

岩塚店(10月)

 

京都府

 

京都伏見店(12月)

大阪府

 

東住吉桑津店(1月)

じゃんぼスクエア熊取店(2月)

東大阪店(3月)

岡山県

玉島店(11月)

 

福岡県

福岡長浜店(8月)

 

 

 

また、当連結会計年度における財政状態につきましては次のとおりであります。

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ155億17百万円減少して4,226億82百万円となりました。

これは主に、有形固定資産が132億29百万円、商品が26億73百万円減少したこと等によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億82百万円増加して1,714億23百万円となりました。

これは主に、その他流動負債に含まれる未払消費税等が41億51百万円、リース債務(固定)が21億83百万円減少する一方、未払法人税等が31億83百万円、短期借入金が30億円及び買掛金が29億39百万円増加したこと等によるものです。

なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ178億99百万円減少して2,512億58百万円となりました。

これは主に、利益剰余金が182億28百万円、自己株式が3億10百万円減少したこと等によるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の61.4%から59.4%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ69億61百万円減少して93億33百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、361億72百万円の収入(前年同期は488億31百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益143億92百万円、減価償却費145億35百万円、減損損失112億10百万円、棚卸資産の減少額26億59百万円、仕入債務の増加額29億39百万円、法人税等の支払額41億97百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、158億3百万円の支出(前年同期は164億77百万円の支出)となりました。

これは主に、定期預金の預入による支出110億円、定期預金の払戻による収入45億円、有形固定資産の取得による支出108億39百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、273億31百万円の支出(前年同期は267億48百万円の支出)となりました。

これは主に、短期借入金の純増額30億円、自己株式の取得による支出201億13百万円、配当金の支払額75億40百万円等によるものです。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5  経理の状況  1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産について減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、その結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

グループ各社の経営者が出席する会議等にて営業店舗の業績のモニタリングを行っており、その結果を踏まえ、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たり慎重に検討しておりますが、固定資産の減損会計の会計処理に使用した見積りや仮定は、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、見積りや仮定の見直しが必要となった場合には翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。なお、連結損益計算書の主要科目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は次のとおりです。

 

a.売上高

 当連結会計年度の売上高は、7,380億19百万円(前年同期比102.7%)となりました。

 エアコン・暖房器具をはじめとする季節商品や携帯電話、理美容家電が好調に販売され、前年同期を上回る結果となりました。

 

 商品別販売実績、地域別販売実績及び単位当たり売上高は以下のとおりです。

 

商品別販売実績

品種別名称

直営店売上高

(百万円)

前期比

(%)

フランチャイズ等売上高

(百万円)

前期比

(%)

(百万円)

前期比

(%)

映像・音響商品

 

 

 

 

 

 

テレビ

61,365

97.8

215

96.5

61,580

97.8

ブルーレイ・DVD

8,671

87.9

32

90.3

8,703

87.9

音響商品

13,798

98.1

40

103.1

13,838

98.1

その他

7,702

97.3

27

105.2

7,729

97.3

小計

91,536

96.8

315

97.3

91,852

96.8

情報機器

 

 

 

 

 

 

パソコン・情報機器

42,401

97.1

135

117.6

42,536

97.1

パソコン周辺機器

31,665

97.9

96

97.5

31,762

97.9

携帯電話

87,274

123.0

20

135.3

87,294

123.0

その他

23,448

95.3

127

98.6

23,575

95.3

小計

184,789

107.7

380

105.9

185,169

107.7

家庭電化商品

 

 

 

 

 

 

冷蔵庫

71,368

96.5

237

94.3

71,605

96.5

洗濯機

71,358

100.5

233

102.7

71,592

100.5

クリーナー

26,242

101.1

88

103.7

26,330

101.1

調理家電

51,345

102.3

175

105.2

51,521

102.3

理美容・健康器具

33,329

105.1

115

110.8

33,445

105.1

その他

28,225

104.0

103

112.2

28,329

104.1

小計

281,870

100.7

953

102.8

282,824

100.7

季節商品

 

 

 

 

 

 

エアコン

93,268

109.1

333

112.1

93,602

109.1

その他

26,561

104.0

92

101.8

26,654

104.0

小計

119,830

107.9

426

109.7

120,256

107.9

その他

57,549

97.8

367

111.9

57,916

97.8

合計

735,577

102.7

2,442

105.0

738,019

102.7

(注)1 「フランチャイズ等売上高」は、フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上であります。

2 上記金額にはEC売上高も含まれております。

3 長期無料保証サービスに係る売上5,281百万円は「その他」(直営店売上高)に含まれております。

4 当連結会計年度より、売上管理区分の見直しを行った結果、「映像商品」と「音響商品」を合わせて「映像・音響商品」として表示しております。

この結果、前連結会計年度において「音響商品」に表示していた14,111百万円、「映像商品」に表示していた80,783百万円は、「映像・音響商品」94,895百万円として組替えております。

 

 

地域別販売実績

地域

売上高

 金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

北海道

53,543

7.3

111.3

青森県

18,034

2.4

99.4

岩手県

16,281

2.2

98.3

宮城県

29,581

4.0

102.0

秋田県

11,498

1.6

99.1

山形県

14,963

2.0

99.8

福島県

19,789

2.7

96.2

茨城県

58,473

7.9

102.5

栃木県

18,730

2.5

101.8

群馬県

17,484

2.4

103.0

埼玉県

40,733

5.5

98.2

千葉県

55,832

7.6

100.0

東京都

27,213

3.7

102.3

神奈川県

19,548

2.6

102.7

新潟県

23,836

3.2

99.0

富山県

7,520

1.0

105.5

石川県

8,730

1.2

101.3

福井県

4,974

0.7

100.3

山梨県

3,269

0.4

108.1

長野県

16,115

2.2

115.3

岐阜県

10,260

1.4

100.5

静岡県

17,024

2.3

103.8

愛知県

34,311

4.6

101.7

三重県

9,940

1.3

99.8

滋賀県

10,261

1.4

103.2

京都府

6,910

0.9

104.6

大阪府

17,952

2.4

104.6

兵庫県

25,608

3.5

104.8

奈良県

8,671

1.2

102.3

和歌山県

7,630

1.0

101.1

鳥取県

1,751

0.2

99.4

島根県

855

0.1

105.4

岡山県

10,851

1.5

109.8

広島県

8,758

1.2

101.3

山口県

995

0.1

106.4

徳島県

10,885

1.5

102.8

香川県

14,652

2.0

103.9

愛媛県

10,988

1.5

104.5

高知県

6,291

0.9

104.3

福岡県

12,311

1.7

109.7

佐賀県

3,372

0.5

97.2

長崎県

3,206

0.4

106.4

熊本県

12,934

1.8

104.2

大分県

11,737

1.6

102.7

宮崎県

1,815

0.2

101.9

鹿児島県

11,884

1.6

106.5

738,019

100.0

102.7

(注)1  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高2,442百万円は、加盟店の本店所在地域の売上高として記載しております。

2  上記金額にはEC売上高も含まれております。

 

単位当たり売上高

 

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

売上高(百万円)

716,042

735,577

1㎡当たり売上高

売場面積(期中平均)  (㎡)

2,025,859

2,045,463

1㎡当たり期間売上高(千円)

353

359

1人当たり売上高

従業員数(期中平均)  (人)

10,884

10,817

1人当たり期間売上高(千円)

65,787

67,998

(注)1  フランチャイズ契約加盟店に対する商品供給売上高(前連結会計年度2,327百万円、当連結会計年度2,442百万円)は含まれておりません。

2  売場面積については、大規模小売店舗立地法による届出売場面積を記載しております。

3  従業員数には、臨時従業員(一般従業員の標準勤務時間数から換算した人数)を含めて表示しております。

 

b.売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、2,043億23百万円(前年同期比102.8%)となり、前年同期を上回る結果となりました。

仕入実績の詳細は以下のとおりです。

 

仕入実績

品種別名称

 仕入高(百万円)

 前期比(%)

映像・音響商品

 

 

テレビ

47,200

105.6

ブルーレイ・DVD

6,091

85.5

音響商品

9,616

105.4

その他

4,925

100.7

小    計

67,834

103.1

情報機器

 

 

パソコン・情報機器

37,024

121.6

パソコン周辺機器

22,410

105.3

携帯電話

58,779

127.6

その他

15,109

97.1

小    計

133,323

117.6

家庭電化商品

 

 

冷蔵庫

48,474

90.1

洗濯機

48,414

98.3

クリーナー

18,710

101.9

調理家電

34,122

106.7

理美容・健康器具

21,493

108.2

その他

17,961

110.1

小    計

189,177

99.8

季節商品

 

 

エアコン

60,517

102.9

その他

16,941

99.9

小    計

77,458

102.2

その他

63,228

107.0

合    計

531,022

105.4

(注)当連結会計年度より、売上管理区分の見直しを行った結果、「映像商品」と「音響商品」を合わせて「映像・音響商品」として表示しております。

この結果、前連結会計年度において「音響商品」に表示していた9,120百万円、「映像商品」に表示していた56,700百万円は、「映像・音響商品」65,820百万円として組替えております。

 

c.販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,825億41百万円(前年同期比101.4%)となりました。

“従業員を大切にする”経営方針のもと、積極的な賃上げを実施したことによる人件費増加等により、販売費及び一般管理費は前年同期を上回りました。

以上の結果、営業利益は217億81百万円(前年同期比116.3%)となりました。

なお、経常利益は259億10百万円(前年同期比112.9%)となりました。

 

d.特別利益・特別損失・税金等調整前当期純利益

特別利益は、5億80百万円(前年同期比433.2%)となりました。特別損失は、当社グループが保有する固定資産の一部について減損損失112億10百万円を計上したこと等により、120億97百万円(前年同期比140.0%)となりました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は143億92百万円(前年同期比99.7%)となりました。

 

e.法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額・親会社株主に帰属する当期純利益・包括利益

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は73億38百万円、法人税等調整額が△24億71百万円となったことから、法人税等合計は48億67百万円(前年同期比68.9%)となりました。

以上の結果、当期純利益は95億25百万円(前年同期比129.1%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は95億25百万円(前年同期比129.1%)となり、連結ROEは3.7%となりました。また、包括利益は95億63百万円(前年同期比126.4%)となりました。

 

・当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「気候条件」「店舗開発」等を事業等のリスクとしております。詳細につきましては「第2  事業の状況  3  事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、継続的な企業価値の向上を目指し、未出店エリアへの出店及び既存店舗のスクラップ&ビルドのための設備投資を行っております。こちらの資金需要は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄っております。経常的な運転資金につきましては、銀行借入により賄っております。外部からの資金調達を行う場合には、経済状況を踏まえ選択しうる方法から当社グループにとり最善な方法により実施したいと考えております。また、株主への利益還元を経営の重要課題の一つとし、財務の健全性維持を図りつつ、安定的な配当として連結配当性向40%を目標とし、機動的な自己株式の取得を実行し、資本の効率的運用を進めてまいりたいと考えております。

 

・当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが361億72百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが158億3百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが273億31百万円の支出となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループは、主に仕入計画及び設備投資計画に照らして、銀行借入等により必要な資金を調達しております。来期の設備投資計画につきましては、「第3  設備の状況  3  設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

第42期

第43期

第44期

第45期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

自己資本比率(%)

62.5

61.7

61.4

59.4

時価ベースの自己資本比率(%)

54.4

46.9

53.4

51.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.2

0.9

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

55.9

103.8

66.4

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2 株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。

3 キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しています。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5 キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスである期については記載しておりません。

 

・セグメントの業績は、セグメント情報を記載していないため省略しております。

 

5【重要な契約等】

(1)当社は、既存の小売店と共存共栄を図ることを基本方針としてフランチャイズ契約を締結しております。契約の要旨は次のとおりであります。

契約の目的

株式会社ケーズホールディングス(甲)は、加盟店(乙)に対して、甲が使用している商号、商標、経営ノウハウを提供し、同一企業イメージのもとに営業を行う権利を与え

、乙はその代償として一定の対価を支払い、甲の指導と援助のもとに継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的とする。

商品の供給

乙の販売する商品は全て甲がこれを供給する。これにより一括大量仕入による仕入単価の低下を図り、相互の利益に資するものとする。

契約期間

本契約の期間は、契約締結日より満5ヶ年とする。ただし、期間終了後、甲乙が協議の上、契約を更新することができる。

本契約の有効期間中といえども、甲及び乙は相手方が本契約に定める事項に違反したときもしくは3ヶ月以前に予告することにより、本契約を解約することができるものとする。

 

(2)当社は、クレジット販売に関して、信販会社と加盟店契約を締結しております。

その主なものは次のとおりであります。

信販会社名

契約締結年月

契約期間

株式会社ジェーシービー

1996年8月

3ヶ月以上の予告期間をもって一方当事者の解約申出まで。

三井住友カード株式会社

2003年3月

イオンフィナンシャルサービス株式会社

2014年11月

(注)  クレジット販売に関する加盟店契約は、信販会社が信用調査の結果、承認した当社の顧客に対する販売代金を顧客に代わって当社に支払い、信販会社はその立替代金を信販会社の責任において回収するものであります。

 

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。