当連結会計年度(平成27年3月1日から平成28年2月29日まで)の連結業績は、連結売上高が1,857億38百万円(前年同期比3.2%増)、連結営業利益は16億13百万円(前年同期比54.1%減)、連結経常利益は23億45百万円(前年同期比41.3%減)、連結当期純利益は8億37百万円(前年同期比11.0%減)となりました。当期につきましては、食材価格の高止まりが継続する等、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況となっております。
当社グループは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を実現していくため、当期のグループ経営課題を「TRY&TRY&TRY」と掲げ、長期的な成長への課題を解決し、新しい価値創造の提供を果たすべく、失敗を恐れずに積極的に「TRY」してまいりました。また、海外におきましては、前期にアジア・ヨシノヤ・インターナショナルを設立し、また当期6月に中国国内における「吉野家」および「はなまる」ブランドで展開するファストフードレストラン事業などを統括し、効率的な事業投資および資金管理を可能とする統括子会社「吉野家(中国)投資有限公司」を設立いたしました。今後は、中国での拡大成長戦略の実現に向けてセンター機能を強化するとともに、中国における事業展開を強力に推進してまいります。これらにより、それぞれの地域で現地市場に最適化したスピーディーな経営判断・意思決定が可能となり、今後、グローバル展開を加速してまいります。
セグメント概況につきましては、次のとおりであります。
売上高は、956億7百万円と、対前年同期比0.3%の増収となりました。
増収の主な要因は、前年度に実施した牛丼の価格改定による既存店客数減少の影響を受けた一方で、「健康」をテーマとしたメニューとして、半日分の野菜が取れる「ベジ丼」、低カロリーの朝定食「豆腐ぶっかけ飯」と「鶏そぼろ飯」、夏場のがっつりヘルシー商品「麦とろ牛皿御膳」を販売しご好評をいただいたこと、ビルイン店舗、約360店舗にて「吉呑み」を導入し、夜の時間帯に新しい「ちょい呑み」の場をお客様に提供したこと、等によるものです。また、新たな取組みとして、4月よりスマートフォンを使った販売促進策である「お持ち帰り予約システム」や、人工知能搭載型ロイヤリティ・アプリ「Tamecco」を導入し順次拡大いたしました。そして、2月からは全国の吉野家でTポイントをご利用いただけるようになりました。今後も今まで以上に便利でご利用しやすい店舗作りに努めてまいります。セグメント利益は、「牛すき鍋膳」の販売数が前年と比較し減少したこと、主要食材の評価損計上の影響等により、30億54百万円と、対前年同期比24.8%の減益になりました。同期間の店舗数は、37店舗を出店し、30店舗を閉鎖した結果、1,188店舗となりました。
売上高は、215億10百万円と、対前年同期比10.2%の増収となりました。
増収の主な要因は、店舗数の増加と、4月からすべての天ぷらを「ヘルシー天ぷら」に切り替え、期間限定の「ヘルシー天ぷら定期券」キャンペーンが好調に推移したことや、11月からは映画「ちびまる子ちゃん」タイアップ企画として「玉子あんかけフェア」等を実施したことによります。更に、引き続き健康を軸としたメニュー開発および食物繊維麺の浸透に取組みました。出店に関しては、駅前や駅ナカなどの新立地への出店や今後の出店余地の大きな北海道や関西・九州地域への出店も進めてまいります。セグメント利益は、増収等により、11億58百万円と、対前年同期比16.4%の増益となりました。同期間の店舗数は、44店舗を出店し、13店舗を閉鎖した結果、390店舗となりました。
売上高は、243億57百万円と、対前年同期比2.4%の増収となりました。
増収の主な要因は、当期より「ステーキのどん」の既存店改装と共に順次スープバーの導入を開始したことや、「フォルクス」においては、前期に引き続きお客様に楽しんでいただける取組みとして、月に1度の「パンの日」を実施した等によります。セグメント利益は、食材原価の高騰が続いていること、しゃぶしゃぶ業態における競合店出店加速による「どん亭」の客数減の影響で収益が減少した等により2億56百万円と、対前年同期比10.5%の減益となりました。同期間の店舗数は、5店舗を出店し、3店舗を閉鎖した結果、186店舗となりました。
なお、当期第3四半期より、株式会社どんの商号変更に伴い、セグメント名称を「どん」から「アークミール」に変更しております。
売上高は、249億76百万円と、対前年同期比1.8%の増収となりました。
増収の主な要因は、好評を頂いている「中巻セール」「本まぐろ祭り」「99円セール」等を効果的に実施したことに加え、前期より注力している企業向けの売上高が堅調に増加していること等によります。また「健康」への取組みとして、美味しさそのまま、塩分30%カット(当社比)した酢飯への切替えを6月に実施しました。セグメント利益は、増収等により、2億89百万円と、対前年同期比13.7%の増益となりました。同期間の店舗数は、12店舗を出店し、26店舗を閉鎖した結果、315店舗となりました。
売上高は、175億10百万円と、対前年同期比17.1%の増収となりました。
増収の主な要因は、円安に加え、米国での新商品等のキャンペーンが好調に推移したことや、台湾の既存店売上高が堅調に推移したこと等によります。しかしながら、米国における一部店舗の改装等により、セグメント利益は、5億57百万円と、対前年同期比1.9%の減益となりました。同期間の店舗数は、68店舗を出店し、40店舗を閉鎖した結果、675店舗となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、期末残高は184億98百万円(前連結会計年度は268億58百万円)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは4億33百万円の収入(前連結会計年度は118億33百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13億69百万円、減価償却費54億33百万円、たな卸資産の増加37億12百万円、未払消費税等の減少19億67百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、123億65百万円の支出(前連結会計年度は92億1百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出(86億56百万円)、定期預金の預入による支出(48億82百万円)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、38億43百万円の収入(前連結会計年度は55億95百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入(123億円)、長期借入金の返済による支出(62億30百万円)、配当金の支払額(12億71百万円)によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
吉野家 | 11,709 | +4.6 |
はなまる | 1,277 | +1.1 |
アークミール | 2,439 | +57.0 |
京樽 | 2,814 | △0.6 |
その他 | 87 | +38.5 |
合計 | 18,328 | +8.4 |
(注) 1 海外は生産実績がないため、記載しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
吉野家 | 94,655 | +0.1 |
はなまる | 21,317 | +9.6 |
アークミール | 24,355 | +2.4 |
京樽 | 24,823 | +1.5 |
海外 | 17,510 | +17.2 |
その他 | 3,075 | +6.6 |
合計 | 185,738 | +3.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当期においては、6月に中国国内における「吉野家」および「はなまる」ブランドで展開するファストフードレストラン事業などを統括し、効率的な事業投資および資金管理を可能とする統括子会社「吉野家(中国)投資有限公司」を設立いたしました。次期におきましては、海外地区の現地化により、更なるスピーディーな意思決定を実行することで、海外での成長も拡大させていきます。
当社グループでは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を実現していくため、新3ヵ年中期経営計画を始動させ、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしていきます。
当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を中長期的な課題としております。既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した踏み込みを開始しております。今後はその踏み込みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ります。
「飲食業の再定義」を実現していくため、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。また、収益性改善に向けた構造改革の一環としてグループ管理本部を設置いたします。グループ間での人事交流の活発化及びグループ商品本部による仕入れの共通化も引き続き行ってまいります。また、海外各地域における現地経営体制の確立及び現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。
また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。
当社グループは、あるべき姿を実現していくために「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードとする飲食業の新たな方向性を模索し、新中期経営計画の3年間を通じて数多く試行・検証していきます。
「ひと」にかかわる取り組みでは、「ひと」を活かすことで生まれる価値を追求し、その価値をお客様に提供していきます。「健康」に関しては、従業員の心と体の健康を経営の柱とする「ウェルネス経営」の一環として、当期より最高健康責任者(CWO)を任命しましたが、今後は健康リテラシーの向上と浸透を図ってまいります。また、今後のメニュー開発・素材開発は、「健康的」から「健康」そのものの追求へ取り組みを深化させていきます。最後に「テクノロジー」にかかわる取り組みでは、複雑な店舗オペレーションを簡便化・効率化する設備や機器を導入し、職場環境の改善を図ることで、労働力の確保とお客様へのサービス向上につなげていきます。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。
そのような大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
当社は、株主の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるべく、グループ企業価値向上への取組みおよびコーポレートガバナンスの充実強化のための取組みを以下のとおり実施しております。これらの取組みは、上記「(2)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の実現に資するものであると考えております。
当社の企業価値向上に向けた取組みの内容は以下のとおりであります。
当社グループは、国や地域を越えた世界中の人々のために企業活動を行い、『For the People すべては人々のために』を経営理念としております。理念を具現化するための事業活動指針である6つの価値観「うまい、やすい、はやい」「客数増加」「オリジナリティ」「健全性」「人材重視」「挑戦と革新」を共有・実践していくことで、株主、お客様および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めることを基軸として経営展開を図っております。
また、当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を中長期的な課題としております。
既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した踏み込みを開始しております。今後はその踏み込みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ります。こうした「革新」を「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の成長テーマとして取組んでまいります。
今後は、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。すでにグループ間での人事交流は活発化しており、グループ商品本部による仕入れの共通化やグループ管理本部の設置も設置いたしました。この他、海外各地域における現地経営体制の確立および現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。
また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。
当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
(4) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社取締役会は、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間、ならびに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、平成26年5月22日開催の第57期定時株主総会において、当社株券等の大規模買付行為に関する対応策「以下「本プラン」といいます。)を継続することといたしました。
本プランは、以下のとおり、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
なお、本プランにおいては、対抗措置の発動等にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会規定に従い、当社社外取締役、社外監査役、または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者又はこれらに準じる者)で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)の勧告を最大限尊重するとともに、株主および投資家の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
本プランは、いわゆる「平時導入の事前警告型」で、その概要は以下のとおりであります。
① 当社発行の株式等について、保有割合が20%以上となる大規模買付行為を行うことを希望する買収者等は、当社に対して、事前に意向表明書および大規模買付等に対する株主の皆様のご判断に必要かつ十分な情報を提出していただきます。
② 当社取締役会は、買収者等から必要情報の提供が十分になされたと認めた場合、提供された情報に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から十分に評価、検討するほか、交渉、意見形成および代替案立案を行います。
③ 取締役会による評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案と並行して、独立委員会は、買収者等や取締役会から情報を受領した後、必要に応じて評価、検討を行い、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとします。
④ 独立委員会は、その判断の客観性、合理性を担保するため、取締役会から独立した機関として設置され、当社経営陣から独立した社外有識者等で構成されます。
⑤ 買収者等が、本プランに定める手続を遵守しない場合や提案内容が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、独立委員会の勧告により、取締役会が、対抗措置の発動、不発動を決定いたします。
⑥ 本プランの対抗措置として、新株予約権の無償割当を行う場合、買収者等は、当該新株予約権を行使できないという行使条件を付すものであります。その他当社が、買収者等以外の株主の皆様から当社普通株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を付す場合もあります。
本プランの有効期間は、平成26年5月22日開催の第57期定時株主総会において終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。
ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更又はこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により合理的に必要と認められる範囲で独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、または変更する場合があります。
当社は、本プランが廃止または変更された場合には、当該廃止または変更の事実および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。
(5) 前記(3)および(4)の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本プランにおいて対抗策が発動される場合としては、大規模買付者等が予め定められた大規模買付ルールを遵守しない場合のほか、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しており、対抗策の発動・不発動の決定は、あくまでも当社の企業価値・株主共同の利益の観点から決定されるものでありますので、基本方針に沿っており、株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。
また、対抗策の発動・不発動の決定にあたり、取締役会の恣意性を排除し、判断の客観性、合理性を担保するため、当社経営陣から独立した社外者で構成される独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。この点からも、株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。
当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末(平成28年2月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループ各社が使用する食材は多岐にわたるため、新たな原料産地の開拓や分散調達等へのリスクヘッジに継続的に努めてまいりますが、疾病の発生や、天候不順、自然災害の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、市場価格や為替相場の変動により仕入価格が高騰し、売上原価が上昇することにより業績に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループの連結売上高に占める吉野家セグメントの売上高の割合は51.0%と高くなっております。単一事業に対する依存から脱却すべく中核事業の育成に注力してまいりますが、引き続き依存する割合は高く、吉野家の業績の如何により、グループ全体の業績に大きな影響を与えることがあります。
外食産業全体のマーケット規模が停滞しているなかで、店舗数は依然増加傾向にある上、コンビニエンスストアによる弁当、惣菜類の販売といった他産業からの参入もあり、顧客ニーズは多様化し、主要顧客層にも変動がみられ、競争は一層熾烈化しております。当社グループでは、新業態の開発、商品設計の変更により、引き続き連結会社群の成長、海外への積極的な展開等により、売上高を向上させる取組みを推進してまいりますが、今後、更に競合が熾烈化した場合に、業績に影響をおよぼす可能性があります。
大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、店舗、工場等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、あるいはお客様、従業員に人的被害があった場合等、業績に悪影響がおよぶ可能性があります。また強毒性の新型インフルエンザによるパンデミックが発生した場合には、売上高の減少、事業規模の縮小による業績への悪影響がおよぶ可能性があります。
当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法等の一般的な法令に加え、食品衛生、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになり、業績に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、多数のパート・アルバイト社員を雇用しており、今後の人口態様の変化により、適正な労働力を確保できない可能性があるほか、各種労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費負担が増加する可能性があるため、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、安全な食品をお客様に提供するために衛生管理を徹底しておりますが、万一、食中毒等の衛生問題や表示ミス等による商品事故が発生した場合、企業イメージの失墜や損害賠償金の支払い等によって、業績に大きな影響を与えることがあります。
当社グループは平成28年2月期におきまして9億33百万円の減損損失を計上しておりますが、将来的にも地価の動向や子会社の収益状況によって、更なる減損損失が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事務所や大部分の店舗の土地建物を賃借しております。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により賃借契約を解約される可能性があります。また、賃貸人に対して平成28年2月期末時点で総額151億89百万円の保証金を差し入れておりますが、このうちの一部が倒産その他の賃貸人に生じた事由により回収できなくなるリスクがあります。
(10) 情報システムリスク
当社グループにおける情報システムは、データの消失に備え、データのバックアップを行い、データの暗号化、アクセス権限の設定、パスワード管理により、機密漏洩の防止に努めておりますが、万一、システムダウンや不正アクセス等が発生した場合には、事業の効率性の低下、社会的信用の失墜により、業績に影響を与える可能性があります。
(11) 個人情報の保護について
当社グループ各社において、お客様、従業員ならびに株主の皆様に関する個人情報につきましては、適正に管理し、個人情報の漏洩防止に努めておりますが、万一、個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を与える可能性があります。
(12) 海外展開におけるカントリーリスクについて
海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。また、類似商標による権利侵害をされることにより、当社グループのブランドイメージを低下させる場合があります。
当社は平成27年4月10日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社である株式会社アークミール(以下「アークミール」という。)との間で、アークミールの商品力とノウハウを最大限に発揮した高付加価値製品の開発により、マーケットにおける競争力、ブランド力を高め、間接業務の一元化や、店舗開発の共有、店舗に関わるハード面、店舗運営のソフト面、今後の海外展開についてシナジーを発揮し、それぞれの機能の最適化を目指すことを目的として、同日付で株式交換契約(以下「本株式交換契約」という。)を締結いたしました。
株式交換の概要は以下の通りであります。
① 株式交換の内容
当社を株式交換完全親会社、アークミールを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)となります。
② 株式交換の日(効力発生日)
平成27年9月1日
③ 株式交換の方法
株式交換日現在のアークミールの株主名簿に記録の株主に対し、当社は普通株式1,189,058株をアークミール株主に対して割当て交付いたしましたが、交付する株式には、吉野家ホールディングスが発行する新株式を充てました。
④ 株式交換比率
| 当社 | アークミール |
株式交換比率 | 1 | 0.040 |
⑤ 株式交換比率の算定根拠
本株式交換の株式交換比率の算定にあたり、公平性を確保するため、両社がそれぞれ別個に独立した第三者算定機関に依頼しました。当該第三者機関は、当社の株式価値については市場株価平均法による算定を行い、アークミールの株式価値については類似会社比較法に加えて将来の事業活動の状況を評価に反映するためのディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法による算定を行いました。
当社およびアークミールは、上記の算定結果を参考に慎重に交渉・協議を重ねた結果、上記④の交換比率が妥当であるとの判断に至りました。
⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要
商号 | 株主会社 吉野家ホールディングス |
所在地 | 東京都中央区日本橋箱崎町36番2号リバーゲート18階 |
代表者 | 代表取締役社長 河村泰貴 |
資本金 | 10,265百万円(平成27年9月1月現在) |
事業の内容 | 株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等 |
(注)平成27年9月1日付で株式会社どんは株式会社アークミールに商号変更いたしました。
当社は、平成28年4月7日付で旧本社ビルの土地及び建物を譲渡する不動産売買契約を締結いたしました。
この譲渡の内容につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 重要な後発事象」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 重要な後発事象」に記載しております。
会社名 ㈱吉野家
吉野家フランチャイズ・チェーン加盟契約書
本部の許諾による牛丼チェーン経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
加盟者の店舗開店日より5年間。
契約期間満了の際は自動的に契約が終了し、継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。
本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。
内容 | |
加盟金 | 一律150万円 |
更新料 | 一律75万円 |
預託保証金 | 一律75万円 |
ロイヤリティ | 毎月総売上の3%相当額 |
広告宣伝費 | 毎月総売上の1%相当額 |
事務管理費 | 機器一式に付38千円/月、ポスレジ1台に付6千円/月ほか |
会社名 ㈱はなまる
まんまるはなまるうどんフランチャイズチェーン加盟契約書
本部の承諾による、まんまるはなまるうどん経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
加盟契約締結の日より5年間
契約期間満了の3ヶ月前に双方協議の上決定する。継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。
本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。
内容 | |
加盟金 | 350万円(6店舗以上250万円) |
更新料 | 初回更新料 無料 2回目以降の契約更新 一律50万円 更新事務手数料 一律5万円 |
開店指導料 | 一律150万円 |
預託保証金 | 一律250万円 |
ロイヤリティ | 1店舗当たり18万円/月 |
広告宣伝費及び | 毎月総売上の0.5% |
事務管理費 | 21千円/月 |
特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年2月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
①売上高
当連結会計年度の売上高は、1,857億38百万円、前期比103.2%となりました。この売上高の増加は、主要会社の既存店売上高の増加が主な要因であります。
②営業利益、経常利益
売上原価率は、38.2%と前期の37.5%に対し0.7ポイント悪化いたしました。これは主要原材料である牛肉の価格高騰および評価損計上等の影響を受け、これらの結果、営業利益は16億13百万円、経常利益は23億45百万円となりました。
③特別利益
店舗設備売却等により固定資産売却益4百万円を計上し、同額の特別利益となりました。
④特別損失
店舗の改装や不振店の閉鎖等により減損損失9億33百万円、契約解約損46百万円を計上し、特別損失は9億80百万円となりました。
⑤当期純利益
法人税、住民税及び事業税12億98百万円、法人税等調整額△7億54百万円、少数株主損失12百万円を計上した結果、当期純利益は8億37百万円、前期比89.0%となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ26億33百万円増加し、1,112億92百万円となりました。これは主として、商品及び製品が20億67百万円、原材料及び貯蔵品が16億20百万円、建物及び構築物が26億3百万円増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ38億38百万円増加し、535億58百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が10億12百万円減少した一方で、長期借入金が29億34百万円、1年内返済予定の長期借入金が31億38百万円、短期借入金が61百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ12億5百万円減少し、577億33百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末に対し、2.0ポイント減少し、51.7%となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
企業の収益と賃金・雇用環境の改善が続く中、訪日外国人による消費が拡大するなど引き続き緩やかな景気回復基調にあるものの、生活物価の上昇等により消費者の生活防衛意識が高まりを見せていることや、海外経済の減速による影響等も見られることから、景気は足踏み状態にあるといえます。外食業界におきましては、競合他社のみならず、他業種との顧客獲得競争も激化するとともに、原材料費や人件費といった主要コストが高止まりし、経営環境はより一層厳しさを増しております。
当社グループでは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を実現していくため、新3ヵ年中期経営計画を始動させ、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしていきます。
また、海外の既存エリアである米国・アジア地区の経営の現地化を進め、更なるスピーディーな意思決定を実行することで海外での成長も拡大させていきます。
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度に比べ114億円減少し、4億33百万円の収入となっております。これは未払消費税等の増減額が42億56百万円減少、たな卸資産の増減額が44億30百万円減少、仕入債務の増減額が29億20百万円減少したことが主な要因であります。
かつての当社グループは、各事業会社がそれぞれ完成したビジネスモデルを持ち、それらを正確に実行し、日々改善させることで成長してきました。しかし、2000年代以降、そうした取り組みだけで力強い成長を維持することが困難になってきました。この状況を打開し、ステークホルダーの皆様の期待に応えていくために、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」を必要としています。
今までにない「新しいビジネスモデル」を創り出す取り組みには、3年間程度を費やすことになると思います。この3年間で既存の飲食業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を実現したいと考えております。当社グループは、従来とは一線を画した変革を一層強めていくと同時に、さらに突出した革新による飛躍を図らなくてはなりません。こうした革新を当社は「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の課題として取り組んでいきます。当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。