第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

①経営理念

当社グループは、「創造・先取り・挑戦」を経営理念とし、それらを綱領として定めております。この理念は1958年の創業時から現在に至るまで、グループ全社員に共有され、企業経営の礎となっております。

「綱領

バローグループの全社員は実業人としての自覚を持ち、地域社会の繁栄と社会文化の向上に寄与せんことを期す。このために一人一人は「誠」をモットーとして業務に当たり、創造、先取り、挑戦の姿勢で目標を高く掲げ、強い団結の下に英知と努力をもって徹底的に力闘するものなり」

 

②経営戦略

当社グループは、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、スポーツクラブなど、多様な事業を展開しております。この背景には、当社グループが郊外より事業を拡大してきた経緯から、地域のニーズに幅広く対応して顧客との接点を強化するとともに、複数の事業で収益を支えながら経営の安定性を求めてきたことがあります。また、調達・製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を志向し、製造・加工拠点、物流センター等のインフラを整備し、自ら中間流通機能を担いながら、流通経路の効率化や商品力の向上に努めております。

当社グループは、複数の業態を組み合わせた商業施設を開発するほか、グループ全体で中間流通機能の活用を進めるなど、経営資源を組み合わせてシナジーを創出しながら、企業価値の向上に取り組んでおります。

 

③中期3ヵ年経営計画

中長期的な企業価値向上に向けて、当社グループは、2015年3月期までの5ヵ年、2018年3月期までの3ヵ年を対象に、中期経営計画を策定・遂行してまいりました。2015年3月期までの5ヵ年は、「事業規模の拡大」を戦略目標とし、スーパーマーケット及びドラッグストアの出店を加速するとともに、規模拡大に対応すべく、物流、製造・加工拠点等のインフラを整備・拡充しました。2018年3月期までの3ヵ年は、「経営効率の改善」を戦略目標とし、スーパーマーケットの既存店強化やインフラの効率改善を図りながら、ドラッグストアをグループの成長を牽引する事業と位置づけ、高水準の出店を続けてまいりました。

しかしこの間、少子高齢化による消費・生産人口の減少、消費者の購買行動の変化やオーバーストア・業態間競争の激化など、事業を取り巻く環境は大きく変化しております。このような中、従来の店づくりで店舗数を拡大しても企業価値の向上には繋がらないと判断し、2019年3月期を起点とする中期3ヵ年経営計画では、店舗が提供すべき価値を再設計するとともに、店舗を支えてきた「しくみ」も改良しながら、次の成長を支える基盤を構築してまいります。

なお、2019年4月にアレンザホールディングス株式会社を連結子会社化したことに伴い、2020年3月期よりホームセンター事業の規模が拡大し、セグメント別収益・資産構成に変化が見込まれることから、中期3ヵ年経営計画の基本方針及び重点施策は堅持しつつ、2019年5月9日に公表の通り、定量目標を更新いたしました。今後、シナジー効果の創出と併せて、資産効率の改善にも取り組んでまいります。

1.基本方針

「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」

2.重点施策

(1)競争力あるフォーマットへの転換

・主力3事業(スーパーマーケット・ドラッグストア・ホームセンター)では、お客様の来店動機が「近さ」から「商品力」に変わるよう、専門性の追求や強化カテゴリーの魅力度向上を図る。

・スーパーマーケット事業では年間30~40店舗の改装や新設店の大型化・リロケーションを通じ、従来型店舗からの転換を急ぐ。ドラッグストア事業は引き続き成長ドライバーとしての役割を担うものの、改装と併せてリロケーションやスクラップ&ビルドを行い、専門性と利便性を兼ね備えた競争力ある店舗への転換を図る。

・資産効率の改善に向けて、グループの経営資源を有効に活用するとともに、上記の効果が見込めない不採算店舗については、3ヵ年で閉鎖や業態転換を進める。

(2)製造小売業への進化

・お客様に選ばれる商品力、外販可能なサービス品質・コスト競争力を実現する。

(3)新たな成長軸の確立

・スポーツクラブ事業では、低投資かつ月会費を抑えたフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」を3ヵ年でFC展開を併せて200店舗以上出店し、店舗網の早期構築によりシェアの向上を図る。

・地域の社会的課題を解決する機能の提供やインターネット販売業の展開拡大など、グループの経営資源を活かしながら、リアル店舗と共生する事業を育成する。

3.主要指標・財務政策

(1)定量目標(2021年3月期)

 

策定(2018年5月10日)

更新(2019年5月9日)

規模

連結営業収益

6,000億円

6,800億円

連結経常利益

185億円

210億円

収益性

ROA

6.0%

5.6%以上

RОE

8.5%以上

7.7%以上

 

(2)財務政策

①キャッシュ・フローの創出

・収益性の向上により、3ヵ年で累計900億円以上の営業キャッシュ・フローを創出する。

②利益配分

a.成長投資

・設備投資は年間250~260億円を予定し、そのうち30~40%を既存店投資に充当する。

b.配当

・従来からの配当方針に基づき、配当性向25%を目処に、安定的かつ継続的な利益還元を行う。

③財務規律

・デット・エクイティ・レシオ0.8倍、自己資本比率40%を目安とする。

4.配当方針

今後の長期的・安定的な事業展開に備え、企業体質の強化のために内部留保を高めつつ、株主の皆様に対して、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを基本方針としております。この方針に基づき、連結配当性向25%を中長期的目標としております。

なお、この中期経営計画の期間終了後については、改めて新たな中期経営計画を策定し、公表する予定であります。

 

④優先的に対処すべき課題

当社グループが主として属する食品流通業界では、社会構造の変化を受けて、各業態でビジネスモデルの見直しを迫られています。スーパーマーケットはこれまで、経済成長や人口増加を前提として、店舗を標準化してドミナント政策の下に多店舗化し、少人数による効率的運営を追求してまいりました。しかし、ドラッグストアをはじめ、食品を取り扱う業態が店舗数を増やすなか、スーパーマーケットが選ばれてきた「近い」という優位性が失われつつあり、より広域から集客できるフォーマットに転換できるかが問われています。

このような環境の下、スーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターの主要3事業を中心に、より商品に焦点をあてた競争力あるフォーマットへの転換を進め、収益改善を図ってまいります。スーパーマーケット事業では、来店動機となる強い商品・カテゴリーを持った「デスティネーション・ストア」を目指し、中型店舗改装を重点的に実施しながら、その核となる商品力の向上にも注力いたします。また、アレンザグループと統合したホームセンター事業では、プライベート・ブランドの切り替えを促進するとともに、開発基準を価格から価値志向へ転換してまいります。企業間連携によるシナジー効果を創出しながら、資産効率の改善にも取り組んでまいります。

 

 <新型コロナウイルス感染症の影響>

新型コロナウイルスの感染拡大により、当社は経営戦略の柱の一つである多様な事業展開は経営の安定性に繋がると改めて認識しております。日本国内では、密閉空間で多くの人が近接して運動するスポーツクラブに対し、クラスター(小規模な集団感染)の発生懸念から休業要請を出す地方自治体が多く、当社のスポーツクラブ事業も営業自粛等の対応を迫られました。一方、スーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターの主要3事業は、ライフラインを担う使命から営業の継続と商品の安定供給に努め、マスク・除菌関連商品等の感染予防需要に応えるとともに、休校措置や外出自粛に伴う食材や住居用品ニーズに対応してまいりました。その結果、当連結会計年度の経営成績への影響は限定的なものに留まったと考えております。

また当社では、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活の変化を余儀なくされた消費者は、収束後に元へ戻るのではなく、新たなスタイルを模索すると考えております。外出自粛を機に自宅で食事を摂り、住空間に手を加える機会が増えた消費者のうち、緊急事態宣言が解除された後も調理やDIYに興味を持ち続ける層が一定程度見受けられています。当社グループは、生活スタイルの変化による需要拡大効果を一時的なものとせず、また外出自粛傾向が続くなかで健康維持・増進への関心もより高まると見られることから、グループの経営資源を活用しながら消費者の変化に対応する商品・サービスを提供してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

1 当社グループの業績に影響を与える要因について

(1) 小売業の外部環境について

当社グループの事業は小売事業を中心としており、同事業を取り巻く外部環境として、今後の景気動向、価格競争の激化、同業種や異業種との競合の進展状況、消費者に係る税制の変更、気候変動等の要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 出店政策について

当社グループは、スーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターにおいて、生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨品、住居関連商品及び医薬品の販売を主要業務とした流通業を営んでおり、この他にスポーツクラブなどを運営しております。

当社グループでは、今後とも出店地域を中心としてドミナントエリア化を意図し店舗密度を高めていく方針であり、M&Aによる店舗数拡大も検討していく方針ですが、新規出店の基準に合致した物件を確保できない場合や、法的規制等により計画どおりの出店ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 食品の安全性について

当社グループは調達から販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を目指しており、食品の流通経路における品質管理を徹底するとともに、製造・加工拠点、店舗において、厳格な衛生管理と適正な食品表示に努めています。しかし万一、食中毒や異物混入等の品質事故や食品表示の誤りが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 自然災害等について

当社グループは、店舗の耐震性、防災対応マニュアルの整備、避難訓練の実施等、自然災害や事故等に対しできる限りの対策を講じておりますが、地震・台風等の大規模自然災害や流行性感染症が発生した場合には、当社グループの店舗での営業継続や販売商品の調達について影響を受ける可能性があります。大規模自然災害については、当社グループの店舗の多くが岐阜県、愛知県に所在しているため、東海大地震が発生した場合には、事業活動の一部中断等により当社グループの業績及び財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。また、流行性感染症について、主に飛沫感染や接触感染を感染経路として感染が拡大した場合に、営業活動の自粛等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 新規事業への参入について

当社グループは、当社グループの事業目的に沿って優良企業との提携及び資本参加を積極的に実施する方針であり、新規事業に参入することも検討いたしております。しかしながら、新規事業の参入にあたり、外部環境の変化等各種の要因によって、当社グループが期待するとおりの成果をあげられない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 金利変動について

当社グループでは、新規の出店等に伴う設備投資のために借入金等により資金を調達することもあり、当期末における連結ベースの借入金及び社債残高は1,108億59百万円であります。このため今後の金利動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 人材の確保について

当社グループは、更なる成長を実現するため、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題と認識し、社員の配置転換、新卒及び中途採用、外国人技能実習生の受け入れを行うなど人材の確保及び育成に注力しております。しかしながら、今後、人材確保及び育成が計画通り進まない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報システムのリスクについて

当社グループは、通信ネットワークを介して基幹システム、物流管理システム、店舗業務支援システム等を使用しております。また、通信販売、クレジットカード決済、電子マネー決済やポイントカード等により多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらに対し適切なセキュリティ対策を実施しておりますが、災害、停電、ソフトウェア及び機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

<新型コロナウイルス感染症の影響について>

当社グループでは、2020年1月より新型コロナウイルス感染症対策として、BCP(事業継続計画)対策本部を設置し、感染防止簡易マニュアルを作成して従業員の健康管理を啓発するとともに、出張や会議・研修等に関する行動指針や感染が疑われる場合にとるべき行動を提示し、感染防止への取り組みを進めてまいりました。

各事業ではお客様と従業員の安全を最優先に考え、店舗施設に飛沫感染防止策を講じるとともに、需要の急激な変動に対して商品の安定供給に努めました。また、スポーツクラブ事業では2月下旬から3月中旬にかけて、開催予定イベントの中止や全店舗営業自粛などの措置をとりました。当連結会計年度において、営業自粛期間中に発生した固定費やイベントの開催準備・中止に係る費用を特別損失に計上しております。

2020年4月以降の状況につきましては、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受けて、管理業務や商品仕入及び営業統括業務を中心とする事業所に分散勤務やテレワークを導入し、事業継続に向けた環境を整備するとともに、各事業の店舗施設では接触感染防止に向けて混雑緩和策を拡充しました。なお、スポーツクラブ事業では地方自治体の休業要請に従い、最大181店舗の営業を自粛しました。

その後、緊急事態宣言の解除に伴い、分散勤務やテレワークを導入した事業所については通常の勤務体制に戻しております。営業自粛が続いていたスポーツクラブ事業では、休業要請が解除された地域から営業を順次再開し、6月初旬には全店舗で営業しておりますが、同事業への影響は2021年3月期を通して継続すると考えております。

 

2 当社グループに対する法的規制について

(1) 大規模小売店舗立地法について

当社グループの店舗の出店及び増床に際しては「大規模小売店舗立地法」の規制対象となっており、店舗面積1,000㎡を超える新規出店及び増床については、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられています。届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理について、地元住民の意見を踏まえ、都道府県・政令指定都市が主体となって審査が進められます。

同法の適用により、当初の計画どおりに店舗の新規開設や既存店舗の増床等ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、建築基準法が改正され、新規出店及び改装に際し、審査期間の長期化や出店コストの増加等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 個人情報の漏洩について

個人情報の管理については、情報端末のセキュリティシステムの強化、社内規程の整備や従業員教育等により万全を期しておりますが、不測の事態により個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合には、当社グループの社会的信用力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) その他法的規制について

当社グループは、独占禁止法、薬機法の他、食品の安全管理、環境・リサイクル等に関する法令等に十分留意して事業活動を行っておりますが、万が一これらの法令に違反する事由が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。また、将来的に当社グループが規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合、各種規制事項を遵守するためのコストが増加することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 「固定資産の減損に係る会計基準」について

当社グループは、減損会計を適用しておりますが、翌事業年度以降も収益性の低い店舗等について減損処理がさらに必要となった場合や今後の地価の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態にさらなる影響が及ぶ可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いたものの、新型コロナウイルス感染症の影響から内外経済の下振れリスクが高まるなど、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。流通業界におきましては、業態を超えた競争の激化や人員不足感の高まり等を受け、厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下、当社グループは持続可能な事業活動の実現に向けて、2019年4月に人材開発センターを稼働し、現場力を高める技術研修や次世代幹部養成研修を拡充しました。また、輸送を必要とする多くの業界でトラック運転手の不足等を課題としていることから、当社物流センターで入荷予約システムを活用してトラックの待機時間を解消するとともに、加工食品の発注リードタイムを延長して入出荷作業の平準化を進めるなど、お取引先様と協働して物流の安定的な確保に努めました。

2期目を迎えた中期3ヵ年経営計画の進捗につきましては、基本方針「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」に沿って、より商品に焦点をあてた競争力あるフォーマットへの転換に注力しました。スーパーマーケット事業では既存店改装・リロケーションを行い、ドラッグストア事業では商圏特性に合わせた商品や機能の拡充を進めました。また、株式会社ホームセンターバローとアレンザホールディングス株式会社との間で、2019年4月1日を効力発生日とする株式交換を通じてホームセンター事業を統合し、シナジー創出への取り組みを本格化させました。

その結果、当連結会計年度の営業収益は前年同期比19.8%増6,780億96百万円となりました。営業利益は前年同期比9.2%増155億15百万円に、経常利益は前年同期比4.9%増168億78百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比18.1%減64億77百万円となりました。なお、当連結会計年度末現在のグループ店舗数は、1,175店舗となっております。

統合により規模が拡大したホームセンター事業及びその他の事業(ペットショップ事業を含む)、前期から当期にかけてM&Aを行ったスーパーマーケット事業、既存店売上高が好調に推移したドラッグストア事業が増収に寄与しました。ホームセンター事業及びその他の事業、ドラッグストア事業は利益面にも寄与し、営業利益及び経常利益は2期連続増益となりましたが、特別損失が増加したほか、アレンザホールディングス株式会社の子会社化に伴い、控除対象の非支配株主に帰属する当期純利益が増加したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

<スーパーマーケット(SM)事業>

SM事業の営業収益は3,727億33百万円前年同期比5.5%増)、営業利益は90億50百万円前年同期比4.1%減)となりました。

同事業では、来店動機となる強い商品・カテゴリーを持った「デスティネーション・ストア」への進化を目指し、生鮮を中心に強化品群を際立たせた売場構成への変更を進めました。株式会社バローでは、大型店を中心に実施してきた改装を全社的に波及させるため、2020年2月より店舗数の約4割を占める中型店舗(売場面積400~550坪)の重点的改装に着手しました。売場を拡張した畜産部門では、強化した牛肉が売上を牽引し、畜産プロセスセンターで加工度を高めた商品が利益を下支えしました。前期より強化を図ってきた果物部門では、産地直送の取り組みを軸に地方市場の活用やグループ企業間での産地共有を付加するなど、柔軟な仕入体制を構築し、当期より強化対象に加えた鮮魚部門では、新たな取引先を開拓して鮪の販売を強化し、商品化にこだわった刺身盛合せや旗艦店の好事例が波及した刺身用柵取りセットの販売を大きく伸ばしました。また、とんかつ・唐揚げなど、ベーシックな自社商品を改良して集中販売した惣菜部門では、販売量の増加が工場の生産性改善に繋がりました。

企業間連携につきましては、当社、株式会社アークス及び株式会社リテールパートナーズとの間で締結した資本業務提携の下、加工食品では限定商品の導入や共同販促企画の実施、生鮮食品では共同仕入を通じてスケールメリットを享受するとともに、産地情報を共有して売場の強化に繋がる商品を導入しました。また、当社グループの調達・製造機能間連携も課題としていたため、3月に中部フーズ株式会社が開設した持ち帰り寿し専門店「寿し匠味」(愛知県名古屋市中村区)において、株式会社ダイエンフーズや本田水産株式会社が取り扱う海鮮素材を使用した「まぐろづくし丼」や「三陸産金華さばの炙り棒寿し」を開発・導入しております。

同事業におきましては、2019年8月に千葉県で生鮮ディスカウントストアを展開する株式会社てらお食品を子会社化し、同社の4店舗を併せて14店舗を新設、リロケーション・業態転換に係る2店舗を含む計6店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計298店舗となりました。店舗競争力と地域シェアの向上を目指し、「SMバロー中志段味店」(愛知県名古屋市守山区)、「SMバロー正家店」(岐阜県恵那市)を移転新設したほか、業態転換により「タチヤ長久手店」(愛知県尾張旭市)を開設しました。

同事業は、前期から当期に子会社化した株式会社フタバヤ、三幸株式会社及び株式会社てらお食品が寄与し、増収となりました。株式会社バローでは既存店売上高が前年同期比で1.7%減少したものの、生鮮売上構成比の上昇やオペレーションの安定化により売上総利益率の改善が進み、増益となりました。しかしながら、三幸株式会社で収益が悪化したほか、株式会社公正屋及び韓国におけるSM事業で開業費用を吸収しきれず、事業全体で減益となりました。

 

<ドラッグストア事業>

ドラッグストア事業の営業収益は1,393億58百万円前年同期比9.1%増)、営業利益は43億17百万円前年同期比23.8%増)となりました。

 同事業におきましては、岐阜県で調剤薬局を展開する有限会社ひだ薬局を2019年7月に、有限会社サンファーマシーを12月に子会社化し、2社の8店舗を併せて42店舗を新設、スクラップ&ビルド対象4店舗を含む計5店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計416店舗(うち調剤取扱107店舗)となりました。

商圏特性に合わせた店づくりを進め、スクラップ&ビルドで売場を拡張した「V・drug根本店」(岐阜県多治見市)では、化粧品・ヘアケア用品を拡充するとともに、旧店舗跡地にクリニックを誘致し、調剤部門を併設しました。また、都心部への新たな展開として、「V・drug内山店」(愛知県名古屋市千種区)、「V・drug栄本町通店」(愛知県名古屋市中区)を開設し、テスティング・カウンターを備えた化粧品売場を展開するとともに、惣菜やインバウンド対応商品を導入しました。2020年3月には、都心型旗艦店と位置づける「Vdrug錦二丁目店」(愛知県名古屋市中区)を新たなブランディングの下に開設し、メイクやヘアカラーのバーチャル体験ができるアプリや4種類の健康測定器を導入したほか、惣菜をはじめ、都心部の需要に応じたカテゴリーを充実させました。

専門性の強化に向けて、カウンセリングを必要とする医薬品や化粧品の販売に引き続き注力するとともに、接客時間を創出するため、商品補充の効率化を進めました。また、段階的に進めてきたEDLP(エブリデイ・ロー・プライス)及びローコスト・オペレーションを志向した店舗への移行を8月に完了し、チラシ投入回数の削減等による経費削減を原資に、地域の競争状況に応じた価格設定とするなど、競争力の維持にも努めました。

同事業では食品や調剤の伸張に加え、新型コロナウイルス感染症対策としてマスク・除菌関連商品の販売も進み、既存店売上高が前年同期比で5.3%増加しました。前期から当期にかけて開設した店舗も寄与したほか、経費率の低減効果が大きかった第2四半期までの業績や第4四半期における売上総利益率の改善に支えられ、増収増益となりました。

 

<ホームセンター(HC)事業>

HC事業の営業収益は1,143億1百万円前年同期比107.2%増)、営業利益は34億65百万円前年同期比32.5%増)となりました。なお、当連結会計年度には、子会社化したアレンザホールディングス株式会社の2020年2月期(2019年3月1日~2020年2月29日)の当該事業の業績が含まれておりますが、株式会社ホームセンターバローにつきましては、2019年4月1日から2020年2月29日までの11か月間を対象としております。

同事業では、事業統合を機にアレンザグループで実施した販促企画「アレンザホールディングス誕生祭」が好調な滑り出しを見せるなか、商品力の向上に向けて合同商談を開催しました。地域競争力の強化とシナジー創出を着実に進めるため、持株会社にあった仕入機能を事業会社(株式会社ダイユーエイト、株式会社タイム)に移行し、持株会社が商品開発・共同仕入を推進して原価低減を図るよう、9月に組織体制を改めました。プライベート・ブランドにつきましては、旧商品をグループで販売して在庫調整をしながら、新ブランド「Alleanza(アレンザ)」の開発・導入を順次進めております。

店舗につきましては、「ダイユーエイト福島西店」(福島県福島市)をグループのペットショップとともに移転新設するなど、株式会社ダイユーエイトで6店舗を新設、4店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計148店舗となりました。株式会社ホームセンターバローでは、4月に建築・土木工事等に携わるプロを対象とした「PROsite(プロサイト)名港店」(愛知県名古屋市港区)を業態転換により開設したほか、10月には「HCバロー中津川坂本店」(岐阜県中津川市)に「工具・資材館」を設置し、建築資材、工具・金物、作業衣料等を拡充しました。これらの運営ノウハウは、2020年2月に株式会社ダイユーエイトが開設した「エイトプロ福島西店」(福島県福島市)に移植されております。

同事業では、株式会社ダイユーエイト、株式会社ホームセンターバロー及び株式会社タイムの3社計で既存店売上高が前年同期比で0.4%減少しましたが、アレンザグループの当該事業が寄与し、増収増益となりました。

 

<スポーツクラブ事業>

スポーツクラブ事業の営業収益は135億97百万円前年同期比3.3%増)、営業利益は5億56百万円前年同期比17.3%減)となりました。

同事業においては、低投資かつ月会費を抑えたフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」の出店を加速しました。拡大を目指すフランチャイズ展開では、アレンザグループで6店舗、リテールパートナーズグループで1店舗の運営を開始するなど、企業間連携で企図したシナジー効果が創出されつつあります。一方、会員数が伸び悩む総合スポーツクラブの活性化に向けて、2019年12月にスポーツ用品販売業の株式会社アプローチを子会社化し、テニスコート併設型クラブ等の物販・情報提供機能の強化に着手しました。店舗につきましては、同社の3店舗を併せて46店舗(うちフランチャイズ運営22店舗)を新設し、当連結会計年度末現在の店舗数は192店舗(うちフランチャイズ運営50店舗)となっております。

同事業では、フィットネスジム新設店に占める直営比率が低下したものの、開業費用が先行する構造は依然として変わらず、増収減益となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による開催予定イベントの中止や全店舗における13日間の営業自粛等について、営業自粛期間中に発生した固定費やイベントの開催準備・中止に係る費用を特別損失に計上しております。

 

<流通関連事業>

流通関連事業の営業収益は106億87百万円前年同期比4.1%増)、営業利益は27億93百万円前年同期比4.0%減)となりました。

物流、資材卸売、設備メンテナンスなど、流通に関連する事業に携わるグループ企業では、店舗新設や改装に伴う什器導入や、経費削減及び環境負荷低減に繋がる設備入れ替えを進めました。物流事業では、三幸株式会社やアレンザグループが東海地方で展開するペットショップの物流業務を受託し、配送効率化に寄与したほか、前期からの経費増も一巡しましたが、第3四半期までの業績を補えず、また、前期に子会社化した再生資源卸売業が古紙需要低迷の影響を受け、事業全体で増収減益となりました。

 

<その他の事業>

その他の事業の営業収益は274億19百万円前年同期比339.2%増)、営業利益は14億10百万円前年同期比98.0%増)となりました。

 同事業には、ペットショップ事業、不動産賃貸業、衣料品等の販売業などが含まれております。なお、当連結会計年度には、アレンザホールディングス株式会社の2020年2月期(2019年3月1日~2020年2月29日)のペットショップ事業等の業績が含まれておりますが、株式会社ホームセンターバローにつきましては、2019年4月1日から2020年2月29日の11か月間を対象としております。

ペットショップ事業においても、グループ企業間でプライベート・ブランドの共同販売を進めました。店舗につきましては、株式会社アミーゴで4店舗を新設、1店舗を閉鎖、株式会社ホームセンターバローで2店舗を新設、株式会社ジョーカーで1店舗を新設し、当連結会計年度末現在のペットショップ店舗数はグループ合計107店舗と

 なっております。

その他の事業では、アレンザグループの当該事業が寄与し、増収増益となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ721億5百万円増加し、3,839億19百万円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて、現金及び預金61億93百万円、たな卸資産152億36百万円、有形固定資産324億48百万円、無形固定資産59億59百万円及び差入保証金46億51百万円が増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ568億55百万円増加し2,432億73百万円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金98億35百万円、電子記録債務57億66百万円、未払金41億16百万円及び借入金259億80百万円が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ152億50百万円増加し、1,406億45百万円となりました。なお、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は1,307億48百万円となり、自己資本比率は34.1%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ62億20百万円増加し、241億59百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ35億2百万円増加308億71百万円となりました。

これは主に前連結会計年度末に比べて、税金等調整前当期利益が59百万円、売上債権が33億78百万円減少したものの、減価償却費が25億1百万円、仕入債務が27億89百万円、未払金及び未払費用が20億89百万円増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ50億6百万円減少し、266億15百万円となりました。

これは主に前連結会計年度に比べて、事業譲受による支出が10億80百万円増加したものの、投資有価証券の取得が60億43百万円減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ78億54百万円減少し、5億51百万円(前連結会計年度は73億2百万円の資金の獲得)となりました。

これは主に前連結会計年度末に比べて、株式の発行による収入が33億86百万円、自己株式の売却による収入が30億85百万円減少したことによるものです。

 

 

③ 販売及び仕入の実績

a. 販売実績

セグメント別営業収益

セグメントの名称

営業収益(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

372,733

105.5

ドラッグストア事業

139,358

109.1

ホームセンター事業

114,301

207.2

スポーツクラブ事業

13,597

103.3

流通関連事業

10,687

104.1

その他の事業

27,419

439.2

合計

678,096

119.8

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 商品仕入実績

セグメント別商品仕入

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

252,191

104.7

ドラッグストア事業

96,540

108.8

ホームセンター事業

77,475

205.0

スポーツクラブ事業

1,109

98.6

流通関連事業

15,983

103.7

その他の事業

15,596

500.0

合計

458,896

118.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益6,780億96百万円(前年同期比19.8%増)、営業利益155億15百万円(前年同期比9.2%増)、経常利益168億78百万円(前年同期比4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益64億77百万円(前年同期比18.1%減)となりました。営業収益は25期連続増収で過去最高を更新し、営業利益及び経常利益は2期連続増益となりました。しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の増加やアレンザホールディングス株式会社の子会社化に伴う非支配株主に帰属する当期純利益の増加により、減益となりました。

増収分(1,121億65百万円)に対する主要セグメントの内訳は、ホームセンター事業が591億27百万円、その他の事業が211億76百万円、スーパーマーケット事業が194億21百万円、ドラッグストア事業が115億77百万円となりました。ホームセンター事業及びその他の事業ではアレンザグループの当該事業が寄与し、スーパーマーケット事業では前期から当期にかけて行ったM&Aが寄与して増収となりました。ドラッグストア事業では既存店売上高が好調に推移したのに加え、第4四半期には新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、マスク・除菌関連商品等の販売が拡大しております。

増益分(13億5百万円)に対する主要セグメントの内訳は、統合効果のあったホームセンター事業が8億49百万円、その他の事業が6億98百万円、経費率の低減と売上総利益率の改善が進んだドラッグストア事業が8億29百万円となるなど、主要事業で安定的な利益を確保しました。一方、スーパーマーケット事業では、前期に子会社化した三幸株式会社の収益悪化等により減益となりましたが、中核の株式会社バローで「デスティネーション・ストア」を目指した改装が進むとともに、教育の拡充やマネジメント手法の見直しを通じてオペレーションが安定し、売上総利益率の改善に繋がったことは成果として捉えております。なお、開業費用が先行したスポーツクラブ事業も減益となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大による開催予定イベントの中止や全店舗における13日間の営業自粛等について、営業自粛期間中に発生した固定費やイベントの開催準備・中止に係る費用を特別損失に計上したため、営業利益段階での影響は軽微となっております。

特別損失の内訳は主に、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく減損損失30億65百万円、災害による損失3億65百万円、営業自粛による損失2億72百万円となりました。なお、減損損失には第3四半期までに計上した店舗閉鎖や閉鎖物件解約の意思決定に伴う減損損失5億83百万円が含まれておりますが、これは中期3ヵ年経営計画開始時にスーパーマーケット事業を中心として候補に挙げていた閉鎖を順次進めた結果であります。

経営効率につきましては、ROAが前期の5.4%から4.9%へ、ROEが前期の6.7%から5.1%へと低下するなど、前期に比べて悪化しました。ROAの低下は、営業収益経常利益率が前期の2.8%から2.5%に低下したことが主な要因で、特に経費率が前期の25.0%から26.1%へ上昇したことによるものです。アレンザホールディングス株式会社の子会社化により、収益構造が大きく変わったのに対し、全体的な経費管理及び削減取り組みが十分ではなかったと考えております。また、ROEの低下は、親会社株主に帰属する当期純利益の減少や純資産に占める非支配株主持分の増加が影響しております。営業収益・営業利益は増加しましたが、資産の増加に対して利益改善が追いついておらず、経営効率の改善に課題が残りました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は241億59百万円となりました。

また、当社グループの主な資金需要は、商品仕入に伴う決済資金、販売費及び一般管理費等の営業費用及び新規出店費用、既存店の改装費用等の設備投資によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の活用を基本として、子会社の資金を含め一元管理を行い当社グループ内の資金需要に備えるとともに、資金の短期流動性を確保するため取引金融機関と総額673億50百万円の当座貸越契約を締結しております。

キャッシュ・フローの創出、資金使途及び財務規律については、中期3ヵ年経営計画にて方針を掲げておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大下においては、特に手元流動性の確保を重視したいと考えております。また、利益配分の考え方として、設備投資ではスポーツクラブ事業の新店投資を一時的に抑制するほか、株主還元については配当性向25%を目処に安定的かつ継続的に行うことを基本としながらも、内部留保を高めて経営の安全性を維持することも併せて重要と考えております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(のれんの減損処理)

当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合、繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当連結会計年度においてスポーツクラブ事業における営業自粛による店舗休業等の影響が生じております。当グループは、本感染症の拡大に伴うスポーツクラブ事業への影響が2021年3月期を通じて継続するとの仮定のもと、固定資産の減損会計及び繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。