第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

①経営理念

当社グループは、「創造・先取り・挑戦」を経営理念とし、それらを綱領として定めています。この理念は昭和33年の創業時から現在まで、グループ全社員に共有され、企業経営の礎となっています。

「綱領

バローグループの全社員は実業人としての自覚を持ち、地域社会の繁栄と社会文化の向上に寄与せんことを期す。このために一人一人は「誠」をモットーとして業務に当たり、創造、先取り、挑戦の姿勢で目標を高く掲げ、強い団結の下に英知と努力をもって徹底的に力闘するものなり」

②経営戦略

当社グループは、製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を目指しています。当社は、「事業規模の拡大」、「製造小売業への進化」、そして「現場力の強化」を3つの歯車と位置づけ、これらをバランスよく組み合わせ、そのスピードを加速することによって企業価値の向上を図ろうとしています。

当社が事業規模の拡大を追求するのは、製造小売業として質的な転換を図るためには一定水準の規模が必要だと考えるためです。また、製造小売業へ進化するためには、商品力の向上とともに、現場で質の高い接客サービスを行うなど、商品を販売する力を養うことも不可欠な要素と考えており、現場力の強化を歯車の一つとして掲げています。

③中期3ヵ年経営計画

当社は、中長期的な企業価値向上に向けて、平成23年3月期より平成27年3月期までの5ヵ年、平成28年3月期より平成30年3月期までの3ヵ年を対象に中期経営計画を策定・遂行してまいりました。平成27年3月期までの5ヵ年は、「事業規模の拡大」を戦略目標とし、スーパーマーケット及びドラッグストアの出店を加速するとともに、規模拡大に対応すべく、インフラ(物流、製造・加工機能)を整備・拡充しました。平成30年3月期までの3ヵ年は、「経営効率の改善」を戦略目標とし、スーパーマーケットの既存店強化やインフラの効率改善を図りながら、ドラッグストアをグループの成長を牽引する事業と位置づけ、高水準の出店を続けてまいりました。

しかしこの間、少子高齢化による消費・生産人口の減少、消費者の購買行動の変化やオーバーストア・業態間競争の激化など、事業を取り巻く環境は大きく変化しております。このような中、従来の店づくりで店舗数を拡大しても企業価値の向上には繋がらないと判断し、平成31年3月期から平成33年3月期までの3ヵ年を対象とする中期3ヵ年経営計画では、店舗が提供すべき価値を再設計するとともに、店舗を支えてきた「しくみ」も改良しながら、次の成長を支える基盤を構築してまいります。

1.基本方針

「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」

成長志向に変わりはないものの、中長期的な成長イニシアティブを「標準的店舗の量的拡大」から「『商品力』を軸としたフォーマットへの転換」とし、店舗収益の改善を中心に収益性の向上を図る。

2.重点施策

(1)競争力あるフォーマットへの転換

・ 主力3事業(スーパーマーケット・ドラッグストア・ホームセンター)では、お客様の来店動機が「近さ」から「商品力」に変わるよう、専門性の追求や強化カテゴリーの魅力度向上を図る。

・スーパーマーケット事業では年間30~40店舗の改装や新設店の大型化・リロケーションを通じ、従来型店舗からの転換を急ぐ。ドラッグストア事業は引き続き成長ドライバーとしての役割を担うものの、改装と併せてリロケーションやスクラップ&ビルドを行い、専門性と利便性を兼ね備えた競争力ある店舗への転換を図る。

 

・資産効率の改善に向けて、グループの経営資源を有効に活用するとともに、上記の効果が見込めない不採算店舗については、3ヵ年で閉鎖や業態転換を進める。

(2)製造小売業への進化

・ お客様に選ばれる商品力、外販可能なサービス品質・コスト競争力を実現する。

(3)新たな成長軸の確立

・ スポーツクラブ事業では、低投資かつ月会費を抑えたフィットネスジム「Will_G(ウィルジー)」を3ヵ年でFC展開を併せて200店舗以上出店し、店舗網の早期構築によりシェアの向上を図る。

・ 地域の社会的課題を解決する機能の提供やインターネット販売業の展開拡大など、グループの経営資源を活かしながら、リアル店舗と共生する事業を育成する。

3.主要指標・財務政策

(1)定量目標(平成33年3月期)

 営業収益  6,000億円

 営業利益  185億円

 ROA   6.0%

 ROE   8.5%以上

(2)財務政策

①キャッシュフローの創出

・収益性の向上により、2021年3月期までの3ヵ年で累計730億円以上の営業キャッシュフローを創出する。

②利益配分

a.成長投資

・設備投資は年間230~240億円を予定し、そのうち30~40%を既存店投資に充当する。

b.配当

・従来からの配当方針に基づき、配当性向25%を目処に、安定的かつ継続的な利益還元を行う。

③財務規律

・デット・エクイティ・レシオ0.8倍、自己資本比率40%を目安とする。

4.配当方針

今後の長期的・安定的な事業展開に備え、企業体質の強化のために内部留保を高めつつ、株主各位に対して、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを基本方針としております。この方針に基づき、連結配当性向25%を中長期的目標としております。

 

(2) 会社の支配に関する基本方針

Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社グループとしての企業価値の源泉、及び当社グループが保有する幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等を十分に理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。

当社取締役会は、当社株券等に対する大量買付行為であっても、当社の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを否定するものではありません。当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思により決定されるべきものであると認識しております。

しかしながら、近年のわが国の資本市場においては、対象会社への大量買付行為において、その目的から見て企業価値の向上及び株主共同の利益を明白に侵害するおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 

当社としては、このような当社の企業価値及び株主共同の利益に資さない大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えており、このような者による大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

(1)企業価値の源泉

 当社グループは、昭和33年岐阜県恵那市に「株式会社主婦の店」として設立された、セルフサービスを採用したスーパーマーケット1号店である「恵那店」をその起源としております。

その後、スーパーマーケット事業の他にドラッグストア事業、ホームセンター事業、スポーツクラブ事業をチェーン展開するとともに、効率的な流通網の構築に向けて製造・加工業、卸売業、物流業に着手し、店舗運営を支える設備メンテナンス業や資材卸売業等を傘下に持つグループ企業として成長を続けて参りました。

このように各種の事業を展開しております当社グループの企業価値創造の源泉は、以下の3点であると考えております。

①チェーンストア経営に基づくオペレーションの単純化・標準化

②事業の多角化とそのノウハウの共有によるシナジー効果

③製造小売業への進化

その中でも特に、製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を目指し、「事業規模の拡大」、「製造小売業への進化」、「現場力の強化」を「3つの歯車」とする経営戦略を体系化しており、今後もこれらの歯車をバランスよく組み合わせ、そのスピードを加速することにより、中長期的な企業価値の向上を図って参ります。

(2)中期経営計画に基づく取組み

中期経営計画に関する取組みにつきましては、上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針 ③中期3ヵ年経営計画」に記載しております。

(3)コーポレート・ガバナンスの取組み

コーポレート・ガバナンスに関する取組みにつきましては、下記「第4 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

Ⅲ.本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

当社は、当社株券等に対する大量買付けがなされた際に、当該大量買付けに応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、また当社取締役会が株主の皆様のために代替案を提示し、大量買付者と交渉を行うこと等を可能とするために必要な情報や時間を確保することが必要と考えております。

当社は、上記の理由により、平成29年6月29日開催の当社第60期定時株主総会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)への更新について、株主の皆様のご承認を得ました。なお、当社は、平成20年6月26日開催の当社第51期定時株主総会において株主の皆様からご承認をいただいて、「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」を導入し、同対応方針は平成26年6月26日開催の当社第57期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得て、有効期間を平成29年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとして更新されており(以下「旧プラン」といいます。)、本プランは、旧プランの有効期間の満了に伴い、所要の修正を加えたうえで更新されたものであります。

本プランは、大量買付者に対し、本プランの遵守を求めるとともに、大量買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大量買付行為が当社グループの企業価値及び株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めており、その概要は以下のとおりです(なお、本プランの詳細につきましては、当社のホームページ(http://www.valorholdings.co.jp/)で公表している平成29年5月9日付プレスリリース「会社の支配に関する基本方針の改定及び当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。)。

 

(1)本プランに係る手続の設定

本プランは、当社グループの企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、大量買付者による大量買付行為が行われる場合に、当該大量買付者に対し、事前に当該大量買付行為に関する情報の提供を求め、当社が、当該大量買付行為についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主の皆様に当社取締役会の代替案等を提示したり、当該大量買付者との交渉等を行ったりするための手続を定めています。

(2)大量買付行為に対する対抗措置

大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、本プランにおいて定められた手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、当社は、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、①大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、②当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。

本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

(3)独立委員会の設置

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、及び、本プランに定めるルールが遵守された場合に当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し又は向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置します。独立委員会は3名以上5名以下の委員により構成され、公正で中立的な判断を可能とするため、委員は、社外取締役、弁護士、税理士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者及び他社の取締役、監査役、執行役もしくは執行役員として経験のある社外者等の中から当社取締役会が選任するものとします。

(4)情報開示

当社は、本プランに基づく手続を進めるにあたって、大量買付者が出現した事実、大量買付者から情報を受領した事実、取締役会の判断の概要、独立委員会の判断の概要、対抗措置の発動又は不発動の決定の概要、対抗措置の発動に関する事項その他の事項について、株主の皆様に対し、適時適切に開示いたします。

 

Ⅳ.本プランの合理性(本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由)

本プランは、以下の理由により、上記Ⅰの基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損な     うものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

1.買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること

2.企業価値及び株主共同の利益の確保又は向上を目的として更新されていること

3.株主意思を重視するものであること

4.独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視

5.対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定

6.独立した地位にある第三者専門家の助言の取得

7.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

1 当社グループの業績に影響を与える要因について

(1) 小売業の外部環境について

当社グループの事業は小売事業を中心としており、同事業を取り巻く外部環境として、今後の景気動向、価格競争の激化、同業種や異業種との競合の進展状況、消費者に係る税制の変更、気候変動等の要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 出店政策について

当社グループは、岐阜県、愛知県を地盤にスーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターにおいて、生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨品、住居関連商品及び医薬品の販売を主要業務とした流通業を営んでおり、この他にスポーツクラブなどを運営しております。

当社グループでは、今後とも岐阜県、愛知県を中心として東海地方及び北陸地方においてドミナントエリア化を意図し店舗密度を高めていく方針であり、M&Aによる店舗数拡大も検討していく方針ですが、新規出店の基準に合致した物件を確保できない場合や、法的規制等により計画どおりの出店ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、新規の出店等に伴う設備投資のために借入金等により資金を調達することもあり、当期末における連結ベースの借入金及び社債残高は772億45百万円であります。このため今後の金利動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 食品の安全性について

当社グループは調達から販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を目指しており、食品の流通経路における品質管理を徹底するとともに、製造・加工拠点、店舗において、厳格な衛生管理と適正な食品表示に努めています。しかし万一、食中毒や異物混入等の品質事故や食品表示の誤りが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 新規事業への参入について

当社グループは、当社グループの事業目的に沿って優良企業との提携及び資本参加を積極的に実施する方針であり、新規事業に参入することも検討いたしております。しかしながら、新規事業の参入にあたり、外部環境の変化等各種の要因によって、当社グループが期待するとおりの成果をあげられない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 自然災害等について

当社グループは、店舗の耐震性、防災対応マニュアルの整備、避難訓練の実施等、自然災害や事故等に対しできる限りの対策を講じておりますが、地震・台風等の大規模自然災害や流行性感染症が発生した場合には、当社グループの店舗での営業継続や販売商品の調達が影響を受ける可能性があります。特に、当社グループの店舗の多くは岐阜県、愛知県に所在しているため、東海大地震が発生した場合には、事業活動の一部中断等により当社グループの業績及び財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。

2 当社グループに対する法的規制について

(1) 大規模小売店舗立地法について

当社グループの店舗の出店及び増床に際しては「大規模小売店舗立地法」の規制対象となっており、店舗面積1,000㎡を超える新規出店及び増床については、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられています。届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理について、地元住民の意見を踏まえ、都道府県・政令指定都市が主体となって審査が進められます。

同法の適用により、当初の計画どおりに店舗の新規開設や既存店舗の増床等ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、建築基準法が改正され、新規出店及び改装に際し、審査期間の長期化や出店コストの増加等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 個人情報の漏洩について

個人情報の管理については、情報端末のセキュリティシステムの強化、社内規程の整備や従業員教育等により万全を期しておりますが、不測の事態により個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合には、当社グループの社会的信用力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) その他法的規制について

当社グループは、独占禁止法、薬機法の他、食品の安全管理、環境・リサイクル等に関する法令等に十分留意して事業活動を行っておりますが、万が一これらの法令に違反する事由が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。また、将来的に当社グループが規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合、各種規制事項を遵守するためのコストが増加することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3 「固定資産の減損に係る会計基準」について

当社グループは、減損会計を適用しておりますが、翌事業年度以降も収益性の低い店舗等について減損処理がさらに必要となった場合や今後の地価の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態にさらなる影響が及ぶ可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の持ち直しを背景に緩やかな回復基調が続いたものの、個人消費は伸び悩み、力強さを欠く展開となりました。また、米国の財政・通商政策が世界経済に及ぼす影響が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況で推移しております。小売業界におきましては、オーバーストアや業態を超えた競争の激化、人員不足感の高まり等を受け、厳しい経営環境が続いております。

このような状況の下、中期3ヵ年経営計画の最終年度を迎えた当社グループは、スーパーマーケットの既存店強化やインフラの効率的活用を図る「構造改革の推進」、ドラッグストア及びホームセンター事業の業容拡大を目指す「成長ドライバーの育成」、事業会社の成長とガバナンス強化を促す「組織基盤の強化」に取り組んでまいりました。平成29年2月に導入を開始したプリペイド式電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」の会員数は、初年度想定を超える208万人に達し、利用率も計画を上回るペースで推移しました。店舗競争力や商品力の向上につきましては、進捗が遅れていたスーパーマーケット事業において、改装・新設店舗で試みた売場構成の成果がようやく現れ始めました。但し、改装未着手店舗の収益悪化により、改装費用が吸収できず、収益構造の改善には時間を要しております。ドラッグストア事業においては、第3四半期より価格政策を見直し、既存店の更なる伸張を目指したところ、売上の増加に伴い、経費率の低減効果が得られました。しかしながら、想定より低下した売上総利益率の是正が遅れ、収益性の向上が継続的な課題となっております。第4四半期に大規模改装が続いたホームセンター事業でも経費率が悪化するなど、主要3事業で収益性が低下し、中期3ヵ年経営計画の戦略目標「経営効率の改善」に対して多くの課題が残りました。

その結果、当連結会計年度の営業収益は前年同期比4.5%増5,440億20百万円となりました。営業利益は前年同期比12.8%減134億70百万円に、経常利益は前年同期比10.9%減149億37百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比28.1%減75億70百万円となりました。なお、グループ全体の店舗数は、当連結会計年度末で799店舗となっております。

セグメントの業績は次のとおりであります。

<スーパーマーケット(SM)事業>

SM事業の営業収益は3,459億60百万円前年同期比2.8%増)、営業利益は85億18百万円前年同期比12.5%減)となりました。

既存店の強化を課題とするSMバローは28店舗で改装を行い、「カテゴリーキラー」として広域からの集客を可能にする魅力ある店づくりを進めました。改装にあたっては、平成29年10月新設の「SMバロー勝川店」(愛知県春日井市)や11月新設の「SMバロールビットタウン店」(岐阜県中津川市)などに導入した品揃え、価格、鮮度・美味しさへの取り組みを波及させております。増床により売場面積が700坪を超えた「SMバロー羽島インター店」(岐阜県羽島市)では、青果・精肉部門を拡張するなど、売場構成を大きく変更し、青果からインストア・ベーカリーまで魅力あるカテゴリーを配置しました。課題としていた鮮魚部門では商品化を見直すとともに、テナント導入による補強を行い、生鮮の魅力の連続性を高めております。

惣菜部門ではベーシックな商品の品質向上と育成に取り組み、調理方法を見直した焼き鳥の販売金額は前年同期比1.5倍、焼きそば・たこ焼き等は同1.9倍に伸張し、製造段階の利益改善にも繋がりました。主力商品の「手巻きおにぎり」8種、「こだわりおにぎり」6種については製法を変更し、米の旨味と塩本来の味わいが感じられるおにぎりに仕上げております。また、商品力の向上を目的として、平成29年9月、惣菜専門店の2号店となる「デリカキッチン近鉄パッセ店」(愛知県名古屋市中村区)を開設いたしました。

店舗につきましては、平成29年4月に移転新設した「SMバロー北寺島店」(静岡県浜松市中区)を含む8店舗を開設、2店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在のSM店舗数はグループ合計281店舗となりました。SMバローの既存店売上高は前年同期比で1.6%減少しましたが、前期から当期に開設した店舗や前期に子会社化した株式会社公正屋の寄与、惣菜の製造・販売事業の伸張により、事業全体で増収を確保しました。インフラの効率改善は引き続き進展したものの、人件費や新店・改装費用の増加により、事業全体で減益となりました。

 

<ドラッグストア事業>

ドラッグストア事業の営業収益は1,179億49百万円前年同期比10.2%増)、営業利益は25億32百万円前年同期比6.0%減)となりました。

同事業では、利便性の向上による集客拡大と専門性の強化を図り、30店舗で改装を行ったほか、岐阜県・愛知県を中心に27店舗を新設、3店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数は361店舗となりました。平成29年9月新設の「V・drug岐阜県庁西店」(岐阜県岐阜市)では、医薬品・化粧品の強化と併せて食品部門を拡充し、中部フーズ株式会社が店内製造・販売業務を担う惣菜売場や株式会社タチヤが運営する青果・精肉売場を設置しました。10月に移転新設した「V・drug高山中央薬局」(岐阜県高山市)でも惣菜売場を導入したほか、脳・血管年齢や基礎代謝を測るヘルスチェック・コーナーの設置や化粧品売場の充実を図りました。また、オペレーションの効率化に向けて、「V・drug長久手南店」(愛知県長久手市)、「V・drug可児川合店」(岐阜県可児市)を改装して販促策をEDLP(エブリデイ・ロー・プライス)に変更し、自動発注の拡大や機能が重複する商品の削減を進めたところ、商品管理に係る作業を大幅に削減できたため、同様の変更を計10店舗に拡大しております。

既存店の更なる伸張を目指して、第3四半期より価格政策の見直しを図り、地域別の価格設定や売れ筋商品のEDLP化を進めました。好調に推移してきた調剤や化粧品に加え、食品部門が高い伸びを示し、中部薬品株式会社の既存店売上高は前年同期比で4.6%増加しました。前期から当期にかけて開設した店舗も寄与しましたが、増加した人件費や新店開業費用を吸収できず、増収減益となりました。

<ホームセンター(HC)事業>

HC事業の営業収益は535億55百万円前年同期比6.3%増)、営業利益は21億49百万円前年同期比6.6%減)となりました。

同事業では専門性を追求するとともに、「地域一番店」を目指して、自動車タイヤ交換やペット等の「暮らし」を支えるカテゴリーを強化しました。平成29年4月、静岡県初進出となる「HCバロー浜松浜北店」(静岡県浜松市浜北区)を開設し、当連結会計年度末現在の店舗数は36店舗となりました。同店の商圏特性から、アウトドア・レジャー用品を強化部門とし、新たな品揃え・展開手法を他店舗へも移植しました。また、自動車タイヤの取付け・保管サービス「タイヤ市場」を計11店舗に拡大したほか、2拠点目となるセルフサービス式ガソリンスタンドを「HCバロー瑞浪中央店」(岐阜県瑞浪市)に設置しております。

専門性の更なる強化を図るため、平成30年2月に既存店を業態転換し、建築に携わるプロ(職人)を対象とする専門業態「PROsite(プロサイト)各務原インター店」(岐阜県各務原市)を開設しました。同店の開設に先立ち、工具・金物等の品揃えを補完する機能の構築やインターネット販売の効率的運営を目的として、インターネット専業の資材・工具販売業である株式会社ファースト(本社:宮城県仙台市宮城野区)の株式を取得し、子会社化いたしました。

HC事業におきましては、建築資材や農業資材・園芸に加え、自動車タイヤ交換やペット等の強化部門が好調に推移し、HCバローの既存店売上高は前年同期比で2.8%増加しました。前期から当期に開設した店舗も寄与しましたが、人件費や改装費用の増加により、増収減益となりました。

<スポーツクラブ事業>

スポーツクラブ事業の営業収益は113億97百万円前年同期比9.0%増)、営業利益は6億80百万円前年同期比6.5%増)となりました。

同事業につきましては、低投資かつ月会費を抑えたフィットネスジム「Will_G(ウィルジー)」の出店を加速するとともに、フランチャイズ(FC)運営にも本格参入し、「アクトスWill_Gカリブ梅島」(東京都足立区)など計22店舗を新設(うちFC運営は4店舗)、2店舗を閉鎖したほか、既存1店舗をFC運営へ転換し、当連結会計年度末現在の店舗数は95店舗(うちFC運営は7店舗)となりました。新設7店舗では現金を扱わない「キャッシュレス」方式の運営に取り組むなど、フロント業務の更なる簡素化を図っております。同事業は、会員数の増加やスタッフがサポートするストレッチング等の有料プログラムの伸張により、増収増益を確保しました。

 

<流通関連事業>

流通関連事業の営業収益は90億75百万円前年同期比5.6%減)、営業利益は37億25百万円前年同期比0.7%増)となりました。

物流、資材卸売、設備メンテナンスなど、流通に関わる事業に携わるグループ企業では、経費削減や環境負荷低減に繋がる設備導入を進めるとともに、規模拡大に対応するためのインフラの改善やサービスレベルの維持向上に努めました。物流事業においては、これまで「一宮物流センター」(愛知県一宮市)が愛知県西部及び周辺地域のSM及びドラッグストアに対する物流業務を担っておりましたが、ドラッグストア事業の中長期的な成長を支えるため、平成29年11月、「中部薬品木曽川物流センター」(愛知県一宮市)を新設し、同事業の物流業務を移管しました。

<その他の事業>

その他の事業の営業収益は60億82百万円前年同期比6.2%減)、営業利益は9億74百万円前年同期比20.0%減)となりました。

同事業には、ペットショップ事業、衣料品等の販売業及び保険代理店などが含まれております。ペットショップ事業においては、ペットの美と健康をサポートする新たな業態として、平成29年4月に「ペットフォレスト+C(プラスシー)町田金森店」(東京都町田市)、「同 センター南店」(神奈川県横浜市都筑区)を開設し、当連結会計年度末現在の店舗数は21店舗となりました。

 

組織基盤の強化につきましては、労務コンプライアンスの徹底を図るとともに、「働きやすい会社」の実現に向けて、平成29年7月、当社を含むグループ企業4社に勤務する社員(管理職を除く)を対象に、「勤務地選択制度」を導入いたしました。また9月には、多様な人材の活躍支援の一環として、当社可児事務所(岐阜県可児市)に企業内保育所「スマイルネストバロー広見保育園」を併設しております。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ164億59百万円増加し、2,859億47百万円となりました。

これは主に、新規出店等によるたな卸資産15億17百万円の増加及び設備投資等による有形固定資産99億24百万円の増加によるものであります。

負債は、支払手形及び買掛金18億78百万円及び借入金10億40百万円の増加により、前連結会計年度末に比べ110億19百万円増加し1,727億80百万円となりました。

また、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は前連結会計年度末に比べ53億7百万円増加し、1,123億65百万円となり、自己資本比率は39.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、149億38百万円前連結会計年度比1.9%増)となりました。これはフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたもの)が35億31百万円の収入となったものの、財務活動によるキャッシュ・フローが32億23百万円の支出となったことによるものであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ55億20百万円増加277億90百万円前連結会計年度比24.8%増)となりました。

これは主に、たな卸資産の増加12億73百万円及び法人税等の支払59億20百万円の支出があったものの、税金等調整前当期純利益118億29百万円、減価償却費139億52百万円の計上及び未払金及び未払費用の増加41億77百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ26億89百万円増加し242億58百万円前連結会計年度比12.5%増)となりました。

これは主に、差入保証金の回収8億72百万円の収入があったものの、新規出店及び改装による有形固定資産の取得214億47百万円及び差入保証金の差入による支出20億92百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ55百万円増加し32億23百万円前連結会計年度比1.7%増)となりました。

これは主に、長期借入金の調達198億97百万円があったものの、長期借入金の返済192億82百万円、ファイナンス・リース債務の返済16億92百万円及び配当金の支払21億49百万円があったことによるものであります。

 

③ 販売及び仕入の実績
a. 販売実績

セグメント別営業収益

セグメントの名称

営業収益(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

345,960

102.8

ドラッグストア事業

117,949

110.2

ホームセンター事業

53,555

106.3

スポーツクラブ事業

11,397

109.0

流通関連事業

9,075

94.4

その他の事業

6,082

93.8

合計

544,020

104.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 商品仕入実績

セグメント別商品仕入

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

236,062

102.3

ドラッグストア事業

82,327

107.9

ホームセンター事業

37,577

106.9

スポーツクラブ事業

698

138.9

流通関連事業

14,702

97.5

その他の事業

3,111

101.0

合計

374,480

103.8

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収益、費用に対して分析を行っております。また、貸倒債権、偶発債務、訴訟等の見積りの行いにくいものに対して、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、スーパーマーケット8店舗、ドラッグストア27店舗、ホームセンター1店舗及びスポーツクラブ22店舗の積極的な出店を行ったことにより、営業収益は5,440億20百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。営業収益の増加に伴い売上原価は3,943億99百万円前連結会計年度比4.4%増)、営業収益に対する比率は前年と同じく72.5%となりました。

販売費及び一般管理費は1,361億50百万円前連結会計年度比6.8%増)、営業収益に対する比率は前年に比べ0.5ポイント悪化し25.0%となりました。

以上の結果、営業収益に対する営業利益の比率は、前年に比べ0.5ポイント悪化し2.5%となりました。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、運転資金及び設備投資は営業キャッシュ・フローの範囲内で行う方針であり、営業キャッシュ・フローでまかないきれない時は、資金調達を行います。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。