(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の金融・経済政策や円安を背景として企業収益が改善し、雇用・所得環境も上向くなど、景気は緩やかな回復基調にありました。
しかしながら、円安による物価上昇や消費マインドの低迷等により個人消費の持ち直しには遅れが見られるとともに、海外での中国経済の減速や欧州経済の停滞による影響が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続きました。
外食業界におきましては、原材料価格の高騰や人手不足による人件費の高騰に加えて、業種・業態の垣根を越えた企業間競争が激化するなど、引き続き厳しい環境下にあります。
このような状況の中で、当社グループは、今後10年、20年先の外食市場を見据えた抜本的な経営戦略の刷新を行うべく、前期より取り組んでいる「業務構造改革」を着実に進め、収益改善を図ることを最重要経営課題と認識し、ゼロベースの発想で様々な施策に取り組みました。
具体的には、店舗オペレーション体制の再構築、新しい店舗組織体制の推進、新しい人事制度・賃金制度に基づく業務運営、MD(マーチャンダイジング)戦略の強化、新しい店舗業態の開発、新しい収益モデルの構築などを行いました。
一方、店舗展開におきましては、新規出店を5店舗、店舗改装(業態転換を含む)を18店舗、店舗閉鎖を26店舗で行いました。
この結果、連結売上高は、前年同期に比べ3.2%減少の70,765百万円となりました。
セグメント別では、飲食事業につきましては、当社グループの既存店売上高については「業務構造改革」に取り組んだことにより、平成27年1月より前年実績を上回る状況が続き、年度累計では対前年比101.0%と増加しました。しかしながら、前期及び当期に実施した店舗閉鎖による売上減少が大きく影響し、全体での売上高は前年同期に比べ4.3%減少の59,722百万円となりました。
卸売事業につきましては、グループ外部取引先への食材卸売が増加したこと等により、売上高は前年同期に比べ3.2%増加の4,261百万円となりました。
不動産事業につきましては、売上高は前年同期に比べ1.3%減少の1,048百万円となりました。
フランチャイズ事業につきましては、売上高は前年同期に比べ11.3%増加の397百万円となりました。
その他事業につきましては、物流子会社が行うグループ外部取引先への配送業務が増加したこと等により、売上高は前年同期に比べ2.8%増加の5,336百万円となりました。
一方、利益面につきましては、売上高の減少により売上総利益額は減少したものの、売上原価率の低下や販売管理費のコスト削減効果等により、営業利益は190百万円(前年同期は営業損失1,054百万円)、経常利益は181百万円(前年同期は経常損失1,147百万円)と黒字回復を図ることができました。
しかしながら、当社における繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、当該繰延税金資産の一部を取崩すこととし、法人税等調整額1,734百万円を計上したため、当期純損失は2,049百万円(前年同期は当期純損失1,607百万円)となりました。
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(2) キャッシュ・フローの状況 |
(単位:百万円) |
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平成26年8月期 |
平成27年8月期 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,087 |
2,062 |
974 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△750 |
495 |
1,245 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△1,692 |
△237 |
1,455 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
△1,355 |
2,320 |
3,675 |
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現金及び現金同等物の期首残高 |
10,362 |
9,007 |
△1,355 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
9,007 |
11,328 |
2,320 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,062百万円の資金収入(前年同期は1,087百万円の資金収入)となりました。これは主に、減価償却費1,847百万円及び減損損失364百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、495百万円の資金収入(前年同期は750百万円の資金支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,251百万円等に対し、有形固定資産の売却による収入1,169百万円や敷金及び保証金の回収による収入781百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、237百万円の資金支出(前年同期は1,692百万円の資金支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,150百万円等に対し、長期借入金の返済による支出2,445百万円及び社債の償還による支出1,200百万円等によるものであります。
以上の結果により、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べ2,320百万円増加の11,328百万円となりました。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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飲食事業 |
59,722 |
95.7 |
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卸売事業 |
4,261 |
103.2 |
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不動産事業 |
1,048 |
98.7 |
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フランチャイズ事業 |
397 |
111.3 |
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その他事業 |
5,336 |
102.8 |
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合計 |
70,765 |
96.8 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 その他事業は運送事業及び飲料水の製造事業等であります。
当社が、前期より取り組んでいる「業務構造改革」については、将来に向けていかなる環境変化にも対応できる強固な経営基盤を構築することを目指しております。この改革をより実効あるものとするために、来期においてもさらなる改善を行うとともに、第2、第3段の経営改革にも取り組んでいきたいと考えております。
具体的に対処すべき課題としては、以下の点を重視して実施してまいります。
(1) 収益力の拡大
当期に黒字回復した収益体制をさらに強固なものとするため、来期では「既存店舗対策」の強化、売上原価率の低減、人件費コントロールを中心として、収益力の拡大を図ってまいります。
(2) 店舗改装の強化
「既存店舗対策」としては、収益改善が期待できる「店舗改装」を最重点強化策として取り組んでまいります。特に、時流のお客様ニーズにマッチしていない不振業態から業績好調な新しい店舗業態への転換により収益改善を図ってまいります。
(3) 店舗業態ポートフォリオの確立
店舗業態戦略としては、生産地や食材等にこだわった新しいスタイルの「専門店」業態の開発を積極化し、今後の店舗展開に向けた「店舗業態ポートフォリオ」を確立したいと考えております。
(4) MD戦略のさらなる強化
当期より着実に成果を上げている「MD戦略」をさらに強化し、季節感や旬を重視したメニュー構築、ランチメニューの標準化、手づくり重視の調理技術力の向上などを行い、商品・サービスの付加価値度を高めることにより「お客様の満足度」をアップさせるとともに、原価低減を図ってまいります。
(5) 新しい事業分野への進出
新しい事業分野にも積極的に取り組み、食材卸売による「外販事業」の本格展開、外国人観光客をターゲットとする「インバウンド事業」の推進、自社製品等の「インターネット活用による直販事業」なども拡大してまいります。
(6) 仕入調達力の強化
食材にこだわりを持つ当社としては、今後とも流通・物流改革にチャレンジし、生産地や生産業者との信頼関係を高め、差別化された高品質食材を安価に調達することにより、お客様に満足して頂ける商品・サービスを提供してまいります。
(7) 経営管理システムの革新
経営管理体制の強化に向けて、当社の主要システムを新しいシステムに移行してまいります。特に会計、人事システムの更新の他、営業管理や物流管理を担う当社基幹システムを全面的に見直しております。これにより、全社的な業務フローの見直し改革を図り、業務精度の向上や効率的なローコストオペレーション体制を構築してまいります。
(8) 生産性指標の向上
限られた店舗営業時間体制の中で収益力を拡大して行くには、時間管理の徹底と「1時間当たり売上高」や「1人当たり売上高」といった生産性の経営指標を高めることがポイントとなります。そのためにも、ワークスケジュール管理の精度を高めるとともに、より良い人事制度や賃金制度の構築により、従業員のモチベーションを高めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、以下のようなものがあります。
記載内容のうち、将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(平成27年11月30日現在)において当社グループが判断したものであります。
(1) 食中毒について
外食事業にたずさわる当社グループにとって、最大のリスク要因は食中毒の発生と認識しており、入荷食材の品質検査や従業員への衛生指導等を行う「食品衛生研究所」、及び薬物検査や使用食材の安全性についての分析・研究等を行う「総合科学新潟研究所」の2つの衛生管理機関を設置するなど、様々な衛生管理への対策を講じております。しかしながら万が一、不可抗力的な食中毒が発生した場合、社会的信用を失うことによる売上高の減少、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止や営業許可の取り消しなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食材仕入について
当社グループにおきましては、トレーサビリティ(生産履歴)の追求や産地仕入の拡大に努めるなど、食材の品質管理を最重要課題として認識しております。当社グループの中心食材である生鮮魚介類において、海の汚染等による品質安全面の不安、漁獲高の減少や海外需要の増加による調達難等が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、穀物や野菜などの農作物の天候不順等による不作や、その他食材市況の大幅な変動が発生した場合、原材料の調達難や仕入れ価格の上昇により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 食品工場について
当社グループの食品工場では、HACCP(ハサップ:総合的衛生管理システム)に対応した厳格な品質管理体制の基に、グループ店舗向けの加工食材等を製造しておりますが、万が一、当工場にて食品衛生に関する問題が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム障害について
食材の受発注、店舗における売上日報管理、勤怠管理などの店舗管理システムの運営管理は、信頼できる外部業者に委託しており、万全の体制を整えておりますが、万が一、災害、停電、ソフトウェアまたはハードウェアの欠陥、コンピュータウイルスなど不測の事態によりシステム障害が発生した場合、食材調達、勤怠管理など店舗運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 外食業界の動向について
当社グループが属する外食産業市場は成熟段階に入っており、想定以上の市場規模の縮小、企業間競争の激化が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 出店戦略について
新規出店につきましては、立地条件や賃貸条件などを総合的に勘案して決定しているため、条件に合致する物件が確保できない場合、計画通りの新規出店が進行せず、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材育成について
当社グループは、人材育成については特に注力しておりますが、店舗拡大に伴った人材の育成が順調に進まない場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害等による影響について
当社グループでは、店舗が集中している関東地方や主要な都心部で大規模な自然災害や伝染病などの蔓延が発生した場合、来店客数の減少や正常な事業活動が困難となる恐れがあり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 差入保証金・敷金について
当社グループの飲食事業における店舗については、賃借による出店が中心であり、賃貸人に対し賃貸借契約を締結する際、保証金および敷金の差入れを行っており、賃貸人は小口かつ分散されておりますが、破産などにより保証金・敷金の回収が不能となった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 減損会計などの会計制度適用について
当社グループが保有する店舗や土地・不動産等の固定資産は、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後に向けて新しく会計制度の変更があった場合、その適用によっても当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制等について
当社グループにおいては、会社法をはじめとする一般法令に加え、食品衛生法、労働基準法などの様々な法規制や制度の制限を受けております。これらの法的規制が変更・強化された場合に、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) FC(フランチャイズ)店舗について
当社グループは、「庄や」「やるき茶屋」を主体にフランチャイズ加盟店との間で「大庄ファミリー契約」を締結し、フランチャイズ展開を行っております(平成27年8月現在192店舗)。
フランチャイズ店舗には、安全な食材の供給、衛生管理、経営指導を行うなど、親密な取引関係を維持しておりますが、万が一、フランチャイズ店舗での食中毒等の不測の事故が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 個人情報の管理について
当社グループでは、イベント案内や宴会需要の掘り起し等を目的に顧客の個人情報を取り扱っております。万が一、情報の漏洩があった場合、社会的信用の失墜や損害賠償問題につながり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) インターネット等による風評被害について
ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の書き込みや、それを要因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて行っております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は15,264百万円となり、前期に比較して1,890百万円増加となりました。これは、現金及び預金が2,305百万円増加したことが主な要因となっております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は27,455百万円となり、前期に比較して4,359百万円減少となりました。これは、旧本社ビルの土地を譲渡したことや減価償却が進んだこと等により有形固定資産残高が1,984百万円減少したことに加え、長期繰延税金資産が1,449百万円減少したことや敷金及び差入保証金が981百万円減少したことが主な要因となっております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は11,254百万円となり、前期に比較して1,296百万円減少となりました。これは、1年内償還予定の社債が1,000百万円減少したことが主な要因となっております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は9,411百万円となり、前期に比較して1,220百万円増加となりました。これは、長期借入金が1,387百万円増加したことが主な要因となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は22,053百万円となり、前期に比較して2,392百万円減少となりました。これは、当期純損失の計上等により利益剰余金が2,435百万円減少したことが主な要因となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(3) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりであります。
(売上高)
主力の飲食事業において、既存店売上高は対前年比101.0%と増加したものの、前期及び当期に実施した店舗閉鎖による売上減少が大きく影響し、売上高は前期に比較して2,351百万円減少(前期比3.2%減)の70,765百万円となりました。
(営業利益又は営業損失)
前期に比べ、売上高の減少により売上総利益額は減少したものの、売上原価率の低下や販売管理費のコスト削減効果等により、営業利益は190百万円(前年同期は営業損失1,054百万円)となりました。
(経常利益又は経常損失)
営業外収益は、96百万円(前期比7百万円増)となりました。
営業外費用は、前期に比べ支払利息が減少(前期比52百万円減)したこと等により、105百万円(前期比77百万円減)となりました。
以上の結果、経常利益は181百万円(前年同期は経常損失1,147百万円)となりました。
(当期純損失)
当社における繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、当該繰延税金資産の一部を取崩すこととし、法人税等調整額1,734百万円を計上したため、当期純損失は2,049百万円(前年同期は当期純損失1,607百万円)となりました。