第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年2月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

会社の経営の基本方針

当社グループは、国や地域を超えた世界中の人々のために企業活動を行い、すべては人々のために『For the People』を経営理念としております。理念を具現化するための事業活動指針である6つの価値観「うまい、やすい、はやい」「客数増加」「オリジナリティ」「健全性」「人材重視」「挑戦と革新」を共有・実践していくことで、株主、お客様及び従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めることを基軸として経営展開を図っております。

 

事業上及び財務上の対処すべき課題

(1) 当面の対処すべき課題の内容等

①  今までにない「新しいビジネスモデル」創り 

 当社グループは、長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現に向けて、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を課題としております。既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した踏み込みを開始しております。今後はその踏み込みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ってまいります。

②  「飲食業の再定義」を実現するための組織づくりと取組みについて

 「飲食業の再定義」を実現していくため、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。また、グループ管理本部を中心に本社機能の業務改革に取組み、同時に従業員の働き方改革も進めてまいります。グループ間での人事交流の活発化及びグループ商品本部による仕入れの共通化も引き続き行っております。また、海外各地域における現地経営体制の確立及び現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。
 また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。

③  「ひと・健康・テクノロジー」の実践へ

 当社グループでは、長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現に向けて、2016年4月に「3ヵ年中期経営計画」を策定いたしました。当期を含むこの「3ヵ年中期経営計画」は、長期ビジョンにおけるファーストステージであり、セカンドステージ以降における成長のシーズを生み出す3年間と位置付け、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を目指し、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしております。

 「ひと」に関わる取り組みでは、「ひと」を活かすことで生まれる価値を追求し、その価値をお客様に提供してまいります。「健康」に関しては、従業員の心と体の健康を経営の柱とする「ウェルネス経営」の一環として、最高健康責任者(CWO)の任命制度を導入しております。今後は健康リテラシーの向上と浸透を図ってまいります。また、今後のメニュー開発は、「健康的」から「健康」そのものの追求へ取り組みを深化させていきます。

 最後に「テクノロジー」に関わる取り組みでは、複雑な店舗オペレーションを簡便化・効率化する設備や機器を導入し、職場環境の改善を図ることで、労働力の確保とお客様へのサービス向上につなげてまいります。

(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきであると考えております。

 

ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。

そのような大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

(3) 基本方針の実現に資する特別な取組みについて

当社は、株主の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるべく、グループ企業価値向上への取組みおよびコーポレートガバナンスの充実強化のための取組みを以下のとおり実施しております。これらの取組みは、上記「(2)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の実現に資するものであると考えております。

当社の企業価値向上に向けた取組みの内容は以下のとおりであります。

 

 当社の企業価値向上に向けた取組み

当社グループは、国や地域を越えた世界中の人々のために企業活動を行い、『For the People すべては人々のために』を経営理念としております。理念を具現化するための事業活動指針である6つの価値観「うまい、やすい、はやい」「客数増加」「オリジナリティ」「健全性」「人材重視」「挑戦と革新」を共有・実践していくことで、株主、お客様および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めることを基軸として経営展開を図っております。

また、当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を中長期的な課題としております。

既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した取組みを開始しております。今後はその取組みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図ります。こうした「革新」を「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の成長テーマとして取組んでまいります。

今後は、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行ってまいります。すでにグループ間での人事交流は活発化しており、グループ商品本部による仕入れの共通化やグループ管理本部の設置もいたしました。この他、海外各地域における現地経営体制の確立および現地での意思決定を可能にすることで、今後はグローバル展開を一層加速してまいります。

また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)の推進も引き続き行ってまいります。

当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。

(4) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

① 株式等の大規模買付行為等に関する対応策(買収防衛策)導入の目的

当社取締役会は、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間、ならびに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、2017年5月25日開催の第60期定時株主総会において、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます。)を継続することといたしました。

本プランは、以下のとおり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。

 

なお、本プランにおいては、対抗措置の発動等にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会規程に従い、当社社外取締役、社外監査役、または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者、またはこれらに準じる者)で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)の勧告を最大限尊重するとともに、株主および投資家の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。

② 本プランの概要

本プランは、いわゆる「平時導入の事前警告型」で、その概要は以下のとおりであります。

イ 当社発行の株式等について、保有割合が20%以上となる大規模買付行為を行うことを希望する買収者等は、当社に対して、事前に意向表明書および大規模買付等に対する株主の皆様のご判断に必要かつ十分な情報を提出していただきます。

ロ 当社取締役会は、買収者等から必要情報の提供が十分になされたと認めた場合、提供された情報に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から十分に評価、検討するほか、交渉、意見形成および代替案立案を行います。

ハ 取締役会による評価、検討、交渉、意見形成および代替案立案と並行して、独立委員会は、買収者等や取締役会から情報を受領した後、必要に応じて評価、検討を行い、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとします。

ニ 独立委員会は、その判断の客観性、合理性を担保するため、取締役会から独立した機関として設置され、当社経営陣から独立した社外有識者等で構成されます。

ホ 買収者等が、本プランに定める手続を遵守しない場合や提案内容が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、独立委員会の勧告により、取締役会が、対抗措置の発動、不発動を決定いたします。

ヘ 本プランの対抗措置として、新株予約権の無償割当を行う場合、買収者等は、当該新株予約権を行使できないという行使条件を付すものであります。その他当社が、買収者等以外の株主の皆様から当社普通株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を付す場合もあります。

③ 本プランの有効期間、廃止および変更

本プランの有効期間は、2017年5月25日開催の第60期定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。

ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令もしくは金融商品取引所規則の変更、またはこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により合理的に必要と認められる範囲で独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、または変更する場合があります。

当社は、本プランが廃止、または変更された場合には、当該廃止、または変更の事実、および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。

(5) 前記(3)および(4)の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由

本プランにおいて対抗策が発動される場合としては、大規模買付者等が予め定められた大規模買付ルールを遵守しない場合のほか、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しており、対抗策の発動・不発動の決定は、あくまでも当社の企業価値・株主共同の利益の観点から決定されるものでありますので、基本方針に沿っており、株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。

また、対抗策の発動・不発動の決定にあたり、取締役会の恣意性を排除し、判断の客観性、合理性を担保するため、当社経営陣から独立した社外者で構成される独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。この点からも、株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末(2019年2月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原材料の調達リスクについて

当社グループ各社が使用する食材は多岐にわたるため、新たな原料産地の開拓や分散調達等へのリスクヘッジに継続的に努めてまいりますが、疾病の発生や、天候不順、自然災害の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、市場価格や為替相場の変動により仕入価格が高騰し、売上原価が上昇することにより業績に影響をおよぼす可能性があります。

(2) 吉野家事業への依存について

当社グループの連結売上高に占める吉野家セグメントの売上高の割合は50.7%となっております。単一事業に対する依存から脱却すべく中核事業の育成に注力してまいりますが、引き続き依存する割合は高く、吉野家の業績の如何により、グループ全体の業績に大きな影響を与えることがあります。

(3) 競合リスクについて

外食産業全体のマーケット規模が停滞しているなかで、店舗数は依然増加傾向にある上、コンビニエンスストアによる弁当、惣菜類の販売といった他産業からの参入もあり、顧客ニーズは多様化し、主要顧客層にも変動がみられ、競争は一層熾烈化しております。当社グループでは、新業態の開発、商品設計の変更により、引き続き連結会社群の成長、海外への積極的な展開等により、売上高を向上させる取組みを推進してまいりますが、今後、更に競合が熾烈化した場合に、業績に影響をおよぼす可能性があります。

(4) 自然災害、パンデミックに関するリスク

大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、店舗、工場等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、あるいはお客様、従業員に人的被害があった場合等、業績に悪影響がおよぶ可能性があります。また強毒性の新型インフルエンザによるパンデミックが発生した場合には、売上高の減少、事業規模の縮小による業績への悪影響がおよぶ可能性があります。

(5) 法的規制について

当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法等の一般的な法令に加え、食品衛生、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになり、業績に影響をおよぼす可能性があります。

(6) 短時間労働者(パートタイマー)等の雇用について

当社グループでは、多数のパート・アルバイト社員を雇用しており、今後の人口態様の変化により、適正な労働力を確保できない可能性があるほか、各種労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費負担が増加する可能性があるため、業績に影響を与える可能性があります。

(7) 食品の安全管理について

当社グループでは、安全な食品をお客様に提供するために衛生管理を徹底しておりますが、万一、食中毒等の衛生問題や表示ミス等による商品事故が発生した場合、企業イメージの失墜や損害賠償金の支払い等によって、業績に大きな影響を与えることがあります。

(8) 減損リスクについて

当社グループは2019年2月期におきまして51億7百万円の減損損失を計上しておりますが、将来的にも地価の動向や子会社の収益状況によって、更なる減損損失が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(9) 店舗賃借物件への依存について

当社グループは、事務所や大部分の店舗の土地建物を賃借しております。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により賃借契約を解約される可能性があります。また、賃貸人に対して2019年2月期末時点で総額157億98百万円の保証金を差し入れておりますが、このうちの一部が倒産その他の賃貸人に生じた事由により回収できなくなるリスクがあります。

 

(10) 情報システムリスク

当社グループにおける情報システムは、データの消失に備え、データのバックアップを行い、データの暗号化、アクセス権限の設定、パスワード管理により、機密漏洩の防止に努めておりますが、万一、システムダウンや不正アクセス等が発生した場合には、事業の効率性の低下、社会的信用の失墜により、業績に影響を与える可能性があります。

(11) 個人情報の保護について

当社グループ各社において、お客様、従業員ならびに株主の皆様に関する個人情報につきましては、適正に管理し、個人情報の漏洩防止に努めておりますが、万一、個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を与える可能性があります。

(12) 海外展開におけるカントリーリスクについて

海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。また、類似商標による権利侵害をされることにより、当社グループのブランドイメージを低下させる場合があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2018年3月1日から2019年2月28日まで)の連結業績は、連結売上高が2,023億85百万円(前年同期比2.0%増)、連結営業利益1億4百万円(前年同期比39億14百万円減)、連結経常利益3億49百万円(前年同期比42億55百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は60億円(前年同期は14億91百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と増収・減益となりました。

 売上高は、西日本を中心に発生した2018年7月豪雨や、9月の台風および北海道胆振東部地震等により営業時間の短縮および休業を余儀なくされた店舗が多く発生いたしましたが、主力事業である吉野家の既存店売上高が堅調に推移したことや、積極的に出店を進めている、はなまる・京樽・海外セグメントの売上高が増加したことにより増収となりました。一方で、期初より牛肉・米を中心とした原材料価格の高騰、人手不足やアルバイト・パート時給の上昇による人件費の増加等により減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、店舗の撤退等による減損損失51億7百万円を計上したこと等により減益となりました。

 当社グループでは、2025年を最終年度とした長期ビジョン「NEW BEGINNINGS 2025」の実現を目指し、当期を最終年度とするファーストステージの3年間は、セカンドステージ以降における成長のシーズを生み出す3年間と位置付け、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を目指し、これまでの飲食業になかった新しい価値創造に向け活動いたしました。最終年度となる当期につきましては、次期以降、主要セグメントである吉野家において新サービスモデルへの転換を5年かけて年間100店規模で実施していくことを決定いたしました。また、はなまる・京樽・海外セグメントにおいては出店による成長・規模拡大を引き続き進めてまいります。

 

 セグメント概況につきましては、次のとおりであります。

 

 [吉野家]

 売上高は、1,036億7百万円と、対前年同期比2.5%の増収となりました。

 増収の主な要因は、以下の通り様々な施策により既存店売上高が堅調に推移したことであります。販売促進活動として、9月にグループの垣根を越え、外食として初の試みとなるガスト・はなまる・吉野家共通「3社合同定期券」を販売し、2月には大型コラボ企画「スーパーフライデー」を実施いたしました。また、商品施策として、3月より順次「新味豚丼」、「鶏すき丼」、「麦とろ牛皿御膳」、「おろし牛カルビ丼」を、11月には冬の定番「牛すき鍋膳」等を販売いたしました。これらにより新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度向上を図った結果、既存店売上高前年比100.8%と前年を上回ることができました。また、8月から順次進めていた新型POSレジの導入以降、12月に交通系電子マネー、自社電子マネー「吉野家プリカ」などを導入いたしました。今後も様々な電子マネーを導入し、お客様の利便性を高めながら、あわせてキャンペーンを行うなど集客につなげてまいります。セグメント利益は、原材料価格の高騰や人件費の増加等により35億22百万円と、対前年同期比30.4%の減益となりました。店舗数は、33店舗を出店し、26店舗を閉鎖した結果、1,211店舗となりました。

 

 [はなまる]

 売上高は、290億6百万円と、対前年同期比7.2%の増収となりました。

 増収の主な要因は、積極的な出店に伴う店舗数の増加であります。ファーストステージにおいては、事業規模の拡大を図り「はなまるうどん」の出店拡大を進めております。また、コラボ企画として、新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度の向上を目的として、4月には「天ぷら定期券」を、9月には「3社合同定期券」を販売いたしました。加えて季節商品として、6月には「とろ玉めかぶぶっかけ」を、8月には「ガッツリ肉ぶっかけ」、「ピリ辛肉ざる」を、9月には「具沢山豚汁うどん」を、11月には「四川風麻婆あんかけうどん」を、2月には「はまぐりうどん」を販売する等、季節にあったお客様の様々なニーズにお応えいたしました。今後もお客様満足度の向上につながる販売促進および商品開発に努めてまいります。セグメント利益は、店舗数の増加等により増収となったものの、既存店売上高が前年未達であったことに加え、積極的な出店による採用および教育コストの増加や物流コストが高騰したこと等の影響により6億24百万円と、対前年同期比51.0%の減益となりました。店舗数は、48店舗を出店し、15店舗を閉鎖した結果、512店舗となりました。

 

 [アークミール]

 売上高は、202億47百万円と、対前年同期比9.9%の減収となりました。

 減収の主な要因は、ステーキ・しゃぶしゃぶ業態における競争が激化し既存店売上高が低迷したことや、店舗数が減少したことであります。減収によりセグメント損失は8億41百万円(前年同期は2億9百万円のセグメント利益)となりました。客数回復策として、各業態において季節のフェアメニューを導入したことや、9月には「ステーキのどん」において「日替わりハンバーグ」をお値段そのままで30%増量しバリューアップを図りました。11月には「肉の日」を毎月2日、9日の開催から、29日を含む週末4日間の開催へと、ご家族で来店しやすいイベントに変更いたしました。また、美味しいステーキをおなかいっぱい食べたいというお客様のニーズにお応えすべく、「ステーキのどん」においては「熟成リブロインステーキ」、「フォルクス」においては「サーロインステーキ」を、それぞれ使用する牛肉を一新した上で、増量キャンペーンを実施いたしました。引き続き魅力ある商品の開発と、キャンペーンを効果的に実施することで、お客様の支持を獲得してまいります。店舗数は、1店舗を出店し、7店舗を閉鎖した結果、171店舗となりました。

 

 [京樽]

 売上高は、273億23百万円と、対前年同期比2.4%の増収となりました。

 増収の主な要因は、首都圏に積極的に出店を行っております回転寿司店「海鮮三崎港」の増加、および既存店売上高が堅調に推移したことであります。テイクアウト事業においては江戸前鮨を強化した「京樽・すし三崎港」併設店による売上高の伸長に加え、ご好評をいただいている「中巻セール」や“ハレの日”の各セールを実施いたしました。外食事業においては「本まぐろ祭」「(店長おすすめ)99円セール」を実施したほか、江戸前寿司用のシャリの合わせ酢を“赤酢”に変更することで旨味を維持したまま20%減塩を実現する等、健康志向の高まりに対応いたしました。また、炊飯米の販売やインターネットサイトを利用した弁当販売も拡大しております。セグメント利益は、積極的な出店による採用コスト増や原材料価格の高騰等により1億62百万円と、対前年同期比48.6%の減益となりました。店舗数は、21店舗を出店し、18店舗を閉鎖した結果、333店舗となりました。

 

 [海外]

 売上高は、211億62百万円と、対前年同期比7.2%の増収となりました。

 増収の主な要因は、アメリカ、台湾の売上高が好調に推移したことや、フランチャイズも含めた積極的な出店により店舗数が増加したことによるものであります。セグメント利益は、各エリアで原材料価格が高騰したこと、人件費および出店や改装に伴う減価償却費等が増加したことにより8億6百万円と、対前年同期比35.1%の減益となりました。店舗数は、135店舗を出店し、33店舗を閉鎖した結果、923店舗となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ29億28百万円減少し、1,126億85百万円となりました。
 はなまる、海外セグメント等の積極的な出店により固定資産が増加したものの、償却および店舗の減損損失により建物及び構築物(純額)が21億82百万円減少、一方で、リース資産(純額)13億56百万円増加、関係会社株式取得による投資有価証券7億73百万円増加等により、固定資産は前連結会計年度末に比べ63百万円減少し784億25百万円となりました。また上記投資等により現金及び預金が49億42百万円減少、原材料及び貯蔵品が5億31百万円増加したこと等により流動資産は前連結会計年度末に比べ28億64百万円減少し、342億60百万円となりました。
 負債は、前連結会計年度末に比べ48億54百万円増加し、626億59百万円となりました。これは主として、長期借入金が61億47百万円増加したことと、1年以内返済予定の長期借入金が返済等により14億34百万円減少したことによるものであります。
 純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失60億円、剰余金の配当12億91百万円により利益剰余金が72億92百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ77億82百万円減少し、500億25百万円となりました。
 自己資本比率は、前連結会計年度末比で5.7ポイント減少し43.9%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、前連結会計年度末より39億12百万円減少して、156億60百万円となりました。 
 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失48億53百万円に減価償却費67億円および減損損失51億7百万円等を加えた収入に対して、たな卸資産の増加6億30百万円及び法人税等の支払額24億89百万円等の支出により、28億30百万円の収入(前年同期は93億74百万円の収入)となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得73億71百万円および無形固定資産の取得8億30百万円等の支出により、90億34百万円(前年同期は83億79百万円の支出)となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金111億96百万円等の収入に対して、長期借入金の返済64億85百万円および配当金の支払額12億90百万円等の支出により、24億61百万円の収入(前年同期は42億円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

10,604

+2.0

はなまる

1,533

+6.2

アークミール

1,726

+2.3

京樽

2,994

△0.2

その他

158

△1.1

合計

17,016

+2.0

 

(注)  1 海外は生産実績がないため、記載しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

102,635

+2.6

はなまる

28,762

+7.3

アークミール

20,172

△10.0

京樽

27,169

+2.4

海外

21,162

+7.2

その他

2,482

△15.5

合計

202,385

+2.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、前年に対し38億82百万円増加となる2,023億85百万円(前年同期比2.0%増)となりました。連結売上高増加の要因は、主として、吉野家セグメントにおける様々なキャンペーン販促や新商品投入が奏功したこと、海外、はなまるセグメントで店舗数増加により売上高が増加したこと等であります。

b.営業利益、経常利益

当連結会計年度の営業利益は、売上高が増加したものの、売上原価、販売費及び一般管理費の増加により、前年に対し39億14百万円減少し、1億4百万円となりました。経常利益は、前年に対し42億55百万円減少し、3億49百万円となりました。

売上原価は、前年に対し32億14百万円増加し、主要となる原料牛肉や原料米の価格高騰により、原価率は前年に対し0.9%上昇し36.0%となりました。一方、販売費及び一般管理費においては、人件費の上昇、積極的な出店による施設設備費の上昇等により、前年に対し45億82百万円増加となる1,294億76百万円となりました。

c.特別利益

特別利益は、前年に対し15百万円減少し、固定資産売却益7百万円となりました。

d.特別損失

不振店の閉鎖や店舗改装により、減損損失51億7百万円を計上した結果、前年に対し、36億2百万円増加となる52億10百万円の特別損失となりました。

e.親会社株主に帰属する当期純損失

法人税、住民税及び事業税10億19百万円、法人税等調整額1億81百万円、非支配株主に帰属する当期純損失53百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、60億円となりました(前年は親会社株主に帰属する当期純利益14億91百万円)。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

国内においては、緩やかな景気回復基調が持続することが期待されるものの、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げによる消費マインドへの影響もあり、個人消費は引き続き不透明な状況にあります。

外食業界におきましては、原材料価格や物流コストの高騰に加え人手不足による人件費の増加など、引き続き厳しい経営環境が続くものと思われます。
 当社グループでは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を実現していくため、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしております。ファーストステージではグループ各社様々な実験に着手いたしました。実験の中から成果が生まれつつある労働環境の改善や店舗生産性向上に資する取り組みの実装を進めてまいります。また、海外の既存エリアである米国・アジアおよびアセアン地区の経営の現地化を進めております。各エリアにあった店舗モデルの開発や、現地の食文化、ニーズを捉えたメニュー開発など、スピーディーな意思決定を実行することで海外での成長も拡大させていきます。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループにおける主な資金需要は、将来の事業展開や経営基盤強化のための新規出店や既存店舗の改装及び生産設備の増強等によるものであります。これらの設備投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金やリース取引により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達であります。

手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。

当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は109.6%(前連結会計年度110.2%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は14.0年となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。

 

2015年2月期

2016年2月期

2017年2月期

2018年2月期

2019年2月期

流動比率

125.3%

117.2%

118.7%

110.2%

109.6%

自己資本比率

53.7%

51.7%

49.4%

49.5%

43.9%

時価ベースの自己資本比率

75.5%

81.6%

92.4%

107.7%

103.6%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

2.0年

72.3年

3.5年

3.5年

14.0年

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

40.7倍

1.4倍

39.8倍

51.3倍

15.6倍

 

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

2019年2月期を最終年度とする3ヵ年中期経営計画の目標は、計画策定時に見込んでいた以上の食材価格の上昇に加え、人手不足など等により「国内外店舗数合計3,500店舗」「連結売上高2,100億円」「連結営業利益60億円」「ROE4.7%」すべて未達となりました。これらの目標達成は先送りするものの、2020年2月期は「連結売上高2,080億円」「連結営業利益10億円」「親会社株主に帰属する当期純利益1億円」を必達目標に掲げ、業績の立て直しを図る「基盤整備」の1年といたします。

 

 

実績

計画

計画差

中期経営計画3ヵ年合計

売上高(億円)

5,894

6,050

-156

中期経営計画3ヵ年合計

営業利益(億円)

59

137

-78

2019年2月期末店舗数

3,403

3,500

-97

 

 

かつての当社グループは、各事業会社がそれぞれ完成したビジネスモデルを持ち、それらを速く正確に回転させることで成長してきました。しかし、2000年以降、そうした取り組みだけで力強い成長を維持することが困難になってきました。この状況を打開し、ステークホルダーの皆様の期待に応えていくために、私たちは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」を必要としています。

今までにない「新しいビジネスモデル」を創り出す取り組みは、あと数年費やすこととなりますが、この間に既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を実現したいと考えております。

今後は一層スピード感を強めていくと同時に、さらに突出した革新による飛躍を図らなくてはなりません。こうした革新を当社は、「飲食業の再定義」と名付け、グループ全体の課題として取り組んでいきます。

当社グループは、これらの諸施策を着実に実行することで、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(国内子会社)

会社名 ㈱吉野家

 フランチャイジーとの加盟契約
(イ)契約の名称

吉野家フランチャイズ・チェーン加盟契約書

(ロ)契約の本旨

本部の許諾による牛丼チェーン経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。

(ハ)契約の期間

加盟者の店舗開店日より5年間

(ニ)契約の更新

契約期間満了の際は自動的に契約が終了し、継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。

(ホ)登録商標・マークの使用、ノウハウの提供に関する事項

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

(ヘ)加盟に際し、徴収する加盟金、保証金、その他金銭に関する事項

 

内容

加盟金

一律150万円

更新料

一律75万円

預託保証金

一律75万円

ロイヤリティ

毎月総売上の3%相当額

広告宣伝費

毎月総売上の1%相当額

事務管理費

機器一式に付38千円/月、ポスレジ1台に付6千円/月ほか

 

 

 

会社名 ㈱はなまる

 フランチャイジーとの加盟契約
(イ)契約の名称

まんまるはなまるうどんフランチャイズチェーン加盟契約書

(ロ)契約の本旨

本部の承諾による、まんまるはなまるうどん経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。

(ハ)契約の期間

加盟契約締結の日より5年間

(ニ)契約の更新

契約期間満了の3ヶ月前に双方協議の上決定する。継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。

(ホ)登録商標・マークの使用、ノウハウの提供に関する事項

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

(ヘ)加盟に際し、徴収する加盟金、保証金、その他金銭に関する事項

 

内容

加盟金

350万円(6店舗以上250万円)

更新料

初回更新料 無料 2回目以降の契約更新 一律50万円  更新事務手数料 一律5万円

開店指導料

一律150万円

預託保証金

一律250万円

ロイヤリティ

1店舗当たり18万円/月

広告宣伝費及び
販売促進費

毎月総売上の0.5%

事務管理費

21千円/月

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。