文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループは、「ミッション(使命)」「ビジョン(理想)」そして「バリュー(価値)」の「三位一体となった哲学」をもって経営を推進してまいります。すなわち、「何のために存在するのか(ミッション)」、「何を実現したいのか(ビジョン)」、「何を重視し価値判断の基準とするのか(バリュー)」を明確にし、それを一貫した企業命題と定め、企業行動のよりどころとしてまいります。そして、当社グループの最も重要な経営課題は、この価値命題を研ぎ澄ましていくことであります。当社グループは、顧客、社員、社会及び投資家のロイヤリティを高めるために、事業の企画から製造、販売、サービス及びサポートに至る全てのプロセスにおいて、最高水準の商品とサービス価値を創造し、提供するために活動する企業であります。これこそが当社グループのよって立つ「価値命題」であります。
当社グループは「価格」で競争することをさけて、あくまでも「価値」で勝負することを事業コンセプトのベースとした事業価値の創造によって成長を果たしてまいります。そして常に人間性、社会性、経済性を重視した事業行動によって、事業価値、人間価値、社会価値そして資本価値を高めることにより、バランスあるコーポレート・バリュー(企業価値)の向上を図ります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは「ミッション(使命)」「ビジョン(理想)」そして「バリュー(価値)」の「三位一体となった哲学」をもって経営を推進します。事業の企画から製造・販売・サービス・サポートに至るすべてのプロセスにおいて、最高水準の商品とサービス価値を創造し、提供する企業を目指します。また、当社グループは価格で競争するのではなく、あくまでも価値で勝負することを事業コンセプトのベースとした事業価値の創造によって成長を果たします。そして常に人間性、社会性、経済性を重視した事業行動によって企業価値の向上を図ります。
具体的には、6つの重要な成長戦略の実行を推進してまいります。
第1はブランド創造企業への挑戦です。価格ではなく価値で勝負する当社ブランド商品の販売を底上げするため、商品の開発・マーケティング機能を強化し、グループ各社と連携して営業力の更なる強化を図ります。また、海外市場、特にASEAN諸国、欧米市場を中心に、アシードブランド商品の輸出の強化を実行します。
第2は自販機運営リテイル事業の競争力強化です。組織の在り方や業務プロセスを徹底的に見直し、競争力のある経営体質に変えるとともに、資本業務提携など業界再編を進め、独立系オペレーターNo.1を目指します。自販機業界は飲料メーカー主導のプロダクトアウトから小売主導のマーケットインへの構造改革の途上にあります。当社グループが率先してマーケットインへ改革し、同業オペレーターとの資本業務提携を進め、売上、収益性、従業員満足度などすべてにおいて業界No.1を目指します。
第3は飲料製造事業の生産性向上です。東西製造拠点の統合によるシナジーにより更なる生産性向上、品質向上を実現するとともに、営業面においては、東西2工場体制による炭酸缶飲料の更なる受注増加、物流コストの削減提案など2工場体制の利点を武器に営業拡大を目指します。特に、省エネ、省人化などの合理化投資を実行し、製造コストを削減してまいります。今般、2027年1月稼働を目標に東広島第二飲料工場を建設し新たにソフトパウチ飲料の製造ラインを施設することを決定しました。既に運営している宇都宮飲料工場のソフトパウチ飲料ラインに加え、西日本にも導入することで今後も受注拡大が見込まれるソフトパウチ飲料の需要に対応し、さらなる成長を目指してまいります。
第4は海外ビジネスの強化です。持分法適用関連会社であるHaLong Beer And Beverage Joint Stock Companyの成長・拡大を支援していくとともに、現地の市場動向を見極め、商品づくりを実現できる協力関係を構築してまいります。また、海外市場において、成長可能性のある飲料・食品事業へ投資すべく検討を進めております。
第5は物流事業の強化です。ロジックイノベーション㈱を中心に、倉庫保管運営事業、ロジスティクス事業(3PL、サードパーティロジスティクス)を強化します。自社グループの物流事業の内製化を更に拡大するとともに、物流倉庫の不動産取得を検討しグループ営業力を生かした物流・保管業務の営業拡大によって、更なる成長を図ります。
第6は新規事業創出とシナジー創出のための新規投資の推進です。茶葉関連の事業が自販機運営リテイル、飲料製造に次ぐ新たな柱として成長しつつあります。更なる成長にむけて新たな分野に挑戦してまいります。引き続き既に投資を実行した事業の底上げを図るとともに、既存事業とのシナジーが期待できる分野を中心に、国内の新規投資を推進します。
当社グループは「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来-すべての笑顔と健康のために」というグループビジョンのもと、当社グループにしかできない種をまき続け、持続的な企業価値の拡大を実現します。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは付加価値の増殖による株主資本の充実を図るとともに、株主資本及び総資本の効率的運用と収益性の向上を目標としています。企業価値を高める中期的な経営指標として、次の数値目標を設定しており、これらの実現と同水準の恒常的な確保に努めます。
①ROE(自己資本当期純利益率) ………………12%以上
②ROA(総資産経常利益率) ……………………7%以上
③自己資本比率 ……………………………………35%程度
④配当性向 …………………………………………30%程度
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの2026年3月期における重要な課題は以下の通りです。
①顧客創造
中長期的な経営戦略の一つとしてブランド創造企業への挑戦を掲げております。自社ブランド商品の拡販のため、顧客の創造に優先的に取り組み、営業・マーケティング中心の会社への変革を進めてまいります。
②適正な価格設定・条件改定の実行
昨今の物価高により、自販機運営リテイル事業における仕入商品の値上げや飲料製造事業における原材料やエネルギーの値上げが続いております。コストの上昇に合わせた適切な価格転嫁や取引条件の改定を確実に実行し、利益率の改善を目指します。
③生産性の向上
グループ全体の業務プロセスの改善やシェアサービスの推進、DXによるオペレーションの効率化を実施します。また、生産工場の製造設備の更新を積極的に行い、省エネ・省力化を推進してコスト削減を図ります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに対する考え方及び当社グループのマテリアリティ
グループビジョン
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ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来-すべての笑顔と健康のために 人、地球、未来がもっと笑顔で健康になるために、その思いを込めた種をまき続け、 実現に向けて貢献しながら、日々成長を遂げていくことを宣言します。 ①飲料・食品を通じて、笑顔と潤いに溢れた健康的な生活シーンを提供します。 ②生き生きと笑顔で働き、豊かで健康な人生を送ります。 ③未来のために地球と調和した持続可能な成長を続けます。 |
当社グループは、経営理念に基づきグループミッションとして4つの価値(事業価値、人間価値、社会価値、資本価値)の最大化を掲げ、上記のグループビジョンのもと、サステナブルな社会の実現に貢献することを経営課題としています。グループビジョンを基に策定した当社グループのマテリアリティは以下のとおりです。
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笑顔と潤いに溢れた健康な生活シーンの提供 |
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新しい価値の提供 笑顔と健康を追求した健康配慮型商品の開発を進める。 災害時に役立つ長期保存可能な商品の生産を継続する。 |
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安心安全の品質 国際基準の食品安全システムを活用して、高いレベルの品質保証体制を構築する。 常に安全・安心な品質レベルを追求し、品質トラブルゼロを目指す。 |
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生き生きと笑顔で働き、豊かで健康な人生を送る |
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働き甲斐の創出 育児休暇の取得を促進し働きやすい環境を創出する。 働き方改革を実行し、職場環境の整備を続ける。 |
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ダイバーシティ・人権 一人一人がダイバーシティへの理解を深め、生き生きと働ける職場環境を目指す。 適切な研修機会を増やし、女性管理職数の増加を図る。 個々人の適正を見極めた採用計画により、女性新規採用数を増加させる。 |
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人材育成 将来の経営を担う、意欲のある人材を育成する経営塾を継続する。 ガバナンスを中心に行う役員研修を通じて、視野の広い経営陣を育成する。 |
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未来のために地球と調和した持続可能な成長を続ける |
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地球温暖化防止 生産工場のエネルギー削減を継続する。 太陽光発電の導入によりCO2削減に取り組む。 |
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廃棄物の削減 事業会社の食品廃棄物を削減する。 グループ内の環境事業稼働率を上げ、廃棄物の再生利用に貢献する |
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水資源・森林の保全 生産工場における水使用総量を削減する。 森林保護を目的とした募金自動販売機を設置し、環境保全活動の支援を行う。 |
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プラスチックごみの削減 「GREENSEA瀬戸内ひろしまプラットフォーム」に参画し、 地域とともに社会課題解決に取り組む。 |
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地域貢献 フードバンクへの商品提供を通じて、意識の向上を図る。 地元地域のイベントやスポーツ団体への協賛を通じて地域とのつながりを深める。 |
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(2) ガバナンス
①推進体制
②サステナビリティ委員会
当社グループでは、気候変動によって生じる変化を重要なリスク要因として認識しております。気候変動によって生じる影響に対応するため、当社グループではアシードホールディングス㈱経営企画グループが管轄し、グループ主要各社の生産本部長・管理本部長からなるサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会内で策定した取り組みや目標の達成状況について、取締役会で議論を行っております。
当連結会計年度において、サステナビリティ委員会ではCDP2024の質問書への回答に向けた議論や、気候変動リスクの定量分析を行いました。
③働き方改革委員会
当社グループは、働き方改革の推進について働き方改革推進委員会を通じてコンプライアンスの観点はもとより、人材の安定的な確保と社員の健康維持のため働き方改革の推進に注力しております。当社グループではアシードホールディングス㈱総務グループが管轄し、グループ各社の管理本部長からなる働き方改革委員会にて人的資本に関する取り組みを策定しております。
当連結会計年度において、働き方改革委員会では女性管理職比率の向上や社員のモチベーションの向上に繋げるため、評価制度のブラッシュアップに向けて議論を行いました。
(3) 戦略
①気候変動に対する取り組み(TCFD宣言に沿った気候変動関連の情報開示)
当社グループでは、TCFD提言で示されたリスク・機会の項目を参考に、気候変動が当社グループの事業に与えるリスク・機会に関して、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの温度帯の側面から以下の項目を抽出し、対応策を立案しております。
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区分 |
気候変動がもたらす影響 |
時間軸 |
財務への 影響 |
対応方針 |
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リスク |
移行 |
法規制 ・政策 |
自社排出量(Scope1,2)に対してコストが発生 |
中期 |
310百万円 |
(自販機運営リテイル事業) ・自販機運営の効率化 ・車両の省エネ化(ハイブリッド・EV) (飲料製造事業) ・製造機械・設備の省エネ化 |
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GHG排出規制の強化に対応するため、再エネ導入コストが発生 |
中期 |
9百万円 |
・製造機械、設備の省エネの推進 ・オフィスでの省エネ活動の実施 ・電力会社の見直しによるコスト増加の抑制 |
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自販機管理のための車両の入れ替えや工場の省エネ機器導入によるコスト増加 |
短期 |
200百万円 |
省エネ投資時期の適正化推進 |
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市場 |
消費者の環境配慮意識が高まった場合、購買行動が変化し、収益が低下 |
短期~ 中期 |
90百万円 |
CFPの算定、開示、削減の推進 |
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設置先(消費者)の環境意識の高まりにより、自販機の引揚が増加、設置台数が減少 |
中期~ 長期 |
364百万円 |
・フルライン自販機や様々な商品サイズに対応した自販機への入替え提案 ・省エネ自販機の環境性能訴求 |
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評判 |
投資家からの評価低下、採用コストや金融機関からの資金調達コストの増加 |
中期 |
6百万円 |
・継続的なステークホルダーへの情報開示 ・気候変動に関する外部格付けへの対応 |
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物理 |
急性 |
自然災害増加による従業員被災時の人員不足 |
短期~ 中期 |
8百万円 |
BCP・防災マニュアルの見直し |
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飲料メーカーの被災による商品仕入の寸断 |
短期 |
23百万円 |
・サプライチェーンにおけるBCP対策の推進 ・調達ルートの複線化 |
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調達先が自然災害によって営業停止した場合、飲料製造ができなくなる |
短期 |
62百万円 |
・サプライチェーンにおけるBCP対策の訴求 ・調達ルートの複線化 |
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慢性 |
原料価格の高騰や代替原料への転換が必要となった場合、コストが増加 |
中期~ 長期 |
31百万円 |
・原料調達先の分散 ・販売価格の見直し |
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温暖化によって自販機の設置・管理の労働環境が悪化することにより、オペレーションコストが増加 |
中期~ 長期 |
9百万円 |
・フレックスタイム勤務による夏季気温ピーク時を避けた働き方の実施 ・職場環境の整備、見直し |
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機会 |
エネルギー源 |
太陽光発電や蓄電技術の導入・拡大により、電力購入コストが減少 |
短期~ 中期 |
中 |
・自社設置型再エネ発電の導入検討 |
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市場 |
消費者の自然災害に対する備蓄の意識が高まり、市場が拡大した場合、防災備蓄適した商品の収益が増加 |
短期~ 中期 |
中 |
・防災備蓄に適した商品(非常用飲料水)の販売強化 |
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熱中症対策のための飲料に対する需要が増加し、自販機運営リテイル事業と飲料製造事業の収益が増加 |
中期~ 長期 |
大 |
・熱中症対策飲料の製造、販売強化 ・平均気温の上昇に合わせた自販機提案営業戦略の策定 |
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レジリエンス |
脱炭素の取組みを訴求することでステークホルダーからの評価が上がり、株価が上昇 |
短期~ 中期 |
中 |
・削減目標に沿った排出削減の推進 |
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(影響度の定義)大:影響が大きく、対応が必須 中:影響は大きくないものの、今後対応が必要
小: 現段階では対策・対応が特に不要
(時間軸の定義)短期:~3年 中期:3年~10年 長期:10年~30年
②人材の多様性の確保を含む人材の育成についての取り組み
グループミッションとして最大化を目指す4つの価値(事業価値、人間価値、社会価値、資本価値)のひとつに「人間尊重と人材育成を基本とし、社員の福祉向上と能力開発に努力し、働く個人に自己実現の場を提供する。」という人間価値の最大化を位置づけています。このミッションに基づき、従業員が生き生きと笑顔で働き、豊かで健康な人生を送ることをグループビジョンとして掲げております。
(a) 働き方改革の推進
当社グループにおいては、働き方改革推進委員会を通じてコンプライアンスの観点はもとより、人材の安定的な確保と社員の健康維持のため働き方改革の推進に注力しています。具体的な施策として、有給休暇取得日数の増加を揚げ、2027年までに年間7日以上の取得を目指しています。また、法令で定める最低水準を上回る有給休暇の取得の推進、時間外労働の管理の徹底を行い社員の働く環境の改善を継続しております。中でも当社の主力事業のひとつである自動販売機運営事業は労働集約型の事業であり、業界全体として労働時間が長時間化する中、生産性を意識した事業展開を重視することで同業他社に先駆けて働きやすい環境を構築することで安定的な人材の確保を目指します。有給休暇の取得推進にとどまらず、年間休日の増加に取り組んでおり、2030年までに年間5日増加することをグループ全体の目標としています。これにより社員がより充実した生活を送ることができるよう、働き方改革を進めていきます。
(b) 多様性の推進
当社グループは現在国内を中心に事業の多角化を進めています。新たな事業を軌道に乗せ既存事業との相乗効果を生むためには今いる従業員に加えて、多様な経験、知見を有する人材を必要とします。キャリア採用に注力することで異業種から新たに人を迎える中で、人材の多様化を進めています。中でも、グループ長期ビジョンで重要な施策と位置付ける海外展開においては、海外での勤務経験が豊富な人材をスカウトする一方、新卒採用においても外国人社員を採用するなど、グローバルな人材を中心とする組織づくりを開始しています。
(c) グループ採用の実施
2017年よりグループ採用を実施しています。グループ採用により入社した社員はM&Aにより業容拡大を目指す当社においてグループ全体を横につなぐ重要な役割を果たします。同時にグループの異なる業態に従事しキャリア形成することで当社グループの多様化の中核的存在へと成長することが期待されます。
(d) グループ間異動
社員がやりがいを感じる職務は勤続年数、職務経験、事業環境に応じ変化します。当社グループにおいては自己申告制度を通じて、グループ内の他の業態への異動を活発に推進し、社員がやりがいを感じ、特性をより活かす人員配置を実現することでエンゲージメントの向上に努めています。
(e) 研修制度の拡充とリスキリング
グループ事業の拡大、多様化に従って多様な人材の獲得が必要であると同時に、社員個々が新たな業務に取り組むための知識習得やスキルアップが求められます。世代ごとの習熟度にあわせた研修制度の再構築に取り組み、よりきめ細かくスキルアップを応援するとともに40代50代の社員に対するリスキリングに着手いたします。
(f) ハラスメントに対する取り組み
ハラスメントはその根源が無意識の中にあることも多く、防止のための仕組みがあっても継続的な意識の啓発がかかせません。当社グループにおいて、ハラスメントは誰もが行う可能性のあるものとして注意喚起し未然に防止する努力を怠らないとともに、起こった事象に対しては毅然と対応しハラスメントを許さない風土を醸成いたします。
(g) 女性活躍に関する方針
多様性の推進の中でも特に女性の活躍支援は大きな課題ととらえております。現在グループ社員の男女比率は男性8に対して女性2の割合で圧倒的な男性中心の組織となっています。事業の多角化と組織の拡大にあわせ女性が活躍する職務は徐々に拡大しており新卒を中心とした採用においては多くの女性社員を新たに迎え入れています。特に新卒採用女性比率は過去3年間の平均で50%以上を達成しております。今後もこの傾向を継続し、さらなる女性の採用を進める予定です。また、女性の管理職比率は現在、グループ全体で約5%となっておりますが、2030年までに15%にすることを目標としております。若年層では女性活躍が目立ち始めている現状で、個々のライフプランにあわせた働き方を提供することで持続的に活躍できる環境の構築を目指しています。若干の時間を要するものとは考えられますが、遠からず将来女性のリーダーが数多く輩出されるものと考えます。
(h) 当社が認識している人的資本に関するリスク
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リスク |
時間軸 |
優先度 |
対応方針 |
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人材が確保できない事で業務継続が困難になる |
短期~ 中期 |
大 |
・採用活動の強化 ・採用条件の改善 |
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業務過多や労働環境の改善が進まない事による 人材の流出 |
短期~ 中期 |
大 |
・システムなどによる省人化、業務効率化 |
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適切な評価がされない事による従業員の モチベーションの低下 |
短期~長期 |
中 |
・評価システムの改善 |
(優先度の定義)大:影響が大きく、対策が必須 中:影響は大きくないものの、今後対応が必要
小: 現段階では対策・対応が特に不要
(時間軸の定義)短期:~3年 中期:3年~10年 長期:10年~30年
(4) リスク管理
当社グループでは、全社的リスク管理推進のため取締役やグループ主要会社の代表取締役、生産本部長・管理本部長からなるリスク管理委員会を設置し、事業遂行に関わる様々なリスク及び機会について年度ごとに見直しを行っております。それぞれのリスク及び機会に対して発生頻度・影響度を考慮して優先度を評価し、取締役会で報告を行っております。本リスク管理体制の中に、サステナビリティに関するリスクも含まれています。
(5) 指標及び目標
①気候変動に対する取り組みに係る指標及び目標
当社グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づき温室効果ガス排出量(Scope1-3)の算定を実施しております。引き続き、GHG排出量算定の精度・粒度の向上を図ってまいります。
また、Scope1,2排出量の削減目標として、2030年に46%削減(2013年比)、2050年にNetZeroを掲げており、Scope3排出量の削減目標の設定を検討中です。
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気候変動指標 |
実績(t-CO2) |
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Scope |
2023年3月期 (注)1、2 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
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GHG排出量 Scope1-3 |
Scope1 |
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Scope2 |
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Scope1,2計 |
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Scope3 |
- |
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Scope1,2,3計 |
- |
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目標 |
Scope1,2 |
基準年:2013年 2030年目標:▲46% 2050年目標:▲100% |
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(注)1. 2023年4月に子会社化した静岡ローストシステム㈱及びマルサン萩間茶㈱の該当期間における温室効果ガス排出量を含みます。
2. 2024年3月期よりScope3の集計を実施しているため、2023年3月期のScope3及びScope1,2,3計を記載しておりません。
3.算定結果は、一定の仮定や前提を置いて導き出しております。また、独立した第三者による保証・検証を取得しているものではありません。今後、算定範囲の拡大、精度や粒度の向上、適用する排出係数・排出原単位の変更、算定方法に係る国際的な基準の明確化に対する議論の動向等により、当社で把握・公表する数値についても将来的に変更となる可能性があります。
②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する指標及び目標
当社グループでは、上記「②戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及びその社内環境の整備に継続して取り組んでおります。
当連結会計年度の各種実績(グループ連結)
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男女の賃金の差異(注)1 |
全労働者 |
57.0% |
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うち正規雇用労働者 |
79.0% |
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うち非正規雇用労働者 |
50.9% |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループでは、グループ主要各社の代表取締役、生産本部長・管理本部長が参加するリスク管理委員会及びコンプライアンス委員会のもと、中長期計画達成の支障となり得るリスクを洗い出し、対応策の検討、モニタリングを実施しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避又は発生した場合の対応については上記委員会を中心に解決を図ります。
(1) 法的規制について
当社グループでは、食品衛生法、酒類の製造免許、販売業免許、酒税法、労働関連規制、環境関連法規など様々な法的規制を受けています。これらの法令の変更、予期しない規制の新たな導入により、法令違反や社会的規範に反する行動をとった場合は、処罰や社会的制裁により、経営成績及びブランドへの信頼に影響を及ぼす可能性があります。そのリスクを最小化するために、製造・生産管理を始めとして、法務・税務関連の人材育成を図り情勢の変化に対応いたします。また、経営の根本理念であり、従業員全員の行動指針を示した「アシードウェイ」の徹底を図ることでコンプライアンス意識を高め、不正の防止に努めてまいります。
(2) 特定の業界における販売シェアについて
自販機運営リテイル事業においては、遊技場業界に対する売上構成が比較的高い状況にあり、同業界の経営環境の変化や同業界に対する規制・条例等の変更によって、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのリスクを軽減するために、常に同業界動向を注視していくとともに、引き続きオフィスや工場への営業を強化するなど、広くバランスの取れた売上構成となるように営業を推進してまいります。
(3) 飲料製造事業の受託生産について
飲料製造事業においては、ブランドオーナーから依頼を受け、清涼飲料水や低アルコール飲料を生産する受託生産の売上構成が高い水準にあります。受託生産は天候やブランドオーナーの外注政策によって、経営成績や財政状態が左右される可能性があります。これに対しては、日頃よりブランドオーナーとの連携を深め、変化に即応できる体制を築くとともに、当社グループからの企画提案により付加価値を高めながら、リスクの最小化に努めてまいります。一方で自社ブランドの拡充を図ることで、安定的な工場の稼働を目指し生産数減少等のリスクを低減してまいります。
(4) アルコール摂取による悪影響に対する価値観について
当社グループではRTD(低アルコール飲料)の製造・販売を行っています。不適切なアルコール摂取は、健康被害や社会的な悪影響が指摘されており、酒類販売に関する規制が検討されています。また健康志向の高まりにより、消費者需要が縮小する可能性もあります。これらの要因により、売上収益の縮小、ブランド価値の毀損などで、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業の社会的責任を果たすため、健康被害の予防について、酒類事業の関連法令を遵守することのほか、アルコールテイスト飲料など、健康に配慮した商品を提供することで、人々の豊かな生活に貢献してまいります。
(5) 製造物責任に関わるリスクについて
当社グループは、最高水準の品質を追求しておりますが、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではなく、そうした重大事態が一旦発生した場合、当社グループの経営成績やブランドの信頼に大きく影響を及ぼす可能性があります。万一、品質事故が発生した場合には、お客様の安全を最優先に考え、迅速に対応します。また今後とも、品質管理の高度化、生産体制の改善等、品質リスクに対応する取り組みには十分な経営資源を投入してまいります。
(6) 海外での事業活動について
当社グループは、ベトナムでは飲料の製造販売を目的とした持分法適用関連会社へ投資して、現地での事業発展のための活動を行っています。こうした海外での事業活動には、予期しない法律や規制の変更や、産業基盤の脆弱性に加え、社会的・政治的リスクが内在しています。こうしたリスクが顕在化することにより、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績や将来計画に影響を与える可能性があります。それに対応するため現地には駐在員を置き、様々な情報を収集することにより、迅速に対応する体制を築くとともに、当社グループ単独では対応できないと判断される案件につきましては、専門機関との連携によりリスクの最小化に努めてまいります。
(7) 人材の確保・育成について
当社グループの事業を支える人材の確保・育成は、事業を維持、成長していく上で必要不可欠なものであります。アシードグループ憲章を基にしたブランディングで、役職員のあり方、よりどころを明確に示し、ロイヤリティを高めると共に、グループ事業会社間の活発な人事交流、次世代の経営を担う世代の経営塾などを定期的に行うことで、人材の確保・育成に努めてまいります。今後、必要な能力を有する人材の確保が出来なかった場合や、人材の流出が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) 資本提携、M&Aについて
当社グループは、企業価値向上を目的とした資本提携、M&Aを中長期的な会社の経営戦略に掲げ、検討していく方針であります。しかしながら、資本提携については、投資先の財務状況等により期待する成果が得られない等により、保有株式の評価減処理を行う可能性及びM&Aについては、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等の問題の発生または事業計画の著しい乖離が発生した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があり、これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 固定資産の減損損失について
固定資産の減損損失は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とすることとされております。このため、保有する固定資産の収益性の低下や市場価値が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により特別損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。保有する固定資産の収益性については適宜評価をしており、その評価に基づく保有の継続可否、活用策の立案など、適宜検討する体制としています。固定資産の取得に際しては慎重にその可否を判断するとともに、M&A等に伴い取得する固定資産の評価についても適正に行うことで減損損失の発生を減らしてまいります。
(10)気候変動に関するリスクについて
当社グループの主要事業である、自販機運営リテイル事業と飲料製造事業事業では多くの燃料や電気を使用しております。「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動に対する取り組み」に記載のとおり、気候変動の影響によるコストの上昇や環境問題に対応しないことによる消費者及び投資家からの評価の低下などが懸念され、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、設備や車両の省エネ化など温室効果ガスの排出量を削減する取り組みを進めてまいります。
(11)自然災害に関するリスクについて
近年、突発的に発生する災害や天災が増えており、不慮の事故等で製造設備の損害発生や原材料の供給不足、さらに電力・物流をはじめとする社会インフラの機能が低下した場合には、当社グループの経営成績や財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、大規模な災害発生時、速やかにアシードホールディングス㈱内に対策本部を設置し、従業員の安否確認や事業所施設の被災状況など情報を集中させるとともに、各事業所各自で対応すべき事項の確認とグループ内での支援を行う態勢を構築しています。これにより被害の最小化と影響の最小化に努めてまいります。
(1) 経営成績等の状況の概況
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に個人消費が堅調に推移し、企業の設備投資に持ち直しの動きが見られたことなどにより、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方で、アメリカの関税政策の世界経済への影響、収束の見えないウクライナ、ガザの情勢等先行きの不透明感は以前よりも増しており、不確実性は一層高まっています。
この環境下において、当社グループは、「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来 ― すべての笑顔と健康のために」の実践に向けて更新した「中期経営計画」に基づき、ブランド創造企業への挑戦、既存事業の構造改革、M&Aによるグループ強化、新規事業・海外事業の強化を中心とした成長の加速に取り組んでいます。
この結果、当連結会計年度の資産合計は19,655百万円(前連結会計年度末比726百万円増)、負債合計は12,431百万円(同133百万円増)及び純資産は7,223百万円(同593百万円増)となりました。
また、当連結会計年度の経営成績は、売上高23,969百万円(前期比3.0%増)、営業利益765百万円(同0.2%減)、経常利益1,093百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益748百万円(同2.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「3.連結財務諸表及び主な注記(5)連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等の注記)」の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、「自販機運営リテイル事業」に含まれていたアシード㈱の飲料ウェルネス事業の区分を、「飲料製造事業」へ変更しております。前期の値については変更後の区分で組み替えた数値を記載しております。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上高は外部顧客への売上高を記載しております。
(a) 自販機運営リテイル事業
自販機運営リテイル事業におきましては、自販機での小売価格の値上げや設置条件の改定を実施し、利益率の改善を進めました。売価改定により販売数量が伸び悩む中、ルートの再編による業務の効率化を図り収益性の向上に努めております。また、消費者の求める利便性に応えるべく、新札対応のための機材の切替、キャッシュレス対応を進めました。
この結果、自販機運営リテイル事業の売上高は13,614百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は240百万円(前年同期比23.1%増)となりました。
(b) 飲料製造事業
飲料製造事業におきましては、上半期は再編に伴う製造の停止や低アルコール飲料の製造数量が伸び悩んだことにより業績は低調に推移いたしました。しかしながら例年閑散期となる冬季においてアシードブリュー㈱のソフトパウチ飲料の製造数量が大幅に増加した事や、静岡ローストシステム㈱の茶葉加工が堅調に推移した事により、セグメント損益は通期で減益となったものの、業績は改善傾向となっております。
また、自社ブランド商品におきましては、㈱SEAMとのコラボレーションで開発された和食ペアリングの低アルコール飲料「食と茶の夢」、ストレート果汁を使用した創作カクテル「家バル」シリーズの新商品として「家バル ハニーレモネード」を発売するなど、当連結会計年度において新商品を7点、リニューアル商品を7点発売して自社商品のラインナップを充実させ、全国展開を目指した商品力強化に注力しました。
この結果、飲料製造事業の売上高は9,961百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は809百万円(同3.0%減)となりました。
(c) 不動産運用事業
不動産運用事業におきましては、当社及びアオンズエステート㈱を中心に所有不動産の運用を行っており、不動産運用事業による売上高は140百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は218百万円(同4.8%増)となりました。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高231百万円を含めると371百万円となります。
(d) その他事業
その他事業におきましては、ロジックイノベーション㈱が東西の物流部門を強化すると共に、グループ内物流の内製化を行っており、その他事業の売上高は252百万円(前期比3.4%増)、セグメント利益は35百万円(同58.5%増)となりました。一方で業績改善が不十分であったロジックイノベーション㈱の環境事業に係る設備の減損を行い、102百万円の特別損失を計上いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、838百万円(前期は1,690百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益968百万円及び減価償却費795百万円等により資金を獲得する一方、持分法による投資利益248百万円及びその他負債の純減額216百万円等により資金を使用したことによるものであります。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、828百万円(前期は988百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出898百万円等により資金を使用する一方、投資有価証券の売却による収入106百万円等により資金を獲得したことによるものであります。
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は、192百万円(前期は206百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純増額250百万円、長期借入れによる収入1,700百万円により資金を獲得する一方、長期借入金の返済による支出1,374百万円及び配当金の支払額221百万円により資金を使用したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ201百万円増加し、当連結会計年度末には1,772百万円となりました。
③生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
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飲料製造事業 |
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清涼飲料(百万円) |
3,219 |
- |
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低アルコール飲料(百万円) |
4,202 |
- |
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ソフトパウチ飲料(百万円) |
1,080 |
- |
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茶葉(百万円) |
1,405 |
- |
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合計(百万円) |
9,907 |
- |
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(注)1.自販機運営リテイル事業・不動産運用事業・その他事業において生産活動は行っておりません。
2.2024年10月1日付の組織再編に伴い、集計方法及び集計区分を変更しているため、前期比を記載しておりません。
(b) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
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飲料製造事業 |
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清涼飲料 |
3,403 |
- |
291 |
- |
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低アルコール飲料 |
4,345 |
- |
329 |
- |
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ソフトパウチ飲料 |
1,081 |
- |
137 |
- |
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茶葉 |
1,425 |
- |
120 |
- |
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合計 |
10,256 |
- |
879 |
- |
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(注)2024年10月1日付の組織再編に伴い、集計方法及び集計区分を変更しているため、前期比を記載しておりません。
(c) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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自販機運営リテイル事業(百万円) |
6,872 |
101.6 |
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合計(百万円) |
6,872 |
101.6 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.飲料製造事業において商品仕入活動を行っておりますが、金額に重要性がないため記載しておりません。また不動産運用事業・その他事業においては商品仕入活動を行っておりません。
(d) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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自販機運営リテイル事業(百万円) |
13,614 |
101.4 |
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飲料製造事業(百万円) |
9,961 |
105.4 |
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不動産運用事業(百万円) |
140 |
99.7 |
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その他事業(百万円) |
252 |
103.4 |
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合計(百万円) |
23,969 |
103.0 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に、検証等を行っております。
(事業用固定資産の減損処理)
当社グループでは、減損の兆候がある資産グループのうち、収益性の低下により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることとなった資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。割引前将来キャッシュ・フローにつきましては事業計画を基礎としており、事業計画策定においては販売予測や経費削減策等の仮定を用いております。減損の兆候の把握、減損損失の認識並びに測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合減損処理が必要となる可能性があります。
②財政状態の分析
(a) 流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、7,505百万円となり、前連結会計年度末に比べ443百万円増加しました。これは現金及び預金の増加201百万円及び商品及び製品の増加60百万円等によるものであります。
(b) 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は12,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ、283百万円増加しました。これは建設仮勘定の増加268百万円及び投資有価証券の増加219百万円等によるものであります。
(c) 流動負債
流動負債は8,575百万円となり、前連結会計年度末に比べ304百万円減少しました。これは買掛金の減少61百万円及び未払法人税等の減少125百万円等によるものであります。
(d) 固定負債
固定負債は3,856百万円となり、前連結会計年度末に比べ438百万円増加しました。これは長期借入金の増加427百万円等によるものであります。
(e) 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は7,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ593百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益による増加748百万円等によるものであります。
③経営成績の分析
(a) 売上高
自販機運営リテイル事業は夏季の気温上昇の恩恵を受け、13,614百万円の売上高となりました。飲料製造事業は大手ブランドメーカーの厚い信頼を得てソフトパウチ飲料等のOEMが着実に伸長するとともに、静岡ローストシステム㈱の茶葉加工の売上増などにより9,961百万円の売上高となりました。不動産運用事業は、グループ物流施設稼働による賃料収入の微減などにより140百万円、その他事業はロジックイノベーション㈱の物流事業の増加などにより252百万円の売上高となりました。
(b) 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価につきましては、380百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費が売上高に占める比率は、前連結会計年度と比較して0.4%増加いたしました。
(c) 営業外収益、営業外費用
営業外収益は、前連結会計年度に比べ88百万円増加し、419百万円となりました。その主な要因は、持分法による投資利益の増加48百万円等によるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ31百万円増加し、91百万円となりました。その主な要因は、その他の増加30百万円等によるものであります。
(d) 特別利益、特別損失
特別利益として、投資有価証券売却益54百万円を計上いたしました。
特別損失として、固定資産除却損52百万円、投資有価証券評価損7百万円及び減損損失119百万円を計上いたしました。
④経営戦略の現状と見通し
飲料関連事業を取り巻く国内の事業環境は、今後も厳しさが増していくと予想されます。引き続き、自販機運営及び飲料製造の基盤強化を図るとともに、食品・飲料企業とアライアンスを組み、事業再編・構築を積極的に進めてまいります。
自販機オペレーター業界内では後継者難から事業譲渡を検討している案件も増えていることから、M&Aや業務提携を通じて効率化を伴った事業規模の拡大を経営戦略として掲げております。飲料製造事業については当社グループの中核事業に成長しており、より一層戦略的な設備投資を実施しながら、需要の拡大に応えてまいります。また、静岡ローストシステム㈱及びマルサン萩間茶㈱の子会社化により健康茶など新商品の共同開発を行うとともに、既存の飲料部門と相乗効果が見込める分野で新たな取り組みを進めてまいります。
海外ではASEAN諸国を中心に投資を積極的に推進するとともに、投資先であるハロンビールとのアライアンスも視野に入れながら低アルコール飲料及び清涼飲料市場を開拓してまいります。また、国内においてはチューハイブランド「アスター」を軸に販売拡大に努め、アシードブランドの品質の高さを多くのお客様に認知いただくとともに、総合的なブランド力向上を推進いたします。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比較して、851百万円減少の838百万円のキャッシュを得ております。その主な要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等による収入によるものであります。支出については、その他負債の減少等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して、159百万円支出が減少し828百万円を支出しております。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入の増加等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の206百万円の支出に対し、192百万円の収入となりました。その主な要因は、短期借入金の純増額及び長期借入金の純増による収入等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、経営環境や金利動向を考慮しながら、「必要な資金を、安定的に調達すること」を基本方針とし、事業運営上必要な資金の確保及び経済環境の急激な変化に耐えうる流動性維持に努めております。
調達手段として、長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本とし、短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を基本としております。借入については、グループ会社で一元化することにより有利子負債の削減、安定的かつ効率的な資金調達を心掛けております。
該当事項はありません。
当社グループは飲料製造事業において、各事業会社の品質保証・製品開発部門にて既存飲料製品の成分分析、サンプル品の製造を中心に、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めており、当連結会計年度における研究開発活動の金額は、