当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
自動車産業を取り巻く環境が過去に類を見ないほど大きな変革期を迎え、社会、クルマ、人の暮らしとともにお客様のニーズにも大きな変化が生じていくことが想定されるなか、企業経営にはこれまで以上に迅速で果断な意思決定が求められます。
このような状況下において、当社は、意思決定および企業変革のスピード向上を目的として、従来の執行役員制度に代えて、事業統括制度を新設いたしました。同制度では、事業統括というポストを戦略的事業単位ごとに配置し、各事業の成長と目標の達成を第一の目的としつつ、全体最適の観点から各事業を有機的に結びつけ、全社戦略を推進する役割を担うことで事業ポートフォリオ運営の強化を図ってまいります。
また、当社グループにおいては、新たに「挑戦・創造・感謝」をグループ行動理念として定めました。私たちはこれからの経営環境の変化や未来のクルマ社会、そして「安全」や「豊かさ」の実現といった、クルマを利用されるお客様のニーズへ想いを巡らせながら、既存事業のさらなる進化を図るとともに、従来の枠組みに捉われず新たな事業領域へ挑戦し、価値創造を行うことで、長期的かつ持続的に企業価値向上を図ってまいります。
そして、車という存在がなくてはならない世の中となった今日、当社グループに期待されるさまざまな社会課題の解決を目指し、人とクルマが共存し続けられる持続可能な社会と当社グループの持続的成長に向け、「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」に貢献し続けます。
こうした思いから、当社グループは「Beyond AUTOBACS Vision 2032」を掲げ、その実現に向けた成長ステージへ移行するための取り組みを、迅速、果断な意思決定によって推進するとともに、当社グループはこれからも、クルマを通じた「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」を願い、お客様と社会にとってなくてはならない企業グループを目指してまいります。
(2)経営環境
日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により制限されていた社会経済活動の正常化を背景に、内需を中心として持ち直しの傾向にあり、またインバウンド需要の回復もあって全体としては緩やかな回復傾向にあります。一方で、不安定な国際情勢に起因する原材料やエネルギーコストなどの高騰、急速な円安の進行やそれに伴う物価高など、経済の先行きについては依然不透明な状況です。国内の自動車関連業界に目を向けますと、世界的な半導体不足などが徐々に解消されることで新車販売台数は回復基調にあるものの、サプライチェーンや物流の混乱など、業界としても不安定な状況がしばらく継続するものとみております。
こうした中、100年に一度の変革期を迎えている自動車産業においては、電動化や自動運転化など、技術革新が着実に進行しています。また、サステナビリティへの意識の高まりを背景に、多くの企業がカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めており、世界的にEV(電気自動車)をはじめとしたZEV(ゼロエミッション車)への対応が加速しています。
当社グループが強みとする国内のカーアフター市場では、同市場のみならず、その周辺の事業領域においても、カーシェアリングや車のサブスクリプションサービスのような新たなサービスの提供も始まっています。また、お客様の購買行動の変化によってネット販売を通じた商品購入の比率がさらに高まってくるとの見立てから、業界の枠を超えた競争がいっそう激化していくことが想定されます。さらに、少子高齢化による顧客構成の変化、顧客ニーズの多様化など、当社を取り巻く環境は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。
なお、当社が加盟する自動車用品小売業協会(APARA)発表の2022年4月から2023年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は4,008億33百万円で、前年比1.1%増加いたしました。また、同期間の新車販売台数※1は約438万台(前年比4.0%増)、中古車登録台数※2は、約302万台(前年比4.6%減)となりました。2022年1月から12月までの自動車整備に関わる市場総売上※3は、5兆7,388億円(前年比3.4%増)となり、2年ぶりに増加しました。
※1 日本自動車販売協会連合会 発表 登録車と軽自動車の合計
※2 日本自動車販売協会連合会 発表 普通乗用車と小型乗用車の合計
※3 日本自動車整備振興会連合会 発表
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業上の課題
自動車業界においては、世界中でEV(電気自動車)をはじめとしたZEV(ゼロエミッション車)の普及が始まり、自動運転車も実用化に向けた実証実験が着実に進展しています。また、サステナビリティへの意識の高まりやデジタル化の進展により、社会、クルマ、人のくらしも変化し、当社グループを取り巻く経営環境も、今後さらに大きく、そして急速に変化していくものと考えます。
当社はこうした環境変化へ迅速に対応し、お客様のニーズを的確に捉え、それに応じた施策を速やかに実行できるよう、新たな中期経営計画の策定を検討しており、2024年3月期で5年目を迎える「5ヵ年ローリングプラン」では、業界の垣根を越えた連携や事業基盤の強化などを進めており、業績も一定の底上げを図ることができました。当社グループは、先に掲げました「Beyond AUTOBACS Vision 2032」と今後の新たな中期計画に基づき、これからも着実に成果を積み重ね、確実な成長へとつなげてまいります。
カーアフター市場は成熟期を迎えているといわれますが、当社は、国内オートバックス事業をさらに進化させるとともに、新たなマーケットの創造にも挑戦して「出かける楽しさ」を提案し続けてまいります。そのためには、クルマを持つことによって生じるお困りごとや煩わしさの解消に加え、クルマとともにある生活を豊かにするための「利便性」を向上させることが重要であると考えております。その施策の一つとして、2023年4月にカーライフ総合情報サイト「MOBILA(モビラ)」をリリースし、そうしたお困りごとや煩わしさを解消し、出かけるきっかけを積極的に提案していく取り組みをスタートいたしました。今後は、カーライフ総合情報サイト「MOBILA(モビラ)」も活性化させ、オートバックスの各店舗とともに、クルマに乗る全ての人に安全・安心とワクワクを提供してまいります。
また、オートバックスの各店舗においては、ネットとリアルの融合により、商品購入やクルマを持つことによって生じるお困りごとや煩わしさを解消し、利便性向上のための取り組みを推進することで「小売業としての進化」を図るとともに、DX戦略を推進し、お客様とより深く、より長く、直接的につながることで「小売業からの進化」を図ってまいります。
海外事業におきましては、現在、9つの国と地域で、卸売・小売事業を展開しております。当面は軌道に乗りつつある卸売事業を確立させることを優先し、オートバックスブランドの浸透を図り、その国や地域の理解を深めます。小売事業の展開は、卸売事業の状況を踏まえた上で決定することとし、その進出方法については、直営にこだわらず現地企業とのパートナーシップに基づく現地企業のオペレーションによる展開を含めて柔軟な展開を検討いたします。
次に当社は、当社グループの強みを活かし、国内オートバックス事業とのシナジーが期待できる分野としてディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業に取り組んでおります。
ディーラー事業におきましては、事業の収益性や成長性に加えて、欧米を中心とする自動車メーカーの動向から今後のマーケット動向を見通し、それを国内オートバックス事業の変革に役立ててまいります。さらにEV(電気自動車)をはじめとしたZEV(ゼロエミッション車)の販売にも着手しております。
BtoB事業におきましては、商品の卸売りとフリートサービスの2つの事業を展開しています。商品の卸売りにおいては当社のマーチャンダイジングの強みを活かし、フランチャイズ加盟法人への影響も考慮の上で、新規取引先の開拓を推進しています。また、フリートサービスについては、カーシェアリングなどの普及により、法人所有車両台数が増加していくことを見据えて法人営業を強化し、法人所有車両のメンテナンスや車検の需要を積極的に取り込んでまいります。さらに、オンラインアライアンス事業におきましては、先のカーライフ総合情報サイト「MOBILA(モビラ)」のようにお客様とつながり続ける仕組みを充実させていくとともに、当社グループが掲げる「ネットとリアルの融合」を牽引する役割を果たしてまいります。
また、2023年4月より経営執行体制を変更し、車買取・販売の台数を全国で拡大させることで当社グループ店舗への来店頻度を高めることを企図して、国内オートバックス事業から、車買取・販売にかかる事業を「カートレーディング事業」として独立させました。さらに当社グループ内の不動産をいっそう有効活用することを目的として、不動産にかかる機能を「プロパティデベロップメント事業」として集約し、事業化いたしました。今後、これらの2つの事業についてもさらなる収益の拡大と効率化を追求してまいります。
こうした一連の事業展開を支えるため、人的資本への戦略的な投資による人材基盤の強化を進めてまいります。人材は単なる「資源」ではなく「資本」であり、その価値を最大限に引き出し、高めていくためにも人材開発にかかる投資は不可欠です。特に整備士の確保は喫緊の課題であり、整備士を増やすことによって国内オートバックス事業を中心とする既存のビジネス領域の維持・拡大を図ります。また、人的資本への投資は、サステナビリティ経営の観点からも重要であり、当社ではダイバーシティこそが企業のレジリエンス(強靭性)に繋がると考えています。個々の多様性を尊重し、チームで成果を出し続け、変化を恐れず柔軟な発想で新たな価値を創造できる人材の集団を育てること、また、そうした人材が生まれる企業風土を醸成することにも注力してまいります。
さらに、事業ポートフォリオ上の事業活動を通じて得られるあらゆる情報を収集・整備し、それらの情報を活用してビジネスを進化させるため情報基盤の構築を進めております。今後、当社は、ITやDXを駆使して特定業務や業務フローのデジタル化を進めるとともに、情報基盤から得られる情報やその分析結果をお客様や社会のニーズとマッチさせながら、商品・サービスやビジネスモデルの変革へとつなげてまいります。
② 財務上の課題
当社グループの持続的成長の実現のためには、既存の事業の効率を改善しながら継続するだけではなく、成長領域への投資と新たな事業の育成も必要です。新たな価値創造に向けた挑戦を継続していく上では、各事業をROIC(投下資本利益率)で「見える化」して管理できるよう、モニタリング体制を強化し、事業ポートフォリオの見直しや入れ替えを継続して実施してまいります。事業ポートフォリオの見直しや入れ替えにあたっては、事業の収益性や成長性はもちろんのこと、他事業との連携可能性、さらにその事業が社会課題の解決に貢献できるかどうかという視点も加えて判断します。そして、グループの強みを最大限に発揮できるよう、事業ポートフォリオの再構築を進めてまいります。
これら事業ポートフォリオ見直しによる投資収益管理の強化と各事業単位での見える化による資本効率の向上に加え、計画期間である5年間の累計総還元性向100%とした安定的かつ機動的な株主還元の実施が財務上の課題となっております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEであります。
2024年3月期の目標値は、売上高2,430億円、営業利益123億円、親会社株主に帰属する当期純利益74億円、ROE5.8%であります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般への対応
① ガバナンス
当社においては、サステナビリティ全般に関する課題を重要なテーマと捉え、社長執行役員※1をプロジェクトリーダーとして「ESG・SDGs推進プロジェクト」を発足し(2021年1月)、全社プロジェクトとして推進しています。その議論・決定内容は取締役会に報告され、取締役会においては、当社としての取り組みについて承認および必要な指示・監督を行っています。またモニタリング会議※2への報告も実施し、必要な指示・監督を実施しています。
2023年4月には、「サステナビリティ基本方針」および関連する方針の整備を行い、コンプライアンス遵守の徹底や健全で強固なガバナンス体制の維持・強化に努めています。また今後は、当社グループの各種方針にもESGの視点を組み込むことで、持続可能な社会の実現に向けた事業活動を実践していきます。
※1. 2023年4月1日付の組織変更により役職名が「社長」へ変更となっております。
※2. 2023年4月1日付の組織変更により会議体名が「事業統括者会議」へ変更となっております。
② 戦略
当社は、サステナビリティ基本方針において、「社会課題を解決する事業の創出」や「環境・社会に配慮した取り組みの充実」を掲げ、提供する商品・サービスなどを通じて、人とクルマが共存し続けられる持続可能な社会をつくっていきたいと考えています。こうした社会の実現へ向け従業員が一丸となって推進していくことは、当社グループに期待されるさまざまな社会課題を解決し、「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現にも貢献すると考えています。
当社は、長期的な企業価値向上と社会の持続的な発展を両立させる取り組みを実施すべく、取締役会での承認を得て、当社が解決すべき4つの重要項目「社会課題を解決する事業の創出」「環境・社会に配慮した取り組みの充実」「成長し続ける組織・人財」「持続可能かつ強固な経営基盤」をマテリアリティとして特定しました。これらのマテリアリティごとにタスクフォースを組成し、2022年5月に非財務目標を設定、さらに2030年度におけるKPIを策定しました。このKPIは取締役非兼務執行役員※3が、達成まで責任をもって遂行する体制を取っています。この推進体制のもと、各実行施策の進捗状況のモニタリングを今後も継続的に実施していくことで、「人とクルマと環境が調和する安全・安心でやさしい社会」の実現への確度を高め、推進します。
※3. 2023年4月1日付の組織変更により、執行役員制度が廃止され「事業統括」が新設されております。
③ リスク管理
当社は、全社のリスクを一元管理する組織として、代表取締役社長執行役員※4を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、事業活動に潜むリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っています。
リスクマネジメント委員会では、事業への影響度・頻度などを分析・評価し、リスクの高いものから対応策が議論され、発生前のけん制を行うことを目指しています。また、取締役会への重要リスクの報告、およびリスクの対策に関する各部門への具体的な支援を行っています。
サステナビリティに関わるリスクについては、ESG・SDGs推進プロジェクトが主体となり、各事業よりリスク情報を収集し、リスクの特定と評価を実施しています。特定されたリスクと対応の進捗を、リスクマネジメント委員会と共有することで、組織全体のリスク管理項目に統合していきます。
※4. 2023年4月1日付の組織変更により役職名が「代表取締役社長」へ変更となっております。
④ 指標及び目標
当社は、非財務目標としてテーマごとに重視する取り組みを設定し、それぞれ指標と目標を設定しています。当社の向かうべき方向性を明確にし、的確な進捗管理を行うことにより、着実に実行していきます。
各指標の進捗状況は会議体を通じてモニタリングされ、その達成度は取締役非兼務執行役員※5の評価へ反映されています。
※5. 2023年4月1日付の組織変更により役職名が「事業統括」へ変更となっております。
(注)「喫煙者比率低減の推進」は、低減させることを目標としているため、2030年度目標が2022年度実績値より低くなっております。
(2)気候変動への対応
当社では、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置付け、 2022年6月に、TCFD提言に賛同を表明しました。また、気候変動がもたらすリスク・機会の財務的影響について情報開示を求めるTCFD提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の開示推奨項目に準拠した情報開示を積極的に進めています。今後も気候変動関連情報の拡充と開示を通じて、ステークホルダーとの円滑な対話を進め、さらなる企業価値向上を目指します。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、「サステナビリティ全般への対応」に組み込まれています。詳細については「
② 戦略
当社は、気候変動に伴うさまざまなリスク・機会を、事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えています。当社では2050年までを対象期間とし、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した「1.5℃/2℃(未満)シナリオ」、および現在のペースで温室効果ガスが排出されることを想定した「4℃シナリオ」の2つの世界を想定しています。当社は、この2つのシナリオを踏まえて、TCFD提言に沿って、気候関連リスク・機会を抽出し、その上で、気候変動がもたらす移行リスクや物理リスク、気候変動への適切な対応による機会を特定しました。
「4℃シナリオ」においては、干ばつや大雨など異常気象が多発し、急性的な物理リスクの影響により、物流センターやデータセンター、店舗の被災・休業、また冬季用品の需要減が発生する可能性があり、事業に甚大な影響を及ぼすことが想定されます。物流センターやデータセンターについては、既に地域の分散やバックアップ体制の整備が進んでおり、物理的なリスクを最小限に抑えています。また、店舗については、浸水リスクに対し、BCPの観点からの立地選定や構造の工夫等を進めることにより物理的なリスクを最小限に抑えることができると考えます。商品については気温帯の変化、消費行動の変化に見合う商品の投入を進めることにより、冬季商品需要減に伴う機会損失を最小限に抑えるための取り組みを進めています。
「1.5℃/2℃(未満)シナリオ」においては、温暖化抑止に向けて技術革新や規制強化が進み、社会が変化することが想定されるため、移行リスクの影響がより顕在化すると考えます。炭素税などの税制、ZEB(Zero Energy Building)の標準仕様の義務化などの規制強化、電気料金の上昇など、 店舗や物流センターのコストが上昇するリスクがありますが、省エネの推進により、リスク低減を進めています。また炭素税や排出権取引の導入、ZEV(ゼロエミッション車)メーカーへの優遇政策や内燃自動車への規制強化等が進むことにより、エンジン搭載車の販売台数が急激に減少し、代わりにZEVの普及が急速に進むことが想定されますが、ZEVの拡販に伴う売上増に加え、ZEV推進のためのインフラ整備や拡充を積極的に進めることで、販売機会の拡大に努める予定です。
なお、気候変動の影響は中長期的に顕在化する可能性を有することから、外部動向の変化も踏まえ、定期的にリスク・機会の分析・評価の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させていきます。
■分析対象
[事業] 国内オートバックス事業、ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業
[範囲] 日本国内 事業所、直営および子会社店舗、物流拠点
[期間] 現在~2050年まで(短期:1年以内/中期:~2030年/長期:~2050年)
■分析ステップ
(1) 各気候関連リスク・機会要因が、分析対象範囲に及ぼし得る影響を網羅的に抽出
(2) (1)を俯瞰し、より発生可能性の高いリスクを整理
(3) 採用シナリオ(物理リスク:RCP2.6・RCP8.5、移行リスク:ZNE・STEPS)に基づき、「1.5℃/2℃(未満)」および「4℃シナリオ」下での事業インパクトの検証および財務的影響を算出
(4) (3)の結果への対応策を検討
■参照文献
気候変動監視レポート2020(気象庁)/日本の気候変動2020(文部科学省、気象庁)/ハザードマップポータルサイト(国土交通省)/Global Hybrid & Electric Vehicle Forecast(LMC Automotive)/IPCC・AR6・WG1報告書 /IEA(2021)World Energy Outlook 2021/車両電動化の見通し(東京主税局)等
※ 下線部分は前年度からの変更箇所
物理リスク: 気象災害の激甚化等の気候変動に起因するリスク
移行リスク: 温室効果ガス排出に関する規制等による低炭素経済への「移行」に起因するリスク
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、「サステナビリティ全般への対応」に組み込まれています。詳細については「
④ 指標及び目標
当社は、「人とクルマと環境が調和する安全・安心でやさしい社会」を目指し、温室効果ガス排出量削減に取り組んでいます。削減目標として、日本政府の宣言に基づき、2050年度にカーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)を掲げ、取り組みを推進いたします。
具体的には、お客様の商品使用段階における排出量削減も含めた環境配慮型機能性商品の開発や、省エネ店舗化の推進および資源循環への取り組み等を検討し、それらの数値目標の開示についても進めていきます。
2021年度算定範囲:[事業] 国内オートバックス事業
[対象] 日本国内 事業所、直営および子会社店舗、物流拠点(147拠点)
算定期間:2021年4月1日~2022年3月31日
Scope 1:燃料の燃焼、工業プロセス等、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope 2:他者から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
2022年度は、算定中につき、最新の情報については当社ホームページの「気候変動への対応」をご覧ください。
(2023年6月下旬に更新を予定しております)
https://www.autobacs.co.jp/ja/sustainability/environment/climate_change.html
(3)人的資本への対応
① ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、「サステナビリティ全般への対応」に組み込まれています。詳細については「
② 戦略
当社グループでは、「ヒト」の成長が企業価値を最大化させる最重要課題であるとの考えのもと、5ヵ年ローリングプランの実現に向け、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」および「健康経営の推進」を基盤とし、「働きがいのある職場作り」、「チャレンジする仕組み・仕掛け作り」、「人材データに基づく戦略的配置」の3つの人事中期方針を掲げ、各種人事施策に取り組んでいます。
中でも、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」については、「多様な人材が活躍し組織に異なる視点をもたらすことがイノベーションの源泉となり企業価値をより高める」との考えのもと、知と経験の多様化を進めるため、女性や様々な職歴・経験を有する人材の採用、店舗での外国人技能実習生の受け入れ、連結子会社からの中核人材の戦略的配置など、多様な人材の積極的な活用や中核人材への登用によりダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
また、多様な人材一人ひとりがキャリアを開発し、持てる力を最大限に発揮できるよう、「キャリアステージ、ライフステージに即した教育の提供」の人材育成方針のもと、階層別・年齢別・事業別など多様な研修を整備し実施するほか、キャリア研修や社内外のキャリア相談窓口設置によるキャリア自律支援、自己啓発の補助金制度(カフェテリアプラン)による積極的な能力開発を推進しております。さらに、テレワーク、フレックスタイムの導入や短時間勤務の適用拡充、男性従業員の育児休業取得促進を進めるなど、結婚、出産、育児、介護など多様なライフイベントを経ても仕事と生活の調和を図ることができる働きやすい環境の整備を進めています。
なお、ダイバーシティ&インクルージョンの推進は、社内の意識醸成も重要であるため、社内イントラネット等を活用し、代表取締役社長執行役員※から当社グループのダイバーシティに関する考え方を発信するほか、定期的に職場で活躍する多様な人材を紹介する取り組みを進め、「多様性」への意識醸成を深める活動を行っています。
※2023年4月1日付の組織変更により役職名が「代表取締役社長」へ変更となっております。
③ リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、「サステナビリティ全般への対応」に組み込まれています。詳細については「
④ 指標及び目標
当社グループは、ESG・SDGsの非財務目標である「多様な人材が活躍できる企業風土づくり」を実現するための指標と目標を定め、施策の取り組みを進めています。また、現在、人的資本経営に向けて、人材投資を行う重要施策の選定、KPI、目標数値等の検討をさらに進めており、今後、これらの開示についても進めていきます。
〔2023年3月末時点 人事データ(連結)〕
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※女性従業員比率はパート・アルバイトを除く従業員数に占める女性従業員の割合 |
※女性管理職比率は「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある従業員の合計に占める女性管理職の割合 管理職の定義は以下の通りです。 ・オートバックスセブン:本社における課長以上、店舗におけるストアマネジャー以上 ・国内子会社:本社における課長以上、店舗における店長以上 ・海外子会社:本社におけるManager、店舗におけるStore Manager以上 |
※男性育休取得者比率は雇用形態や期間を問わず直接雇用の男性従業員の対象者数に占める割合 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスクの管理体制
当社は、オートバックスフランチャイズシステムを通じ、さまざまな商品・サービスを数多くの顧客に対して提供しており、あらゆるステークホルダーからさらなる支持と信頼を獲得する「オートバックス」ブランドの維持・向上に継続的に取り組むことが経営の最重要課題と認識しております。
そのため、日々変化する当社グループを取り巻く環境変化に対応するだけでなく、目標達成を阻害する可能性のあるさまざまなリスクの的確な把握・評価と適切なコントロールを行い、また重大事案が発生した場合における、被害拡大防止や損害・損失の極小化を可能とする態勢を確立することで、企業の社会的責任を果たすことに努めております。
当社は、オートバックスセブングループを挙げて「統合リスクマネジメント」に継続的に取り組み、ステークホルダーから信頼される企業グループを目指します。
統合リスクマネジメント態勢
当社は、代表取締役社長を委員長とし、業務執行取締役および内部統制を担当する事業統括を委員とした「リスクマネジメント委員会」を設置し、オートバックスセブングループにおけるリスクの管理、全社的なリスクマネジメントシステムの構築・推進を行います。
また、有事の際には、リスクマネジメント委員長である代表取締役社長が「危機対応本部」を設置し、自ら指揮を執り、迅速かつ適切な対応と回復に努めます。
(注)1.リスクマネジメント体制および危機管理態勢を含めて「統合リスクマネジメント態勢」としています。
2.「危機」とは、オートバックスセブングループの経営または事業継続に重大な影響を与える恐れのある、または与えた事象を指します。
3.組織を常設する「体制」に加え、身構えや心構えを含めて「態勢」としています。
(2)主要なリスク
① 国内市場環境に関するリスク
当社グループは、日本国内においてカー用品の卸売・小売、車検・整備および車買取・販売等の事業を行っております。そのため、国内外の情勢の変化に伴う商品調達、為替変動などによる日本経済の悪化、個人消費の低迷、競争優位性変動等が、当社グループの営業成績や財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクの低減のため、当社は代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、外部機関によるリスク評価を実施し、取り組むべき重要リスクの選定および対処を行い、継続的にリスクの低減を図っております。
② 店舗運営に関するリスク
当社グループは、カー用品販売、車検・整備、車買取・販売を取り扱う小売店舗を営業しておりますが、店舗の営業に伴う廃棄物の処理、有害物質の取り扱い、ピット作業における事故、また店舗敷地内でのその他の事故などのリスクがあります。これらは直接的、もしくは顧客のグループ店舗に対する心証悪化に伴う客数減少などによって、間接的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ピット作業事故等につきましては重大リスクと認識し、研修による指導教育、作業マニュアルの周知徹底、コンプライアンスチェックプログラムによる点検と改善を継続しております。
③ 人材確保・育成に関するリスク
当社グループが事業を維持・拡大していくためには、車の整備や検査等をはじめ次世代整備の専門性を有する人材や、イノベーションを創出することのできる多様な知見・スキル・価値観を有する人材を確保・育成していくことが不可欠です。今後の社会情勢や雇用環境の変化により、ふさわしい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
人材確保につきましては、当社グループならびにフランチャイズ加盟法人を含めたチェンリクルートや採用支援、整備士確保の取り組み強化により、人材確保を推進しております。また、ワークライフバランスを重視し、働き方や価値観の多様化に対応した人事制度の構築や労務環境の整備に取り組んでおります。
人材育成につきましては、当社グループならびにフランチャイズ加盟法人を含めた人材育成プログラムの充実を図るとともに、整備士資格をはじめとした各種資格の取得を支援する制度を設けているほか、独自のグループ内認定資格を用意するなど役職員に自己研鑽を促し、育成に取り組んでおります。
④ 技術革新に関するリスク
自動車関連の技術は日々変化をしており、運転支援機能、自動運転の技術開発、電気自動車の普及などに伴い、当社グループが販売する交換部品の需要や市場規模が変化する可能性があります。こうした技術進化に伴う顧客ニーズの多様化に対し、柔軟に対応できなかった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対応するため、国内外の自動車メーカーとの協業、電気自動車市場への参入、車検指定工場全店における特定整備認証(電子制御装置整備)の取得など、継続して技術革新のノウハウ獲得のための取り組みを推進しております。
⑤ 商品の開発および調達に関するリスク
当社グループは、プライベートブランド(PB)の商品開発を行っております。開発においては厳しい基準を設けて品質検査を実施する等、さまざまな取り組みを進めておりますが、PB商品等に起因する事故等が発生した場合、お客様からの信頼失墜を招き、ブランド毀損により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
PBを含めた商品は、国内外より調達を行っておりますが、各地域の政治情勢、自然災害、経済状況の変化などのさまざまな要因によってその商品の調達が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入価格の高騰に伴う小売価格の上昇で商品・サービスに対する需要が後退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループが行う事業活動の多くは、情報システムおよび通信ネットワークに依存しておりますが、想定外の災害やサイバー攻撃などにより、データセンター機能の停止やシステム障害など、ITシステムが長期間にわたり正常に作動しなくなった場合、当社グループの業務が著しく停滞し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、個人情報や法人の秘密情報等が外部に漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、また損害賠償等を行う必要が生じることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対し、ファイアウォールなどのいわゆる入口対策・出口対策のほか、あらゆるアクセスを検証対象として情報保護対策を行うとともに、情報セキュリティに関する規程(「ITガバナンス規程」、「情報セキュリティ規程」等)を整備し、情報セキュリティに関するeラーニングや標的型攻撃メール訓練を役職員等に対して実施するなど教育・研修の徹底を図っております。また、自然災害や停電、火災等の災害に対する耐性やセキュリティ面を考慮の上でデータセンターを選定し、複数のデータセンターを利用することでリスクの分散を図るとともに、定期的にデータのバックアップを行い、非常時において当該データを復元し、できる限り早急にサービスを再開できる体制を整備することにより、リスク対策を講じております。
⑦ 法規制等の変化によるリスク
当社グループは、店舗の出店において「大規模小売店舗立地法」により売場面積1,000㎡超の新規出店や既存店舗の増床などについて、騒音、交通渋滞、ごみ処理問題など、生活環境等の法令や条例などの規制を受けております。当社グループは、1,000㎡超の大型店舗を新規出店する際には、出店計画段階から地域環境を十分考慮し、出店地近隣住民や自治体との調整を図りながら出店していく方針ですが、これらの規制に変更等が生じ、新たな法規制等の影響を受けることになった場合には出店を計画通りに進めることができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 気候変動に関するリスク
当社グループの販売する商品には、スタッドレスタイヤ、タイヤチェーンなど天候により販売個数を大きく左右される季節商品が一部含まれています。そのため、冷夏や暖冬などの気候変動が発生した場合、季節商品の需要低下や販売時期のずれにより売上高が減少する可能性があります。また、環境に関する法的規制や社会的要請の高まりによって炭素税等の導入や各種規制の拡大が進んだ場合、事業活動の制約やオペレーションコスト・設備コストの上昇など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、店舗で排出する温室効果ガスの総量をゼロにすることを目標に、再生可能エネルギーの活用に取り組むとともに、環境配慮型店舗やEV車の販売・メンテナンスをはじめとした脱炭素への取り組みにより、省エネルギー化の推進を行っております。また、事業ポートフォリオの柔軟な見直しを行い、経営から現場に至るまで、気候変動課題と事業推進の両立を図りリスク低減を目指しております。
⑨ 自然災害に関するリスク
当社グループが店舗を展開する、また事業関連施設を所有する地域において、地震、台風その他の自然災害が発生し、当該施設への物理的な損傷、または役職員の死亡・負傷による欠員があった場合、商品の損害、売上高の減少、または原状復帰や人員の補充などにかかる費用によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対して当社グループではBCP/事業継続計画を策定し、年2回の訓練実施においてさまざまな災害ケースを想定し実行することで、課題抽出とリスク低減に努めております。
⑩ 強毒性感染症に関するリスク
人々の交通インフラの一翼を担う「オートバックス」事業を中核事業とする当社グループは、新型コロナウイルス(COVID-19)のような感染症の流行に備え、お客様・取引先、従業員等の安全を最優先に考えた上で、お客様の安全・安心な車生活を守るため、感染症流行時における人員確保など、営業継続の対策を講じておりますが、感染拡大などの状況に応じて、店舗の休業や営業時間の短縮などの措置をとる可能性があります。この場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、対策備品の配布・備蓄やバックオフィスにおいてリモートワーク等の導入を行い、影響の最小化に努めております。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の重要な見積りを連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)の「(1)国内オートバックス事業に係る店舗固定資産の減損評価の② 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」および「(2)国内オートバックス事業以外ののれん等の評価の② 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」に記載しております。
⑪ 固定資産減損に関するリスク
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。今後、店舗等の収益性の悪化などにより、新たに減損損失を計上することになった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、固定資産減損リスクに関する会計上の重要な見積りを連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)の「(1)国内オートバックス事業に係る店舗固定資産の減損評価の② 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」および「(2)国内オートバックス事業以外ののれん等の評価の② 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」に具体的算出方法・基準を記載しております。
⑫ コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、法令遵守・コンプライアンスに係る問題につき内部統制の整備を図っており、より充実した内部管理体制の確立のため全社の内部統制を主管する部門を定め、役員および従業員が高い倫理観に基づいて企業活動を行うよう行動規範と行動指針を制定しています。しかし、役員および従業員による不正行為は完全に回避できない可能性があります。万一、このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用の低下や、多額の損害賠償の請求など、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対して「行動規範・行動指針」の周知、店舗運営におけるコンプライアンスチェックプログラムの実行、重大事案報告制度、内部通報制度等の対策によりリスクの極小化に努めております。
⑬ 個人情報・機密情報管理に関するリスク
当社グループは、事業の過程において、個人情報や機密情報を保有しています。万一、当社が保有するこれらの情報の漏えい事故等が発生した場合、当社グループの社会的な信用の低下により、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対して、資料の取り扱いに関する規制や制限を実施しております。特に重要な電子データはアクセス権限設定やパスワード設定、期限設定など対策を厳格に実施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により制限されていた社会経済活動が正常化へと向かい、個人消費は緩やかに持ち直しの動きがみられたものの、原材料やエネルギー価格の高騰および急速な円安進行による物価上昇を受け、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
国内の自動車関連業界の動向といたしましては、世界的な半導体不足の影響を受け減少していた新車生産台数は回復基調へ転じましたが、ウクライナ情勢や中国政府によるゼロコロナ政策は、部品の供給不足と物流の停滞を招き、その影響は依然として長期化しております。また、中古車においても、新車減産により下取り車の流通量が減少し、中古車登録台数は前年を下回る低水準で推移いたしました。カー用品関連においては、物価上昇の影響を受けたものの、寒波や降雪により冬季用品の需要が高まりました。
このような環境下において、当社グループは、社会・クルマ・人のくらしの変化をいち早く捉えて適応することで市場競争力の向上に努めております。当社グループが向かうべき方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン」では、より成長の可能性の高い領域への集中に加え、持続的成長に向け、ネットワークおよび事業基盤の強化と事業の推進を図っております。
① 連結損益状況
売上高、売上総利益
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比3.3%増加の2,362億35百万円、売上総利益は前年同期比3.0%増加の794億62百万円となりました。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
国内オートバックス事業 |
174,894 |
178,570 |
|
海外事業 |
10,763 |
13,052 |
|
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業 |
39,042 |
39,820 |
|
その他の事業 |
3,886 |
4,791 |
|
報告セグメント計 |
228,586 |
236,235 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前年同期比3.3%増加の677億39百万円、営業利益は前年同期比1.5%増加の117億22百万円となりました。
デジタルマーケティング活動等の促進、情報基盤の強化および原油価格の高騰等による電気代の上昇により経費が増加いたしました。
セグメント別の従業員の状況
(単位:人)
|
セグメントの名称 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減 |
|||
|
国内オートバックス事業 |
2,842 |
(706) |
2,894 |
(757) |
52 |
(51) |
|
海外事業 |
548 |
(20) |
571 |
(18) |
23 |
(△2) |
|
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業 |
670 |
(22) |
657 |
(17) |
△13 |
(△5) |
|
その他の事業 |
136 |
(3) |
163 |
(4) |
27 |
(1) |
|
全社(共通) |
192 |
(28) |
192 |
(26) |
0 |
(△2) |
|
合計 |
4,388 |
(779) |
4,477 |
(822) |
89 |
(43) |
(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、前年同期比1.3%減少の18億54百万円となりました。営業外費用は、前年同期比8.3%減少の20億2百万円となりました。
持分法適用会社について収益性の低下が認識されたため、のれん相当額の減損損失を「持分法による投資損失」として営業外費用に計上しております。
この結果、経常利益は前年同期比2.9%増加の115億74百万円となりました。
特別利益、特別損失
特別利益は、退職給付制度終了益8億91百万円、移転補償金2億86百万円を計上いたしました。特別損失は、固定資産の減損損失8億97百万円を計上いたしました。
法人税等合計
法人税等合計は、前年同期比6億50百万円増加の46億40百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比3.3%増加の72億39百万円となりました。
② セグメントごとの経営成績
当社グループ 報告セグメントの概要
セグメントごとの売上高、利益又は損失
(単位:百万円)
|
|
報告セグメント |
調整額 |
連結財務諸表計上額 |
||||
|
国内オートバックス 事業 |
海外事業 |
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業 |
その他の 事業 |
合計 |
|||
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
176,877 |
12,972 |
39,820 |
4,175 |
233,846 |
- |
233,846 |
|
その他の収益 |
1,693 |
79 |
- |
615 |
2,388 |
- |
2,388 |
|
外部顧客への売上高 |
178,570 |
13,052 |
39,820 |
4,791 |
236,235 |
- |
236,235 |
|
対前期増減率 |
2.1% |
21.3% |
2.0% |
23.3% |
3.3% |
- |
3.3% |
|
セグメント間の内部 売上高又は振替高 |
4,536 |
479 |
9,375 |
1,272 |
15,664 |
△ 15,664 |
- |
|
計 |
183,107 |
13,531 |
49,196 |
6,063 |
251,899 |
△ 15,664 |
236,235 |
|
対前期増減率 |
2.7% |
22.1% |
1.4% |
21.2% |
3.7% |
- |
3.3% |
|
セグメント利益又は 損失(△) |
19,689 |
△ 207 |
281 |
△ 716 |
19,046 |
△ 7,324 |
11,722 |
|
対前期増減率 |
△3.2% |
- |
- |
- |
0.9% |
- |
1.5% |
国内オートバックス事業
国内オートバックス事業は、新型コロナウイルス感染拡大や物価上昇の影響を受けましたが、個人消費に持ち直しの動きがみられたことに加え、販売促進を強化したことなどにより堅調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比2.7%増加の1,831億7百万円となりました。売上総利益は、前年同期比1.4%増加の611億89百万円となりました。販売費及び一般管理費は水道光熱費の高騰により、前年同期比3.7%増加の415億円となりました。この結果、セグメント利益は前年同期比3.2%減少の196億89百万円となりました。
営業の状況といたしましては、当連結会計年度における国内のオートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店が4.0%の増加、全店が4.2%の増加となりました。
国内オートバックスチェン売上高および客数(既存店前年比/月別)2022年4月~2023年3月
国内オートバックスチェンでは、新車生産台数がコロナ禍前と比較し低水準で推移したことにより車両メンテナンス需要が高まり、既存車に乗り続けるために必要なタイヤ、オイル、バッテリーなどが好調に推移いたしました。また、価格改定前の駆け込み需要や、寒波や降雪に伴う冬季用品需要の高まりを背景に、戦略的な品ぞろえや販売促進を強化したことにより、売上が堅調に推移いたしました。
タイヤについては、メーカー値上げを受け、5月と9月の二度にわたり店頭での価格改定をいたしましたが、品ぞろえの強化や戦略的な販売促進を実施したことに加え、12月の寒波や降雪の影響でスタッドレスタイヤが好調に推移し、売上が伸長いたしました。一方、カーエレクトロニクスについては、世界的な半導体不足による新車減産の影響が長期化し、売上が減少いたしました。
プライベートブランドについては、「AQ.(オートバックスクオリティ.)」を中心に展開を進めており、2022年9月に発売したAQ.のスタッドレスタイヤ「North Trek N5」の販売が好調となりました。また、心躍るガレージライフを提案するブランド「GORDON MILLER」を展開するなど、さまざまなお客様のニーズを捉えた価値ある商品の開発・販売を推進しております。
車検・整備については、より安全・安心に車を走らせたいというお客様のニーズを背景に、スキャンツールを使用して車両の状態を電子的に確認する車両診断のサービスが好調に推移いたしました。また、運転支援機能や自動運転機能が付いた先進安全自動車の整備を行う「自動車特定整備制度」への対応を進め、車検指定工場の全店が特定整備認証(電子制御装置整備)を取得しております。さらに、公式アプリの機能拡充により、簡単にピット作業予約が可能になるなど、お客様の利便性向上に向けた取り組みを推進しております。車検実施台数は、下期の車検対象車両台数の増加を背景に、前年同期比1.9%増加の約66万5千台となりました。
車買取・販売は、中古車の単価上昇や買取台数の増加を背景にオークションへの販売が好調に推移いたしました。これらにより、国内オートバックス事業における総販売台数は前年同期比17.2%増加の約3万5千台となりました。
国内における出退店は、新規出店が3店舗、退店が3店舗、業態変更が1店舗あり、2023年3月末の店舗数は588店舗となりました。
国内オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)
(単位:百万円)
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減 |
|
タイヤ・ホイール |
50,155 |
54,874 |
4,718 |
|
カーエレクトロニクス |
26,671 |
22,899 |
△3,772 |
|
オイル・バッテリー |
15,487 |
16,285 |
798 |
|
アクセサリー・メンテナンス用品 |
42,674 |
40,251 |
△2,423 |
|
車検・サービス |
16,806 |
17,831 |
1,024 |
|
車販売 |
10,718 |
13,681 |
2,963 |
|
その他 |
12,380 |
12,747 |
366 |
|
合計 |
174,894 |
178,570 |
3,676 |
国内出退店実績
(単位:店)
|
|
2022年3月末 |
新店 |
退店 |
2023年3月末 |
|
オートバックス |
494 |
3 |
△1 |
496 |
|
スーパーオートバックス |
74 |
- |
- |
74 |
|
オートバックスセコハン市場 |
6 |
- |
△2 |
4 |
|
オートバックスエクスプレス |
11 |
- |
- |
11 |
|
オートバックスカーズ |
3 |
1 |
△1 |
3 |
|
国内計 |
588 |
4 |
△4 |
588 |
※新店/退店には業態変更を含む
国内店舗数の内訳
(単位:店)
|
|
2022年3月末 |
2023年3月末 |
|
直営 |
12 |
11 |
|
連結対象子会社 |
123 |
124 |
|
連結対象外法人※ |
453 |
453 |
|
合計 |
588 |
588 |
※関連会社を含む
海外事業
海外事業における売上高は前年同期比22.1%増加の135億31百万円、セグメント損失は2億7百万円(前年同期は3億21百万円のセグメント損失)となりました。
小売・サービス事業においては、ウクライナ情勢や世界的なインフレの影響を受けたものの、売上は増加し、卸売事業においては新規取引先の開拓などにより、売上が伸長いたしました。
フランスにおいては、インフレなどの影響を受けたものの、価格適正化や営業活動の最適化などの対策を講じたことにより、売上が増加いたしました。シンガポールにおいては、車両メンテナンス需要の増加によりピットサービスが好調となり、売上が増加いたしました。マレーシアにおいては、125店舗に拡大したオーソライズドディーラーへの卸売が好調で、売上が大幅に増加いたしました。中国においては、政府によるゼロコロナ政策の影響を大きく受けたものの、12月以降の規制緩和により中国国内外への卸売が好調に推移し、売上が増加いたしました。オーストラリアにおいては、カーエレクトロニクス商品や無線機が好調で、新たな卸売先の開拓や専売品の導入などの営業活動により、売上が増加いたしました。
海外における出退店は、タイのフランチャイズ加盟法人が16店舗を出店したことなどにより、新規出店が17店舗、退店が1店舗あり、合計78店舗となりました。
主要海外子会社の損益
(単位:百万円)
|
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減 |
|
フランス |
売上高 |
6,395 |
7,271 |
876 |
|
営業利益 |
△30 |
△123 |
△93 |
|
|
シンガポール |
売上高 |
1,282 |
1,714 |
432 |
|
営業利益 |
△31 |
△30 |
0 |
|
|
中国 |
売上高 |
1,021 |
1,382 |
361 |
|
営業利益 |
△49 |
△143 |
△94 |
|
|
マレーシア |
売上高 |
52 |
116 |
63 |
|
営業利益 |
△14 |
△11 |
3 |
|
|
オーストラリア |
売上高 |
2,478 |
2,812 |
334 |
|
営業利益 |
130 |
163 |
33 |
海外出退店実績
(単位:店)
|
|
2022年3月末 |
新店 |
退店 |
2023年3月末 |
|
フランス |
10 |
- |
- |
10 |
|
シンガポール |
2 |
- |
- |
2 |
|
タイ |
33 |
16 |
- |
49 |
|
台湾 |
6 |
- |
- |
6 |
|
マレーシア |
4 |
1 |
- |
5 |
|
インドネシア |
4 |
- |
△1 |
3 |
|
フィリピン |
3 |
- |
- |
3 |
|
海外計 |
62 |
17 |
△1 |
78 |
海外店舗の内訳
(単位:店)
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
連結対象子会社 |
12 |
12 |
|
連結対象外法人※ |
50 |
66 |
※関連会社を含む
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業における売上高は前年同期比1.4%増加の491億96百万円、セグメント利益は2億81百万円(前年同期は3億39百万円のセグメント損失)となりました。
ディーラー事業においては、半導体不足による新車減産の影響を受けるも、効率的な運営に努め、前年同期を上回る営業利益を確保しました。2022年12月に電気自動車メーカーであるBYDの日本法人BYD Auto Japan株式会社とのディーラー契約を締結いたしました。これにより、株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスが運営する正規ディーラーは、BMW、MINI、AudiにBYDが加わり4ブランドとなりました。また、「BYD AUTO 宇都宮」および「BYD AUTO 練馬」出店のための開業準備室を開設し、e-SUV「BYD ATTO 3」の体験試乗・購入予約受付を開始いたしました。
ディーラーの運営会社と店舗数
(単位:店)
|
会社名 |
2022年3月末 |
2023年3月末 |
|
㈱アウトプラッツ |
6 |
5 |
|
㈱モトーレン栃木 |
5 |
5 |
|
㈱バックス・アドバンス |
3 |
3 |
|
㈱バックス・E-モビリティ |
- |
- |
BtoB事業においては、社用車のメンテナンスやカー用品などの法人一括払いが可能となる「オートバックス法人会員制度」への加入件数が順調に増加いたしました。また、車検・整備・タイヤ販売を行う子会社やホイールの卸売を行う子会社においても、車両のメンテナンス需要と12月の寒波や降雪により、売上は堅調に推移いたしました。さらに、他業種へ卸売の拡大を図るため、卸売専用プライベートブランド商品の開発を進めております。
オンラインアライアンス事業においては、自社のEC物流センターの新設や店舗在庫の引当などを実施し、物流改革を進めております。また、2022年11月にインターネットショッピングモール内で「オートバックス楽天市場店」をオープンし販売チャネルの拡大を図るとともに、オートバックス公式通販サイト「オートバックスドットコム」のサービスを拡充し、売上が伸長いたしました。加えて、飲酒運転の根絶を目指し、ドライバーの酒気帯び状態をチェックし、その情報をクラウド上で管理する法人向けサービス「ALCクラウド」が順調に拡大しております。
その他の事業
その他の事業における売上高は前年同期比21.2%増加の60億63百万円、セグメント損失は7億16百万円(前年同期は7億95百万円のセグメント損失)となりました。
③ 財政状態に関する分析
a.連結貸借対照表の各項目の状況
流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ34億23百万円増加し、1,113億41百万円となりました。主に商品および未収入金が増加したことなどによるものです。
有形固定資産、無形固定資産
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ14億89百万円増加し、467億57百万円となりました。主に新規出店等に備え建設仮勘定が増加したことによるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ4億41百万円増加し、93億92百万円となりました。
投資その他の資産
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ9億37百万円減少し、268億36百万円となりました。
流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ21億10百万円増加し、489億6百万円となりました。主に未払金および未払法人税等が増加したことなどによるものです。
固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ17億64百万円減少し、184億58百万円となりました。主に銀行からの借入により長期借入金が増加した一方、退職給付制度終了により退職給付に係る負債が減少したことなどによるものです。
純資産合計
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ40億71百万円増加し、1,269億63百万円となりました。主に利益剰余金の配当があった一方、親会社株主に帰属する当期純利益による増加および退職給付制度終了にともなう退職給付に係る調整累計額の取崩しなどによるものです。
セグメントごとの資産
(単位:百万円)
|
|
2022年3月末 |
2023年3月末 |
増減 |
|
国内オートバックス事業 |
107,721 |
108,846 |
1,124 |
|
海外事業 |
13,395 |
12,256 |
△1,139 |
|
ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業 |
21,924 |
22,572 |
647 |
|
その他の事業 |
29,289 |
30,497 |
1,207 |
|
全社(共通) |
17,579 |
20,156 |
2,576 |
|
総合計 |
189,910 |
194,327 |
4,416 |
資産合計/負債純資産合計
資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ44億16百万円増加し、1,943億27百万円となりました。
b.連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益118億54百万円および長期借入れによる収入等があった一方、売上債権、棚卸資産の増加、法人税等の支払、有形及び無形固定資産の取得による支出および配当金の支払等により前連結会計年度末に比べ2億47百万円減少し、245億3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は106億87百万円(前年同期は57億12百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益118億54百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入144億8百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額38億56百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は76億52百万円(前年同期は77億10百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、差入保証金の回収による収入5億72百万円等であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出71億82百万円および投資有価証券の取得による支出13億3百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は34億95百万円(前年同期は123億円の使用)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入30億円等であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額46億74百万円および長期借入金の返済による支出10億78百万円等であります。
c.設備投資の状況
当社グループでは、新規出店や既存店舗の改装ならびに輸入車ディーラー店舗のリロケーションに係る建物および構築物の取得のほか、次期店舗情報基盤の構築などの情報システム投資その他に対し総額71億82百万円の設備投資を実施いたしました。
設備投資の主な内訳
(単位:百万円)
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
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新規出店(リニューアル含む) |
179 |
446 |
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既存店改装・改修 |
470 |
1,989 |
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土地 |
2,317 |
453 |
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情報化投資 |
1,993 |
2,405 |
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その他 |
1,338 |
1,887 |
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合計 |
6,300 |
7,182 |
セグメント別設備投資額
(単位:百万円)
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
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国内オートバックス事業 |
4,957 |
4,607 |
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海外事業 |
218 |
622 |
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ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業 |
726 |
1,138 |
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その他の事業 |
186 |
224 |
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全社(共通) |
211 |
589 |
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合計 |
6,300 |
7,182 |
④ 資金調達の状況
当連結会計年度において、グループ全体として運転資金需要等に対する借り換え等による資金調達を行いました。なお当連結会計年度末の短期借入金および長期借入金の残高が19億6百万円増加した主な要因は、運転資金需要等に備え新規の借入を実行したことによるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により制限されていた社会経済活動の正常化を背景に、内需を中心として持ち直しの傾向にあり、またインバウンド需要の回復もあって全体としては緩やかな回復傾向にあります。一方で、不安定な国際情勢に起因する原材料やエネルギーコストなどの高騰、急速な円安の進行やそれに伴う物価高など、経済の先行きについては依然不透明な状況です。国内の自動車関連業界に目を向けますと、世界的な半導体不足などが徐々に解消されることで新車販売台数は回復基調にあるものの、サプライチェーンや物流の混乱など、業界としても不安定な状況がしばらく継続するものとみております。
こうした中、100年に一度の変革期を迎えている自動車産業においては、電動化や自動運転化など、技術革新が着実に進行しています。また、サステナビリティへの意識の高まりを背景に、多くの企業がカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めており、世界的にEV(電気自動車)をはじめとしたZEV(ゼロエミッション車)への対応が加速しています。
当社グループが強みとする国内のカーアフター市場では、同市場のみならず、その周辺の事業領域においても、カーシェアリングや車のサブスクリプションサービスのような新たなサービスの提供も始まっています。また、お客様の購買行動の変化によってネット販売を通じた商品購入の比率がさらに高まってくるとの見立てから、業界の枠を超えた競争がいっそう激化していくことが想定されます。さらに、少子高齢化による顧客構成の変化、顧客ニーズの多様化など、当社を取り巻く環境は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。
当社は、このような外部環境の変化に加え、変化するお客様のニーズをとらえ、素早く対応できる体制を整えておかなければ勝ち残れないという考えから、2019年より時流に合わせて継続的に5年後の方向性および戦略の見直しを実施する「5ヵ年ローリングプラン」を策定しています。
そして、「お客様の利用シーンに合わせ、お客様の求める商品やサービスを、スピード感を持って提供する」ことを目指す姿としローリングプランを実行しています。しかし、クルマの利用シーンを支えるすべての商品やサービスを、オートバックスグループだけで提供することはできません。
そこで、それぞれの領域で強みを持つ事業者と連携することにより、ともに実現していくことを考えました。その「あらゆる事業者間の垣根を越えた連携」を「6つのネットワーク」と定義し、その確立によって連携を図るというのがローリングプランの根幹をなす考えです。当社は「目指す姿」を達成するため、「5ヵ年ローリングプラン」では、6つのネットワークの確立と連携、5つの事業基盤の整備、そして7つの事業の強化を進めています。
2023年3月期は、以下の「実行性向上とスピードアップ」「持続的成長に向けた取り組みの強化」「人づくりのための取り組みの継続」の方針を掲げ、重点的に推進してまいりました。
a.実行性向上とスピードアップ
当社グループの持続的成長の実現のためには、既存事業の効率を改善しながら継続するだけではなく、成長領域への投資と新たな事業の育成も必要です。新たな価値創造に向けた挑戦を継続していくために、ROIC(投下資本利益率)を用いた管理・見える化を進めております。2023年3月期は、事業別のROAを執行役員の業績評価の項目に設定するとともに、全社のROICの見える化を実施しました。今後は、事業統括単位でROICを見える化し、事業別ROICを事業統括の業績評価の指標にするなど、人事評価指標への組み込みや社内浸透を図ってまいります。
事業ポートフォリオの見直しと絞込みによる経営資源の最適化のための取り組みとして、2023年4月より、担当執行役員制度を廃止いたしました。より迅速で的確な意思決定を実施するとともに、収益力向上に特化した体制へのシフトを進めております。また、ライフスタイル事業の一部撤退を決定し、取締役会で赤字事業の撤退審議を継続するなど、事業ポートフォリオの見直しを行っております。さらに、成長の見込みのある分野を事業化するなどの取り組みも進めております。
戦略事業への取り組みとして、2022年12月に、BYD Auto Japan株式会社とディーラー契約を締結いたしました。ZEVの普及推進を通じ、脱炭素社会の実現に貢献するとともに、ZEVのメジャーディーラーとして、新たなマーケット領域の創造に挑戦したいと考えております。
b.持続的成長に向けた取り組みの強化
お客様の価値観や購買行動が大きく変化を遂げる中で、小売業やITなど、業界の枠を超えた競争がいっそう激化していくことが想定されます。そのような環境下で、当社は、ネットとリアルの融合による「小売業としての進化」を図っております。2023年3月期には、店舗の在庫引当により、お客様がECで購入した商品が店舗にあれば、店舗ですぐに受取が可能となる仕組みを導入いたしました。また、物流課題への対応も進めており、2023年7月には、ラストワンマイル対策として、ECで購入した商品が店舗にあれば、店舗からすぐに配送する仕組みを試験実施する予定です。
また、ユニークデータの利活用によるDX「小売業からの進化」を図っております。これは、デジタルエコシステムによる“CDE”の実現をコンセプトに、お客様とより深く、より長く、直接的につながることを目指す戦略です。本取り組みの根幹として、株式会社オートバックスデジタルイニシアチブを、株式取得によって子会社化し、IT 基盤構築に関わる領域の強化、デジタル人材の育成および全社のデジタルリテラシーの向上を進めております。
ユニークデータの利活用によるDXの一例として、2023年4月に、カーライフ総合サイト「MOBILA」をオープンいたしました。最新のカーニュース、ドライブなどクルマで出かけたくなる情報を提供するとともに、「MOBILA」をお客様とのコミュニケーションのツールとし、モビリティ情報のプラットフォーマーへと進化していきたいと考えております。
さらに、物流の効率化による値入改善に向けた取り組みを実施いたしました。仕入先へ交渉しフランチャイズ加盟法人の仕入価格を改善したことに加え、原価高騰による値上げに対しては本部が吸収することで値入維持などを着実に進めました。これは、値入改善により店舗収益が拡大し、新規出店・設備投資を行うことで売上利益がさらに拡大するといった善循環を生み出すことを目的としております。物流の効率化についても、一定の成果を得るところまで取り組みが進みました。引き続き、効率化とともに、さらなる物流改革を進めていきたいと考えております。
c.人づくりのための取り組みの継続
人づくりは企業の成長のために不可欠であると考えております。特に、整備士人材の採用・育成・定着化に関しては喫緊の課題と捉えており、子会社である株式会社チェングロウスと連携しながら、整備士学校の新卒者や、有資格者の獲得を進め、グループとして採用活動を継続・拡大しています。また、整備士資格取得に向け開設した分教場の活用や、短期講習会の開催、自動車検査員の教習試験対策に向けた研修会の開催、ハイブリッド技術研修などを実施し、整備士を育成する場の提供を積極的に進めております。さらに、カーエレクトロニクス関連商品の取り付け方などを経験のあるスタッフがオンラインで教育することで、多くのスタッフにOJT教育が実践できる取り組みも進めており、これらは高齢のスタッフでも、その貴重なノウハウの共有ができるとともに、長く働ける場の提供にもつながることから、本格的な導入を進めております。
加えて、リスキリングの推進による人材開発を進めています。具体的には、店舗で活躍するための専門知識を備えた人材や、IT・DX戦略を推進するための専門人材への取り組みを推進しており、当社が「小売業からの進化」を実現していく上で重要なスキル・人材であると考えています。今後も能力開発支援や、教育の継続に注力してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③財政状態に関する分析 b.連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズ加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。従いまして、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。昨今の急激な環境の変化にともない、手元流動性につきましては、成長するために必要で重要な投資は厳選し積極化する一方、それ以外の投資については抑制することで確保してまいります。
また、投資収益管理の強化により事業ポートフォリオを精査し、事業別、子会社別の投資収益状況を管理しています。積極投資を推進する一方で、投資収益の低い事業については撤退を含め検討し、資産効率向上および連結ROEの改善を目指してまいります。
株主還元に関しましては、当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つと位置づけております。「5ヵ年ローリングプラン」の計画期間である5年間累計の総還元性向を100%として、安定的かつ機動的な株主還元を基本方針としています。自己株式の取得につきましては、キャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて適切な時期に実施を検討してまいります。
なお、当連結会計年度における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、121億95百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は245億3百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
フランチャイズ契約
当社は、既存の小売店と共存共栄を図ることを基本方針としてフランチャイズ契約を締結しております。
その契約の主な事項は次のとおりであります。
(1)オートバックスフランチャイズ契約の要旨
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契約の目的 |
株式会社オートバックスセブン(本部)は、加盟店に対して本部が使用している商号及び経営ノウハウ等を提供し、本部と同一企業イメージで事業を行う権利を与える。加盟店はこれに対し、一定の対価を支払い、本部の指導と援助のもとに、継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的とする。 |
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ロイヤリティ |
毎月の売上高に、一定の料率に相当する金額を支払うものとする。 |
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仕入及び販売 |
加盟店の販売商品は主に本部から仕入れ、本部の提供したノウハウによって消費者へ販売する。 |
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契約期間 |
オートバックスフランチャイズ契約 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年毎の自動更新。 スーパーオートバックスフランチャイズ契約 契約締結日から7年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年毎の自動更新。 オートバックスセコハン市場フランチャイズ契約 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年毎の自動更新。 |
(2)オートバックスカーズフランチャイズ契約の要旨
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契約の目的 |
株式会社オートバックスセブン(本部)は、加盟店に対して本部が使用している商号及び経営ノウハウ等を提供し、本部と同一企業イメージで事業を行う権利を与える。加盟店はこれに対し、一定の対価を支払い、本部の指導と援助のもとに、継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的とする。 |
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ロイヤリティ |
取引毎の車両売却価格に、一定の料率に相当する金額を支払うものとする。 |
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仕入及び販売 |
加盟店は、本部の提供したノウハウによって、次の自動車の取引を行う。 ・一般消費者からの買取、下取り及び販売 ・他の自動車販売業者からの仕入れ及び販売、本部からの仕入れ ・自動車オークションへの出品及び落札 |
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契約期間 |
契約締結日から3年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年毎の自動更新。 |
特記事項はありません。