今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、経済・社会活動の回復が期待される一方で、物価の継続的な上昇に加え、中東情勢を要因とするエネルギー価格の高止まり、為替変動の影響等から、経済環境の先行きは警戒すべき局面になるものと見込まれます。
当業界におきましては、出店競争の激化、業界再編の進行、他業態との競争が続く中、人口減少や少子高齢化に起因する労働力不足に加え、原材料の高騰、調達難など販売促進活動にも影響を及ぼす可能性もあり、業界環境は引き続き厳しい状況で推移するものと認識しております。
こうした事業環境を踏まえ、当社グループは、国内店舗網の更なる強化に向け立地特性に応じた業態による新規出店を推進するとともに、EC事業及び調剤事業の拡大に取り組んでまいります。あわせて、プライベートブランド商品の拡充、新規カテゴリーの開発を進めてまいります。また、高いサービスレベルを維持するための人材教育に注力するとともに、少子高齢化に伴う労働力不足への対応として、各種業務におけるデジタル化(省人化)を推進し、生産性の向上を図り、環境経営にも積極的に取り組んでまいります。
目標とする経営指標

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナブル経営方針
① 基本的な考え方
CO2の排出抑制や生物多様性などの地球環境保全問題、超少子高齢化による労働人口や消費人口の減少、人権問題、AIに代表されるデジタル技術の浸透といった様々な変化は「生活者」に新たな価値観をもたらします。その結果として企業を評価する物差も大きく変化しています。
企業は自ら存在意義と社会的使命に対し自問自答し、柔軟にかつ迅速に対応していかなければなりません。サンドラッググループでは、経営理念や経営方針に沿って法令やガイダンス等を参考にESG・SDGs・CSRの3つのアプローチで社会の変化やリスクに対応できるサステナブルでレジリエンスな企業を目指しています。
② 取り組み(マテリアリティ)
急速に進む社会の変化とそれに呼応する新たな価値観や法令、ガイダンスの要求、当社の取り組みを評価し、ドラッグストアとしての使命を踏まえ、取り組み(マテリアリティ)を定義しています。
具体的には次の表に記載の内容を今後の活動テーマとしています。
網羅的に設定していますのは、店舗の特性としての地域性、労働集約型の事業特性、気候変動等に見られる社会からの要求に応える為のものであります。
また、その中でも環境経営の推進、人的資本経営の推進を特に重点テーマとしています。

③ ガバナンス
取締役会
経営の基本方針等、法令上取締役会の専決事項として定められた事項の決定及び取締役の職務執行に対する監督を主な役割としております。
取締役会は、ESG推進委員会からの報告についてサステナビリティ経営の最終的な監督が行われ、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点から審議を行います。
ESG推進委員会
サンドラッググループの持続的成長を目指したサステナビリティ活動を統括し、方向性の検討、実施計画の承認と進捗管理を担当しています。
ESG推進委員会の事務局はサステナブル経営推進が担いガイダンス等の要求に沿って担当部署と具体的な施策の調整を行っております。
コンプライアンス・リスク管理委員会
ESG推進委員会と連携しサステナビリティ関連の法令等の影響評価を行い、リスクを生じさせない、顕在化させないための具体的な検討と対応を行っています。
代表取締役の役割
代表取締役社長CEOはサステナビリティに関する取り組みに関し、事業活動との整合性を図りつつ、経営資源の配分や体制整備、取り組み推進の最終決定を行っております。

④ リスク管理
気候変動に関しては、IPCCはじめ国の研究機関及び大学、民間シンクタンクの科学的なデータを積極的に取得し精査すると共に、柔軟に解釈し経営判断に採り入れています。また国内の法規制等についても官公庁の審議会の状況を把握しESG推進委員会に報告し早期のリスク軽減に努めています。
ESG推進委員会と連携しているコンプライアンス・リスク管理委員会では法令等の影響評価を行っており、リスクを発生させないための具体的対応を行っています。また、定期的にリスクと機会の分析を行い、事業戦略への影響の把握と対策検討及びモニタリングを実施いたします。
労働集約型の産業であるドラッグストアにとって最も重要な資産は「人材」であると考えております。従業員一人ひとりの能力、スキル、モチベーションが企業の生産性や競争力を大きく左右します。激しい競争環境の中で持続的な成長を実現するためには、人材への戦略的な投資が不可欠であると考えております。
経営戦略、経営課題に資する人材についてAS IS TO BEで管理し必要な施策、必要な投資を行うことで人的資本経営より生じるリスクに対応してまいります。
(2) 環境経営
① 基本的な考え方
「地球環境の保全」と「生物多様性の保護」は人間生活の基盤であり、すべての事業活動の源であるという認識のもと、当社はこれらを重要な経営課題(マテリアリティ)として位置づけ、環境経営の推進を戦略的に進めています。
「環境経営」を実践するにあたっては、全社的な行動の基準として環境方針及び環境自主行動計画を策定し、すべての事業分野において、自ら責任を持って取り組んでいます。さらに、多様なステークホルダーと協働しながら、事業活動を通じて環境課題の解決に貢献することを目指しています。
② 戦略
当社は2030年までを達成年度とした短中期目標と2050年を達成年度とした長期目標に分けてCO2の削減を進めます。前者の目標は、グループ全体でのSCOPE2の排出量を2013年度比2030年度末に原単位※あたり50%削減であり、後者の目標はSCOPE1、2排出量のニュートラル状態の達成です。 ※店舗売り場面積1㎡当たり
③ 施策
当社のCO2削減は、1.太陽光パネルの設置 2.空調省エネ設備 3.ノンフロン冷蔵・冷凍設備の導入の3つの施策によって推進します。
なお、達成状況によっては、カーボンオフセット(非化石証書、Jクレ等の購入)の検討、オフサイトPPAで電力の調達等を炭素税の議論や市況に応じて手当てしていきます。
また、エネルギー管理の徹底、省エネに対する従業員の意識・知識の向上といった教育活動を実施しています。
指標と目標
(表1)SCOPE2排出量/原単位当たりの排出量

(表2)太陽光パネル 計画数/設置数

(表3)空調省エネ設備 計画数/設置数

(表4)ノンフロン冷凍冷蔵庫 計画数/設置数

(表5)SCOPE1.2.3排出量(2025年度)

補足
併せてSCOPE3においても特に重要と考えるカテゴリーについても目標を定め削減を進めます。
a.廃棄物の削減及び3Rの推進 b.エネルギー、水、廃棄物に考慮したプライベートブランド(PB)商品の投入 c.物流の効率化と輸送排出削減施策 d. サプライヤーとの協働での包装簡素化
(3) 人的資本経営
① 基本的な考え方
当社グループは、「国民の『健康で豊かな暮らし』の実現を目指し、毎日が明るく楽しい生活の創造に貢献する」という企業理念のもと、地域社会におけるヘルスケアインフラとして、ドラッグストア事業、調剤事業、ディスカウントストア事業及びEC事業を展開しております。
少子高齢化の進展、生活者ニーズの多様化、医療及びヘルスケア需要の拡大、デジタル技術の進展等、当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化するなか、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を実現するためには、人的資本の強化が不可欠であると認識しております。
当社グループは、「地域のヘルスケアステーションとして、またセルフメディケーションの拠点として、地域へ密着していく」ことを長期ビジョンとして掲げ、その実現に向け、人的資本を経営基盤の中核に位置付け、専門性を備えた人材の育成、事業環境変化に対応できる柔軟な組織体制の構築及び従業員が能力を最大限発揮できる環境整備に継続的に取り組んでおります。
② 人的資本戦略と経営戦略との連動
当社グループは、中期経営計画において、多様な店舗フォーマット展開、調剤事業の強化、PB商品開発及び食品強化、EC事業及びデジタル活用の推進並びに生産性向上による経営基盤の強化を重要課題としております。
これらの成長戦略を実現するためには、薬剤師及び登録販売者等の有資格者に加え、店舗運営を担うマネジメント人材並びに各事業領域における専門人材の確保及び育成が必要であると認識しております。
当社グループは、人的資本を持続的な成長を支える重要な経営基盤と位置付け、人材の確保、育成及び活躍促進に継続的に取り組むことで、店舗運営品質の向上、顧客満足度の向上、生産性の向上及び事業競争力の強化を図ってまいります。
③ 人的資本経営推進の執行体制
当社グループでは、人事制度を総合的に企画/設計/構築する人事部と従業員教育を構築/実行する人材開発室を設置しています。
企業理念である「国民の『健康で豊かな暮らし』の実現を目指し、毎日が明るく楽しい生活の創造に貢献」を実現するための職種別研修を、『調剤』『ウェルネス』『美容』のそれぞれに専門の教育部門を設置することで、専門性を高める教育を行っています。

④ 戦略(人材育成方針)
当社グループでは、多様な店舗フォーマット及び事業領域を展開している特性を踏まえ、ジョブローテーションを通じた人材育成を重視しております。
キャリア形成の初期段階においては、当社独自の「1店舗2ライン制」に基づき、職種ごとの専門性を高める教育を実施しております。
その後、部門横断的な異動及び多様な業務経験を通じて、俯瞰的な視点と専門性を兼ね備えた人材を育成し、事業環境の変化に柔軟に対応できる人材基盤の強化を図っております。
さらに、従業員の継続的な成長を支援するため、eラーニングシステムを活用した学習環境を整備しております。新入社員から役員まで、それぞれの職階に応じた知識やマネジメントスキルを時間や場所にとらわれず学習できる体制を構築するとともに、自身の習熟度やキャリアに応じて繰り返し学び直しを行うことが可能となっております。
これにより、自律的な学習機会の提供を通じて、継続的な知識・スキルの向上及び主体的な能力開発を支援しております。
当該方針に基づく主な指標は以下のとおりであります。
(人材育成のための施策)
※1)上記項目は㈱サンドラッグのみの実績。
連結グループ会社従業員の各研修は㈱サンドラッグの教育に準じて実施しています。
※2)OTC店舗・薬局・化粧品店舗に在籍している薬剤師(OTC・調剤)・登録販売者・化粧品担当者のそれぞれの専門カリキュラム修了者。
※3)職階ごとの一般教養、マネジメントスキルに関する知識の習得者。毎期一定数の新規入社者が加わることを踏まえ、継続的な教育実施体制の維持指標として80%以上を目標としております。
※4)調剤業務だけでなく、OTC医薬品・サプリメント等のカウンセリングに必要な知識・スキル・経験を習得した薬剤師専門教育の高度化は、調剤対応力の向上、接客品質の向上及び顧客満足度の向上を通じ、当社グループの競争力強化に資するものと認識しております。
⑤ 戦略(社内環境整備方針)
当社グループは、従業員一人ひとりが健康かつ意欲的に働くことができる環境を整備することが、持続的な成長及び企業価値向上の基盤であると認識しております。
このため、多様な人材が相互に尊重し、能力を最大限発揮できる職場環境の整備、安全衛生管理の徹底及び仕事と生活の調和のとれた働き方の推進に取り組んでおります。
⑥ 安全衛生の取組
当社グループは、毎月開催する安全衛生委員会を中心に、安全衛生管理体制を構築しております。
継続的な教育を通じた安全衛生意識の向上、労働災害事例の検証及び再発防止策の徹底、定期的な職場安全衛生チェックの実施により、安全かつ安心して働くことができる職場環境の維持向上を図っております。また、従業員の健康維持増進に向けた教育及び各種施策を実施し、健康経営の推進に努めております。
当該方針に基づく主な指標は以下のとおりであります。
(社内環境整備のための施策)
※1)1年間の労働者1,000人あたりに発生した発生件数(うち休業4日以上の死傷者数)の割合
これらの環境整備施策は、従業員の健康維持、生産性向上及び安定的な店舗運営基盤の強化につながるものと認識しております。
⑦ 人的資本データ活用の高度化
当社グループは、人的資本経営の高度化に向け、既存の人事関連データの分析精度向上を進めております。
今後は、組織状態をより定量的に把握するための測定手法の導入を検討し、分析結果を人材配置、教育施策及び職場環境改善に反映することで、人的資本の質的向上を図ってまいります。
⑧ 今後の課題
当社グループにおいては、専門人材確保競争の激化、店舗拡大に伴う育成負荷の増加、多様な働き方への対応及び人的資本管理の高度化が重要課題であると認識しております。
これらに対応するため、人的資本への継続的な投資及び施策の高度化を通じ、持続的な企業価値向上を実現してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のとおりであります。
また、当社グループは、これらのリスクに対する管理体制を「第4 提出会社の状況」の「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループにおいては、4種類の店舗形態を運営しております。形態といたしましては、ドラッグストア形態、調剤薬局形態、複合形態である調剤併設ドラッグストア形態及びディスカウントストア形態の4種類です。
グループ全店舗中249店舗で展開する調剤業務は、医薬分業が進展するに従い処方箋の応需枚数が一層増加することが予想されます。調剤薬の瑕疵・調剤ミス等により将来訴訟や行政処分を受ける可能性があり、その場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、調剤部によるグループ全体の調剤業務に関する技術や医薬品の知識の向上に取り組み、調剤過誤を防止すべく万全の管理体制のもと、細心の注意を払い調剤業務を行うとともに、調剤ミスリスク防止や効率化のために、監査チェックカメラを設置しております。更に調剤ロボット導入投資を検討しており、リスク軽減に努めております。また、リスク管理のため、全店で「薬局賠償責任保険」に加入しております。
② 調剤業務の売上に係る調剤報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)は、法令により定められております。今後これらの調剤報酬や薬価の改定によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日々進化するデジタルやAI・IoTを活用した更なる高度なシステム構築や業務の省力化・効率化投資による生産性向上により、「ローコストオペレーション」の持続的運営を図り、コスト低減、利益率の維持・向上の推進に注力し、リスクの軽減を図っております。
③ 当社グループは、取扱い商品の大半を卸業者及び一部を製造メーカーより仕入れておりますが、仕入れ値が変動する可能性があり、売上高及び売上総利益へ影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市況変動に対応すべく、また、顧客ニーズ対応・掘り起こしに向けて、プライベートブランド商品(高付加価値商品と機能性のある低価格商品)の新製品開発強化によるリスク軽減を図っております。
④ 当社グループの本社及び各店舗、物流センター所在地において、大地震はじめ自然災害や予期せぬ事故・犯罪等の発生或いは新型ウイルス・細菌感染症が大流行した場合、各拠点における人的被害・物理的損害やサプライチェーン寸断等が発生し営業活動が阻害され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、被害リスクの最小化と被災地域への貢献に資すべく、「災害対策マニュアル」に基づく研修と訓練を、本部・全店舗にて、毎年定期的に実施し対応しております。
① ドラッグストア業界では、同業他社の積極的な出店による競合に加え、他業種との競合もあり、来店客数の減少、売上単価の低下などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同業他社及び他業種の積極的な出店による物件の取り合いにより賃料等が高騰する場合があります。このような状況のなか当社グループの新規出店の選定に関し、当社グループの厳格な出店基準に合致する物件がなければ出店予定数を変更することもあるため、業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、M&Aや新規出店戦略の強化、商品政策の精度向上、販売促進施策の充実による収益性の改善を進めております。更に、出店基準の見直しによる機会拡大、優秀な新卒人材や専門性・即戦力を備えた中途人材の採用による多様性の確保、体系的な研修による人材力の底上げを通じて、リスク低減に努めております。
② 店舗賃貸借契約にて、賃貸人に対し、敷金・保証金・建設協力金等を預託・貸付することがありますが、賃貸人の倒産等により、当該預託・貸付資金の回収が困難になる可能性があります。
当社グループは、可能な限りのリスク回避に向けて、担保権設定等や賃貸人の財務状況等情報収集に努めております。
③ 当社グループは、株式、出資金の取得や業務提携等を通じて事業の拡大を図っております。また、これらの投資に伴いのれんを計上している場合もあります。当該事業が当初の目論見通りの収益を上げられない場合、のれんの減損を含め、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
株式、出資金の取得や業務提携等を実施する際には、第三者機関にも評価を依頼し、十分な事前調査を行うとともに、精緻な事業計画を立て、その意思決定を行っております。また、実施後の事業進捗については、定期的にモニタリングを行い、当該リスクの低減に努めております。
① 法的規制について
当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)で定義する医薬品等の販売をするにあたり、その内容により各都道府県の許可・登録・指定・免許及び届出を必要としております。また、酒類・食品等の販売についても、それぞれの関係法令に基づき所轄官公庁の認可・登録等を必要としております。従って、これら法令の改正等により店舗の営業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 医薬品販売の規制緩和について
「薬事法の一部を改正する法律(公布日 2013年12月13日、施行日 2014年6月12日)により一般用医薬品のネット販売が事実上解禁となりました。現状では、第1類医薬品を販売する際には、薬剤師が医薬品に関する情報提供が義務付けられていますが、今後より一層の規制緩和が進み、他業種との競争が激化した場合には、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上記①・②のリスク軽減のために、法改定に迅速に対応すべく、企業理念である“一歩先を考え、半歩先に行動する”人材育成に傾注した研修を更にブラッシュアップしつつ実施し、対処しております。
③ 有資格者の確保について
薬局及び医薬品販売業では、医薬品医療機器等法により店舗ごとに薬剤師又は登録販売者を従事させることが義務付けられており、調剤業務に関しては薬剤師が行わなければなりません。従って、在籍薬剤師の人数及び在籍登録販売者の人数は新規出店の重要な制約条件となります。
ドラッグストア業界では、同業他社などの積極的な出店などの要因もあり、薬剤師の採用競争は引き続き激しくなっております。これに伴い薬剤師の確保のための採用費等の上昇が続くものと思われます。一方登録販売者につきましても、他業種からの医薬品販売への参入増加が予想され、他業種等からの引き抜きなども懸念されております。このような状況において、出店に必要な薬剤師及び登録販売者が確保できなかった場合は、当社グループの出店計画に影響を与え成長を阻害される可能性があり、薬剤師及び登録販売者が確保された場合においても人件費の上昇が続いた場合、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、男女性差なく、一人ひとりが能力を発揮し活躍できる会社を目指し、さまざまな働き方の多様化に寄り添い、就労形態や処遇形態などにおける働きやすい環境や各種制度づくりをはじめ、外部変化をも把握しつつ常に雇用管理の改善に取り組む運営体制で、人材確保に努めております。
(なお、厚生労働大臣より、①「女性活躍推進法」に基づく『えるぼし(3ツ星)』認証、②「次世代育成支援対策推進法」に基づく『プラチナくるみん』認証をそれぞれ取得。 加えて、「仕事と介護(看護)との両立支援企業」として『トモニン』の両立支援シンボルマークを取得しております。)
また、従業員の各種資格取得を促進する研修体制や受験勉強時間付与制度の充実により、合格者数を増やし、資格者不足リスクの軽減を図っております。
④ 個人情報保護について
当社グループは、ポイントカードシステムの運用に伴う顧客情報、調剤業務に伴う患者情報及び従業員情報等を保持しており、コンピューター管理を行っております。個人情報保護法に基づき、これらの情報管理については万全を期しておりますが、万が一情報の漏洩があった場合、当社グループは社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「個人情報保護法」に基づき、情報管理体制を構築し、業務監査室にてモニタリングを実施するとともに、定期的に研修を実施し、「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて状況確認するなどにより、リスク軽減に対処しております。
当社グループは、これまで医薬品販売業務や調剤業務に関連した訴訟を受けたことはなく、法的危機管理に対処する体制を社内に整えておりますが、医薬品を処方、販売する事業の性格上訴訟を受ける可能性があります。訴訟の内容及び金額によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「コンプライアンス・リスク管理委員会」を定例及び随時に開催し、体制強化を図っております。
また、薬剤師・登録販売者に対し、「医薬品医療機器等法」の改正事項周知や薬事の更なる高度知識習得のための社内及び社外の研修を積極的な受講を推進しており、リスク軽減を図っております。 他方で、業界等の研修会への講師派遣も行っております。
代表取締役社長 CEOをはじめとする経営陣は、各事業分野において重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できない事態となった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、役員・役員候補者に対し、役員向け研修プログラム(e-ラーニング)受講体制を整備し、ガバナンス、コンプライアンスも含め体系的学習を実施いたしております。従業員に対しても役職別にコンプライアンス、マネジメント等の研修体制の充実を図り経営層の育成を推進しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、雇用環境が改善傾向を維持し、賃金上昇などを背景に、緩やかな回復の動きが見られました。一方で、中東情勢の影響等に伴うエネルギー価格の高止まりや、物価上昇の長期化に伴う生活防衛意識の高まりから、個人消費は引き続き選別的な動きが続きました。ドラッグストア・ディスカウントストア業界におきましては、同業他社との出店競争の激化や、大手企業間における業界再編の進展に加え、他業態との競争、さらには医薬品販売に関する法改正や各種規制の影響等により、経営環境は一層厳しさを増しております。
このような状況のもと、当社グループは、引き続き「安心・信頼・便利の提供」をキーワードに、専門性の一層の向上を図りつつ、質の高い新規出店および既存店の改装を推進するとともに、少子高齢化や消費者の購買動向の変化への対応として、調剤事業およびEC事業の強化にも取り組みました。経費面については、生産性向上の継続的な取り組みに加え、環境経営の推進にも注力しました。
当連結会計年度の当社グループ全体の出店等の状況は、73店舗を新規出店し79店舗で改装をしたほか21店舗を閉店し活性化を図りました。
この結果、当連結会計年度末の当社グループ全体の店舗数は、ドラッグストア事業1,155店舗(直営店886店舗、㈱星光堂薬局84店舗、㈱サンドラッグプラス76店舗、㈱大屋72店舗、フランチャイズ等37店舗)、ディスカウントストア事業439店舗(ダイレックス㈱439店舗)の合計1,594店舗となりました。
当連結会計年度の業績は、売上高8,425億12百万円(前期比5.1%増)、営業利益468億31百万円(同5.2%増)、経常利益462億20百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益313億92百万円(同2.1%増)となり、増収・増益となりました。
セグメント業績等の概要は次のとおりであります。
<ドラッグストア事業>
ドラッグストア事業は、一昨年の反動もあり、感冒薬を中心とした季節商材の販売が減少し、売上高にマイナスの影響を及ぼしました。一方、既存店の改装効果に加え、調剤事業及びEC事業が引き続き好調に推移したこと、並びに備蓄米の販売が好調に推移したこと等により、売上高は前期比で増加いたしました。また、前期末からの取引条件改善等もあり、売上総利益率は0.2pt向上しております。
以上の結果、ドラッグストア事業の売上高は5,393億79百万円(前期比4.3%増)、営業利益は274億81百万円(同3.1%増)となりました。
<ディスカウントストア事業>
ディスカウントストア事業は、暖冬の影響等により季節家電の需要が低調に推移したことから、売上高にマイナス影響を及ぼしました。一方、食品部門は市場価格の上昇等を背景に、引き続き堅調に推移いたしました。また、ドラッグストア商材の取引条件改善等もあり、売上総利益率は0.3pt向上しております。
以上の結果、ディスカウントストア事業の売上高は3,641億21百万円(前期比6.4%増)、営業利益は193億50百万円(同8.4%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産が前連結会計年度末に比べ314億98百万円増加し、4,755億5百万円となりました。
うち流動資産は、売掛金、商品の増加等により、前連結会計年度末に比べ212億86百万円増加し、2,380億64百万円となりました。
固定資産は、新規出店、改装による有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ102億11百万円増加し、2,374億40百万円となりました。
流動負債は、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ55億27百万円増加し、1,340億35百万円となりました。
固定負債は、借入金、資産除去債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ96億83百万円増加し、554億68百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の発生など利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ162億87百万円増加し、2,860億1百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は60.1%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ55億67百万円増加し、705億23百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ21億33百万円増加し、432億97百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上等が要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期に比べ32億96百万円減少し、320億76百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出等が要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期に比べ49億46百万円減少し、56億53百万円となりました。これは主に、配当金の支払額等が要因であります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来に発生する事象に対して見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、貸倒債権、投資、法人税に対応する繰延税金資産、退職金等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。その主なものは、以下のとおりであります。
a.取立不能のおそれのある債権には、必要と認める額の貸倒引当金を計上しております。
b.繰延税金資産のうち、将来において実現が見込めない部分については評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が経済環境の変化等により予想された金額と乖離した場合には、繰延税金資産金額の調整を行います。
c.退職給付債務及び退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は、適切なものであると判断しております。
d.固定資産の減損の兆候を識別する方法や減損損失を認識、測定する方法は、適切なものであると判断しております。
売上高は、グループ全体で73店舗を新規出店し79店舗で改装をしたほか21店舗を閉店し活性化を図りました結果、8,425億12百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
売上総利益は、2,161億70百万円(同5.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、デジタル化(省人化)等への取り組みによる生産性の向上など諸経費の削減に努めましたが、積極投資による一時的な減価償却費の増加等により、1,693億38百万円(同6.1%増)となりました。
上記の結果、営業利益は、468億31百万円(同5.2%増)となり、経常利益は、462億20百万円(同5.4%増)となりました。
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、313億92百万円(同2.1%増)となりました。
当社グループは、持続的企業価値向上に向けた投資、株主への利益還元及び将来の更なる成長のための内部留保など総合的に最適なバランスを考え、財務の健全性維持と資本の効率的運用を基本としております。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本とし、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、あらゆる選択肢の中から当社グループにとっての最良の方法で行いたいと考えております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当業界におきましては、同業他社との出店競争や大手同士等の業界再編など、経営環境は一層厳しさを増しております。
このような状況をふまえ、当社グループは引き続き「安心・信頼・便利の提供」をキーワードに、国内店舗網の更なる強化に向け立地特性に応じた業態による新規出店を推進するとともに、EC事業および調剤事業の拡大に取り組んでまいります。あわせて、プライベートブランド商品の拡充、新規カテゴリーの開発を進めてまいります。また、高いサービスレベルを維持するための人材教育に注力するとともに、少子高齢化に伴う労働力不足への対応として、各種業務におけるデジタル化(省人化)を推進し、生産性の向上を図り、環境経営にも積極的に取り組んでまいります。
常に問題意識を持ち、想定されるリスクに対処しつつ、財務体質の健全性や安定継続的な配当水準を維持し、持続的な成長と企業価値の向上に努め、事業の拡大を実現してまいります。
該当事項はありません。
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