第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループはこれまでの伝統・企業文化を尊重しながらも、これから新たなステージを進んでいくにあたって従来の「経営理念」を刷新し、当社を取り巻く社会やステークホルダーに対して当社の使命・信念・存在意義、ありたい姿を示すものとして「私たちは、まごころ込めた一皿で、豊かで楽しい時間(ひととき)を提供し、世界中を"元気"にします」を新たに制定し掲げております。

この理念に基づき、寿司をはじめとする食の提供を通じて、お客さまに対して居心地の良い空間を提供し、豊かで楽しい時間を過ごしていただくことで、世界の人々の心と身体の健康への貢献を目指してまいります。

また、当社グループは、2023年6月に公表いたしました「中期経営計画(2024年3月期から2026年3月期)」に 基づき計画の推進を行ってまいりましたが、すでに2年前倒しで一部数値を達成いたしました。 これからさらなる成長を 目指すため、より高い目標を掲げた中期経営計画を策定することにいたしました。当社グループならではの 価値の訴求を続け、寿司だけにとどまらず、日本食を世界に発信してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 

2028年3月期

売上高

830億円

営業利益

77億円

総店舗数

564店

自己資本利益率

21.1%

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

① グローバル事業の拡大と日本食文化の浸透

既存地域でのプレゼンス向上および新規地域への本格進出

② 国内事業の拡充と新たな価値の創造

都市部強化、リブランディング推進、事業ポートフォリオの多角化

③ 持続可能な経営基盤の強化

人的資本投資、DX投資、サステナビリティ経営推進

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境では、米を中心とした原材料価格や資源価格の高騰や為替変動、通商政策をはじめとするアメリカの政策動向といった外部環境の変化により、コスト上昇リスクが一層顕在化しております。また、地政学リスクや感染症の再拡大といった将来の不確実性も事業運営に影響を及ぼす要因となっており、柔軟かつ迅速な対応力が一層求められています。加えて、顧客ニーズの多様化やサービスの高度化に伴う顧客獲得競争、生産年齢人口の減少による人材確保・育成競争の激化など、業界全体での課題も深刻化しております。

 こうした経営環境のもと、当社は中期経営計画(2024年度~2027年度)の策定を行いました。「世界中に日本食文化を拡げ、人々をさらに元気にする」をビジョンに掲げ、「新たな成長ステージ」として国内外へ戦略的な展開を実施してまいります。ビジョンの実現に向けて挑戦を続けるとともに、変化に強い経営基盤を構築し、持続的な成長を実現してまいります。

 

① グローバル事業

 グローバル事業につきましては、国内市場の成熟化や人口動態の変化といった中長期的な事業環境の制約を踏まえ、持続的成長の実現に向けた重要な中核戦略領域として位置づけております。2024年度からの中期経営計画においては、ハワイでの新業態開発及びアジア諸国でのフランチャイズ網の強化を重点施策とし、現地特性に即した柔軟かつ機動的な事業運営体制の整備を進めてまいります。ハワイでは、収益性の高い店舗モデルの確立とその運営ノウハウの蓄積を図ってまいります。アジア各国においては、現地の有力パートナーとの連携を通じたフランチャイズ展開を加速させ、出店効率と事業収益性の最適なバランスを追求してまいります。また、各地域における消費者ニーズや商習慣の多様性を踏まえた商品・サービスの最適化、並びにサプライチェーンの強化を通じて、競争力のあるグローバルブランドとしての基盤を確立してまいります。これらの取り組みを通じて、当社グループにおけるグローバル事業の売上及び利益構造の比率を段階的に高め、事業ポートフォリオの強靭化及び中長期的な企業価値の持続的な向上を実現してまいります。

 

② 国内事業

 国内事業につきましては、依然として当社グループの中核を成す収益基盤であり、今後も安定的な成長と収益性の確保に向けた重点領域として位置づけております。少子高齢化に伴う市場の成熟化や人手不足、エネルギー・原材料価格の高騰といった外部環境の変化を踏まえ、事業構造の柔軟な見直しと高効率な店舗運営体制の構築が喫緊の課題と認識しております。本中期経営計画においては、都市部を中心とした戦略的出店の加速、インバウンド需要の取り込み、新業態・ブランドの育成、既存店舗のリブランディングを通じて、顧客接点の拡大とブランド価値の向上を図ってまいります。あわせて、店舗改装や省力化設備の導入、デジタル技術を活用した業務効率化を推進し、労働生産性の向上と顧客体験価値の向上の両立を目指します。さらに、原材料調達・物流・店内オペレーションに至るまで、当社独自のバリューチェーンを最大限に活用し、高品質かつコストパフォーマンスの高いサービスの提供を通じて、顧客満足度の一層の向上と競争優位の確立に努めております。これらの施策を着実に実行することで、収益力の強化と市場における優位性の確保を図り、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

③ 経営基盤の強化

 経営基盤の強化は、当社グループが中長期的に安定かつ持続的な成長を遂げる上で不可欠な要素と位置づけており、「人的資本」「サステナビリティ」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の各側面において多面的な取り組みを推進しております。

人的資本においては、採用難や人材流動性の高まりといった外部環境を踏まえ、社員が安心して働き続けられる職場環境の整備に加え、次世代リーダーの育成やエンゲージメント向上施策(タウンホールミーティングや階層別研修など)を通じて、組織全体の成長力と定着率の向上を図っております。あわせて、従業員の働きがいと満足度の向上を図るため、物価上昇を踏まえた給与水準および初任給の引き上げを実施するとともに、食事補助手当として、チケットレストランの導入やスポーツジム費用の補助など、福利厚生制度の充実にも取り組んでいます。

また、多様な人材が能力を発揮できる環境の整備に取り組んでおり、女性の活躍推進、障がい者雇用、シニア人材の活用に加えて、外国人材の登用にも注力するなど、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を図っております。

サステナビリティ経営の観点では、CO₂排出や食品ロスの削減など環境負荷の低減に取り組むとともに、地域社会との共生、安心・安全な商品の提供を通じた食文化の発信など、社会的価値の創出を図っております。

 さらに、DXによる業務効率化・省人化を進めることで、変化の激しい市場環境下においても、高い収益性と機動力を備えた運営体制の構築を目指しております。あわせて、情報発信力と企業としての透明性の向上にも継続的に取り組んでおります。こうした経営基盤の強化を通じて、社会的要請への的確な対応と企業価値の持続的な向上を両立させ、持続可能な成長の実現を目指してまいります。

 

 当社グループは、こうした取り組みを通じて、国内外における事業の拡大と経営基盤の高度化を両立させ、外食産業としての社会的責任を果たしながら、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。今後も、経営環境の変化に的確に対応しつつ、成長機会の獲得と収益力の強化に向けた取り組みを継続し、株主をはじめとする全てのステークホルダーの皆様のご期待にお応えできる企業グループを目指してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社グループは、社会的価値と経済的価値の両立を通じて持続可能な社会を実現することをめざし、サステナビリティの監督と執行の実効性を高めています。

執行側においては、代表取締役社長執行役員が議長を務め、役員と部門長を議員とするサステナビリティ推進会議をスタートし、サステナビリティに係るリスクと課題を特定・評価して方針・戦略を策定しています。決定事項は各部門を通じて事業戦略に落とし込まれ、全社一体で推進されています。同会議は年2回開催され、全社のサステナビリティに関するPDCAプロセスをモニタリングし、年2回取締役会に報告する体制となっています。

取締役会は、サステナビリティ推進会議を通じ、ESGやSDGsに関する重要テーマについて外部有識者の意見を取り入れ、モニタリングの感度と精度を高めています。また、役員に求められるスキルとして社会的インパクトの創造を重視し、人事評価にも反映してまいります。

 

(2)リスク管理

当社グループは、経営や事業に影響を与える不確実性をリスクと定め、それが顕在化したものをクライシスとして、全社的に管理しています。

代表取締役社長執行役員を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会では、外部環境に起因するリスクを「自然・政治・経済・社会・技術」の観点、組織内に起因するリスクを「戦略遂行・事業管理・業務運営」の観点でそれぞれ抽出し、発生確率と影響度に基づき優先順位を設定しています。年2回開催される同委員会は、重要度の高いリスクの状況確認や対策見直しを行い、適宜取締役会に報告するとともに、関係部門と連携して対策を実施しています。サステナビリティに関するリスクはこの仕組みの中で識別・評価され、優先順位を付けたうえでサステナビリティ推進会議に報告/付議されます。

クライシスが発生した場合に備え、その類型ごとにグループ本社と各部門の連携体制を明確化し、適切に対応できる体制を構築しています。また、さまざまなクライシスを想定したBCP(事業継続計画)の整備を進め、定期的に見直し取締役会に報告しています。

 

(3)戦略

①サステナビリティ全体

当社グループは、企業理念である「私たちは、まごころ込めた一皿で、豊かで楽しい時間を提供し、世界中を“元気”にします」に基づき、自然の恵みと自らの強みを活かして、ステークホルダーの皆さまと共に新たな価値を創造し続けることを最も大切にしています。

私たちは、日本の食の素晴らしさを世界に広めることを使命とし、食産業の活性化と食文化の継承に取り組んでいます。特に、食の基盤である「米」を重要視しており、親会社が米卸企業である個性を生かし、米を中心とした業態やメニューを展開することで、生産地とお客様を結ぶ架け橋になりたいと考えています。

こうして食の課題に向き合うアグリフードバリューチェーンは、人類が住み続けることができる地球環境と人々が健やかに暮らせる社会を、次世代につなぐ力を持っています。当社はその実現に向けた諸課題を、社会や環境へのインパクトと当社にとってのインパクトの観点で動態的に捉えたうえで、「地球と社会と人の“元気”」を実現する次の6つのマテリアリティを定めました。

 

イ 気候変動への対応

食器・容器・店舗のエコロジー化、配送の効率化などを通じてCO2排出量を減らし、温暖化抑制に貢献します。

ロ 自然資源の保護

廃棄物の削減、水資源と生物資源の有効活用、海洋汚染の改善に取組み、経済や社会の土台である自然を守ります。

ハ 世界・地域社会との共存共栄

各国や各地域の食文化や食産業への貢献、雇用の創出を通じ、共に進化し続ける基盤を作ります。

ニ 人々の健康で豊かな暮らしの実現

コミュニティの活性化、健康に配慮した商品開発などを通じ、社会のつながりや人々の幸せを育みます。

ホ 安全安心な食の提供

HACCPに基づく衛生管理を通じて、食産業としての責任を全うします。

ヘ 働く人の多様性の尊重

多様な価値観や考え方の交換を通じ、イノベーションを生む組織能力を高めます。

 

 

自然の恵みとその力を借りて事業活動をしている当社は、気候変動や社会動向に伴うリスクや機会に応じて、マテリアリティごとの対策を機動的に実践していきます。自然を大切にしながら、社会の絆を深め、人々のウェルビーイングを育むこと、それが私たちの願いです。

<気候変動に伴うリスクと機会>

 

分類

内容

影響度

対応策

移行リスク

政策/法規

カーボンプライシングによる

省エネ機器投資増

エコロジー店舗の試行

炭素税引上分の価格転嫁による

原料・物流・製造コスト増

配送効率化の推進

プラスチック規制による

代替素材使用コスト増

エコ素材を使用した食器や容器の段階的導入

技術

GXを加速するDXに対応する

システム投資増

サプライチェーンパートナーとの連携

評判

ESG・SDGsの取り組みの遅延による

ブランドイメージ・売上・株価低下

財務と非財務の統合推進

市場

消費者のサステナビリティ志向の高まりによる

メニュー変更コスト増

エシカルメニューと通常メニューの両輪展開

物理リスク

急性

自然災害増加に伴う

サプライチェーン断絶による売上減

BCPの定期的見直し

慢性

平均気温上昇に伴う

電力供給不安定化による商品廃棄コスト増

在庫管理の強化

平均気温上昇に伴う

設備劣化による修繕・買替コスト増

エリアや店舗の特徴に応じたリスクの特定と管理

降水・気象パターン変化に伴う

農水産物収量減による原料コスト増

特定の原料に依存しない柔軟なメニュー開発

機会 

政策/法規

GX推進法による

サーキュラーエコノミー市場拡大

サプライチェーンパートナーとの協働推進

技術

省エネ製法の進化による

製造コスト減

省エネ技術情報の継続的探索

評判

経済的価値と社会的価値の両立による

企業レピュテーション向上

財務と非財務が統合した戦略実行と情報開示

市場

消費者のサステナビリティ志向や食の嗜好の変化による新市場の伸長

社会課題を軸としたマーケティング強化

サステナビリティ要求の高度化によるサプライチェーンの結束必須化

協働領域の継続的探索

 

 

 

 

  ②人材育成方針と社内環境整備方針

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

当社を取り巻く事業環境は、生産年齢人口の減少、国内回転寿司市場の寡占化、原材料価格・エネルギー価格の高騰など、足元でも先行きが不透明な状況が続いており、今後もしばらくは同様の状況が続くことが予想されます。

こうした状況の下、当社では2024年度から2027年度までの4カ年を計画期間とする中期経営計画で定めた重点戦略に基づいて各種施策を推進しております。本中期経営計画においては、企業の存続基盤であり、かつ当社におけるサステナビリティの重点課題でもある人材を当社の持続的な成長の要と位置付け、人材への投資を最重要課題としております。

人材への投資にあたっては、従業員一人一人が有する能力を最大限発揮することができる環境の整備を目指し、人事制度の見直しや組織体制・文化の変革などを進めてまいります。階層に応じた従業員の能力開発を可能にする研修機会の充実等の環境整備を進めるとともに、能力を活かす環境に積極的に挑戦できる登用制度の活用、本社と現場のコミュニケーション促進のための施策の充実等、従業員のモチベーション向上に資する取り組みを増やし、従業員のエンゲージメントを強化するとともに、自律的な成長を支える仕組みの構築に注力していく方針です。これにより、人的資本のストックを増やし、組織としての生産性向上に努めるとともに、持続的成長の基盤としてまいります。

 

主な施策は以下のとおりです。

 

既に取り組んでいる施策

今後取り組む予定の施策

モチベーションマネジメント

・就業規則や労務管理規程の見直し

・育児休暇の取得の促進

・決算賞与の実施

・理念・業績浸透による透明性のある評価制度の確立

・目標管理及び人事評価制度を一新する、人事制度改革の取り組み

・福利厚生の拡充

・健康経営への取り組み

リソースマネジメント

・次世代経営者育成に向けた研修制度の導入

・中途採用の継続的な実施

・社内公募制の導入

・専門職の積極的な採用

・外国籍正社員登用強化

・配属先への適正重視

・階層別研修のさらなる充実

・社内登用の推進

 

また、多様性に富んだ人材の採用と活用が、多様化するお客様の価値観・ニーズを捉え、顧客付加価値の向上と企業価値の向上に資するとの認識から、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。多様な人材を採用し、従業員それぞれの多様な考え方や経験を活かすことで新しい価値の創出を目指してまいります。このような中、女性管理職比率の向上、シニアの活躍推進、外国人管理職比率の向上が、ダイバーシティ&インクルージョンの実現に繋がるという考えの下、多様性確保に向けた指標を設定し、その取り組みを引き続き進めてまいります。

なお、女性については、次世代法・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2021年4月~2026年3月)において「管理職(課長級以上)に占める女性の割合を20%以上にする」「正社員の男女の平均勤続年数の差を8年から6年にする」目標を設定しております。

 

 

(4)指標及び目標

当社グループは、持続可能な社会の実現の為には、ステークホルダーの皆さまそれぞれにとっての価値が循環することが大切であると考え、全てのマテリアリティについて、社会的価値と経済的価値の両立に繋がる主要テーマを定めました。その中で、サステナビリティ経営の基盤となる人的資本については、指標と目標値を定めています。目標年は、2024年~2027年中期経営計画と整合しています。なお、海外子会社については雇用環境が大きく異なることから、労働市場の条件を踏まえて指標の記載と連結ベースでの開示を検討してまいります。

<目標>

マテリアリティ

主要テーマ

気候変動への対応

配送の総距離短縮

自然資源の保護・有効利用

食品と廃油のリサイクル

世界・地域社会との共存共栄

海外ネットワーク拡大による雇用機会創出

人々の健康で豊かな暮らしの実現

地域や・コミュニティの活性化

安全安心な食の提供

HACCPの考え方に基づく衛生管理

働く人の多様性の尊重

イノベーションを生む組織能力の醸成

 

 

<指標>

指 標

2022年度

2023年度

2024年度

目標

女性正社員比率

23.5%

22.8%

22.7%

2027年度まで26

女性管理職比率

12.3%

11.9%

13.2%

2027年度まで20

女性店長人数(人)

19

23

19

2027年度まで20

男女平均賃金の格差
(男性の賃金に対する女性の賃金割合)

70.2%

71.4%

70.0%

2027年度まで75

男性育児休業取得率

37.5%

33.3%

40.0%

2027年度までに50

外国人店長人数(人)

7

7

5

2027年度まで8

フレンド社員(障害者)雇用率(注)

2.3%

2.3%

2.5%

2027年度まで2.6

65歳以上の週20時間以上勤務者数(人)(注)

370

348

350

2027年度まで400

 

(注)非正規社員を含む

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経済状況の変化について

当社グループは、国内及び海外においてレストラン関連事業を行っております。そのため、国内の景気動向や政府による各種政策等の影響を受けるのみならず、世界的な政治経済や海外における子会社及びフランチャイズ先が存在する国固有の政治経済状況等の動向により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(2) 競合の状況について

当社グループの属する外食産業におきましては、マーケットが飽和、成熟段階に入っており、お客様のニーズの変化、多様化に応えるため、企業間の差別化競争が一層激しくなっております。

当社グループといたしましては、常に顧客動向に敏感に反応しながら、商品開発、サービスの向上並びに、快適な店舗づくりに取り組んでまいりますが、今後の競争の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 食材等の市況について

当社グループの扱う食材のうち、魚介類、農産物は、天候等の影響による収穫量の変動に伴う市況の変動リスクを負っております。さらに海外産の冷凍水産物等は、現地の市況、為替の変動による国内市況変動のリスクがあります。

当社グループでは、親会社である㈱神明ホールディングスの子会社、㈱神明及び㈱神戸まるかん等を通じて、産地の分散、複数社購買等により、低価格かつ安定的な購入に努めておりますが、上記諸事情等により食材市況が大幅に変動した場合、仕入価格の上昇、食材の不足等により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 法的規制等について

当社グループは、「食品衛生法」の法的規制を受けており、店舗毎に所轄の保健所を通じての営業許可を取得しております。

当社グループの取扱商品は食材が主体でありますので、衛生管理には特に留意し、衛生管理室により、物流センター、各店舗の食材、従業員、設備備品の定期検査を実施しております。食材については、当社納入時及び店舗段階でのサンプル回収による細菌検査を実施しております。

検査の結果、細菌数の多い納入業者に対しては、注意勧告、取引停止等の措置で対応しております。店舗段階においては、食材の検体回収はもちろんのこと、厨房設備等から拭き取りによる細菌検査を実施し、その結果を受けての改善指導、再検査というかたちで実施しております。

さらに従業員の保菌検査については定期的に外部検査機関に委託して実施しております。

上記のように、当社グループは積極的に衛生管理に取り組んでおりますが、当社グループ固有の衛生問題のみならず、社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(5) 人材の確保及び育成について

当社グループは、「持続的な組織拡大に向け、次世代を担う人材の採用及び現場重視の教育を強化すると同時に、国内のみならず世界で活躍できる多様な人材を育成」することを重要課題の一つに掲げております。

生産年齢人口の減少を背景として採用環境は厳しさを増しており、最低賃金の上昇、社会保険等の負担増加、業種を越えた採用競争の激化などによる採用費の増加等、今後も人材を確保するための費用は増加傾向にあると予測されます。

 

また、社内教育体制の整備や即戦力としての中途採用、人材流出を予防するための魅力的な労働環境の創出、福利厚生の充実など、各種工夫を凝らした取り組みが求められております。

さらに、現在政府が推し進めている「働き方改革」も今後の労働環境へ影響を及ぼすものと予測されます。

上記より必要な人材の確保及び育成ができない場合には、出店計画の見直しや営業時間の短縮、臨時休業等を余儀なくされ、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 当社グループの出店方針について

当社グループは、レストラン関連事業を行っており、直営店舗数は2025年3月期末現在202店舗となっております。

国内における店舗展開につきましては、都市部への積極的な出店と新業態の開発と事業ポートフォリオの多様化を進めてまいります。また、グローバルにおける店舗展開につきましては、米国本土への進出及びハワイにおける新業態の開発を進めてまいります。

当社グループは、上記出店方針を継続する計画でありますが、物件獲得競争の激化や、家賃相場の上昇等各種要因により、計画どおり、出店、退店が、適時に行えず、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(7) 差入保証金について

当社グループでは、賃借による出店を基本としております。このため、店舗用建物の契約時に賃貸人に対し保証金を差し入れます。当該店舗に係る差入保証金の残高は、2025年3月期末現在43億6千9百万円(連結総資産に対し12.6%)であります。

当社グループの賃貸借契約においては、当該保証金は期間満了による契約解消時に一括返還されるか、一定期間経過後数年にわたって均等返還されるかが通例となっており、契約毎に返還条件は異なっておりますが、賃貸側の経済的破綻等予期せぬ事態が発生した場合には、その一部または全額が回収出来なくなる可能性もあります。また、契約に定められた期間満了日前に中途解約をした場合は、契約内容に従って契約違約金の支払が必要となります。

 

(8) 海外フランチャイズ契約について

当社グループは、2025年3月期末時点で米国に直営店舗が11店舗あり、ハワイ市場での寡占化を図るとともに、米国本土への店舗展開を行っております。

アジア・中東にあっては、現地の優良法人とのフランチャイズ方式により、2025年3月期末時点で229店舗を展開しております。

当社グループは、これまで、フランチャイズ先と良好な関係を構築しており、今後もフランチャイズ展開を継続する計画であります。現在10カ国(地域含む)、社とフランチャイズ契約を締結しておりますが、店舗展開について特定の地域に多く出店しており、今後、フランチャイズ先との交渉、競合会社との条件競争等により、良好な関係を維持できない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(9) 為替相場変動の影響について

当社グループは、海外に連結子会社を有しており、連結財務諸表の作成にあたっては、海外子会社の現地通貨による財務諸表を日本円に換算しております。また、海外子会社を含む海外フランチャイズ先より受取るロイヤリティ収入等の取引も同様に日本円に換算されるため、日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けております。このため為替相場が大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(10) 訴訟・係争等について

当社グループは、国内・海外において事業活動を行うにあたっては、各種関係法令を理解し、遵守することに最善の努力をしておりますが、様々な形で、訴訟・係争等の対象となることがあります。これらの訴訟・係争等の発生は予測困難であり、またそのような訴訟・係争等が発生した場合において、その解決には相当の時間を要することが多く、結果を予測することには不確実性が伴います。このような訴訟・係争等が発生し、予期せぬ結果となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(11) 自然災害等について

当社グループは、国内・海外において、店舗展開しておりますが、予期せぬ火災、テロ、戦争、疫病、地震、異常気象等の人災や天災により、店舗の損壊、店舗への商品供給の停止及びその他店舗の営業継続に支障をきたす事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(12) 減損会計の適用について

当社グループは、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え減損会計を適用しております。今後、店舗の収益性が低下した場合等には、店舗資産の減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(13) 情報システムへの依存について

当社グループは、食材等の仕入及び配送に係る管理やタッチパネルによる注文、売上情報等の管理並びに従業員の勤怠管理等、業務全般にわたり情報システムに依存しております。

情報システムに障害等が発生した場合には、効率的な店舗運営とそれらを支える業務の遂行に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(14) ㈱神明ホールディングスグループとの関係について

当社グループは、当連結会計年度末現在、㈱神明ホールディングスより40.8%の出資を受けており、取締役1名が取締役を兼務していること等から、支配力基準による同社の子会社となっております。

当社グループは、食材等の調達の一部を㈱神明ホールディングスの子会社である㈱神明及び㈱神戸まるかん等を通して行っておりますが、それらは市場価格を勘案し、価格交渉の上決定しております。

当社グループは、通常の業務執行にあたっては当社独自の意思決定を行っておりますが、重要な事項については、㈱神明ホールディングスと協議もしくは報告を行っております。

また、㈱神明ホールディングスは当社取締役の選任及び剰余金の配当等の株主総会の決議等に対しても影響力を有しているため、その他の株主の意向と異なる決議等を行う可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化に加え、雇用や所得環境の改善により、緩やかな回復の動きがみられました。一方、先行きにつきましては、米国の政策動向や継続的な物価上昇の影響に加え、急激な為替相場の変動などのリスク要因が多く、国内、海外経済ともに依然として不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社は2024年11月に、新たに「GENKI VISION 2030 中期経営計画(2024年度~2027年度)」を策定いたしました。外部評価が高い商品力と、良化した財務状況を背景とした積極投資を軸に「新たな成長ステージ」として、グローバル市場及び国内市場の双方において戦略的な事業展開を実施してまいります。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

イ 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億3千9百万円増加し、348億1千4百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億8千4百万円減少し、177億5千3百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ35億2千4百万円増加し、170億6千万円となりました。

ロ 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高674億7千2百万円(前年同期比9.1%増)営業利益67億9千2百万円(前年同期比38.1%増)経常利益69億4千1百万円(前年同期比36.6%増)親会社株主に帰属する当期純利益49億6千万円(前年同期比52.1%増)となりました。

セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より「海外事業」としていたセグメント名称を「グローバル事業」に変更しております。当該名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

(国内事業)

国内事業につきましては、全国向けテレビ番組で数多く紹介されたことにより、ブランドの認知度向上及び来店客数が増加したことに加えて、高品質かつ高付加価値商品の訴求及び販売価格の適正化を行ったことで、客単価の増加に繋がりました。

店舗展開につきましては、新業態として、鰻専門店を中心とした複数店舗を出店いたしました。また、既存の「魚べい」ブランドからリブランディングを実施し、新たな旗艦店として栃木県宇都宮市に「魚米」を出店いたしました。この結果、店舗を出店し、店舗を退店したことにより、国内の総店舗数は、191店舗となりました。改装につきましては、店舗サービス及びお客様の利便性向上のため、店舗実施いたしました。

この結果、国内事業の経営成績は、上記の施策を行ったことにより、売上高585億7千9百万円(前年同期比10.0%増)セグメント利益49億8千1百万円(前年同期比57.8%増)となり、過去最高の業績を達成いたしました。

なお、国内店舗は全て直営店舗であります。

 

(グローバル事業)

グローバル事業につきましては、2024年10月にタイに1号店(フランチャイズ店舗)をオープンしたほか、フランチャイズ店舗の収益力強化のため、海外店舗に赴き、現地で営業面でのサポートや現地のニーズに合った商品の提案、新規エリア進出に向けた市場調査を積極的に行ってまいりました。また、子会社につきましては、ハワイ州におけるラーメン事業のオープンに関する準備などを着実に行っております。

店舗展開につきましては、ロイヤリティ収入の対象となる海外店舗で、10店舗出店し、店舗退店したことにより229店舗となり、米国子会社につきましては、店舗退店し、11店舗となりました。海外の総店舗数はフランチャイズ店と直営店合わせて、240店舗となりました。

この結果、グローバル事業の経営成績は、売上高88億9千3百万円(前年同期比3.4%増)セグメント利益18億1千1百万円(前年同期比2.8%増)となり、国内事業同様に過去最高の業績となりました。

グローバル事業の売上高の内訳は、米国子会社の店舗売上高54億8千9百万円、フランチャイズ契約先への食材等販売による売上高16億8千1百万円、フランチャイズ契約先からのロイヤリティ収入(海外店舗売上高の一定率等)17億2千2百万円等であります。

なお、ロイヤリティ収入の対象となる海外店舗の売上高の合計は、732億4千1百万円(前年同期比10.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、当連結会計年度末には119億5千2百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、67億8千7百万円(前年同期は62億1千6百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益66億4千2百万円、減価償却費19億1千9百万円による増加があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、17億7千2百万円(前年同期は9億6百万円)となりました。これは主に、店舗の新設等による支出20億6千4百万円があった一方で、差入保証金の回収3億1百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、35億8千5百万円(前年同期は25億9千9百万円)となりました。これは主に、長期借入の返済12億3千1百万円、リース債務の返済9億4千万円を行ったこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、最終消費者へ直接販売するレストラン関連事業を行っておりますので、生産及び受注の実績は記載しておりません。

販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

国内事業

58,579

86.8

グローバル事業

8,893

13.2

合計

67,472

100.0

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。

イ 財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ20億3千9百万円増加し、348億1千4百万円となりました。

当社グループの当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

(資産)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億3千9百万円増加し、348億1千4百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加14億4百万円及び繰延税金資産の増加5億7千9百万円があったこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億8千4百万円減少し、177億5千3百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少12億3千1百万円及びリース債務の減少6億8千5百万円があった一方で、未払法人税等の増加4億4千6百万円があったこと等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ35億2千4百万円増加し、170億6千万円となりました。これは主に配当金の支払14億1千2百万円を、おこなった一方で親会社株主に帰属する当期純利益の計上49億6千万円があったこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は7.7ポイント増加し、49.0%となりました。

 

ロ 経営成績の分析

売上高及び各段階利益の状況は、次のとおりであります。

(売上高)

国内における店舗・ブランドの認知度向上による来店客数の増加や、販売価格の適正化を行ったことによる客単価増加に加えてグローバル事業セグメントの為替の影響により当連結会計年度の売上高は674億7千2百万円(前年同期比9.1%増)となり、過去最高売上高を更新いたしました。

(営業利益及び経常利益)

売上原価率は販売価格の適正化を進めたことで前連結会計年度と比べ0.7%減少し40.4%となりました。また、給料及び手当は最低賃金の上昇及び雇用人数が増加したことにより、前連結会計年度と比べ13億7千2百万円増加となりましたが、販売費及び一般管理費の売上対構成比率は固定費用が微増だったことにより、前連結会計年度と比べ1.4%減少し49.5%となり当連結会計年度の営業利益は67億9千2百万円(前年同期比38.1%増)経常利益は69億4千1百万円(前年同期比36.6%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

減損損失等の特別損失2億9千9百万円の計上があった一方で、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、5億8千4百万円法人税等調整額が減少したことで当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は49億6千万円(前年同期比52.1%増)となり、利益についても、過去最高益を大幅に更新いたしました。

 

 

ハ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

ホ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。

(国内事業)

国内事業につきましては、全国向けテレビ番組で数多く紹介されたことにより、ブランドの認知度向上及び来店客数が増加したことに加えて、高品質かつ高付加価値商品の訴求及び販売価格の適正化を行ったことで、客単価の増加に繋がったことにより、売上高は、585億7千9百万円(前年同期比10.0%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ18億2千8百万円増加(前年同期比6.6%増)し、294億9千3百万円となりました。これらは、主に売上高の増加に伴う人件費の増加があったこと等によるものであります。

この結果、セグメント利益は49億8千1百万円(前年同期比57.8%増)となり、過去最高の売上高及びセグメント利益を達成いたしました。

セグメント資産は、前連結会計年度に比べ12億1千1百万円増加し、251億3千2百万円となりました。これは主に、売上高増加等による現金及び預金の増加10億8千万円があったこと等によるものであります。

(グローバル事業)

グローバル事業につきましては、処理水問題の影響があったものの、海外子会社の業績が堅調に推移したことに加えて、為替の影響を受けたことにより、売上高は、88億9千3百万円(前年同期比3.4%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1億2千万円増加(前年同期比3.1%増)増加し、39億3千6百万円となりました。これは主に、新規事業開始に伴う賃借料や顧問委託料の増加等によるものであります。

セグメント利益は、18億1千1百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度に比べ4億8千7百万円増加し、55億7千万円となりました。これは主に、国内事業同様に現金及び預金の増加3億2千4百万円があったこと等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、当連結会計年度末には119億5千2百万円となりました。

詳細は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

 

ロ 契約債務

2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

長期借入金(1年内
返済予定含む)

2,011

1,231

780

リース債務(1年内
返済予定含む)

6,190

1,062

1,555

982

2,589

 

 

ハ 財務政策

当社グループは、資金運用については短期的な預金等に限定し、調達については銀行借入による方針であります。借入金のうち短期借入金(当座借越)は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金(原則として5年以内)及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。借入金は原則として固定金利で調達しております。

また、営業債務や借入金等は、流動性リスクに晒されておりますが、当社グループでは、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法により管理しております。

2025年3月31日現在、長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は20億1千1百万円、リース債務(1年内返済予定を含む)の残高は61億9千万円であります。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っております。実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) フランチャイズ契約等

 

相手方の名称

国名・地域

契約の内容

契約期間

対価

FOOD MASTER RESTAURANTS & CATERING CO.

クウェート

クウェートにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2015年5月15日から

2025年5月14日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

GENKI SUSHI HONG KONG LTD.

香港

香港における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2013年6月1日から

2040年10月27日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

中国

中国南部地域における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2018年6月12日から

2028年6月11日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

中国沿岸部地域における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2021年11月30日から

2031年11月29日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

中国北部地域における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2012年12月31日から

2025年12月30日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

中国西部地域における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2012年12月31日から

2025年12月30日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

中国中央部地域における寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2012年12月31日から

2025年12月30日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

PT.AGUNG MANDIRI LESTARI

インドネシア

インドネシアにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2012年12月31日から

2032年12月30日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

BABY SPICE FOOD CORP.

フィリピン

フィリピンにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2024年8月6日から

2034年8月5日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

K CONCEPTS (CAMBODIA) CO.,LTD.

カンボジア

カンボジアにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2015年8月18日から

2025年8月17日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

 

 

相手方の名称

国名・地域

契約の内容

契約期間

対価

JAPANESE DINING CONCEPTS

(ASIA) LTD.

シンガポール

シンガポールにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2017年8月31日から

2027年8月30日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

GENKI SUSHI (MALAYSIA) SDN. BHD.

マレーシア

マレーシアにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2019年6月25日から

2029年6月24日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

GENKI SUSHI (THAILAND)

CO.,LTD.

タイ

タイにおける寿司レストラン展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2019年4月5日から

2029年4月4日まで

ロイヤリティとして総売上高の一定率

 

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。