当連結会計年度におけるわが国経済は、新興国経済に減速がみられたものの企業収益の改善などにより、景気に緩やかな回復がみられました。一方で、個人消費が十分に回復しきれていないこともあり、消費者の節約志向は依然として続いております。加えて、海外経済の減速、為替の影響に対する懸念もあり、先行きの不透明感が払拭しきれない状況にあります。
このような状況下において、当社グループは、「原点回帰」を掲げ、全社員の意識改革を行う一方、主力事業である個人宅配の販売システムなどの見直しを行いました。また、平成27年11月に主力商品である「エコクック」メニューの価格改定を実施いたしました。これらの施策による効果が寄与してきたことにより、経営状況等は改善の方向へ進んでおります。今後も、引き続き販売体制の強化に努め、安定した利益を確保できるように努めてまいります。
また、法人向け業務として展開している介護食事業は、その栄養バランスや使用食材の良さに加え、宅配システムによる利便性の高い点も評価いただいております。部門の名称をこれまでの事業食部から法人部に改め、従来の「介護食」に、「学童食」、「事業所食」業務を加えることにより、総合食事サービス企業として「赤ちゃんからお年寄りまで」、あらゆるお客様にご家庭の味を楽しんでいただけるような事業展開を実行してまいります。なお、幼・保一元化策による「学童食」は今後、売上の増加に寄与するものと思われます。
当連結会計年度において、主力メニューの商品売上高は、81億90百万円(前年度比97.3%)、特売商品売上高については、7億4百万円(前年度比99.7%)になりました。
上期においては、天候不順等に伴う一連の食品価格の値上りが続きましたが、生産性の向上と効率的な仕入体制の構築を目的としたシステム改善を行ったことに加えて、下期以降各種商品の仕入価格が安定化してきたことなどにより、売上原価率は60.8%とほぼ前年並み(前年度は60.4%)になりました。
また、販売費及び一般管理費は前年度より1億65百万円減少し、33億5百万円になりました。この主な理由は販売システムの見直し等、販売効率を高めたことにより、人件費、印刷費、燃料代など販売諸経費削減の効果が現れたことによります。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高が88億95百万円(前年度比97.5%)、経常利益は1億36百万円(前年度比226.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億34百万円(前年度は減損損失3億62百万円を計上したことにより、3億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)になりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億25百万円減少し、3億78百万円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は67百万円(前連結会計年度は2億65百万円の増加)になりました。これは、主に税金等調整前当期純利益2億10百万円、減価償却費1億85百万円の計上等により資金が増加しましたが、投資有価証券売却損益63百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、増加した資金は2億31百万円(前連結会計年度は4億58百万円の増加)になりました。これは、有形固定資産の売却による収入1億35百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1億65百万円等により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、減少した資金は5億25百万円(前連結会計年度は14億82百万円の減少)になりました。これは、主に長期借入による収入10億円がありましたが、長期借入金の返済による支出11億6百万円、短期借入金の純増減額2億20百万円等により資金が減少したことによるものであります。
当社グループは生産活動を行っておりませんので、生産実績に代えて、仕入実績を記載しております。
当連結会計年度における仕入実績を商品別に示すと、以下のとおりであります。
商品別 | 仕入高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
メニュー商品 | 3,855,204 | 97.4 |
特売商品 | 421,691 | 98.2 |
合計 | 4,276,895 | 97.5 |
(注) | 1.金額は仕入価格によっております。 |
| 2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。 |
当連結会計年度における販売実績を商品別に示すと、以下のとおりであります。
商品別 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
メニュー商品 | 8,190,844 | 97.3 |
特売商品 | 704,515 | 99.7 |
合計 | 8,895,359 | 97.5 |
(注) | 上記の金額には消費税等は含まれておりません。 |
翌連結会計年度のわが国経済は、新興国の経済状況や日銀のマイナス金利導入の影響等の将来への不確定要素により、投資や個人消費マインドの回復には不透明感があります。また原材料価格の上昇などのリスクもあることから、経営環境は依然として厳しい状況で推移することも予想されます。
このような状況の下、当社は来期で創業40年目を迎えることになり、いかなる環境にも対応できる経営体制を確立することが重要であると認識しております。従って、経営体制の見直しなど、人事の刷新を図ります。当社グループは、個人客向け宅配のシステム、法人向け業務の強化、仕入体制の再整備等一層の業務改善を図り、利益のあがる企業にしてまいります。加えて、当社グループの工場であるフレッシュセンターを増改築することで調理済食品など新製品の開発、製造を行うとともに、生産量、生産効率の両面からも収益構造の改善に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社が行っている事業は「総菜宅配業界」に分類されておりますが、当該事業は一般家庭に夕食材料を宅配により提供するものであり、基本的には「生鮮食品類の小売事業」として位置付けられるものと考えております。
また、当社が顧客に提供する商品は、大別すると、「総菜として販売する商品」、「素材のまま販売する商品」に分類することができます。したがって、「総菜として販売する商品」は、ファミリーレストラン、ファストフード、一般飲食店等および持ち帰り総菜等の業態と、また、「素材のまま販売する商品」は、食品スーパー、肉屋、魚屋および八百屋などの一般小売店等の業態と競合する可能性があります。
当社が、当社商品の利用顧客数を増加させる上で重要な課題と認識している点は、販売ルート数の増加と、それに伴う販売人員の確保増強および魅力ある商品開発ならびに迅速正確な宅配オペレーションシステムの構築であります。従って、万一、販売ルート数に見合う適正規模の販売社員数の確保が困難な場合や充分な商品開発および宅配オペレーションシステムの構築が進まない場合には、今後の業容拡大や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、この課題に対して、求人活動を強化し、優秀な人材の確保に努めるとともに、人材育成に関しては、研修の実施、宅配オペレーションシステムの効率化を推進することにより、今後の業容の拡大に対応すべく取り組んでおります。
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出されております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、その影響が累積される結果、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、割引率の低下や運用利回りが悪化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の業績は、当社の主要仕入品目である野菜、精肉及び魚介類の調達状況により影響を受ける傾向があります。メニュー冊子の内容決定から仕入までに一定期間がかかるため、異常気象や大規模災害により急激に野菜相場が変動する場合、また、飼料・燃料価格の上昇、疫病の発生等による畜産・水産資源の枯渇、大量消費需要の発生等による、市場価格・需給バランスが崩れることにより、急激に精肉及び魚介類の相場が変動する場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により食材の調達そのものが困難になることにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの保有する固定資産につき、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。当社グループでは、今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、地価の動向および対象となる固定資産の収益状況によっては、減損損失を追加計上する場合が見込まれ、今後の当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
契約締結先 | 契約内容 | 契約日及び契約期限 | 対価 |
株式会社ショクブンちた | フランチャイズ契約 | 契約日 平成15年9月2日 | ロイヤリティ |
当社グループの研究開発活動は、「健康的でバランスのとれた安全で安心な商品」作りを図るという基本方針を踏まえ、主として株式会社食文化研究所において、食材およびメニューの研究開発を行っております。
メニュー開発に関し、一般食については、食材の調達から、調理方法、保存方法、衛生管理、環境問題に取り組み、市場調査、サンプリングなどを行い、健康を意識し顧客ニーズに合ったメニューの商品化を行っております。また、今後市場規模の拡大が予想される介護食・健康食に対して、個食対応型で簡単かつ短時間で調理できる食材や調理済み食品などを取り入れたメニューと提供方法についての研究開発を行っており、事業化を図ってまいります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は28百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 資産
資産の部では、長期借入金の返済等により、現金及び預金が1億74百万円、有形固定資産が1億29百万円減少したこと等により、資産合計は前連結会計年度末に比べ5億36百万円減少の81億77百万円になりました。
② 負債
負債の部では、借入金(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の合計)が3億26百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が42百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末に比べ495百万円減少の61億44百万円になりました。
③ 純資産
純資産の部では、利益剰余金が57百万円増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が59百万円減少したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末に比べ41百万円減少の20億33百万円になりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の23.8%から24.9%になり、1株当たり純資産は、前連結会計年度末の216.03円から211.72円になりました。
(3) 経営成績の分析
① 概要
売上高は88億95百万円(前年度比97.5%)になりました。効率的な販売活動を実現し、コストの削減を図ったことで、経常利益は1億36百万円(前年度比226.3%)になりました。親会社に帰属する当期純利益は1億34百万円になりました(前年度は減損損失3億62百万円を計上したことにより、3億13百万円の親会社に帰属する当期純損失)。
② 売上高
売上高は88億95百万円で前年度に比べ2億31百万円減少しました。これは、消費者の低価格志向や他業種からの宅配事業への参入による価格競争の激化の影響によるものであります。
総売上高の92.1%を占めるメニュー商品の売上高は81億90百万円(前年度比97.3%)、特売商品の売上高は7億4百万円(前年度比99.7%)になりました。
③ 売上総利益
売上総利益は1億27百万円減少の34億83百万円(前年度比96.5%)になりました。上期においては、天候不順等に伴う一連の食品価格の値上りが続きましたが、生産性の向上と効率的な仕入体制の構築を目的としたシステム改善を行ったことに加えて、下期以降各種商品の仕入価格が安定化してきたことなどにより、売上原価率は60.8%とほぼ前年並み(前年度は60.4%)になりました。
④ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は1億65百万円減少の33億5百万円になりました。販売システムの見直し等、販売効率を高めたことにより、人件費、印刷費、燃料代など販売諸経費削減の効果が現れたことで、前年度より減少させることができました。
⑤ 営業利益
営業利益は、販売費及び一般管理費の改善により、前年度の1億39百万円に対し38百万円増加の1億77百万円になりました。
⑥ 営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は、前年度の79百万円の費用(純額)から41百万円の費用(純額)になりました。長期借入金の返済や金利の見直しをすることにより、支払利息の減少に努めた結果、支払利息から受取利息を差引いた純額は、前年度87百万円の費用に対し、当年度は65百万円の費用になり、費用が22百万円減少しましたが、投資有価証券運用損益は、前年度5百万円の運用損から、当年度は10百万円の運用益になり、利益が15百万円増加しました。
⑦ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、2億10百万円(前年度は1億79百万円の税金等調整前当期純損失)になりました。資産の効率化、財務体質の強化を図ることを目的に、保有していた名古屋市守山区の土地、投資有価証券の一部を売却し、それぞれ10百万円、63百万円の特別利益を計上しました。
⑧ 法人税等
法人税等は、前年度1億34百万円の計上に比べ58百万円減少の75百万円になりました。
⑨ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、前年度は3億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失であるのに対し、1億34百万円の親会社株主に帰属する当期純利益になりました。1株当たりの当期純利益は、前年度の1株当たり当期純損失27.12円に対し、当年度は1株当たり当期純利益14.04円になりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
「第一部 企業情報 第2事業の状況 4事業等のリスク」をご参照ください。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
① キャッシュ・フロー
「第一部 企業情報 第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 第38期 | 第39期 | 第40期 |
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
自己資本比率(%) | 35.0 | 23.8 | 24.9 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 52.8 | 55.1 | 55.9 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) | 35.8 | 20.9 | 77.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 1.4 | 2.9 | 1.0 |
(注)1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によっており、以下の算式で算定しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
3. キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
4. 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社商品の原価を構成する原材料、包装資材の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係るものであります。営業費用の主なものは人件費および販売促進費であります。
③ 財務政策
当社グループの運転資金および設備投資資金については、内部留保資金または借入れ等により資金調達することとしております。このうち借入れ等による資金調達に関し、運転資金については、期限が1年以内の短期借入金によっております。また、設備投資資金は、適格機関投資家限定の無担保社債の発行、長期借入れおよび第三者割当増資によっております。
当社グループは、その健全な財務状況及び営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力並びに実行を確約していない未使用の借入枠により、今後の成長を維持するために必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。