第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループでは、10年先を見据えた長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現を目指し、当期より「新3ヵ年中期経営計画」を始動いたしました。当期を含むファーストステージの3年間は、セカンドステージ以降における成長のシーズを生み出す3年間と位置付け、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を目指し、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしてまいります。当期は、まず既存事業の収益性改善に向け、各セグメントにおいて新商品開発、店舗オペレーション改善、新たなマーケティング手法の導入等を行っております。また、国内において、はなまるを中心とした出店による成長・規模拡大を進めております。

これらの結果、当連結会計年度(平成28年3月1日から平成29年2月28日まで)の連結業績は、連結売上高が1,886億23百万円(前年同期比1.6%増)、連結営業利益は18億65百万円(前年同期比15.6%増)、連結経常利益は27億50百万円(前年同期比17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億48百万円(前年同期比49.1%増)となりました。

 

セグメント概況につきましては、次のとおりであります。

 

[吉野家]

売上高は、972億81百万円と、対前年同期比1.8%の増収となりました。

増収の主な要因は、4月に「豚丼」を復活販売し、5月には「吉呑み」の店舗を拡大したこと、10月には初めての大型コラボレーション企画として「スーパーフライデー」キャンペーンを実施し、今までご利用機会のなかったお客様にも多くのご利用をいただいたこと、また、11月には冬の定番商品として、半日分の野菜が摂れる「牛すき鍋膳」とともに、地域限定メニューとして地域特性を活かした5種類の「ご当地鍋」を、1月には6種類の野菜が摂れるシールド乳酸菌入りの「新とん汁」を販売しご好評をいただいたことによります。引き続き、品質にこだわり、お客様にご支持いただける商品の開発に努めてまいります。販売促進施策につきましては、「築地一号店物語」として、昭和34年当時の吉野家一号店である築地店をテーマとしたテレビCMをシリーズ化して実施いたしました。長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」実現の一環として、新しいサービススタイルの検証を開始し、店舗の改装、スマートフォンによる「デジタルボトルキープサービス」の導入を進めました。前期末に全店導入したTポイントを活用したお客様の動向分析とあわせて、お客様のニーズにお応えしてまいります。また従業員の労働環境整備については、動画を利用した教育評価システムの導入、ロボット技術の導入による作業負荷の軽減など、様々な取組みを開始しております。増収および売上原価低減により、セグメント利益は38億35百万円と、対前年同期比25.6%の増益となりました。同期間の店舗数は36店舗を出店し、17店舗を閉鎖した結果、1,207店舗となりました。

 

[はなまる]

売上高は、238億80百万円と、対前年同期比11.0%の増収となりました。

増収の主な要因は、積極的な出店に伴う店舗数の増加によります。駅前や駅ナカなどへの新立地およびショッピングセンター内への出店を引き続き進めてまいります。季節商品として、6月にとろろと海鮮松前漬けを組み合わせた「海鮮松前ぶっかけ」、8月には涼感を感じていただける冷たい出汁にオクラと針生姜を入れた「はなまる冷だしうどん」を販売いたしました。10月には、昨年ご好評をいただきました「酸辣湯うどん」「鶏とトマトの酸辣湯うどん」「明太生姜玉子あんかけ」を販売いたしました。また、1月には美容・健康をサポートするアスタキサンチン入りとなる「四川風担々うどんフェア」として、濃厚豆乳クリームを使用した「濃厚豆乳担々うどん」と本格派の花椒を使用した「痺れ汁なし担々うどん」を販売いたしました。全店規模の大型販売促進として、うどんをご注文いただいたお客様に期間中毎日天ぷらが1品無料となる「天ぷら定期券」企画を実施したことにより、客数について10月以降回復基調となりました。しかしながら、既存店売上高が前年未達となったことや、出店増に伴う販管費増などから、セグメント利益は9億37百万円と、対前年同期比19.0%の減益となりました。同期間の店舗数は52店舗を出店し、10店舗を閉鎖した結果、432店舗となりました。

 

 

[アークミール]

売上高は、229億79百万円と、対前年同期比5.7%の減収となりました。

上期は、「ステーキのどん」においては、ボリュームを訴求した新商品「3代目横綱ハンバーグ」の販売を開始し、同時にハンバーグ200gのおかわり無料キャンペーンや、ステーキ食べ放題キャンペーン等を実施し、お客様からご好評いただきました。また、「どん亭」においては、季節限定商品「牛たんしゃぶしゃぶ」「うな重」を販売し、「フォルクス」においては、数量限定で約2ポンドの「プレミアムボーンステーキ」を販売し、「どん亭」と「フォルクス」においては、8月から10分100円飲み放題キャンペーンも実施いたしました。下期は、10月からは「フォルクス」では初の試みとなる「ステーキの食べ放題」をスタートし、「ステーキのどん」についても半期に1度開催から毎月開催に変更して、各店舗、各月1度の「ステーキ食べ放題イベント」を開催いたしました。また、「どん亭」においては、店舗限定マグロの解体ショー、季節限定商品「みぞれだししゃぶしゃぶ」を販売いたしました。しかしながら、全業態の客単価減少としゃぶしゃぶ業態における競争の激化による「どん亭」の客数減少の影響等で減収となり、セグメント利益は1億35百万円と、対前年同期比47.3%の減益となりました。同期間の店舗数は2店舗を閉鎖した結果、184店舗となりました。

 

[京樽]

売上高は、256億82百万円と、対前年同期比2.8%の増収となりました。

増収の主な要因は、ご好評をいただいている「中巻セール」「まぐろ頭肉フェア」「(赤皿)99円セール」等を効果的に実施したこと等によります。また、回転寿司業態では、野菜と鮮魚を合わせた商品の取組みや、産地指定した旬の食材を用いた商品を販売するなど差別化を図りました。さらに、炊飯システムについては、老朽化による生産コスト高と生産量限界等の課題を一掃するべく刷新いたしました。しかしながら、当期より出店を加速させている「海鮮三崎港」を19店出店したことによる出店費用の増加や海産物及び米の価格上昇による原価上昇等により、セグメント利益は72百万円と、対前年同期比74.9%の減益となりました。同期間の店舗数は25店舗を出店し、11店舗を閉鎖した結果、329店舗となりました。

 

[海外]

売上高は、166億6百万円と、対前年同期比5.2%の減収となりました。

米国や中国においては、既存店売上高が好調に推移しているものの、当期の円高の影響により減収となりました。しかしながら、米国において食材価格が低下したこと等から、セグメント利益は9億13百万円と、対前年同期比63.9%の増益となりました。同期間の店舗数は94店舗を出店し、36店舗を閉鎖した結果、733店舗となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、期末残高は229億41百万円(前連結会計年度は184億98百万円)となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは101億4百万円の収入(前連結会計年度は4億33百万円の収入)となりました。これは主として、減価償却費(59億15百万円)、たな卸資産の減少額(30億41百万円)によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、65億26百万円の支出(前連結会計年度は123億65百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出(76億99百万円)、有形固定資産の売却による収入(30億48百万円)によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、10億85百万円の収入(前連結会計年度は38億43百万円の収入)となりました。これは主として、長期借入れによる収入(117億20百万円)、長期借入金の返済による支出(84億68百万円)、配当金の支払額(12億95百万円)によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

10,942

△6.6

はなまる

1,325

+3.8

アークミール

2,035

△16.6

京樽

2,972

+5.6

その他

139

+60.3

合計

17,415

△5.0

 

(注)  1 海外は生産実績がないため、記載しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

該当事項はありません。

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

96,301

+1.7

はなまる

23,619

+10.8

アークミール

22,947

△5.8

京樽

25,526

+2.8

海外

16,606

△5.2

その他

3,621

+17.7

合計

188,623

+1.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当面の対処すべき課題の内容等

当社グループでは、10年先を見据えた長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現を目指し、当期より「新3ヵ年中期経営計画」を始動いたしました。当期を含むファーストステージの3年間は、セカンドステージ以降における成長のシーズを生み出す3年間と位置付け、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を目指し、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしてまいります。

① 今までにない「新しいビジネスモデル」創り

当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を中長期的な課題としております。既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した取組みを開始しております。今後はその取組みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ってまいります。

② 「飲食業の再定義」を実現するための組織づくりと取組みについて

「飲食業の再定義」を実現していくため、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。また、収益性改善に向けた構造改革の一環としてグループ管理本部を設置いたしました。グループ間での人事交流の活発化およびグループ商品本部による仕入れの共通化も引き続き行ってまいります。また、海外各地域における現地経営体制の確立および現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。

また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。

③ 「ひと・健康・テクノロジー」の実践へ

当社グループは、あるべき姿を実現していくために「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードとする飲食業の新たな方向性を模索し、新中期経営計画の3年間を通じて数多く試行・検証してまいります。

「ひと」にかかわる取組みでは、「ひと」を活かすことで生まれる価値を追求し、その価値をお客様に提供してまいります。「健康」に関しては、従業員の心と体の健康を経営の柱とする「ウェルネス経営」の一環として、当期より最高健康責任者(CWO)を設置いたしました。今後は健康リテラシーの向上と浸透を図ってまいります。また、今後のメニュー開発・素材開発は、「健康的」から「健康」そのものの追求へ取組みを深化させてまいります。最後に「テクノロジー」にかかわる取組みでは、複雑な店舗オペレーションを簡便化・効率化する設備や機器を導入し、職場環境の改善を図ることで、労働力の確保とお客様へのサービス向上につなげてまいります。

(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えております。

ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。

そのような大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

(3) 基本方針の実現に資する取組みについて

当社は、株主の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるべく、グループ企業価値向上への取組みおよびコーポレートガバナンスの充実強化のための取組みを以下のとおり実施しております。これらの取組みは、上記「(2)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の実現に資するものであると考えております。

当社の企業価値向上に向けた取組みの内容は以下のとおりであります。

 

 当社の企業価値向上に向けた取組み

当社グループは、国や地域を越えた世界中の人々のために企業活動を行い、『For the People すべては人々のために』を経営理念としております。理念を具現化するための事業活動指針である6つの価値観「うまい、やすい、はやい」「客数増加」「オリジナリティ」「健全性」「人材重視」「挑戦と革新」を共有・実践していくことで、株主、お客様および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めることを基軸として経営展開を図っております。

また、当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を中長期的な課題としております。

既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した取組みを開始しております。今後はその取組みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ります。こうした「革新」を「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の成長テーマとして取組んでまいります。

今後は、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。すでにグループ間での人事交流は活発化しており、グループ商品本部による仕入れの共通化やグループ管理本部の設置もいたしました。この他、海外各地域における現地経営体制の確立および現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。

また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。

当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。

(4) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

① 株式等の大規模買付行為等に関する対応策(買収防衛策)導入の目的

当社取締役会は、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間、ならびに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、平成29年5月25日開催の第60期定時株主総会において、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます。)を継続することといたしました。

本プランは、以下のとおり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。

なお、本プランにおいては、対抗措置の発動等にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会規程に従い、当社社外取締役、社外監査役、または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者、又はこれらに準じる者)で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)の勧告を最大限尊重するとともに、株主および投資家の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。

② 本プランの概要

本プランは、いわゆる「平時導入の事前警告型」で、その概要は以下のとおりであります。

イ 当社発行の株式等について、保有割合が20%以上となる大規模買付行為を行うことを希望する買収者等は、当社に対して、事前に意向表明書および大規模買付等に対する株主の皆様のご判断に必要かつ十分な情報を提出していただきます。

ロ 当社取締役会は、買収者等から必要情報の提供が十分になされたと認めた場合、提供された情報に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から十分に評価、検討するほか、交渉、意見形成および代替案立案を行います。

ハ 取締役会による評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案と並行して、独立委員会は、買収者等や取締役会から情報を受領した後、必要に応じて評価、検討を行い、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとします。

ニ 独立委員会は、その判断の客観性、合理性を担保するため、取締役会から独立した機関として設置され、当社経営陣から独立した社外有識者等で構成されます。

ホ 買収者等が、本プランに定める手続を遵守しない場合や提案内容が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、独立委員会の勧告により、取締役会が、対抗措置の発動、不発動を決定いたします。

ヘ 本プランの対抗措置として、新株予約権の無償割当を行う場合、買収者等は、当該新株予約権を行使できないという行使条件を付すものであります。その他当社が、買収者等以外の株主の皆様から当社普通株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を付す場合もあります。

③ 本プランの有効期間、廃止および変更

本プランの有効期間は、平成29年5月25日開催の第60期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。

ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更またはこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により合理的に必要と認められる範囲で独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、または変更する場合があります。

当社は、本プランが廃止、または変更された場合には、当該廃止、または変更の事実、および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。

(5) 前記(3)および(4)の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由

本プランにおいて対抗策が発動される場合としては、大規模買付者等が予め定められた大規模買付ルールを遵守しない場合のほか、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しており、対抗策の発動・不発動の決定は、あくまでも当社の企業価値・株主共同の利益の観点から決定されるものでありますので、基本方針に沿っており、株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。

また、対抗策の発動・不発動の決定にあたり、取締役会の恣意性を排除し、判断の客観性、合理性を担保するため、当社経営陣から独立した社外者で構成される独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。この点からも、株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末(平成29年2月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原材料の調達リスクについて

当社グループ各社が使用する食材は多岐にわたるため、新たな原料産地の開拓や分散調達等へのリスクヘッジに継続的に努めてまいりますが、疾病の発生や、天候不順、自然災害の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、市場価格や為替相場の変動により仕入価格が高騰し、売上原価が上昇することにより業績に影響をおよぼす可能性があります。

(2) 吉野家事業への依存について

当社グループの連結売上高に占める吉野家セグメントの売上高の割合は51.1%と高くなっております。単一事業に対する依存から脱却すべく中核事業の育成に注力してまいりますが、引き続き依存する割合は高く、吉野家の業績の如何により、グループ全体の業績に大きな影響を与えることがあります。

(3) 競合リスクについて

外食産業全体のマーケット規模が停滞しているなかで、店舗数は依然増加傾向にある上、コンビニエンスストアによる弁当、惣菜類の販売といった他産業からの参入もあり、顧客ニーズは多様化し、主要顧客層にも変動がみられ、競争は一層熾烈化しております。当社グループでは、新業態の開発、商品設計の変更により、引き続き連結会社群の成長、海外への積極的な展開等により、売上高を向上させる取組みを推進してまいりますが、今後、更に競合が熾烈化した場合に、業績に影響をおよぼす可能性があります。

(4) 自然災害、パンデミックに関するリスク

大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、店舗、工場等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、あるいはお客様、従業員に人的被害があった場合等、業績に悪影響がおよぶ可能性があります。また強毒性の新型インフルエンザによるパンデミックが発生した場合には、売上高の減少、事業規模の縮小による業績への悪影響がおよぶ可能性があります。

(5) 法的規制について

当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法等の一般的な法令に加え、食品衛生、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになり、業績に影響をおよぼす可能性があります。

(6) 短時間労働者(パートタイマー)等の雇用について

当社グループでは、多数のパート・アルバイト社員を雇用しており、今後の人口態様の変化により、適正な労働力を確保できない可能性があるほか、各種労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費負担が増加する可能性があるため、業績に影響を与える可能性があります。

(7) 食品の安全管理について

当社グループでは、安全な食品をお客様に提供するために衛生管理を徹底しておりますが、万一、食中毒等の衛生問題や表示ミス等による商品事故が発生した場合、企業イメージの失墜や損害賠償金の支払い等によって、業績に大きな影響を与えることがあります。

(8) 減損リスクについて

当社グループは平成29年2月期におきまして14億9百万円の減損損失を計上しておりますが、将来的にも地価の動向や子会社の収益状況によって、更なる減損損失が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(9) 店舗賃借物件への依存について

当社グループは、事務所や大部分の店舗の土地建物を賃借しております。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により賃借契約を解約される可能性があります。また、賃貸人に対して平成29年2月期末時点で総額155億99百万円の保証金を差し入れておりますが、このうちの一部が倒産その他の賃貸人に生じた事由により回収できなくなるリスクがあります。

 

 (10) 情報システムリスク

当社グループにおける情報システムは、データの消失に備え、データのバックアップを行い、データの暗号化、アクセス権限の設定、パスワード管理により、機密漏洩の防止に努めておりますが、万一、システムダウンや不正アクセス等が発生した場合には、事業の効率性の低下、社会的信用の失墜により、業績に影響を与える可能性があります。

 (11) 個人情報の保護について

当社グループ各社において、お客様、従業員ならびに株主の皆様に関する個人情報につきましては、適正に管理し、個人情報の漏洩防止に努めておりますが、万一、個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を与える可能性があります。

 (12) 海外展開におけるカントリーリスクについて

海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。また、類似商標による権利侵害をされることにより、当社グループのブランドイメージを低下させる場合があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(当社)

    連結子会社の吸収合併 

 当社は、平成28年7月27日開催の取締役会において、平成28年9月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である株式会社吉野家インターナショナルとの間で、当社を存続会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
 また、平成28年8月26日開催の取締役会において、当該吸収合併の効力発生日を平成28年12月1日に延期することを決議し、同日付で合併効力発生日変更合意書を締結いたしました。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載しております。

 

(国内子会社)

会社名 ㈱吉野家

 フランチャイジーとの加盟契約
(イ)契約の名称

吉野家フランチャイズ・チェーン加盟契約書

(ロ)契約の本旨

本部の許諾による牛丼チェーン経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。

(ハ)契約の期間

加盟者の店舗開店日より5年間。

(ニ)契約の更新

契約期間満了の際は自動的に契約が終了し、継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。

(ホ)登録商標・マークの使用、ノウハウの提供に関する事項

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

(ヘ)加盟に際し、徴収する加盟金、保証金、その他金銭に関する事項

 

内容

加盟金

一律150万円

更新料

一律75万円

預託保証金

一律75万円

ロイヤリティ

毎月総売上の3%相当額

広告宣伝費

毎月総売上の1%相当額

事務管理費

機器一式に付38千円/月、ポスレジ1台に付6千円/月ほか

 

 

 

会社名 ㈱はなまる

 フランチャイジーとの加盟契約
(イ)契約の名称

まんまるはなまるうどんフランチャイズチェーン加盟契約書

(ロ)契約の本旨

本部の承諾による、まんまるはなまるうどん経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。

(ハ)契約の期間

加盟契約締結の日より5年間

(ニ)契約の更新

契約期間満了の3ヶ月前に双方協議の上決定する。継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。

(ホ)登録商標・マークの使用、ノウハウの提供に関する事項

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

(ヘ)加盟に際し、徴収する加盟金、保証金、その他金銭に関する事項

 

内容

加盟金

350万円(6店舗以上250万円)

更新料

初回更新料 無料 2回目以降の契約更新 一律50万円  更新事務手数料 一律5万円

開店指導料

一律150万円

預託保証金

一律250万円

ロイヤリティ

1店舗当たり18万円/月

広告宣伝費及び
販売促進費

毎月総売上の0.5%

事務管理費

21千円/月

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年2月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度の売上高は、前年に対し28億85百万円増加となる1,886億23百万円(前年同期比1.6%増)となりました。売上高増加の要因は主として、吉野家、はなまる等国内の主要セグメントの売上高の増加によるものであります。

②営業利益、経常利益

当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費が上昇した一方で、売上高の増加、および売上原価の改善により、前年に対し2億51百万円増加し、18億65百万円となりました。経常利益は、前年に対し4億5百万円増加し、27億50百万円となりました。

売上原価は、主要となる原料牛肉の価格低減により、前年に対し25億20百万円減少、原価率は前年に対し1.9%低減し36.3%となりました。一方、販売費及び一般管理費においては、人件費の上昇、積極的な出店による施設設備費の上昇等により、前年に対し51億54百万円増加となる1,183億71百万円となりました。

③特別利益

旧本社物件の売却を実施したこと等により、14億87百万円の特別利益となりました。

④特別損失

不振店の閉鎖や店舗改装により、減損損失14億9百万円、熊本の震災による災害損失24百万円等を計上した結果、15億37百万円の特別損失となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

法人税、住民税及び事業税15億63百万円、法人税等調整額△1億2百万円、非支配株主に帰属する当期純損失9百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に対し、4億11百万円増加となる12億48百万円となりました。

 

(3) 財政状態に関する分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ36億55百万円増加し、1,149億47百万円となりました。これは主として、現金及び預金が41億86百万円増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ41億79百万円増加し、577億37百万円となりました。これは主として、長期借入金が35億42百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ5億24百万円減少し、572億9百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比で2.3ポイント減少し49.4%となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

国内においては、賃金・雇用環境の改善が続く中、緩やかな景気回復基調にはあるものの、生活物価の上昇等により消費者の生活防衛意識が高まりを見せていることや、訪日外国人による消費拡大の鈍化、海外経済の不確実性や海外経済の減速による影響等も見られることから、景気は足踏み状態にあるといえます。外食業界におきましては、競合他社のみならず、他業種との顧客獲得競争が激化するとともに、原材料費や人件費といった主要コストが高止まりし、経営環境はより一層厳しさを増しております。

当社グループでは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を実現していくため、新3ヵ年中期経営計画を始動させ、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしております。また、海外の既存エリアである米国・アジアおよびアセアン地区の経営の現地化を進め、更なるスピーディーな意思決定を実行することで海外での成長も拡大させてまいります。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に対し44億43百万円増加となる229億41百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益27億円の計上、減価償却費59億15百万円、たな卸資産の減少額30億41百万円等により、101億4百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出76億99百万円、有形固定資産の売却による収入30億48百万円(旧本社売却)等により、65億26百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入117億20百万円、長期借入金の返済による支出84億68百万円等により、10億85百万円の収入となりました。

また、当連結会計年度においては、自己資本比率49.4%、キャッシュ・フロー対有利子負債比率3.5年となりました。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方向について

かつての当社グループは、各事業会社がそれぞれ完成したビジネスモデルを持ち、それらを速く正確に回転させることで成長してきました。しかし、2000年以降、そうした取組みだけで力強い成長を維持することが困難になってきました。この状況を打開し、ステークホルダーの皆様の期待に応えていくために、私たちは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」を必要としています。

今までにない「新しいビジネスモデル」を創り出す取組みは、2、3年程度を費やすことになりますが、この間で既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を実現したいと考えております。今後は一層スピード感を強めていくと同時に、さらに突出した革新による飛躍を図らなくてはなりません。こうした革新を当社は、「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の課題として取組んでまいります。

当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。