第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針及び経営環境

①経営理念

当社グループは、「創造・先取り・挑戦」を経営理念とし、それらを綱領として定めております。この理念は1958年の創業時から現在に至るまで、グループ全社員に共有され、企業経営の礎となっております。

「綱領

バローグループの全社員は実業人としての自覚を持ち、地域社会の繁栄と社会文化の向上に寄与せんことを期す。このために一人一人は「誠」をモットーとして業務に当たり、創造、先取り、挑戦の姿勢で目標を高く掲げ、強い団結の下に英知と努力をもって徹底的に力闘するものなり」

 

②経営戦略

当社グループは、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、スポーツクラブなど、多様な事業を展開しております。その背景には、当社グループが郊外より事業を拡大してきた経緯から、地域のニーズに幅広く対応して顧客との接点を持ち、複数の事業で収益を支えながら経営の安定性を求めてきたことがあります。また、調達・製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を志向し、製造・加工拠点、物流センター等のインフラを整備し、自ら中間流通機能を担いながら、流通経路の効率化や商品力の向上に努めております。さらに、当社グループでは、複数の業態を組み合わせた商業施設を開発するほか、グループ全体で中間流通機能の活用を進めるなど、経営資源を組み合わせてシナジーを創出しながら、企業価値の向上に取り組んでおります。
 次項に記載する中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」、「サステナビリティ・ビジョン2030」の実現に向けて、今後は店舗のみならず、EC(電子商取引)や自社電子マネーLu Vit(ルビット)も活用し、顧客との接点を更に強化してまいります。また、商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」への移行には、製造機能の強化に加え、調達・製造拠点や企業間連携の広がりに対応した効率的なサプライチェーンの構築が不可欠であることから、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じて情報連携を図り、ビジネスモデルを進化させてまいります。

 

③中期3ヵ年経営計画

当社グループは、企業価値の向上に向けて、2011年3月期より中期経営計画を策定・遂行してまいりました。最初の5ヵ年は「事業規模の拡大」を戦略目標に掲げ、スーパーマーケット及びドラッグストアの出店を加速し、規模拡大に対応すべく、物流、製造・加工機能等のインフラを整備・拡充しました。「経営効率の改善」を課題とした2016年3月期からの3ヵ年は、スーパーマーケットの既存店改装とインフラの効率改善を進めながら、ドラッグストアをグループの成長を牽引する事業と位置づけ、高水準の出店を継続しました。そして、2019年3月期からの3ヵ年は、スーパーマーケットを中心に来店動機となる商品・カテゴリーを有する「デスティネーション・ストア」への転換を進めるとともに、その構成要素である商品力の向上に注力し、基本方針「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」にあるとおり、出店による成長からの転換を果たしました。
 同時に、企業間連携を通じて包括的な協働取り組みも進め、商品調達を始めとする領域で成果が現れつつありますが、経営効率の一層の向上を達成するためには、多様な経営資源を活かしきる必要があると考えております。また、新型コロナウイルス感染症の影響下、日常生活に欠かせない商品を安定供給するという変わることのない社会的使命と、新たな生活様式・消費行動に合わせて商品・サービスの提供方法を変える必要性の双方を認識し、当社グループが社会の中でどのような存在でありたいか、どのように価値創造を図るのかを改めて整理いたしました。

 

その結果、2030年を見据えた中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」、「サステナビリティ・ビジョン2030」を定め、その実現に向けて「バローグループ中期3ヵ年経営計画」を策定いたしました。企業理念に掲げる「創造・先取・挑戦」の姿勢で、持続的な成長と持続可能な社会の実現を目指して取り組んでまいります。

 

 1. 中長期経営方針(2022年3月期~2030年3月期)

 (1) ビジョン

◆バローグループ・ビジョン2030

 

バローグループの商品・サービス・決済で地域を便利に、豊かに繋ぐ「バロー経済圏」の構築と商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」を目指します。その実現に向けて、顧客との接点を強化し、「製造小売業」としてのビジネスモデルを進化させます。

◆サステナビリティ・ビジョン2030

 

バローグループは、持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通した全員活動によって地域社会の発展と社会文化の向上に貢献します。

 

 

 (2) 進化させるビジネスモデル

現在、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の1,200店舗以上の販売網があり、お客様に近いという利点を有しておりますが、今後は店舗のみならず、ECや自社電子マネーLu Vitを通じ、顧客との接点を強化してまいります。また、「デスティネーション・カンパニー」への移行には、製造機能の強化に加え、調達・製造拠点や企業間連携の広がりに対応した効率的なサプライチェーンの構築が不可欠であることから、DXを通じて情報連携を図り、ビジネスモデルを進化させてまいります。

 

 (3) 基本方針

①商品で繋ぐ

・「デスティネーション・ストア」を構成し、「バローグループにしかない」魅力ある商品を提供します。

・店舗を中心とする物流網から調達・製造等の機能全体を包括した効率的なサプライチェーン・インフラへの転換を図ります。

  ②顧客と繋がる

・店舗での販売に加え、ECやLu Vitカード・アプリの活用に注力します。

・EC戦略として2つの重点領域を設定し、主要業態がドミナントを形成する地域で自社の経営資源を中心に展開する「ドミナント自社EC」、アマゾンジャパン合同会社と展開するネットスーパー事業のように、自社で足りない技術を協業によって補完する「広域協業EC」に取り組みます。特に、「ドミナント自社EC」では、事業所向け配送事業ainoma(アイノマ)、ドライブスルーによる商品受け取り、その他無店舗販売事業を通じ、複数の接点を持ちながら、地域が抱える課題に対応します。

  ③社会との繋がりを意識した経営

・取締役会の実効性を高め、経営の透明性を確保するとともに、グループ企業に対する監督を強化し、当社の特徴であるグループ経営についてガバナンスを更に強化します。

・ビジネスモデルに関わる3つの重点領域「地球環境」「地域社会」「人材の多様化」について、6つの分科会(食品廃棄物の削減・資源循環の推進、気候変動対策・水の管理、廃棄物の削減・リサイクルの推進、買物課題の解決・健康増進支援、地域貢献、多様な人材の活躍支援)を設置し、グループ全従業員で取り組みます。

 

 (4) 中長期定量目標(2030年3月期)

規模

営業収益(注)1

1兆円超

営業利益

480億円超

経常利益

500億円超

経営効率

ROIC(投下資本利益率)(注)2

9%

 

(注) 1.2022年3月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。

2.ROICは税引後営業利益(税効果会計適用後の法人税等の負担率を使用)÷(有利子負債+自己資本+非支配株主持分)で算出。

 

 

 (5) サステナビリティKPI

 

基準

2030年3月期

(ご参考)2050年3月期

脱炭素化社会

の実現

サプライチェーン上の
温室効果ガス排出総量

40%削減
(2021年3月期比)

ゼロ

食品廃棄物

の削減

食品廃棄物発生量 18,983t
(2017年3月期実績)

45%削減
(2017年3月期比)

55%削減
(2017年3月期比)

 

(注) 食品廃棄物の削減についての基準は、株式会社バロー、株式会社タチヤ、株式会社食鮮館タイヨーで算出。今後はスーパーマーケット事業全体に対象を拡大。

 

 2. 中期3ヵ年経営計画(2022年3月期~2024年3月期)
 (1) 定量目標(2024年3月期)

規模

営業収益

7,800億円

営業利益

290億円

経常利益

310億円

経営効率

ROE

9.3%

ROIC

6.3%

D/Eレシオ

0.6倍

 

 

 (2) 戦略目標

「コネクト2030 ~商品・顧客・社会を繋ぐ」

 

 (3) 重点施策

①商品力の向上

1)「デスティネーション・ストア」への転換推進

・スーパーマーケット事業の既存店改装実施(年間約30店舗)

・商品知識・販売技術を習得する研修の拡充

・エキスパートを育成・処遇する人事制度の運用

2)製造機能の強化

・グループ製造機能の商品開発プロセスの見直し

・設備入れ替えによる品質・生産性の向上

3)サプライチェーンの情報連携

・データHUBの導入や登録情報の精度向上

②顧客との接点強化

1)EC戦略の推進(1. 中長期経営方針 (3) 基本方針 ②参照)

2)Lu Vitカード・アプリの活用

・Lu Vit会員情報に紐づいた購買履歴情報(ID‐POSデータ)を活用したデジタル販促、テスト・マーケティングの実施

・アプリの機能強化による予約販売・業態間連携、決済多様化への対応

③生産性の改善

1)ローコスト経営への基盤形成

・店舗のスマート・デバイス環境整備

・RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI活用による業務の自動化・簡素化

2)資産効率の改善

・店舗資産の有効活用やグループ企業間の機能統合

 

 (4) サステナビリティ・マネジメント

①グループ・ガバナンスの強化(1. 中長期経営方針 (3) 基本方針 ③参照)

 

②サステナビリティKPI

 

基準

2024年3月期

脱炭素化社会

の実現

 自社拠点CO2排出量〔電気由来〕
233,486t
(2020年3月期実績)

 〔電気由来以外も含む〕
10%削減
(2020年3月期比)

食品廃棄物

の削減

 食品廃棄物発生量

18,983t
(2017年3月期実績)

 35%削減
(2017年3月期比)

 

(注) 脱炭素化社会の実現についての基準は、連結営業収益84%以上を構成する16社を対象に算出。

 

 (5) 財務政策

①事業ポートフォリオ・マネジメント

・持続的な収益性改善が期待されるスーパーマーケット事業を柱に、効率性の高いホームセンター事業とともに安定成長を図ります。

・ドラッグストア事業の収益性はまだ低いものの、商品調達・開発でスケール・メリットが享受できるよう、当面は設備投資に資金を振り分けます。

・新型コロナウイルス感染症の影響を受けたスポーツクラブ事業は、健康増進という価値提供で顧客との接点を形成する位置づけから、収益適正化に向けて構造改革を更に進めます。

②キャッシュ・フローの創出と成長投資

・2024年3月期までの3ヵ年累計1,000億円以上の営業キャッシュ・フローを創出します。

・M&Aを除き、2024年3月期までの3ヵ年累計850億円程度の設備投資を行います。

・設備投資の内訳は、新店投資45~50%、既存店投資35%程度、DX関連を含むその他投資15~20%程度とします。

③財務規律

・デット・エクイティ・レシオ0.6倍を目処に、有利子負債を圧縮します。

・資金調達バランスの変化を踏まえ、経営効率指標として新たにROICを採用し、資本コストをより意識した経営を行います。

④株主還元

・今後の長期的・安定的な事業展開に備え、企業体質の強化のために内部留保を高めつつ、株主各位に対して、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを基本とする従来からの配当方針に基づき、配当性向25%を目処に、安定的かつ継続的な利益還元を行います。

 

(2)優先的に対処すべき課題等

新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、ワクチン接種による感染収束が期待されるものの、変異株拡大への懸念もあり、引き続き不透明な状況が続くものと思われます。当社グループが主として属する食品流通業界では、外出・外食自粛に伴う内食需要の継続が予想されますが、生活様式・消費行動が変化し、そのスピードが加速していることから、変化への対応力がより問われると言えます。
 2021年3月期までの中期3ヵ年経営計画を終えた当社グループは、基本方針「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」に掲げた通り、出店による成長からの転換について一定の成果を得られました。但し、経営効率の一層の向上を達成するためには、多様な経営資源を活かしきる必要があると考えております。また新型コロナウイルス感染症の影響下、日常生活に欠かせない商品を安定供給するという変わることのない社会的使命と、新たな生活様式・消費行動に合わせて商品・サービスの提供方法を変える必要性の双方を認識し、当社グループが社会の中でどのような存在でありたいか、どのように価値創造を図るかについて、2030年を見据えた中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」、「サステナビリティ・ビジョン2030」を定め、その実現に向けて「バローグループ中期3ヵ年経営計画」を策定しました。ドミナント形成地域では、バローグループの商品・サービス・決済で地域を便利に、豊かに繋ぐ「バロー経済圏」の構築を、展開全域においては、商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」を目指してまいります。その実現に向けて、顧客との接点を強化するとともに、DXを通じて、「製造小売業」としてのビジネスモデルを進化させます。また、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を通した全員活動によって、地域社会の発展と社会文化の向上に貢献してまいります。

 

上記ビジョンに基づく中期3ヵ年経営計画は、戦略目標を「コネクト2030 ~商品・顧客・社会を繋ぐ」に定め、製造機能の強化やサプライチェーンの情報連携による商品力の向上、EC戦略の推進やLu Vitカード・アプリを通じた顧客との接点強化に取り組むとともに、グループ・ガバナンスの強化、脱炭素化社会の実現及び食品廃棄物の削減など、サステナビリティ・マネジメントを推進いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの業績に影響を与える要因について

(1)  小売業の外部環境について

当社グループの事業は小売事業を中心としており、同事業を取り巻く外部環境として、今後の景気動向、価格競争の激化、同業種や異業種との競合の進展状況、消費者に係る税制の変更、気候変動等の要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)  出店政策について

当社グループは、スーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターにおいて、生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨品、住居関連商品及び医薬品の販売を主要業務とした流通業を営んでおり、この他にスポーツクラブなどを運営しております。

当社グループでは、今後とも出店地域を中心としてドミナントエリア化を意図し店舗密度を高めていく方針であり、M&Aによる店舗数拡大も検討していく方針ですが、新規出店の基準に合致した物件を確保できない場合や、法的規制等により計画どおりの出店ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)  食品の安全性について

当社グループは、調達から販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を目指しており、食品の流通経路における品質管理を徹底するとともに、製造・加工拠点、店舗において、厳格な衛生管理と適正な食品表示に努めています。しかし万一、食中毒や異物混入等の品質事故や食品表示の誤りが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)  自然災害・流行性感染症について

当社グループは、感染症対策マニュアルの整備、店舗の耐震性、防災対応マニュアルの整備、避難訓練の実施等、自然災害や事故等に対しできる限りの対策を講じておりますが、地震・台風等の大規模自然災害や流行性感染症が発生した場合には、当社グループの店舗での営業継続や販売商品の調達について影響を受ける可能性があります。大規模自然災害については、当社グループの店舗の多くが岐阜県、愛知県に所在しているため、東海大地震が発生した場合には、事業活動の一部中断等により当社グループの業績及び財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような流行性感染症について、主に飛沫感染や接触感染を感染経路として感染が拡大した場合に、営業活動の自粛等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)  新規事業への参入について

当社グループは、当社グループの事業目的に沿って優良企業との提携及び資本参加を積極的に実施する方針であり、新規事業に参入することも検討いたしております。しかしながら、新規事業の参入にあたり、外部環境の変化等各種の要因によって、当社グループが期待するとおりの成果をあげられない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)  金利変動について

当社グループでは、新規の出店等に伴う設備投資のために借入金等により資金を調達することもあり、当期末における連結ベースの借入金及び社債残高は1,069億88百万円であります。このため今後の金利動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)  人材の確保について

当社グループは、更なる成長を実現するため、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題と認識し、社員の配置転換、新卒及び中途採用、外国人技能実習生の受け入れを行うなど人材の確保及び育成に注力しております。しかしながら、今後、人材確保及び育成が計画通り進まない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)  情報システムのリスクについて

当社グループは、通信ネットワークを介して基幹システム、物流管理システム、店舗業務支援システム等を使用しております。また、通信販売、クレジットカード決済、電子マネー決済やポイントカード等により多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらに対し適切なセキュリティ対策を実施しておりますが、災害、停電、ソフトウェア及び機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)  当社グループに対する法的規制について
①大規模小売店舗立地法について

当社グループの店舗の出店及び増床に際しては「大規模小売店舗立地法」の規制対象となっており、店舗面積1,000㎡を超える新規出店及び増床については、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられています。届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理について、地元住民の意見を踏まえ、都道府県・政令指定都市が主体となって審査が進められます。

同法の適用により、当初の計画どおりに店舗の新規開設や既存店舗の増床等ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、建築基準法が改正され、新規出店及び改装に際し、審査期間の長期化や出店コストの増加等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②個人情報の漏洩について

個人情報の管理については、情報端末のセキュリティシステムの強化、社内規程の整備や従業員教育等により万全を期しておりますが、不測の事態により個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合には、当社グループの社会的信用力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③その他法的規制について

当社グループは、独占禁止法、薬機法の他、食品の安全管理、環境・リサイクル等に関する法令等に十分留意して事業活動を行っておりますが、万が一これらの法令に違反する事由が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。また、将来的に当社グループが規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合、各種規制事項を遵守するためのコストが増加することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 固定資産の減損について

当社グループは、減損会計を適用しておりますが、翌事業年度以降も収益性の低い店舗等について減損処理がさらに必要となった場合や今後の地価の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(11) 繰延税金資産について

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用を計上することによって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが見られたものの、感染収束の見通しは依然として立っておらず、先行き不透明な状況が続きました。

このような環境の下、当社グループでは、日常に欠かせない商品を安定供給するというライフラインとしての役割を果たすとともに、生活様式・消費行動の変化に対応するなかで、「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」を基本方針とする中期3ヵ年経営計画の最終年度を迎え、スーパーマーケット事業を中心に、来店動機となる商品・カテゴリーを有する「デスティネーション・ストア」への転換を進めるとともに、その構成要素である商品力の向上に注力しました。旬にこだわった鮮魚や果物、プロセスセンターを始めとするグループ製造機能を活用した魅力ある商品を揃え、広域からの集客や客層の広がりに繋げました。また、キャッシュレス決済への対応を加速するなか、自社電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」の会員数は338万人へ、アプリ会員数は前期登録実績の4倍を超える32万人へと大きく増加し、顧客参加型マーケティングや予約販売など、アプリの活用も広がりました。EC(電子商取引)につきましては、事業所向け配送事業ainoma(アイノマ)によるドライブスルーでの商品受け取りや地元企業とのパートナーシップを通じた配送地域の拡大に加え、2021年夏に予定される、アマゾンジャパン合同会社との協業によるネットスーパー開始に向けて準備を進めました。

その結果、当連結会計年度の営業収益は前年同期比7.7%増7,301億68百万円となりました。営業利益は前年同期比65.3%増256億48百万円に、経常利益は前年同期比68.2%増283億97百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比94.4%増125億92百万円となりました。なお、当連結会計年度末現在のグループ店舗数は1,226店舗となっております。

マスク・除菌関連商品や巣ごもり需要に対応して既存店売上高が伸張したスーパーマーケット、ドラッグストア及びホームセンターの主要3事業が増収に寄与し、スーパーマーケット事業及びホームセンター事業で売上総利益率の改善と経費率の低減が進んだことから、グループ全体で増収増益となりました。なお、第1四半期連結会計期間に営業自粛による損失7億2百万円を特別損失に計上しており、その内訳は、2020年4月の緊急事態宣言発令後に休業要請を受けて営業を自粛したスポーツクラブ事業で6億2百万円、入居する商業施設が休業要請を受けたその他事業に含まれるペットショップ事業で99百万円となります。

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

<スーパーマーケット(SM)事業>

SM事業の営業収益は3,962億48百万円前年同期比6.3%増)、営業利益は161億3百万円前年同期比77.9%増)となりました。

株式会社バローでは22店舗を改装し、生鮮部門を際立たせた売場に変更するとともに、販売促進策をEDLP(エブリデー・ロー・プライス)に切り替え、EDLP採用店舗は44店舗に広がりました。専門的な商品知識・販売技術を持つ人材を育成・処遇する「マイスター制度」の運用、青果の箱売りや鮮魚の対面販売、惣菜・ベーカリーへのオープン・キッチン導入など、各種施策の効果により販売力が高まるなど、強い商品力を活かす基盤づくりも進みました。2020年10月、プライベート・ブランドを2つのブランド「valor select(バローセレクト)」、「valor plus(バロープラス)」としてリニューアルしたほか、グループ調達・製造機能を活用した商品開発にも注力し、原材料の相互供給やグループ企業での販売拡大が進みました。惣菜専門店「デリカキッチン」の展開は、おにぎり専門店「にぎりたて」の事業譲受により、核となる商品を組み合わせた柔軟な出店が可能となったほか、調達・製造の効率化にも繋がりました。また、株式会社アークス及び株式会社リテールパートナーズとの間で締結した資本業務提携の下、スケール・メリットを追求した共同調達・共同販売の拡大、競合他社との品質の違いを明確に打ち出した3社専用惣菜の導入など、継続的な取り組みを進めております。

同事業では、2020年4月に子会社化した有限会社大和ストアーの1店舗を含む4店舗を新設、5店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計297店舗となりました。同事業では、株式会社バローの既存店売上高が前年同期比で6.0%伸張したほか、株式会社タチヤや前期に子会社化した株式会社てらお食品など、SM各社の寄与もあり、増収となりました。生鮮売上比率が高まった株式会社バローを中心に売上総利益率が改善し、広告宣伝費等の経費削減も進んだことから、事業全体で増益となりました。

 

<ドラッグストア事業>

ドラッグストア事業の営業収益は1,505億75百万円前年同期比8.0%増)、営業利益は39億78百万円前年同期比7.9%減)となりました。

同事業におきましては、2020年10月に有限会社アオイ薬局を子会社化し、同社の2店舗を含む40店舗を新設、7店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計449店舗(うち調剤取扱123店舗)となりました。

同事業では、前期より進めるEDLP政策の下、消耗品を中心に価格競争力を高めるなど、競争力の維持向上に努めるほか、健康のお悩みに関する商品情報やクーポンの配信など、アプリを活用したデジタルマーケティングを推進しました。

同事業においては、マスク・除菌関連商品、巣ごもり需要に対応した食品・日用品の販売が進み、既存店売上高は前年同期比で2.4%増加し、前期から当期にかけて開設した店舗も寄与しました。一方、外出自粛やマスクの着用、手洗い・アルコール消毒の習慣化に伴って化粧品・医薬品の販売が伸び悩み、売上総利益率が低下し、事業全体として増収減益となりました。

 

<ホームセンター(HC)事業>

HC事業の営業収益は1,301億77百万円前年同期比13.9%増)、営業利益は73億27百万円前年同期比111.5%増)となりました。なお、当連結会計年度に含まれるアレンザホールディングス株式会社の当該事業の業績は、2021年2月期 (2020年3月1日~2021年2月28日)を対象としております。株式会社ホームセンターバローにつきましては、前第4四半期連結累計期間において2019年4月1日から2020年2月29日までの11か月間を対象としておりましたが、当第4四半期連結累計期間では12か月間を対象としております。

同事業におきましては、建築資材、工具・金物、農業資材の専門商材に加えて、巣ごもり需要に対応した園芸、DIY、住居用品、ライフスタイルの変化により需要が拡大したアウトドア、自転車用品の販売が好調に推移しました。ECモールや新たに立ち上げた自社サイト「PROsite.shop」等のオンライン販売が大きく伸張したほか、ピックアップロッカーの設置を進めました。店舗につきましては、株式会社ダイユーエイトで4店舗を新設、2店舗を閉鎖、株式会社ホームセンターバローで1店舗を新設、株式会社タイムで1店舗を新設し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計152店舗となりました。

同事業では、株式会社ダイユーエイト、株式会社ホームセンターバロー及び株式会社タイムの3社で既存店客数が前年同期比で5.8%伸張し、既存店売上高は同7.7%増加しました。事業統合の効果として、商品原価の改善やプライベート・ブランドの導入が進み、売上総利益率の改善に繋がったほか、チラシ販促の抑制や売上増加に伴う経費率の低減により、事業全体で増収増益となりました。

 

<スポーツクラブ事業>

スポーツクラブ事業の営業収益は91億46百万円前年同期比32.7%減)、営業損失は19億33百万円(前年営業利益5億56百万円)となりました。

同事業では、2020年4月の緊急事態宣言発令後に地方自治体から休業要請を受け、最大181店舗で営業を自粛しましたが、6月5日に全店舗で営業再開となりました。再開後は安全対策を講じるとともに、7月より有料配信したオンライン・レッスンのサービスを拡充し、12月には新規事業として、既存店舗「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー) 瀬戸菱野」(愛知県瀬戸市)内に運動特化型デイサービス「アクトス リ・バース ジム 瀬戸菱野」を開設しました。

店舗につきましては、月会費を抑えたフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G」を9店舗新設(全てフランチャイズ運営)、11店舗(うちフランチャイズ運営2店舗)を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数は190店舗(うちフランチャイズ運営57店舗)となっております。

同事業では、損益分岐点の低減に向けて固定費削減に繋がる取り組みを進めましたが、営業自粛及び特別休会制度の運用、店舗閉鎖等の影響により、会費収入が減少して経費を吸収できず、減収減益となりました。

 

 

<流通関連事業>

流通関連事業の営業収益は112億69百万円前年同期比5.4%増)、営業利益は32億10百万円前年同期比14.9%増)となりました。

物流、資材卸売、設備メンテナンスなど、流通に関わる事業に携わるグループ企業では、店舗新設や改装に伴う什器導入や、経費削減及び環境負荷低減に繋がる設備入れ替えを進めました。物流事業では、主要3事業の販売拡大に伴い物量が増えるなか、仕分け作業の自動化を進めるなど、生産性の向上を図るとともに、グループ製造機能と物流センター・店舗を効率的に結ぶための仕組みづくりを進めました。物流事業に加え、スーパーマーケット事業を中心に既存店改装が進んだことから設備メンテナンス業も改善し、事業全体で増収増益となりました。

 

<その他の事業>

その他の事業の営業収益は327億52百万円前年同期比19.5%増)、営業利益は27億3百万円前年同期比91.6%増)となりました。

同事業には、ペットショップ事業、不動産賃貸業、衣料品等の販売業などが含まれております。なお、当連結会計年度に含まれるアレンザホールディングス株式会社の当該事業の業績は、2021年2月期 (2020年3月1日~2021年2月28日)を対象としております。株式会社ホームセンターバローにつきましては、前第4四半期連結累計期間において2019年4月1日から2020年2月29日までの11か月間を対象としておりましたが、当第4四半期連結累計期間では12か月間を対象としております。

ペットショップ事業では、外出自粛が長期化する中で生体需要の高まりが継続し、フードや用品の販売も好調に推移しました。店舗につきましては、6店舗を新設、3店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計110店舗となっております。

その他の事業では、株式会社アミーゴの堅調な業績が継続し、増収増益となりました。
 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ205億39百万円増加し、4,044億58百万円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて、現金及び預金52億36百万円、たな卸資産18億51百万円、有形固定資産87億41百万円、投資有価証券28億23百万円、無形固定資産2億86百万円及び差入保証金2億47百万円が増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ59億93百万円増加し2,492億67百万円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金22億56百万円及び未払法人税等41億88百万円が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ145億45百万円増加し、1,551億90百万円となりました。なお、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は1,428億62百万円となり、自己資本比率は35.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ51億90百万円増加し、293億49百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ132億66百万円増加441億38百万円となりました。

これは主に前連結会計年度末に比べて、仕入債務が37億30百万円減少したものの、税金等調整前当期利益116億81百万円、売上債権31億70百万円及び減価償却費5億68百万円が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ15億21百万円増加し、281億37百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の売却による収入が9億75百万円増加、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4億87百万円減少及び事業譲受による支出が11億5百万円減少したものの、新規出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出が45億11百万円増加したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ99億20百万円増加し、104億72百万円となりました。

これは主に、コマーシャル・ペーパーの発行により100億円収入が増加したものの、長期借入による収入が101億91百万円減少し、短期借入金の返済72億24百万円及び長期借入金の返済27億1百万円による支出が増加したことによるものです。

 

 

③ 販売及び仕入の実績

a. 販売実績

セグメント別営業収益

セグメントの名称

営業収益(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

396,248

106.3

ドラッグストア事業

150,575

108.0

ホームセンター事業

130,177

113.9

スポーツクラブ事業

9,146

67.3

流通関連事業

11,269

105.4

その他の事業

32,752

119.5

合計

730,168

107.7

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 商品仕入実績

セグメント別商品仕入

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

270,746

107.4

ドラッグストア事業

105,065

108.8

ホームセンター事業

86,417

111.5

スポーツクラブ事業

933

84.2

流通関連事業

18,727

117.2

その他の事業

17,910

114.8

合計

499,802

108.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益7,301億68百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益256億48百万円(前年同期比65.3%増)、経常利益283億97百万円(前年同期比68.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億92百万円(前年同期比94.4%増)となりました。営業収益は26期連続増収で過去最高となり、営業利益以下の各段階利益も過去最高を更新しました。

増収分(520億71百万円)に対する主要セグメントの内訳は、スーパーマーケット事業が235億14百万円、ホームセンター事業が158億76百万円、ドラッグストア事業が112億17百万円となりました。主要3事業の既存店売上高がいずれも好調に推移し、特にスーパーマーケット事業及びホームセンター事業では、商品政策上の強化部門が巣ごもり需要の拡大を受けて大幅に伸張しました。

増益分(101億33百万円)に対する主要セグメントの内訳は、スーパーマーケット事業が70億52百万円、ホームセンター事業が38億62百万円となりました。スーパーマーケット事業では、中核の株式会社バローで「デスティネーション・ストア」を目指した改装が進み、生鮮売上比率が高まり売上総利益率の改善が進んだほか、広告宣伝費の削減等の経費低減も寄与しました。ホームセンター事業では、アレンザホールディングス株式会社の子会社化に伴う事業統合効果として、商品原価の低減やプライベート・ブランド商品の開発が進み、売上総利益率が改善したほか、増収に伴って経費率が低減しました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたスポーツクラブ事業の営業損失は19億33百万円となりました。これは主に、緊急事態宣言発令下での臨時休業や特別休会制度の運用、店舗閉鎖等により、会費収入が減少したことによるものです。損益分岐点の低減に向けて固定費削減に繋がる取り組みを進めたものの、経費を吸収しきれなかったことから、収益適正化へ更なる取り組みが必要と考えております。

なお、特別損失47億51百万円を計上しておりますが、主な内訳は「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく減損損失が28億43百万円、営業自粛による損失が7億2百万円となりました。営業自粛による損失は、スポーツクラブ事業で6億2百万円、その他の事業に含まれるペットショップ事業で99百万円計上しております。

財政状態につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ205億39百万円増加し、4,044億58百万円となりました。これは主に、現金及び預金のほか、たな卸資産、有形固定資産等の営業活動に係る資産の増加によるものです。負債の部において、有利子負債は、前連結会計年度末に比べ39億87百万円減少し、1,208億84百万円となりました。また、純資産の部において、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は、前連結会計年度末に比べ121億13百万円増加して1,428億62百万円となり、自己資本比率は35.3%となりました。これらの結果、デット・エクイティ・レシオは前期の0.9倍から0.8倍となり、中期3ヵ年経営計画で目処としていた水準に戻っております。

経営効率につきましては、ROAが前期の4.9%から7.2%へ、ROEが前期の5.1%から9.2%へ改善しました。ROAの改善は、営業収益経常利益率が前期の2.5%から3.9%へ上昇したことが主な要因で、特に経費率が前期の26.1%から25.3%へ低下したことが寄与しています。ROA及びROEは、当連結会計年度を最終年度とする中期3ヵ年経営計画の定量目標(ROA5.6%以上、ROE7.7%以上)を上回りましたが、総資産回転率は前期の1.9回より変わらず、経営効率の向上には、グループ経営資源の更なる活用が必要と考えております。

2022年3月期を起点とする中期3ヵ年経営計画の財務政策では、デット・エクイティ・レシオ0.6倍を目処に有利子負債を圧縮することを財務規律として打ち出しております。また、資金調達バランスの変化を前提に、資本コストをより意識した経営へ移行するため、経営効率指標として新たにROICを採用しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりで、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は293億49百万円となりました。

当連結会計年度を最終年度とする中期3ヵ年経営計画期間において、営業キャッシュ・フローの創出は3ヵ年累計900億円以上、設備投資額は年間250~260億円を予定しておりましたが、営業キャッシュ・フローの創出は3ヵ年累計1,023億円、設備投資額は年間299億円となりました。設備投資額は計画を上回ったものの、使途構成比は支払ベースで新店投資49.1%、既存店投資38.2%となり、計画どおり既存店投資に充当した結果となりました

キャッシュ・フローの創出、資金使途及び財務規律については、2022年3月期を起点とする中期3ヵ年経営計画において方針を掲げておりますが、引き続きキャッシュ・フロー創出力を高めることを重視してまいります。利益配分の考え方として、設備投資額は3ヵ年累計850億円程度とし、使途構成比は新店投資45~50%、既存店投資35%程度、DX関連を含むその他投資15~20%を予定しております。株主還元については、配当性向25%を目処に安定的かつ継続的に行うことを基本としつつ、内部留保を高めて経営の安全性を維持することも併せて重要と考えております。

なお、当社グループの主な資金需要は、事業活動に必要な運転資金(商品仕入に伴う決済資金、販売費及び一般管理費等の営業費用)及び設備投資(新店投資、既存店の改装費用等)であり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入や社債等による資金調達を行うこととしております。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の活用を基本として、子会社の資金を含め一元管理を行い、当社グループ内の資金需要に備えるとともに、資金の短期流動性を確保するため、取引金融機関と総額658億50百万円の当座貸越契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。