第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度(2015年9月1日~2016年8月31日)の連結業績は、売上収益が1兆7,864億円、前期比6.2%増、営業利益は1,272億円、同22.6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は480億円、同56.3%減と増収減益の結果となりました。その他費用に為替差損110億円、J Brand事業の減損損失138億円、米国ユニクロおよび国内ユニクロにおける店舗の減損損失および閉店に伴う除却損・閉店損の合計93億円などを計上しています。また、期末の為替レートが期首に比べて円高となったことから、長期保有の外貨建資産などの換算差額が減少し、金融費用に為替差損369億円を計上しています。この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比で大幅な減益となりました。

 通期の営業利益は22.6%の減益でしたが、下期6ヶ月間(2016年3月1日~2016年8月31日)の営業利益は前年同期比94.3%増と大幅な増益に転じています。これは、国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業において、下期から売上が回復したことに加え、経費削減の効果によるものです。

 当社グループは、中期ビジョンとして「世界No.1のアパレル情報製造小売業となる」ことを目標に、特に海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。各国において、ユニクロの出店を継続すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店し、ユニクロブランドのグローバル化を図っています。また、グループ第二の柱に成長したジーユー事業は、国内市場における出店に加え、海外市場への出店も加速し、事業の拡大を図っています。

 中期的には素材調達・企画・デザイン・生産・販売までの一貫したサプライチェーンを改革し、デジタル時代に対応した、新しいサプライチェーンへの改革もすすめています。お客様が求めるものをすぐに商品化し、情報を積極的に発信していく「情報製造小売業」へ業態を変革していきます。また、Eコマース事業の拡大と、物流改革をすすめ、2016年4月には東京都有明に次世代物流センターを稼働させました。この他、国内各地および中国、欧州、北米などの海外拠点でも新物流センターを稼動させる計画です。

 

[国内ユニクロ事業]

 国内ユニクロ事業の当連結会計年度の売上収益は7,998億円、前期比2.5%増、営業利益は1,024億円、同12.6%減と増収減益となりました。増収となったのは、既存店売上高が0.9%増となったこと、Eコマース事業が30.1%増と好調だったことによります。通期の売上総利益率は1.4ポイント低下、売上販管費比率は0.5ポイント増加したことから営業利益は同12.6%の減益となりました。ただし、下期6ヶ月間では、営業利益は同38.0%増と大幅な増益に転じています。下期はジョガーパンツ、スカンツ、ウィメンズのブラウスといったトレンドの新商品や、エアリズム素材やドライ素材を使ったスポーツキャンペーン商品が好調で、下期の既存店売上高は同4.9%増となりました。また、「毎日お買い求めやすい価格」戦略の定着により、下期の売上総利益率は改善、また、経費削減の効果により、売上販管費比率も改善しました。

 

[海外ユニクロ事業]

 海外ユニクロ事業の当連結会計年度の売上収益は6,554億円、前期比8.6%増、営業利益は374億円、同13.7%減と増収減益となりました。ただし、下期6ヶ月間では、営業利益は前年同期比15倍と大幅な増益に転じています。下期の増益幅が大きかったエリアは、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)、東南アジア・オセアニア、欧州でした。グレーターチャイナの通期の業績は、売上収益が3,328億円、前期比9.3%増、営業利益が365億円、同5.5%減でした。グレーターチャイナも通期では減益となりましたが、下期は計画を上回る大幅な増益を達成しました。特に中国大陸では、第2四半期から既存店売上高が増収に転じたこと、経費削減の効果により、下期は大幅な増益となりました。また、東南アジア・オセアニア地区および欧州は、通期で増収増益を達成しています。米国は、下期においてビジネスの改善が見られたものの、店舗の減損損失、除却損・閉店損など一時的な損失を合計で74億円計上した結果、通期の営業損失は前期比で拡大する結果となりました。なお、2015年10月にはベルギーへ、2016年9月にはカナダへ初出店を果たしたほか、2016年3月には英国のグローバル旗艦店311オックスフォードストリート店をリニューアルオープン、2016年9月には東南アジア初となるグローバル旗艦店オーチャードセントラル店をシンガポールにオープンしています。2016年8月期末の海外ユニクロ事業全体の店舗数は958店舗に達し、前期末比160店舗の純増となりました。

[グローバルブランド事業]

 グローバルブランド事業の当連結会計年度の売上収益は3,285億円、前期比11.3%増、営業利益は、J Brand事業の減損損失138億円を計上したことなどから95億円、同34.0%減と、増収減益となりました。この秋、1号店の出店から10周年を迎えるジーユー事業の業績は極めて好調で、通期の売上収益が1,878億円、前期比32.7%増、営業利益が222億円、同34.8%増と大幅な増収増益となりました。ニット、スカンツ、ワイドパンツなどウィメンズのトレンド商品の販売が好調だったことから、既存店売上高は2桁増収となりました。2016年8月期末のジーユーの店舗数は海外10店舗を含めて350店舗に達し、前期末比31店舗の純増となりました。また、セオリー事業の営業利益は増益、コントワー・デ・コトニエ事業は赤字、プリンセス タム・タム事業とJ Brand事業は赤字が継続しました。

 

[CSR(企業の社会的責任)活動]

 当社グループのCSR活動は「社会的責任を果たす」「社会に貢献する」「社会の問題を解決し新たな価値を創造する」ことを基本方針とし、グローバルかつ地域に根ざした活動に取り組んでおります。

 「全商品リサイクル活動」では、ユニクロとジーユーの店舗で回収した衣料を、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とのパートナーシップを通じて、難民・避難民に届けるなど、累計2,033万点(2007年度~2016年度)を寄贈いたしました。今年度は、ウガンダの難民キャンプへ58万点を、またルワンダの難民キャンプへ54万点を届けております。

 インドネシアの伝統柄をモチーフにした「Batik Motif Collection」を、2016年6月から世界のユニクロで販売し、収益の一部を、インドネシアにある当社グループの取引先工場で働く従業員約1万2千人の教育支援に活用してまいります。この活動は2015年からバングラデシュ向けに実施している〝Factory Worker Empowerment Project″の一環であり、インドネシアの縫製産業を支える工場従業員の衛生面や健康管理の改善を目指すものです。

 子どもたちの視野を広げ、子ども向けの衣料支援の更なる充実を目指した「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」は、「全商品リサイクル活動」を学校教育の一環として行う活動です。4年目の2016年度は、全国268校の小中高等学校で、約3万人の児童・生徒が参加をしました。当社従業員による服の持つ役割や難民問題に関する出張授業の後、児童・生徒たちが主体となり子ども服を回収し、当社が難民キャンプへ寄贈しております。
 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、302億円増加し、3,854億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による収入は、前連結会計年度と比べ361億円減少し、987億円(前期比26.8%減)となりました。これは主として、税引前利益902億円(前期比904億円減)、為替差損益369億円(前期比520億円増)等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、前連結会計年度と比べ1,727億円増加し、2,459億円(前期比236.2%増)となりました。これは主として、定期預金の増減額1,865億円(前期比1,703億円増)等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による収入は、前連結会計年度と比べ2,432億円増加し、2,014億円となりました。これは主として、社債の発行による収入2,493億円(前期比2,493億円増)等によるものです。

 

(3)並行開示情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

(表示組替)

 日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは金融収益又は金融費用、その他費用、その他収益及び販売費及び一般管理費等に表示しております。

 

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準の下で、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。

 この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度におきましては、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が3,680百万円減少し、減損損失(その他費用)が1,420百万円増加しております。当連結会計年度におきましては、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が1,899百万円減少し、減損損失(その他費用)が962百万円増加しております。

 

(外貨建貨幣性金融商品の換算差額に関する事項)

 日本基準の下で、外貨建貨幣性金融商品の為替換算差額は、純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上されておりますが、IFRSでは、これらの換算差額は為替差損益として処理しております。

 この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度におきましては、為替差益(金融収益)が5,595百万円増加しております。当連結会計年度におきましては、為替差損(金融費用)が1,678百万円増加しております。

 

(固定資産の減損に関する事項)

 日本基準の下では、減損の兆候がある場合に、減損の認識の判定(割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額の比較)を行った後、減損損失の測定(回収可能価額と帳簿価額の比較)を行います。一方でIFRSでは減損の兆候がある場合、固定資産の回収可能価額が見積られ、回収可能価額が帳簿価額よりも小さい場合、資産又は資金生成単位グループの減損損失を測定いたします。

 この影響により、IFRSの減損損失は日本基準に比べて、前連結会計年度2,232百万円、当連結会計年度2,394百万円増加しております。

 

2【販売及び仕入の状況】

(1) 部門別売上状況

部門

前連結会計年度

自 2014年9月1日

至 2015年8月31日

当連結会計年度

自 2015年9月1日

至 2016年8月31日

売上収益
 (百万円)

構成比
(%)

売上収益
 (百万円)

構成比
(%)

 メンズ

314,587

18.7

319,995

17.9

 ウィメンズ

371,127

22.1

379,837

21.3

 キッズ・ベビー

56,526

3.4

55,005

3.1

 グッズ・その他

19,429

1.1

20,935

1.2

 国内ユニクロ商品売上合計

761,671

45.3

775,773

43.5

 FC関連収入・補正費売上高

18,467

1.1

24,044

1.3

 国内ユニクロ事業合計

780,139

46.4

799,817

44.8

 海外ユニクロ事業

603,684

35.9

655,406

36.7

 ユニクロ事業合計

1,383,824

82.3

1,455,224

81.5

グローバルブランド事業

295,316

17.6

328,557

18.4

その他事業

2,641

0.1

2,691

0.1

合計

1,681,781

100.0

1,786,473

100.0

(注) 1 FC関連収入とは、フランチャイズ店に対する商品売上高、フランチャイズ店からのロイヤリティ収入であり、補正費売上高とは、パンツの裾上げ(補正)の加工賃及び刺繍プリントによる収入等であります。

    2 ユニクロ事業とは、「ユニクロ」ブランドのカジュアル衣料品販売事業であります。

    3 グローバルブランド事業は、ジーユー事業(「ジーユー」ブランドの衣料品販売事業)、セオリー事業(「Theory(セオリー)」、「Helmut Lang(ヘルムート・ラング)」、「PLST(プラステ)」ブランド等の衣料品販売事業)、コントワー・デ・コトニエ事業(「COMPTOIR DES COTONNIERS(コントワー・デ・コトニエ)」ブランドの衣料品販売事業)、プリンセス タム・タム事業(「PRINCESSE TAM.TAM(プリンセス タム・タム)」ブランドの衣料品販売事業)及びJ Brand事業(「J BRAND(ジェイブランド)」ブランドの衣料品販売事業)で構成されております。

    4 その他事業とは、不動産賃貸業等であります。

    5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 地域別売上状況

地域別

当連結会計年度

(自 2015年9月1日

  至 2016年8月31日)

売上収益(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

期末店舗数(店)

国内ユニクロ

店舗商品売上高

北海道

25,753

101.2

1.4

29

青森県

5,708

102.0

0.3

9

岩手県

5,037

98.9

0.3

8

宮城県

12,418

100.9

0.7

14

秋田県

3,933

101.1

0.2

7

山形県

5,030

102.9

0.3

8

福島県

8,613

97.9

0.5

10

茨城県

14,678

99.0

0.8

16

栃木県

10,251

99.7

0.6

14

群馬県

11,207

90.6

0.6

18

埼玉県

39,039

98.1

2.2

44

千葉県

33,461

99.8

1.9

41

東京都

124,522

101.2

7.0

98

神奈川県

60,657

103.0

3.4

58

新潟県

11,730

104.3

0.7

12

富山県

4,569

83.8

0.3

6

石川県

5,991

103.0

0.3

7

福井県

4,132

103.8

0.2

5

山梨県

4,694

99.4

0.3

5

長野県

10,455

100.0

0.6

11

岐阜県

10,067

101.4

0.6

11

静岡県

20,838

99.1

1.2

24

愛知県

41,761

100.1

2.3

43

三重県

9,277

100.4

0.5

10

滋賀県

7,602

106.1

0.4

10

京都府

17,727

102.0

1.0

20

大阪府

65,322

103.4

3.7

72

兵庫県

33,509

99.6

1.9

34

奈良県

7,057

96.5

0.4

9

和歌山県

2,212

99.5

0.1

3

鳥取県

3,009

98.9

0.2

3

島根県

504

101.6

0.0

1

岡山県

8,855

94.9

0.5

9

広島県

14,507

102.4

0.8

17

山口県

3,664

99.1

0.2

5

徳島県

3,834

98.2

0.2

5

香川県

4,924

99.7

0.3

6

愛媛県

5,126

100.2

0.3

7

高知県

3,605

97.2

0.2

4

福岡県

28,764

102.5

1.6

32

佐賀県

3,483

99.2

0.2

4

長崎県

5,719

100.0

0.3

8

熊本県

7,405

93.7

0.4

9

 

 

地域別

当連結会計年度

(自 2015年9月1日

   至 2016年8月31日)

売上収益(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

期末店舗数(店)

 

大分県

6,353

104.9

0.4

8

宮崎県

4,019

98.0

0.2

6

鹿児島県

7,268

101.0

0.4

11

沖縄県

5,294

103.7

0.3

7

国内ユニクロ店舗計

733,606

100.6

41.1

798

Eコマース事業

42,167

130.1

2.4

FC商品供給高・経営管理料

23,388

131.6

1.3

39

補正費売上高

656

94.7

0.0

国内ユニクロ事業計

799,817

102.5

44.8

837

海外ユニクロ事業

655,406

108.6

36.7

958

ユニクロ事業合計

1,455,224

105.2

81.5

1,795

グローバルブランド事業

328,557

111.3

18.4

1,365

その他事業

2,691

101.9

0.1

合計

1,786,473

106.2

100.0

3,160

 

(注) 1 FC商品供給高とは、フランチャイズ店に対する商品売上高、経営管理料とはフランチャイズ店からのロイヤリティ収入であり、補正費売上高とは、パンツの裾上げ(補正)の加工賃及び刺繍プリントによる収入等であります。

    2 ユニクロ事業とは、「ユニクロ」ブランドのカジュアル衣料品販売事業であります。

    3 グローバルブランド事業は、ジーユー事業(「ジーユー」ブランドの衣料品販売事業)、セオリー事業(「Theory(セオリー)」、「Helmut Lang(ヘルムート・ラング)」、「PLST(プラステ)」ブランド等の衣料品販売事業)、コントワー・デ・コトニエ事業(「COMPTOIR DES COTONNIERS(コントワー・デ・コトニエ)」ブランドの衣料品販売事業)、プリンセス タム・タム事業(「PRINCESSE TAM.TAM(プリンセス タム・タム)」ブランドの衣料品販売事業)及びJ Brand事業(「J BRAND(ジェイブランド)」ブランドの衣料品販売事業)で構成されております。

    4 その他事業とは、不動産賃貸業等であります。

    5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 単位当たりの売上状況

摘要

当連結会計年度

(自 2015年9月1日

 至 2016年8月31日)

前年同期比(%)

売上収益

1,389,012百万円

104.2%

1㎡当たり売上収益

売場面積(平均)

1,576,632㎡

108.3%

1㎡当たり期間売上収益

881千円

96.2%

1人当たり売上収益

従業員数(平均)

55,633人

107.7%

1人当たり期間売上収益

24,967千円

96.8%

 

 (注) 1 国内・海外ユニクロ事業についてのみ記載しております。

2 売上収益は店舗商品売上高であり、国内ユニクロ事業のEコマース事業・FCに対する商品供給高・経営管理料及び補正費売上高は含まれておりません。

3 売場面積(平均)は、営業店の稼動月数を基礎として算出しております。

4 従業員数(平均)は、準社員、アルバイト社員、委託社員及び受入出向社員を含み、委任型執行役員を除いております。なお、準社員、アルバイト社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出しております。

5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(4) 仕入実績

商品部門別

当連結会計年度

(自 2015年9月1日

 至 2016年8月31日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

メンズ

170,357

104.6

18.7

ウィメンズ

212,320

110.8

23.3

キッズ・ベビー

27,823

92.8

3.0

グッズ・その他

11,326

118.1

1.2

 国内ユニクロ事業合計

421,828

107.0

46.2

海外ユニクロ事業

336,964

109.5

36.9

ユニクロ事業合計

758,792

108.1

83.1

グローバルブランド事業

154,353

118.0

16.9

合計

913,146

109.7

100.0

(注) 1 ユニクロ事業とは、「ユニクロ」ブランドのカジュアル衣料品販売事業であります。

    2 グローバルブランド事業は、ジーユー事業(「ジーユー」ブランドの衣料品販売事業)、セオリー事業(「Theory(セオリー)」、「Helmut Lang(ヘルムート・ラング)」、「PLST(プラステ)」ブランド等の衣料品販売事業)、コントワー・デ・コトニエ事業(「COMPTOIR DES COTONNIERS(コントワー・デ・コトニエ)」ブランドの衣料品販売事業)、プリンセス タム・タム事業(「PRINCESSE TAM.TAM(プリンセス タム・タム)」ブランドの衣料品販売事業)及びJ Brand事業(「J BRAND(ジェイブランド)」ブランドの衣料品販売事業)で構成されております。

    3 上記以外に、その他事業(不動産賃貸業等)がありますが、事業の性格上、仕入は発生しません。

    4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 (1) 「グローバルワン」の経営体制を推進

 ユニクロ事業、ジーユー事業、セオリー事業など、グループ全体を統合する「グローバルワン」の経営体制を推進するため、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、シンガポールを拠点とする各本部機能および、それらの連動を強化していきます。また、社内の教育機関であるFR-MICを活用し、グローバルで活躍できる次世代のリーダー・経営者の育成にも積極的に取り組んでいきます。

 

 (2) ユニクロ事業のグローバル展開を加速

 グレーターチャイナ、韓国、および東南アジアなどのアジア・オセアニア市場、および欧米市場を中心に海外出店を拡大し、ユニクロ事業のグローバル展開を加速していきます。また、グローバル旗艦店や地域を代表する旗艦店を、各国の主要都市に出店し、ブランド認知度を高めるとともに、グローバルマーケティングを構築していきます。特に米国市場においては、ユニクロのブランド認知度を高めることで、早期に黒字体質に変革していきます。

 

 (3) 世界最高水準の商品開発力を強化

 世界のファッショントレンドをいち早く掴み、世界最高水準の商品をつくるために、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、ロサンゼルスのR&Dセンターが稼動しています。究極の普段着を追求するユニクロは、お客様の生活をより豊かにし、心から満足していただけるLifeWearとして、商品の完成度を高めています。またジーユーも、トレンド情報を的確に捉え、最旬のファッション商品の開発を行っています。

 

 (4) サプライチェーンの大改革

 素材調達・企画・デザイン・生産・販売までの一貫したサプライチェーンすべてを改革し、デジタル時代に対応した、新しいサプライチェーンへの改革をすすめています。お客様が求めるものをすぐに商品化し、情報を積極的に発信していく「情報製造小売業」へ業態を変革していきます。また、Eコマース事業の拡大とともに物流改革をすすめており、2016年4月には東京都有明の次世代物流センターを稼動させました。この他、国内外の拠点でも新物流センターを稼動させる計画です。

 

 (5) 産業を変えるデジタルイノベーションの推進

 Eコマース事業の売上構成比を現状の5%から30%へと引き上げる目標を掲げ、リアル店舗とバーチャルが融合した「新しいお買い物体験」を追求していきます。新しいデジタルマーケティング、ビッグデータの活用など、さまざまなデジタルイノベーションを推進します。お客様にとって、利便性が高く、ほしいものがすぐに手に入る仕組みやサービスを充実させていきます。

 

 (6) 国内ユニクロ事業の安定成長

 2016年8月期末時点で837店舗を展開する国内ユニクロ事業では、スクラップ&ビルドにより1店舗あたりの売場面積を拡大し、高い効率性を維持していきます。中期的には店舗販売員の半数を正社員化することで、そのエリアのお客様のニーズに合う品揃えや、マーケティングプランを展開していきます。地域密着型の個店経営に転換することで、さらなるサービスの向上と、継続的な安定成長をめざします。

 

 (7) グローバルブランド事業の成長

 低価格&ファッションの新しいビジネスモデルを構築するジーユーは、日本市場での大量出店を続け、高収益を継続していきます。さらに、Eコマース事業を拡大すると同時に、アジア市場への出店エリアを拡大し、将来的には売上1兆円をめざしています。また、セオリー、コントワー・デ・コトニエ、プリンセス タム・タム、J Brandなど、その他のグローバルブランドは、グループの相乗効果を最大限に生かし、事業拡大をめざします。

 

 (8) 「世界を良い方向に変えていく」CSR活動の推進

 CSR(企業の社会的責任)活動を通じて、社会や人々の生活を豊かにしていくことをめざします。全商品リサイクル活動を通じた難民・避難民への支援、バングラデシュにおけるソーシャルビジネスの運営、取引先工場における労働環境および環境負荷に関するモニタリングの実施、ダイバーシティ推進やワークライフバランス支援などの従業員のための取り組み、障がい者雇用の推進など、さまざまな活動を推進していきます。

 

4【事業等のリスク】

 当社及び当社グループの事業に関連するリスク要因で、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を、以下に記載しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の事前回避や管理の徹底を図るとともに、発生時の適切な対応に努めてまいります。

 なお、記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2016年11月25日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。

(1) 経営戦略遂行上の固有(Specific)リスク

 当社グループの経営戦略上の固有リスクとして、以下を認識しております。

 

① 経営人材リスク

  代表取締役会長兼社長柳井正をはじめとする当社グループ企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びにそのような重要な役割を担い得る人材を確保できなかった場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合リスク

  当社グループは、いずれの事業におきましても、一般消費者を顧客としていることから、常に商品やサービス、価格に関して、国内外の競合企業との間に厳しい競争状態にさらされています。そのため、顧客が当社グループの競合他社を選択するなどにより、事業競争力が相対的に低下した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 生産の特定地域への依存リスク

  当社グループの各事業で販売する商品の大半は、中国を始めとするアジア諸国やトルコ等にて生産されています。そのため、当該生産国の政治・経済情勢、治安状態、法制度に著しい変動があった場合、工場従業員や港湾従業員によるストライキの発生、また地震、風水害等大規模な自然災害の発生などにより、商品供給体制に影響を及ぼす可能性があります。また、綿花やカシミヤ、ダウンをはじめとする原材料価格の高騰により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 企業買収リスク

  当社グループは、M&Aや事業提携等による事業の拡大を経営戦略のひとつとしております。対象企業や対象事業とのシナジー効果を追求し、事業ポートフォリオの最適化を図ることにより、グループ事業価値の最大化を目指してまいりますが、期待した収益や効果が得られないことにより、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 海外事業リスク

  当社グループは、M&Aや事業提携等により事業拡大を図るとともに、グループ事業の海外展開を積極的に進めております。海外各国でグループ事業の多店舗展開を進め、海外事業のグループに占める売上高比率が高まるなかで、販売する商品が各国独自の市場ニーズや商品トレンドに合致しない場合、また景気変動、政治的・社会的混乱、法規制等の変更、大幅な為替の変動などが発生した場合、その他各国事業を円滑に運営できる優秀な経営者及び現地スタッフの獲得や育成が円滑に進行しない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 為替リスク

  当社グループの中核事業であるユニクロ事業の商品輸入の大半が、米ドル建となっております。日本向け輸入につきましては、当面3年程度の為替先物予約契約を締結し、輸入為替レートの平準化を図ることにより、仕入コストの安定化を図っておりますが、円安ドル高が進む場合、当社グループの中核を担うユニクロ日本事業の業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 一般(General)事業リスク

 当社グループでの経営並びに事業運営上のリスクとして、以下を認識しております。

 

① 製造物責任リスク

  当社グループ各社の販売する商品に、危険物の混入や染料に有害物質が含まれる等の重大な品質不良が発生した場合、全世界における商品リコールや顧客の健康被害への対処を要し、業績への悪影響及び顧客の信用低下を招く可能性があります。

 

② 営業秘密・個人情報漏洩リスク

  当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます)や営業秘密等の機密情報を取扱っています。顧客情報や機密情報の流出、消失が発生した場合、当該情報の回収や、顧客へのお詫び、損害賠償の支払等の対処を要し、業績への悪影響及び顧客の信用低下を招く可能性があります。

 

③ 天候リスク

  地球温暖化による暖冬傾向等により、当社グループで販売している商品の売上が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 災害リスク

  当社グループの販売する商品の生産工場や販売店舗、及びその周辺地域において、火災、風水害、爆発、建物倒壊等の災害が発生した場合、商品供給体制や販売体制に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 紛争・訴訟リスク

  当社グループと、販売店舗の賃貸人やその他取引先、顧客との間に紛争や訴訟が発生した場合、当該紛争解決に多額の費用がかかり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 経済環境・消費動向の変化のリスク

  当社グループの展開各国における経済環境や消費動向の変化により、商品の売上の減少や過剰在庫が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上収益・売上総利益

 売上収益は、前連結会計年度に比べて1,046億円増加し1兆7,864億円となりました。売上収益の内訳の詳細については、「1 業績等の概要 (1)業績」と「2 販売及び仕入の状況」をご参照ください。

 売上収益が増加した要因は、海外ユニクロ事業で517億円、グローバルブランド事業で332億円、国内ユニクロ事業で196億円と各セグメントにおいて増収となったためです。特に、海外ユニクロ事業においては、アジア地区を中心に積極的な出店を行ったことによる増収、グローバルブランド事業においては、ジーユー事業の拡大により増収となりました。

 売上総利益は、前連結会計年度に比べて164億円増加し、8,649億円となり、売上収益に対する比率は50.5%から48.4%へと2.1ポイント低下しました。低下した主な要因は、上期に暖冬の影響により販売が苦戦し、値引き販売を行った結果、国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業の売上総利益率が低下したことによります。

② 販売費及び一般管理費・その他収益・その他費用・営業利益

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて310億円増加し7,029億円となり、売上収益に対する比率は39.9%から39.3%へと0.6ポイント低下いたしました。これは、下期から全社で経費削減に取り組んだ効果によるものです。営業利益は1,272億円と、前連結会計年度に比べて371億円の減益となっております。

③ 金融収益・金融費用・税引前利益

 金融収益は、前連結会計年度に比べて149億円減少し、23億円となり、金融費用は、前連結会計年度に比べて382億円増加し、394億円となりました。金融収益が減少し、金融費用が増加した主な要因は、前連結会計年度では急激な円安により為替差益が150億円だったものの、当連結会計年度では急激な円高となったことから為替差損369億円を計上したためです。

 この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて904億円減少し902億円となり、売上収益に対する比率は前連結会計年度の10.7%から5.1%へと5.6ポイントの減少となりました。

④ 親会社の所有者に帰属する当期利益

 法人所得税費用は、前連結会計年度に比べて271億円減少し、361億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて619億円減少し、480億円となり、基本的1株当たり当期利益は前連結会計年度に比べて608円11銭減少し471円31銭となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産

 資産は、前期比744億円増加し、1兆2,381億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加302億円、その他の短期金融資産の増加1,616億円、繰延税金資産の増加333億円、デリバティブ金融資産の減少1,569億円等によるものです。

② 負債

 負債は、前期比2,515億円増加し、6,404億円となりました。これは主として、デリバティブ金融負債の増加722億円、未払法人所得税の減少271億円、長期金融負債の増加2,485億円、繰延税金負債の減少434億円等によるものです。

③ 資本

 資本は、前期比1,771億円減少し、5,976億円となりました。これは主として、その他の資本の構成要素の減少1,893億円等によるものです。

④ 資金の状況

 当社グループの資金の状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。