当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
(会社の経営の基本方針)
当社グループは、テーオーグループに関わる「全ての人」を「物心ともに豊か」にして、「社会に貢献」することを経営理念に掲げ、全従業員の幸せ、ステークホルダーの幸せ、地域貢献・社会貢献を達成するため、具体的な基本方針として全体最適を指向した「グループ一体経営」、公明正大を指向した「ガラス張り経営」、全員参加・適材適所を指向した「活力ある組織」を築くことを確実に実行してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、主な事業を木材、流通、自動車関連とする複合企業であることから、各事業により収益性が異なっております。そのため安定した利益を確保する体制として、営業利益率を重要な経営指標としております。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動の活性化が一層進んだものの、原油価格の高騰や円安の進行による物価上昇により、コア事業である流通事業及び自動車関連事業において消費者の購買意欲の低下、木材事業においては住宅着工件数の減少等が懸念されるなど、依然として厳しい経営環境が続いております。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2023年6月から2026年5月までの中期経営計画「TO PLAN 2026」を策定しており、コア事業を中心とした既存事業を安定させることで、業績の回復および財務体質の改善を図り、企業価値の向上に繋げるべく、以下の取り組みを進めてまいります。
① コア事業の確立・財務基盤の改善
流通事業(ホームセンター部門)、自動車事業、木材事業をコア事業と位置づけ、グループで安定的な利益を確保する体制を構築いたします。同時に有利子負債の圧縮及び純資産の回復をすすめ、財務内容の良化を図っていきます。
② テーオー経営スタイルの創造
事業会社の営業徹底特化、管理部門の徹底効率化、内部統制の高次元経営に向けた取り組みを進めてまいります。
③ サスティナブル経営の実現
「これまでも、これからも、地域社会とともに歩む姿勢は変わらず、ステークホルダーとの信頼関係を築き深めながら持続可能な社会の実現に貢献」する活動を進めてまいります。
環 境(E):地球環境への配慮
社 会(S):活力ある組織の実現
ガバナンス(G):グループガバナンスの強化
④ 長期的な企業課題への挑戦
人材確保などの企業課題に対する解決策をグループ内で共有し、グループ一体での解決を図っていきます。また、グループの成長に向け、新規事業に関する情報収集を継続していきます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、以下の基本方針のもと、サステナビリティにおける環境・社会等の課題解決に取り組むことで企業価値の向上に努めてまいります。
<サステナビリティ基本方針>
当社グループは、テーオーグループに関わる「全ての人」を「物心ともに豊か」にし、「社会に貢献」することを経営理念に掲げ、地域とともに持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(1) ガバナンス
当社はサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンス体制と区別はしておらず、取締役会を重要課題並びに重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置付けております。
詳細は、
(2) 戦略
①サステナビリティ全般
サステナビリティ基本方針に基づき、サステナブル経営の実現に向けESG「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の観点から重要課題を特定し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指していきます。また、重要な社会課題に関わる機会を的確にとらえ、新たなビジネスチャンスに繋げる施策を検討していきます。
②多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針
人的資本を事業活動における価値創造の源泉と位置づけ、その成長のための育成と能力開発、社内環境の整備に継続的に取り組むことで経営戦略・事業戦略の達成とグループの持続的成長を実現していきます。また、ダイバーシティ促進については、雇用形態、年齢、性別に拘わらない採用活動の実施に取り組んでまいります。
(3) リスク管理
当社はリスクマネジメント基本規程に基づき、リスクマネジメント委員会が将来において発生が予測されるリスク、全社の経営に影響を及ぼす可能性のあるリスクに対して、事前の評価に基づき回避、低減等の措置によりリスク発生の回避に努めております。また、サステナビリティに関するリスクについても同委員会で併せて取り組み、重要課題に関わるリスクを特定し、重要性に応じて取締役会に上程または報告のうえ、必要な指示・助言を受ける体制としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業種的リスク
当社グループは、建設において公共投資の増減、不動産賃貸において保有不動産の時価変更により、売上高に相当の影響を受ける可能性があります。また、流通及び自動車関連においては気候状況、消費動向により売上高に相当の影響を受ける可能性があります。従って、これらの要因によっては、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)債権管理リスク
当社グループは、木材で主に建築資材を全国で販売しており、取引先は、小売店、工務店、建築業者等であり取引先の経営業況については把握しておりますが、取引先に財務上の問題が生じた場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等リスク
当社グループの流通、建設、不動産賃貸は「大規模小売店舗立地法」、「建築基準法」、「都市計画法」等の様々な法的規制を受けております。これらの法的規制等により計画どおりの新規出店及び既存店舗の増床、建築等ができない場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定取引先リスク
当社グループの、自動車関連は特定取引先(日産自動車㈱等)と特約販売契約を締結しております。販売する商品の自動車は特定取引先で生産、供給されております。従って、特定取引先の経営戦略、及び災害等による生産、供給の状況により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)有利子負債依存リスク
当社グループは、流通において店舗用設備及び消費者ローン貸付資金、不動産賃貸において賃貸用設備の取得資金を、主として金融機関からの借入金により調達しているため、有利子負債への依存度が高い水準にあります。このため、金利水準が変動した場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
最近3連結会計年度における有利子負債の状況は、次のとおりであります。
|
期別
項目 |
2022年5月期 |
2023年5月期 |
2024年5月期 |
|
総資産額(千円) |
20,706,683 |
19,600,796 |
17,830,338 |
|
有利子負債合計(千円) |
13,910,546 |
13,776,210 |
11,836,929 |
|
有利子負債依存度(%) |
67.2 |
70.3 |
66.4 |
|
支払利息(千円) |
150,975 |
150,604 |
140,391 |
(6)災害等リスク
当社グループは、流通事業のホームセンター及び自動車関連では店舗による事業を行っており、自然災害・火災等により店舗の営業停止、整備工場の操業停止等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動の活性化が一層進んだことなどにより景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、原油価格の高騰や円安の進行による物価上昇、不安定な国際情勢による地政学リスクの長期化など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループでは、2023年度を初年度とする中期経営計画(2023年6月~2026年5月)を策定し、コア事業を中心とした既存事業を安定させることで、業績の回復および財務体質の改善を図り、企業価値の向上に繋げる取り組みを進めてまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ1,770百万円減少し17,830百万円となりました。主な要因としましては、受取手形、売掛金及び契約資産が183百万円増加した一方、賃貸用資産が307百万円、土地が266百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて1,903百万円減少し17,224百万円となりました。主な要因としましては、債務保証損失引当金が290百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が114百万円、短期借入金が1,778百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ133百万円増加し605百万円となっております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高が25,605百万円(前期比3.4%減)、営業利益306百万円(前期比51.3%増)、経常利益221百万円(前期比327.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益111百万円(前期は521百万円の損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(木材事業)
世界的なウッドショックにより高騰した木材価格については下落傾向が続いた後、低調に推移しております。
売上高については、住宅着工件数及び設備投資の減少により木材需要が減退しており前期を下回りました。利益面においても、売上高の減少に伴い売上総利益が縮小し、営業利益は前期を下回りました。
この結果、売上高は3,956百万円(前期比17.5%減)、営業利益は38百万円(前期比71.3%減)となりました。
(流通事業)
新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限の緩和による人流の回復が見られたものの、物価上昇による消費者マインドの低下に加え、天候不順により年間を通して厳しい状況で推移しました。売上高については、ホームセンター事業において季節商品の販売が減少し、前連結会計年度に実施した携帯電話代理店業の事業譲渡及び2023年8月にテーオーデパート本館を閉店したことにより前期を下回りました。営業利益は事業譲渡及び店舗閉店等の要因により販売管理費が減少したことにより黒字転換しており、前期を上回りました。
この結果、売上高は8,613百万円(前期比11.3%減)、営業利益は185百万円(前期は78百万円の損失)となりました。
(建設事業)
民間建築において資材価格高騰から設備投資を様子見する動きが続いておりましたが、厳しい環境の中でも営業エリアを拡大するなどして受注は順調に推移しました。売上高については、仕掛中の物件が完工となったことにより前期を上回ったものの、資材価格、人件費高騰による原価上昇に伴い利益率が低下したことで営業利益は前期を下回りました。
この結果、売上高は2,613百万円(前期比42.3%増)、営業利益は20百万円(前期比53.4%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
賃貸物件の稼働率は向上していますが、賃貸資産の売却により、売上高・利益面ともに前期を下回りました。
この結果、売上高は297百万円(前期比6.8%減)、営業利益は132百万円(前期比15.9%減)となりました。
(自動車関連事業)
新車販売において車両供給不足が徐々に解消されたことにより販売台数が増加し、新車販売単価が上昇したことに加え、メンテナンスなどのサービスも順調に推移したことにより、売上高・営業利益共に前期を上回りました。
この結果、売上高は9,790百万円(前期比3.8%増)、営業利益は153百万円(前期比7.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ668百万円減少し474百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は734百万円(前期は873百万円の獲得)で、主に有形固定資産売却益273百万円等により資金が減少したのに対し、税金等調整前当期純利益190百万円、減価償却費533百万円、棚卸資産の減少額386百万円、債務保証損失引当金の増加額290百万円により資金が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した資金は616百万円(前期は287百万円の使用)で、主に有形固定資産の売却による収入が875百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は2,019百万円(前期は189百万円の使用)で、主に長期借入による収入が1,650百万円あったものの、短期借入金の純減少額が1,949百万円及び長期借入金の返済による支出が1,552百万円あったことなどによるものであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(2)受注及び販売の実績
①受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
建設 |
3,426,612 |
166.1 |
1,877,669 |
177.0 |
|
その他 |
4,028 |
10.7 |
- |
- |
|
合計(千円) |
3,430,640 |
163.3 |
1,877,669 |
177.0 |
(注)1.受注額は、受注契約時における金額により計上しております。
2.当連結会計年度において、受注高に著しい変動がありました。これは建設事業における新規受注が増加したものであります。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
木材(千円) |
3,956,191 |
82.5 |
|
流通(千円) |
8,613,636 |
88.7 |
|
建設(千円) |
2,613,823 |
142.3 |
|
不動産賃貸(千円) |
297,132 |
93.2 |
|
自動車関連(千円) |
9,790,117 |
103.8 |
|
報告セグメント 計(千円) |
25,270,901 |
96.9 |
|
その他(千円) |
334,335 |
83.0 |
|
合計(千円) |
25,605,236 |
96.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、すべての当該割合について100分の10に満たないため、記載を省略しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ1,770百万円減少し17,830百万円となりました。主な要因としましては、受取手形、売掛金及び契約資産が183百万円増加した一方、賃貸用資産が307百万円、土地が266百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて1,903百万円減少し17,224百万円となりました。主な要因としましては、債務保証損失引当金が290百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が114百万円、短期借入金が1,778百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ133百万円増加し605百万円となっております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、商品等の購入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用、店舗新設及び維持更新を目的とした設備投資並びに借入金の返済等であります。
これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金並びに金融機関からの借り入れによる調達を基本としております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、建設事業において公共事業、流通事業及び自動車関連事業においては景気の動向、個人消費、気候の状況等により売上高及び利益に重大な影響を与える要因となります。
また、木材事業においては主に建築資材を全国の小売店、建設会社等に販売しており、それらの取引については経営状況の把握に努めておりますが、取引先に財務上の問題が生じた場合は、経営成績に重要な影響を与える要因となり、流通事業、建設事業及び不動産賃貸事業においては「大規模小売店舗立地法」、「建築基準法」、「都市計画法」等の様々な法的規制に準じて建設、増床計画を立案し事業を運営しておりますが、それらの法律、規制等が新設、改訂された場合には経営成績に重要な影響を与える要因となります。
⑥経営戦略の状況と見通し
当社グループといたしましては、上記の現状を踏まえ、営業活動を展開するとともに、より一層の経営体質の強化を図ってまいります。
なお、経営戦略の見通しについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。