第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、創業の精神である「信用本位」「感謝報恩」「よろこびのあきない」を基本理念と位置づけております。

この精神に基づく持続的な企業活動を通じて「心の平和と生きる力」を実現することを当社グループの使命と捉え、お客様、社員、社会、自然をはじめとしたあらゆるご縁への感謝の想いを体現し、歴史ある日本文化を伝承することで、ともに調和し、輝きあい、喜びあえる世界を実現してまいります。

また、これまで長年取り組んできた「供養」の領域をさらに深めるとともに、ライフステージに寄り添った周辺領域にも視野を広げ、新たな商品・サービスを通じて、お客様の「心豊かな生活(ピースフルライフ)」を支援する持続可能な企業グループを目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、仏壇仏具・墓石事業に次ぐ新規事業を成長させるとともに、店舗モデル改革、業務デジタル化による生産性向上を図ることで、主にROE、売上高伸張率、売上高営業利益率、自己資本比率を主要な経営指標の目標とし、各指標の向上を目指しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「仏壇仏具事業」「墓石事業」「屋内墓苑事業」を宗教用具関連事業の中核と位置づけ、各事業が連動して顧客創造を進めることで、相乗効果を図ってまいります。

「仏壇仏具事業」については、さまざまなお客様のニーズにお応えできる当社オリジナルの商品開発に取り組んでまいります。また、当社に来店された多くのお客様は、大切な誰かを亡くされて来店されます。そのお客様の気持ちに寄り添い、お客様の期待に応えられるような「最上のおもてなし」を提供できる人材の育成を継続して実施してまいります。

店舗政策については、より多くのお客様に心豊かな生活を送っていただけるように、顧客接点が見込まれる立地や店舗形態(ショッピングセンターや百貨店など)の検討を行ない、新規出店や移転、統廃合などを推し進めてまいります。

「墓石事業」と「屋内墓苑事業」を含めた遺骨収蔵に関する事業について、特に近年人気のある「樹木葬」は、異業種の参入もあり、競争環境が徐々に激化していることから、当社においても開発に向けた企画提案と受託販売に関する活動を強化してまいります。また、「合葬墓・海洋葬」など多様なニーズに対応できるような販売体制づくりも並行して行なってまいります。

また、「飲食・食品・雑貨事業」では、上記の宗教用具関連事業とは別の供養にとらわれずに日常の「祈り・願い・感謝」を「食」を通して提案し、新たな顧客接点の増加を目指してまいります。

今後は、なお一層変化するお客様のニーズに対応した商品・サービスの提供とともに、「供養」の枠組みにとらわれず、日常の「祈り・願い・感謝」の提案を拡大し、「手を合わせる機会」を創造してまいります。

当社は、2026年3月期から新たな3ヵ年の中期経営計画をスタートさせました。新中期経営計画では「売り切り型からの脱却」「手を合わせる機会の創造」による「お客さまの心豊かな生活」の実現をテーマに、ご供養の領域でお客様の気持ちに寄り添い、お客様の期待に応えられるような「最上のおもてなし」を通して、それぞれのお客様に最も相応しい商品を提供することに加えて、さらに拡張した領域においても新たな商品・サービスを開発・提供してまいります。具体的には、2023年4月より全店展開したピースフルライフサポート事業における紹介サービスを展開し、終活をサポートするサービスとして「終活なむでもパック」の提供や、ライフアシスト株式会社の代理店として、介護施設利用をご希望のお客様へ有料老人ホームをはじめとする介護施設、高齢者住宅をご紹介するサービスを新たに開始し、事業領域を徐々に拡大しております。これらの新しい取組みを新たな事業の柱に成長させられるよう、機能及び体制を強化してまいります。さらに当社が提供する商品・サービスの幅を拡げながら、当社とお客様の関係性を継続できるような仕組みを並行して検討・実験し、お客様との長期にわたる関係構築を目指してまいります。

また、子会社である株式会社現代仏壇が持つ商品ブランドと高品質な商品を受け継いだこと、さらには、全国各地に新たな販売拠点を得たことによって当社の中核事業である仏壇仏具事業をさらに成長させてまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループが事業を展開する宗教用具関連業界を取り巻く環境は、お客様の生活様式や価値観の多様化によって購入商品の小型化・簡素化の傾向が継続し、それに伴う単価下落の傾向などが継続しております。日本の死亡者数については、2040年まで増加傾向にあると言われており、当社グループが対象とするお客様はご家族様を亡くされた方が中心のため、当社グループの市場は、商圏内における死亡者数の推移に連動するものと考えておりますが、お客様のなかには伝統的形式に縛られない「自分らしい」供養の在り方を求める方や、そもそもお仏壇を用意しないという方がいらっしゃることが想定されます。また、既にご自宅でお祀りされているお仏壇が大きい、もしくは長くお使いの結果傷んでしまったという理由で、小型のお仏壇にお買替えされるお客様がいらっしゃり、このようなお買替えの需要も市場の一部を形成しております。そのため、死亡者数が増加しても市場規模が単純に拡大しないものと認識しており、前述のような価値観を持ったお客様のインサイトの把握とこれまでにない商品・サービスの開発とご提案が課題となっております。

業界全体としては、新型コロナウイルス感染症が流行して以降、お客様の情報収集手段及び購買行動がリアルからデジタルに大きく変化しており、その動きに拍車がかかっております。また、当社のようなお仏壇・お仏具の専門小売店ではないホームセンターや家具メーカーなどの企業が、近年お仏壇の取扱いを増やしており、新たなプレイヤーとして台頭してきております。このような環境変化のなか、当社の経営課題認識は以下のとおりです。

 

①集客手法

当社は顧客接点の更なる拡大とお客様の営業店への誘致を目的に、デジタル領域の課題を設定し強化・推進するとともに、紙媒体を含めたお客様への情報発信ややり取り、お客様とのコミュニケーションを一貫性のあるものとして、効果・効率を高めていくための機能を統合し、カスタマーコミュニケーション部を2024年4月に新設いたしました。カスタマーコミュニケーション部では、WEBサイトの強化(SEO(注1)、デジタルマーケティング、SNS活用など)と、ECモールの強化(モールごとの販売促進策、商品説明を充実させるなどのページ改善)に加え、顧客との関係性を強化していくCRM(注2)や、WEB以外の媒体(チラシ・カタログ・CMなど)を手掛けるプロモーション機能を持ち、お客様の属性や購買プロセスに沿った最適な情報発信とコミュニケーションを図っていくことで、集客を高めることに注力しております。

 

②商品ブランディング

伝統的形式に縛られない「自分らしい」供養の在り方を求める方や価値観の変化に対応するために、仏壇仏具事業については、最も競争力の高いLIVE-ingコレクションの商品改廃によるラインナップの刷新・強化に加え、各価格帯において競争力の高いオリジナル商品の開発・投入によって、競合他社と差別化・対抗していくとともに、富裕層のお客様に提案できる高価格帯の商品品揃えも充実させ、お仏壇の単価維持・向上を図ってまいります。具体的には、至高のクオリテイと美を追求した「H PREMIUM」、現代のライフスタイルにマッチするインテリア発想の「LIVE-ing」、安全・安心の当社オリジナル商品を中心とした「HASEGAWA  Standard」、形式にとらわれない個々の想いでつくる祈りのスタイルの「MIND STYLE」以上の4つの商品ブランド展開により「お一人おひとりに合わせた供養のかたち」をご提案してまいります。また、株式会社現代仏壇と当社の強みを活かすために一部営業店に株式会社現代仏壇の商品を投入いたしました。今後さらに商品ブランド展開と合わせて、相互にお客様誘致などの連携を強化してまいります。お客様の対応においても「最上のおもてなし」を実践するために、営業部門を中心に社員への販売教育を継続課題として実施してまいります。更に商品及び接遇という、当社の強みを活かして既存及び新規商圏での出店を計画的に行ない、シェアの獲得を目指してまいります。

 

③多様化する遺骨供養への対応

当社の墓石事業及び屋内墓苑事業に重要な影響を及ぼす遺骨供養に関する動向としては、お客様が要望する遺骨供養の手段の変化が大きな課題となっております。特に近年人気が高まっている樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標としてご遺骨を地中に埋蔵するスタイルですが、承継者に負担をかけたくないお客様のニーズに加え通常の墓石と比較して価格がリーズナブルであることから、新しくお墓を検討されるお客様からの要望が増加しております。当社はここ数年「樹木葬」開発の企画提案を始めとして、商圏内で受託販売可能な樹木葬墓地の確保を重要な課題として取り組んでまいりました。樹木葬墓地の開発に関しては、宗教法人をはじめ石材店・葬儀社など、当社とは全く業容が異なる企業も同様の動きを強めており、営業部門を中心にスピード感を持って推進し、より条件の良い立地での樹木葬墓地の確保が必須の課題となっております。屋内墓苑事業については、先述した樹木葬墓地のニーズの高まりにより、一定の需要減の可能性はあるものの、利便性の高い施設は依然としてお客様から高い支持を受けております。今後も引き続き樹木葬というトレンドは続くと思われますが、多様化するお客様のニーズに合わせて「墓石・樹木葬・屋内墓苑」の提案をしてまいります。

 

④飲食・食品・雑貨事業

飲食業界においては、物価高騰による食材及び商品仕入価格の上昇、水道光熱費、物流費の増加などで、厳しい状況が継続していると認識しており、当社が運営している「田ノ実」についても、収益性の改善が求められることから、これらの影響を最小化することが引き続きの課題となります。当然、コスト削減と並行して売上高を増加するための施策を検討・実施していく必要があるため、飲食及び食物販においてMDの強化を引き続き行なってまいります。また、2022年10月より全店での販売を開始した田ノ実のギフトについては、当初法事シーンが中心ではあったものの、商品の拡充やシーンの拡大によって売上が拡大しております。また、2025年5月22日に「田ノ実 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」を新規出店いたしました。

 

⑤ピースフルライフサポート事業

新たな事業の確立を目指し、活動をスタートしているピースフルライフサポート事業については、2023年4月より全店にて相談対応やサービスを提供しております。具体的には、相続に関することや、遺品整理、不動産整理などの手続きです。また、終活をサポートするサービスとして「終活なむでもパック」の提供、新たなサービスとして介護施設紹介サービスを提供し事業領域を徐々に拡大していくと同時に、当社商圏内において「失敗しない相続セミナー」を開催し、認知を広めお客様のニーズをより広く、深く把握していくことで、当社として独自に提供できる商品・サービスを検討してまいります。また、より多くのお客様に当サービスを利用していただくために、マスメディアを活用したプロモーション施策を積極的に展開してまいります。新中期経営計画のテーマに掲げている「売り切り型からの脱却」によるお客様の心豊かな生活の実現につながる事業としての成長を目指し、新たな商品・サービスの拡張と機能構築を目指してまいります。

 

⑥事業横断課題

事業全体に関係する課題としては、サステナビリティとDX(注3)に関する課題、さらに組織運営上の課題が対処すべき課題であると認識しております。

サステナビリティについては、2023年3月24日に公表したサステナビリティ基本方針に基づき、4つの重要課題を特定し、新たに設置したサステナビリティ委員会にて具体的な取組み内容を決定し、担当部署を中心に課題を推進してまいりました。当社の事業の成長に資する取組みが現状十分に行なえていないため、引き続き経営陣を中心に課題の精査を行ない、中期経営計画の課題と連動させていくことが重要であると認識しております。

DXに関しては、人材の確保が困難になるなか、生産性を高めるためにデジタルツールの活用による業務効率の向上が課題となると考えております。それによって生み出された人員は、イノベーションを生み出す企画創造のための人材として活用していく必要があると認識しております。また、当社顧客から獲得したデータを統合し、それらの分析から新たな洞察を獲得し、新規商品・サービスの開発や顧客接点の最適化などに活用していくことも重要な課題であると認識しております。

組織運営上の課題としては、多様な価値観やライフステージに合わせた働き方やキャリア形成、人材育成が実現できる新しい人材マネジメント体系の構築や、新しいチャレンジが自律的・積極的に行なわれるような組織風土の醸成などが課題であると考え、そのような活動を支援してまいります。このような制度面の充実とともに、より良い企業風土を作っていくことで、優秀な人材の確保・育成につながると考えております。これらの全社的な課題への取組みを通して、持続可能な経営戦略を構築してまいります。

 

 

(注1)SEO…「Search Engine Optimization」の略で、インターネット上の検索エンジンで特定のキーワードを検索した結果リストにおいて、その上位に表示されるようにウェブサイトの構成や内容を調整すること、また、その手法

(注2)CRM…「Customer Relationship Management」の略で、顧客それぞれの購入や商談の履歴、家族構成などの情報を一括して管理し、企業の営業戦略に活用する経営手法のこと

(注3)DX…「Digital Transformation」の略で、情報技術を有効かつ継続的に活用することで、企業の業務の在り方から組織・文化・風土までを変革し、それによって企業が新たな価値を創出し、社会や人々の生活を向上させるという考え方、またはそうした取組みのこと

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、現時点において、具体的な取組等は当社のみ実施しているため、以下の記載は指標及び目標含め、当社における考え方及び取組を記載しております。

また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ基本方針

私たちは、創業の精神に基づく持続的な企業活動を通じて、お客様、社員、社会、自然をはじめとしたあらゆるご縁への感謝の想いを体現し、歴史ある日本文化を伝承することで、ともに調和し、輝きあい、喜びあえる世界を実現してまいります。

 

(2) 重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)

当社は、各部門から提出されたサステナビリティに係る取組課題について、サステナビリティ基本方針との親和性、社会問題解決への貢献度、当社利益へのインパクト、取組の中長期的な実行可能性といった基準で検証し、重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)として4つの重要課題と8つのテーマを選定しております。

重要課題

テーマ

心豊かな生活を支援するための

サービスや商品の提供と創出

市場シェアの拡大

新市場の創造

デジタル領域の強化

自然に配慮した企業活動

原材料に配慮した商品開発

省エネ・省資源の取組み

日本文化の伝承

日本の精神文化の承継

日本の伝統文化・技術の継承

多様な人材が活躍できる職場づくり

人的資本・多様性に関する取組み

 

(3) ガバナンス

当社のガバナンス体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 イ 会社の機関・内部統制の関係」に記載のとおりであります。

また、当社は、サステナビリティに係る取組を次のとおり実行します。

① 各部門は、サステナビリティに係る取組状況を3ヵ月に1回の頻度でサステナビリティ委員会に報告します。

② サステナビリティ委員会は、各部門のサステナビリティに係る取組状況をモニタリングし、必要に応じて各部門に指示を出します。

③ サステナビリティ委員会は、全社のサステナビリティに係る取組状況を半年に1回の頻度で取締役会に報告します。

④ 取締役会は、全社のサステナビリティの取組状況を監督し、必要に応じてサステナビリティ委員会に是正を勧告します。

 

(4) 戦略

当社は、上記の重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)に関する具体的な施策や担当部門についてサステナビリティ委員会で協議・決定し、取組を推進しております。

また、当社における人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針は次のとおりであります。

① 人材育成方針

当社は、会社を「人間形成の場」と考えています。

従業員一人ひとりが、当社におけるあらゆるご縁を通じて専門的な教養やスキルを身につけながら「個の力」を高めること、自主性・自律性を発揮し「自己」を確立すること、これらのプロセスにおいて、創業以来脈々と育まれ引き継がれてきた「敬い・感謝・礼儀を重んじる”和”の企業文化」に包まれながら様々な経験を積み重ねることで、日本の心に根差した奥深い精神性を養うことが当社の人材育成の本質です。このような人材育成の本質を根幹に据え、従業員と会社が協調し互いに役割を果たしながら人材育成を推進してまいります。

 

② 社内環境整備方針

当社では、従業員一人ひとりが「個の力」を発揮していくために「健康」が欠かせない要素と考えております。適切な労働環境の提供、健康管理の支援、メンタルヘルス対策の実施などを通じて従業員一人ひとりの心身の健康保持増進に努めてまいります。

一方で、当社では、「個の力」を「組織の力」に昇華させていくために「多様性」が欠かせない要素と考えております。従業員が自主的・自律的に「多様なキャリア」・「多様な勤務体系」・「多様な勤務場所」を選択できるインフラ・仕組みや、多様性が交わる機会(組織横断や他社共同のプロジェクトやワークショップ)などを従業員に提供し、表層的(年齢・性別など)・深層的(価値観・経験など)の両面から多様な属性を持つ従業員が働きやすく活躍できる環境を整備してまいります。

そして、これらの社内環境整備の実施を背景として、多様な属性を持つ従業員の雇用と活用を進めてまいります。

 

(5) リスク管理

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、「3 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、その影響度や発生頻度の検証等は十分ではありませんので、今後サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別評価し、管理するための体制の構築に着手してまいります。

 

(6) 指標及び目標

上記「(4) 戦略」に記載のとおり、当社は、重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)に関する具体的な施策や担当部門についてサステナビリティ委員会で協議・決定し、併せて第62期までの目標及び年度ごとの目標についても協議・決定しております。

また、当社では、上記「(4) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき、次のような取組、指標、目標を掲げております。なお、当連結会計年度の実績は次のとおりであります。

① 人材育成方針に基づく取組、指標、目標、実績

当社では、専門的な知識・教養を身につけることが従業員の「個の力」を高めるものと考えております。

イ.専門的な知識を身につける当社独自の社内資格プログラムの実施

■内容:階層ごとの対象者に対する社内資格(ベーシック資格・販売資格)の講座及び試験の実施

■指標:社内資格の取得率

■目標:ベーシック資格 取得率100%、販売資格 取得率90%

■実績:ベーシック資格 取得率98.3%、販売資格 取得率93.1%

(注)「累計取得者人数÷受験資格を有する累計対象者人数×100」で算出しております。

ロ.専門的な教養を身につける当社独自の理念教育の実施

■内容:「経営理念(創業の精神)」への理解を深め実践につなげる社内研修・プログラムの実施

■指標:社内研修・プログラムの実施回数

■目標:-(毎事業年度、選抜基準を設定し、その規模により実施回数を設定)

■実績:2024年6月に計1回実施(受講者11名)

(注)現在は課長職以上の選抜者を対象としており、当連結会計年度までの累計受講者人数は52人となっております。

② 社内環境整備方針に基づく取組、指標、目標、実績

イ.「健康」の維持増進に向けた取組の一環としての休暇取得の推進

■指標:年間有給休暇取得率

■目標:年間有給休暇取得率 70.0%

■実績:年間有給休暇取得率 64.2%

(注)1 「全雇用者の有給取得日数計÷全雇用者の有給付与日数計×100」で算出しております。

2 有給取得日数には、前事業年度有給休暇の繰越分を取得した分も含めております。

3 付与日数には、前事業年度繰越分は含めておりません。

4 翌連結会計年度以降については、第62期末までの目標を90%としております。

 

 

ロ.「多様性」の確保に向けた取組の一環としての女性の活躍の場の拡大

■指標:係長職(店長・所長)に占める女性従業員の比率

■目標:30%

■実績:17.9%(当事業年度末時点)

(注)1 「係長職に占める女性の人数÷係長職総人数×100」で算出しております。

2 翌連結会計年度以降については、2025年4月1日付で実施した人事制度改定を踏まえ、指標を「係長職(店長・所長・セールスマネジャー)及びそれに準じる役割ランクに占める女性従業員の比率」とし、第62期末までの目標を30%としております。

 

なお、上記指標・目標とは別に、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) お客様の供養に対する価値観の変化について

お客様の生活様式や価値観の変化に伴って、従来の概念に捉われない供養へのニーズが高まっております。この大きな変化の一部として、既存販売商品における小型化・低価格化は一段と進行しており、また、樹木葬・合葬墓・海洋葬等の新しい商品・サービスへのニーズの高まりもみられます。

当社グループは、取扱い商品・サービスの見直しや拡充及び新業態への取組み等の対応を図っておりますが、このようなお客様の意識の変化が、当社グループの今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 自然災害・事故・感染症等の発生について

当社グループの主要な営業拠点及び商品流通拠点は、首都圏を中心とした関東地域に集中しているため、大規模な地震、台風といった自然災害、事故、感染症等により流通経路や店舗設備が被害を受けた場合には、商品の調達や販売に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの品質基準に適合する商品を製造しうる工場を育成するにはある程度の年月を要するため、これらの工場が自然災害・事故・感染症等により短期間で甚大な被害を受けた場合には、価格・品質競争力のある商品の充分量の調達が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外における社会情勢の変化について

当社グループが販売する商品の大半は、中国等アジア各国からの輸入によるものであります。

また、仏壇に使用する木材や、墓石に使用する石材等の原材料等は、海外協力工場に集約され、商品の生産が行なわれております。

このため、海外の政治情勢や経済環境等の変化により、原材料価格及び輸送費等の急激な高騰や著しい円安の影響、あるいは一部の部材についての供給の滞り、代替材の調達先が確保できない、商品の製作・出荷ができない場合には、商品の利益率の悪化や機会損失の発生により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 優良な霊園・墓所の確保について

墓石売上確保のためには霊園・墓所を確保することが重要となりますが、お客様の要望は、より生活圏に近く立地の良い霊園や承継者に負担をかけたくない遺骨供養形態を求める傾向が強くなっております。

しかしながら、地方自治体の霊園開発規制強化や開発業者と近隣住民とのトラブル等により、宗教法人による霊園の新規開発は従来に比べて困難な状況となっております。将来に向けて、優良な霊園や墓所が充分確保できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 建墓権取得に係る営業保証金の評価について

優良な霊園・墓所の確保のために、当社は主に霊園開発計画の段階で、霊園の経営主体(宗教法人等)に建墓権(墓石を販売する権利)取得のための営業保証金を差入れております。営業保証金は、当社と宗教法人等との「墓地販売業務提携契約」に基づく、建墓権取得を目的としての墓地永代使用権販売受託業務のために差入れた金銭の返還請求債権で、墓石の販売権が付随した複合的な性格を持っている債権であります。差入れた営業保証金は、当社と墓石販売契約を締結する顧客が霊園の経営主体に永代使用料(墓地を使用する権利料)を支払った後、霊園の経営主体から返還されます。

建墓権取得にあたっては、開発計画の頓挫や開園後の販売不振等の事業リスクの回避を充分検討したうえで営業保証金の差入れを行なっておりますが、霊園の経営は地方自治体の経営主体に対する許可制であることから、開園の不許可や許可の取消しが生じるなど、当初の想定外の事態が発生する可能性があります。また、開園済みの霊園に対する営業保証金については、顧客の動向や霊園ごとの環境変化により回収までに長期を要する可能性があります。その結果、営業保証金の一部又は全部の回収が困難と判断される場合には、貸倒引当金を計上するなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 屋内墓苑受託販売物件の販売保証について

屋内墓苑の受託販売では宗教法人と販売業務委託契約を締結する際、納骨堂経営の安定化を目的として、販売保証を行なっております。

販売保証とは、当社が宗教法人に対して一定の計算期間ごとに受託販売目標金額を保証する契約であり、受託販売金額が計算期間内の販売保証金額に満たない場合には、不足額を保証金として宗教法人へ預託することとなります。なお、預託した保証金は、受託販売金額が販売保証金額を上回った場合等、将来的には宗教法人から当社へ返還されるものであります。ただし、当社が預託している販売保証金については、顧客の動向や施設ごとの販売状況により回収までに長期を要する可能性があります。その結果、販売保証金の一部の回収が困難と判断される場合には貸倒引当金を計上するなど、業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

なお、販売保証の状況につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。

 

(7) 減損会計について

当社グループは、店舗、本社において設備等を保有しており、減損会計を適用しております。店舗の収益性が悪化した場合や保有資産の市場価格等が著しく下落した場合は、減損損失を計上する可能性があります。その場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 店舗設備投資について

当社グループは100店舗以上の直営小売店舗を展開しております。そのため、経営効率の改善のための店舗移転や老朽化・陳腐化した店舗の改装投資等の店舗戦略により、固定資産の除却損等の損失が発生する可能性があります。

 

(9) 店舗賃借と差入保証金について

当社グループが展開する店舗の大部分が賃借物件であります。賃借期間は賃貸人との合意により更新いたしますが、賃貸人側の事由により賃借契約を解約される可能性があります。

また、賃貸人に対して保証金を差入れておりますが、倒産その他の賃貸人に生じた事由により一部回収不能になる可能性があります。

 

(10) 売上高の季節的変動について

当社グループの売上高は季節性が高く、お盆と秋のお彼岸を迎える第2四半期(7月から9月まで)と、春のお彼岸を迎える第4四半期(1月から3月まで)の売上高が他の四半期に比べて高くなる傾向があります。

 

(11) 店舗の衛生管理について

食品衛生とは安全・安心な商品をお客様に提供することであり、店舗では食材の取扱い及び衛生管理を実施するとともに、清潔な店作りに注力しております。しかしながら、万一、食中毒等の重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 顧客情報の漏洩について

当社グループでは多くの顧客情報・個人情報を取り扱っております。顧客情報・個人情報の取扱いについての諸規程を整備するとともに、情報システムのセキュリティ体制を構築し、それらを全社に周知することにより、顧客情報・個人情報の漏洩を防ぐ対策を講じておりますが、不測の事態等により顧客情報・個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前連結会計年度末との比較分析は行なっておりません。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、雇用・所得環境や企業収益などの改善により、緩やかな回復基調にあるものの、原材料価格高騰や円安の進行などの影響により、先行き不透明な状況が続いております。また、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが、我が国の景気を下押しするリスクとなっております。

当社グループが属する宗教用具関連業界においては、2023年3月28日に経済産業省が公表した「令和3年経済センサス‐活動調査結果」によると、2014年の宗教用具小売業の事業所数が3,004か所、年間商品販売額が1,639億42百万円であったのに対し、2021年には、事業所数が1,631か所、年間商品販売額が1,184億96百万円と、長期的な市場縮小が大きな問題となっております。同時に、お客様のライフスタイルやご供養の価値観の変化から、商品の簡素化・小型化が進み、多様なニーズに応える商品・サービスの開発が求められております。

このような環境のなか、当社グループは中核事業である仏壇仏具事業と墓石事業の推進と並行し、現・中期経営計画のテーマである「売り切り型からの脱却」と「手を合わせる機会の創造」の実現のため、従来のご供養の領域に加えて、お客様の心豊かな生活(ピースフルライフ)を支援する新たな取組みを行なっております。具体的には、2023年4月よりスタートした相続・遺品整理・不動産整理などの相談対応とサービスの提供を行なうピースフルライフサポート事業と、ご法事の返礼品や、大切な方への贈りものに最適な「食」をコンセプトとした田ノ実のギフトを販売する飲食・食品・雑貨事業です。それぞれの事業について、営業部門を中心に体制を強化し、活動を推進しております。

集客策については、当社グループの強みや取扱い商品の幅広さが訴求できるようにWEBサイトのデザイン変更や、マス広告・WEB広告の運用改善を行ないました。今後も試行と検証を重ね、お客様との接触数を最大化してまいります。

教育については、営業施策の一つである付加価値販売強化を目的に、おもてなしの精神、ご供養の大切さを学ぶ理念教育を営業店で行なってまいりました。また、次期マネジャー育成研修や、入社時期に応じた階層別研修など社内教育を推進いたしました。

出店については、百貨店内へ2店舗(栃木県宇都宮市、横浜市港南区)の新規出店を行ないました。今後もお客様が利用しやすい立地、店舗形態の検討を行ない、出店や移転・改装をしてまいります。

また、当社は、2024年10月1日付で株式取得により株式会社現代仏壇を完全子会社化いたしました。市場は長期的な縮小傾向ですが、当社といたしましては、これまで長年培われてきた株式会社現代仏壇の商品ブランド及び高品質な商品や、全国各地の販売拠点を得ることによって、業界内での競争優位性が高まることが期待されます。今後は事業規模の拡大だけでなく、当社との双方の強みを活かした更なるシナジー効果を創出してまいります。

 

イ 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は199億16百万円となりました。

流動資産合計は75億46百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金14億57百万円、売掛金10億69百万円及び商品46億59百万円であります。

固定資産合計は123億69百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産合計25億33百万円、退職給付に係る資産10億62百万円、営業保証金33億18百万円、販売保証金33億61百万円及び差入保証金13億93百万円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は73億73百万円となりました。

流動負債合計は40億95百万円となりました。主な内訳は、買掛金6億24百万円、短期借入金11億円、未払金4億69百万円及び契約負債10億95百万円であります。

固定負債合計は32億78百万円となりました。主な内訳は、長期借入金24億85百万円及び資産除去債務4億69百万円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は125億42百万円となりました。

主な内訳は、資本金40億37百万円、資本剰余金15億83百万円及び利益剰余金67億61百万円であります。

 

当社グループは、自己資本比率を主要な経営指標の目標とし、財務体質の強化に取り組んでおります。

当連結会計年度末においては、自己資本比率は63.0%となりました。

 

ロ 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は212億28百万円となりました。

営業利益は12億4百万円、経常利益は12億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5百万円となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

当社グループは、「はせがわ」の「仏壇仏具・墓石」、「屋内墓苑」、「飲食・食品・雑貨」及び「現代仏壇」の「仏壇仏具」を報告セグメントとしております。

 

①はせがわ事業

(仏壇仏具事業)

仏壇仏具事業については、売上高は142億66百万円となりました。市場が縮小するなかでのシェア獲得を目指し、他社との差別化を図る術として新たな商品ブランド戦略を展開しております。国内有名家具メーカーと共同開発した「LIVE-ingコレクション」に加えて、より高級感を追求した「H PREMIUM」、安全・安心の当社オリジナル商品を中心とした「HASEGAWA Standard」の2つのブランドを新たに構築し、ブランド戦略に沿った商品開発に注力いたしました。4月には飛騨産業株式会社と共同開発した日本の森林資源の有効活用を目的にお仏壇の本体部分には国産クリの木、柱には、国産ヒノキやスギの枝を使用し、これまで未活用だった枝部分を取り入れ、環境に配慮しながらデザインに生かしたサステナビリティに配慮したお仏壇『kinoe(キノエ)』、5月には建築家 隈研吾氏がデザインを手掛けたお仏壇   『薄院 上置き型』、6月にはカリモク家具株式会社と共同開発したスリムかつスタイリッシュなお仏壇 『HK ORTO(エイチケイオルト)』などの新商品を順次販売開始いたしました。

これらの商品開発を推進するとともに、現在は、より身近でパーソナルな祈りを実現する新たな商品ブランド展開の準備を進めております。また、一部営業店には株式会社現代仏壇の商品を投入いたしました。商品ブランド展開と合わせ、魅力ある商品を充実させてまいります。

 

(墓石事業)

墓石事業については、売上高は42億28百万円となりました。自社企画樹木葬の企画・提案を推進した結果、売上高は減収となりましたが、遺骨供養全体の受注件数は増加傾向となりました。主力となる墓石の受注件数は減少傾向で、墓石受注件数の維持または緩やかな減少に抑えていくことで一定の収益を確保していくことが課題となっております。今後は墓石と樹木葬を同時に提案できるような併売モデルの企画に注力してまいります。なお、当連結会計年度は、東日本地区で8物件、西日本地区で4物件、合計12物件の自社企画樹木葬が開園し、受託販売を開始いたしました。

(屋内墓苑事業)

屋内墓苑事業については、売上高は5億69百万円となりました。複数施設の合同バス見学ツアーなどの集客策や、お盆キャンドルナイトなど施設ごとのイベントを開催し、これらの結果、販売件数が増加しました。また、建築家 隈研吾氏がデザイン設計を手がけた千日谷淨苑(東京都新宿区)の販売が堅調に推移し予定販売基数の販売が計画どおりに終了いたしました。

 

(飲食・食品・雑貨事業)

飲食・食品・雑貨事業については、売上高は2億86百万円となりました。田ノ実のギフトの販売を推進しております。ご予算に合わせて選べるカタログギフトをはじめ、吉野の葛餅(奈良県)、五色そうめん(愛媛県)など全国各地の厳選した食品を営業店で販売いたしました。田ノ実自由が丘店では、1階食物販・2階カフェともに売上が堅調に推移いたしました。また、2025年5月22日に「田ノ実 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」を新規出店いたしました。

 

②現代仏壇事業

(仏壇仏具事業)

現代仏壇事業については、売上高は8億47百万円となりました。株式会社現代仏壇は、モダンかつデザイン性に優れた高品質なお仏壇を開発し、自社経営の直営店と提携取引先による専門店として「ギャラリーメモリア」を全国に約100店舗展開しております。当連結会計年度においては、これまでに培われてきた商品ブランドを維持しつつ、当社が保有する多店舗運営のノウハウを転用し、各販売拠点の営業効率を高めることに注力した結果、売上は堅調に推移いたしました。今後は当社との双方の強みを活かした更なるシナジー効果を創出するために協業してまいります。

 

その他

(はせがわ 仏壇仏具事業(EC販売(小売)))

EC販売については、売上高は6億9百万円となりました。低価格帯のお仏壇を希望されるお客様に対して、ECサイト限定の商品を展開し、販売基数が増加いたしました。ご供養に関する記事やコンテンツの充実、お盆提灯や神棚など季節商品の特設ページの開設など様々な施策で集客を図っております。

 

(はせがわ ピースフルライフサポート事業)

ピースフルライフサポート事業については、売上高は1億30百万円となりました。営業店にご来店いただいたお客様への対応の品質を高めるために、各地区の統括担当を中心として教育を継続的に実施してまいりました。さらにコールセンター機能を強化し、相談件数の確保につなげてまいりました。これらの結果、当社紹介からの提携企業によるサービスの受任件数が堅調に推移いたしました。提供サービスについては、お客様の終活をサポートするサービスとして「終活なむでもパック」や介護施設紹介サービスを新たに開始するなど、事業領域を徐々に拡大しております。また、サービスの認知度向上と相談件数の大幅な増加を狙い、TVCM、新聞広告、折込チラシ、WEB広告などの様々なプロモーションを展開した結果、相談件数が増加いたしました。1月からは当社商圏内において「失敗しない相続セミナー」を全15会場で実施し、認知を広めております。現在紹介している相続・遺品整理・不動産整理などのサービス及びその周辺領域のサービスの市場は今後も成長していくと捉えており、提供サービスのさらなる充実とマーケティング活動を強化してまいります。

 

(はせがわ 仏壇仏具事業(卸売販売)他)

卸売販売 他については、売上高は3億19百万円となりました。卸事業においては、当社店舗商圏外の仏壇販売店を対象に、「卸売販売限定商品」の卸をはじめ、近隣の仏壇販売店との競争にならない、小ロットから発注が可能な「各社専用オリジナル商品」の卸、そして「LIVE-ingコレクション」の卸など、他メーカーにはない、当社ならではのオリジナルブランドのお仏壇の卸売販売を行なっております。

 

 

なお、当社グループの報告セグメント別売上高は次のとおりであります。

(報告セグメント別売上高の構成比)

報告

セグメント等

の名称

区分

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額

構成比

(百万円)

(%)

報告セグメント

はせがわ

仏壇

仏具

墓石

東日本

仏壇仏具

11,390

53.7

墓石

3,469

16.3

 

14,859

70.0

西日本

仏壇仏具

2,875

13.5

墓石

758

3.6

 

3,634

17.1

仏壇仏具

14,266

67.2

墓石

4,228

19.9

 

18,494

87.1

屋内墓苑

569

2.7

飲食・

食品・

雑貨

食のギフト

187

0.9

田ノ実

98

0.4

 

286

1.3

現代仏壇

仏壇仏具(小売・卸売)

847

4.0

その他

はせがわ

仏壇仏具(EC販売(小売))

609

2.9

ピースフルライフサポート

130

0.6

仏壇仏具(卸売販売) 他

319

1.5

 

1,059

5.0

調整額

△28

△0.1

合 計

21,228

100.0

 

当社の報告セグメント別売上高は次のとおりであります。

(報告セグメント別売上高の構成比及び前期比増減)

報告

セグメント等

の名称

区分

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

報告セグメント

仏壇

仏具

墓石

東日本

仏壇仏具

12,028

56.5

11,390

55.8

△638

△5.3

墓石

3,700

17.3

3,469

17.0

△230

△6.2

 

15,728

73.8

14,859

72.8

△868

△5.5

西日本

仏壇仏具

3,051

14.3

2,875

14.1

△175

△5.8

墓石

759

3.6

758

3.7

△1

△0.2

 

3,811

17.9

3,634

17.8

△176

△4.6

仏壇仏具

15,080

70.8

14,266

69.9

△814

△5.4

墓石

4,460

20.9

4,228

20.7

△231

△5.2

 

19,540

91.7

18,494

90.6

△1,045

△5.4

屋内墓苑

562

2.7

569

2.8

6

1.2

飲食・

食品・

雑貨

食のギフト

142

0.7

187

0.9

45

31.9

田ノ実

94

0.4

98

0.5

4

4.8

 

236

1.1

286

1.4

50

21.2

その他

仏壇仏具(EC販売(小売))

586

2.7

609

3.0

22

3.8

ピースフルライフサポート

36

0.2

130

0.6

94

259.6

仏壇仏具(卸売販売) 他

338

1.6

319

1.6

△18

△5.5

 

961

4.5

1,059

5.2

98

10.2

合計

21,300

100.0

20,410

100.0

△890

△4.2

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、13億95百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1億50百万円となりました。

これは主に、貸倒引当金の減少額1億35百万円、退職給付に係る資産の増加額3億58百万円、棚卸資産の増加額4億64百万円、その他の減少額1億67百万円及び法人税等の支払額2億86百万円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益12億88百万円に加え、減価償却費2億77百万円などの増加要因があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は17億18百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出10億95百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億39百万円などの減少要因があったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は9億72百万円となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出13億98百万円及び配当金の支払額2億74百万円などの減少要因があったものの、長期借入れによる収入27億円の増加要因があったためであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

生産実績については、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

ロ 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。

事業の名称

金額(百万円)

宗教用具関連事業

7,874

飲食・食品・雑貨事業

323

合計

8,197

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

ハ 受注実績

受注実績については、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

ニ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

はせがわ

仏壇仏具・墓石

18,494

屋内墓苑

569

飲食・食品・雑貨

286

現代仏壇

仏壇仏具(小売・卸売)

847

報告セグメント計

 

20,197

その他

 

1,059

調整額

 

△28

合計

 

21,228

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

a 財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 イ 財政状態」に記載のとおりであります。

 

b 経営成績

売上高については、中期経営計画3年目で「売り切り型からの脱却」「手を合わせる機会の創造」をテーマに掲げてきましたが、既存店での売上を減少させてしまった影響が大きく、結果として減収となってしまいました。当社グループの事業は死亡者数の推移が業績に一定の影響を与えていることが回帰分析の結果から明らかになっており、商圏内の死亡者数は増加しているものの、ECサイトなど販売チャネルの拡大や、家具販売店、ホームセンターといった他業種の参入による市場変化が顕著となったこと、お客様のライフスタイルやご供養の価値観の変化から、商品の簡素化・小型化が進み、多様なニーズに応える商品・サービスの提供が十分出来ていなかったことにより、各事業の業績で苦戦した原因の一つであると考えております。

事業別に見ていくと、仏壇仏具事業については、当社にご来店くださるお客様の総数が減少したことが業績に影響を及ぼしました。ここ数年はより多くのお客様に当社を認知・想起いただくために、スマートフォンをはじめとしたWEB上で情報収集するお客様に向けて、WEB広告を中心に販促活動を強化してまいりました。WEB広告ではリスティング広告以外にもディスプレイ広告やLINE広告など多様な方法で、顧客接点の増加に努めてまいりました。また、低価格帯を求めるニーズに応えるために、ECサイト限定の低価格商品を営業店に揃え集客を図りましたが、思うように営業店にお客様を誘致することが出来ませんでした。ただし、今後もお客様はWEBを起点とした購買行動を取ることは明らかであるため、結果を分析したうえで、カスタマーコミュニケーション部を中心に、必要に応じて新聞折込チラシや「しあわせ少女   ゆうかちゃん」を起用したTVCMの併用によるメディアミックスを行ない、最大の効果を発揮できるように取り組んでまいります。

墓石事業及び屋内墓苑事業については、お客様がご遺骨を供養する手段として、それぞれ需要を分け合っているものと考えております。直近においては樹木葬墓地を要望されるお客様が増加し続けており、それらの対応で樹木葬墓地の受託販売を進めており、東日本地区で8物件、西日本地区で4物件、合計12物件の自社企画樹木葬を受託販売しており、これらの結果、遺骨供養全体の受注数は伸びておりますが、主力となる墓石の受注件数は減少傾向にあるため、販売構成比が変化し、樹木葬墓地の占める割合も大きくなっております。遺骨供養の方法については、多様化の傾向が継続するものと考えておりますが、人々の宗教的慣習からくる埋蔵に対してのイメージは、従来と大きく変わらないため、新しい形態についても伝統的な様式と新しい価値観やデザイン、そして合理性を融合させた形で提供していく必要があると考えており、競合他社の動きも活発になっているため、多様化するお客様にニーズに合い、競合他社と差別化できる樹木葬墓地をはじめとした新しいコンセプトの墓地を確保することが課題となっております。開発・販売の際には留意してまいります。

利益面については、継続する円安や物価高騰、物流コストの上昇などにより、売上総利益を押し下げることが考えられます。定期的に価格改定は行なっているものの、値上げが原価を全て吸収する状況には至っていないのが現状です。これは商品価格の値上げがお客様の購買行動に与える影響が大きいと考えており、価格改定の品目及び改定の価格幅も一定程度で抑える必要があると認識しているためです。今後はお客様にとってより価値の高い、かつ同時に売上総利益を確保できる商品の開発に注力してまいります。

また、販管費については、中長期的に見て、全体的にコストが上昇しており、収益力が弱くなっていると認識しております。特に人件費が増加している状況であり、労働分配率が40%を超えるような高い水準で人件費が推移しております。優秀な人材の確保のため、また、社会情勢から賃上げが必須の状況であるため、一定水準の定期昇給やベースアップは必要であるとの認識を持っているものの、生産性向上に向けた取組みが十分実施できていないことが現状の課題であると考えており、今後は営業店の業務の効率化や本社・本部の業務の在り方などを見直す業務改革を行ない、生産性を上げることで収益の確保を図ってまいります。

 

 

このように、各事業において施策を推進した結果、売上高は212億28百万円となりました。

また、営業利益は12億4百万円、経常利益は12億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5百万円となりました。

 

ロ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、お客様の生活様式や供養の価値観の変化によって祭祀の簡素化が進み、それによって販売数量の減少や、販売単価の低下を招く可能性があることです。近年は、お仏壇のご準備を省略し、お位牌の代用として写真立てや分骨壺を飾るなど、伝統的な形式に縛られずに、より自分らしい供養を求めるお客様が一定数いらっしゃいます。また、お仏壇のトレンドとしては、当社グループのお仏壇販売において、新型仏壇の構成比が全体の8割を占めるように、よりシンプルかつ機能的でコストパフォーマンスの高い商品が求められています。このようなお客様のニーズに対応し、他社との差別化を図る術として新たな商品ブランド戦略を展開しております。国内有名家具メーカーと共同開発した   「LIVE-ingコレクション」に加えて、より高級感を追求した「H PREMIUM」、安全・安心の当社オリジナル商品を中心とした「HASEGAWA Standard」、形式にとらわれない個々の想いでつくる祈りのスタイルの「MIND STYLE」以上の4つの商品ブランド展開により「お一人おひとりに合わせた供養のかたち」をご提案してまいります。また、株式会社現代仏壇が持つ商品ブランドと高品質な商品を受け継いだこと、さらには、全国各地に新たな販売拠点を得たことによって当社グループの中核事業である仏壇仏具事業をさらに成長させてまいります。

 

ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

第59期より経営指標の見直しを行なっております。

当社グループは、仏壇仏具・墓石・屋内墓苑の販売を中心とする事業強化により、主にROE、売上高伸張率、売上高営業利益率、自己資本比率を主要な経営指標の目標とし、各指標の向上を目指しております。

企業としての成長戦略と財務健全性の両立を目指し、持続可能な価値創造を実現していきます。

各指標の進捗状況は次のとおりであります。

 

当社グループ

回次

第59期

決算年月

2025年3月

ROE

(%)

7.2

売上高伸張率

(%)

売上高営業利益率

(%)

5.7

自己資本比率

(%)

63.0

(注)第59期の売上高伸張率については、第59期より連結財務諸表を作成しているため記載しておりません。

 

提出会社

回次

第57期

第58期

第59期

決算年月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

ROE

(%)

11.1

9.3

7.3

売上高伸張率

(%)

109.6

98.6

95.8

売上高営業利益率

(%)

8.2

7.6

5.9

自己資本比率

(%)

60.1

65.9

64.0

 

 

ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

仏壇仏具については、東日本地区については、成約率が向上したものの、販売基数・販売単価が減少した結果、売上高は113億90百万円となりました。西日本地区については、成約率・販売単価が向上したものの、販売基数が減少した結果、売上高は28億75百万円となりました。その結果、仏壇仏具事業の売上高は142億66百万円となりました。

墓石については、東日本地区と西日本地区ともに、樹木葬の販売が堅調に推移したものの、墓石の販売基数が減少した結果、売上高は42億28百万円となりました。

当連結会計年度は、お客様の購買行動のデジタル化が浸透していることから、積極的なリスティング広告への費用投下や、当社グループの強みや取扱い商品の幅広さが訴求できるようにWEBサイトのデザイン変更や、マス広告・WEB広告の運用改善を行ないました。また、営業施策として、お客様のご心情に寄り添った「最上のおもてなし」を実行し、そのうえでより良い商品をおすすめする付加価値販売を実践しております。加えて、他社との差別化を図る術として新たな商品ブランド戦略を展開しております。国内有名家具メーカーと共同開発した「LIVE-ingコレクション」に加えて、より高級感を追求した「H PREMIUM」、安全・安心の当社オリジナル商品を中心とした「HASEGAWA Standard」の2つのブランドを新たに構築し、ブランド戦略に沿った商品開発に注力いたしました。これらの商品開発を推進するとともに、現在は、より身近でパーソナルな祈りを実現する新たな商品ブランド展開の準備を進めております。また、一部営業店には株式会社現代仏壇の商品を投入いたしました。商品ブランド展開と合わせ、魅力ある商品を充実させてまいります。

墓石については、主に自社企画の樹木葬開発を進めておりますが、墓石の販売基数を確保するために墓石と樹木葬を同時にご提案できるような併売モデルの企画・提案に注力しております。

これらの結果、仏壇仏具及び墓石を合わせた全体での売上高は184億94百万円、セグメント利益は12億61百万円となりました。

仏壇仏具・墓石におけるセグメント資産は、東日本地区において81億78百万円となり、西日本地区においては20億29百万円となりました。

屋内墓苑については、リスティング広告などデジタルを活用した販売促進活動や複数施設の合同バス見学ツアーなどの集客策を積極的に行ない、販売件数が増加いたしました。また、建築家 隈研吾氏がデザイン設計を手がけた千日谷淨苑(東京都新宿区)の販売が堅調に推移し予定販売基数の販売が計画どおりに終了いたしました。これらの結果、売上高は5億69百万円、セグメント利益は2億32百万円、セグメント資産は35億53百万円となりました。

飲食・食品・雑貨については、法事シーンを中心とした食のギフトの販売に加え、商品の拡充やシーンの拡大を行なった結果、売上高は2億86百万円、セグメント損失は8百万円、セグメント資産は21百万円となりました。

現代仏壇については、これまでに培われてきた商品ブランドを維持しつつ、当社が保有する多店舗運営のノウハウを転用し、各販売拠点の営業効率を高めることに注力した結果、売上高は8億47百万円、セグメント損失は9百万円、セグメント資産は23億44百万円となりました。

その他については、新たな事業の確立を目指し、相続に関することや、遺品整理、不動産整理などの手続きの相談対応やサービス提供を全店にてスタートしている「ピースフルライフサポート」の売上高1億30百万円もあり、売上高は10億59百万円、セグメント損失は59百万円、セグメント資産は1億63百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a 資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入代金の支払資金のほか、人件費及び販売促進費等の販売費及び一般管理費であります。

投資を目的とした資金需要のうち主なものは、新規出店、店舗移転、既存店舗の改装等に係る設備投資や、墓石販売に伴う建墓権取得のための営業保証金の差入れ及び屋内墓苑販売業務委託契約に伴う販売保証金の預託等によるものであります。

 

b 財政政策

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または銀行借入により資金調達することとしております。

このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金につきましては短期借入金により調達することとしており、設備投資、営業保証金(建墓権)及び販売保証金に係る資金につきましては長期借入金(原則として5年以内)により調達することとしております。

また、運転資金の効率的な調達を行なうため取引銀行5行と当座貸越契約(当座貸越極度額合計30億円)を締結しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は36億19百万円、有利子負債依存度は18.2%となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたりましては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行なわれている部分があり、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行なっております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、見積り特有の不確実性により、翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があるものとして、営業保証金の評価、販売保証金の評価及び店舗固定資産の減損について「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

その他の会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(棚卸資産の評価)

当社グループの棚卸資産の評価につきましては、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、市場状況の悪化により収益性の低下の事実を新たに反映する必要が生じた場合、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性の評価)

繰延税金資産の回収可能性の判断につきましては、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があった場合など、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動し、繰延税金資産の取崩又は追加計上の可能性があります。

 

5【重要な契約等】

(1) 当社は、墓石の販売にあたって霊園の経営主体(宗教法人等)と墓地販売業務提携契約を締結しており、建墓権(墓石を販売する権利)取得のための営業保証金を差入れております。

営業保証金の概要につきましては、「3 事業等のリスク (5) 建墓権取得に係る営業保証金の評価について」に記載のとおりであります。

営業保証金を差入れております108法人のうち、主要な5法人の契約の概要は、以下のとおりであります。

相手先

契約内容

契約期限

株式会社 みどりの杜

墓地販売業務提携

建墓権に基づく建墓工事が完了するまで

宗教法人 清龍院

墓地販売業務提携

建墓権に基づく建墓工事が完了するまで

宗教法人 万年寺

墓地販売業務提携

建墓権に基づく建墓工事が完了するまで

株式会社 大友石材工業

墓地販売業務提携

建墓権に基づく建墓工事が完了するまで

株式会社 亜室

墓地販売業務提携

建墓権に基づく建墓工事が完了するまで

 

(2) 当社は、屋内墓苑の受託販売にあたって宗教法人と販売業務委託契約を締結しており、販売保証を行なっております。

販売保証の概要につきましては、「3 事業等のリスク (6) 屋内墓苑受託販売物件の販売保証について」に記載のとおりであります。

屋内墓苑の販売業務委託契約に基づく販売保証を行なっている3法人の契約の概要は、以下のとおりであります。

相手先

契約内容

契約期限

宗教法人 一行院

販売業務委託

2025年7月31日まで (注)1、2

宗教法人 仙行寺

販売業務委託

2025年7月31日まで (注)1

宗教法人 千光寺

販売業務委託

2026年12月31日まで (注)1

(注)1 契約期限までに本契約に基づく総区画数の販売を終了した時は当該販売終了まで、また、契約期限を経過した後も本契約に基づく総区画数の販売が終了していない時は協議のうえ延長するものとしております。ただし、契約期限を経過した後も預託した販売保証金の残高が残っている場合は全額が返還されるまで延長するものとしております。

2 宗教法人一行院との販売業務委託契約に基づく総区画数の販売は、2025年3月31日で終了しております。

 

以下の3法人については、販売業務委託契約に基づく販売保証を終了しておりますが、預託した販売保証金の残額が残っているため、販売を継続しております。なお、当社と3法人との間で新たに販売に関する覚書を締結しております。

相手先

契約内容

契約期限

宗教法人 伝燈院

販売業務委託

全区画の販売が完了するまで

宗教法人 勝楽寺

販売業務委託

販売保証金の預託残高の返還が完了するまで

宗教法人 源覚寺

販売業務委託

販売保証金の預託残高の返還が完了するまで

 

(3) 当社は、2024年8月5日開催の取締役会において、株式会社八木研の保有する仏壇仏具事業を会社分割(吸収分割)により承継させた株式会社現代仏壇の株式を、双方の合意に基づき取得することを決議し、2024年8月26日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、第59期 半期報告書「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(株式取得による企業結合)」に記載のとおりであります。

 

(4) 当社は、2024年8月5日開催の取締役会において、株式会社八木研の保有する土地・建物を、双方の合意に基づき取得することを決議し、2024年8月26日付で不動産売買契約を締結いたしました。

詳細は、第59期 半期報告書「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(固定資産の取得)」に記載のとおりであります。

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。