当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、『「お客様の「毎日の生活」を、より豊かに、楽しく、健康で、快適にする、「より良い商品」を、「安心の価格(価値価格の安さ)」と「温かいサービス」でご提供し、社会に貢献する、「働き易い、高収益企業」になる!』ことを経営理念としております。
このような経営理念のもと、当社グループは生鮮食品・加工食品・生活雑貨・家電製品・DIY・ペット・レジャー用品などバラエティーに富んだ商品を販売する総合ディスカウント店と、食品スーパー、業務用食料品販売店、リユースショップ、インテリアショップ、100円均一ショップ等の運営、所有不動産等の賃貸事業及びインターネットモール等において商品を販売するEC事業等を展開しております。
これらにより消費の多様化にきめ細かく応える小売業として、堅実な経営を築くことを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、資本効率の向上と持続的な成長による「高収益企業」となることにより、企業価値の向上を図ってまいります。
目標とする経営指標としては、ROA(総資本利益率)、ROE(自己資本利益率)等の資本効率に視点を置いた経営指標を重視し、これら経営指標を改善するためには、当社の場合は特に経常利益率の改善が重要課題であると捉え、そのために必要な売上総利益率の改善や人的生産性の向上に取り組んでまいります。毎期予算の立案における新規の店舗・設備等の投資案件についてもROI(投下資本経常利益率)を個別に点検し、経営効率と財務体質の更なる改善に努めてまいります。
また、固定資産投資のみならず、商品在庫についても在庫投資の観点から効率を追求すべく、商品カテゴリー別の交差主義比率(在庫投資対粗利額比率)の改善について、重点課題として注力しております。
なお、「2025年3月期~2027年3月期 中期経営取組施策」における2027年3月期の主な目標数値は以下のとおりであります。
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取組施策 |
指標 |
目標数値 |
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収益性の拡大 |
売上高 |
1,000億円 |
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経常利益率 |
4% |
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資本効率の向上 |
ROE(自己資本利益率) |
10%以上 |
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株主還元の充実 |
配当性向 |
25%以上 |
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DOE(自己資本配当率) |
2.5%以上 |
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりと認識しております。
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社会環境 |
気候変動等による異常気象の発生と収穫物の減少 |
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大型地震等の近い将来に発生する確率が高い自然災害 |
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少子高齢化と人口減少 |
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経済環境 |
原油価格や電気料金を始めとするエネルギー資源コストの上昇 |
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インフレ(物価高)上昇率に併せた人件費コスト(賃金)の上昇 |
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新店舗建設や既存店改装などの建設設備コストの大幅上昇 |
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消費環境 |
社会保障費負担等の増加やインフレ(物価高)による生活コストの増大が招く可処分所得の減少 |
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コストプッシュ型のインフレ(物価高)による消費マインドの低下 |
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業界環境 |
競合店の出店による競争の激化 |
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商圏内におけるオーバーストア化による価格競争の激化 |
(4)中長期的な会社の経営戦略
小売業全体を取り巻く環境は、非常に先行きの不透明な要素やリスクが想定されており、当社グループは、これらの課題を精査しながら、中期経営計画目標数値を検討することとしております。
なお、2027年3月期(第75期)までの取り組むべき課題とその対策は以下のとおりであります。
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項目 |
重点施策 |
課題・対策 |
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収益性と資本効率の拡大 |
売上高の拡大
経常利益率の改善
ROE(自己資本利益率)の上昇対策 |
ノンフード部門の商品政策(品揃え)の再構築 |
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EC事業(ネットモール)とのグループシナジーでネットモールとリアル店舗の販路拡大 |
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「品切れ」撲滅とフェイスアップ・ボリューム陳列の徹底 |
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ダイソー部門の増床・出店・販売拡大 |
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マキヤプリカの推進(マキヤポイント付与制度の改定・アプリ特典の強化) |
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EDLP(エブリディロープライス)の徹底とPB(プライベートブランド)・LB(ローカルブランド)の販売強化 |
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過剰在庫・死に筋商品の発見と撲滅 |
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値引・廃棄ロス率と棚卸ロス率の削減 |
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株主還元の充実 |
配当性向・DOE(株主資本配当率)の向上 |
配当性向・DOEを基準とした段階的株主還元政策の実施 |
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株式長期保有株主への優待特典の検討 |
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サステナビリティ経営 |
人材投資・働き方改革
災害対策・環境対策 |
社員の働きがい向上、人材採用戦略・教育体制の整備 |
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寄付支援の継続と災害時の地域住民への支援体制整備 |
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売上高当たり食品廃棄率20%削減 |
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店舗売場面積当たりCO2排出量10%削減 |
来期におきましては、お客様に喜ばれる「品揃え」・「品質」・「価格」・「売り方」・「サービス」・「生産性」の磨き上げでお客様支持率地域一番店になることを目指して、以下の「磨き上げ5項目」を重点的に取り組んでまいります。
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項 目 |
取組事項 |
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① |
「EDLP(エブリディロープライス=安心安価)」の安さと仕入調達コストの改善による荒利率の改善 |
①「EDLP」でNB(ナショナルブランド)の価格とPB(プライベートブランド)・LB(ローカルブランド)・生鮮の価値価格(価格÷価値)の安さ ②原価削減の徹底実践 ③競合店売価対抗後の原価交渉のスピード対応 ④チラシ商品の厳選によるチラシの魅力向上 ⑤販売計画精度の徹底強化 ⑥特価商品の開拓の継続実施 ⑦値引き・廃棄「ロス額」の削減 ⑧加工食品・ノンフード商品の「賞味期限チェック」システムの導入稼働 ⑨業態別「営業力」強化と「好立地物件」の積極開発 |
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② |
「PB商品・重点販売商品」の販売力の強化 |
①CGC・NID販売コンクール店格別販売力日本一への挑戦 ②「重点販売商品」の異常値販売 ③定番で売れる商品の開発育成 |
|
③ |
「品切れ(欠品・品薄)」撲滅とフェイスアップ・ボリューム陳列 |
①売場「欠品・品薄総点検」の徹底実施 ②「未納が続いている商品」への商品部のスピード対応 ③品揃え「欠落」の発見・撲滅 ④「チラシ商品の品切れ」撲滅 ⑤“見た目欠品”防止の棚割設計でチャンスロスの削減 ⑥「シーズン品」“単品別”在庫量管理の徹底 ⑦商品マスターの迅速・確実な改廃による欠品撲滅 |
|
④ |
「品揃え」の徹底強化と「不要在庫」の削減 |
①「EC事業」とのシナジー強化 ②「ベンチマーク店」に徹底的に学んでスピード実践 ③「生鮮(惣菜・青果・精肉・鮮魚)」の徹底強化 ④自営「生鮮人材」の育成強化 ⑤「話題商品」「TV-CM商品」の情報と商品のスピード導入 ⑥「過剰在庫」「不要在庫」の徹底削減と回転率の向上 ⑦「店舗レイアウト・棚割管理」の計画と実店舗の一致 |
|
⑤ |
「集中作業」の徹底とIT活用による生産性の改善 |
①「集中作業計画」の完全徹底 ②売場作業効率化ルールの徹底 ③「バックルーム運用ルール」の完全徹底 ④「集中作業」と「個別作業」の作業の明確化 ⑤きめ細やかな「作業割当て」・「人時割当て」 |
また、不動産賃貸事業においては、テナント等の誘致強化による収益性の維持と店舗の集客力の向上を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「マキヤ・グループ行動規程」を定め、サステナビリティに関する諸課題の解決に向けて持続可能な社会の実現と企業価値向上を図ってまいります。
環境問題につきましては、その重要性を認識し、事業活動において資源の有効活用、資源のリユース、省力化及び効率化に積極的に取り組んでおります。また、人材に関しましては、社員の基本的人権の尊重を大前提として、人材の多様性の確保や社内環境の整備などに取り組んでおります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する活動の推進及び統括するための委員会として「サステナビリティ推進委員会」を設置し、環境保全活動、CSR活動等に係る具体的な方針とKPI、実行計画を策定しております。
同委員会において、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する取り組むべき重要課題を整備し、課題に対する対応方針や施策の立案、指標の設定について取締役会へ提言することとしております。また、施策の進捗管理などについて、必要に応じて取締役会に報告、提案することとしております。
(2)戦略
当社グループのサステナビリティに関する主な取り組み方針は以下のとおりであります。
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課 題 |
主な取り組み内容 |
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環境問題 |
再生可能エネルギーの活用 |
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省エネ設備の導入 |
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資源ごみ・プラスチック容器等のリサイクル促進 |
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リユース事業(ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ)の強化 |
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売上高当たりの食品ロス(廃棄)率の削減…2027年度までに33%削減 |
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店舗売場面積当たりのCO2排出量の削減…2027年度までに24%削減 |
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社会問題 |
災害発生時の本部を拠点とした地域住民への支援体制の整備 |
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大規模災害における地域社会への貢献 |
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社会(国内外問わず)や災害地域等への寄付・募金による貢献 |
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人的資本 |
女性が活躍できる雇用環境の整備 |
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年次有給休暇の取得促進 |
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作業改革と生産性の改善 |
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社員の働きがい向上のための体制構築 |
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社員教育(従業員教育・管理者教育・経営層教育)制度の確立、マニュアルや教材の整備 |
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新人事制度(雇用区分・賃金制度・教育制度・評価制度)計画の推進 |
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健康経営優良法人認定の取得 |
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ガバナンス |
持続的な企業価値向上のための体制整備 |
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災害に備えた本部機能・物流機能の冗長化 |
(3)リスク管理
当社グループは、「サステナビリティ推進委員会」において、気候変動、自然災害による環境リスクや人権問題にかかる社会リスク等のサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、これらに関する情報やデータを収集分析し、社内共有することにより発生リスク及び機会に対する経営的影響度を把握するとともに重要性を評価することとしております。それらの評価に基づくリスク対応方針や施策については、取締役会に提言することとしております。
(4)指標及び目標
当社グループは、「
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指標 |
目標 |
前連結会計年度実績 |
当連結会計年度実績 |
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17% |
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11年 |
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なお、上記以外の当連結会計年度の主な取り組み実績は、次のとおりであります。
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課題 |
主な取り組み内容 |
当連結会計年度実績 |
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環境問題 |
再生可能エネルギーの活用 |
太陽光パネルの設置(新規3店舗、全11店舗)による電力使用量の削減⇒既存店前年比約7%削減。 |
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省エネ設備の導入 |
店舗の冷凍冷蔵設備や空調設備の消費電力を最適化する集中管理システムの導入。 |
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資源ごみ・プラスチック容器等のリサイクル促進 |
リサイクル業者との業務委託契約の締結 |
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リユース事業の強化 |
リユース事業(ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ)の拡大(前年比19.8%増) |
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食品ロス(廃棄)の削減 |
日本生命保険相互会社とのサステナビリティ・リンク・ローン契約のサステナビリティ・パフォーマンスターゲットである食品廃棄率・CO2排出量の削減目標達成に向けた取組。 |
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CO2排出量の削減 |
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社会問題 |
社会(国内外問わず)や災害地域等への寄付・募金による貢献 |
災害発生時の本部を拠点とした地域住民への支援体制整備の検討。 |
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岩手県大船渡市林野火災等の地域災害への寄付。 |
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人的資本 |
新人事制度(賃金制度) |
新卒社員の初任給大幅UP、労働組合要求の満額にて労使合意。 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであり、主に当社グループの小売事業に係るものであります。
これらの認識している主要なリスクは、他社における発生リスク事例に基づき、必要に応じて取締役会議及び経営会議において検証を行うこととしており、このようなリスクが発生した場合は、リスクを最小化するために対策本部を設置して対応してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)規制・制度変更リスク
①出店に関する規制等のリスク
当社グループは家庭用品及び食料品等を中心とした総合ディスカウント店と食品スーパー等を多店舗展開しており、売場面積が1,000㎡を超える新規出店及び既存店舗の増床については、2000年6月1日より施行されております「大規模小売店舗立地法」(以下「立地法」という)の規制を受けております。
この立地法の規制等により新規出店には多くの時間と費用が必要になってきておりますが、計画どおりに出店ができない場合、当社グループの経営成績に影響が出る可能性があります。
(2)災害リスク
①地震等によるリスク
当社グループは静岡県を中心とした東海地方に、多くの店舗を展開しております。従来から予想されております東海地方を震源とする大規模地震が起こった場合、当社グループの財政状態、経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
②耐震上の問題店舗に係るリスク
当社グループの展開する家庭用品及び食料品等を中心とした総合ディスカウント店と食品スーパー等においては、1981年以前に建設された店舗が存在し、現在の耐震基準を満たしていないものがあります。
それらの店舗については、耐震診断を受け、必要な補強工事を行ったり、補強不能な店舗については移転をするなどの施策を実施しておりますが、それらの対策が実施される前に強度の地震が発生した場合、それらの建物の中には大きな損傷もしくは倒壊に至る可能性があるものもあり、人身・商品・設備等に被害を受けるリスクがあります。また、被害が軽微であった場合もその後の営業活動が困難になる場合があります。
③自然災害による物流拠点が受けるリスク
震災を始めとした大規模な自然災害発生時はもとより、台風、大雪などによる天候の悪化等によって、道路交通網等の麻痺が起こった場合、物流拠点への商品の入荷の遅れや入荷不能が発生し、各店舗への未配送が起こるリスクがあります。
今後、物流拠点の分散化や他地域の協力業者の開拓、複数の物流コースの確保などを通じ、リスクの分散化を図ってまいりますが、災害が想定の規模を超えるような場合は、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
④インフルエンザ等の感染症によるリスク
インフルエンザ等の感染症の流行により、関連商品、関連物資の需要が急激に高まり、関連商品のお客様への充分な販売提供、従業員への配付ができない場合があります。また、従業員の集団感染などが発生した場合、営業活動の継続が困難になる場合があります。
当社グループといたしましては、日頃より関連商品、関連物資の備蓄を行い、インフルエンザ等の感染症の流行の兆候を的確につかみ、緊急事態対策室をタイムリーに設置するなどの活動を通じて、これらに対処する方針ですが、感染症の流行の進度が急激かつ大規模であった場合は、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、潜在するリスク及びその対処方針は、インフルエンザ等の感染症によるリスクと同等であると判断しております。
(3)情報リスク
①自然災害・事故に係るリスク
当社グループの事業活動においては、情報システムの役割は極めて重要であり、常に情報システムの安定稼働に努めておりますが、地震・台風などの自然災害、コンピュータウィルスなどの事故、火災や停電もしくは電力不足などの外部要因により、情報システムに障害を誘発する場合があります。
当社グループとしてはシステム・サーバのクラウド化や、非常用バッテリーの搭載など、障害に備えた対策を構築中ですが、障害の程度が大きくかつ長期間であった場合、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
②情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、営業情報、個人情報、会社の経営に関する情報など、事業遂行に関する多数の情報を有しております。関連法令を遵守し、情報の漏洩防止に万全を期すために、情報の管理体制や適切な取扱い方法を定めた各種社内規程を制定するとともに、社内教育、情報管理施策を継続的に実施するなど、情報管理の徹底に努めております。
しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があります。この対応に生じる費用や、企業の信頼低下が当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
(4)競争リスク
①競合出店によるリスク
当社グループは、静岡県、神奈川県、埼玉県及び山梨県を中心として総合ディスカウント店、食品スーパー等を多店舗展開しておりますが、自社店舗の周辺に競合する他社店舗が出店し、競合による売上・利益低下の影響を受ける場合があり、その影響が多大な場合、店舗の撤退を余儀なくされる可能性もあります。
当社グループとしては、常に競合店出店情報の収集に努め、競合店舗の出店が決定した時点における影響度合いを算定し、その影響を最小限に留めるための対策の立案・実施をしておりますが、競合店舗出店数、出店規模が想定以上に大きい場合、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
(5)その他のリスク
①新規出店に係るリスク
当社グループは、総合ディスカウント店、食品スーパー等を多店舗展開しておりますが、その新規出店に当たっては予測システム等を複数使用して、出店した場合の売上想定をしております。また出店後の実績数値についても予測数値との差異分析を行い、今後の予測数値の精度を高めるためのフィードバックをしております。
しかしながら、出店後にそれらの想定の範囲を超える周辺の環境変化や、競合店舗の出店等により、当初予定していた売上を確保できない可能性があります。それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
②賃貸借契約に係るリスク
当社グループは、総合ディスカウント店、食品スーパー等を多店舗展開しておりますが、その新規出店に当たっては、店舗の出店用地の土地賃貸借契約や、建物賃貸借契約を締結し、敷金及び保証金を差入れる場合があります。差入先の信用状況を常に把握し、差入れ金額については常に適正水準となるよう吟味しており、また適正水準以上の差入先については、その一部返還の交渉をするようにしております。
しかしながら、それらの敷金及び保証金の差入先である家主が自己破産等に陥った場合、差入れている敷金及び保証金が返還されず損失が生じる可能性があります。それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
③フランチャイズ契約に係るリスク
当社は、株式会社ハードオフコーポレーション、株式会社神戸物産等、株式会社大創産業と締結したフランチャイズ契約に基づいて、「ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ」、「業務スーパー」、「ダイソー」等の店舗を展開しております。これらのフランチャイズ契約については、契約の解除条項を規定しており、当該要因が発生した場合、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
また、フランチャイジーはその運営方針をフランチャイザーの経営方針に委ねており、フランチャイザーが展開する商品政策や経営状況等により、来店客数の減少や客単価の低下等を招き、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
なお、本書提出日現在において、当社が締結しているフランチャイズ契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりません。
④減損損失のリスク
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、店舗の収益状況及び不動産の価額動向等によっては、減損損失を計上することが必要となります。大型店として展開するエスポット業態は、他業態と比べて固定資産の投資額が大きくなる傾向があるため、多額の減損損失を計上する可能性があり、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
⑤のれんの減損に係るリスク
当社グループは、2024年2月26日に株式会社ユージュアル及び株式会社PEAKS&TREESの全ての株式を取得しており、のれんを無形固定資産に計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により当初期待した成果が得られない場合、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。
⑥惣菜工場及び精肉プロセスセンターに係るリスク
当社グループの株式会社MK・サービスは、惣菜工場にて弁当・惣菜・菓子等を製造するとともに、精肉プロセスセンターにて精肉の加工・パッケージ等を行っております。主に当社グループで展開する食品スーパー全店及び総合ディスカウント店等にその製品等を供給しております。当設備は、最新の衛生管理設備を持ち、常に安心・安全・美味しい惣菜等の製造を目指し日々取り組んでおります。
しかしながら、予期せぬ事態により、当設備に事故が発生したり、原材料の調達ができなかった場合、各店舗へ惣菜等の供給ができなくなる可能性があります。また、各店舗の惣菜等をこの設備で集中して製造しているために、設備内で生じた製造上の問題、たとえば異物の混入や、衛生レベルの低下等があった場合、全店への製品の供給がストップしてしまう可能性もあります。さらに、これらの商品の回収・廃棄コストの発生とともに、当社グループの信用力は悪化し、営業活動に支障をきたす恐れがあります。
当社グループでは、このような事故が発生しないよう常に品質管理に万全を期するよう対策を講じておりますが、仮にこのような事故が発生し、それが大規模あるいは長期間に及ぶ場合、それにより当社グループの経営成績に影響を与えるリスクがあります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかに回復しているものの、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響等が、景気を下押しするリスクがあり、先行きの不透明な状況となっております。
当小売業界におきましては、地方で深刻化する「少子高齢化と人口減少」、社会保障費負担等の増加やインフレ物価高による「可処分所得の減少」、競合店の出店やeコマースの拡大等による「価格競争の激化」、原料供給側に起因するコストプッシュ型のインフレによる「消費者マインドの低下」等、依然として厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況の中、当社は経営理念である『お客様の「毎日の生活」を、より豊かに、楽しく、健康で、快適にする、「より良い商品」を、「安心の価格(価値価格の安さ)」と「温かいサービス」でご提供し、社会に貢献する、「働き易い、高収益企業」になる!』の実現を目指して、お客様に喜ばれる「品揃え」「品質」「価格」の磨き上げに取り組んでまいりました。また、2025年3月期~2027年3月期中期経営取組施策である「収益性の拡大(売上高の拡大、経常利益率の改善)」、「資本効率の向上(ROE(自己資本利益率)の改善)」、「株主還元の充実(配当性向・DOE(自己資本配当率)の向上)」の達成に向け、各課題と対策に取り組んでおります。
「収益性の拡大」
お客様の声を反映した『品揃え』の改善、お客様の毎日の生活を支援できる『低価格(エブリディロープライス)』の実現と、EC事業(ネットモール)とのグループシナジーでネットモールとリアル店舗の販路拡大等に全社で取り組んでまいりました。売場では「品切れ」の撲滅と「値引き・廃棄ロス」の削減に引き続き取り組んでおり、商品鮮度管理の徹底により「値引き・廃棄ロス率」は前期比で約9%改善いたしました。
プリペイド機能付きポイント会員制度「マキヤプリカ」におきましては、利便性向上とプリペイド利用率の向上を図り、アプリによる各種販促施策のデジタル化・実績のデータ化やお客様との接点の拡大により、DX・CXを推進してまいりました。
「人材投資・働き方改革」
前連結会計年度の初任給の大幅アップや正社員で6.9%、パート社員で6.8%の賃上げに引き続き、継続的な「賃金」の改善が図れるように「生産性の改善」に全社で取り組んでまいりました。
「CSR活動」
環境問題への取り組みとしましては、「太陽光パネル」を当連結会計年度に3店舗設置し、これにより太陽光パネルの設置店舗数は全11店舗となりました。当社グループは引き続き再生可能エネルギーの活用等によりSDGsへの貢献に注力してまいります。
また、社会貢献活動の一環としましては、岩手県大船渡市林野火災に被災された方々の救援及び被災地域の復旧に役立てていただくため、大船渡市へ災害義援金として500万円を寄付いたしました。
なお、当連結会計年度の店舗政策につきましては、以下のとおりであります。
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区 分 |
店 舗 名 |
年 月 |
備 考 |
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開 店 |
ハードオフ・ホビーオフ御殿場店 (静岡県御殿場市) |
2024年4月 |
新規開店 |
|
改 装 |
エスポット新横浜店 (神奈川県横浜市港北区) |
2024年5月~ 2024年7月 |
大規模全面改装 |
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開 店 |
業務スーパー焼津小川店 (静岡県焼津市) |
2024年7月 |
新規開店 |
|
改 装 |
マミー原町店 (静岡県沼津市) |
2024年11月 |
売場最新化 |
|
改 装 |
エスポット富士松岡店 (静岡県富士市) |
2025年2月 |
売場最新化、ダイソーの導入 |
|
改 装 |
エスポット湯河原店 (神奈川県足柄下郡湯河原町) |
2025年3月 |
売場最新化、ダイソーの導入 |
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閉 店 |
ハードオフ富士店 (静岡県富士市) |
2025年3月 |
2025年4月に同市内に移転オープン |
以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業収益は89,448百万円(前期比15.7%増)、営業利益は2,266百万円(前期比1.7%増)、経常利益は2,366百万円(前期比1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,497百万円(前期比3.0%増)となりました。
また、来店客数の前期比は3.0%増、一人当たり買上げ点数の前期比は0.3%増、客単価の前期比は3.5%増となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ499百万円増加し、当連結会計年度末には4,455百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,104百万円(前期比17.9%減)となりました。これは主に、法人税等の支払額824百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益2,204百万円、減価償却費1,409百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,371百万円(前期比52.6%減)となりました、これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出1,346百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,233百万円(前期は700百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出1,770百万円、リース債務の返済による支出430百万円、短期借入金の純減少額308百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
小売業及びEC事業の仕入実績は以下のとおりであります。
なお、不動産賃貸事業は仕入実績がないため記載しておりません。
|
事業部門 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 (%) |
|
|
仕入高(千円) |
構成比(%) |
||
|
加工食品 |
23,258,830 |
34.0 |
110.6 |
|
日配食品 |
18,103,009 |
26.4 |
107.7 |
|
生鮮食品 |
11,282,856 |
16.5 |
107.2 |
|
フード計 |
52,644,696 |
76.8 |
108.9 |
|
HBC(ヘルス&ビューティーケア)商品 |
4,611,528 |
6.7 |
102.3 |
|
住関連商品 |
3,231,017 |
4.7 |
101.9 |
|
家電・レジャー商品 |
1,331,054 |
1.9 |
98.7 |
|
生活関連商品 |
1,568,846 |
2.3 |
102.4 |
|
その他 |
813,234 |
1.2 |
94.0 |
|
ノンフード計 |
11,555,681 |
16.9 |
101.1 |
|
EC事業 |
4,323,697 |
6.3 |
- |
|
EC事業計 |
4,323,697 |
6.3 |
- |
|
合計 |
68,524,074 |
100.0 |
114.6 |
(注)仕入高は、仕入実績金額に基づいて記載しております。
b.受注状況
当社グループは主として商品の仕入販売を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
小売業及びEC事業の販売実績は以下のとおりであります。
なお、不動産賃貸事業は販売実績がないため記載しておりません。
|
事業部門 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 (%) |
|
|
売上高(千円) |
構成比(%) |
||
|
加工食品 |
27,824,361 |
31.3 |
109.2 |
|
日配食品 |
22,514,143 |
25.3 |
106.9 |
|
生鮮食品 |
15,194,010 |
17.1 |
107.2 |
|
フード計 |
65,532,514 |
73.7 |
107.9 |
|
HBC(ヘルス&ビューティーケア)商品 |
5,628,988 |
6.4 |
101.5 |
|
住関連商品 |
4,369,446 |
4.9 |
99.6 |
|
家電・レジャー商品 |
1,899,993 |
2.1 |
96.4 |
|
生活関連商品 |
2,496,904 |
2.8 |
100.0 |
|
その他 |
1,789,586 |
2.0 |
112.0 |
|
ノンフード計 |
16,184,919 |
18.3 |
101.1 |
|
EC事業 |
7,103,133 |
8.0 |
- |
|
EC事業計 |
7,103,133 |
8.0 |
- |
|
合計 |
88,820,567 |
100.0 |
115.8 |
(注)当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、EC事業セグメントにおいて、㈱ユージュアルの実績が連結されたこと等によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(小売業)
営業収益は81,935百万円(前期比6.5%増)となりました。「フード(食品)」部門につきましては、「エスポット(フード)」、「ポテト・マミー」、「業務スーパー」の全ての業態で引き続き好調に推移し、生鮮食品、日配食品、加工食品はいずれも前年同期を上回り、前期比7.9%増となりました。「ノンフード(非食品)」部門につきましても、HBC(ヘルス&ビューティーケア)商品及びリユース事業が順調に推移し、前期比1.1%増となりました。
営業利益は2,707百万円(前期比10.0%増)となりました。これは、エスポット新横浜店の大規模改装による一時的な改装経費の発生と大改装期間中の休業期間の利益逸失があったことと、給与のベースアップ等による人件費コストの増加や電気料単価の上昇による水道光熱費の増加があったものの、お客様の来店客数の増加と買上げ単価の上昇による売上高の増収に伴う売上総利益額の増加が上回ったこと等によるものであります。
(不動産賃貸事業)
営業収益は409百万円(前期比1.5%減)、営業利益は149百万円(前期比1.5%減)となりました。
(EC事業)
当連結会計年度の新規EC事業の営業収益は7,103百万円となり、売上高の拡大に伴う人材投資と「のれん」の償却により、営業損失は122百万円となりました。
なお、当該事業の営業収益の前期比は、約9%増であります。
なお、当社グループが目標とする経営指標の実績推移は以下のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は前期比15.8%増となりました。これは、EC事業の売上連結寄与により増収と、『フード(食品)部門』の販売が好調に推移したこと、米等の販売価格の高騰による客単価の上昇、新規開店店舗の売上の上乗せ等によるものであります。経常利益率は2.66%となり、前年に対して0.46%減少いたしました。これは、主にEC事業の連結による販売費等の増加と、賃上げ等の給与ベースアップによる人件費の増加、電気料等の単価上昇による水道光熱費の増加、エスポット新横浜店の大規模改装による一時的な改装経費の発生等の販売費及び一般管理費の増加によるものであります。
ROEは、7.45%となり、前年に対して0.37%減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益が前年比で3.0%増加しているのに対し、自己資本は前年比7.4%の増加となったことによるものであります。
|
決算年月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
2025年3月 |
|
ROA(総資本利益率) |
4.42% |
4.11% |
3.62% |
4.06% |
3.84% |
|
ROA増減 |
+3.23% |
△0.31% |
△0.49% |
+0.45% |
△0.22% |
|
ROE(自己資本利益率) |
9.50% |
8.27% |
6.88% |
7.83% |
7.45% |
|
ROE増減 |
+6.90% |
△1.23% |
△1.39% |
+0.95% |
△0.37% |
|
対売上高経常利益率 |
3.27% |
2.65% |
2.56% |
3.12% |
2.66% |
|
経常利益率増減 |
+1.86% |
△0.63% |
△0.09% |
+0.57% |
△0.46% |
|
売上高(百万円) |
75,089 |
68,549 |
70,938 |
76,711 |
88,820 |
|
売上高増減 |
+10.0% |
- |
+3.5% |
+8.1% |
15.8% |
|
売上総利益率 |
21.52% |
22.86% |
22.80% |
22.46% |
23.74% |
|
売上総利益率増減 |
+0.36% |
- |
△0.06% |
△0.34% |
+1.28% |
b.財政状態
(資 産)
当連結会計年度末の資産合計は39,827百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,733百万円増加いたしました。
流動資産は12,905百万円となり、前連結会計年度末と比較して933百万円増加いたしました。これは、災害リスク対策として手元流動性を高める方針により現金及び預金が499百万円増加したほか、売掛金213百万円、商品が185百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は26,921百万円となり、前連結会計年度末と比較して800百万円増加いたしました。これは、新規出店及び改装により有形固定資産が913百万円増加したこと等によるものであります。
(負 債)
当連結会計年度末の負債合計は19,032百万円となり、前連結会計年度末と比較して308百万円増加いたしました。
流動負債は12,743百万円となり、前連結会計年度末と比較して248百万円減少いたしました。これは、買掛金が405百万円増加したものの、短期借入金が434百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が91百万円、未払金が63百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は6,288百万円となり、前連結会計年度末と比較して557百万円増加いたしました。これは、長期借入金が143百万円減少したものの、会計上の見積りの変更等により資産除去債務が669百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は20,795百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,425百万円増加いたしました。これは、利益剰余金が1,272百万円増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)財務政策
当社グループは、設備投資計画に基づき、中長期的な設備資金を自己資金又は金融機関からの長期借入金により調達し、短期的な運転資金を自己資金又は金融機関からの短期借入金により調達することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,269百万円、有利子負債比率は30.2%、現金及び現金同等物の残高は4,455百万円であります。
2)資本の配分
当社グループの資本の配分は、新規出店投資、災害リスク対策、地域社会等への貢献、環境対策投資等の将来の事業展望に備え、内部留保による企業体質を強化し、企業価値と株主価値の向上を図ることを、経営の最重要課題として位置づけており、株主の皆様には安定した配当を維持することを基本方針とし、経常利益率の改善など効率的な企業経営を通じ資本収益性を高めることによりPBRの改善に取り組みながら利益配分を行っていく方針であります。
内部留保資金につきましては、災害リスク対策として手許流動性を高める方針のもと、手許資金として適正な残高を確保するために、売上総利益額の1カ月分以上の残高水準を保有することを基本とし、事業成長のための設備投資資金につきましては、営業キャッシュ・フロー計画額を上限とする設備投資計画額に配分することとしております。
株主還元方針としましては、配当性向及びDOE(自己資本配当率)の向上を図るとともに、株式長期保有株主への優待特典も検討してまいります。
当連結会計年度の株主配当につきましては、中間配当12円50銭、期末配当12円50銭、併せて年間配当25円といたしました。次期の配当金につきましては、中間配当15円、期末配当15円、併せて年間配当30円とし、5円の増配を予定いたします。
3)契約債務
2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(千円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
500,000 |
500,000 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
4,493,200 |
1,485,811 |
2,476,862 |
530,526 |
- |
|
リース債務 |
1,276,707 |
393,134 |
584,295 |
280,462 |
18,814 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成、進捗状況
「2025年3月期~2027年3月期 中期経営取組施策」における目標数値の主な進捗状況等は以下のとおりであります。
|
指 標 |
2027年4月期 (目標数値) |
2025年3月期 (実績) |
|
売上高 |
100,000百万円 |
88,820百万円 |
|
経常利益率 |
4% |
2.7% |
|
ROE(自己資本利益率) |
10%以上 |
7.5% |
|
配当性向 |
25%以上 |
16.7% |
|
DOE(自己資本配当率) |
2.5%以上 |
1.2% |
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、当該見積りを行った時点における入手可能な情報と合理的な基準に基づいて判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
株式会社ハードオフコーポレーション(新潟県新発田市新栄町3丁目1番13号)とHARD OFF・チェーン店の営業に関して、フランチャイズ契約を締結しております。
契約期間 2000年4月11日~2005年4月10日
ただし、契約期間満了日3ヵ月前までに、双方より何等の意思表示もない場合は、契約は更に2年間自動的に更新されるものとし、以後も同様としております。
契約内容 株式会社ハードオフコーポレーションは当社に対し株式会社ハードオフコーポレーションが使用している商号、商標、サービスマーク等と経営のノウハウを用いて営業を行うことを認め、株式会社ハードオフコーポレーションが開発し所有するHARD OFFシステムを用い、株式会社ハードオフコーポレーションからの援助をもとに継続して営業を行い、相互の繁栄を図ることを目的としております。なお、当社は株式会社ハードオフコーポレーションに対し、毎月の売上高に応じて定められた率のロイヤリティを支払っております。
株式会社神戸物産(兵庫県加古川市加古川町平野125番1)と業務スーパー店の営業に関してエリアライセンス契約を締結しております。
契約期間 2003年1月26日~2008年1月25日
ただし、契約更新の条件を満たす場合で、契約期間満了の3ヵ月前までに、いずれか一方からその相手方に対して本契約を終了する旨の文章による通知がない限り自動的に1年間更新されるものとしております。
契約内容 株式会社神戸物産は当社に対し株式会社神戸物産が、その費用と経験等によって開発した「業務スーパー」の経営に関する経営ノウハウを用いて営業を行うことを認め、株式会社神戸物産の指導援助のもとに継続して営業を行い、相互の繁栄を図るとともに、業務スーパーを通じて地域社会への貢献を果たすことを目的としております。
株式会社大創産業(広島県東広島市西条吉行東1丁目4番地14号)とザ・ダイソーチェーン店の営業に関して販売代理店契約を締結しております。
契約期間 2017年5月27日~2022年5月26日
ただし、合意により期限の延長又は契約更新がされるものとしております。
契約内容 株式会社大創産業は当社に対し株式会社大創産業の企画した商品による販売代理店の運営ノウハウ及び各種機密情報の提供とザ・ダイソーの商標、サービスマーク等の営業シンボルの使用を許可し、ザ・ダイソーの名称のもとに、販売代理店経営をすることを承諾して相互の繁栄を図ることを目的としております。
該当事項はありません。